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愛知県
花の庭巡りならここ! フルーツの魅力を発信する「東谷山フルーツパーク」
熱帯果樹のコレクションも充実!フルーツを学んで味わうテーマパーク 1980年4月26日にオープンした「東谷山フルーツパーク」。市民が集うレジャースポットで、釣り池も含めると敷地は12万4,600㎡にも及びます。今回は果樹園や温室などにスポットを当ててご紹介しますが、これらを見学するには、ゆっくり歩いて1〜2時間くらいかかる規模です。 名古屋で一番高い東谷山を望む「東谷山フルーツパーク」は、借景の素晴らしい自然豊かな環境で、都市にありながら自然とふれあえる場として整備された公園です。季節の草花や花木を楽しめますが、特に果樹栽培に軸足を置き、農業公園として特色のある展示を行っています。 園内には17種の果樹園があり、それぞれ花が咲き、実を付けている姿を観賞できます。果樹の開花は2月にウメ、3月中旬にアンズ、モモ、スモモ、3月末にナシ、4月中旬にリンゴ、5月にブルーベリーやミカン、レモンと続き、見事な開花リレーも見どころの一つです。また、古墳をモチーフにして作られた大小2つの温室もあり、多様な熱帯植物をコレクション。写真のパラミツやマンゴーなど、熱帯果樹の展示も充実しています。 年間を通じて果樹の育て方の講習会も開催されており、剪定のコツや収穫量を増やすための工夫などを学べます。参加費は無料〜200円で約2時間、座学と果樹園での実技が行われます。また、収穫シーズンには、ブルーベリーやモモなどを使った、ジャム作り体験を開催することもあります。 園内には、旬のフルーツや土産物のショッピングができる「フルーツパークマルシェ」や、食事を楽しめる「フルーツパークテラス」などもあります。こちらを目当てに訪れる人々も多く、年間40〜50万人の来場者で賑わう、大人気の農業公園です。2020年は40周年を迎えるアニバーサリーイヤーで、4月26日(日)には記念イベントも予定されているので、ぜひ足を運んではいかがでしょうか。 春からの果樹の開花リレーも見どころ!実りのシーズンには収穫体験を実施 園内に2棟建つドーム型温室内の広さは1,300㎡で、天井の一番高い所は15mにも達します。ゆっくり見学すると1時間ほどかかる規模で、熱帯・亜熱帯の植物35科108種、約300株の植物が元気に育っています。土・日・祝日には、ガイドボランティアに温室内を案内してもらえます。予約は不要で、詳しい解説を聞きながらの見学は、より知識が深まり、さまざまな発見があって楽しいものです。 温室内では、マンゴー、パラミツ、ドラゴンフルーツ、パイナップル、パパイヤなどの熱帯果樹も植栽されています。日本で露地栽培できないフルーツは、どんな花を咲かせるのか、どんな風に果実をつけるのか、子どもと一緒に訪れれば、食育の場になりそうですね。写真のバナナは7種30本が植栽されています。 屋外の果樹園では、2,300㎡の敷地に、リンゴ、ウメ、モモ、ナシ、ブドウ、カリン、ミカン、レモン、キウイ、ブルーベリー、スモモ、アンズ、カキ、ビワ、イチジク、クリ、ポポー、全17種の果樹が栽培されています。春、ウメから始まって、次々と花を咲かせる様子は、とても見事です。普段は果樹園内には入れませんが、ウメ、ブルーベリー、ナシ、リンゴ、ミカン、カキが実るシーズンには、量り売りによる収穫体験を実施。ご家族やお友達と収穫を楽しんでみてはいかがですか。 「東谷山フルーツパーク」は、シダレザクラの名所でもあります。ソメイヨシノの1週間後くらいが見頃で、4月初旬には「しだれざくらまつり」が開催されます。この時期はお花見を目的に訪れる人々が多く、さまざまなフードスタンドが出店するほか、フルーツの即売会なども行われます。 7月中旬〜8月の夏休み期間に実施される、ブルーベリーの収穫体験は、特に人気のイベントです。参加者は、好みのカップ、サイズ大(500g)・中(300g)・小(100g)を選んで、いっぱいになるまで好きなだけ収穫してOK(参加費は気候や着果状況などによって変わります。参考価格として、2019年は小カップで300〜400円)。予約は不要で、開催日程等については、公式HPやTwitterでご確認ください。触るとポロリと取れるまで完熟したブルーベリーは、格別の味わいです! 旬のフルーツが揃う「フルーツパークマルシェ」と季節のパフェが美味しい「フルーツパークテラス」 「東谷山フルーツパーク」では、2019年2月に売店とレストハウスがリニューアルされました。写真は「フルーツパークマルシェ」の様子。旬のフルーツや野菜がずらりと並ぶほか、ジャムなどの加工品、土産物や雑貨も揃っています。中でも、園内で収穫された果物は新鮮そのもので、店頭に並んだ瞬間に売り切れてしまうほど大人気! 気軽にテイクアウトできるフルーツバーもあり、カットフルーツ300円、フルーツパフェ300円、手作りジェラート250円、フルーツかき氷(夏季限定)300円などがおすすめです。土・日・祝日には朝市も催され、大変賑わいます。 こちらもリニューアルされた「フルーツパークテラス」の様子。営業時間は9:30〜16:30(ラストオーダー16:00)、80席あります。日替わりランチ(火〜金のみ)800円、フルーツカレーライス800円、みそひれかつ定食980円など、ランチメニューが充実していますが、やはりおすすめは、旬のフルーツを使ったメニューですね。パインボード(季節のフルーツの盛り合わせ)850円、フルーツパフェ600〜1000円(フルーツは季節によって変わります)、フルーツサンド600円、お手頃サイズのカップフルーツは350円です。 三大イベント時の即売会やステージイベントも大人気 春の「シダレザクラまつり」、ゴールデンウィークの「トロピカルフルーツフェア」、収穫の秋に開催される「秋のフルーツフェア」という「東谷山フルーツパーク」の三大イベント時には、フルーツ即売会が実施されます。写真は「ミカン詰め放題」イベントの様子。とてもお買い得なので、ぜひお立ち寄りを! 「トロピカルフルーツフェア」や「秋のフルーツフェア」の際には、ステージイベントも開催。地元の方たちのジャズ、フラダンス、ベリーダンスなど、クラブ活動の成果をお披露目する発表会として、交流の場にもなっています。 Information 東谷山フルーツパーク 所在地:愛知県名古屋市守山区大字上志段味字東谷2110TEL:052-736-3344 http://www.fruitpark.org/ アクセス:電車/JR中央本線・愛知環状鉄道「高蔵寺」駅下車、南口より南へ徒歩25分バス/ゆとりーとライン「大曽根」発「高蔵寺」行き「東谷橋(とうごくばし)」バス停下車徒歩15分市バス地下鉄藤が丘駅「藤が丘」発「東谷山フルーツパーク」行き終点下車徒歩13分市バス名鉄小幡駅「小幡」発「(志段味巡回)東谷山フルーツパーク(「JR高蔵寺」駅経由)」行き終点下車徒歩13分 オープン期間:通年 休園日:月曜(祝祭日の時はその直後の平日)、12月29日〜1月3日 営業時間: 9:00~16:30 料金:無料(世界の熱帯果樹温室のみ有料。入場料 大人 300円 中学生以下無料、名古屋市内在住 65歳以上の方 100円、30名以上の団体は2割引、年間パスポート 900円) 駐車場/普通車約 840台、無料※ただし、イベント期間中のみ有料。(普通自動車 1回シダレザクラまつり 650円、トロピカルフルーツフェア・秋のフルーツフェア 350円、大型自動車 1回 1200円、自動2輪・原付 1回 150円)
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新潟県
「私の庭・私の暮らし」 佐潟の自然の中でハーブの魅力を伝える 新潟〈ハーブランドシーズン〉
水辺を見下ろす素晴らしいロケーション ハーブランドシーズンの建物は、佐潟(さかた)の水辺を見下ろす傾斜地に建っています。高低差があるおかげで、テラスからの見晴らしは最高。電線などの一切ない、開放感あふれる景色を一望することができます。 佐潟は国内最大の砂丘湖。砂丘と砂丘に挟まれたくぼ地に湧き水が溜まってできたという、国内でも珍しい成り立ちの淡水湖です。佐潟は昔から、人々の生活と共にある水辺として活用されてきました。今では希少な植物も残るこの一帯を守るため、地域の人々は環境保全に努めています。この湿地は、水鳥の生息地を守る「ラムサール条約」に登録され、野鳥の宝庫として知られます。200種を超える野鳥を観察することができ、コハクチョウやマガモといった、渡り鳥の越冬地としても有名です。 ハーブランドシーズンは、その佐潟を一周する遊歩道に面した、ナチュラルな雰囲気のハーブ園で、2002年にオープンしました。広々とした敷地には、ハーブ、草花、野菜、果樹、樹木など、100種を超えるさまざまな植物が健やかに茂り、鳥のさえずりが絶えません。 5月末のカモミール、7月のラベンダー、盛夏のハス、晩夏のレモングラスと、園内の景色は変わり続け、季節ごとの楽しみをもたらします。 無農薬ハーブを使った充実の講座 佐潟の近くで育った永嶋さんは、結婚を機に農業に携わり、その後、ハーブの道に進むようになりました。園内を足取り軽く歩き回って、「この植物はね、こうなのよ」と次々に教えてくれる様は、まるでハーブを知り尽くしたチャーミングな魔法使いのよう。採れたてのハーブをたっぷり使った体験講座で、ハーブのあれこれをとことん学ばせてくれます。 園内のハーブや植物は、すべて無農薬で栽培するというのが、永嶋さんのポリシー。その安心なハーブを使って、ハーブティー体験や花摘み、ハーブのコスメ作りといった体験講座を提供しています。また、ハーブを使った料理や薬膳、つるカゴなどのクラフト制作、植物を使った染め物など、いろいろな角度から植物について深く学ぶ講座も、多々行っています。 さまざまな植物がおおらかに育つ園内 建物の前に広がる斜面は、色とりどりの草花が植わり、お花畑のような雰囲気です。訪れた6月上旬は、カモミールの刈り取りがほぼ終わったところで、赤いポピーの野原となっていました。この後、夏に向けてセンニチコウが生えてきます。カモミールは、こぼれ種でまた来年生えるそう。 佐潟のほとりはスイカの産地として知られる砂丘で、園内はどこもさらさらとした砂地です。佐潟から吹く風が通り抜ける、日当たりのよい乾燥した砂地の斜面に、ハーブを中心としたたくさんの草花が元気に育ちます。 草花は時に、意図していない場所にこぼれ種で生えてくることがあります。土地が広いこともありますが、永嶋さんはそんな時でもあまり気にしません。植物に「君がここにいる意味があるかな?」と問いかけ、どうしても違うと感じた時は、移動してもらいます。 クワ(マルベリー)やジューンベリーなどの果樹も、ところどころに植えられています。クワの中でも、昔からある、葉を蚕に与える品種は小粒の実をつけますが、最近の人気は大粒の実をつける品種です。クワの実はケーキに添えるなどして使いますが、収穫が追い付かず落下することもしばしば。地面に落ちた実は染め物に使っています。 昔からのクワ(右)は葉が大きく、実は小粒。近年流行のマルベリー(左)は、葉は小さいけれど実が大粒です。園内にはアンズなどの果樹もありますが、鳥が食べるのが先か、人が食べるのが先かという競争になるそう。野鳥の宝庫ならではの悩みです。 敷地を縁取る木々 佐潟に面する側にはいろいろな樹木が茂っています。これは大きなクルミの木。実と葉、枝を染め物に使います。 鳥がクルミの実を運んで、思わぬところに芽を出してしまうこともあります。クルミは強い樹木で、そうなると困ったことになるので、気を付けています。 これは杜仲(とちゅう)の木。20年前に植えたのですが、ご本人は近年まですっかり忘れてしまっていて、知人によって発見されたのだとか。杜仲の葉は、割くと粘り気のある糸を引きます。煎って、杜仲茶にしていただきます。 ここに並ぶのはヤマザクラ。4月の終わりの花盛りには、ここで一服。素晴らしい時間を楽しめます。 健やかに茂る和洋のハーブ 日陰の一角には、ミョウガと、鳥が実を運んできたというサンショウの木があります。 これはハマボウフウ(浜防風)という珍しいもので、海岸の砂地に生えるセリ科の植物です。新芽をおひたしにして食べますが、香りはセリとイタリアンパセリをミックスしたよう。ハマボウフウの根は漢方薬としても使われています。 ハウスの中には、挿し木したラベンダーや、種まきしたバジルなど、おなじみのハーブがありました。ボランティアの方々に手伝ってもらって挿し木したラベンダーの数は、なんと2,000本。それらは病院など、必要とされる場所に、無償で提供しているそうです。 「私の次の夢は蒸留小屋を建てること」と言う永嶋さん。そのためにも、もっとラベンダーの苗を増やして準備していきたいと考えています。 永嶋さんは、カモミール、ローズ、ラベンダーなどを蒸留して作ったハーブウォーターを、化粧水として使っています。季節ごとに変わるフレッシュな化粧水を使うのは、本当の贅沢といえるでしょう。 バジル畑には、よく見ると日除けがしてあります。