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長野県
カメラマンが訪ねた感動の花の庭。スタイリッシュな園芸店 長野・GARDEN SOIL
庭好き、花好きのオススメで向かったガーデンソイル 僕が初めてガーデンソイルさんにお邪魔したのは、2006年の春のことだったと記憶しています。その頃、僕と妻は雑誌のオープンガーデンを担当していたこともあって、あちこちのオープンガーデンを行っている方々と連絡を取っていました。この時も、「オープンガーデン信州」の清水恵子さん(飯綱高原の「ペンション フィールド・ノート」のオーナーで、日本のオープンガーデンの草分け的存在の方。いつもいろいろなことを教わりました)から「オープンガーデン信州の総会があるので、いらっしゃいませんか?」とお誘いを受け、雑誌の取材を兼ねてお邪魔しました。その時のオープンガーデン信州の事務局をしていたのが、ガーデン・ソイルの田口勇さんと片岡邦子さんでした。清水さんからも、「ガーデンソイルは素敵なお店だから行ってみてください」と言われていたので、総会の後にうかがいますと、お二人と約束しました。そして総会終了後、僕たちは清水さんや会長の稲葉典子さんにご挨拶をすませて、須坂市にあるガーデンソイルへ向かいました。 看板からも伝わってきたセンスのよさ 若い頃、志賀高原でスキー三昧の日々を送っていたことから、長野の道は得意で、須坂市にはすぐに到着。教わった住所をカーナビに入力して出発しました。町から離れて川を渡ると、辺りは一面の梨畑に。「こんな所にガーデンショップがあるのだろうか」と思いながら、ナビ通りに細い道を左に曲がると、道の脇にある小さな納屋に、「Garden Soil」と表示された明るいブルーグレイの看板を発見。センスのよい看板を見ただけで、これから伺う場所は僕が想像しているようなお店とは全然違うのだろうと、すぐに思いました。 イングリッシュガーデンとは違う庭の魅力に出合う 看板を過ぎると、お店はすぐに見つかりました。駐車場に車を止めると、目の前にはさっき見かけた看板と同じブルーグレイに塗られた木造の建物があり、その周辺には苗売り場や宿根草の植栽スペース、奥は広い庭になっていました。高木に囲まれた庭の中には、いくつものオリジナルデザインのパーゴラやガーデンシェッドが点在していて、それらを取り囲むように、草花がナチュラルに植栽されています。 当時の僕は、イングリッシュガーデンこそが美しい庭だと信じていて、イギリスを思わせるレンガの壁に、つるバラやクレマチスが絡んでいたり、ガーデンコテージの前ではシンメトリーにデザインされた花壇の中にジギタリスやデルフィニウムが咲いているようなシーンばかりを追いかけていました。そんな僕にとって「見たこともない」「イングリッシュガーデンじゃない」、でも「魅力が溢れている!」というのが、ガーデンソイルの第一印象でした。 センスのよさは、お店の中や植物選びにも 撮影の許可をもらって庭に立ってみると、どの方向にレンズを向けても絵になってしまうし、見たことがない植物だけれど、ファインダーの中ではフォルムが本当に美しく見える。でも、撮影はとても難しい……。すべてが僕にとって初めての撮影体験をさせてくれた庭。この庭をつくったお二人って、どんな方たちなんだろうと、つくづく思いました。 撮影を終えて建物に戻ると「コーヒーでもどうぞ」と声を掛けていただき、建物の奥に入りました。そこには、大きいテーブルにゆったりとした椅子、壁一面に洋書がびっしりと並ぶ本棚があり、まるでどこかのデザイン事務所の打ち合わせスペースのような空間。ガーデンソイルをつくった人はどんな人物なのだろうとますます思いを募らせながら、コーヒーを飲みました。 お話を伺ってみると、田口さんと片岡さんは、以前は東京・原宿の事務所でインテリア設計の仕事をしていたとのこと。看板がカッコいいのも、お店のインテリアが素敵なのも、庭にフォルムの美しい植物が選ばれていることも、すべてに合点がいきました。この日以来、ガーデンソイルは長野を訪れる際、時間が許す限り必ず立ち寄るマイフェイバリットのお店になりました。 ガーデンソイルの新たな魅力を発見 当時は、どのガーデニング関連の雑誌にも庭紹介のページがあって、盛んに撮影をしていましたから、僕もいつもよい庭を探すアンテナを張って、ガーデンソイルでも情報収集をしていました。この連載でご紹介した山中湖の塚原さんの庭も、田口さんが教えてくれた場所です。 昨年2017年6月のこと。長野でちょっとした撮影の後、天気もよいのでガーデンソイルで夕方の撮影をさせもらおうかなと思い伺ったら、撮影後のコーヒータイムに「この本見た?」と田口さんが手にしていたのはPiet Oudolf氏の美しい写真集でした。以前からガーデニング誌『BISES』の秋号などで見かけて、紅葉した庭がきれいなのは知っていましたが、このPiet Oudolf氏の写真は格別に美しく、思わずため息をつくと、「うちも11月の紅葉はきれいよ」と片岡さんが教えてくれました。そうと聞けば、俄然ガーデンソイルの紅葉の撮影をしたくなって「11月に必ず伺います!」と約束をし、その日は帰りました。 期待を裏切らない秋の美しい風景 夏も終わり秋風が吹き始めると、ガーデンソイルの紅葉の進み具合が気になりだしました。幸い、ガーデンソイルのガーデナーである粟野原さんがフェイスブックに庭の状況の写真をアップしてくれるので、その様子から撮影日の目安をつけつつ、天気予報をチェック。一日晴れの予報だった2017年11月3日に撮影に向かいました。午後3時に駐車場に着くと、周りの落葉樹は黄色く色づき、斜めに傾きかけた夕陽に、枯れた草花は茶色く輝き出していました。お二人にさっと挨拶をして、カメラを抱えて庭の奥まで行って振り向くと、逆光に透けて木々の葉は赤や黄色に。 グラス類は白く輝いて最高にきれいでした。真っ赤に紅葉したミナズキのボーダーにレンズを向けると、奥のカエデは黄色く輝いていました。こんなに素晴らしい光景があることを教えてくれたお二人に感謝しながら、いつものように日が沈むまでガーデンソイルの紅葉を一人で満喫した、とても幸せな一日でした。 Information 「ガーデンソイル」 所在地:長野県須坂市野辺581-1 ☎026-215-2080 http://soilgarden.exblog.jp アクセス:上信越自動車道「須坂長野東I.C.」より車で5分。 Open:10:00〜18:00(4〜7月、9月、10月は無休。その他の月は月曜定休) 併せて読みたい ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。魔法の光に包まれる山梨・塚原邸 ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。フォトジェニックな庭 長野・熊井邸 ・花好きさんの旅案内 【国内】長野・白馬のオススメガーデン3選 Credit 写真&文/今井秀治 バラ写真家。開花に合わせて全国各地を飛び回り、バラが最も美しい姿に咲くときを素直にとらえて表現。庭園撮影、クレマチス、クリスマスローズ撮影など園芸雑誌を中心に活躍。主婦の友社から毎年発売する『ガーデンローズカレンダー』も好評。
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新潟県
花の庭巡りならここ! 麗しき英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」
ボランティアにより維持される本格的なイングリッシュガーデン 2009年にオープンし、広さ22,000㎡(公園部分は16,000㎡)の敷地を持つ「みつけイングリッシュガーデン」は、新潟・見附市が管理する観光ガーデン。見附市の緑地帯を活用し、市内の緑化と交流の拠点としてイングリッシュガーデンに整備されました。デザイン監修は、英国園芸研究家のケイ山田さんです。イギリス式の植栽はもちろん、ガゼボやアーチ、ベンチ、オーナメントなどのガーデン資材は全て英国製にこだわり、本場の雰囲気を再現。現在も年に2回は訪れて、植栽やメンテナンスなど、景観維持のためのアドバイスをしています。 「みつけイングリッシュガーデン」は、正面入り口のアイアンゲートをくぐると、「ボーダーガーデン」「ウェディングガーデン」「池とガゼボ」「アナベルロードと芝生広場」「バラロード」「展望台(ガゼボ)とロックガーデン」「メドウガーデン」など、各エリアに分けられ、それぞれに変化に富んだ植栽が見られます。イギリスの庭園さながらの洗練された景色には、ため息がもれるばかりです。 特筆すべきは、「みつけイングリッシュガーデン」のメンテナンスは、市民ボランティア団体「ナチュラルガーデンクラブ」が行っていること。水やりや草取り、植え替え、剪定、苗の生産(ナーセリー)など、初期は不慣れな点も多かったものの、ボランティア参加者たちは年々スキルを磨いていったそう。今やガーデニングの専門知識や技術を、ガーデニング教室やワークショップの開催によって、来園者に還元しています。園内への入場料は無料のため、気軽に訪れることができるのも嬉しいところ。もともと見附市が目指した「緑化と交流の拠点」が実現し、理想的な憩いの場となっています。2018年には新しくカフェ&ショップもオープン。見附市民のみなさんが愛して育んできた、温もり感あふれる観光ガーデンに、ぜひ足を運んでみませんか。 息を呑むほどの壮麗な景色にうっとり! ケイ山田さん監修の英国式庭園 「みつけイングリッシュガーデン」の春を彩るのは、クロッカス、クリスマスローズ、パンジーなど。4月中旬〜5月上旬にはチューリップが見頃になり、「ボーダーガーデン」「ウェディングガーデン」、コンテナを中心に、それぞれのエリアで色彩テーマを変えて植栽しています。写真はパステルピンクのチューリップとパステルブルー&パープルのパンジーの組み合わせで、ソフトで優しい雰囲気。 高さ2.5m、奥行き10mのアーチに仕立てた藤は、樹齢約15年の‘フロリバンダ’。見頃は5月いっぱいです。頂部から長い花穂がたわわに枝垂れる藤のトンネルはダイナミックで、その下を歩くと至福のひとときを味わえます。 「みつけイングリッシュガーデン」には、約150種700株のバラが植栽されています。パーゴラ、アーチが3カ所にあり、それぞれにつるバラを誘引した壮麗な景色は、眼福そのもの。この写真は「ボーダーガーデン夏エリア」で、アーチに仕立てたバラ‘ブラッシュ・ランブラー’を主役に、ピンクをテーマカラーにして植栽。毎年、一年草で模様替えをして、異なる雰囲気を演出しています。 写真は、赤いバラで統一したトンネル。‘エトワール・デ・オランダ・クライマー’、‘ギネー’、‘エクセルサ’、‘ニュードーン・レッド’、‘アレン・チャンドラー’、‘チェビーチェイス’などのつるバラを誘引しています。紫の花穂を立ち上げている下草はキャットミント。色のコントラストがシックで、圧巻の景色です。赤バラのトンネルをくぐり終えたら、ぜひ後ろを振り返ってください。最後のアーチの裏側のみ、白いバラ‘ガーデニア’、‘フラウ・カール・ドルシキー・クライマー’で覆われており、これまで見てきたトンネルとはまた違った印象の景色が広がります。 「みつけイングリッシュガーデン」の園内は、どの通路も車椅子や乳母車が通れる広めの設計で傾斜もゆるやかなので、誰でも気軽に訪れることができます。写真のエリアは「アナベルロードと芝生広場」。見頃は6月下旬〜7月中旬で、芝生の周囲に列植された西洋アジサイ‘アナベル’が満開となって、見事な景色をつくりだします。‘アナベル’の下草は毎年「ボランティア植栽会」で一般の参加者が植栽。花の種類は毎年変わるので「今年はどんな色合わせが楽しめるのかな」と、リピーターが楽しみに訪れるスポットです。 写真手前の草花は「ウェディングガーデン」の一角です。「華やかさ」をテーマにしたエリアで、植栽によるカラーコーディネートの妙を楽しめます。