スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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園芸用品

バラも果樹も鉢植えでこんなに実る! 全国ガーデナーが選ぶ土の活力素『バイオマイスター』
バラが咲きこぼれる“秘密の花園”と、鉢植えジューンベリーのある暮らし フォトコン受賞の庭、つるバラ ‘芽衣’ が彩るコテージガーデン 牧さんの庭が注目を集めるきっかけになったのは、ガーデンストーリー主催の「Instagram バラのフォトコンテスト2019」。つるバラ ‘芽衣’ がピンクの雲のように咲き広がる1枚が編集長賞を受賞し、「こんな庭にしてみたい!」という憧れの声が多数寄せられました。 受賞写真に写っている建物は、築50年の納屋をリフォームしたという小さなコテージ。お客さまをお迎えしたり、レッスンをしたりと、牧さんにとって“庭のリビング”ともいえる場所です。以前は建物の周りがアスファルトで覆われ、地植えができない環境だったため、「せめて壁だけでも華やかに」と、コンクリート用のメッシュフェンスを取り付け、その足元に ‘芽衣’ を植栽。ご主人手づくりのフェンスに丁寧に誘引を重ね、数年で壁二面を覆うほどの見事な景色になりました。 宿根草や一年草が風に揺れる株元も、牧さんならではの優しい植栽。バラを主役にしつつ、季節ごとの草花が表情を添える、物語のような庭が広がっています。 花の庭の片隅で育つ、鉢植えジューンベリー 春の花、初夏の実り、秋は紅葉と楽しみが多いジューンベリー。写真/牧勝美さん そんな「花の庭」のもう1つの楽しみが、鉢植えで育てているジューンベリーです。「実がなる木を育ててみたいけれど、地植えのスペースが限られている」「樹高をコンパクトに保ちたい」という方にとって、鉢植え果樹は気軽にチャレンジできる存在。牧さんも、季節の変化を身近に感じられるよう、ジューンベリーを鉢で育てています。 春には白い小花がふわりと咲き、初夏には房状に連なる赤い実がたわわに色づきます。秋には紅葉を楽しみ、冬は落葉した枝にオーナメントを飾ってクリスマスの演出を楽しんでいるという牧さん。鉢植えなら、見せたい季節に一番きれいな場所へ移動できるのも魅力。ジューンベリーの鉢も、バラや宿根草の合間にそっと置かれ、庭全体のストーリーの一部になっています。 年々減っていく収穫量…鉢植えジューンベリーの悩み 「鉢が窮屈になってきた?」収穫量が少しずつ減少 鉢植え果樹を長く育てていると、多くの人が一度は経験するのが「最初の数年はよく実ったのに、最近なんとなく収穫が減ってきた」という悩み。牧さんのジューンベリーも、まさにその状態でした。 「鉢が窮屈になってきたのか、年々少しずつ収穫量が減ってきていました」 鉢の中は、年数が経つにつれて根が回り、土も固く締まりがち。水やりや追肥はしていても、根の周りの環境が窮屈になると、枝葉の勢いが落ち、花や実の数にも影響してしまいます。 「植え替えをすればいいのは分かっているけれど、大きな鉢を毎年やり直すのはなかなか大変」。そんなふうに感じている読者の方も多いのではないでしょうか。 植え替えだけに頼らず、“土の力”を見直したい そこで牧さんが注目したのが、「土の活力素」として開発されたメネデール社の『バイオマイスター』でした。 バイオマイスターは、根が育つ周りの環境(根圏)に、空気と水分をしっかり確保しつつ、肥料分や微量要素、有効微生物をバランスよく補うことで、根が健康に育ちやすいよう土壌を整えてくれる資材です。 鉢を大きくしたり植え替えたりすることも大切ですが、毎回それをするのはなかなか大変です。できれば鉢はそのままにして、表面の土を整えることで、改善を図りたい。そんな思いから、牧さんは寒肥のタイミングで、ジューンベリーの鉢の表土にバイオマイスターをのせてみることにしました。 「植え替えを頻繁にしなくても、表面から土をリフレッシュしてあげるようなイメージで使い始めました」 3年以上の愛用で実感! 牧さんの『バイオマイスター』DATA ここで、牧さんのバイオマイスター使用状況を、分かりやすく整理しておきましょう。 【牧勝美さんの『バイオマイスター』DATA】 使用歴:3年以上 使用シーン:鉢・プランター、バラ 使用方法: 追肥・寒肥のタイミングで、鉢や株元の表土にふんわりとのせる(表層マルチ) 実感していること: 「実付き・花付きがよくなったと感じています」 「鉢植えジューンベリーは、収穫量が昔のように増えて、ジャムをたくさん作れるようになりました」 「地植えではなく鉢植えでも、開花や収穫をしっかり楽しめるのが嬉しいです」 寒肥のタイミングで、土の表面にそっとのせるだけ 牧さんが心がけているのは、「難しいことはせず、続けられる方法で使う」こと。ジューンベリーやバラの株元の土の上に、追肥や寒肥のタイミングでバイオマイスターを数センチ厚みにふんわりとのせ、軽くならすだけで、特別な作業はしていません。 「鉢を全部ひっくり返して植え替えるのは腰が重いけれど、表面にのせるだけなら毎年続けられるんです」と牧さん。手軽さも、3年以上続けられている理由の1つです。 ジューンベリーの収穫量が「昔のように」戻った 庭から摘んだジューンベリーで自家製のジャムを。写真/牧勝美さん 使い始めてしばらくすると、少しずつ嬉しい変化が見えてきました。 「バイオマイスターを与えるようになってからは、収穫量も昔のように増えて、ジャムをたくさん作ることができています」 かつては「今年はちょっと実が少ないな」と感じていた鉢植えジューンベリーが、再びたわわに実るようになり、キッチンで大鍋いっぱいのジャムを煮る時間が戻ってきました。 「地植えではなく鉢植えでも開花や収穫を楽しめるのは、とても嬉しいです」 バラの花付きも安定し、「庭全体のボリュームが出てきた」と感じている牧さん。特別なテクニックではなく、“土の力”を底上げすることで、植物が本来の力を発揮しやすくなった──それが、バイオマイスターを使い続けて一番実感していることだと話してくれました。 全国のガーデナーが実感!『バイオマイスター』愛用者の声 バイオマイスターを使っているのは、牧さんだけではありません。バラの愛好家から家庭菜園派、寄せ植え作家さんまで、さまざまなガーデナーから「咲き方・実り方が変わった」という声が寄せられました。ここでは、その一部をご紹介します。 【バラ&果樹】花数が増え、実付きもアップ まず目立ったのが、「バラや果樹の花付き・実付きが明らかによくなった」という声です。 バラやクレマチスなどの鉢栽培にバイオマイスターをマルチング。写真/ちぃぽぽさん ◾️岡山県・ちぃぽぽさん(使用歴:1〜2年)は、バラの鉢・プランターにマルチングとしてバイオマイスターを使用。モニターとして試したところ、バラがよく咲いた実感があり、それ以来バラの株元には欠かせない存在になっているそうです。 美しく開花した鉢植えのバラ。写真/ちぃぽぽさん 腐葉土とバイオマイスターをブレンドして株元にマルチング。写真/hanaさん ◾️岡山県のhanaさん(使用歴:3年以上)は、鉢・地植え・花壇のバラやブラックベリーに、冬の寒肥代わりとしてマルチングに活用しています。寒い季節でも作業が簡単で続けやすく、「花数が増え、実付きもよくなった」とのこと。さらにマルチング効果で土の乾きがゆっくりになり、水やりも楽になったと話します。 プランター栽培のバラも見事な花付きの春の庭。写真/hanaさん デルフィニウムとバラのシックなモーブカラーコーデ。写真/hanaさん 鮮やかな花色が庭で目を引く真紅のつるバラ。写真/ktcさん ◾️東京都・ktcさん(使用歴:3年以上)は、鉢植えと地植えのバラに、主に追肥としてバイオマイスターを使用。つるバラの花後に与えることで、翌年も無事にしっかりと開花した経験から、「花後のリセットと、次のシーズンにつなぐケア」に手応えを感じているそうです。 果樹も花もたわわに実り、季節ごとに楽しみがたくさんの庭。写真/あんさん ◾️埼玉県・あんさん(使用歴:3年以上)は、鉢・地植え・家庭菜園・花壇・バラと、庭中でバイオマイスターをフル活用しているヘビーユーザー。バーク堆肥と混ぜて株元にマルチングしたり、赤玉土や腐葉土に混ぜてオリジナル培養土を作ったり、果樹やバラには肥料と一緒に穴を掘って与えています。忙しくて庭仕事が後回しになった期間があったにもかかわらず、多くの植物が変わらず花を咲かせ、果樹も甘くおいしい実をつけてくれたといいます。バラは病気が少なく、花数も多かったそうで、「根が元気に張っているからかも」と感じているそうです。プレゼント企画でお試しして以来、「業務用の大袋を通販で購入して使い続けている」というコメントからも、信頼度の高さが伝わってきます。 【寄せ植え&コンテスト】“見せる鉢”でも根張りと色つやに差 華やかな寄せ植えを数多く手がける人たちからも、「短期間でしっかり仕上がる」という感想が寄せられました。 ケイトウやコスモス、コレオプシスなどがやさしい色で混じり合い、秋の風を感じられるような春香さんの寄せ植え作品。写真/春香さん ◾️宮城県・春香さん(使用歴:1〜2年)は、寄せ植えコンテストの出品作品を作る際、必ず自作培養土の1〜3割にバイオマイスターをブレンドしているそうです。コンテスト作品は短期間で開花をピークにもっていく必要があるため、元肥は少なめ、あるいは入れずに、バイオマイスターと液肥で調整。慎重に管理するなかで、「以前よりも根付きがよく、花付きも安定し、葉の緑が濃くなった」「新しい葉やつぼみが次々と上がってくる」といった変化を感じているとのことです。 写真/春香さん “短期決戦”の寄せ植えは、根のコンディションと葉の色つやが勝負どころ。そこにバイオマイスターを「土の素」として組み込むことで、根張りと花色・葉色の両方を底上げするパートナーとして頼りにされていることが分かります。 【家庭菜園&実もの】ナス・ピーマンが10月末まで、カボチャも大きく美味しく 家庭菜園や実もの栽培にバイオマイスターを取り入れている方からは、「収穫期が伸びた」「実がしっかり太った」といったコメントが届きました。 つややかな実をつけるピーマン。写真/Hanatonさん ◾️北海道・Hanatonさん(使用歴:今年初めて)は、鉢・地植え・家庭菜園・バラに、主に追肥としてバイオマイスターを使用。家庭菜園では、ナスとピーマンの苗が青々と力強く育ち、10月末まで収穫が続いたそうです。一方で、枝豆は茎葉ばかりが伸びて豆の入りが悪かったとのことで、「肥料バランスや日当たりが合わないと、すべての作物に同じように効くわけではない」という気づきもあったそう。