バジルは太陽を浴びると、酵素の働きで苦味が強くなってしまいます。バジルペースト用に育てるには、間隔を詰めて植え、遮光します。すると、葉が柔らかくなって美味しくなるそう。 これはルバーブのタネ。植物はできるだけ、自家採種して育てるようにしています。生徒さんにも、花の後、タネになるまでを学んでもらいます。「タネにエネルギーを感じる」と、永嶋さん。いろいろなタネだけを合わせた、タネのブーケを作るのも好きです。 ハウスの中にはレモンの木もあって、300個ほどの実が付きます。新潟産レモンをつくるのも、永嶋さんの夢の一つ。ここにはライムとベルガモットの木もありますが、それらの花(ネロリ)の蒸留にも挑戦したいと思っています。 建物の裏手には、立派なローズマリーの畑があります。永嶋さんはいつも、大きな枝を5本ほど、車のダッシュボードの上に置いています。効果抜群の、天然の消臭剤です。車の中に入れておくと、夏場はあっという間に乾燥してドライハーブになるそうで、一石二鳥です。 四角い枠の小さな畑は、年間の講座を受講する生徒さんに一枠ずつ貸し出しているものです。バジル、エキナセア、レモングラス、ローズゼラニウム、ラベンダー、スイスチャード、コモンマロウ、コモンセージといったハーブ類から、好きな植物を選んで、育ててもらいます。 ヒラタケ菌で土の改良 ハーブ園の一角には、ヒラタケを栽培する農家さんから譲ってもらった、使用後のヒラタケの菌床が積まれています。農学博士にお墨付きをもらったよい菌ということで、もみ殻と合わせてから、堆肥に混ぜて使っています。英国のガーデニングでいうところの、マッシュルーム・コンポスト(マッシュルームの菌床)と似た仕組みの土壌改良です。園内はどこも砂地で、チッソ系の栄養素をどれだけ入れてもすぐに流れてしまうので、堆肥を入れすぎるという心配はないそうです。 冬になると、この山には自然とヒラタケが生えてきます。すると、生徒さんたちは「本物の『きのこの山』だ!」と喜び、きのこ狩りに勤しみます。ちなみにヒラタケは、バジルペーストと和えると美味しいそう。 お話を伺いながらハーブ園をぐるりと一周。色とりどりの収穫です。 人生を変えたハーブとの出合い 永嶋さんがハーブに興味を持ったきっかけは、80年代にハーブを広めた園芸家、広田靚子(ひろたせいこ)さんのラジオ番組でした。広田さんの、日曜日の朝は庭の野菜やハーブを摘んで、たくさんのカモミールを入れたお風呂にゆっくり浸かります…という言葉に、永嶋さんは、まあ、なんて素敵な生活なのだろう、と驚きます。当時、農業に就いて、息つく暇もないほどの忙しい日々を送っていた永嶋さんにとって、それは夢のような生活に思えました。が、広田さんの優しい語り口に背中を押され、自分もやってみようと思い立ったのです。 『赤毛のアン』や『大草原の小さな家』などが好きだった永嶋さんは、お話に出てくる、カモミールやローズマリーといったハーブの存在に惹かれていました。しかし、当時はまだまだ珍しく、わざわざ探しに行って手に入れたローズマリーを料理に使っても、さじ加減が分からなくて、家族に不評を買うこともありました。まったく手探りのスタートでした。 そんな折、義理のお母様が体調を崩され、永嶋さんは少しでも助けになればと、ラベンダーを育て始めます。また、持病を持つお祖母様に、育てたカモミールを入れたお風呂をすすめ、「このお花のお風呂に入るとよく眠れる」と、受け入れられたことも励みになりました。そうやって少しずつ、心身の不調を和らげるハーブの力を感じるようになっていきました。 永嶋さん自身、忙しい一日の終わりに小さなハーブ畑に寄ると、疲れた気分がリセットされて笑顔が戻り、癒やされることに気がつきました。「香りってすごいな」と、人を元気にするハーブの力を実感したのです。そして、NPO法人ジャパンハーブソサエティ―(JHS)認定上級インストラクターの資格取得を機に、ハーブの道に本格的に進むことを決めたのでした。カモミールの「逆境のエネルギー」という花言葉が好きだという永嶋さん。人生に力を与えてくれるハーブの魅力をさらに広めようと、次の夢に向かっています。 Information ハーブランドシーズン 〒950-2261 新潟県新潟市西区赤塚5073番地 TEL/FAX: 025-239-3288 開園時間: 9:00~18:00 (冬期は17:00) 定休日:毎週水曜日 Credit 取材&文/ 萩尾昌美 (Masami Hagio) 早稲田大学第一文学部英文学専修卒業。ガーデン及びガーデニングを専門分野に、英日翻訳と執筆に携わる。世界の庭情報をお届けすべく、日々勉強中。20代の頃、ロンドンで働き、暮らすうちに、英国の田舎と庭めぐり、お茶の時間をこよなく愛するように。神奈川生まれ、2児の母。 写真/3and garden
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長野県
花の庭巡りならここ! 花苗ショップの品揃えにときめく「フローラルガーデン おぶせ」
早春から冬まで開花リレーされる花の名所フラワーショップは充実の品揃え! 1992年にオープンした「フローラルガーデン おぶせ」は5,700㎡の敷地を持ち、年間80種以上、約8,000株の一年草の開花を見ることができます。花卉・花苗生産の盛んな土地柄、市民の花愛好家も多く、花情報の発信地として整備された花の名所です。 園内の庭のデザインや植栽を手がけたのは「日本花の会」の鷲尾金弥さんほか。一年草の模様花壇、芝生広場、和風の宿根草・花木のエリアに分けられ、雁田山を借景に彩り豊かな花々を観賞できます。 春はクリスマスローズ、サクラ、クリサンセマム、アリッサムなどが開花。晩春から初夏にかけてはバラ、フジ、ナデシコ、キンギョソウ、スモークツリー、アジサイなどが。夏から秋にかけてはサルスベリ、ジニア、サルビア、センニチコウなど。冬はビオラ、パンジー、ハボタンなどと、季節の移ろいによって花の見どころも変化していきます。 フラワーショップも充実しており、季節の鉢花、洋ランなどを販売。特に春と秋は、町内産の新鮮な草花が所狭しと並んでいるので、ショッピングの楽しみもありますよ! また、初心者向けのワークショップとして、「寄せ植え教室」「ハンギングバスケット教室」「苔玉教室」なども定期的に開催しているので、興味のある方は、ぜひご参加を(制作内容によって参加費用は変わります)。 春はパンジーやビオラが咲き誇り花壇は花のタペストリーのよう 写真は5月下旬のメインガーデンの様子で、大きく分け5つの花壇が設けられています。パンジーやビオラなどこんもりと茂る一年草を使って、覆い尽くすように植栽。同系色でまとめたり、反対色を組み合わせてコントラストをつけたりと、カラフルな配色デザインを楽しめます。 園の入り口にあるテラスには、コンテナガーデンを展開。写真は5月頃で、ガザニアやビオラ、ゼラニウムなどが元気いっぱいに咲いています。主に開花の長い草花をセレクトし、大型のコンテナやハンギングバスケットにこんもりと茂らせて展示。園内で販売している花苗がどのようなボリュームで咲くのかを一目瞭然にする、花見本としての役割も持っています。 夏〜秋花壇はビビッドカラーの花が主役差し色を挟んだ配色の妙も楽しんで 写真は6月下旬〜7月上旬のメインガーデンの様子。ジニア、コリウス、メランポジウム、センニチコウなど、夏らしいビビッドカラーの花色が揃っています。そこへ花穂を縦に伸ばすブルーサルビアの紫を多めに配色して、コントラストをつけているのがポイントです。8月からはグラス類の中でも特に人気の高い、メリニス‘サバンナ’が存在感を増し始め、いち早く秋の足音を感じさせてくれます。 レストラン「OBUSE 花屋」はオシャレスポット1日20食限定のランチを食べに行こう! 園内にあるレストラン「OBUSE 花屋」は人気のスポット。ランチ11:00〜14:00、木曜定休。席数は30席あります。お箸で食べられる洋食がメニューに並び、地元産の野菜や果物を使った旬の味わいは女性に大人気。おすすめは1日限定20食の「花屋ランチ」1,200円です。 写真はレストラン「OBUSE 花屋」に隣接した飲食テラススペースで、飲食物の持ち込みOK。ペット同伴でレストランを利用したい場合は、このテラス席に通されます。園内の「農産物直売所ろくさん」併設の「ろくさんジェラート」で、地元産のミルクや果物を使った名物のジェラートをテイクアウトし、ここで景色を楽しみながら味わうのもいいですね。 Information フローラルガーデンおぶせ 所在地:長野県上高井郡小布施町中松506-1TEL:026-247-5487 http://www.floral.obuse.or.jp アクセス:公共交通機関/JR長野駅から長野電鉄線乗り換え、「小布施」駅下車、周遊シャトルバス15分、またはタクシー5分車/小布施スマートインターより10分 オープン期間:通年 休園日:年末年始、1〜3月の第3木曜 営業時間:9:00~17:00(冬季9:30〜16:30) 料金:大人200円、高校生100円、小・中学生無料(保護者同伴に限る)※20名以上の団体は1割引き、身体障がい者手帳の所持者とその介護者1名は半額 駐車場:普通車100台、大型バス3台(無料)
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山梨県
花の庭巡りならここ! 50種もの果樹が勢揃い!!「山梨県笛吹川フルーツ公園」
子どもたちの食育の場にもなる「生きたフルーツ展示」が見どころ 1995年にオープンした「山梨県笛吹川フルーツ公園」は、32万㎡もの敷地を誇ります。丘陵地帯に広がる園内は、大人がゆっくり歩いて2時間ほど。「フルーツ公園」と名乗るだけに、果樹をメインに展示しています。 山梨県民の憩いの場として整備された「山梨県笛吹川フルーツ公園」では、県の特産品であるモモ、ブドウなどの他、アーモンド、サルナシ、マンゴーなども見られます。「オーチャード(果樹園)」には、約190品種、約6,000本もの果樹が植栽され、「生きたフルーツの博物館」といえるほどのコレクション数。どんな樹姿で、どんな花が咲くのか、子どもと一緒に見学するのもいいですね。 また、「入口広場」と「花の広場」の2カ所に広い花壇が設けられ、季節の草花をカラフルに植栽しています。傾斜地を生かした面で魅せる花壇で、植栽デザインは専門スタッフが担当。年に2回の植え替えにより、花壇の表情が変わるのも見どころです。草花の種類は年によってさまざまですが、主に春はチューリップ、パンジー、スイセンなどが主役で、秋はサルビア、ジニア、マリーゴールドなどにバトンタッチされます。 「山梨県笛吹川フルーツ公園」では、果樹の展示が目的で、「フルーツ狩り」は行っていません。ただしイベントとして、収穫体験やブドウの搾汁機を使ったブドウジュース作り体験、フルーツ試食体験などを行っているので、ホームページをチェックして出かけるのもいいですね。カフェやマルシェが充実しているほか、子どもが喜ぶ遊具施設も整っていますよ! 丘陵地を生かした、面で魅せる花壇は迫力満点!オーチャードでは多様なイベントを開催 写真は「山梨県笛吹川フルーツ公園」の「花広場」で、5月上旬の景色です。パンジーやチューリップが見事に咲き誇っています。傾斜があるので、下から見ても、上から見下ろしても迫力満点。標高510mに位置し、昼夜の温度差があるため、花色が冴え冴えとしているのも魅力です。「花広場」では、年に2回の植え替えを行っています。 「山梨県笛吹川フルーツ公園」には、モモ、ブドウの他、約50種もの果樹を植栽。品種のコレクションは190にも及び、6,000本のフルーツを展示しています。中にはアーモンドやザクロ、マンゴーなどあまり見かけないものも。フルーツとしては、青果店やスーパーで見かける身近な存在ですが、実際にどのように育って実をつけるのか、その姿を見る機会はあまりありません。そこで、子どもたちの食育の目的も担う、生きた展示を実践しているのです。 植栽されている果樹は、基本的に展示がメインですが、「収穫体験」のイベントも開催されます。例えばサクランボの収穫体験では、サクランボ畑のガイドツアーを行ったのちに、30〜60分かけて収穫。他にウメ、スイカ、パッションフルーツ、カキ、クリなどの収穫体験も行われます(果樹の状況により、開催されない場合もあります)。 「新日本三大夜景」の一つとして人気のスポット!傾斜地も「ロードトレイン」に乗ってラクラク散策 「山梨県笛吹川フルーツ公園」からは、甲府盆地と南アルプスの山々を望む絶景を楽しめます。天候に恵まれれば富士山もお目見え! また、甲府盆地の宝石をちりばめたような美しい夜景は「新日本三大夜景」の一つに選ばれています。公園内の施設には入れませんが、公園は年中無休、24時間開放されているので、気軽に夜景を楽しめますよ! 「花の広場」の上にある「噴水広場」からのビューがおすすめです。 傾斜のある敷地のため、ロードトレインが運行しています。ミニ機関車風の風貌で、子どもたちに大人気! 第1駐車場から最上部のフルーツセンターまで、停留所が6カ所あり、片道30分くらいかけてゆっくりとしたスピードで巡ります。