奥に見えるガゼボは休憩スポット。「みつけイングリッシュガーデン」への飲食の持ち込みは自由で、飲食可能なスペースは「ガゼボ」「ガーデンテント」「子ども広場」です。また、園内にはゴミ箱が設置されていないので、ゴミは各自で持ち帰るようにしましょう。 毎年秋に開催される「オータムフェア」では 来園者参加型の楽しいイベントを開催! 毎年秋には「オータムフェア」を開催(2018年は9月29日〜10月8日)。「みつけイングリッシュガーデン」内各所にハロウィンスポットが登場します。ぜひ一緒に写真を撮って、ハロウィンを楽しみましょう。また、多肉植物の寄せ植えづくりやスワッグづくりなど、クラフトを楽しむワークショップが催され、クラフト作家が販売する「青空マーケット」も展開。「ハロウィンこども DAY!」(2018年は10月8日)では、仮装した子どもたちが遊びに来て、園内をさらに盛り上げます。 2018年4月よりオシャレなカフェがオープン! 併設の土産物売り場も充実の品揃え 「みつけイングリッシュガーデン」では、来園者から「くつろぐ場所が欲しい」との要望を受けて、2018年4月にオシャレなカフェ「MEG CAFE 511」がオープンしました。営業日は開園中(4〜11月)は無休、閉園中(12〜3月)は火曜定休、年末年始は休館。営業時間は10:00〜21:30、ラストオーダー21:00(季節により変動)。店内40席のほか、テラス席が12席ほどあります。価格帯はランチプレート1,080円〜、ディナープレート1,280円〜、本日のケーキ360円〜。オススメは3日間熟成させるモチモチのピザ、インスタ映え間違いなしのドリンク「ローズレモネード」など。テイクアウトメニューもあります。 写真は、カフェ「MEG CAFE 511」の人気スイーツメニュー「ふわとろフレンチトースト」(S580円、M780円)。フレンチトーストの上にアイスクリームがのっています。蜂蜜をたっぷりかけて、召し上がれ! 秋には季節感たっぷりのフレンチトーストが登場します。 写真は、カフェ「MEG CAFE 511」のインスタ映えドリンク。手前はローズレモネード×ブルー、奥はローズレモネード×ピンク(各400円)。シロップとレモネードが別々に出され、生レモンスライスたっぷりのドリンクに、ローズペダルの入ったシロップを注ぐと、なんとなんと、レモネードの色が変化します! 話題のドリンクをぜひ味わってください。 カフェ「MEG CAFE 511」店内には、土産物売り場が併設されており、新潟・見附市の特産品やオリジナルグッズ、花苗などを販売。オススメは、ニットの街「見附」×イングリッシュガーデンのコラボ商品「ニットのテディベア」4,800円〜、「みつけイングリッシュガーデン」で収穫した見附産100%ローズヒップ(無農薬)がたっぷり入ったフィナンシェ(6個入り)1,000円です。 秋〜冬には、ガーデンや「MEG CAFE 511」店内で、ワークショップを不定期開催しています。あらかじめ公式ホームページをチェックして、参加の計画を立てるのもいいですね。 Information みつけイングリッシュガーデン 所在地:新潟県見附市新幸町6-35 TEL:0258-66-8832 http://www.city.mitsuke.niigata.jp/ (見附市ホームページ内) アクセス:公共交通機関/信越本線JR見附駅から1.2km(車で5分) 車/北陸自動車道 中之島見附I.C.から2km(車で3分) オープン期間: 4月1日~11月30日 営業時間:8:40~日没 料金:無料(草花の管理協力金として、1人100円程度の寄付をお願いします) 駐車場:145台(無料) Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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山梨県
花の庭巡りならここ! バラが爛漫と咲き乱れる「河口湖 音楽と森の美術館」
コンセプトは王侯貴族が住んでいる庭! 「河口湖 音楽と森の美術館」 「河口湖 音楽と森の美術館」は、中世ヨーロッパの王侯貴族が愛したオルゴールの世界を楽しんでもらおうと、「王侯貴族が住んでいる」というコンセプトのもと、1999年にオープンしたオルゴールミュージアムです。2003年にはオールドローズを中心とした庭がつくられ、さらに05年には「王妃が庭の片隅につくった、バラを楽しむためのプライベートガーデン」をテーマに、本格的なガーデンが誕生。ローズガーデンのデザインは、ガーデンデザイナーの保立美智子さんが監修し、バラの品種は中田邦子薔薇研究所の中田邦子さんがセレクトしました。 富士山を望む河口湖畔という立地から、このガーデンは日本の風土、風景に溶け込む「自然風景式庭園」を目指しており、自然樹木の間にバラがのびやかに調和する景色を堪能できます。 希少な原種のバラやオールドローズが息づく 中世をイメージさせるローズガーデン 2万3176㎡の敷地を抱く「河口湖 音楽と森の美術館」は、庭園の散策は20〜30分で一巡でき、コンサート鑑賞、お買い物と合わせて2〜3時間の観光が楽しめます。 バラは約720品種1,200株が植栽され、一番の見頃は6月上旬〜中旬。庭園内は「オールドローズエリア」「モダンローズエリア」「フレンチローズエリア」「音楽関連の名前がついたバラを集めたエリア」とテーマによってゾーニングされています。特に「中世王侯貴族が愛し守ったオールドローズ」のコーナーは、数多くの原種のバラやオールドローズが集められており、希少品種も多く見応えがあります。 ガーデン内では視界を遮るアーチを多用し、空間を仕切って場面転換をはかっています。オベリスクは園内に12基。シンメトリーに配してバラ2品種を仕立てており、その組み合わせ術は自邸の庭へのヒントになりそうです。 年間28万人が訪れる「河口湖 音楽と森の美術館」では、オルゴールミュージアムはもちろんのこと、ガーデンのファンも。「手入れが行き届いている」と評判で、リピーターが多く訪れています。 園内には高さ280㎝×幅255㎝のアーチがいくつも設けられ、バラ‘夢乙女’、‘バレリーナ’、‘コーネリア’、‘パーペチュアル・ユアーズ’などを仕立てています。 バラの季節以外も、春はスイセンに始まり、コブシ、ユキヤナギ、シャクナゲ、カリン、アジサイ、サルスベリ、クリスマスローズなどが開花リレーを見せ、四季を通して花で彩られるナチュラルガーデンを観賞できます。 ペット同伴は不可(小型犬なら預かり可)、館内禁煙、飲食物の持ち込みは不可となっているので、マナーを守って利用しましょう。 ガーデンの散策とともに 中世の贅沢な自動演奏楽器&オートマタを楽しもう 「河口湖 音楽と森の美術館」の真骨頂、ミュージアムのオルゴールやオートマタ(自動人形)の見学も、ぜひ楽しみましょう。一日7回の実演コンサートが行われているので、約100年前の人々の心を癒した音色を実際に聴いてみてはいかがでしょうか。デジタルでいつでもどこでも音楽を再生することができる現代にあって、音楽をいつでも聴けることは贅沢の極みだった時代の荘厳な音色に、心を打たれること間違いありません。 豪華客船タイタニックに搭載予定だった自動演奏楽器に合わせて、オペラ歌手が歌うコンサートなど、趣向を凝らしたイベントを楽しめます。 雄大な富士山を望みながらのランチは格別! ミュージアムショップでのお買い物も楽しもう 「河口湖 音楽と森の美術館」内には、レストランが併設されています。「森のレストラン」の営業時間は11:00〜15:00(ラストオーダー14:30)、客席は80席あります。ランチの価格は2,000円前後。地元の旬の食材を使ったコース料理「季節のスペシャルランチ」2,300円、郷土料理のほうとうを西洋風にアレンジした「西洋ほうとう」1,500円がオススメです。 富士山を望む絶景のもと、おしゃべりに花を咲かせながら、ティータイムを楽しむのもいいですね。ケーキセットは950円。数種の中からお好みのケーキをセレクトでき、ドリンクはコーヒーまたは紅茶がつきます。 「河口湖 音楽と森の美術館」では、お土産コーナーももちろん充実していますよ。ミュージアムショップの営業時間は9:30〜18:30。オルゴール、ワイン、アクセサリー、食品などが人気です。品揃えの主な価格帯は1,000円〜。 最後に、「河口湖 音楽と森の美術館」でしか買えない、オリジナルチョコレートをご紹介しましょう。ト音記号の形が愛らしいチョコレートは、ミルク、ビター、ホワイトの3種類が揃います。単品で616円、アソートで1,029円。ぜひお土産にどうぞ。 Information 河口湖 音楽と森の美術館 所在地:山梨県南都留郡富士河口湖町河口3077-20 TEL:0555-20-4111 https://kawaguchikomusicforest.jp アクセス:公共交通機関/富士急行線河口湖駅よりタクシーで約16分、または河口湖周遊レトロバス「オルゴールの森美術館」下車すぐ 車/中央道河口I.Cより国道137号線約15分 オープン期間:通年 休館日:毎年冬季休館日あり(2020年は1月14日~24日、2月28日) 営業時間:10:00~17:30(最終入館…17:00) 料金:大人1,800円、大高生1,300円、小中生1,000円 駐車場:約300台(入館する場合、無料) Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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静岡県
花の庭巡りならここ! 四季を通して多様な植物で彩られる「はままつフラワーパーク」
四季を通して美しい花々が咲き乱れる「はままつフラワーパーク」 1970年開園の「はままつフラワーパーク」は、浜名湖畔の自然の地形を生かしてつくられた植物園です。30万㎡の敷地は東京ドーム6.4個分、大人の足でゆっくり歩いて1時間半〜2時間かかる広さ。約3,000種100万株の樹木や草花が植栽され、四季折々に多彩な表情を見せてくれます。敷地内には、ウェルカムガーデン、ローズガーデン、原種ツツジ園、ハナショウブ園、日本庭園、クリスタルパレス(大温室)など、特色のあるエリアを多種多様に展開しており、季節ごとに花の見頃が移ろっていくので、いつ訪れても花々にあふれる感動的な景色を楽しめます。特に吉谷桂子さんプロデュースの「スマイルガーデン」は一見の価値あり! 年間入場数は約50万人にのぼり、リピーターの多さも突出しています。生き生きと咲き誇る花々に心癒されること間違いなし、ぜひ足を運んでください! 4月上旬がトップシーズン! 桜とチューリップが織りなす景色は一見の価値アリ 「はままつフラワーパーク」の春は、梅とスイセンの競演からスタート。2月上旬〜3月上旬が見頃で、梅は約110品種300本、ラッパズイセンは約20品種8万球が植栽されています。斜面を生かして梅園をつくっており、梅の足元を覆い尽くすようにスイセンが開花する様子は、大変迫力があります。 世界一美しいと評される「桜とチューリップの庭園」。花の見頃は3月下旬〜4月上旬。約1,300本の桜と約50万球のチューリップが生み出す景色は、感動的で息をのむ美しさです。 チューリップは品種、系統、花色などの特性を生かした組み合わせで植栽し、開花期も早生から晩生までをリレーさせて、長期間楽しめるように工夫しています。 写真は、なんと1月1日から開催される「早春チューリップの展示」の鉢物チューリップで、まだ寒い時期から春を感じさせてくれます。 4月下旬になると、藤が見頃を迎えます。写真は樹齢約20年の野田九尺藤11本が植栽された藤棚。長さ80mにわたってトンネル状に続き、長く伸びた花房が風にそよぐ様子は圧巻の美しさです。写真にベンチが見えますが、「はままつフラワーパーク」園内への飲食物の持ち込みはOKなので、ここでお弁当を広げてのお花見もよさそうですね。 