適切なタイミングや施肥量を心がけることの大切さが伝わるエピソードです。 土の力で“咲く力・実る力”を引き出す。『バイオマイスター』ってどんな資材? 根が育つ“環境”を整える、土の活力素&培養土の素 メネデール社の『バイオマイスター』は、植物の根が生きている「根圏」と呼ばれるエリアの環境を整えるために開発された、土の活力素です。メーカーでは、培養土づくりの基本資材として使える“培養土の素”という位置づけもされています。 配合している有機・鉱物素材と、有効微生物、各種栄養素の働きによって、 根の周りに新鮮な空気と水分を確保する 根が健康に伸びるための物理的・化学的・生物的環境を整える 窒素・リン酸・カリ・カルシウム・マグネシウムなどの養分と、鉄・マンガン・ホウ素といった必須微量要素をバランスよく補う といった働きがあります。 さらに、土壌中の有害菌の増殖を抑えるバチルス菌や乳酸菌、植物と共生して生育を支える菌根菌など、“善玉菌”といわれる有効微生物が豊富に含まれているのも特徴。これらが有害菌のはね返りや活性化を抑え、根を病気から守ってくれます。 その結果として、弱った庭木やバラ、鉢植えの花や果樹が本来の力を発揮しやすい状態に整う──それが、バイオマイスターの根本的な役割です。 1袋あればここまで使える! バイオマイスターの主な用途 バイオマイスターは、1つの目的だけに特化した資材ではなく、「土をよくしたい」場面で幅広く使える万能タイプ。メーカーや各種解説記事では、次のような用途が紹介されています。 培養土づくりの基本資材として赤玉土や腐葉土などと混ぜて、オリジナル培養土のベースに。 古土の再生に日光消毒した古土に対し、2〜3割を目安に混ぜると、ふかふかの培養土に再生。 花木・果樹・バラのマルチ資材として良質な腐葉土と等量で混ぜ、株元の表面に2〜3cmほど敷き詰めることで、 寒肥・追肥としての養分補給 土壌改良 有害菌のはね返り防止を同時に行えるマルチング材として活躍します。 追肥・元肥(有機配合栄養)として植え替え時の元肥、または追肥のように使うこともでき、有機物と栄養分をいっしょに施せます。 腐葉土づくりのスターターとして落ち葉や雑草を堆肥化する際に混ぜることで、微生物の働きを助け、発酵を促進します。 今回ご紹介した牧さんをはじめ愛用者の方々も、 バラや果樹の株元マルチ 寄せ植え用のブレンド用土 家庭菜園の追肥・土壌改良 など、複数の用途を組み合わせて使い、「花付き・実付きがよくなった」「根張りが違う」と実感していました。 こんなあなたにおすすめです 最後に、この記事を読んでいるガーデナーの中で、特にバイオマイスターが力になってくれそうな“お悩みタイプ”をまとめておきます。 鉢植え果樹の収穫量が落ちてきたと感じている人ジューンベリーやブルーベリー、レモンなど、鉢植えで実ものを育てていて、「昔より実が少ない」「樹が疲れてきた気がする」という方に。 バラの花付き・株の勢いに物足りなさを感じる人寒肥や追肥をしているのに、花数が少ない・枝が細い・病気が出やすい…という場合、根の周りの“土の環境”を整える一手として。 寄せ植えやコンテスト用の“見せる鉢”を、短期間でしっかり仕上げたい人限られた期間で花数と色つやを出したい寄せ植えに、ブレンド用土の一部として取り入れたい方に。 家庭菜園で、ナス・ピーマン・トマトなどを長くたくさん収穫したい人夏野菜の根張りをよくし、秋まで息長く実らせたいときの土づくりに。 古い土も活かしながら、なるべく捨てずに再利用したい人ベランダや小さな庭で土の置き場に困っている場合、古土再生+マルチング+培養土づくりを1袋でまかなえるのは大きなメリットです。 「たくさんの資材を買い足すのは大変。まずは一つ“軸”になるものが欲しい人」培養土の素・マルチ材・追肥・古土再生と、幅広く使えるので、「とりあえずバイオマイスターを1つ置いておく」という使い方にも向いています。牧さんの鉢植えジューンベリーのように、「前より花が増えた」「実がたわわになった」「弱っていた株が元気を取り戻した」という小さな変化は、庭の景色とガーデニングの楽しさを大きく変えてくれます。 次に鉢を植え替えるとき、寒肥を入れるとき、古土をどうしようか迷ったとき──“土の力”を少し底上げする選択肢として、『バイオマイスター』を加えてみてはいかがでしょうか。
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樹木

【庭木に最適】赤い実と紅葉が秋を彩るカンボク! 四季の移ろいを楽しむ栽培ガイド
カンボクの基本情報 Edita Medeina/Shutterstock.com 植物名:カンボク学名:Viburnum opulus var. sargentii英名:Sargent Viburnum、Japanese water elder和名:カンボク(肝木)その他の名前:ケナシカンボク(毛無肝木)科名:レンプクソウ科属名:ガマズミ属(ビバーナム属)原産地:日本(主に中部以北)、朝鮮半島、中国など東北アジア形態:落葉性低木~小高木 カンボクの学名は、Viburnum opulus var. sargentii 。レンプクソウ科ガマズミ属(ビバーナム属)の落葉樹です。原産地は日本、朝鮮半島、中国。沖縄を除いて日本各地に分布していますが、冷涼な気候を好み、やや暑さを苦手とします。自然樹高は7mほどに達しますが、毎年の剪定によって程よい樹高にコントロールすることが可能です。初夏に白い花を咲かせるほか、秋にはかわいらしい赤い実をつけるとともに紅葉も美しく、四季の移ろいによって表情の変化を楽しめる花木です。 カンボクの花や葉の特徴 LS92/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5〜7月樹高:2〜7m耐寒性:強い耐暑性:普通花色:白 カンボクの開花は5〜7月。花茎を伸ばした頂部に、たくさんの白い小さな花が密集して咲き、見応えがあります。ガクアジサイのように装飾化と両性花がつくのが特徴的です。秋になると1cm弱の赤い実をびっしりとつけ、美しい実姿にも観賞価値があります。果実は一見おいしそうに見えますが、実際は苦くて食べられず、野生動物にも不人気なのか長く枝に残ることがあります。10cm前後の葉は変異があるものの通常は3裂し、縁には不揃いな切れ込みが入って対生につきます。 赤く鮮やかなカンボクの実。LS92/Shutterstock.com カンボクの歴史と文化 Edita Medeina/Shutterstock.com カンボクは古くから中国や日本で庭木として愛されてきました。花が美しい上に赤い果実をたくさんつけていつまでも木に残るため、縁起植物としても人気があったようです。強健な性質で放任してもよく育つことから、公園などにもよく植栽され、生け垣としても利用されています。 カンボクの名前の由来と花言葉 Robert Buchel/Shutterstock.com カンボクは漢字で「肝木」と書き、「肝」は「肝心」という意味です。これには諸説ありますが、枝葉を煎じて止血や打撲の薬として用いられてきたことから、「人間にとって肝心な木」であることが由来とされています。 カンボクの花言葉は「年老いた」です。 カンボクの代表的な種類 セイヨウカンボク(ヨウシュカンボク、ゲルダーローズ) Wirestock Creators/Shutterstock.com イギリスからヨーロッパ、北アフリカ、西アジアなどに広く分布していますが、日本には自然分布していません。自然樹高は2〜5mほどになります。開花期は5〜6月で花色は白。カンボク同様に初夏に両性花と装飾花からなる花序を頂部につけ、晩秋に赤い果実を多数つけます。 セイヨウテマリカンボク APugach/Shutterstock.com セイヨウカンボクの園芸種で、自然樹高は3〜5mほどです。開花期は5〜6月で、花色は白。オオデマリの花姿に似ており、花序の花がすべて装飾花になった手毬状に開花します。装飾花のみ咲くのでほとんど結実しません。 ‘スノーボール’ krolya25/Shutterstock.com セイヨウカンボクの中でも特に人気のある園芸品種。ビバーナム・スノーボールとも呼ばれます。多くの装飾花が集まったたっぷりとした手毬状の花序をたくさんつけ、満開時は豪華な姿に。咲き始めは緑色で、開花が進むにつれて純白になり、ホワイトガーデンに欠かせない花木です。 ‘オノンダガ’ Peter Turner Photography/Shutterstock.com カンボクの園芸品種で、中央につく両性花のつぼみが赤みがかるのが特徴。装飾花は白で、両性花も開くと白い花が咲きます。 カンボクの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜7月植え付け・植え替え:12〜翌年3月(真冬を除く)肥料:2〜3月、6~7月剪定:12月〜翌年3月上旬挿し木:6月中旬〜7月中旬 カンボクの栽培環境 Peter Turner Photography/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たりと風通しがよい場所を選びます。半日陰でも育ちますが、日照不足では花つきや実つきが著しく悪くなるので注意。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】水はけ、水もちがよく腐植質に富んだ土壌を好みます。乾燥する時期は、根元にバークチップなどを施して、マルチングをしておくとよいでしょう。鉢植えでの栽培も可能ですが、根詰まりしやすいので2〜3年に1度は植え替えが必要です。 耐寒性・耐暑性 比較的涼しい環境を好み、暑さや乾燥をやや苦手としますが、日本の気候に馴染みやすく一年を通して戸外で管理でき、冬越し対策なども特に必要ありません。 カンボクの育て方のポイント 用土 Wstockstudio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質など水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 花木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。 