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【保存版】秋の寄せ植え入門|失敗しにくい季節に身につける〈主役・色・配置〉の基本

【保存版】秋の寄せ植え入門|失敗しにくい季節に身につける〈主役・色・配置〉の基本

涼しくて植物が根付きやすい秋は、初心者でも失敗しにくい寄せ植えのベストシーズン。まずは〈主役を決める/色数をしぼる/植える位置と高さを整える〉という基本だけを押さえればOK。土や鉢のサイズ、水やりのタイミングなど“型”が身につくので、あとから花数を増やしても崩れません。本記事では、はじめてでも迷わない選び方と植え方を寄せ植えの名人、難波良憲さんが丁寧に解説します。今日から始めて、週末には“秋色の映える一鉢”が完成しますよ。

寄せ植えに必須の素材

寄せ植えの作り方
  • /寄せ植えでは複数の花苗を植え込みます。6〜9号(直径18〜27cm)の鉢が作りやすいサイズです。
  • 培養土/元肥入りの花苗用培養土を使うと便利。元肥が入ってない場合は入れます。
  • 軽石/鉢底に3〜4cmの厚みで敷きます。排水性と鉢底からの通気性をよくします。
  • 花苗/5〜6株

寄せ植えで作りやすい鉢の形

FRP素材の鉢
装飾性に富んだFRP素材の鉢。凍結に強く、軽量で扱いやすい。

◾️形について/寄せ植えでは植物の有機的なフォルムと馴染む円形が一番作りやすいです。長方形は奥行きが狭いので、植物のレイアウトは円形よりやや吟味する必要があります。正方形の鉢は四角と奥行きを埋めるのに、レイアウトと植物選びを工夫する必要があり、上級者向きといえます。対角線上でレイアウトを考えるとフォーマルな雰囲気が出ます。

バスケットの鉢
バスケットの鉢は軽量で持ち手がついているものも多く、持ち運びやすい。土がもれないように内側にビニールが敷いてある。

◾️素材について素焼き鉢(テラコッタ)、プラスチック、ブリキ、陶器、FRP(プラスチックにグラスファイバーなどの素材を混ぜて軽量・強化した鉢)、木製、バスケットなどがあります。素焼き鉢は通気性と排水性に優れ、最も入手しやすい鉢です。色はオレンジブラウンが主流。素焼き鉢と陶器は零下になると、凍結と融解を繰り返し、鉢が割れる可能性があるので寒冷地では注意が必要です。

植物と色をコーディネートしたい場合は、プラスチック、ブリキ、FRP素材の鉢は選択肢が多いでしょう。バスケットは近年、耐久性が高まり、長期的に使えるように進化しています。

準備する道具(あると便利)

寄せ植えの道具
  • 空のバケツ/作業中に苗の土を落とす際に使用。
  • 水いりのバケツ/土を触った手で花を汚さないように、こまめに手を洗うために。
  • 回転台/植え込み時に鉢を乗せて作業。
  • ハサミ/根が絡んだ苗の場合はハサミで切る必要がある。
  • 雑巾/仕上げに鉢をふいてキレイに。
  • 土いれ/植え込み後に土を足さない「難波流の植え込み方式」では使用しませんが、植え込み後に土を足す方は用意しておくといいでしょう。

鉢色と花をコーディネートした5種の寄せ植え

ポットマム‘ダンテ パープル’の寄せ植え

今回はパープルピンクのポットマム‘ダンテ’パープルを主役に、9号相当のピンクのブリキ鉢(鉢穴あり)に寄せ植えを作ります。鉢と花色をコーディネートすると、全体的な統一感が生まれやすく、完成度が高まります。ブリキの鉢は軽量で移動しやすいのも魅力。