写真は樹齢約20年の白藤を8本植栽したエリアです。満開時には光を受けて輝き、青空によく映えます。 ローズガーデンでは、5月中旬〜6月上旬に約200品種1,000株のバラが咲き競います。モダンローズ、ミニバラ、オールドローズなど多様な品種で構成。シンメトリー技法を用いた伝統的なデザインの「整形ガーデン」、バラのほかに季節の宿根草を組み合わせた「ナチュラルガーデン」、日本の皇室や世界の王室に捧げられたバラを集めた「インペリアルローズコーナー」など、変化に富んだ演出をしています。 ロマンティックな景色にため息がこぼれる 吉谷桂子さんプロデュースの「スマイルガーデン」 「スマイルガーデン」の見頃は4月上旬〜6月中旬。「笑顔がこぼれる庭」をコンセプトに、日本を代表するガーデンデザイナー・吉谷桂子さんがプロデュースするガーデンです。約150mの小道には、1万3000株を超える草花が咲き乱れます。 毎年秋、吉谷さんの指揮のもとに植栽して冬越しさせるので、春には健やかに育った草花がダイナミックに咲き揃います。 5,000㎡に及ぶハナショウブ園は、日本屈指の約720品種100万株を植栽。見頃は6月上旬〜中旬です。湿地帯に咲くハナショウブは、木製の園路を巡りながら、それぞれの品種を近くで観賞できます。 写真は約600mにわたるアジサイ並木の景色で、見頃は6月上旬〜下旬です。西洋アジサイ約52品種3,000株、野生アジサイ約40品種500株を植栽。ブルー、ピンク、紫、白のアジサイが顔を揃え、園路のそぞろ歩きに心が弾みます。 冬はイルミネーションの季節で、夜間まで時間を延長して開園しています。「フラワーイルミネーション2018」は11月23日〜2019年1月6日を予定。屋外の展示テーマは「ホッとイルミネーション」と題し、藤棚の光のトンネルや光の吊り橋のほか、噴水池で30分ごとに行われる「水と音楽のショー」のライトアップを楽しめます。一方、「クリスタルパレス」温室内の展示テーマは「クリスマスタウン」。高さ8mのモミの木のツリーを中心に、華やかなポインセチアなどを添えたクリスマスガーデンを演出します。 ガイドつき「フラワートレイン」は大人気! カフェやショッピングエリアも充実 「はままつフラワーパーク」の園内では、「フラワートレイン」が走っています。運転手が車内マイクを使って園内の見どころをガイドしながら、時速15㎞ほどで、ゆっくりと約15分かけて運行。39人乗りで1回の乗車につき大人100円、子ども50円です。ハイシーズンの混雑期は1時間に4〜5回、閑散期は1時間に2回くらいの間隔で走行。3台のうち2台が車椅子に対応しており、1台につき1〜2名が車椅子のままで乗車できます。 「はままつフラワーパーク」では、年間を通してさまざまなイベントが開催されています。サクラソウ、アサガオ、アジサイ、観葉植物、多肉植物など、テーマを設けて育て方を解説するガーデニングの講習会のほか、クラフト教室や音楽コンサートなど多様なので、公式ホームページをチェックして出かけるのもオススメです。写真は8月の土日・祝日開催、水の上に浮かぶ世界一大きな葉っぱ「オオオニバスに乗ってみよう!」体験のひとコマ。 園内のショップでは、花苗も充実した品揃え。地元生産者から毎日届く新鮮な切り花のほか、花苗、鉢物、資材(土や鉢など)が、100〜5,000円の価格帯で揃います。人気の商品は、地元生産者直送のコチョウラン1,000円前後、サボテン260円〜アニマルの鉢入り1,000円など。 地元の名産品やオリジナルのお菓子・グッズなど、土産物用の商品も多様に揃います。本物の花びらをあしらったクッキー「花一輪」(18枚入り)432円がオススメです。 「はままつフラワーパーク」園内には、飲食店もあるので、歩き疲れたら休憩しましょう。左写真は「カフェレストラン 花の散歩道」。座席数は140席で、ランチの価格帯は500〜950円。地ビールのヴァイツェン500円、フラワーパフェ500円、ぜんざい450円などもあります。 右写真はクリスタルパレス(大温室)内にある、カジュアルなカフェ。バラのエッセンスを使ったソフトクリームが絶品です。 Information はままつフラワーパーク 所在地:静岡県浜松市西区舘山寺町195 TEL:053-487-0511 http://e-flowerpark.com アクセス: 公共交通機関/JR浜松駅より遠鉄バス1番乗り場より舘山寺温泉行きで約40分、「フラワーパーク」バス停下車すぐ 車/東名浜松西I.Cより県道65号と県道48号を経由し舘山寺温泉方面へ約15分、新東名浜松いなさI.Cより約30分 オープン期間:通年 休園日:12月29日〜31日 ※臨時休園の場合あり 営業時間: 9:00〜17:00(3〜9月)、9:00〜16:30(10〜11月)、10:00〜16:30(12〜2月) ※イベントにより変動あり 料金:大人無料〜1,000円、小・中学生/無料~500円 ※季節によって異なる。詳しくは公式ホームページ参照 駐車場:600台(1回200円) Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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静岡県
花の庭巡りならここ! 美術館と庭園が融合した文化香る「クレマチスの丘」
美術館と融合した、クレマチスが主役のガーデン 「クレマチスの丘」は、庭園、美術館、文学館、地場の食材を使ったレストラン、自然公園などで構成された文化香るスポット。庭園は、静岡県長泉町がクレマチス苗の生産地として国内6割のシェアを誇ることから、クレマチスを主役として展開しています。 クレマチスガーデン/ヴァンジ彫刻庭園美術館は、傾斜地に建つ展示棟を中心に、上下2つのエリアに分けて展開されています。園内には、白い花のみで構成されたホワイトガーデン、クレマチスの品種を分かりやすく展示しているポール仕立てのクレマチス、木立性のクレマチスを集めたアイランドベッド、クレマチスとつるバラで構成されている石垣壁など、テーマごとに場面転換があります。各場面でテーマカラーやカラースキームが決められており、植物によるカラーコーディネートは、美術館らしいこだわりの美意識が息づいています。また、庭園内には、ジュリアーノ・ヴァンジの彫刻作品が各所に常設されていて、植栽との調和も見どころです。 クレマチスファンが集う聖地には レアから最新トレンドまで幅広い品種が集結 クレマチスガーデンには、約250品種2,000株が植栽されています。早春咲きのアーマンディー系からスタートし、フォステリー系、モンタナ系、早咲き大輪系、遅咲き大輪系、インテグリフォリア系、ヴィチセラ系、ヴィオルナ系、テキセンシス系、フロリダ系、ヴィタルバ系、シルホサ系、そして冬に開花するアンスエンシスへとリレーし、一年を通して開花。最も多くのクレマチスが咲くのが6月初旬です。クレマチスは最新品種はもちろん、日本作出のあまり生産されていない希少な品種なども揃え、年々数を増やしています。トレンドや珍しい品種を求めるなら、ぜひ足を運んでおきたいクレマチスの聖地です。写真は、‘セム’、‘ジェニー’、‘ジャックマニー’、‘テンテル’、‘ベラ’が混ざり咲くフェンス。 園内が最も華やかになるのは、バラ(約100品種900株)とクレマチスが競演する5月中旬〜下旬。クレマチスとバラの組み合わせでは、クレマチスのつるでバラの生育が邪魔されないよう、またバラの棘がクレマチスのやわらかい新芽を傷つけないようにと、誘引の工夫が随所に見られます。クレマチスとバラを共存させる植栽術からは、個人の庭でのガーデニングのヒントも得られそうです。 左写真は、4月上中旬のチューリップが咲き乱れるホワイトガーデン。白花のクレマチス20品種を中心に構成されています。代表的な品種は‘アンスンエンシス’、‘アーマンディー’、‘モンタナ・スノーフレーク’、‘白万重’、‘アルバ・ラグジュリアンス’、‘ロコーコラ’など、できるだけ強健で多花性の品種を選んでいます。 右写真は、ポール仕立てのクレマチスのコーナー。高さ3mと3.3mの鋳鉄製ポールを計約100本設置してクレマチスを絡め、品種名や花の特徴などを書いたラベルを付けて、「クレマチス博物館」としての役割も果たしています。主に四季咲きの品種を植栽し、剪定によって春から晩秋まで花期を長く保つよう調整。クレマチス同士の組み合わせや、下草のあしらいも見どころです。毎年約10品種の新しいクレマチスが追加されています。 イロハモミジに寄り添うクレマチスは、モンタナ系の‘スノーフレーク’。モンタナ系のクレマチスは、原生地での様子が再現できるよう、樹木仕立てにしています。株元から枝までは、人の手によって誘引されていますが、枝に到達した先は、クレマチスが自由につるを伸ばして生長する姿を観賞できます。 庭園内には多くのベンチが置かれており、自由に休憩できますが、飲食は不可。 ランドスケープと彫刻作品の調和にも注目! 講習会などのイベントも多数開催 クレマチスガーデン/ヴァンジ彫刻庭園美術館の庭園内には、ジュリアーノ・ヴァンジの彫刻作品が常設で19点展示されています。美術館と庭園の建設計画の段階から、作家本人が関わり、作品の配置を決定しました。写真の作品『プリマヴェーラ』は、2002年の開館後、この庭園に合わせて制作・設置されたものです。クレマチスが彩る美しい庭園と彫刻作品の調和は、この庭ならではの魅力。 クレマチスのシーズンには、金子明人先生(園芸研究家、クレマチス栽培研究の第一人者。日本クレマチス協会理事、国際クレマチス協会会員)を招いて、ガーデンツアーに加え、ミニ講座やミニ体験を行っています。 2018年の日程は、以下の通りです。 第1回/5月4日(祝・金)13:00〜14:30 ミニ講座「早咲き大輪系の魅力」 第2回/5月19日(土)13:00〜14:30 ミニ講座「はじめてクレマチスを育てる方へ〜クレマチス栽培の基本」 第3回/6月3日(日)13:00〜14:30 ミニ講座「クレマチス苗の植えつけ教室」(クレマチス苗のお土産つき) 第4回/6月10日(日)13:00〜15:00 ミニ体験「クレマチスの挿し木に挑戦してみよう」(挿し木したポットは持ち帰り可) 第5回/6月16日(土)10:15〜12:15 ミニ体験「クレマチスの剪定に挑戦してみよう」 *参加費はクレマチスガーデン/ヴァンジ彫刻庭園美術館入館料込みで各1,500円、第3回のみ3,500円(花苗代含む)。 *要予約(クレマチスの丘コミュニケーションセンター☎︎055-989-8785)、各回の定員に達したら募集は締め切られるのでお早めに。 金子先生のクレマチス講座以外にも、ハーブやバラをテーマにした講習会などイベントを随時行っているので、公式ホームページをまめにチェックすることをオススメします。 花苗店や書籍&雑貨店などでショッピング レストランで食の楽しみまで クレマチスの丘には、フラワーショップ「ビオトープガーデン」があり、クレマチスのシーズンには約200品種のクレマチス苗や開花鉢が店頭に並びます。人気の品種は‘プリンセス・ダイアナ’、‘白万重’、‘テッセン’など。クレマチス以外にも、多肉植物やガーデン雑貨のほか、量販店ではなかなか目にしない仕入れ担当者オススメの個性的な花苗が並びます。 写真左、ヴァンジ彫刻庭園美術館併設のミュージアムショップ「NOHARA BOOKS」では、美術関連図録や書籍、絵本のほか、暮らしを彩る雑貨も販売。人気の品は「クレマチスの丘オリジナル和三盆」756円。 写真右「ブティック クレマチス」では、クレマチスをモチーフにしたグッズ、洋服やバッグ、雑貨、アクセサリーを販売しています。人気商品は花をモチーフにしたストール2,160円、バッグ1,300円。 クレマチスの丘のレストランでは、駿河湾の魚介類や箱根西麓の契約農家から届くみずみずしい野菜など、地元食材を活かした味わい豊かなひとときを楽しめます。 