真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、過度に乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 Pawel Beres/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 開花後にお礼肥として、リン酸、カリ成分を多く含んだ緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。また、2〜3月に緩効性肥料を与えます。生育期を迎える前に肥料を与えることで新芽を出すエネルギーとなり、旺盛に枝葉を広げることにつながります。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 カンボクに発生しやすい病気は、うどんこ病、褐斑病などです。 うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発生しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。 褐斑病は、カビによる伝染性の病気です。主に葉に褐色またはくすんだ茶色の斑点が現れ、下葉から枯れ上がっていきます。雨が多い時期に発生しやすいのが特徴です。発症した葉を見つけたらすぐに切り取って処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。適用のある薬剤を散布して防除します。 【害虫】 カンボクに発生しやすい害虫は、アブラムシやカイガラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4㎜の小さな虫で繁殖力が大変強く、枝葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10㎜。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 カンボクの詳しい育て方 苗木の選び方 葉色がよく、ヒョロヒョロと伸びていないがっしりした苗木を選びましょう。鉢底から根が出すぎているものは、根詰まりを起こしている可能性があります。 植え付け・植え替え Jurga Jot/Shutterstock.com カンボクの植え付け・植え替え適期は、休眠期の12〜翌年3月です。ただし、寒さが特に厳しくなる1〜2月は避けたほうが無難です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗木の根鉢よりも1回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。 庭植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。 【鉢植え】 苗木の根鉢よりも1〜2回りくらい大きい鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れます。苗木を鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取っておくとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。最後に鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。一年を通して日当たり、風通しのよい場所に置いて管理しましょう。 鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、軽く根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。 剪定 Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com カンボクの剪定適期は、休眠中の12月〜翌年3月上旬です。 旺盛に生育し、比較的枝葉をよく伸ばす方ですが、自然に樹形が整います。そのため刈り込んだり、大きく切り戻したりというよりは、込み合いすぎている部分を切り取って風通しをよくすることを目的とした透かし剪定を基本にするとよいでしょう。木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」も元から切り取ります。1カ所から3本以上の枝が出ていたら、間引いて枝を透かすとよいでしょう。 これ以上大きくしたくない場合は、大体のアウトラインを決めて、そこからはみ出している枝を、分岐点までさかのぼって切り取ります。 夏越し カンボクは夏の高温乾燥がやや苦手で、高温地域では注意が必要です。乾燥しないよう地植えでも必要に応じて水やりを行い、暑さが厳しい地域では半日陰に移動するのも一案です。 冬越し Anton Starikov/Shutterstock.com カンボクは寒さに強いので、それほど気にする必要はありませんが、寒さが厳しい地域ではバークチップなどを施してマルチングしておくとよいでしょう。鉢植えは寒風が吹き付けない軒下などに移動しておくと安心です。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com カンボクは一般に挿し木で増やしますが、種まきも可能です。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、カンボクは挿し木で増やすことができます。 カンボクの挿し木の適期は、6月中旬〜7月中旬です。その年に伸びた新しくて勢いのある枝を10㎝ほどの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。鉢増ししながら育成し、苗木として十分な大きさに育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 【種まき】 種まきで増やす場合は熟した果実を採取し、種子の周りの果肉をよく洗い流してから播きます。種まきの成功率は高くなく、また発芽まで1~2年かかることもあります。 庭を彩るカンボクを育ててみませんか Hank Asia/Shutterstock.com カンボクは春に新芽を出し、初夏に白い花をたっぷりと咲かせて秋には赤い実姿と紅葉を楽しめ、四季の移ろいを強く感じることができる花木です。強健な性質で放任してもよく育つのでビギナーにもおすすめ。人気の高いカンボクを庭木として迎え入れてはいかがでしょうか。
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寄せ植え・花壇

玄関に置くだけで気分も運気もアップ! 黄色が主役の「金運カラー寄せ植え」レシピ5選
「黄色×丸い形」が金運アップに効くと言われる訳 鮮やかな黄色と丸い形が目を引くビオラ‘エッグタルト’。 ゴールドやその類似色の黄色は東西を問わず、「光」「希望」「富」を連想させる色です。ヨーロッパでは王冠が聖堂の装飾に用いられ、風水でも財や富の象徴とされます。太陽の光の色でもあり、「明るさ・発展・繁栄」のイメージとも結び付けられています。 丸い形はコインや金貨の形であることから、お金そのものの象徴。また、日本語でも「お金がまわる」「円満」など“丸い=よい循環”を連想させます。 丸くふくらむ花やロゼット状の葉には、やわらかさと“満ち足りた”イメージが重なります。金運だけでなく、「明るく豊かな気分になれる色と形」として庭やベランダに取り入れてみましょう。 金運カラーの寄せ植えレシピ5選 【レシピ1】スキミアと黄金葉で「金の山」テラコッタ鉢 【レシピ2】福を重ねるハボタンの迎春コンテナ 【レシピ3】冬から春へ、福がぐんぐん伸びるハボタン鉢 【レシピ4】アプローチを彩る「運の花道」ロングプランター 【レシピ5】春までつながる“開運バトン”の大鉢寄せ植え 金運カラーを長く楽しむための3つのコツ 黄色だけに偏り過ぎず、白やグリーンで抜け感をつくる 鉢が鉢置きの素材や色にも「ゴールド感」を意識する 冬は花苗量多め、株間狭めでOK。花が終わったら入れ替えながら、“いつも満ちている”印象をキープ 【レシピ1】スキミアと黄金葉で「金の山」テラコッタ鉢 丸い房になったつぼみが愛らしいスキミアを主役に、黄金葉の低木や黄色のビオラを詰め込んだ1鉢。スキミアのつぼみがコインの山のように見えることから、「お金が積み上がっていく」イメージで金運カラー寄せ植えにぴったりです。テラコッタ鉢と好相性なのも嬉しいところ。 使っている植物の例 スキミア‘フレグラントクラウド’ 金メギ‘オーレア’などの黄金葉の低木 ゴシキヒイラギなどの黄斑の入る常緑低木やカラーリーフ ビオラ(黄色~レモン色系) アリッサムなどの白い小花 植え方・デザインのポイント 鉢の中央にスキミアを数株まとめて植え、「金の山」のボリュームを出します。 周りに黄金葉の低木をリズミカルに配置し、鉢の縁までゴールドトーンが続くように。 株元をビオラやアリッサムで埋めると、柔らかな雰囲気になり、冬~早春の花が長く楽しめます。 日当たりのよい玄関先やアプローチに置くと、陽ざしを受けて葉がキラキラ輝き、一層金運カラーが引き立ちます。 【レシピ2】福を重ねるハボタンの迎春コンテナ 玄関先にどん、と構えたクラシカルな大鉢に、ハボタンを中心に黄色い花をたっぷり合わせた寄せ植えです。牡丹の花のように葉が幾重にも重なるハボタンは、「福やお金が重なってふくらむ」イメージで、冬の金運植物の主役にぴったり。さらに、明るい黄色のキンセンカやパンジー、ビオラを組み合わせることで、寒い季節でも華やかで明るい雰囲気になります。キンセンカも金色の杯という意味を持つ縁起のいい花です。 使っている植物の例 ハボタン(白系) パンジー&ビオラ(黄色、白系) キンセンカ(カレンデュラ)‘スノープリンセス’ スキミア‘マジックマルロー’など斑入り葉の低木 アイビー、ハツユキカズラなどのつる植物 植え方・デザインのポイント 鉢の中央寄りにハボタンを配置し、福が重なる“芯”をつくります。 草丈が30〜50cmになるキンセンカは後方へ配置。 鉢の縁に沿ってパンジー、ビオラ、スキミアでぐるりと囲み、金色のリングのようなイメージに。 手前にはつる性の斑入り葉を垂らすと、豪華すぎず上品な華やかさに。 玄関の片側に置くなら、通る人の目線の高さと動線を意識し、正面から見て一番きれいに見える向きを決めて植え付けましょう。 【レシピ3】冬から春へ、福がぐんぐん伸びるハボタン鉢 冬はふっくらと丸くまとまったハボタンのロゼットを「福の塊」のようにギュッと集めてボリューム感を。