運転手さんからのガイドもありますよ! 片道料金は大人400円、子ども200円、3歳未満・障がい者(要障がい者手帳提示)無料。一日券は大人600円、子ども300円。 旬のフルーツが楽しめるカフェで休憩を地元産の野菜や特産物が集まるマルシェも要チェック! 「山梨県笛吹川フルーツ公園」中央には、カフェ「葡萄屋kofu パーク café&kitchen」があるので、ランチやティータイムに立ち寄りを。開店時間は10:30〜17:00(夏期土日・祝日は18:00まで。季節によって変動あり)。ランチメニューはカレーライス(揚げ野菜つき)、ピザ各1,000円。特にトマトソースをベースにしたコクのあるピーチトマトカレー1,000円が人気です。 おすすめは季節のフルーツプレート、時価1,800〜2,000円。写真左のプレートはモモが4個以上使われており、複数人でシェアしてもOKです。 写真は果肉たっぷりのモモのパフェ1,300円(時価)。パフェに使われるフルーツは季節によって異なり、大人気メニューです。なくなり次第終了になるので、気になる方はお早めに! 園内の「さんさんマルシェ」では、地元で採れた旬の野菜や果物のほか、特産品や雑貨なども販売しています。特にモモやブドウなどの加工品に人気があり、おすすめは、ロゴ入りのワインヨーグルトレーズン1,080円。 また、注目すべきはワインのライナップで、甲州ワインを約130種も揃えています。価格帯は2,000円弱〜3,000円で、求めやすいのも嬉しいところ。試飲コーナーもあり、赤または白の3種のワインを500円でトライできます(ドライバーの方は残念ながらご遠慮ください)。 Information 山梨県笛吹川フルーツ公園 所在地:山梨県山梨市江曽原1488TEL:0553-23-4101https://fuefukigawafp.co.jp/ アクセス: 電車/JR中央線山梨市駅下車、タクシー利用 7分車/中央自動車道 勝沼I.Cまたは一宮御坂I.C.より約13km (30分) オープン期間 通年 休園日:無休(一部飲食施設は不定休) 営業時間:9:00~17:00(一部飲食施設を除く) 料金:無料 駐車場:約300台(無料)
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新潟県
「私の庭・私の暮らし」ハーブや果実など庭の恵みを活用 新潟・渡辺邸〈Watanabe Garden蔵〉
ハーブガーデンの実り豊かな 〈Watanabe Garden蔵〉 『「私の庭・私の暮らし」食と香りの楽しみに満ちた庭 新潟・渡辺邸〈Watanabe Garden 蔵〉』でもご紹介した、渡辺さんのガーデン。約100種の植物が育ち、樹木やバラなどの灌木、宿根草など、観賞を目的とした植物に加えて、和と洋のハーブを中心に、果樹や野菜など、食べられる植物がたくさん植えてあります。 今回は、渡辺さんが庭で収穫するさまざまな恵みをどのように活用し、楽しんでいるかをご紹介しましょう。 清涼ハーブ水でおもてなし 夏の間、カフェでは、庭に茂るローズマリーとミント類を使ったハーブ水を、お客様に出しています。ハーブの清涼感で、スーッと爽やか! 体のほてりを冷ましてくれるようです。美味しくて、ごくごく飲めます。 ローズマリーは、土を乾燥気味に保っている地中海ハーブのゾーンで栽培。コモンタイムやコモンセージなどの、料理によく使うハーブもこの区画で育てています。 渡辺さんの庭には、キャンディーミント、レモンミント、グレープフルーツミント、ワハッカ、オーデコロンミントがあって、香りがそれぞれ異なります。ハーブ水には、キャンディー、レモン、グレープフルーツのミントをミックスして使っています。これらのミントは割と華奢で、半日陰で育っています。 それから、どこからやって来たのか、植えたつもりがないのに、アップルミントとスペアミントも生えています。この2種類は香りが強く、とても丈夫。陽光をものともせず、庭のあちらこちらに広がっています。 水出しハーブ水は、新鮮なローズマリーの枝とミントの枝を水と一緒にポットに入れ、冷蔵庫で保管します。1~2時間置いたら飲めるようになり、渡辺さんは水を足しながら、2~3日間繰り返し使っています。葉が茶色く変わり、香りが弱くなったら終わりのサインで、使えるのは2~3日が限度です。ハーブがほんのり香るハーブ水は、水を飲むのが苦手な方でも美味しく飲めます。 ハーブティーの楽しみ 庭にあるいろいろな植物の花や葉を乾燥させて、ハーブティーに使っています。コモンマロウ(ブルーマロウ)を中心にしたブレンドは、ローズ、キャンディーミント、レモンバーベナを合わせた、爽やかな印象。エルダーフラワーとドッグローズのローズヒップを合わせたブレンドは、花粉症によいそうです。 コモンマロウの鮮やかなマゼンタ色の花を使うと、美しいクリアなブルーのお茶になります。コモンマロウは、咳や風邪の症状を緩和する飲み物として、西洋では知られています。 ブルーのお茶は、時間とともに酸化してだんだんとピンク色に変わりますが、レモンのスライスなど酸性のものを加えると、手品のようにサッと色が変わります。カフェではアイスハーブティーの場合、レモンの代わりにカルピスの原液を添えてサーブ。加えてみるとどうなるでしょう? ほのかなピンクの、カルピス風味のアイスハーブティーに! レモンスライスを使うと酸っぱくなりますが、この色変わりの方法なら酸味の苦手な人も楽しめます。 有能な薬草 ドクダミ 渡辺さんの庭には、フキやミツバ、ミョウガ、ヨモギなど、和のハーブもたくさんあります。その中にはドクダミも。時に雑草扱いをされることもあるドクダミですが、渡辺さんは、花をチンキに、葉をお茶にして活用。ドクダミは役立つ薬草なのです。 6月の旬の時期に摘まれた真っ白な花はとてもきれい! ドクダミの花がこんなに可憐だなんて、新しい発見です。 摘んだ花はホワイトリカーに漬け込んで成分を抽出し、チンキを作ります。常温で3カ月以上おいておくと、花が茶色く変わり、透明な液体も茶色くなってきます。いつも1年くらい寝かしておいて、前年のものを濾して使っています。 ドクダミチンキはスプレー瓶に入れて、庭仕事のお供に。虫さされにつけると、かゆみが和らぎます。それから、トイレや玄関の消臭剤として、臭いが気になる時にスプレーしています。ドクダミは消臭効果があるようで、数本切って水に挿し、臭いの気になるところに置いておくだけでも、臭いが消えるようです。 果実は酢に漬けて 実をつける植物が大好きな渡辺さんは、マルベリー、ラズベリー、ブルーベリー、レッドカラント(フサスグリ)、ブラックカラント、プルーン、サンザシといった果樹を育てています。一際可愛らしい小さな実をつけるのはクラブアップル(ヒメリンゴ)。そのままで食べるとちょっと酸っぱいので、いつも果実酢にしています。 クラブアップルの収穫は10月から11月頃。実の頭と底を切り落とし、甘めのまろやかな酢に漬けて、半年以上経てば完成です。昨年は市販の美味しいリンゴ酢を使いました。クラブアップルの果実酢は、炭酸水で割って夏の飲み物に。それから、ハーブティーを入れる際にはちみつと一緒に加えると、お客様に喜ばれます。 レッドカラントやサンザシ、クコの実も、甘めのまろやかな酢に漬けて果実酢を作っています。こちらも炭酸水で割ると、さっぱりとした夏の飲み物になります。 赤色がきれいな果実酢が並びます。一番右は、庭のコモンタイムとチャイブ、ニンニク、トウガラシを醤油につけた「タイム醤油」。「チャーハンや、肉や魚のソテーの仕上げに使うと美味しいですよ」とのことですが、どんな味か、試してみたくなりますね。 実も葉も重宝するマルベリー 6月から7月にかけて、たくさんの実を収穫できるマルベリー(クワ)。黒く熟した甘酸っぱい実は、生のままデザートに添えたり、果実酢を作ったりもしますが、ジャムにするのが定番です。 そこで渡辺さんは一工夫。マルベリーに、やはり庭で収穫したラズベリーやブルーベリーを合わせて煮ます。名付けて「蔵のベリーベリージャム」。マルベリーだけ煮るより美味しくなるそうです。 マルベリーとプルーンを合わせて煮るのもよいとのこと。マルベリーのきれいな色とプルーンのとろみが互いを補い合って、美味しくなるそうです。ジャムはヨーグルトのソースとして、カフェでも提供されます。 マルベリー、つまり、クワの葉は乾燥させて、お茶にしています。クワとドクダミの葉、玄米をブレンドして、「蔵の野草茶」を作ります。 これは、冬に石油ストーブの上で玄米を炒っているところ。玄米は、焦がさないようにゆっくりじっくり炒る必要があって、それには、部屋を暖めるのに使う石油ストーブの上がちょうどよいのだそうです。冬ならではの、一石二鳥の仕事です。「炒り玄米は冷蔵庫で保存しておき、クワの葉とドクダミの葉が揃った時に、一緒に再び軽く炒って、仕上げます。玄米が入ったほうが美味しいお茶になると思います。玄米もできるだけ無農薬がよいですね」。 無農薬の健やかな庭から生まれる、健やかな野草茶です。 インテリアにもさりげなく 古い蔵を改修したカフェの内部にも、庭の恵みがさりげなく散りばめられています。 蔵は半分が吹き抜けで、半分がロフトのように2階のある構造です。入ると正面にキッチンカウンターが。 アジサイ‘アナベル’のドライフラワーを使った壁飾りは、立体感があってオブジェのよう。キッチンの棚にはたくさんのスパイスと乾燥ハーブが並びます。右下の大きめのコンテナには、タイム、ミント、セージ、ローズマリーなど、自家製の乾燥ハーブが入っています。 収穫した花や葉は蔵の中でも乾燥させています。これはチャイブ。味のあるワイヤーワークは、知り合いの工芸家さんが作ってくれたものです。乾燥させたチャイブは、ラタトゥイユなどの煮込み料理に使います。 吹き抜けの壁にもアジサイのドライフラワーが。 蔵の中は、山小屋のようなナチュラルな雰囲気です。広い空間に飾られたドライフラワーやリースが、居心地のよさを生み出しています。 壁には植物を使ったリースが飾ってあります。ユーカリの葉を使ったリースは、剪定した際に出る枝葉を使って作りました。葉だけのリースも素朴で素敵。ユーカリの葉は、染め物にも使います。 大きなトウガラシを使ったリースは、魚沼のリース作家、ひと葉さんのワークショップで作りました。 蔵の2階に上がるために置かれたスリッパには、ラベンダーの花穂を茎に挟み込んでリボンで編んだ、ラベンダーバンドルズが載せられています。抗菌、消臭作用のあるラベンダーを添えておくという、さりげない心配りです。ラベンダーはこの他に、蒸留器でハーブウォーターを作ったり、ドライにしてポプリに使ったりしています。 ラベンダーバンドルズの作り方はこちら カフェでは、庭の恵みを使ったランチや飲み物が味わえます。サラダにはキッチンガーデンの採りたて野菜が、ヨーグルトには自家製マルベリージャムが添えられ、マルベリーやジューンベリーなどの果実が添えられることも。何に出合えるかは、その日のお楽しみです。 庭の旬の素材を使って、その時々の料理や手仕事を楽しんでいる渡辺さん。自分の手で育てたものを、自分の暮らしに役立てる。それは、いささか手間のかかることだけれど、じつはとても豊かなことなのだと、彼女の暮らしぶりから伝わってきます。 Information Watanabe Garden 蔵 〒959-0235 新潟県燕市吉田旭町1-7-3(渡辺医院駐車場脇に入口) TEL:0256-78-7785 http://www.cl-watanabe.com/watanabegarden_kura.html 営業月 4~11月まで (12~3月は教室開催のみで、通常営業は休み) 営業日 火~金、第2土曜、第4土曜 (祝日は休み) 営業時間 10:00~16:00 Credit 取材&文/ 萩尾昌美 (Masami Hagio) 早稲田大学第一文学部英文学専修卒業。ガーデン及びガーデニングを専門分野に、英日翻訳と執筆に携わる。世界の庭情報をお届けすべく、日々勉強中。20代の頃、ロンドンで働き、暮らすうちに、英国の田舎と庭めぐり、お茶の時間をこよなく愛するように。神奈川生まれ、2児の母。 写真/3and garden
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愛知県
花の庭巡りならここ! 日本のデンマークが誇るガーデン「安城産業文化公園デンパーク」