写真は、カジュアルなイタリアン「ピッツェリア&トラットリア CIAO CIAO(チャオ チャオ)」。営業時間は10:00〜21:00、ランチタイム11:00〜ラストオーダー14:30、ティータイム14:30〜17:30、ディナータイム17:30〜ラストオーダー19:30(第1・3火曜日はディナー休み)。 新窯で焼き上げるピッツァを中心に、パスタや前菜などメニューも充実。バラエティー豊かなオリジナルジェラートも常時約10種類あります。 左の写真は「マルゲリータ クレマチス」2,500円、右の写真はティラミス500円、ハーブティー500円。※メニューは季節によって異なります。 Information クレマチスの丘 クレマチスガーデン/ヴァンジ彫刻庭園美術館 所在地:静岡県長泉町東野クレマチスの丘347-1 TEL:055-989-8787 https://www.clematis-no-oka.co.jp アクセス:JR東海道線三島駅北口(新幹線口)より無料シャトルバス運行 【東京方面より】東名 裾野I.C.よりR246経由、沼津方面へ10km 【名古屋方面より】新東名 長泉沼津I.C.あるいは東名 沼津I.C.より伊豆縦貫道(東駿河湾環状道路)へ、長泉I.C.出口R246右折/新東名 長泉沼津I.C.より5km オープン期間:通年 休館日:水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始 営業時間:10:00~16:30(11〜1月)、10:00~17:00(2〜3月、9〜10月)、10:00〜18:00(4〜8月) ※入館は閉館30分前まで 入館料:クレマチスガーデン ヴァンジ彫刻庭園美術館 大人1,200円、高・大学生800円(4〜10月)、大人1,000円、高・大学生500円(11月〜3月)※小・中学生無料 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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愛知県
花き生産高1位の地域に生まれた、旬の花と野菜が並ぶショップ「Marché&Cafe hana・yasai はなやさ…
2018年5月でオープン2周年を迎える、愛知県豊橋市にある「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」。車でのアクセスが便利な商業地帯にあり、お買い物のついでにも立ち寄りやすい立地です。エントランスには、ガーデニングの本場英国の自然石、コッツウォルドストーンを積み上げた大きなアーチが出迎えます。 お店に一歩入ると、カラフルに咲き誇る季節の花苗が目に飛び込んできて、花好きやガーデニングを楽しんでいるお客さんは、カゴを片手に、一瞬で苗選びのスイッチが入ります。植えどきの花苗やカラーリーフなど、ずらりと並ぶ植物は、その8割が地元で生産されているというのですから驚きです。 店内は、高い天井から自然光が差し込み、大きな木が葉を広げ、まるで外にいるかのような開放的な空間です。この大木は、5月になると幹に甘酸っぱい黒い実をつけるフトモモ科の熱帯果樹「ジャボチカバ」。オープン時からこの場所で成長し、お客さんを迎えています。 店内のワクワク感をさらに盛り上げるのは、ドライフラワーやガーデン雑貨がディスプレイされている2つの小屋。海外のポップアップストアを思わせる石張りの建物は、庭の中にミニチュアハウスなどをモルタル造形でつくることで話題のPiece of Mindが手がけました。 コッツウォルドストーンの石積みアーティストやモルタル造形のPiece of Mindなど、ガーデニング業界で話題の人々がお店づくりに関わり、新しい試みを実践する「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」。なぜ、この地域に新スタイルのお店が誕生したのか、店長の金澤光広さんにお話を伺いました。 「1909年に創業した地元の農業関連企業、イノチオグループの代表が、これからの時代にフィットしたガーデニング関連の新しい店をつくろうと、2015年に企画が浮上しました。そこで、アドバイザーとして迎えたのが、多数のガーデンイベントに関わっているガーデナーで造園家の竹谷仁志さんです。竹谷さんは、これまで園芸店の運営もしていた経験から、既存のスタイルを超えた新しい試みを取り入れていかなくてはいけないと、現在も店づくりを盛り上げてくれています。まずはじめに、竹谷さんは何度も通いたくなるような居心地のよい場所をつくろうと、天井が高い店舗デザインと、希望を叶える建築家を紹介してくれました。また、地元の花と野菜を最大限に生かすため、各所の生産者を訪ね回りました」。 そうして、この店の主役となるのは旬の花苗と地元の美味しい野菜や果物だと決まり、店づくりは着々と進んでいきました。 「定番品を置かず、旬のものが次々と入れ替わる店にする。そうすると、足を運ぶたびに新しい花が並んでいることに気がつき、よく見たら地元の花で、いっそう親しみと興味が湧く。そうすることで、地元の生産者や農家の刺激にもなると竹谷さんと意気投合しました。地元の生産者には、他の地域には珍しいこだわりのナーセリーや代替わりした若い生産者も増えています。彼らが生産する優秀な植物がこの地域に集まっていることや、世界に誇る技術をもった日本の花づくりをPRするアンテナショップでありたいと考えています」。 花きの一大産地「愛知・渥美半島」の 旬がいち早く届く店 渥美半島は日本のほぼ中央にあたる愛知県の東南端部に位置し、年間平均気温が16℃と温暖で、四季を通じて晴天の日が多く、日照時間が長いことから農業全般が盛んな地域です。主な生産品は、アジサイやカーネーション、シクラメン、ポインセチアなどの鉢物をはじめ、花壇苗や観葉植物、洋ラン、切り花の菊など、品目が多いうえ全国へ周年出荷できる物流のよさも強みです。そんな花きの生産額全国1位である愛知県の中でも、約4割(約224億円)の花が生産されている渥美半島の入り口付近に位置するのが「Marché&Cafe hana・yasai はなやさい」。この地の利を生かして、地元産にこだわった店が誕生しました。 地元産の旬の野菜と果実を たっぷり味わえるカフェメニュー カフェのメインメニューの一つが、具材たっぷりのサンドイッチ。写真は、季節の果実を使ったイチゴ大福サンドや、渥美半島キャベツ&みそカツ、豊橋大葉ゴマチキンなど。野菜や果実の旬の移り変わりに合わせ、定期的に新サンドが登場します。切り口が鮮やかでボリュームがあるサンドイッチは、インスタ映えすると女性たちにも人気。 カフェではスイーツも充実。2〜3月の旬はイチゴ。写真左から、イチゴ大福サンド350円、イチゴのバニララテ500円、イチゴワッフルボール650円。ほかにも、イチゴチーズケーキ、イチゴやミニトマトなどをいただく豆乳チョコフォンデュなど、オリジナルメニューが充実。家族や友人とおしゃべりも弾むカフェタイムが楽しめます。 生産者、農家、お客さんが交流する 季節のイベントを多数開催中 2月は冬のインドアグリーンとしても近年人気が高いオーストラリアの植物を集めたコーナーが登場。オーストラリア原産のカンガルーポーやエレモフィラニベア、プロテアなど、切り花で見かけることが多かった植物が根つきの大鉢で並び、お客さんを喜ばせました。こちらも地元にあるこだわりのナーセリーの一つ「渡会園芸」の苗です。 花と緑に親しむ イベントも充実 花と緑に親しんでもらうには、実体験が大切! というお店のコンセプトから、毎月催されるイベントは多岐に渡ります。例えば、園芸初心者さんを対象にした「はじめのいっぽ」から、先生を招いて行われる「寄せ植え教室」、地元の名物生産者による「農家ライブ」など、つくり手や栽培のプロとお客さんが直接つながる時間を設けて、植物の魅力を伝えています。また、消費者の生の声が聞けるとあって、農家や生産者の刺激にもなり、いい相互作用が生まれているとか。イベントは園芸関連に限らず「親子DEサンドウィッチをつくろう!!」や「朝の美と健康講座『はちみつ』」、「折り紙カフェ」、地元の食材をたっぷり使った「美腸ランチ会」などもあり、イベントに参加した人が意図せずに旬の花に触れる機会にもなっています。 店内には、花苗や観葉植物、ガーデングッズのほか、地元産の魅力的な食材も並び、ギフト用のフラワーアレンジをオーダーできるコーナーまで併設。カフェのついでに花を買ったり、プレゼント用の花に添えて美味しいお土産も購入できたりと、いろんな“ついで”が叶うのも嬉しいお店です。 Information Marché&Cafe hana・yasai 〜花と野菜といいくらし〜 はなやさい 所在地:愛知県豊橋市曙町測点157-2 TEL:0532-46-6509 http://www.hana-yasai.com/ 営業時間:8:00〜18:00 定休日:毎週水曜日 及び年始 Credit 写真&取材/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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新潟県
花の庭巡りならここ! ロザリアンの聖地「国営越後丘陵公園 香りのばら園」
芳しいバラの香りを堪能できる「国営越後丘陵公園 香りのばら園」 「国営越後丘陵公園 香りのばら園」は、1万6,000㎡の敷地に715種、約2,400株のバラが植栽されたバラ園。その名の通り、芳しいバラの「香り」をテーマにした植栽が特徴です。バラの香りは、主に「ダマスク・モダン」「ダマスク・クラシック」「ティー」「フルーティー」「スパイシー」「ブルー」「ミルラ」に分類されています。それらに当てはまる香りを持つバラの品種を、7つのエリアに区分して植栽。人の顔ほどの高さで咲くように仕立てられたバラの「香り比べ」を自由に楽しんで、好きな香りの品種を見つけましょう! バラの見頃は5月末〜6月中旬、10月です。 ほかに白、ピンク、朱色、赤、黄色など、バラの色彩別に植栽したカラフルなエリアや、原種のバラやオールドローズをコレクションしたエリア、オオタカネバラやヤマイバラ、アズマイバラ、テリハノイバラなど日本の野生種を集めたエリア、世界約40カ国の「ばら会」が加盟する「世界ばら会連合」(World Rose Convention)にて殿堂入りしたバラの名花を集めたエリア、コンクールで受賞歴のあるバラ、宿根草とバラを組み合わせたナチュラルガーデンのエリアなど、多様な見どころを設けています。 バラの品種の特性を生かした適材適所の植栽術が見事! 5種類のピンクのバラ‘ザ・ガーランド’、‘フランシス・E・レスター’、‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’、‘ロサ・ヘレナエ’、‘ロサ・フィリペス’を植栽し、ガーランド(花綱)に仕立てた、ダイナミックにバラが咲き誇るコーナー。開花期に見応えがあるのはもちろんですが、これらは一季咲きで、それぞれに大小の赤い実をつけるので、晩秋にはアクセサリーをまとったようなローズヒップの景色を楽しめます。手前のピンクのバラは、オールドローズの‘ベル・イシス’。 背景のポプラの木は、「国営越後丘陵公園 香りのばら園」の象徴的な存在。ポプラの木を中心に竹を組み、ランブラー系のつるバラをオベリスク仕立てにしたユニークな姿は、遠くから見ると大きなトピアリーのようです。 手前の広場には休憩スペースがあり、テーブル&チェアが20セット(季節などにより増減)あります。飲食の持ち込みは自由で、バラの景色を楽しみながら、お弁当を広げる人の姿もよく見られます。喫煙は不可(喫煙所あり)、ペットの同伴はOKです。 高さ・幅3mのアーチを連ね、縦の空間を優雅にバラで彩ったエリア。‘セプタード・アイル’、‘コンスタンス・スプライ’、‘エヴリン’、‘フォールスタッフ’などのつるバラを仕立てたアーチのトンネルを自由に散策して、香りのシャワーを浴びることができます。