春が近づくと、同じ鉢からすっと茎を伸ばして花を咲かせ、寄せ植え全体のシルエットが大きく変化します。一般には「ハボタンが伸びて形が崩れた=おしまい」と思われがちですが、ここではあえて、その“変化”を楽しむ寄せ植えに。寒い時期に蓄えた運気が、春に向かってぐんぐん伸びていくような、めでたい1鉢です。 春に茎を伸ばしたハボタンは、ロゼットの名残のフリルが幾重にも重なり、ブーケのように。 使っている植物の例 ハボタン(白・フリル咲きなど数株) シロタエギク(シルバーリーフ) ビオラ(クリーム~レモンイエロー系) 斑入りのツル植物や低木(ハツユキカズラなど) アリッサムなどの小花 植え方・デザインのポイント ハボタンは鉢の中央に複数株まとめて植え、シルバーリーフやビオラを周囲に配置して“花束の土台”をつくります。 冬のあいだは鉢の縁より少し内側に収まるよう、ドーム状にこんもりさせると安定感のある姿に。 春に伸びることを前提に、後ろ側には少しスペースを残しておくと、とう立ちしたときのシルエットが美しく出ます。 伸びてきたらどう楽しむ? とう立ちしたハボタンは、そのまま育てて「運気が伸びる」「福が花開く」時期として楽しみます。 花茎を数本切り取って、花瓶に活けて室内で楽しむのもおすすめ。鉢と花瓶の両方で“二重に福を飾る”イメージに。 形が大きく乱れてきたら、ハボタンを思い切って抜き、新しい初夏向けの草花に植え替えれば、鉢の中の運気リレーが完了です。 【レシピ4】アプローチを彩る「運の花道」ロングプランター 細長いプランターいっぱいに、黄色のカラーリーフと紫の小花を織り交ぜた寄せ植えです。出入り口やショップの前に置くと、歩く人を金色の花で迎える「運の花道」のような演出に。玄関アプローチの片側に沿わせて置くだけでも、ぐっと華やかな印象になります。 使っている植物の例 金メギ‘オーレア’、カルーナ・ブルガリス‘ノーザンライト’などの黄金葉の低木 ビオラ(黄色の補色の紫系と淡色) アリッサムなどの白い小花 植え方・デザインのポイント 細長いプランターでは、“リズム”を意識するのがコツ。黄色い葉ものをジグザグの等間隔に配置し、その間をビオラと小花で埋めていきます。 黄色だけだと単調になりやすいので、ワインレッドのパンジーを少量混ぜると、奥行きとおしゃれ感がアップ。 アプローチの向きに合わせて、どの方向から見ても隙間なくモコモコに茂るよう、株と株の間隔をやや詰め気味に植えると見栄えがよくなります。 【レシピ5】春までつながる“開運バトン”の大鉢寄せ植え 冬~初春はビオラなどの草花がメイン。そこにチューリップなど春咲き球根の新芽がのぞき、季節とともに主役がバトンタッチしていく大鉢の寄せ植えです。今見えている花と、これから咲く花の両方を楽しめることから、「これからどんどん運が開いていく」イメージで開運バトンと名付けました。 使っている植物の例 ビオラ‘エッグタルト’などの白~黄色系のパンジー、ビオラ キンセンカ‘コーヒークリーム’ イベリスなどの白い小花 ワイヤープランツなどの這性のグラウンドカバー チューリップ 植え方・デザインのポイント 先に球根をやや深めに植え、その上からビオラや小花を植え付けます。 外側は白い小花でふわりと縁取り、内側に黄色系の花をぎゅっと集めると、中心から光があふれるようなデザインに。 新芽が伸びてくるスペースを少しだけあけておくのがポイント。春になってチューリップが咲く頃には、黄色と白の世界に高さが加わり、一段と華やかに成長します。 おわりに ― 本当に満たしてくれる“豊かさ”って? 黄色やゴールドの花、丸くふくらむつぼみやロゼットの葉は、風水では金運を呼ぶといわれます。でも、毎日のように庭やベランダの鉢に向き合っていると、少しずつ分かってくるのは、豊かさは「お金」だけではないということ。 寒い朝に、昨日より少しだけふくらんだつぼみに気づくこと。仕事から帰ってきたとき、玄関先の鉢が変わらず迎えてくれること。季節が進むにつれて、寄せ植えの姿がゆっくり変わっていくのを眺めること。そうした小さな発見や、手を動かす時間そのものが、心の中に“余白”や“ゆとり”を増やしてくれます。 金運カラーの寄せ植えは、もちろん「今年もいい流れが来ますように」という願掛けにもなります。でもそれ以上に、季節の光や風を受けて輝く花たちを通して、「今ここにある豊かさ」に気づかせてくれる存在。そんな気持ちで黄色やゴールドの鉢を暮らしに迎え入れると、目に見える運だけでなく、毎日の景色そのものが少しずつ明るく、あたたかく変わっていくはずです。
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ガーデン

グランプリ決定!「第3回東京パークガーデンアワード砧公園」の『ファイナル審査』を迎えた11月の庭と審査の様子をご紹介
年3回審査を行うガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」 制作が始まってから約1年が経過するコンテストガーデン。「最終審査」では、今回のテーマである『訪れる人々の五感を刺激し、誰もが見ていて楽しいと感じる要素を取り入れた‘みんなのガーデン’が表現されているか』に加え、『秋の美しい風景が楽しめる健やかなガーデンとなっているか』という観点から評価が行われました。これまでに実施された「ショーアップ審査」(4月)と「サステナブル審査」(7月)の結果も踏まえ、総合的に判断されます。審査日:2025年11月6日※年によって気象条件が変わるため、開花の時期がずれていても評価に影響しません。 審査員は以下の5名。福岡孝則(東京農業大学地域環境科学部 教授)、正木覚(環境デザイナー・まちなか緑化士養成講座講師)、吉谷桂子(ガーデンデザイナー)、本木一彦(東京都建設局公園緑地部長)、植村敦子(公益財団法人東京都公園協会 常務理事) 【コンテスト審査基準】丈夫で長生きする宿根草・球根植物(=多年草)を中心に季節ごとの植え替えをせず、季節の花が順繰りと咲かせられること/公園の景観と調和していること/公園利用者の関心が得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 11月の審査時期を迎えた5名の授賞ガーデンと一年の振り返りコメントをご紹介 コンテストガーデンA 【準グランプリ】Gathering of Bouquet 〜庭の花束〜 【審査員講評】 タイトル通り、花束のような素敵なガーデンでした。公園に溶け込んだ遠景は絵画的で美しく、近づいてみると、植物どうしが響き合って作る美しいシーンが随所に見られました。バイオネストはサステナブルな機能だけでなく、庭を特徴づける造形物としても効果的に働いていました。花壇の場所的に一部が松の木陰になってしまうハンディがありましたが、植物選択やメンテナンスの工夫でうまく対処されていました。厳しい夏を越えられなかった植物も見受けられましたが、春の華やかな景色は今なお強く印象に残っており、都会的で洗練された美しさが秋に至るまで展開されていました。多くの人々に楽しさや幸福感、季節の移ろいの喜びを与えてくれるガーデンでした。 開花期を迎えていた植物 サルビア‘ミスティックスパイヤーブルー’、アガスターシェ‘モレロ’、アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’、アネモネ・フペンシス‘パミナ’、ノコンギク‘夕映’、クジャクアスター‘紫八重’、ヘリオプシス‘ブリーティングハーツ’、カラミンサ、チョコレートコスモスほか 【今回の庭づくりを振り返って】 季節ごとの草丈・開花期・色彩の変化を踏まえつつ、視覚的な彩りと空間の広がりを備えた「庭の花束」を表現しました。限られた面積を鑑みて、小さな配植を丁寧に重ね、グラス類は緩やかに束ねることで、配植の繊細さを際立たせています。夏の開花量を抑える切り戻しを行い、植物の体力を温存させることで、秋まで開花期を延ばす工夫を実践。その結果アガスターシェ、ヘリオプシス、アネモネなどは再び蕾を上げ、秋の構成美においても重要な役割を果たしてくれました。また、子供から大人まで楽しめるように、目線の高さに配慮した多層的な花壇構成を目指しました。宿根草に柔らかな日陰を提供するバイオネストを中心に据えることで、植物の生育特性に応じた配置に多様性を生むことが出来たと考えています。その結果、ガーデン全体に奥行きが生まれ、来園者の視線や動線を自然に誘導してくれる花壇構成が実現しました。 ガーデンにバイオネストがもたらした機能と可能性が、新たな気づきとなりました。管理作業で発生した植物残渣はすべてここに収めることができ、廃棄物の削減と土壌循環の促進に貢献。また、景観要素としても機能し、冬は構造物としての存在感を、春以降は宿根草を始めとする草花の背景として視覚的なアクセントを担ってくれました。ナチュラリスティックな場の質を高めると同時に、来園者の興味を引く造形として、ガーデンに物語性を添える存在となってくれたことは思わぬ発見の1つです。 年間を通しての最大の成果は、ガーデンを介して来園者のまわりで生まれる交流です。植物単体の美しさだけではなく、風景としての調和を大切にしながら「このガーデンがみんなの記憶の中で輝きますように!」と想いを込めて管理に取り組みました。 コンテストガーデンB 【入賞】Circle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 【審査員講評】 イチゴやイチジクなど、自分の庭に取り入れたくなるカジュアルな提案がたくさん詰まった庭でした。見ているうちに「美味しそう!」と感じ、ガーデンの先にある家族の物語まで想像させてくれます。剪定枝で作った可愛いサークルネストなど、子どもと一緒に楽しめそうな工夫も魅力的です。植栽デザインは年間を通して全体の色合いが美しく、コーナーごとに設けられたテーマカラーをぐるりと一周しながら眺める楽しみがありました。特に秋には、黄・オレンジなど暖色系の構成から、目を転じるとアスターなどの寒色系へと色調が変化する眺めが絵画のようでした。季節ごとに多彩なシーンを提供してくれ、幅広い世代の来園者が訪れる砧公園という場所にふさわしい、元気をもらえるガーデンでした。 開花期を迎えていた植物 シュウメイギク‘雪ウサギ’、ヘリオプシス‘ブリーティングハーツ’、ルエリア、アスター‘リトルカーロウ’、クジャクアスター、ケイトウ、青花フジバカマほか 【今回の庭づくりを振り返って】 来園者の興味を引く野菜類やオジギソウなど、みんなのガーデンというテーマに沿った独自のチョイスができました。