苗の選び方

9号の鉢には、6ポットほどの苗が入ります。基本的に「主役1種+その他は脇役」と考えて植物選びをすると作りやすいです。今回は主役と鉢をピンク系で合わせたので、脇役も「ピンク」を手がかりに、同系色でまとめることにします。お好みで、補色で組み合わせたり、モノトーンで組み合わせたり、カラーコーディネートのバリエーションはさまざまに展開できます。

【今回使う花苗】

寄せ植えの花材

① 主役/ポットマム‘ダンテ’パープル×1苗

地植えに適したキク。毎年秋になると花が楽しめる宿根草。病害虫に強く、育てやすい。

以下脇役として主役の花色の同系色をセレクト。

② ムラサキシキブ‘シジムラサキ’×1苗

斑入りのムラサキシキブ。斑入りの葉は寄せ植えに軽やかさを出すのに活躍します。紫色の茎と花、花後の実が特徴。地植えにすると150cm程度まで育つ低木。鉢の後方向き。

③ コリウス‘バレッティ’シリーズ×2苗

深い切れ込みに赤い模様が入る華やかなカラーリーフ。夏から晩秋まで楽しめる一年草。カラー違いで2種使用。

④ アルテルナンテラ‘マーブルクイーン’×1苗

赤いマーブル模様が入り混じるカラーリーフ。霜に当たると枯れてしまうので一年草扱い。這うように広がる性質なので、鉢縁の配置に重宝。

⑤ チェッカーベリー×1苗

赤い実が愛らしい低木。翌年も実をならせるための管理は難しく、一年草として扱うのが妥当。赤い実が目立つよう鉢縁に。

植え付け手順|置き場所によって植え付け方を変える

寄せ植えのコツ

どこに置くのかによって、植え付け方は変わります。上の写真は全方向からの視線を意識した植え付け方(左)と、一方向からの視線を意識した植え付け方(右)の参考例です。周囲に壁などがない空間に置く場合は、全方向からの眺めを意識して植え付けるといいでしょう。壁や門扉の前に置く場合は、一方向からの眺めを意識し、前方と後方を設定して植え付けます。今回は一方向からの眺めを前提とし、鉢のロゴを前側に設定して、主役から植え付けていきます。

寄せ植えの作り方

土の入った鉢を回転台の上に乗せて作業します。

難波流の寄せ植え(詳細は後述)では、植え付け後に土を足さないので、ウォータースペース(水やりの際に水が鉢からあふれないようにするための空間)をとって、鉢の縁から2〜3cm下まで土を入れています。

後から土を足す場合は、苗の根の部分の高さを考慮して、より低い位置に土の高さを設定します。

苗の様子をよく確認し、素敵な見え方を作ってあげよう

まず、主役となるポットマムを鉢の大体中央に配置しますが、植え付ける前に苗の様子をよく観察しましょう。この苗は1ポットに2芽が挿してあり、左右の花数や草丈も微妙に異なります。

苗を分ける

このまま植え付けると中央から左右がくっきり分離して、少し不自然な感じになるので、いったん左右を分離してから組み替えます。このとき、苗の土は1/3程度落とすと植え込みやすいです。根っこが切れてもその後の生育には問題ない場合がほとんどです。

下葉を取る

草丈や花数のバランスがよく見えるように組み替えます。下のほうの大きな葉や変色している葉は、蒸れや病気の原因となるので、この時点で取り除きます。

花苗を植える
左は正面からみたとき。右は横から見たとき。やや前傾姿勢なのが分かります。

花の顔がよく見えるように、やや斜め前に倒して植え込みます。キクの花は上向きで咲くため、まっすぐ植えると花の側面が目立ち、表情がよく見えなくなってしまいます。

土を後から足さない「難波流」植え込み方式

難波流の植え込み方式は、苗の株元を持って土にグッと差し込むように植え付けるのがポイント。こうすると後から土を足さずに済み、作業が楽で花苗が汚れる心配もありません。ただし、この植え付け方の場合はピートモスを含んだ軽めの土が適しています。