バラだけでなく、ベロニカやセイヨウオダマキ、アジュガなどの宿根草をともに植栽したナチュラルガーデンなので、バラと草花のコーディネート術はガーデンの参考になります。 香りのよいバラを集めたエリアは、香りを確かめやすいように、樹高を抑えて仕立てられています。写真は「ダマスク・モダン」「ダマスク・クラシック」の香りを持つバラが植栽された一角。バラの香りは、朝方つぼみを開く頃に強く感じられるので、香り比べを楽しみたいなら、午前中の早い時間帯を狙うのがオススメです。手前の真っ赤なバラは‘パパ・メイアン’。 高さ1.5mほどのオベリスクを扇状に設け、面で見せる仕立て方は、「国営越後丘陵公園 香りのばら園」ならでは。人気の高い品種‘ピエール・ドゥ・ロンサール’を下から這うように上らせ、たわわに咲かせた姿は見応えがあります。 バラ園以外にも「国営越後丘陵公園」内には、四季を通して花が楽しめるよう植栽されており、見どころ満載です。3月末〜4月はクリスマスローズや雪割草、カタクリ、4月下旬〜5月上旬はチューリップ、6月後半〜7月はアジサイやラベンダー、9〜10月はコスモスと、季節の開花リレーが楽しめます。 2018年は、「国営越後丘陵公園 香りのばら園」が開園して15年目にあたります。毎年バラの季節には、育種家やガーデナーなど、専門家を招いて庭園内のガイドツアーや育て方の講習会などが開催されていますが、節目となる2018年はさらにさまざまなイベントの開催が予定されています。ぜひ公式ホームページをこまめにチェックしましょう! また、「国営越後丘陵公園 香りのばら園」では、日本海側の気候ならではの仕立て方や剪定法などが垣間見られるのもポイントです。書店に並ぶ園芸書は、太平洋側の気候を基本にまとめられていることが多く、日本海側の気候に合った管理法の情報が不足しがちなもの。雪の多い日本海側にお住まいの方は、ツアーガイドや講習会に参加して、健やかにバラを育てるコツを学ぶのも一案です。 コンクールに出品された圃場の見学もOK! 「国営越後丘陵公園 香りのばら園」では、2005年より毎年「国際香りのばら新品種コンクール」を開催しており、日本のバラ三大コンクールの一つとなっています。世界中から届いたバラの苗を、同じ条件下の圃場で2年間かけて栽培し、香りのよさや花の美しさ、耐病性などを総合的に審査。 2年目の春と秋に審査し、金賞、銀賞、銅賞が発表され、金賞のうち最高得点を得た品種に「国土交通大臣賞」が、香りの部門で最高得点を得た品種に「新潟県知事賞」が、一般来場者による人気投票で1位になった品種に「長岡市長賞」が授与されます。 第1回は育種家の寺西菊雄さんが作出した、写真のバラが「国土交通大臣賞」を受賞。受賞を記念し、旧名の‘ティニー・グレイス’から‘フレグラント・ヒル’(香りの丘) と「国営越後丘陵公園 香りのばら園」にちなんだ名前が新たにつけられました。今やこの公園のシンボリックな存在となっています。 園内にある、コンクール用の圃場も見学できるので、まだ世に出回っていないバラを見ることができ、最新のトレンドがうかがえるのも魅力の一つです。 バラソフトクリームとオリジナル香水が大人気 園内のカジュアルな休憩スポット「ローズカフェ」でティータイムを楽しむのもオススメ。営業時間は9時30分から閉園まで(季節により異なる)で、ラストオーダーは閉園の30分前までです。季節によってメニューが替わり、パンケーキやホットドッグなどがあります。人気メニューは雪室(ゆきむろ)コーヒー350円(税込)、つぶつぶ苺のベジタブルスムージー450円(税込)、バラの甘い香りが口に広がる赤バラソフトクリーム330円(税込、ばら祭り期間中のみ)など。 「国営越後丘陵公園 香りのばら園」では、シンボル的なバラ‘フレグラント・ヒル’の香りを再現した香水と練り香水を販売しており、お土産に大人気です。フルーティーな甘さにさわやかなグリーンノートが乗る、上品な香りと評されています。価格は香水(50㎖)が3,600円(税込)、練り香水(8g)が1,340円(税込)。
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静岡県
花の庭巡りならここ! 18世紀のフランス庭園を再現「河津バガテル公園」
まるで海外にいるかのようなフランススタイルのガーデン 2001年にオープンした「河津バガテル公園」には、3万㎡という広大な敷地に1,100品種6,000株のバラが植栽されたバラ園があります。周囲には人家や建物がなく、森林に囲まれているため野鳥のさえずる声が近く、まるで異国を訪れたような気分に。なぜならこの庭園は、フランスのパリ市にある「パリ・バガテル公園」の姉妹園で、フランススタイルの庭園を再現しているからです。 18世紀に貴族のためにつくられた庭園スタイルをそのまま継承し、トピアリーとバラを組み合わせて幾何学模様を取り入れたガーデン風景が広がります。フランスと日本では気候が異なりますが、四季や気温に恵まれた日本では本場フランスよりも華やかに花々が咲き競うと、現地からの評価も高いとか。日本にいながらにしてフランスの庭を満喫できると、年間2〜3万人が訪れ、リピーターが多いというのもうなずけます。観光ガーデンとして、カフェや土産物店も充実しているので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。 貴族が愛したフランスの庭を、日本で愛でる贅沢なひととき 「河津バガテル公園」のバラの見頃は、5月中旬〜6月末と10〜11月。春バラのフェスタ期間中は、5月12日からの土・日曜に専門スタッフによるガイドツアーを行っています。開園前の6:30〜7:00の早朝ツアーを開催し、咲き始めの濃い香りを楽しむイベントも開催されているので、ぜひご参加を! 写真は芝庭にぽっかり浮かぶような球体に刈り込んだトピアリーを中心に据え、その周囲に約1.2mの高さでロープを張り、低めにつるバラを仕立てたエリア。奥に見えるつるバラを絡ませたオベリスクは、園内に36基設けられ、高低の変化に富んだ景色をつくり出しています。 ツゲを低く刈り込んで小道を縁取り、スタンダード仕立てにしたバラや、つるバラを絡ませたオベリスクを配したコーナー。稜線の美しい山並みの借景と調和するように、高低差のバランスを計算したメリハリのある演出をしています。赤、ピンク、白に花色を絞った優美なカラーコーディネートで、あふれんばかりに咲く素晴らしい景観は、専門スタッフの高い技術があってこそ。大人の足で30分ほどで見回れる広さですが、ほとんどの来場者は時間をかけてじっくりとバラを愛で、眼福のひとときを過ごしています。 つるバラを仕立てたパーゴラの全長は、なんと約80m。花つきのよい品種を組み合わせ、白からピンク、赤、アプリコット色など、ダイナミックな色彩リレーを楽しめます。晴れた日は抜けるような青空とのコントラストも楽しめるので、ぜひ思い出に残るフォトジェニックなシーンを撮影しましょう! 奥に見えるモニュメントは、パリ・バガテル公園にある「皇居のキオスク」を忠実に再現した建物で、「河津バガテル公園」のシンボリックな存在。小高い場所にあるので、シンメトリーにデザインされたバラ園を一望できるビュースポットとして人気です。キオスクの中にはベンチがあるので、休憩がてらしばらく座って眺めを楽しむのがオススメ。ただし、持ち込みできるのはペットボトルなどの飲料品のみです。ペット同伴はOKですが、リードをつけたり、糞の後始末をきちんとしたりといったマナーは守りましょう。 バラテイストのジュースやソフトクリームが人気のカフェでひと休みを 園内にはカフェが2店舗あります。写真は「河津バガテル公園」直営のカフェで、開園と同時にオープン、ラストオーダーは16時。客席は室内とテラスとで合計54席、テラス席はペット同伴OKです。軽食はバガテルカツサンド500円、エビピラフ、カレーピラフ各700円など、ドリンクはコーヒー、紅茶、アップルティー各400円、グラスワイン600円、ビール700円などがあります。 特に人気の高いメニューは、バラの香りが楽しめるバラソフトクリーム380円(左写真)とバラジュース500円、スパークリングローズ500円(右写真)です。 調香体験コーナーやバラ講習会も開催! 土産物店も充実の品揃え 「河津バガテル公園」では、調香体験コーナーも設けています。バラの香りに含まれる7種の香料を混ぜ合わせて、オリジナルフレグランスをつくります。体験時間は1回約30分で、10㎖で1,000円、20㎖で1,600円。通年行っており、予約なしで参加できます。 また、シュートの管理や病害虫対策、冬の剪定法など、バラの管理に関する講習会を、毎週土・日曜の11時から開催しています。1回完結スタイルの内容で約30分、無料なので、ぜひご参加ください。 園内にある土産物店の品揃えは、充実したラインナップ。バラジャムやローズヒップティー、バラ石鹸、バラをモチーフにしたハンカチなど200〜400種の雑貨類が揃い、お買い物を楽しめます。右の写真は、バラの香りが楽しめるオリジナルのバスパウダー200円。バラ苗も100品種以上を揃えており、価格帯は新苗が1,000円〜、大苗が2,800円〜です。
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岐阜県
花の庭巡りならここ! 世界最大級のローズガーデンを堪能「ぎふワールド・ローズガーデン(旧 花フェスタ…
世界最大級のローズガーデン「ぎふワールド・ローズガーデン」 「ぎふワールド・ローズガーデン(旧 花フェスタ記念公園)」は、花の博覧会「花フェスタ’95ぎふ」の会場を岐阜県が再整備してオープンした、県営の都市公園です。岐阜県はバラの産地であることから、特にバラに特化した植栽が特徴。なんと原種からオールドローズ、最新品種まで、約7,000品種30,000株のバラが植えられた、世界最大級のバラ園を展開しています。ほかにバラの歴史にふれる「花のミュージアム」、季節ごとにガーデンショーを展開する大温室「花の地球館」、園内を一望できる高さ45mの「花のタワー」、屋外イベントホール「プリンセスホール雅」なども併設する、充実した「バラと花のテーマパーク」です。 バラの品種コレクションは日本一! バラの博物館へようこそ 「花フェスタ記念公園」は、ナゴヤドームおよそ17個分(80.7ヘクタール)にも及ぶ広大な敷地で、見どころは多岐にわたっているため、一日かけてじっくり見て回る心づもりで出かけたほうがよさそうです。 バラ園は、日本、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスと国ごとに作出された品種をカテゴライズして植栽した「世界のバラ園」のほか、17のテーマからなる「バラのテーマガーデン」の2カ所に設けられています。写真は「バラのテーマガーデン」内にある、イタリア風のテラスガーデン。傾斜を利用して、球体や方形に仕立てたトピアリーとバラの組み合わせで段々畑のように整備され、その中の通路を自由に散策できます。 バラのテーマガーデン内にある、「水のコリドール(回廊)」。中心に配された水路の両脇には、人の顔の高さくらいに樹高を抑えたスタンダード仕立ての‘アイスバーグ’が2列に植栽され、ピュアホワイトの花色で清楚に彩ります。 写真は「育種家のバラ園」。バラの品種を作出するナーセリーは、デルバール、ギヨー、メイアン、京成バラ園芸、タンタウなどが有名ですが、それらのブランドローズをナーセリーごとに分類したエリア。バラのアーチも通り抜けでき、その芳香を楽しめます。アーチに絡む淡いピンクのバラは‘ロココ’、オレンジのバラは‘バロック’。 「バラのテーマガーデン」の中でも一番面積の広い「フォーマルガーデン」。展望台から見ると、中央のスクエア状の水路を中心に、バラやトピアリーの植栽で幾何学模様が描かれているのが分かります。