なかでもオジギソウはとても吸引力があり、子どもだけでなく大人も足を止めて楽しんでもらえていたと思います。また、テーマカラーで分けたりガーデン内でも見所を点在させたりすることで、どの角度からでも楽しめるガーデンになりました。 自分たちで考案した、メンテナンス時の発生材を利用したサークルネストは、生き物の拠り所になるだけでなく季節感の演出にも一役買いました。シンボリックな姿ですが植物の邪魔をせず、ガーデンともよくマッチしたと思います。一年という期間もあり、当初のアイデアの中にあった「たくさんの生きとし生けるものたち全てがやってきてくれる」、というところまで辿り着くことはできませんでしたが、今後も管理事業者によるメンテナンスが続いていくなかで、その姿に徐々に近づいていくことはできるだろうという手応えは感じることができました。 私達の住む世田谷の地の親しみある砧公園で、地域でつながった仲間たちとコンテストに挑戦し、ガーデンをつくり上げ、管理しながら見守ることができました。今後も地元を盛り立てたツールとして、このガーデンが区民の憩いの場になることを期待しています。ガーデンは人と植物だけではなく、人と人とのつながりを生み出すコンテンツ。メンテナンス中などに、来園者にガーデンの説明や見所、今後の楽しみなど、ガーデンの意図を直接伝えることの重要性に気づきました。 コンテストガーデンC 【グランプリ】Ladybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 【審査員講評】 「てんとう虫たちの食卓」というテーマがよく表現された庭でした。アブラムシを増やす植物をあえて入れてテントウムシを誘い、剪定した枝葉を作業通路に置いてナメクジなどを引き寄せ植物たちを守るなど、生態系を豊かにすることで庭も美しくするプランが成功しているようでした。プランツタグのQRコードで植物や虫たちを紹介する発信も素晴らしい取り組みです。広めに確保された作業通路が風の道となり植物が蒸れにくく、景観的にも奥行きや抜け感を生み、植物の表情をより豊かに演出していました。グラスの穂が風に揺れる姿は野原で遊んでいるような気持ちにさせ、多彩な植物たちが混み合うことなく絶妙に風を通しながら公園の風景に溶け込む様は、見るほどに引き込まれる美しい眺めでした。予測の難しい酷暑を越えた先に秋の自然な美しさが際立つことこそが、宿根草ガーデンの真骨頂だと気づかせてくれるガーデンでした。 開花(結実)期を迎えていた植物 アスター‘シロクジャク’、アスター・アンベラータス、アスター‘オクトーバースカイズ’、ガイラルディア‘グレープセンセーション’、シュウメイギク‘ハドスペンアバンダンス’、リアトリス・エレガンス、キヨスミシラヤマギク、アロニアほか 【今回の庭づくりを振り返って】 原生地で見られるような群落を意識し、季節──とくに春から初夏にかけて──の移ろいによって雰囲気が大きく変わるように植栽を構成しました。ネスト通路を挟んで各エリアがレイヤーをつくるよう工夫しており、立つ位置によって奥行きが生まれ、印象や見え方が変わったのではないかと思います。 テーマは「昆虫などの小さな生きもの」。そのため、越冬のための枝を敷いたり、春先にアブラムシがつきやすい“原種系チューリップ”を植えたりと、ガーデンの象徴となったテントウムシが早い時期から活動しやすい環境づくりを行いました。その結果、アブラムシなど特定の虫が過剰に増えることもなく、ガーデン全体の生態系をバランスよく保つことができたと感じています。 「バンカープランツ」の手法は予想以上に効果的で、初夏にアブラムシで真っ黒になるはずのヘメロカリスが、ほぼ無傷だったのには驚きました。今回もっとも食害が多かったのはマメコガネでしたが、コガネムシの幼虫に寄生するツチバチが多く飛来していたので、来年の変化が楽しみです。8月の時点で観察できた昆虫はおよそ120種類。ガーデンの存在が、砧公園の生態環境に少しでも寄与できたのではないかと感じています。 一年を通して華やかさを保ちながらローメンテナンスを目指すことは、やはり反比例の関係にあると実感しました。広大ではない1つのガーデンで“見どころ”とのバランスをとる難しさは、大きな学びになりました。 また、施工から約3年後に全体がよく馴染む景観になるよう意識してデザインしましたが、土壌改良(微生物・空気・水の流れを意識)を丁寧に行ったことで、一部の植物がまるで3年の風格をまとったかのように成長し、驚かされました。今後はその部分をさらに深めていけたらと思っています。 コンテストガーデンD 【入賞】KINUTA “One Health” Garden 【審査員講評】 微生物など土の中のことまでよく考えられたガーデンで、土壌改良のため取り入れた菌糸平板からツヤツヤのキノコが生えてきた様は、まるでアート作品のようにも感じられました。「土壌環境が豊かになることで植物本来の力が発揮され、豊かな景観や生態系に繋がる」という自身のコンセプトに真正面から取り組み、生物多様性の面では、実際に虫たちを多く呼び寄せることに成功していました。景観的に植物の高さのバランスに欠ける面もありましたが、できるだけ自然に任せたおおらかな景色とも言えます。メンテナンスの回数も少なく、持続可能な公園の庭づくりという点でも、今後のパフォーマンスに注目していきたいガーデンです。 開花期を迎えていた植物 アメジストセージ、ハギ、チェリーセージ、ハマギク、ブッドレアほか 【今回の庭づくりを振り返って】 子どもたちの遊び場であり、天気のよい日には老若男女が思い思いに過ごす場所。そんな“日常の延長にある公園”の中で、ガーデンを「眺める」「触れる」、時には「花や葉を持ち帰る」など、さまざまな行動を通して、人と人、生き物、植物、微生物が自然に交わる世界を表現したいと考えました。宿根草の花色や種類の配置、低木との高低差などを工夫することで、2つの花壇でありながら統一感と自然な広がりを両立した空間を表現することができました。それぞれの植物の特性を活かしながら、ナチュラルな景観を形成できたと感じています。また、「生き物との共生」をテーマの一つとして掲げ、普遍的なチョウやウグイスなどの小鳥だけでなく、オオセイボウといった珍しい昆虫も観察され、多くの来園者に楽しんでいただけました。 ガーデンは1年間を通してローメンテナンスで維持。刈り込みや枝の更新をしない剪定管理、季節ごとの補植をするのではなく、最初に植えた植物たちが育ちたいように育てました。 今回のコンテストに使用した原産地もバラバラで多種多様な植物たちは、限定的な植栽帯の中でコミュニティを作り生存競争をしています。昆虫や鳥などの生き物は上手くその空間にニッチを見つけて入り込みます。人はガーデンにより五感を刺激され、微生物を浴びることで、心身の本質的な健康を享受しています。この環境、ヒト、微生物の連関こそが“One Health”を体現しています。 さらに、イベントでの案内やメンテナンス、写真撮影などを通じて出会った方々には、「生態系のぬか床」といった取り組みも紹介し、微生物の世界にも関心を持っていただくことができました。私たちの目指す“One Health”の視点からガーデンを体感してもらえたのではないかと感じています。このメンバーで、“One Health”のガーデンを砧公園で提案できたことは、最大の成果だと思います。 コンテストガーデンE 【審査員特別賞】「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ 【審査員講評】 個性が際立つ植物を巧みに組み合わせ、まるでジャングルの中に入り込んだような感覚を味わえるガーデンでした。多種多様な植物を数多く使い、植物の可能性をとことん追及したカラフルでダイナミックな植栽デザインが特徴的で、その圧倒的な色彩の豊かさが多くの来園者の目を惹きつけていました。花壇の多角形を生かし、見る角度によって、構築的で造形的におもしろい植物、質感のバラエティ豊かな組み合わせ、多彩に変化する色合いなどを楽しめる点が印象的でした。遠くから見ても植物たちの存在感が力強く、厳しかった今夏を乗り越えた姿には感動を覚えます。写真を撮りたくなるシーンが随所に散りばめられ、見る人を自然と滞留させる魅力に富んだガーデンでした。 開花期を迎えていた植物 アネモネ・フペンシス‘パミナ’、カンナ‘ベンガルタイガー’、アスター‘ジンダイ’、アスクレピアス・チュベロサ、ルドベキア‘リトルヘンリー’、オキシペタラム・カエルレウム、ダリア‘ブラックナイト’、ルドベキア‘ブラックジャックゴールド’、サルビア・レウカンサ‘フェアピンク’ほか 【今回の庭づくりを振り返って】 この庭には、私自身にとっても初めての挑戦や試み、そして心からのメッセージをたくさん盛り込んでいます。単に「きれいで気持ちのよい場所」ではなく、「人に力や学び、芸術的な希望を与える場」を目指して、深い思索と実践を重ねた一年でした。ほかでは見られない多種多様で個性的な植物を組み合わせ、審査の時だけでなく常に美しい開花リレーを織り成し、絶え間なく、そして常に変化し続ける美しさを保つことができました。その風景の変化には、私が追い求めてきた“漸進的な生命の美”が宿っていました。世界中の植物を混沌と調和させながらも、日本の夏冬の気候を生き抜ける植物選び。オクラやミョウガなど、どこか懐かしい日本の「民家の庭」の情景へとつながる—そんな新しい都市生態系を示す試みでもありました。 経験値やバックグラウンドの異なるボランティアの方々と心を一つにすることも難しい課題でしたが、皆が庭を心から愛し、活き活きと動いてくださる姿に何度も胸を打たれました。ボランティアの方々と互いをリスペクトし合いながら、人間も植物も共に成長していくこのプロセスは、気候変動により、個人でガーデンを作ることがますます難しくなる現代において、とても心優しく美しい行為でもあり、人と人を結ぶ社会的・コミュニティ的な意義においても大きな希望を与える取り組みであると実感しました。 春、車イスでいらした方が、「私の庭を背景に写真を撮りたい」と車イスから立ち上がり歩いてくださったその時、植物と人との間に底知れないパワーが生まれているのを感じました。愛と思いやりをもって接すれば、植物にも人にも力が宿る。ガーデンは勝負ではない。庭を造る者の情熱や優しさ、心の美しさを映す鏡・器なのだと学びました。「あなたはその時ひとつの奇跡に気づくだろう。愛の報酬は愛であるということを」(リチャード・カールソン)