絶対に写真を撮りたくなるキュートなトピアリーに大注目! 1997年にオープンした「安城産業文化公園デンパーク」は、愛知県安城市が誇る花と緑の公園。13万1,000㎡の敷地を持ち、大人の足でゆっくり巡って、約1時間半かかる広さです。市民に愛される観光ガーデンで、年間約63万人(2018年実績)もの人々が憩いを求めて訪れています。 「デンパーク」の名は、かつて稲作、畑作、果樹、畜産などの多角型農業を進めた安城市が農業先進国のデンマークに例えられ、「日本のデンマーク」と呼ばれたことに由来。全国の農業経営のモデルとなってきた安城市の歴史をもとに、自然と親しみ、花のある暮らしを提案する公園として設立されました。園内に時折、ブタやウシ、ヒツジなどの可愛いトピアリーが登場するのも、その一環です。 園内は、大小20以上のガーデンが点在し、植物は約3,300種、約30万株を誇る規模。展示方式も、整形式庭園やイングリッシュガーデン、一定の植物を集めたコレクションガーデン、アトリウム内ショーガーデンなどさまざまで、エリアごとに異なる景色を楽しめます。 ガーデニングコンテストや寄せ植え講座、フラワーアレンジメント講座など、年間を通してイベントが開催されているので、お目当てのイベントに合わせて出かけるのもいいですね。子ども向けの遊具も充実しているので、ファミリー層にもおすすめ。人気の観光ガーデンだけに、土産物店やレストランも魅力満点で、一日かけてのレジャーにぴったりです。 約3,300種、約30万株の植物が息づく大小22のガーデンを満喫しよう! 写真は「ヨーロッパ風お花畑」の5月後半〜6月上旬の風景。ヨーロッパの花の公園などで好んで使われる、典型的な一年草花壇のスタイルをとっているため、この名前がつけられました。写真中央の孔雀のトピアリーは全長9mあり、4月下旬〜5月下旬に登場。4月、6月、9月、11月の年4回植え替えが行われ、一年中カラフルな花壇を楽しめます。 これは「秘密の花園」のエリア。色彩をテーマに、イングリッシュガーデンの一つ、アウトドアルームのスタイルでつくられたガーデンです。イギリスから輸入したアンティークレンガと生け垣により5つの小部屋に分かれ、それぞれ東側から順に黄色、ピンク、ブルー、赤、白でカラーコーディネートして植栽。写真は5月頃で、宿根草と一年草がバランスよく組み合わされています。 「不思議の森」エリアは、安城ヶ原の雑木林をそのまま生かした森です。ところどころに北欧の妖精トロールをかたどった鏡などがあり、不思議な世界へと誘います。6月にはアジサイが見頃になり、約7,500株が彩り豊かに咲き誇るので、ぜひお見逃しなく。池側にあふれるように植えられているため、風のない日には湖面に花々が映りこんで、いっそうの華やぎを演出します。 園内の「水生植物の池」では、水生植物のほか、水鳥や魚の姿もたくさん見られます。7月には、ハスが見頃に。‘黄陽’など4品種が池を覆うように茂って、凛として咲く姿を見せてくれます。ハスは早朝から咲き始め、夕方には閉じる性質があるため、毎年7月中旬の3連休は、特別に朝6時から開園。涼しい時間帯にタイミングを合わせて、出かけましょう! 写真はアンティーク風の花時計を中心に、アンデルセンの童話の世界をイメージした「ファンタジーガーデン」のエリアで、10月頃の景色です。花時計はガーデンのどこから眺めても美しく見えるよう、傾斜を生かして配されています。敷地の起伏と曲線的なラインを多用した、一年草が主役の整形式花壇で、年5回の植え替えを実施。植栽デザインは4月、6月、11月に変更されるので、季節によってガラリと雰囲気が変わります。少し高い場所にある休憩所からは、全体を一望できますよ! こちらは「グラスウォーク」のエリアで、25〜30種のグラス類が100株以上植栽されています。グラスとは、葉の細いススキのような姿をしたイネ科の植物の総称。みずみずしい芽吹きから秋の出穂、冬枯れまで、四季の移り変わりを表現します。一番の見頃は、グラスの穂が出揃う秋。わずかな風にもそよぐ穂が美しく、光を受けて輝く姿は見応えがあります。 トピアリーやショーガーデンでインスタ映え!パークトレインでの楽々観覧もおすすめ 「安城産業文化公園デンパーク」のトピアリーコーナーにも注目を! 春・夏・秋のイベント時に期間限定で登場します。左の牛を象ったトピアリーは、赤と白のベゴニア・センパフローレンスを植え込んでキュートに。右の羊を象ったトピアリーは、ヘリクリサム・スクリュースターを使って、もふもふ感を演出しています。酪農が盛んな土地柄、開園当初よりブタやヒツジのほか、ニワトリ&ヒヨコやウシのトピアリーが展示されていましたが、今やカエル&オタマジャクシ、ドラゴン、イルカ、大カボチャなども登場! ぜひインスタ映えする記念写真を撮りましょう。 花の大温室「フローラルプレイス」は、面積3,600㎡のアトリウムの中に、デンマークの街並みを再現したショーガーデンスペース。「フィールド」と呼ばれる大空間と、企画展示を行う「ガーデンルーム」の2つに分かれています。「フィールド」では年5回、「ガーデンルーム」では年8回の植物総入れ替えを行っているので、いつ訪れても季節感あふれる景色を楽しめますよ! 写真は4月頃で、青、赤、ピンク、黄色のカラースキームで展開した様子です。 広い園内では、「パークトレイン メルヘン号」が運行。約1.5㎞を約15分かけて一周します。毎時00分、20分、40分発で、料金は大人200円、小中学生他100円、幼児無料。親子連れや年配のご夫婦など、年齢を問わず幅広く利用されています。最初に乗って、見たい場所を絞り込むのもいいですね。 地元の特産が多数並ぶ土産物店は必見!レストランでは旬の味覚を楽しんで 「安城産業文化公園デンパーク」には、広くて品揃え充実のマーケットがあるので、ぜひパトロールを! 主に安城市、三河地方の特産品を使用したお土産や雑貨が勢揃い。イチジクを使用したレアチーズケーキや季節のジェラート、焼きたてパンの販売が大人気。特に手作りソーセージやハム(1パック410円〜)、クラフトビール600円がおすすめです。 「安城産業文化公園デンパーク」には、食事どころが4店舗あり、地ビールが楽しめるレストランや和食のお店、カジュアルなポテトフライ専門店などがあります。写真は「農場レストラン 花車」です。地元の旬の食材を使った料理が並び、バイキングで80分食べ放題。ビュッフェコースは大人1,706円、小学生1,058円、幼児810円です。ランチタイムは11:00〜16:30(受け付けは15:00終了)。 こちらは「和食処 ふるさと館」の人気メニュー「安城の箱寿司」、1,280円。箱寿司や郷土料理のほか、海鮮丼やうどんなどの和食が楽しめます。ランチは11:00〜14:15(LO13:45)で、喫茶は9:30〜16:00。みたらし団子や五平餅、白玉ぜんざいのほか、季節限定の和スイーツメニューも充実していますよ! ※なお、2019年10月以降は消費増税により、食事の値段が変わりますのでご了承ください。 Information 安城産業文化公園デンパーク 所在地:愛知県安城市赤松町梶1番地TEL:0566-92-7111http://www.denpark.jp アクセス:JR「安城駅」、名鉄「桜井駅」または「南桜井駅」から市内循環バス「あんくるバス」にて「デンパーク」下車 オープン期間 通年 休園日:火曜休園(祝日の場合は翌平日)、年末年始など 営業時間:9:30~17:00 ※季節、イベントなどにより変動あり 料金:大人600円、小中学生300円 ※団体、シニアなど各種割引あり駐車場:1,000台(無料)
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長野県
カメラマンが訪ねた感動の花の庭。長野・信州小諸「夢ハーベスト農場」
オールドローズを追いかけて 「夢ハーベスト農場」の名称を初めて聞いたのは、もうずいぶん前のこと。おそらく長野市あたりに取材に行った時に、どなたかから近くにあるオールドローズのバラ園に行ってきたという話を聞いたのだと思います。 当時の僕は、オールドローズと聞けば行かない訳にはいかないほどオールドローズを追いかけていて、長野市あたりからの帰りに立ち寄ったのが最初の訪問だったと思います。その時は、バラの開花期はすでに終盤で、素敵な写真が撮れたという記憶がありません。 その後も、もう一度、何処かへ行く途中か、帰りがけだったかに寄ってみた時は、まだ開花には早くて、ほとんど何も咲いていませんでした。「夢ハーベスト農場」は、浅間山の麓で標高900mの高原にあるため、開花のタイミングが長野市とも軽井沢とも違います。ふらっと立ち寄って、さっと撮影とはいかず、なかなか難しいと実感しました。とはいえ、よい撮影ができる確証もない小諸のバラ園のためだけに撮影のスケジュールを組むこともできず、その頃は、また近くに行くことがあったら寄ってみよう、そのうちよいタイミングが訪れることもあるだろうと考えていました。 開花のタイミングでの初訪問が叶う 2014年6月27日。この日は「軽井沢レイクガーデン」で早朝からの撮影がありました。その後は他に何も予定が入っていなかったので、天気もいいし「夢ハーベスト農場」に行ってみることにしました。遅い昼食をすませて、軽井沢からR18を少し走り、追分宿を右折。バラ園に向けて浅間サンラインを走っていくと、前方斜め右手、斜面の上方に満開のバラ園が青いラベンダー越しに見えてきました。 「夢ハーベスト農場」の看板を右折して駐車場に到着すると、フェンスの向こうは、つるバラもオールドローズも色とりどりに、草花も本当にきれいに咲いていました。時計を見ると、午後3時を大分過ぎています。急いで入り口に行って入園料を払い、バラ園へ。やっと会えたオールドローズ一つひとつの花に挨拶しながら、まずは花の表情を撮ることにしました。気候もオールドローズに合っているのか、どの花もとても表情がよく、可愛く咲いていました。あっちこっちと園内を歩き回っていると、時刻はあっという間に午後5時過ぎに。気がつくと、バラ園全体が優しい光に包まれていました。 夢中で撮影をしているとフランスにいる錯覚に ここのバラ園は、つるバラのアーチやパーゴラも各所にあり、ハーブや宿根草もたくさん植わっているので、「この光ならきれいな撮影ができるぞ」とますますテンションが上がりました。園内を歩き回りながらシャッターを切りまくっていると、ファインダーの中の景色が、なんだか日本じゃないように見えてきました。 当時、僕が見慣れていたイングリッシュガーデンの白、ピンク、ブルーといった淡い色の組み合わせとは全然違い、濃いピンクや黄色や赤いバラが多用された植栽と、足元の宿根草のオレンジや飾り気のない木製アーチが、行ったことはないけれど、「フランスの田舎のガーデン」のように見えてきました。 そこに降り注ぐ柔らかい光も相まって、南フランスあたりの田舎の農場の一角にあるバラ園にいるような、最高な気分で撮影ができました。この日以来、6月中旬以降の晴れた日の夕方は「夢ハーベスト農場」に行くように。大好きな撮影スポットの一つになりました。 2020年には「夢ハーベスト農場」写真講座を予定 その後は、軽井沢にあるオールドローズで有名なペンション「カスティール」さんで、オーナーのオールドローズ仲間が集まる会に参加させていただいた時などは、皆さんで「夢ハーベスト農場」に行って写真撮影会をしたりしながら、このバラ園には毎年のように伺っています。昨年2018年には、「カスティール」さんに「夢ハーベスト農場」のオーナーの小林さんご夫妻がお見えになったので、ご挨拶もさせていただき、今年2019年も6月25日に伺って、来年の写真講座の約束もしました。来年の写真講座の日も、どうか夕方の魔法の光が、このバラ園を包み込んでくれることを祈るばかりです。 “夢を収穫できる農場”は夏の南フランスを感じさせる場所 今回、この原稿を書くにあたり、オーナーの小林千代子さんにいくつか質問をさせていただきました。「撮影していてフランスっぽいと感じることがあるのですが?」という質問に対し、「ハーブやバラ園もありますが、ラベンダーやブルーベリーなどを収穫できる畑もあり、当初南仏の農場をイメージしていました。名称の通り“夢(人それぞれに花を観たり味わったり)を収穫できる農場”を目指しています」というお答えでした。 考えたら、僕はバラの撮影で6月にしか行っていなかったけれど、7月にはブルーベリーの収穫もできるし、ラベンダーの蒸溜もしている農場なんですね。来年はブルーベリーの収穫をしながら、7月の南フランスのバラ園をイメージさせる撮影もしてみたいと思い始めました。
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静岡県
熱帯植物の楽園「熱川バナナワニ園」【松本路子の庭をめぐる物語】