バラは1品種1株ずつ植えられており、多様なバラが見られるので、遠くからでも近くからでも楽しめる構成です。 白花一色でまとめられた「ホワイトローズガーデン」。幅372㎝、高さ248㎝のアイアン製の円柱アーチには‘テストラデスモンド’が仕立てられ、たわわに咲き誇ってダイナミックな景色をつくり出します。園内のシンボリックな存在で、フォトスポットとして大人気です。 「ニューローズガーデン」は、最新品種が見られるスポット。どこよりも早く一般披露されるので、株姿や花色、香りを実際に確認でき、バラのトレンドが見てとれます。特にバラ愛好家が、新しい品種をいち早く見ようと楽しみに訪れるガーデンだとか。赤いシュラブのバラは‘ペイズリーアビー’、その上の白いつるバラは‘スノーストーム’、ピンクのシュラブは‘デスデモーナ’、その隣の白のシュラブは‘ジ・エンシェント・マリナー’。 広すぎる園内に歩き疲れたら、「花ポッポ」に乗って楽に移動! 敷地が大変広いので、園内の移動手段として「花ポッポ」が運行しています(200円)。東ゲートと西ゲートを数箇所の停留所を経て結ぶ汽車姿のバスで、歩くくらいのスピードで走行するため、園内の景色を座って眺めるのにもオススメ。ハイシーズンでは30分に1本のペースで、2台のバスが運行しています。 インスタ映えするカフェや雑貨店、バラ専門店などにも足を運ぼう 園内には、バラ苗専門店や雑貨店などのショップが5店舗あります。なかでも「shop&café THE GARDEN」は2017年秋にオープンしたばかりで、インスタ映えするスイーツやおしゃれなガーデニング雑貨、バラ関連アイテムなどが充実しています。営業時間は9:00〜17:00で、ラストオーダーは、フードメニューが閉園の1時間前、カフェメニューが閉園の30分前です。 写真右は、バラのアイスクリームやハーブを使い、カップ咲きのピンクローズをイメージして盛りつけられた、フォトジェニックな「ラブローズパフェ」(900円・税別)。 フードメニューのオススメは、本格インドカレー タンドリーチキントッピング(1,231円・税別)。スパイシーな柔らかチキンが、どっかりと鎮座! バラや花にちなんだ雑貨コーナーの一角。上段はロージーリングスのアプリコットローズのディフューザー(10,000円・税別)、下段はふんわりと香りが広がるボタニカル ワックスサシェ(2個入り4,000円・税別)。いずれも程よい香りで、ギフトにもオススメ。 写真右は、口の中にほのかなバラの香りが漂うブルガリアン スパークロゼ(200ml)。ダマスクローズエキス(無農薬)+ヒアルロン酸美容サポート成分が配合されています (450円・税別)。
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富山県
花の庭巡りならここ! 五感で楽しめる癒やしの庭「氷見あいやまガーデン」
里山の地形を生かした広大なガーデン 富山県の「氷見あいやまガーデン」は、4.4万㎡の敷地面積を誇る、広大な観光ガーデン。元の里山の地形を壊さずに赤松林や雑木林を借景とし、高低差を生かしたゾーニングが特徴です。園内には「フロントガーデン」「ローズガーデン」「フォーマルガーデン」「グレートウォーク」「沈床ガーデン」「円形花壇」「水辺エリア」「子ども広場」「展望台」などがあり、テーマ性をもたせた、変化に富んだ景観を楽しめます。 春から秋まで開花リレーが展開し、 いつの季節も爛漫の景色が楽しめる 4月中旬からは、チューリップが見頃を迎えます。その数は、約20品種、約4万球。チューリップの足元にはパンジーなどが添えられて、カラフルな春の喜びでいっぱいの景色を楽しめます。毎年違った表情を楽しめるように、色彩計画を立てて植栽しているので、チューリップの季節を目当てに訪れるリピーターも多く見られます。 5月中旬からはバラの季節。250品種、3,000本が植栽されています。アーチに仕立てられたピンクのバラは‘アンジェラ’。房咲きになってアーチを覆い尽くすほどに咲き誇ります。5月は花菖蒲やフジも見頃を迎えるので、この時期は特に来場者数が増えます。 人気ナンバーワンのバラ、ピンクの‘ピエール・ドゥ・ロンサール’と花つきがよい赤バラ‘カクテル’のコンビネーション。バラの季節は、芳しい花の香りに誘われ、花に顔を近づけて品種ごとの香りの違いを楽しむ姿もちらほら。「バラの花の香りにうっとりしました」との声が多く聞かれます。 夏から秋はビビッドな花色合わせが見どころ このエリアは「フロントガーデン」と「フォーマルガーデン」をつなぐ、「グレートウォーク」のエリア。初夏のナチュラルな花壇で、ベゴニア、マリーゴールド、サルビア・ファリナセアなど、夏らしいピンクやオレンジ、紫のビビッドカラーの中に、白花のオルレアが調和役となっています。さまざまな花色の組み合わせ方は、自邸の庭の参考になることでしょう。 6月中旬ごろのナチュラルな花壇。黄色い花はヘメロカリス、奥のオレンジはバラ、紫色の花穂を伸ばす花はブルーキャットミント。反対色同士の花色を組み合わせ、コントラストをつけた花壇も素敵です。 6月下旬からは、西洋アジサイ‘アナベル’とユリが同時に咲き始めます。グリーンがかったホワイトの魅力的な花色で、ボリュームたっぷりの花姿が人気の‘アナベル’は、約50株植栽され、群植された姿は壮観です。ユリはスカシユリやオリエンタルリリー、カノコユリなど32品種、1万6,000株を植栽。ウェディングに使われる豪華な品種や野趣感漂う品種など、それぞれのユリの魅力を見比べることができます。 季節が進むほどに花色が深みを帯び、黄昏れていく景色も、また秋の花壇の魅力。黄色のヤナギバヒマワリ、紫のシオン、白のガウラ、ピンクのシュウメイギクが織りなす、オータムカラーの花壇です。 冬を越えて、また春が到来 自然豊かな癒しの庭は、眺望も抜群 3月中旬からは、約500株のクリスマスローズが主役に。開園当初に、八重と一重の品種を数十株植えたところ、毎年のように新たな自然交配の品種がふえているとか。つまり、ここでしか出合えないクリスマスローズがあるのです。この時期はスイセンやクロッカス、ヒヤシンスも見頃となり、早春の表情が楽しめます。 里山に近く四季折々に見どころがある「氷見あいやまガーデン」。水の音や葉擦れの音、虫や鳥の声、さらりと肌をなでる風……「五感で楽しめる庭ですよ」という案内の言葉通りの、癒しのガーデンです。 標高100mの位置から見渡す景色。氷見市の市街地、富山湾、その奥に3,000m級の山が連なる館山連峰が広がります。全体を回るには、大人の足で40〜60分ほど。ゆっくり散策を楽しみ、2時間ほどかけて景色を楽しむ方が多いそうです。 ゲストハウスではドライフラワーショップが人気! ゲストハウスでは、ハイシーズン限定でレストランがオープンする予定。ドライフラワーショップ「ぶらぶら」では、園内の植物を使った、手作りの花束やドライフラワー、ハーバリウムを販売しています。ほかに地元のお菓子や香水、タオルなどの雑貨類も扱っているので、お土産選びにぜひ立ち寄ってみてください。 Information フォレストフローラル 氷見あいやまガーデン 所在地:富山県氷見市稲積112-1 TEL:0766-72-7187 https://www.aiyamagarden.jp/ アクセス: 能越自動車道 氷見北ICより約10分 JR氷見線 氷見駅よりタクシーで約15分 オープン期間:無休(設備維持管理、年末年始、臨時休園あり) 営業時間:9:00〜17:00(最終入園時間16:30) 入園料:大人800円、小・中学生400円、65歳以上700円 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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愛知県
カメラマンが訪ねた感動の花の庭。絵を描くように植栽する愛知・黒田邸
カメラマンの視点でバラの庭をご案内 愛知県豊橋市の黒田和重さんがつくる庭は、数々のガーデン雑誌でも紹介されてきた花好きの人たちにとっては有名な場所です。これまで10年もの間、その成熟していく様子を毎年見続けてきた、僕にとっても思い入れのある庭の一つです。 初めて黒田さんの庭を訪ねたのは、2007年2月の終わりのこと。とてもお世話になっていた豊橋にある花屋さんに「今井さん好みの最高に素敵なお庭があるから」と紹介されたのがきっかけでした。店での取材を終えて、さっそく車で10分ほどの場所にあるその庭を訪ねてみました。すると、庭主の黒田さんともお会いすることができ、聞くところによるとイギリスのコテージガーデンが好きで庭づくりを始めたといいます。いくつかのエリアに区切られた回遊式の、まるでイギリスの庭を移築してきたかと錯覚させられるほど素敵なデザインでした。 イギリスのガーデン雑誌をお手本に庭づくり 当時は大のバラブームで、つるバラの庭や、流行のイングリッシュローズをコレクションした庭などはたくさん見てきましたが、訪れた黒田さんの庭はほかとは違う魅力がありました。まるで、以前イギリスに行った時に巡った庭を思わせるような、しっかりとデザインされた庭でした。 きっと何度もイギリスに行かれたのだろうと思いながら、施主の黒田さんに僕のイギリスでの庭巡りについて話していたのですが、「私は一度もイギリスには行ったことがないんですよ。ひたすらイギリスのガーデン雑誌を見て勉強しました」と言うんですから、本当に驚きました。 初訪問は寒風が吹く2月でしたので、バラが咲き乱れる5月の庭を想像しながら初対面とは思えない黒田さんとの楽しい庭談義の時間を過ごして、5月に撮影に来る約束をして帰りました。 バラの最盛期に訪れた輝く庭 そして同じ年の5月中旬。期待に胸を膨らませて訪れた黒田さんの庭は、まさに想像以上! ちょっと大げさに言うと、本当にここが日本なの? と思わせるほど見事な景色でした。きれいに刈り込まれたツゲのヘッジ、庭を取り囲む塀にはさまざまなバラとクレマチスが咲き乱れています。 当時いろいろな園芸雑誌の企画で、バラとクレマチスの組み合わせが注目されていましたが、実際にはなかなか成功させている庭がなくて取材に苦労していた頃です。そんななか、この庭ではごく当たり前に、しかもとてもセンスよくバラとクレマチス、ジギタリスやデルフィニウムまでが美しく調和して咲き誇っていました。黒田さんのセンスと植物をちゃんと育てられる力には本当に脱帽です。夢中で時間も忘れてシャッターを切り続けた幸せな時間を、今も思い出します。 よりよいバラの庭を目指して年々グレードアップ それから毎年5月になると、一番気になるのが黒田さんの庭です。黒田さんはいつも「自分の庭がどうしたらもっとよくなるか」ばかり考えている方です。お会いした時はいつも「よいバラがあったら教えて」とか「新しいバラでうちに入れたらよいバラは何か?」とか、庭の話題が尽きません。 2013年に伺った時も、バラのコンディションやボリュームともに完璧。ボーダー花壇にいたっては、イキシア・ビリディフローラという翡翠色の球根まで入っていて、これ以上ない完璧な庭になっていました。さすがに黒田さんの庭も完成だなと思っていたら、翌年には美しかったボーダー花壇をつくり直し、生け垣だった場所は、神谷造園さんのコッツウォルドストーンの塀につくり替えられていました。黒田さんの庭に完成という言葉はないようです。 バラが咲き乱れる感動の光景の数々 2017年も5月22日、朝5時少し前に駐車場に車を止めると、もう掃除をすませた黒田さんがいつもの笑顔で出迎えてくれました。まだ5時前のボーッとした光の中、挨拶もそこそこに黒田さんの後ろについて庭の入り口に行ってみると、今年もまた一段と素晴らしい光景が目の前に広がりました。‘ランブリング・レクター’の花綱はまさに圧巻! 隣にはアルバローズの名花‘マダム・ルグラ・ドゥ・サンジェルマン’、奥には‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’が家の塀を覆い尽くしていました。3品種の白バラと青のキャットミント、ピンクの小花、そして青々と茂る緑の芝生……。息を呑むほどの美しさで、まるで一枚の絵画のようです。 朝の光を浴びて‘ランブリング・レクター’が輝き出すまで、まだ少し時間がありそうなので、三脚にカメラをセットして庭の中へ入っていきました。これまで何度も通った馴染みの光景だけれど、よく手入れされた朝の庭は本当に気持ちがよいものです。深呼吸をしながら、「キッチン前の窓辺のベンチとホスタ」、「フェンスに掛かっているピンクのオールドローズ」という風に頭の中で1枚ずつシャッターを切りながら歩いていきます。 いい光を探してシャッターを切る そうこうしているうちに、東の空からパーッと朝の光が差し込んできました。急いでカメラに戻ってみると、柔らかな朝日が‘ランブリング・レクター’の左上から当たり始めていたので、何枚かシャッターを切ってひと安心。 もう一度庭に戻り、今日撮れそうなカットをまた探しながら、きれいに光が当たってきたコーナーでは撮影をして、光の感じが変わったらまた最初の入り口に戻ってもう一度シャッターを切ります。朝はほんの数分で全然違う光景になってしまうので、ここぞというチャンスには、いつもシャッターは5分おきくらいに数回は切るようにしています。 僕の撮影を実際に見たことがある人から「今井さんは同じ所を、何回も何回も走り回っている」とよく言われます。そう、庭の撮影には微妙な光のニュアンスを見極める目が必要だと常々思うのです。光が強くなってくる7時過ぎには撮影を終了させて、ようやく黒田さんが入れてくれた香り豊かなコーヒーを飲みながら、しばし庭談義。こうして、今年もいい光を捉える幸せな撮影時間を過ごすことができました。