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樹木

金運アップの庭木⁉ 一年中青々とした姿が楽しめるクロガネモチの育て方と縁起がよいとされる理由
クロガネモチの基本情報 This_is_JiHun_Lee/Shutterstock.com 植物名:クロガネモチ学名:Ilex rotunda英名:Kurogane holly和名:クロガネモチ(黒鉄黐)その他の名前:フクラシバ、フクラモチなど科名:モチノキ科属名:モチノキ属原産地:日本(本州中部〜沖縄)、朝鮮半島南部、台湾、中国中南部、ベトナム形態:常緑性高木 クロガネモチはモチノキ科モチノキ属の常緑樹です。漢字で「黒鉄黐」と書き、学名はIlex rotunda。原産地は日本(本州中部〜沖縄)、朝鮮半島南部、台湾、中国中南部、ベトナムで、寒さにやや弱く、地植えにするなら関東以南〜沖縄の温暖な地域に向きます。常緑性で冬でもみずみずしい葉姿を保つのも魅力の1つで、半日陰の場所でも生育し、あまり手がかからず放任してもよく生育します。 クロガネモチの花や葉の特徴 shepherdsatellite/Shutterstock.com 園芸分類:庭木開花時期:5〜6月草丈・樹高:10~20m耐寒性:普通耐暑性:強い花色:淡紫~クリーム クロガネモチの樹高は約15mで高木に分類されていますが、毎年の剪定によって適した樹高にコントロールできます。雌雄異株なので、赤い実を観賞したい場合は雌木を購入しましょう。常緑なので、濃い緑の葉と灰白色の木肌のコントラストが一年中楽しめます。葉は長さ5〜8cmほどの楕円形で厚みがあり、表面は光沢があります。葉縁にギザギザはなく、葉柄は暗紫色をしています。 クロガネモチの開花期は5〜6月。花は淡い紫〜クリーム色で、直径4mmほどの小さな花が葉の脇に集まって咲きます。雌花は果実をつけ、11〜12月に赤く熟します。 クロガネモチの歴史と文化 uribowdesign/Shutterstock.com クロガネモチは強健で放任してもよく育つので、日本の庭園や街路樹などによく用いられてきた定番の樹種です。日本では寺院や公園などでもよく見かけることができ、密に茂るので防風・防火を目的に植栽されてきたことでも知られています。 クロガネモチは、「黒金持ち」とも読めること、「苦労がなく金持ち」の語呂合わせもあることから、商売繁盛や金運上昇の縁起植物として重宝されてきました。原産地の東アジア各国でも縁起のいい樹木として愛されています。 クロガネモチの名前の由来と花言葉 F_studio/Shutterstock.com クロガネモチという名前は、古語で「鉄」を意味する「くろがね(黒金)」に由来します。諸説ありますが、木質が堅いこと、葉柄が黒紫色であることなどにちなんで名付けられたとされています。 クロガネモチの花言葉は、「寛容」「耐える愛」「明るい未来」など。風水の面では金運アップや魔除けによいなどと評されています。 クロガネモチによく似た近縁の仲間 ソヨゴ tamu1500/Shutterstock.com モチノキ科の樹木で、クロガネモチと同じフクラシバという別名もあります。原産地は日本(関東以南)、中国、台湾で、日本の気候に馴染んでよく育ちます。常緑樹でサラサラとした質感の葉を持っています。5〜6月にあまり目立たない小さな白い花を咲かせ、10〜11月に赤い実をつけます。クロガネモチ同様に雌雄異株で、実姿を楽しめるのは雌木のみです。 キミノクロガネモチ クロガネモチの黄色い実をつける品種です。樹高は10mほどで、5月頃に開花します。 ナナミノキ Hank Asia/Shutterstock.com モチノキ科の常緑樹で、静岡県以西の本州、四国及び九州の山地に分布します。葉は長さ7~12cmで、先端が尖ります。クロガネモチによく似ていますが、葉縁にギザギザの鋸歯があるのが特徴です。雌雄異株で、6月頃に薄紫の小花が咲き、雌花の後には赤い実がつきます。 モチノキ tamu1500/Shutterstock.com モチノキ科の常緑樹で、日本庭園には欠かせない庭木。ただし、秋につく実はクロガネモチに比べるとややくすんだ朱色で数も少なめなことから、近年はクロガネモチの人気が高まっています。葉柄が黄緑色であること、葉先は突き出るものの丸みがあること、最大樹高が10m程度でクロガネモチよりも小さくなることなどの違いがあります。 クロガネモチの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜6月植え付け・植え替え:5〜6月肥料:2〜3月剪定:6月頃、9月頃種まき:3~4月 クロガネモチの栽培環境 shepherdsatellite/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所が最適です。半日陰の場所でも生育しますが、日照不足の場所では生育が悪くなります。 【日当たり/屋内】屋外の栽培が基本です。 【置き場所】水はけ・水もちがよく、腐植質に富んだふかふかとした土壌を好みます。寒風のあたる場所は避けたほうがよいでしょう。また年数がたつと大きくなり、根も成長するため、地植えの場合は建物に影響しない場所など、スペースを確保して植えましょう。 耐寒性・耐暑性 クロガネモチは温暖な気候を好むため寒さにはやや弱く、栽培適地は関東以西です。 クロガネモチの育て方のポイント 用土 funnyangel/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの2〜3週間前に直径、深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土、堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質などの水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込んで土壌改良し、土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり Afanasiev Andrii/Shutterstock.com 水やりの際は、木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。真夏は気温が高い昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。 【地植え】 植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。また、枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com 【地植え】 クロガネモチを地植えにした場合、肥料を与えるのに適したタイミングは、生育期に入る少し前の2月頃です。有機質肥料を株元から少し離れた周囲にまいて、クワかスコップで軽く耕して土に馴染ませます。雌木の果実を充実させたい場合は、リン酸分を多く含む肥料を使用するとよいでしょう。 【鉢植え】 鉢栽培しているクロガネモチには3月頃に緩効性肥料を株の周囲にまき、スコップで軽く表土を耕して土に馴染ませます。雌木の果実を充実させたい場合は、リン酸分を多く含む肥料を使用するとよいでしょう。 注意する病害虫 schankz/Shutterstock.com 【病気】 クロガネモチに発生しやすい病気は、すす病や斑点病などです。 すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気です。すす病にかかると表面につやがなくなり、病状が進むと黒いすすが全体を覆っていき、見た目が悪いだけでなく、光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因なので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば、剪定して日当たり、風通しをよくして管理します。 斑点病にかかりやすいのは主に4〜10月です。カビが原因で発生する病気で、20〜25℃の気温、かつ多湿な環境で発生しやすくなります。主に葉に発生し、最初は同心円状の班点が出始めて、多数の病班が広がると枯れてしまいます。下葉からだんだん上の葉へと広がっていくので注意。肥料の与えすぎに注意し、株と株同士の間が狭い場合や、茎葉が茂りすぎて鬱蒼とした状態などで発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理しましょう。発病した葉はただちに切り取って処分し、適用する薬剤を散布して様子を見ます。 【害虫】 クロガネモチに発生しやすい害虫は、アブラムシやカイガラムシなどです。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、枝葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。 クロガネモチの詳しい育て方 苗木の選び方 葉に艶があり、主幹がしっかりとしたものを選びます。雌雄異株なので、実を観賞したい場合は雌株を購入するよう注意しましょう。 植え付け・植え替え wavebreakmedia/Shutterstock.com クロガネモチの植え付け・植え替えの適期は5〜6月です。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗木の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。 クロガネモチを栽培適地で地植えにする分には、健全に育っていれば植え替える必要はありません。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に入れて仮置きして高さを決めまたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えましょう。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から木を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を整理して小さくし、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。 剪定 mihalec/Shutterstock.com クロガネモチの剪定の適期は6月頃か9月頃です。