約5,000種の熱帯植物が育つ楽園 静岡県、伊豆熱川にある熱川バナナワニ園。ここには16種類約130頭(交雑含む)のワニが飼育されており、ワニ園としての注目度が高い。またバナナの温室では、世界各地のさまざまな種類のバナナがたわわに実っている。 だが意外に知られていないのが、約5,000種の熱帯植物を見ることができるということ。豊富な源泉を有する熱川ならではの、温泉熱を利用した温室がいくつも連なり、熱帯植物の楽園ともいえる姿を見せている。 ブーゲンビレアとハイビスカスのアーチがお出迎え 熱川バナナワニ園は開園が1958年と、歴史ある植物園。本園のほか、1971年には分園もオープンした。本園は熱川の駅前で、駅から園の入り口まで徒歩1分と、地の利がよい場所にある。 本園に入ると、まず熱帯花木の温室があり、ブーゲンビレアの巨大なアーチに迎えられる。周りには八重や珍しい色のブーゲンビレア、さらにさまざまな種類のハイビスカスが茂っている。 ブーゲンビレアやハイビスカスは、近年耐寒性のある種類の苗が市販され、関東以南では露地植えも可能だ。また観葉植物として、室内の窓辺で育てることもできる。温室でこうした花々に囲まれると、我が家でももっと熱帯植物を育てたいという気にさせられる。 ヒスイカズラをはじめ、珍しい熱帯の花々 園内の植物は世界各地から取り寄せられたもので、学芸員が旅先から持ち帰った貴重なものも多い。ランに関しても、お馴染みのコチョウランやカトレアのほか、原種ランが1,500種展示されている。 開花期に人気を博すのがジェードパイン。ヒスイカズラとも呼ばれ、3月から5月にかけて、濃いエメラルドグリーンの房を何百と付ける。フィリピン原産のマメ科の大型つる性植物。「女王の耳飾り」とも称される、宝石のような花だ。東京都内では植物園の温室などでも見ることができるが、日本で初めて育成開花させたのがこの園だという。花数も桁外れに多い。 本園中庭ではオーストラリア原産の多肉植物ドリアンテス・パルメリーのつぼみが5月の開花を待っていた。栽培29年にして2度目の開花だという。こうした珍しい花をはじめとして、ほぼ一年中見られる花々、季節ごとに出合える花、と見どころは尽きない。 水面を彩る水生植物 エレベーターに乗り、本園の上階に向かうと、熱帯性スイレンの温室に至る。常時60種ほどのスイレンの花が見られ、水面に映る花姿が優美だ。 また大温室の池ではオオオニバスが直径2mを超す円形の葉を広げる。学名「ビクトリア・アマゾニカ(Victoria amazonica)」。イギリス女王の名を冠するにふさわしい迫力だ。夏休みには体重30kg以下の子どもに限り、水面に浮く葉の上に乗り記念撮影ができるイベントがある。オオオニバスは夜に開花し、刻々とその花姿を変えていく。昼間、その名残の幻想的な花を見ることができたらラッキーだ。 バナナ、パパイヤ、マンゴーの実り 熱帯果樹の茂る温室群は分園に位置する。分園は本園から500mほど離れており、順次マイクロバスで送迎される。圧巻なのは、20種類のバナナが立ち並ぶ温室。 バナナは木ではなく草なので、成長がきわめて早い。植えてから1年半ほどで収穫できるという。夏は特に収穫量が多く、温室で熟した珍しい種類のバナナを園内のフルーツパーラーで味わうことができる。 パパイヤとマンゴーの温室では、果実とともに花も見ることができる。パパイヤの花はクリーム色で楚々としている。熱帯果樹の温室では、チョコレートの原料のカカオの実、グアバ、ミラクルフルーツなどの果物が実っている。 熱帯植物を育てたい! 園内を巡っていると、植物の息吹や温室特有の空気感に、言いようのない懐かしさを憶える。子どもの頃、私は父の仕事の関係で伊豆の熱帯植物園の敷地内にあった家で育ち、温室が遊び場だった。 その植物園は今存在しないが、ブーゲンビレアやハイビスカスの茂るさまは、いわば原風景ともいえるものだ。オオオニバスの葉の上に乗せられ、また夜半に家族総出で、ハスの開花を見に出かけたことなど、幼児期の記憶が鮮明に蘇る。 熱帯植物の持つ多彩な色や、珍しい形。果物の濃厚な味わい。今、そうしたものに心惹かれる。トロピカル体験をした熱川の旅から帰り、アイスクリームバナナという名前のバナナの苗木を取り寄せた。都心のマンションのバルコニーでの鉢植え栽培なので、実を得ることは難しいだろうが、バナナの葉が背丈ほどに繁るさまを想像して楽しんでいる。 Information 熱川バナナワニ園 所在地:静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本1253-10 TEL:0557-23-1105 http://bananawani.jp アクセス:伊豆急行線「伊豆熱川駅」(東京から約2時間)下車、駅から徒歩 1 分 営業時間 9:00〜17:00(最終入園16:30)年中無休 入園料:大人1,800円、子ども(4歳から小学生)900円、4歳未満無料
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山梨県
花の庭巡りならここ! 花の名所としても大人気のテーマパーク「ハイジの村」
物語の世界観を表現する「ハイジの村」花で彩られた異国情緒漂う風景が魅力 前身の「山梨県立フラワーセンター」からリニューアルし、2006年にオープンした「ハイジの村」。1974年に放映されたアニメ『アルプスの少女ハイジ』は、21世紀になった今でも愛されている名作ですが、その世界観を楽しめる観光スポットです。 そして、「ハイジの村」は、花の名所としても愛されています。「パノラマ花壇」「天使の庭」「シェードガーデン」「農夫のポタジェ」など、エリアごとに異なるスタイルのガーデンを展開。広さは約10ヘクタールにも及び、くまなく見学すれば約2〜3時間はかかります。 春はクロッカス、チューリップ、ビオラなどから始まり、初夏はフジ、バラ、ラベンダー、夏はアジサイ、ヒマワリ、秋はコスモス、ヒガンバナ、秋バラへと、一年を通して四季折々の花が見頃を迎えます。特にバラの季節は、日本一長いバラの回廊が必見。バラの専門家、後藤みどりさんによるプロデュースで、230mも続くバラのトンネルは圧巻。何度も往復したくなりそうです。 年間約22万人が訪れる大人気の観光スポットなので、レストランやカフェ、土産物のショップも充実。ハイジの物語の中に入り込んだかのような「アルムの山小屋」や、ヤギと触れ合える「ペーターのヤギ小屋」のほか、体験イベントなども多数用意されています。何度訪れても楽しく過ごせるレジャースポットに、ぜひお出かけください! ハイジが来たら「わあ、お花畑!」と裸足で駆け出しそうな花爛漫のテーマパーク 「ハイジの村」では、4月中旬〜5月上旬に色とりどりのチューリップが咲き誇ります。6品種、約25万球が一斉に開花するシーンは、スイス風の建物とも相まって異国情緒たっぷり。赤や黄色のチューリップが見せる色のコントラストも素晴らしいですね。同じ時期、園内ではビオラや桜、菜の花なども見られます。 5月中には、ジャーマンアイリスを見に出かけましょう。約180品種、約4万株が植栽されています。品種によって花色が豊富なジャーマンアイリスの特性を生かし、花色をミックスして群植。ワイルドガーデン風のナチュラルな景観が楽しめます。同じ時期には、フジやポピーも見頃です。 5月下旬〜6月下旬は「ハイジの村」のバラの季節。約1,200品種、約7,000本のバラが植栽されています。バラの専門家、後藤みどりさん監修のローズガーデンは、バラの樹齢を生かしてデザインされ、なかでも日本一長い、全長230mのバラの回廊が見どころ。バラの香りのシャワーを浴びながら、カーブの先にはどんな景色が待っているのか、歩みを進めるのが楽しくなりそうです。後藤みどりさんによる「バラ講習会」が定期的に開催されているので、ぜひ公式ホームページをのぞいてみてください。 7月には、ラベンダーが見頃になります。紫色に染め上げられたラベンダー畑を散策すると、そよぐ風が運ぶ癒やしの香りに包まれますよ! 毎年7月1〜30日は摘み取り体験を実施しています。参加費用は500円(税込・入園料別途)です。 8月中旬には、約5,000本のヒマワリが見頃になります。750mに位置する北杜市明野町は、日照時間日本一を誇るうえ、標高夏でも涼しい風が吹いて、ヒマワリがご機嫌に咲き誇る環境。観光名物になっている「北杜市明野町サンフラワーフェス」に協賛する「ハイジの村」でも、2019年は8月1日〜25日に「ひまわり祭り」を開催。21:00まで開園時間を延長しています。プロジェクションマッピングやアルプホルン演奏体験、スタンプラリーなど、夏休みらしく楽しいイベントが次々に開かれるので、ぜひ参加を! ハロウィンやイルミネーションも楽しもう!予約いらずの手作り体験は毎日開催 「ハイジの村」では、9月1日〜10月31日にハロウィンと収穫祭を開催。中庭を中心に観賞用の大きなカボチャや愛らしい人形たちがディスプレイされます。期間中にはハロウィン仮装大会も実施されるので、参加して「Trick or Treat!」と言葉を掛け合ってはいかが? また、ハロウィンジェルキャンドル作り、ジャック・オ・ランタン作り、箱庭コンテストなど、さまざまなイベントも催されます。 12月は、開園時間を21:00まで延長、イルミネーションイベントが開催されます。写真は約40万球のLEDを用いた、ダイナミックな光の演出の様子。毎年テーマやデザインが変わるので、楽しみに訪れるリピーターも多く見られます。期間中は、プロジェクションマッピング、クリスマスリースコンテスト、天体観測、クリスマスジェルキャンドルのクラフト体験など、さまざまなイベントが目白押しです。 「ハイジの村」では、ハーバリウム、モイストポプリ、ドライフラワーを使ったボタニカルガーランドやボトルフラワーなどの手作り体験を毎日開催しています。女性や子ども連れに大人気! 写真左のハーバリウムは2,100円、写真右のモイストポプリは500円(各税込・入園料別途)です。受付は10:00〜15:00、場所は「スイスの花屋さん」にて。 ハイジをテーマにしたカフェやレストラン、テイクアウトスタンドも大充実! 「ハイジの村」では、レストランやカフェが複数店舗あります。写真は「レストラン ボルケーノ」で、営業時間は11:00〜17:00、15:00〜17:00は飲み物・軽食メニューのみ)。パスタやオムライス、カレーなどの洋食メニューが揃います。オススメは、本場スイス産のグリュイエールチーズとエメンタールチーズを溶かしてブレンドしたチーズフォンデュ(注文は2名から)。写真の「特製ハイジのアートドリア」はスープバーとサラダバー付きで1,200円(税別)。 テイクアウトスタイルの「ロッテンマイヤーズカフェ」にも、ぜひ立ち寄って。ハイジの白パンラクレットバーガーや、桔梗信玄ソフト+などが人気です。写真は、ハイジのカップが可愛い「やぎミルクのアイスクリーム」500円、ハイジのアニメストーリーには欠かせないアイテム、ふかふかの「白パン」1個102円(いずれも税別)。すぐ前にテラス席があるので、休憩スポットにもなっています。 Information 花と幸せのテーマビレッジ ハイジの村 所在地:山梨県北杜市明野町浅尾2471TEL:0551-25-4700http://www.haiji-no-mura.com/ アクセス:JR中央線韮崎駅から茅ヶ岳・みずがき田園バスで約30分JR中央線韮崎駅からタクシーで約20分中央自動車道韮崎I.C.から車で約15分中央自動車道須玉I.C.から車で約10分 休園日:1~3月末までの火曜日定休(火曜日が祝日の場合開園) 営業時間:9:00〜18:00(4〜7月、8月下旬〜11月)9:00〜21:00(8月〈下旬まで〉、12月)9:00〜17:00(1〜3月) 料金:高校生以上700円、中学生及び小学生350円※季節により変動あり 駐車場:200台(無料)
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岐阜県
カメラマンが訪ねた感動の花の庭。岐阜県「ぎふワールド・ローズガーデン(旧 花フェスタ記念公園)」
何年にもわたり通い続ける「バラの聖地」 岐阜県可児市の「花フェスタ記念公園」といえば、バラの品種栽培数日本一で、僕のようなバラのカメラマンにとっては聖地ともいえるバラ園です。ここ数年は毎年伺って、大好きなオールドローズを中心に、さまざまなバラの写真を撮らせていただいています。 雑誌の取材をきっかけに念願の撮影へ 初めてこのバラ園に伺ったのは、多分20年くらい前のことだと思います。雑誌の取材でイングリッシュローズを撮りに行くのがテーマでした。当時はちょうどイングリッシュローズが流行りだした頃で、関東でも‘メアリー・ローズ’や‘グラハム・トーマス’のような初期の有名な品種は案外簡単に見ることができたのですが、もっと新しい花となると、例えば、東京・日本橋三越屋上の「チェルシーガーデン」へ行くとか、イングリッシュローズマニアの方が丹精するお庭に伺うなどしかなく、まだまだ今のように新しい花を簡単に見ることはできませんでした。 そんな時代から、このバラ園には多くのイングリッシュローズが植えられていましたから、岐阜の花フェスタに行けるというのは、バラ好きカメラマンの僕にとっては夢のような話でした。当時、雑誌などの撮影依頼というのは、「取材先近くに住むカメラマンが撮影に行く」のが当たり前の時代でしたから、行きたくても縁がなかった岐阜の花フェスタの取材は「夢が叶った!」と飛び上がるほど嬉しかったのを覚えています。 カタログで見ていたバラの本当の咲き姿に感動 現地に着いて、事務所で担当の方にご挨拶を済ませたら、すぐにバラ園の中へ。頭の中はもう、デビッド・オースチン・ロージズのカタログの写真でいっぱい。広いバラ園の中でも、真っ先にイングリッシュローズが植栽されている「世界のバラ園」に直行しました。 長い通路を抜けて、つるバラのトンネルの先に、目指した「世界のバラ園」はありました。円形の広いバラ園の右側約半分ほどがイングリッシュローズのエリアでした。