苗ごとの個性を生かして植え付け向きを決定

苗を配置

主役の後方にムラサキシキブを配置。ややカーブする株姿を生かして、前方へカーブするように植栽の向きを決めます。苗ごとに一つひとつ株姿は異なるので、それぞれの個性(茎の曲がり方・花の向き・高さなど)をよく観察して植え付けるのがポイント。

コリウスを植え付け

主役の両サイドにコリウス‘バレッティ’2種を植え付けます。このときも葉の模様がよく見えるようにやや前傾姿勢にして植え付けます。カラーリーフの中でも派手めのコリウス‘バレッティ’は、主役を超えない程度に華やかさを加えるのに活躍します。晩秋には淡い紫色の花穂が上がり、段階的に異なる雰囲気で楽しめるのも魅力です。

後半は植栽スペースに合わせて苗を形成

アルテルナンテラを入れる

前方の鉢縁に沿ってアルテルナンテラとチェッカーベリーを植え込みます。鉢の縁が植物で覆われていると、ナチュラルな一体感が生まれるので、這性のリーフは寄せ植えの定番で、名脇役です。

鉢スペースに合わせる

後半で植える植物は、鉢内のスペースが限られてきます。ポットから出したままの苗の形状は、だいたい丸い形をしていますが、鉢縁に空いたスペースにそうでない場合も多いです。そこで、苗の形状を植えるスペースに合わせて形成するとなじみやすくなります。

苗を分ける

ポットから出したままのチェッカーベリーの苗は左のように丸い形をしています。それを鉢縁の横長カーブに沿わせるように根鉢を崩しながら形成します。前述のアルテルナンテラも同様にして植え込んでいます。

鉢縁から実がこぼれるように植える
鉢縁から実がこぼれるようにすると可愛さアップ!
寄せ植えの仕上げ

回転台を回しながら仕上げのチェック。植物の葉の絡み具合などを微調整し、作業中に汚れた部分は雑巾で拭きキレイにします。

寄せ植えのお手入れ

秋の寄せ植え

完成! ボリュームたっぷり、ピンクが効いてかわいい一鉢が完成しました。植物に高低差があるので、これくらいぎゅっと植え込んでも風通しは確保されて健やかに育ちます。ポットマムは晩秋まで繰り返しよく咲き、平地では12月も花を咲かせます。ムラサキシキブの花は艶やかな実に変わり、コリウス‘バレッティ’は淡い紫色の花を咲かせ、生育とともに姿が変わっていくのも寄せ植えの醍醐味です。

  • 管理場所/日向〜半日陰
  • 水やり/植え込み直後に鉢底から水が流れ出るまでたっぷり。その後も表土が乾いたら同様に水やりします。
  • 肥料/植え付け後2週間くらいしたら、元肥の効果が薄れてくるので、緩効性肥料を置き肥するか、定期的に液肥を与えると鮮やかな色彩で花が長く楽しめます。
  • 花がら摘み/枯れた花や黄色くなった葉は、そのままにすると病気の原因になるので取り除きます。

寄せ植えの花が終わったら

寄せ植えの見頃が終わったら、解体します。一年草はワンシーズン限りなので、抜き取って廃棄。宿根草や低木は次の年も楽しめるので、別の鉢で養生するか、地植えにしても楽しめます。

ポットマムは初年度は草丈が低く抑えられていますが、翌年以降は草丈60cm程度と高くなります。花が終わったら地際で切って越冬させ、2年目以降春に茎が伸びてきたら5月下旬に一度15〜20cmくらいに切っておくと、秋の開花時に美しい草姿で楽しめます。

さまざまなキクで秋の寄せ植えを楽しんで

ポットマム
左/花径6〜7cmのポットマム‘ダンテ’レッド、右/花径2cm程度のポットマム‘インヤン’。どちらも茎にある程度の高さがあり、寄せ植えで使いやすい。

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