長く伸びすぎている枝、込み合っている部分の枝、枯れ込んでいる枝、地際近くから発生するひこばえを選んで切り取り、風通しをよくしましょう。 防寒対策 Anton Starikov/Shutterstock.com クロガネモチは寒さを苦手とするので、温暖地で地植えにしている場合でも、低い気温になると葉を落とすことがあります。強い寒波がやって来る時は、あらかじめ株元にマルチングをしたり、木が幼い時は全体を寒冷紗で覆ったりして防寒対策をしておきましょう。鉢植えの場合は、日当たりのよい軒下などに置いて冬越しさせます。 増やし方 Kunlanan Yarist/Shutterstock.com クロガネモチは、種まき、挿し木で増やすことができます。ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。 【種まき】 クロガネモチは11〜12月に果実をつけるので、採取して果肉を取り除いた後、流水できれいに洗い流します。湿らせた砂に混ぜて密閉できるポリ袋に入れ、春まで冷蔵庫で保存しておきましょう。 クロガネモチの種まき適期は越年後の3〜4月です。黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。クロガネモチの種子を黒ポットに数粒播いて軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。苗木として十分な大きさに育ったら定植しましょう。 【挿し木】 挿し木とは、枝を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し木ができないものもありますが、クロガネモチは挿し木で増やすことができます。 クロガネモチの挿し木の適期は、5〜6月です。その年にのびた新しい枝を10〜15cmの長さで切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を数枚切り取ります。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、ほどよく育ったら植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。 縁起のよいクロガネモチを育てて庭づくりを楽しもう zzz555zzz/Shutterstock.com クロガネモチは、名前の中に「金持ち」という言葉が入っていることから、金運がよくなる縁起植物として昔から人気を得てきました。一年を通してみずみずしい葉姿を保ち、晩秋につける赤い果実もかわいらしいので、ぜひ庭に取り入れてみてください。
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花と緑

「風信子」ってなんて読む? 正解できたらすごい難読植物名漢字クイズ【Let’s Try! 植物クイズ】Vol.23
身近な植物!「風信子」ってどんな植物? Fumeezz/Shutterstock.com 実際に育てていても、漢字で表記されると案外分からない植物も多いもの。普段呼んでいるのとは違う名前があったり、意外な漢字表記があったり、植物の漢字も面白いものです。 そんな植物の漢字表記の中から、身近な植物に関するものをクイズで出題! 今回のお題は「風信子」。あなたはこの漢字が表す植物が分かりますか? ヒント 春に香り豊かな星形の花をたくさん咲かせる球根植物。室内で楽しめる水栽培でもおなじみ。 正解は… ↓ ↓ ↓ ↓ ヒヤシンス(ふうしんし) Vera Prokhorova/Shutterstock.com ヒヤシンスの基本データ 学名:Hyacinthus orientalis科名:キジカクシ科属名:ヒヤシンス属原産地:ギリシャ、シリア、小アジア和名:フウシンシ(風信子、飛信子)別名:ヒアシンス、夜香蘭、ダッチヒアシンス、ニシキユリ(錦百合)など英名:hyacinth、garden hyacinth、Dutch hyacinth開花期:3~4月花色:白、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、複色形態:多年草(球根)草丈:約20cm 春を彩る球根花の中でも代表的な存在の1つ、ヒヤシンス。青やピンク、白、紫など色鮮やかな花は、かぐわしい香りを放ちます。まっすぐに伸ばした花茎に、星形の花がボリュームたっぷりにまとまって付く均整の取れた華やかな姿で、春花壇の彩りや鉢植えにぴったり。開花に必要な養分が球根内に蓄えられているので、初心者でも失敗なく栽培でき、室内で育てる水栽培にもおすすめです。快適な部屋で一足早く楽しめる開花と春の香り、そして水中に伸びる真っ白な根の美しさは、水栽培ならではの楽しみです。 ずっしりと重みがあり、傷がないのがよい球根選びのポイント。開花時の花色は、球根の表皮と同じ系統の色になるので、球根の色からおよその花色を判別することができます。 「風信子」の由来とは? Huy Thoai/Shutterstock.com ヒヤシンスは漢字では「風信子」と書き、風に乗って花の香りが遠くまで届く様子を表したものとされています。「飛信子」と書く場合もあり、これらの漢字は、江戸時代末期に渡来した際に当て字で表記されるようになったという説や、漢名に由来するという説があります。 「ヒヤシンス」という名前の由来になった、ギリシャ神話に登場する「ヒュアキントス」という美少年も有名ですね。太陽神アポロンと、西風の神ゼピュロスに愛されていたヒュアキントスは、アポロンと円盤投げで遊んでいるときに、やきもちを焼いたゼピュロスの起こした風によって円盤が当たって死んでしまいます。ヒュアキントスが流した血から咲いたのがヒヤシンスとされています。ちなみに、この神話に登場する「ヒヤシンス」は、現在のヒヤシンスだけでなく、アヤメ、グラジオラス、ヒエンソウなど、複数の植物が候補とされています。 クイズ一覧はこちら!
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公共ガーデン

都立公園を新たな花の魅力で彩る「第3回 東京パークガーデンアワード」都立砧公園【ファイナル審査を迎える11月の庭】
第3回コンテスト会場は「都立砧公園」 公園の正門や駐車場からコンテストガーデンを向かうと見えてくる「東京パークガーデンアワード」の開催を示す2カ所の看板が目印。11月上旬もコンテストガーデンの花に蜂や蝶がやってくる様子が見られました。 2022年に代々木公園から始まった「東京パークガーデンアワード」。第2回の神代植物公園に続き、3回目となる今回は、成城学園、二子玉川など閑静な住宅街からほど近い場所にある都立砧公園(東京都世田谷区)が舞台です。芝生の広場と樹林で構成されたファミリーパークのほか、運動施設や遊具などが設置された広場が整備され、区民みんなに親しまれている公園でコンテストが繰り広げられます。 東京都立砧公園は、芝生が青々とした「みんなのひろば」をはじめ、バラ園、サイクリングコース、‘子供の森’など多数のエリアがあり、秋にはイチョウなどの紅葉・黄葉が楽しめます。 第3回のテーマは「みんなのガーデン」 今回のコンテストエリアは、‘みんなのひろば’前に広がるスペース。これから育っていく5つのガーデンは公園を訪れる多くの人の目を楽しませてくれることでしょう。 天気のよい休日には、家族連れがお弁当を広げる光景もあちこちで見られ、地域の住民をはじめ、多くの人々に親しまれている砧公園。‘みんなのひろば’前で開催される「第3回 東京パークガーデンアワード」のコンテストテーマは『みんなのガーデン』です。「東京パークガーデンアワード」の目指す“持続可能なロングライフ・ローメンテナンス”であることはもちろん、訪れる人々の五感を刺激し、誰もが見ていて楽しいと感じる要素を取り入れたガーデンであることが求められます。植栽のメインとなる宿根草は、丈夫で長生きすることから、季節ごとの植え替えは行わず、四季ごとに花の彩りがあることも期待されています。 第3回のコンテストガーデン コンテストガーデンが設けられた敷地の平面図。A〜Eの各面積は約40㎡ 。どのエリアでガーデンを制作するかは、2024年10月に抽選により決定しました。 各コンテストガーデンは、高さ40cmの枠に囲まれた中に作られました。子どもたちの目線にも近い高さで、かがまなくても植物を身近に観賞できるのも今回の特徴です。11月の様子。 今回のガーデンでは、通路を挟んで対に設けられた2つ1組の花壇が5つ連なっています。隣接する‘みんなのひろば’や‘ねむのき広場’からコンテストエリア全体を眺めたり、花壇に挟まれた通路を歩きながら、左右に育つ植物を観賞したりするなど、さまざまな角度からガーデンを堪能することができます。 写真手前の北から奥の南に向けて、A・B・C・D・Eの順に花壇が並ぶ。11月の様子。 2024年12月に行われた第1回作庭。5つのガーデン制作に関わった皆さん。 【第3回 東京パークガーデンアワード in 砧公園 最終審査までのスケジュール】 コンテストに挑戦する5名の入賞者が1年を通してガーデン制作に挑む「東京パークガーデンアワード」。2024年12月中旬に、それぞれの区画で1回目の作庭が完了し、2025年2月下旬に2回目の作庭日が設けられています。その後、4月は春の見頃を迎えた観賞性を審査する『ショーアップ審査』、7月は梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査する『サステナブル審査』、11月は秋の見頃の観賞性と年間の管理状況を審査する『サステナブル審査』が行われ、グランプリが決定します。 以下、入賞者決定~審査結果発表までのスケジュール。 【審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心が得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること/メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。 第3回 東京パークガーデンアワードの入賞者によるオンライン座談会イベント 都立砧公園にて開催中の第3回コンテストガーデン入賞者5名によるオンライン座談会を2025年8月1日(金)15:30~17:00に開催しました。