‘キャンティ’など古い品種から始まって、カタログ写真だけで知っていた花が、1品種3株ずつ植えられ、大株になって、たわわに花をつけています。早速レンズを向けると、ファインダーの中で数輪の花が今を盛りと咲いていて、まさに憧れのデビッド・オースチンのカタログの世界でした。 芝生の園路に片膝をついて香りを嗅いでは、ため息。ファインダーを覗くとお手本のような花があって、幸せな時間のなか夕陽が沈むまで撮影を続けた、僕がイングリッシュローズの魅力に開眼した日でした。 広い園内で数々の品種を撮影 その後も何回かこのバラ園に伺いましたが、次に印象に残っているのが、NHK出版編集、上田善弘さん&河合伸志さん監修の『バラ大百科』のための撮影の時でした。この本の撮影は各地のバラ園に行ったのですが、特に品種数の多い「花フェスタ記念公園」の撮影は、2日ほどかけて行いました。オールドローズあり、ハイブリッドティー、フロリバンダありと、膨大なリストに記載されているバラを一つずつ探しながら、とにかく広い広いバラ園の中で、目的のバラを探し出してはシャッターを切る。隅から隅まで歩き回る過酷なもので本当に疲れましたが、この経験はとても勉強にもなった、僕にとって忘れられない撮影でした。 その後も、雑誌の企画や自分のストックフォトの撮影に度々伺い、その都度担当の方に早朝に門を開けていただいたり、夕方まで撮影させていただいたりと、お世話になっていました。 近年はオールドローズの撮影が楽しみに 4年前にはオールドローズ仲間からガーデナーの西依束さんを紹介していただいたのですが、彼はオールドローズにとても詳しくて、いろいろなことを教えてもらえるのもあり、ますますこのバラ園でのオールドローズの撮影が楽しくなりました。それからは、毎年5月20日前後は「花フェスタ記念公園」で撮影をすると決めているのです。 また、昨年2018年の秋には「バラの写真を美しく撮るための写真講座」も開催させていただきました。今年もまた5月に写真講座を担当させていただいた「花フェスタ記念公園」は、僕にとって本当にお世話になっているバラ園なのです。
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新潟県
カメラマンが訪ねた感動の花の庭。新潟県「国営越後丘陵公園 香りのばら園」
小山内さんの勧めをきっかけに撮影へ レンガの柱いっぱいに咲くイングリッシュローズの‘エブリン’(Evelyn)。こんなに咲いているエブリンを見るのは初めて。辺りは濃厚な香りに包まれていた。 今月ご紹介する庭は、新潟県長岡市の「国営越後丘陵公園 香りのばら園」です。今から約8年前のことと記憶していますが、NHK『趣味の園芸』編集部から、「翌年の秋バラの特集用に秋バラのストックフォトを撮っておいてください」と連絡がありました。僕は千葉県に住んでいるので、「京成バラ園」に行くのが都合がよいと思いながらも、ふと「今回はまだ行ったことのないバラ園に行ってみようか」と思い立ちました。 少し青みがかった葉と香りのよいピンクの花が美しいアルバローズ‘ケニギン・フォン・デンマーク’(Königin von Dänemark)。 そこで、当時よく仕事でご一緒させていただいていた京阪園芸の小山内健さんにオススメのバラ園を尋ねてみると、「越後丘陵公園がいいです! 品種も多いし、何より手入れが素晴らしいから」とのことでした。越後丘陵公園は、香りのバラのコンテストが有名なのは知っていましたが、それ以上のことは知りませんでした。小山内さんの勧めなら行ってみようと、教えていただいたガーデナーの石原久美子さんに連絡をしました。 絞りのバラはいっぱいあるけれど‘カマーユ’(Camaieux)は格別美しい。 電話で簡単なご挨拶をして、何日頃がよいかなど打ち合わせをさせていただいた際、石原さんは僕の名前をご存じだったようで、「今井さんに来ていただけるなんて嬉しいです」と言ってくれたのです。僕も何だか嬉しい気持ちで電話を切ったことを覚えています。 初めての地とは思えない歓迎も思い出に [2016.5/28 pm6:45] 「ばらと草花のエリア」のイングリッシュローズの園路。この年は特にイングリッシュローズの咲き具合が素晴らしく、カメラを構えてみるけどレンズは真西を向いてしまい、撮影に苦心した。結局午後7時近くなって奥の山に日が沈むまで待つことで撮れた一枚。2018年のポスターに採用された、忘れられない写真だ。 撮影当日、バラ園の入り口から連絡をすると、すぐにちょっと日焼けした石原久美子さんが笑顔で出迎えてくれました。早速、石原さんの案内で園内に入って行くと、小山内さんが言っていた通り、どのバラも凄い花数で咲いていたのです。さらには、奥の山が借景になっていて、とても気持ちのよいバラ園だなぁと思いました。 オールドローズの中でも人気の高い名花中の名花‘デュセス・ドゥ・モンテベロー’ (Duchesse de Montebello)。 バラを見ながら歩いていると、作業中のボランティアさんとすれ違う際、「今井さん! ようこそいらっしゃいました」と声をかけてくださったり、紹介していただいたマネージャーの渡邊さんも「撮影に必要なことは何でもおっしゃってください」と言ってくださって、ついさっき到着したとは思えないほど、とても居心地がよく好感を持ちました。 [2013.6/10] 「ばらと草花のエリア」。この頃から手入れが行き届いていて、きれいだった。 今回の撮影は「秋バラ」がテーマですから、モダンローズを中心に撮影しつつ、一通りの撮影を済ませた後は、個人的に気に入ったオールドローズの‘粉粧楼’(フンショウロウ)に釘付け状態で撮影を続けていました。すると、バラの作業の合間に様子を見にきてくれた石原さんが「こんなにたくさん今井さんに撮ってもらえて、あなたたちは幸せね」なんて、‘粉粧楼’に話しかけたりして。おだてられた僕は、すっかり良い気分で越後丘陵公園のファンになっていました。 あまり他のバラ園では見ることのない珍しいアルバローズ‘ブランシュ・ドゥ・ベルジーク’(Blanche de Belgique)。 撮影終了後に‘粉粧楼’を熱心に撮る僕の姿を見て思ったのか、「来年はぜひ春のオールドローズも撮りにいらしてください」と石原さんに言っていただき、「絶対に来ます!」と約束をして、その日は帰りました。 新潟のバラの最盛期、6月上旬に再び撮影の旅 [2018.6/4 am 5:00] マネージャーの渡邊さんが「明日は4時半から始めませんか?」と提案してくれたので、いつもより30分早く到着すると、バラ園は今まで見たこともない幻想的な光に包まれていた。夢中でシャッターを切った、お気に入りの一枚。 翌年は5月終盤、関東周辺の撮影が終わった頃から石原さんに連絡をして、オールドローズの開花情報を教えてもらいながら、撮影日を6月10日に決定。当日は夜中に千葉を出発して、5時過ぎにはバラ園近くの事務所まで到着しました。すると、お二人はもう準備万端。すぐにバラ園のゲートを開けてくださり、お目当てのオールドローズのエリアへと直行しました。まずは朝露に濡れた芝の上をゆっくり歩きながら、満開のオールドローズ、一つずつの顔を見ながら撮影に最適なバラを探していきます。 小山内さんが「ここのブラータが日本一」と言う通り、本当に美しいブラータ(Rosa ×centifolia bullata)。 オールドローズエリアの中ほどまで進むと、ロサ・ケンティフォリア・ブラータが見事に咲いていました。このバラは、小山内さんが「日本一のブラータ」といつも言っているバラです。僕もブラータはいろいろな場所で見ていますが、キャベツのような葉っぱであまり花付きはよくないバラで、なかなかうまく撮れないと感じてきました。そんなプラータが、自然樹形で茂り、僕の目の高さで満開に咲いていたのです。美しく咲く花がいくつもあるじゃないですか! 黒赤系のガリカローズの名花‘トスカニー・スパーブ’(Tuscany Superb)。初期のイングリッシュローズで、‘キアンチ’(Chianti)の交配親として使われたことでも有名なバラ。 「素晴らしいな」「どう撮ろうかな」と考えながら角度を変えたりしてブラータを見ていると、後ろのモスローズのコーナーでは、‘コンテス・ドゥ・ミュリネ’が咲いているし、隣にはダマスクローズの‘レダ’に‘イスパハン’、その向こうには、大好きなガリカローズの‘アラン・ブランシャール’に‘トスカニー・スパーブ’が‼️ いったい、どこから撮り出せばよいのやら…。 [2017.6/6 pm 6:30] 「ばらと草花のエリア」のジギタリスも以前のピンク系から大人っぽい色合いに変わって、さらにオシャレなエリアになっていた。 幸い、その日の朝は晴れたり、日中は曇ったり、夕方はまた晴れたりしたので、一日中ほぼオールドローズのエリアにいた気がします。この日以来、毎年6月上旬の僕のスケジュールは、越後丘陵公園の撮影日と決まりました。毎回、開花情報を石原さんに聞きながら、天気の良い日を選んで1泊2日の撮影です。初日の夕方19時までと、翌日の早朝5時からの撮影ですが、いつも僕のわがままに笑顔で応えてくれる渡邊さんと石原さんには本当に感謝しています。 くすんだ薄い紫色の花がブルーイングしてグラデーションになる姿が美しいガリカローズ‘ベル・ド・クレーシー’(Belle de Crecy)。 2014年にはオールドローズの写真展を、そして2017年には僕の写真でバラ園のポスターも作っていただきました。美しいバラと素敵な方々との心地いい関係を思うと、本当にバラのカメラマンをしていてよかったなと思います。 ‘クロッカス・ローズ’(Crocus Rose)。宿根草とイングリッシュローズのコラボレーションは、このバラ園の見所の一つ。 追伸:今回は僕の趣味の話で、オールドローズのことを中心に書きましたが、もちろん国営越後丘陵公園には、イングリッシュローズもハイブリッドティーも、フロリバンダも、どれも石原さんと公園スタッフの方々、そしてボランティアの方々の手入れによりきれいに咲いています。ぜひ、越後のバラに会いに行ってください。 併せて『花の庭巡りならここ! ロザリアンの聖地「国営越後丘陵公園 香りのばら園」』もご覧ください。
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岐阜県
花の庭巡りならここ! 広大な花畑を楽しめるレジャースポット「ひるがの高原 牧歌の里」
標高1,000mの高原に広がる花畑 花色が冴え冴えとし、見応え満点! 1996年にオープンした「ひるがの高原 牧歌の里」は4万㎡の敷地を持ち、大人の足でゆっくり歩いて1時間半ほどかかるレジャー施設です。標高約1,000mの高原には、自然に恵まれたロケーションを借景に、四季を通して彩り豊かな花畑が広がります。 花畑のエリアは、「名古屋から車で1時間半という立地で、広大な敷地の強みを生かした、北海道のようなラベンダー畑を楽しんでもらいたい」という思いからスタートしたもの。今や四季の花畑を楽しみに訪れる、リピーターの姿も多く見られます。主な開花リレーは、春はチューリップ、初夏はラベンダー、夏はアルストロメリア、サンパチェンス、秋はマリーゴールド、ゴールデンピラミッド、コキアなどです。 花畑のほかにも、クラフト体験コーナーや動物と触れ合えるスポット、老若男女が楽しめるさまざまなレジャー施設が揃っています。5店舗のバラエティーに富んだ飲食店、オリジナル商品のスイーツが大人気の土産物ショップにも、ぜひ足を運びましょう! 年に数回の植え替えを行う花畑は シーズンによって表情がガラリと変わる 「ひるがの高原 牧歌の里」では、広大な敷地を生かした花畑が大人気。年に数回の植え替えを行っており、いつ訪れても花々に彩られるダイナミックな景色を満喫できます。それでは、園内の四季をご紹介しましょう。 写真は5月上旬〜中旬に見頃になるチューリップの花壇。23種類30万球を植栽しています。毎年配色デザインを変えて、インスタ映えする写真が撮れるスポットを用意。春はほかに、スイセンが4月中旬〜下旬、ムスカリが5月上旬〜中旬に見頃になります。 写真は6月下旬〜8月上旬に見頃を迎える、ラベンダー一色に染まった花畑です。7種類、約1万株を植栽。そよ風とともにラベンダーの甘い香りがフワッと漂ってきて、癒し効果抜群! 後ろの建物は、実際にウェディングも行われる教会で、園内のシンボル。ツタの這う三角屋根を背景に、フォトジェニックな写真が撮れそうです。 写真はアルストロメリアの花畑で、7〜9月中旬が見頃。ロマンティックなピンクでまとめて、花のカーペットをつくりだしています。高原の涼しい風が心地よく吹きわたり、耳をすませば小鳥のさえずりが聞こえてくる、自然豊かなロケーションです。 写真は7月中旬〜10月中旬に満開になる、サンパチェンス。約4,000株が植栽されています。白や赤の花色を組み合わせたボーダーがきれいですね! 園内では飲食施設以外なら食べ物の持ち込みOKなので、青空の下でランチやスイーツを広げて味わうのもいいですね。 写真はチューリップの後に植栽されるマリーゴールドの花壇。マリーゴールド2種類、スーパーチュニア3種類、サルビア1種類が咲き競います。 