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静岡県
花の庭巡りならここ! 世界バラ会議で受賞歴のある熱海「アカオハーブ&ローズガーデン」
バラをはじめ、さまざまな植物が競演する「アカオハーブ&ローズガーデン」 静岡県にある「アカオハーブ&ローズガーデン」は、約600種4,000株のバラが咲き誇り、球根植物やハーブ、宿根草などさまざまな植物が織りなす見応えのある景色が楽しめます。2015年には「第17回世界バラ会議“優秀庭園賞”」を日本の民間企業で初めて受賞し、内外から注目を集めました。 12のテーマで構成された見どころいっぱいのガーデン 「アカオハーブ&ローズガーデン」は斜面を利用したガーデン。まず送迎口からバスに乗車し、それぞれのテーマガーデンの解説を受けながら約5分で頂上に着きます。バスを降りたら園路に沿って下っていき、思い思いにテーマガーデンに立ち寄りながら元の場所へ。眼下に海を望むナイスビューを堪能しつつ、優美な花々に囲まれる幸せなひとときを過ごしましょう。 斜面にガーデンがあるので、下から見上げる景色も圧巻。 「アカオハーブ&ローズガーデン」のデザインを担当したのは、ランドスケープデザイナーの白砂信夫さんです。つるバラをトンネル状に仕立てた「クライミングローズガーデン」、デビッド・オースチン・ロージズ社作出のバラが咲き誇る「イングリッシュローズガーデン」、イエローでまとめた「黄金のバラの庭」、褐色系の花々を集めた「夜の女王の庭」など、12のテーマガーデンで構成されています。アーチやオベリスク、バラと一年草や宿根草を組み合わせてトータルにコーディネートされた迫力ある景色は、ガーデニングのヒントにもなりそうです。 上写真は、結婚式が挙げられる、華やかなウェディングガーデン。 綿密な植栽プランによる開花リレーで、四季を通して花爛漫 「アカオハーブ&ローズガーデン」では、ハーブガーデンも充実しています。セージやローズマリーをはじめ、約100種のハーブを植栽。特に、段々畑に群生させたラベンダーが開花する初夏は見応えがあります。 風香るラベンダーの段々畑。 品よく香るラベンダーにちなんだ淡い紫色の「ラベンダーソフトクリーム」は、オリジナルでレシピ開発したレアアイテム。ぜひ味わっておきたいところです。 「アカオハーブ&ローズガーデン」は、その名の通り、バラとハーブが際立つガーデンですが、その観賞期以外にも開花リレーを計画して見どころをつくっています。1月はアタミザクラ、2月はナノハナ、3月中旬〜4月はチューリップ、9月はダリアやノボタン‘コートダジュール’、10〜11月はアメジストセージが群れて咲き、一年を通して華やかな景色が広がります。 カフェやショップ、体験工房もある、充実のコンテンツ! 「アカオハーブ&ローズガーデン」では、2017年9月にカフェ「COEDA HOUSE(コエダ ハウス)」がオープンしました。建築家の隈研吾さんが手がけた360度ガラス張りの木造カフェで、8㎝角のヒマラヤヒノキを積み上げた「積み木の柱」が、モダンかつ温かみのある雰囲気を醸しています。一番の高台に建つため相模湾が一望でき、水平線まで開けた海が眼前に広がる癒しのスポットです。 カフェのメニューは、パティシエの藤井幸治さんがプロデュースしたオリジナルスイーツ、熱海のダイダイを使ったチーズタルトの「熱海タルトフロマージュ(写真左)」、フワフワの食感を追求し、ミカンハチミツを使って仕上げたバームクーヘン「COEDA KUCHEN」がオススメ。ほかに、バラの花びらのジャムをあしらった、オリジナルのローズアイスクリーム(写真右)も人気があります。 「アカオハーブ&ローズガーデン」は、ペット同伴もOK(リードをつけることが義務づけられています)。抱いて膝に乗れるサイズなら、バスへの同乗も可能です。カフェの「COEDA HOUSE」にもテラス席が用意され、一緒にくつろぐことができます。 ガーデニングショップも併設されているので、お気に入りの花苗やガーデングッズを探してお買い物を楽しむのもまたよし。体験工房では「ハーブのせっけん作り」や「コロン作り」「子ども向けネイチャークラフト」など、季節によってテーマが変わる体験教室も開催しています。楽しいコンテンツがたくさん詰まった観光ガーデン「アカオハーブ&ローズガーデン」は、ぜひ一度は足を運びたいスポットです。 Information 「アカオハーブ&ローズガーデン」 所在地:静岡県熱海市上多賀1027-8 TEL:0557-82-1221 http://garden-akao.com/index.html アクセス:熱海駅よりバスで15分(熱海駅6番乗り場「網代旭町行き」に乗車、“アカオハーブ&ローズガーデン”バス停下車徒歩2分 280円) 通年開園 ※但し12月・1月の毎週火曜日は定休 Open 9:00~17:00(16:00最終入園) 入園料: 大人700円、小人400円(1月1日~2月28日) 大人1,000円、小人500円(3月1日~5月14日) 大人1,200円、小人600円(5月15日~6月10日) 大人1,000円、小人500円(6月11日~11月30日) 大人700円、小人400円(12月1日~12月31日) Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
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長野県
体と心を休める避暑地の庭園 長野「軽井沢レイクガーデン」
軽井沢のメインストリートから少し離れた別荘地の中にある「軽井沢レイクガーデン」。敷地面積1万坪(33,000㎡)には、イングリッシュローズとフレンチローズを中心に約400種のバラと約300種の宿根草が四季折々に美しい景色をつくります。遠くに緑の濃淡が美しい高木と山々が背景となって、「イングリッシュローズガーデン」や「フレンチローズガーデン」、湖の中心に浮かぶ「ウッドランド」、「フレグランスローズパス」、「ラビリンスローズガーデン」など、さまざまなガーデンシーンを散策しながら楽しめます。 2017年はオープンから10年の記念の年を迎え、木々も夏に涼しい木陰をつくるまでに成長しました。湖の中央に小島を造成中の頃からガーデンづくりに関わってきたのが、Rose Stylist(ローズスタイリスト)の大野耕生さん。 毎年新しいバラが発表されると、この庭に植え、成長具合を見て毎年、適所に移動するなどの調整を重ね続けています。 もともとは宿根草のガーデンで、その後オールドローズなどが植わるガーデンを経て、近年注目されているフレンチローズを集めたコーナーにリニューアルした「フレンチローズガーデン」。フレンチローズとは、フランス生まれのバラのグループで、なかでもデルバール、ギヨー、ドリュー、オラールの4社のバラが中心に植えられています。「ナチュラルなガーデンではなかなか取り入れられていない個性的な絞り咲きのバラが、どんな株に育ち花開くか。ツゲに囲まれた花壇の中でアクセントになったバラを実際に見て、魅力を感じて欲しい」と大野さんはいいます。写真右下は、控えめな絞りでナチュラルガーデンにも調和する‘クロード・モネ’。 標高950mほどの場所にある「軽井沢レイクガーデン」は、霧の発生することも多く、幻想的な景色も楽しめるのが魅力。まさに避暑地として、体と心を休めるために訪れたいガーデンです。ちょうどお盆の頃、二番花が咲き始めて、庭は再び賑わいを見せます。 冬は雪が降り積もることからも年内は11月初旬でクローズし、バラの株は雪の布団をかぶった状態で休眠します。特別に雪囲いで覆わずに冬越しをしていますが、冷涼な土地でも丈夫に育ち、よく花を咲かせる品種はどんなものがあるかを訪れる人に知ってもらえるようにと、過度な手入れは行っていないそう。 バラが咲くガーデンを抜け、桟橋を渡ると景色が一変。木漏れ日の中を歩くごとに景色がどんどん変わっていきます。水辺の光に浮かび上がるギボウシやヒューケラ、アスチルベ、アリウム、ユリ、ルドベキア。季節ごとに花々の旬がバトンタッチしていく宿根草と木々が育つウッドランドガーデンです。 次はどんな花に出合えるのだろう。丘を上がっていくと、開けた場所に到着。シックなダークリーフや個性的な樹形のコニファーなど、珍しい植物がコレクションされた「グラベルガーデン」です。ヘッドガーデナーの村山弥乃里さんがセレクトするこだわりの植物は、年々増加中。 バラが見頃を迎える時期は、平野部よりやや遅い6月末から7月にかけて。ほかの花巡りの旅の後、次の訪問先にできることからも人気が高まっています。また、夏休みの家族旅行のタイミングで二番花のバラに加え、ウッドランドの森林浴や水辺の景色まで同時に楽しめるのは、このガーデンだからこそ。 ガーデン内には、フレンチレストランやガーデンカフェ、バラや草花の苗が並ぶガーデンショップなども併設されています。また、全室スイート5部屋のホテル「ルゼ・ヴィラ」(1泊17,000〜)もガーデンに併設していて、早朝には宿泊者だけが庭散策を楽しめるという贅沢な時間も味わえます。 このガーデンを維持し育てているヘッドガーデナーの村山弥乃里さんと大野耕生さん。ローズシーズンやサマーローズシーズンには、園内でハープなどの生演奏や大野さんのガーデンレッスンなど催されています。大野さんに直接お話を聞けるチャンスもあるので、ぜひお出かけください。 Information 「軽井沢レイクガーデン」 所在地:長野県北佐久郡軽井沢町レイクニュータウン ☎0267-48-1608 http://www.karuizawa-lakegarden.jp アクセス:上信越自動車道「碓氷軽井沢IC」より約15分。 Open:4月21日〜11月5日(2017年)通常9:00〜17:00 トップローズシーズン6月17日〜7月2日8:00〜18:00 入園料:通常(4/21〜6/9・7/18〜10/13) 大人1,000円/小・中学生500円 ローズシーズン(6/10〜16・7/3〜17) 大人1,200円/小・中学生500円 トップローズシーズン(6/17〜7/2) 大人1,500円/小・中学生500円 オータムシーズン(10/14〜11/5) 大人800円/小・中学生300円 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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長野県