「ひるがの高原 牧歌の里」の四季を彩る花畑の景色はいかがでしたか? 標高の高い地域では昼と夜の気温差が大きいので、花が冴え冴えと発色するのも魅力。平地では真夏の暑さで開花が少なくなる時期も、元気に咲き誇っています。美しい花々の景色を見に、ぜひ出かけましょう! 一日かけて遊んでも飽きない! 老若男女が楽しめる多様なレジャーが揃う 広い園内では、蒸気機関車を模した2台のロードトレインが運行しています。ちゃんと名前がついているんですよ! 写真の赤い列車は「ドット君」で、別の緑色の列車は「マックス君」。10分かけて園内をゆっくりと巡るので、幼い子ども連れやシニア世代にオススメです。料金は300円。 「ひるがの高原 牧歌の里」の広大な牧場では、たくさんの動物たちが草を食む、ほのぼのとした姿を見学できます。牧場にいるウマ、ウシ、アルパカ、ヒツジ、ウサギ、モルモット、ヤギと触れ合えるイベントも。写真はアルパカのだいや君(左)とバンビ君(右)で、2019年の春〜秋は「ふれあいテント」にて、15:00から写真撮影なども行います。いい思い出づくりができそう! 親子で楽しめるクラフト体験が人気! 飲食店は5店舗、土産物店も充実の品揃え 「ひるがの高原 牧歌の里」では、クラフト体験コースのイベントも行っています。写真は「ハーバリウムづくり」の完成品。予約なしでOK、当日体験会場にてお申し込みを。20〜30名までの定員制です。時間は20〜30分で料金は\1,500と\2,500。ほかに「ネームプレートづくり」、「ネームストラップづくり」、「スノードームづくり」などがあり、いずれも親子で楽しめる内容となっています。 「ひるがの高原 牧歌の里」では、飲食店や土産物店も充実。飲食店は「屋内型バーベキュー ハウス 味広場」、「イタリアンレストランヒルトップ」「ファストフード ぱっくん」「ミルクハウス ムー」「高原のぱんやさん」の5店舗があります。 写真は「屋内型バーベキュー ハウス 味広場」の飛騨牛のバーベキューが楽しめる「ぼっかセット」3,200円。営業時間は11:00〜15:30、450席。麺類や軽食のメニューもあります。土産物店では、牧場ならではのオリジナルスイーツが大人気です。 Information ひるがの高原 牧歌の里 所在地:岐阜県郡上市高鷲町鷲見2756-2 TEL:0575-73-2888 https://www.bokka.co.jp/ アクセス:東海北陸自動車道「ひるがの高原SAスマートIC(ETC専用)」から約4分 オープン期間:グリーンシーズン/4月20日~11月23日 ウインターシーズン/12月21日~3月31日 休園日:グリーンシーズン/無休 ウインターシーズン/火曜 営業時間:グリーンシーズン/10:00~17:00(土・日・祝日は9:00~)※季節により変動あり ウインターシーズン/10:00~15:30 料金:グリーンシーズン/大人1130円、中高生920円、小人(4歳以上小学生)610円 ウインターシーズン 中学生以上 600円、小人(4歳以上小学生)300円 駐車場:約2,000台(無料) 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! 花々で彩られるレジャー施設「東京ドイツ村」 ・花の庭巡りならここ! 植物がテーマのミュージアム「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」 ・「私の庭・私の暮らし」インスタで人気! 雑木や宿根草、バラに囲まれた大人庭 千葉県・田中邸 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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富山県
花の庭巡りならここ! 大人の社会科見学スポット「富山県中央植物園」
研究植物園らしい植物収集数を誇り 市民に憩いの場を提供 1996年に全面オープンした「富山県中央植物園」は、研究植物園として植物の収集・展示を行うとともに、市民の憩いの場としても提供。24ヘクタール、外周2kmに及ぶ園内は、大人の足で1〜2時間の散策を楽しめます。 研究の成果を披露するという側面があるため、珍しい植物のコレクション数も多く、分類学、生態学などに基づいた展示が特徴です。植物のもともとの生育地である草原、森、海岸、水辺などの環境を再現した適材適所の植栽は、ショーガーデンとは対照的。より自然に近い自生する姿に親しむ「大人の社会科見学会」を満喫できそうですね。 園内は、「世界の植物ゾーン」「日本の植物ゾーン」に分かれています。「世界の植物ゾーン」では、温冷室が充実するほか、日本の植生と類似性のある「雲南省の植物エリア」「北米の植物エリア」があり、世界はつながっている、と実感できます。また、繊維を採って加工できるものや、香料やスパイスの材料となるものなど生活に役立つ植物も見られます。一方「日本の植物ゾーン」では、植生を再現してより自然な姿で育てながらも、春から秋まで開花リレーをつないで、いつ訪れても野趣あふれる花姿を楽しめるようにしています。 年間を通して約10万人が訪れる「富山県中央植物園」は、リピーターも多い癒しの場。「北アルプスの借景もいい」「芝生がきれい」「自然な景観ながらも、それぞれの植物が繁茂しすぎずに調和した、手入れの行き届いた管理が心地いい」といった声が届いています。季節によって企画展などさまざまなイベントも開催されているので、まめにホームページをチェックして出かけるのがオススメです。 雪に閉ざされる冬に元気をもらえる! 5棟が立ち並ぶ充実の温冷室 「世界の植物ゾーン」内には、5棟の温冷室が建っています。冬も緑の楽園「熱帯雨林植物室」「熱帯果樹室」「ラン温室」「雲南温室」の温室4棟と、冷室の「高山・絶滅危惧植物室」です。いずれも大変充実した展示となっているので、温冷室を目当てに訪れてはいかがでしょうか。月下美人を中心に夜に咲く花が多くなる季節など、年に数回は夜間開園する時期もあるので、甘い香り漂う夜の温室を堪能するのもいいですね。 写真の「熱帯雨林植物室」では、400種もの熱帯性植物を展示しています。冬に一歩足を踏み入れると、外の雪に閉ざされた景色から一変。むっと湿度のある草いきれが漂う、生命力に満ちた眺めに元気をもらえそうです。棟の高さは22mにも及び、巨竹やヤシの木が自由に枝を広げています。特に花がきれいなのは、春に咲く鮮やかなエメラルドブルーのヒスイカズラや、フォルムが美しいサガリバナ。香料として珍重されているビャクダンが生育する姿も見学できます。 「ラン温室」では、ランが好む湿潤な空調のなか、一年を通して華麗に咲く姿を楽しめます。コチョウランやシンビジューム、デンドロビュームなど、華やかな咲き姿を見せる洋ランを多数展示。ほかにも、楚々とした味わいを見せる野生系のランや、小笠原諸島で見られる亜熱帯性の植物など、コレクションは多岐にわたっています。 こちらは、中国の雲南省に生息する多様な植物を集めた「雲南温室」。写真は中国で親しまれているトウツバキの開花の様子で、2〜3月が見頃です。花径約15cmの大きな花が派手やかに咲く様子は、圧巻。侘び寂び感をまとった日本のツバキとは、また違った魅力がありますね。「雲南温室」では、ほかにもモクレンの仲間で香りが素晴らしい、キンコウボクやギンコウボクの観賞もオススメです。 植生を再現するアカデミックな展示のほか 植物園の研究成果も披露 「日本の植物ゾーン」では、日本各地の植物が見られます。春は写真のフクジュソウから始まり、カタクリ、サクラ、カキツバタ、ハナショウブへ。夏はオミナエシ、秋はフジバカマ、落葉樹の紅葉や、ドングリなど実をつけた木々の姿も観賞できます。ここでもう気づいた方がいらっしゃるかもしれませんね。この園内では華やかに改良された園芸植物ではなく、日本に古くから自生し愛でられてきた花々で開花リレーが構成されているのです。楚々とした花々の姿に、森歩きを楽しんでいるような気分を味わえますよ! 「富山県中央植物園」では、サクラのコレクションも見どころの一つです。野生では絶滅の危機にあるホシザクラや、北陸地方ならではの花弁が数百枚にも及ぶ菊咲き性品種など、その品種保有数は、なんと約120種類! サクラはこんなにも表情豊かな花木だったのかと、感嘆すること間違いありません。300mも続くソメイヨシノの花のトンネルは、開花期間中はライトアップが行われ、水面にもその花姿が映し出されて幻想的な景色を楽しめます。園内への飲食持ち込みはOKなので、花見を楽しむのもいいですね。ただし飲酒は不可、ゴミの持ち帰りは忘れずに、マナーを守りましょう。 夏は、屋外の広大な池の一角で、南米原産の巨大な水草として有名なオオオニバス(パラグアイオニバス)の群生が見られます。写真のように、直径1m近い葉が池の岸辺を埋め尽くす景色は圧巻です。ここで一つ疑問が浮かびませんか? 「熱帯植物のオオオニバスが、雪国の富山でどうやって越冬するの?」って。 それは「富山県中央植物園」が研究機関でもあることに由来します。一年草のオオオニバスのタネの採取から、タネ播き・育苗後の定植まで、雪国での育成に成功した研究成果が披露されているのです。もちろん北国では「富山県中央植物園」でしか見られない珍しい景色ですから、必見ですね。毎年8月中・下旬の3日間、子どもを対象に、オオオニバスに乗った姿を記念写真に収めるイベントも開催されています。 高山気候から熱帯性気候まで内包し、世界の植物の宝庫として知られる中国の雲南省。ランやトウツバキ、サクラソウ類の原産地としても知られています。「富山県中央植物園」では、現地機関と共同研究を行っている縁もあり、「雲南エリア」の展示が充実しているのも、特色の一つです。現在では持ち出すことができなくなった雲南省の貴重な石林の石を配置して、現地の風景を再現。甘い香りを持つウンナンザクラや、黄色い花を咲かせるチヨウキンレンをはじめ、珍しい雲南省の植物コレクションの数々を観賞できます。 北アルプスが借景のイギリス風景式庭園 景色を愛でられる喫茶室にも立ち寄りを 屋外は緑の美しい芝生や木立、広大な水面、曲線的な園路で構成され、自然への賛美を表現する「イギリス風景式庭園」となっています。手入れの行き届いた植物園ながらも、北アルプスの雄大な山々を借景に、野山を散策するような心地よさがあります。 冬はカモ類を中心に、多種多様な水鳥が飛来して越冬するため、白銀に化粧した北アルプスを背景にバードウォッチングを楽しめます。自然保護のためにも、餌やりはご遠慮くださいね。 「富山県中央植物園」には、喫茶「ココナッツアイランド」があり、紅茶やコーヒー、軽食などを楽しめます。営業時間は11:00〜16:00、木曜定休、テーブル席5席。大きく取られた窓の向こうには、広い池や野鳥の姿も見え、見晴らしがいいのが嬉しいですね。ランチは500〜1,000円くらいの価格帯で、サンドイッチ、蕎麦、カレーなどがあります。特に生のフルーツを使ったジュースやジェラートがオススメ。 Information 富山県中央植物園 所在地:富山県富山市婦中町上轡田42 TEL:076-466-4187 http://www.bgtym.org/ アクセス:バス/JR富山駅前(6番乗場)発→ファボーレ経由 萩の島循環線「中央植物園口」バス停下車、徒歩約15分 車/北陸自動車道 富山ICより婦中大橋経由約15分 オープン期間:通年 休園日:木曜日(ただし木曜日が祝日の場合、および4月の第1・2木曜日、ゴールデンウィーク、お盆の期間は開園)、年末年始(12月28日~1月4日) 営業時間:9:00~17:00(2〜10月、最終入園は16:30まで)、9:00~16:30(11〜1月、最終入園は16:00まで) 料金:大人500円(3〜11月、団体20名以上は400円) 大人300円(12〜2月、団体20名以上は240円) 高校生以下、70歳以上は無料 駐車場:普通乗用車332台、大型バス専用駐車場6台(無料) 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! 牧野富太郎コレクションを堪能「高知県立牧野植物園」 ・花の庭巡りならここ! 麗しき英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」 ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。北海道 イコロの森 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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新潟県
花の庭巡りならここ! シャクナゲ&アザレアは日本一のコレクション「新潟県立植物園」