花の庭巡り 長野「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」
冬は国内屈指の天然100%のパウダースノーで知られる長野県の北部に位置する白馬。恵まれた自然環境に惹かれて近年、海外からの移住者も多いこの地域に、2013年に本格的なイングリッシュガーデンがオープンしました。起伏のある約6,000㎡の敷地には約900種、18,000株もの植物が育つ「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」。北アルプスの麓にあり、雪深い厳しい冬を越え、鮮やかな花々に彩られる美しいシーズンは7月に最盛期を迎えます。 真っ赤な屋根が目印の「ホテルグリーンプラザ白馬」の目前に生まれたガーデンは、15のコーナーで訪れる人を魅了します。自然林を背景に100種、500株のバラをはじめ、次々とバトンタッチして開花する数々の宿根草と自生する植物が美しい調和を見せます。 「コニファーガーデン&ロックガーデン」 冷涼な場所だからこそ本来の色彩で葉を広げるシルバーグリーンや、這って広がる種類や、こんもり形よく茂る種類など、バラエティー豊かなコニファーが集められたコーナー。ブルーのガゼボには、殿堂入りした人気のバラ‘ピエール・ドゥ・ロンサール’が絡み、7月中旬には満開を迎えて、ロマンチックな風景をつくります。 このガーデンを手がけているのは、マーク・チャップマンさん。イギリス東部のリンカンシャーに生まれ、英国内の4つのカレッジでデザインと園芸を学んでイングリッシュガーデンに精通した、ガーデンデザイナーかつガーデナーです。オープンの2年前から、この庭へ東京から何度も通い、庭をつくり続けています。このガーデンのすべてに自ら手を入れ、工夫を重ねています。 デザイナーのマーク・チャップマンさんは、山の地形を生かして可能な限り多くの既存の樹木を残しながら、トラディショナルなイングリッシュガーデンを融合した庭づくりを目指しました。多くのイングリッシュガーデンに見られる広々とした芝生のエリアや宿根草が咲き継ぐボーダー、壁で囲まれたウォールドガーデンなどを各エリアに設けながら、この土地だからこそ生まれる風景づくりを追求し続けています。 鮮やかな彩りのある「ローズガーデン」や「サマーメドウガーデン」を抜け、2つに分かれた道を右へ進むと、カーブの奥にどんな景色が待っているか散策が楽しい「ウッドランドウォーク」のエリアへ。自然の小川の流れを生かしているのも、このガーデンの魅力です。石橋を渡ったり、横を歩いたりしていると、水を受けて生き生きと輝く数々のギボウシやハクロニシキ、ツワブキや水辺の植物に癒されます。 ガーデンのあちこちで出合う石のオーナメントも大事なアクセントです。ウォールドガーデンの中で、その場所を守るように立つ騎士や、まるで草むらに姿をひそめているようなシカの姿に心がほぐれます。オープン時は真新しかった石のオーナメントも、雨風にあたり少し味が出てきました。これから先も、毎年植物は成長し、よりよく変化していく庭を見守っていくことでしょう。 ガーデンの中には、眺めのいい場所にいくつもベンチが置かれています。散策をしながら、時には腰をおろして庭を眺めると、デザイナーがなぜその場所にベンチを置いたのか、意図が伝わってきます。ガーデン散策では、足元の繊細な花も見逃したくないですが、少し視線を上げて風にそよぐ緑と空を仰ぐのも忘れないでください。黄金葉や枝垂れる葉など、普段街中では見かけない美しい樹木が育っていることに気がつくでしょう。 英国では、蜂蜜色のコッツウォルズストーンが石垣などに用いられていますが、ここでは厳しい寒さによって石が割れてしまうことから、地元産の石が使われました。イギリスでは見られない、この土地に自生する植物とイングリッシュガーデンの要素の融合がある「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」。時には花がらを摘まずに残し、実を結ぶのを待つこともあるそうです。こぼれ落ちたタネが雪の下で越冬して春に芽吹く。自然に任せた管理も取り入れながら年々、成長を続けている庭です。 Information 「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」 所在地:長野県北安曇郡小谷村千国乙12860-1 ☎0570-097-489 http://hakubacortina.jp/englishgarden/ アクセス:上信越自動車道「長野I.C.」よりR19、長野白馬有料道路、R148経由で約90分。 Open:8:00〜17:00(5月20日〜10月31日) 入園料:大人 300〜800円/小学生 100〜300円 季節により変動あり 併せて読みたい 『花好きさんの旅案内 【国内】長野・白馬のオススメガーデン3選』 『カメラマンが訪ねた感動の花の庭。フォトジェニックな庭 長野・熊井邸』 『体と心を休める避暑地の庭園 長野「軽井沢レイクガーデン」』 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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長野県
花好きさんの旅案内 【国内】長野・白馬のオススメガーデン3選
17年育まれてきたナチュラルな庭 長野・須坂市の「ガーデンソイル」 リンゴやブドウ畑に囲まれたのどかな田園地帯に、2000年からガーデンライフを提案するセレクトショップとしてスタートして17年。シラカバやアカシア、スモークツリーなどの木々が生える4,000㎡の敷地に、大小いくつものモデルガーデンがつくられ、ガーデニングファンが足しげく通う場所です。 長年かけて大きく育った木々の間に、ぽっかり丸く空いた芝生の周りには、オルラヤやスカビオサ、エリンジウムなどが背丈を競うように伸びやかに育つコーナー。毎年少しずつ、つくり変えられる部分があり、ガーデンデザインのヒントをあちこちで見ることができます。6月下旬には、ガゼボやアーチにナチュラルに絡み咲くバラ、7月上旬にはカラフルに花穂を伸ばすホリホックなど、訪れるたびに花色が変わるガーデンです。 親しみのある花から珍しい花型など、次々現れる愛らしい花たちに時間を忘れてしまいます。これまでカタログでしか見たことがなかった植物の実際の株姿を見ることができると評判です。ガーデンで気に入った品種やほかではあまり見かけない植物の苗も購入できるのも嬉しいですね。ショップには、テーブルやベンチなどのガーデン家具からアンティークのバスケット、帽子などセンスある商品がズラリと並んでいます。お買い物もぜひお楽しみに。 Information 「ガーデンソイル」 所在地:長野県須坂市野辺581-1 ☎026-215-2080 http://soilgarden.exblog.jp アクセス:上信越自動車道「須坂長野東I.C.」より車で5分。 Open:10:00〜18:00(4〜7月、9月、10月は無休。その他の月は月曜定休) 長野に新しいガーデンが仲間入り 「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」 冬はスキー客で人気が高い「ホテルグリーンプラザ白馬」の敷地内に、2013年にオープンした本格的なイングリッシュガーデン。もともとの起伏のある地形を生かした約6,000㎡の敷地には「ウォールドガーデン」や「ローズガーデン」、「サマーメドウガーデン」など15のコーナーがあり、植物はなんと約900種、18,000株も育っています。 北アルプスの麓に位置し、冬は一面雪に覆われる場所ですが、その厳しい冬を越えるからこそ展開する初夏の緑の豊かさと、発色豊かな花々のカラーハーモニーは、この土地ならではの風景です。園内に流れる小川のせせらぎと野鳥の声を聞きながらの散策は、まるでイギリスの庭に来たかのような錯覚に。 ブルーグリーンが美しいコニファーやギボウシ、銅葉やライムグリーンの灌木など、巧みな植物使いも見所です。この庭をデザインし手がけているのは、イギリスでデザインと園芸を学んだマーク・チャップマンさん。庭の最盛期には、植物知識も豊富なマークさんによる講習会やトークショーが行われています。プロが語る庭づくりへの思いや手入れ法は、貴重な参考になります。 Information 「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」 所在地:長野県北安曇郡小谷村千国乙12860-1 ☎0570-097-489 http://hakubacortina.jp/englishgarden/ アクセス:上信越自動車道「長野I.C.」よりR19、長野白馬有料道路、R148経由で約90分。 Open:8:00〜17:00(5月20日〜10月31日) 入園料:大人 300〜800円/小学生 100〜300円 季節により変動あり ブランドコンセプトを生かした美と癒しの庭園 「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」 オーガニック植物を生かしたナチュラル化粧品のメーカー「アルペンローゼ」の工場内につくられた予約制の庭園です。「植物が持つ生命力と癒し」をコンセプトにした庭園では、製品にも配合されているロサ・アルバなどのバラをはじめ、効能がある植物や季節の草花が生き生きと育ついくつものガーデンシーンを見学することができます。製品に使用する水には地下100mの水脈を流れる天然水だけを使用していることから、園内の中心には清らかな流れと池が作られて、目にも涼しいコーナーです。池を縁取る花々は水面に引き立ち、とても鮮やか。 木々に囲まれた秘密の花園のようなコーナー。7月は‘アナベル’やオルラヤなど白花だけが咲くホワイトガーデン。2006年の開園から木々も大きく育ち、初夏は木陰が気持ちいい。 アジサイが色づき始め、ギボウシやヒューケラが葉を広げるカラフルなシェードのコーナー。この緩やかな坂を登ると、石橋の先に地下から組み上げられた天然水が流れる場所へ。木々に遮られ、その先にどんなガーデンが待っているのか期待が高まる小道がたくさん。夢中で歩いていると、ここが工場の敷地内だということを忘れてしまいます。ガーデン内の建物2階では、バラの潤い成分などを配合した「ラ・カスタ」の製品などをお土産に購入できるほか、エッセンシャルオイルの調合体験も。庭に咲く花々の生の香りに触れることもできます。 Information 「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」 *予約制 所在地:長野県大町市常盤9729-2 ☎0261-23-3911 http://www.alpenrose.co.jp/garden/ アクセス:長野自動車道「安曇野I.C.」を降り、重柳交差点を右折、北アルプスパノラマロードを直進して車で25分。 Open:4月下旬〜11月上旬10:00〜17:00(4・10・11月は16:00まで)毎週水曜日定休(水曜が祝日の場合は翌日) 入園料:大人・高校生1,000円(税込)/小・中学生500円(税込)/年間パスポート3,000円(税込) 併せて読みたい 『カメラマンが訪ねた感動の花の庭。魔法の光に包まれる山梨・塚原邸』 『カメラマンが訪ねた感動の花の庭。フォトジェニックな庭 長野・熊井邸』 『花の庭巡り 長野「白馬コルチナ・イングリッシュガーデン」』 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。