花卉生産が盛んな地域ならではの 品種コレクションが多彩な植物園 「新潟県立植物園」は、1998年8〜10月に開催された「全国都市緑化フェア にいがた緑のものがたり」の新津会場跡地に再整備されてオープンした、総合植物園です。新潟市秋葉区は、国内でも有数の花卉生産地で、また新潟県は約3,000種類の植物が自生する豊かな自然を誇る土地。「新潟県立植物園」ではそれらの特徴を生かした展示を行っています。 敷地面積は19.8ヘクタールで、大人の足で巡って1.5時間くらい。園内全体で約4,000種11万株もの植物が息づいています。3棟の観賞温室を持つほか、「シャクナゲ園」「ツツジ園」「さくらの山」「宿根草花壇」「ハーブ園」「にいがた植物園」「シーボルト園」など、エリアによってテーマをもたせた植栽が見られます。特にシャクナゲとアザレアは日本一のコレクションを誇っており、開花期には多くの人が訪れます。 四季を通して開花リレーがつながれ、いつ訪れても何かしらの花見が楽しめる「新潟県立植物園」は、2018年12月1日に開園20周年という節目を迎えました。メモリアル記念として、イベントが目白押し。「にいがたの花展」と題し、新潟県が誇る植物を紹介する3部作シリーズ企画展の「アザレア展」「チューリップ展」「シャクナゲ・ツツジ展」のほか、3月にはラストを飾る「サンクスフェスタ」を開催。この春は、ハタチになった「新潟県立植物園」のお祝いに、ぜひ駆けつけてはいかがでしょうか。 4,000種11万株の植物が集められた植物園 開花リレーによって、いつ訪れても爛漫の景色 「新潟県立植物園」では、毎年春先に温室内企画展「にいがたの花 チューリップ展」を開催しています。2019年は2月27日〜3月24日の日程です。期間合計30品種、1万5000本のチューリップが開花。開花時期を調整し、毎週展示を入れ替えているので、何度訪れても異なる品種や色合いを観賞できますよ! 一方、屋外チューリップ花壇の見頃は4月下旬で、4,000本が彩り豊かに咲き誇ります。 「新潟県立植物園」内の「さくらの山」の遠景です。見頃は4月下旬〜5月上旬、このエリアを含む植物園全体で、約40種320本のサクラが見られます。平均樹齢約30年というサクラが、樹冠いっぱいに開花する姿は壮観。園内への飲食物の持ち込みはOKなので、お弁当やおやつを広げて、お花見を楽しむのもいいですね。ただしゴミの持ち帰りなど、マナーは守りましょう(温室内は一部を除き、飲食物の持ち込みは禁止)。 ここで最新情報をご紹介しましょう! 「新潟県立植物園」では2018年春、屋外緑地に日本一の規模を誇る「シャクナゲ園」がオープンしました。高さ4〜6m級の大株約30品種150本が、4月下旬から5月中旬にかけて次々と咲き乱れます。写真の品種は‘サー・ロバート・ヒル’。珍しい品種の‘マリー・フォート’、‘マイケル・ウォータラー’、‘サッフォー’も見られますよ! 5月上旬〜中旬には、ボタンが見頃を迎えます。日本におけるボタン栽培、品種鑑定の第一人者だった故江川一栄氏のボタンコレクション、150品種1,000株を引き継いだ「ボタン保存園」は、一見の価値ありです。 日本一のアザレアコレクションを誇る「新潟県立植物園」では、毎年温室内企画展「にいがたの花 アザレア展」を開催しています。2019年は1月30日〜2月24日に開催。総コレクション数約250品種1,300鉢の中から、選りすぐりのアザレア120品種、約1,000株を展示する予定です。 国内最大級のドーム型の観賞温室 年2回のナイトタイムを見逃さずに! 「新潟県立植物園」内には、約550種4,000株の植物が息づく、国内最大級のドーム型の観賞温室があります。温室内には滝や洞窟、池があり、その間を縫うように整備された園路を進んで、ガジュマルやココヤシ、タイワンバナナ、ブーゲンビレアなどの熱帯植物を見学。香りのよい植物も集められているので、クリナム・ギガス、サンユウカ、ヘディキウム、パラグアイオニバス、デュランタなどの香り比べも楽しんでみましょう。 平日は、ガイドツアーを2回(10:40〜、14:40〜)、各30〜40分かけて行っています。希望者は入館券売場で申し込みを。土・日・祝日はスポットガイドを2回(10:40〜、14:40〜) 、各20分程度行っており、こちらは申し込み不要なので時間内に案内表示場所へ直接出向いてください(いずれも無料、但し入館料は必要)。 「新潟県立植物園」では年に2回のみ、夜間開園を実施しています。8月中旬の「夏の夜間開園」は観賞温室開館時間を20:30まで延長し、夜に甘い香りで満たされる温室内のガイドやトロピカルフルーツの試食会を実施。12月下旬の「クリスマス夜間開園」では、19:30まで延長し、クリスマスイルミネーションやコンサートなどを開催します。ロマンティックな夜の植物園観賞会にぜひ出かけてみませんか? 「にいがたコーヒープロジェクト」プロデュース 週末限定カフェで絶品コーヒーを味わおう 温室内には、週末限定カフェ「にいがたコーヒーラボ」があります。植物園と新潟県内のバリスタによる共同企画「にいがたコーヒープロジェクト」がプロデュース。県内のコーヒー専門店から毎週届く、新鮮なコーヒーをバリスタが丁寧にハンドドリップします。コーヒーの価格は400〜500円。県内有名カフェ店のクッキー、タルトなど手づくり焼き菓子を週替わりで提供するサイドメニューの価格帯は、300〜500円です(1〜2月は休業)。 Information 新潟県立植物園 所在地:新潟県新潟市秋葉区金津186 TEL:0250-24-6465 https://botanical.greenery-niigata.or.jp/ アクセス:公共交通機関/JR信越線古津駅から徒歩約25分 区バス/新津駅東口から「新津駅西口」行き「美術館・植物園前」下車徒歩約1分 ※区バスについて路線・時刻表は新潟市秋葉区のホームページをご覧ください。 新潟交通/新津駅東口から「矢代田経由白根・潟東営業所」行き「新津美術館入口」下車徒歩約10分 車/高速道路 磐越自動車道新津I.Cから国道403号三条・加茂方面へ約15分 一般道路 新潟方面から…国道49号茅野山I.Cから国道403号経由約20分 オープン期間:通年 休園日:なし 温室開館時間:9:30~16:30(入館受付は16:00まで) 料金:【温室】大人600円、65歳以上500円、高校生・学生300円、小中学生100円 ※小中学生は土日祝日無料 【屋外園地】入園無料 駐車場:300台、無料 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ! ロザリアンの聖地「国営越後丘陵公園 香りのばら園」 ・花の庭巡りならここ! 広大な敷地でダイナミックに花が咲く「国営ひたち海浜公園」 ・花の庭巡りならここ! 麗しき英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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岐阜県
花の庭巡りならここ! 3県にわたって敷地が広がる日本一大きな公園「国営木曽三川公園」内「木曽三川公園…
敷地の広さを生かした、面で魅せる植栽 「国営木曽三川公園」は、愛知県、岐阜県、三重県の3県にわたって敷地が広がる、日本一大きな公園です。木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)下流域の広大な土地を生かし、東海地方の人々のためのレクリエーション施設として整備されました。13の公園を含んでいるため、とても一日では回りきれない規模ですが、今回は四季を通して花見を楽しめる「木曽三川公園センター」に絞った情報をお届けします。 「木曽三川公園センター」は、「南ゾーン」と「北ゾーン」に区分されています。季節の草花で花壇を彩っているのは、主に「北ゾーン」で、中央に位置する高さ65mの展望タワー(有料)の見学も含めて、大人の足で約60分ほどで回れる規模です。開花リレーは、春のチューリップ、桜、ネモフィラ、夏のキバナコスモス、ヒマワリ、秋のコスモス、冬のパンジー、ビオラ、アイスチューリップと、季節によって見どころが移っていくので、いつ訪れても花見を楽しめます。一年を通して週末にイベントを開催しており、マルシェやハンドメイド市が立つ日もあるので、花見のついでに買い物を楽しむのもいいですね。 春から冬まで開花リレーでつなぐ、花の絶えない公園 「木曽三川公園センター」の北ゾーン大花壇西のエリアでは、4月上旬に約50本で織りなす桜並木の景色が楽しめます。約30年前に公園がオープンした際に植栽された桜が、それぞれに大きく育ち、枝葉を存分に伸ばした見事な樹形です。園内への飲食物の持ち込みは認められているので、青空の下でお弁当やおやつを広げて、春の到来を実感するのもいいですね。 ※建物内への飲食物の持ち込みは不可となっています。 4月上旬〜中旬、「北ゾーン」の大花壇では、約3,800㎡の敷地に植栽された約21万5000株のチューリップ、約10万5000株のムスカリが見頃を迎えます。「木曽三川の流れ」のイメージをデザインに込めた壮大な景色を、一度は見ておきたいもの。毎年色彩を変えて植栽されるので、この季節を楽しみに多くのリピーターが訪れ、熱心に写真に収める姿が見られます。 「木曽三川公園センター」の「北ゾーン」では、6月頃に約200株のアジサイが絵になる風景をつくりだします。日本原産のアジサイや西洋アジサイ、近年人気が高まっている‘アナベル’など、さまざまな品種が見られるので「我が家のガーデンに取り入れるならどれがいいかな?」と見比べるのも楽しいものです。古民家を背景に、ノスタルジックな雰囲気の写真を撮影できるスポットもあります。 8月になると「北ゾーン」にある「花絵花壇」「園路脇花壇」に植栽されたヒマワリが見頃になります。‘マティス’‘ゴッホ’‘モネ’など5品種、約3万7000本のヒマワリが開花。「花絵花壇」では草丈の高さを生かして「迷路花壇」がつくられ、ヒマワリ畑の中に入っての散策も楽しめますよ! 「木曽三川公園センター」の「北ゾーン」の大花壇では、9月下旬〜10月中旬にコスモスが見頃に。。‘ダブルクリック’や‘ハッピーリング’などさまざまな品種、約30万株のコスモスが一斉に開花し、風に揺らいで華やかな景色をつくりだします。毎年9月中旬〜11月上旬に「秋の花物語」と題したイベントが開催され、週末にマルシェやハンドメイド市、ジャズコンサートなどが楽しめます。園内には、秋の草花で彩られたインスタ映えする撮影スポットも登場しますよ! 展望タワーから360度に広がる景色を堪能!冬はイルミネーションの夜景を楽しんで 「木曽三川公園センター」内には、「水と緑の館・展望タワー」があり、大人620円、小中学生300円で入館できます(団体・障がい者割引あり)。高さ56m(展望タワーは65mですが、展望室は56mです)の展望室まで上がると、眼下に木曽川、長良川、揖斐川の「木曽三川」を一望でき、水郷の景観を360°見渡すことができますよ! また、治水の歴史や風土、この地域で見られる植物、動物、魚などの展示コーナーを常設。プリザーブドフラワー、万華鏡、立体カードなどのクラフト体験教室も開かれています。 「木曽三川公園センター」では、11月下旬〜12月31日まで、「冬の光物語」と題した、ウインター・イルミネーションが灯されます。点灯時間は16:30〜21:00。毎年テーマを変えて、50万球の電飾で色彩豊かに彩られます。イルミネーション期間中は、コンサートや花火の打ち上げ、クリスマスマーケットなど、さまざまなイベントが開催されるので、ぜひ夜の散策を楽しみましょう! 地元名物のなまず料理やみそかつ定食のほかデザートも充実の「レストラン ままずカフェ」 「木曽三川公園センター」内にある「レストラン ままずカフェ」は、客席数約60席で、大きなガラス窓から公園の眺望を楽しめます。営業時間は10:30〜17:00(3〜11月)、11:30〜16:00(12〜2月)※イベントにより変更あり。定休日は第2月曜(祭日の場合は翌日)、4・8・12月は無休。メニューは和食、洋食ともに充実しており、ランチの価格帯は700〜800円。人気メニューは 「ヒレみそかつ定食」1,100円。デザートの「ままずカフェの気まぐれデザードプレート」580円(ドリンクバーつき750円)もオススメです。 写真は名物の「あんかけままず定食」950円。淡白な白身の食用なまずと、甘辛いたれとの相性が抜群の一品です。ほかに「ままずフライ丼」850円、「ままずバーガー」680円(土日限定!)もあります。ぜひご当地メニューを味わってみましょう! Information 国営木曽三川公園 木曽三川公園センター 所在地:岐阜県海津市海津町油島255-3TEL:0584-54-5531kisosansenkoen.jp アクセス:養老鉄道石津駅から海津市コミュニティバス「木曽三川公園」下車すぐ(夜間はありません) オープン期間:通年 休園日:第2月曜(祭日の場合は翌日)、4・8・12月は無休 営業時間:9:30~17:00(3~6月、9〜11月)、9:30~18:00(7~8月)、9:30~16: 30(12月~2月)※イベントにより、変更あり。 料金:無料(水と緑の館・展望タワーは有料 大人620円、小中学生300円) 駐車場:1,231台(無料)