座談会では、入賞者それぞれの応募書類の紹介、植物の調達から造園、メンテナンスまで、参加したからこそ分かる”ナマ”の声をお届けしました。 Pick up 月々の植物の様子 11月の植物の様子 シュウメイギク‘パミナ’(Aエリア)、アスター‘パープルドーム’(Aエリア)、シュウメイギク‘雪ウサギ’(Bエリア)、アロニア(Cエリア) アスター‘シロクジャク’(Cエリア)、アメジストセージ(Dエリア)、アマランサス‘ホピレッドダイ’(Eエリア)、ダリア‘ブラックナイト’(Eエリア) 10月の植物の様子 サルビア‘ミスティックスパイヤーズブルー’(Aエリア)、アガスターシェ‘モレロ’(Aエリア)、ヒガンバナ(Bエリア)、ルエリア(Bエリア) アスター・アンベラータ(Cエリア)、シュウメイギク‘ハドスペン アバンダンス’(Cエリア)、ハギ(Dエリア)、アスター ‘ジンダイ’(Eエリア) 9月の植物の様子 アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’(Aエリア)、ユーパトリウム・コエレスティナム(Bエリア)、オジギソウ(Bエリア)、リアトリス・スカリオサ‘アルバ’(Cエリア) アロニア‘メラノカルバ’(Dエリア)、ヒルベリー(Dエリア)、ヒビスクス・コッキネウス(モミジアオイ)(Eエリア)、 オキシペタルム・カエルレウム(Eエリア) 8月の植物の様子 ヘリアンサス‘ブリーディングハーツ’(Aエリア)、カラミンサ‘ブルークラウド’(Aエリア)、コレオプシス‘ガーネット’(Bエリア)、ヘレニウム‘シエスタ’(Cエリア) エキナセア‘メローイエロー’(Cエリア)、モナルダ(Dエリア)、カンナ‘ベンガルタイガー’(Eエリア)、ルドベキア‘リトルヘンリー’(Eエリア) 7月の植物の様子 ユーパトリウム‘ベビージョー’(Aエリア)、ゲラニウム‘アズールラッシュ’(Aエリア)、ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’(Bエリア)、エキナセア‘ブラックベリートリュフ’(Bエリア) ヘメロカリス‘クリムゾンパイレーツ’(Cエリア)、オミナエシ(Dエリア)、ネリウム(=キョウチクトウ)’ペティットサーモン’(Eエリア)、エリンジウム・ユッキフォリウム(Eエリア) 6月の植物の様子 ルドベキア ‘フラメンコ・ブライトオレンジ’(Aエリア)、ムスクマロー‘ホワイトパーフェクション’(Bエリア)、リシマキア‘ミッドナイトサン’(Bエリア)、ブリザ・メディア(Cエリア) ユリ‘リーガルリリー’(Cエリア)、ウスベニアオイ(Dエリア)、アザミ(Dエリア)、ベロニカ・ロンギフォリア‘マリエッタ’(Eエリア) 5月の植物の様子 シラー‘ブルーアロー’(Aエリア)、オーニソガラム・アラビカム(Aエリア)、チャイブ(Bエリア)、ギリア・レプタンサ(Bエリア) カマッシア・クシッキー(Cエリア)、ビバーナム・ハリアナム(Cエリア)、パパベル・コムタツム‘レディーバード’(Eエリア)、エスコルチア ピンク(Eエリア) 4月の植物の様子 スイセン‘タリア’(Aエリア)、フロックス・ディバリカタ‘メイブリーズ’( Aエリア)、アジュガ‘ディキシーチップ’(Bエリア)、チューリップ‘エデュアルトペルガー’(Bエリア) 原種チューリップ・ヒルデ(Cエリア)、フリチラリア・インぺリアス‘オレンジビューティー’(Cエリア)、ベニバナマンサク(Dエリア)、ユーフォルビア・ウルフェニー(Eエリア) 3月の植物の様子 スイセン‘テータテート’(Aエリア)、ブラックローズリーフレタス(Bエリア)、原種系チューリップ‘アルバ コエルレア オクラータ’(Cエリア)、プルモナリア‘ダイアナ クレア’(Cエリア) ユーフォルビア・リギダ(ガーデンD)、アザレアツバキ(ガーデンD)、ナルキッスス ‘ペーパーホワイト’(ガーデンE)、クロッカス ‘アードジェンク’(ガーデンE) 2月の植物の様子 シラー・シベリカ‘アルバ’(Aエリア)、シラー・ミシュチェンコアナ(Aエリア)、日本スイセン(Bエリア)、イタリアンパセリ(Cエリア) ローズマリー(Dエリア)、カレックス・オメンシス‘エヴァリロ’(Dエリア)、ナルキッスス カンタブリクス モノフィルス(Eエリア)、コルヌス ‘ケッセルリンギィ’(Eエリア) 1月の植物の様子 左から/ロータス ‘ブリムストーン・ライムゴールド’(Aエリア)、ワイルドストロベリー ‘ゴールデンアレキサンドリア’(Bエリア)、コトネアスター(Bエリア)、エリンジウム パンダニフォリウム ‘フィジックパープル’(Cエリア) 左から/庭人さんのビオラ(Cエリア)、モンタナハイマツ(Dエリア)、アロエ ストリアツラ(Eエリア)、ユッカ ‘ゴールデンスウォード’ (Eエリア) 全国から選ばれた入賞者5名のガーデンコンセプトと月々の様子 コンテストのテーマとルールをふまえて制作される5つのガーデン。それぞれのガーデナーが目指す庭を、作者の制作意図や図面、植物リストの一部を紹介しながら、月々の様子を撮影した写真とともにお伝えします。 コンテストガーデンAGathering of Bouquet 〜庭の花束〜 【作品のテーマ・制作意図】 皆さんの日常に癒やしや潤いを届けたいという願いを込め、プランツ・ギャザリングの視点で、ガーデンをひとつの大きなブーケに見立ててデザインを構成しました。動物たちが次の訪問者のために心遣いを残していく絵本から着想を得て、あらゆる世代の方が見て触れて、香りなどを楽しめるように、花の形や手触りがおもしろいものを用いた植栽計画をしています。ぜひ手に取って、お気に入りの植物を見つけてください。たくさんの感動や気づきが新たな会話を生み、笑顔になるシーンが増えますように。 【主な植物リスト】 宿根草:エキナセア‘マグナススーペリア’/ペンステモン‘ストリクタス’/アガパンサス‘ピッチュンホワイト’/クラスペディア‘ゴールドスティック’/オルレア・グランディフローラ‘ホワイトレース’ などグラス類:ペニセタム・ビロサム‘銀狐’/メリニス‘サバンナ’/ホルデューム・ジュバタム/カラマグロスティス・ブラキトリカ など低木:コルヌス・ステラピンク/ビルベリー‘ローザスブラッシュ’/ニシキギ・コンパクター/コバノズイナ など球根:チューリップ‘フレーミングピューリシマ’/レウコジャム‘スノーフレーク’/アリウム‘グレイスフルビューティ’ など コンテストガーデンA 月々の変化 11月の様子 たくさんのグラス類と季節の草花が織りなすトーンに渋みが加わり、中央に配されたバイオネストと相まって、全体にワイルドな雰囲気が漂います。シュウメイギクやアガスターシェ、オミナエシといった秋の花々が、控えめながらも確かな彩りを添えています。カラミンサやロータスのふんわりと広がる草姿が、爽やかで軽やかな印象を演出しています。 上左/夏からずっと咲き続けているアガスターシェ‘ブルーフォーチュン’と9月中旬から開花し始めたシュウメイギク‘パミナ’。午後には日陰になる場所でこっくりとした花色を見せている。上右/黄葉のホスタ‘サムアンドサブスタンス’と光沢のあるケイトウの輝きが、シーンの明るいアクセントに。下左/オミナエシやエリンジウム‘ホワイトグリッター’のシードヘッドが野趣あふれるシーンを引き立てている。下右/繊細なグラス類やカラミンサ、ロータスが、爽やかな空気を感じさせている。 10月の様子 一時は花数が減ったガーデンも、秋の訪れとともに再びたくさんの花が咲き始めました。なかでも目を引くのは、ピンクや赤、オレンジなど鮮やかな色合いのケイトウの穂。そのつややかな光沢は、シュウメイギク、ホトトギス、アガスターシェなどの花々を一層あでやかに引き立て、ペニセタムやミューレンベルギアなどのグラスの穂とともに、秋のガーデンをにぎやかに彩っています。 上左/アガスターシェ‘モレロ’やサルビア‘ミスティックスパイヤーズブルー’などの草花の合間で、ピンクやアイボリーのケイトウが目を引くアクセントに。上右/オミナエシの群生が、コルヌス‘ステラピンク’の株元でひっそりと野趣を感じさせている。下左/直立する赤褐色のワレモコウとカーブを描くイトシマススキ、ふんわりやわらかい印象のカラミンサなど、バラエティに富んだフォルムで自然な風景を織り成して。下右/ミューレンベルギア・カピラリスやペニセタム・ビロサム‘銀狐’などのグラス類や、アガスターシェ‘ブルーフォーチュン’、ケイトウなど、彩り豊かな秋風を感じるワンシーン。 9月の様子 花壇のそばに植わるマツの木が、やわらかな木陰を落とすこのガーデンには、ほかのエリアよりもひと足早く、秋の気配が訪れています。花数はかなり減ったものの、アジサイ‘アナベル’の花がらやグラス類、さまざまなシードヘッドが、ダイナミックな造作のバイオネストに寄り添いながら、季節の移ろいを感じさせています。 上左/アジサイ‘アナベル’の丸い花がらや細いイトススキ、幅が広く長い葉のシランなど、さまざまなフォルムの植物が組み合わさって、花が無くても表情は豊か。一角では、アネモネ‘パミナ’のピンクのつぼみが膨らんできている。上右/夏に伸びきった枝葉がすっきりと剪定され、バイオネストがよく見えるようになった。一定方向に組まれた枝が、植栽に規則的な流れを生み出している。 下左/グラス類が風になびくさまが、秋を感じさせる。下右/ルドベキア‘リトルヘンリー’の控えめな花が、落ち着きを見せ始めたいまの季節にピッタリ。 8月の様子 7月に主役的存在だった淡い黄花のルドベキア‘フラメンコ・バニラ’は影を潜め始めました。 代わりに鮮やかな黄花のルドベキア‘ゴールドスターム’が咲き始め、先月から咲き続けているオレンジ花の‘フラメンコ・ブライトオレンジ’やアガスターシェ‘モレロ’とともに、鮮やかさと深みのある色彩を織り成しています。また、中央のバイオネストの傍らでは、小型の西洋フジバカマや、ユーパトリウム‘ベビージョー’が、グラス類とともにワイルドな趣を演出。ホトトギスやシュウメイギクなどの秋の植物も成長し始めています。 上左/盛夏もバイオネストがオーナメンタルな存在感を発揮。上右/ユーパトリウム‘ベビージョー’の群植が印象的。中左/赤(アガスターシェ‘モレロ’)×青(サルビア‘ミスティックスパイヤーズブルー’)×黄(ルドベキア‘ゴールドスターム’)のカラフルな花色の連なりが、夏らしさを強めている。中右/カラミンサのふんわりとした草姿が植栽に涼をもたらしている。下左/ルドベキア‘ゴールドスターム’やアガスターシェ‘ブルーフォーチューン’、グラスの爽やかなシーン。下右/アジサイ‘アナベル’やエキナセア‘サンシーカーズ レインボー’の花が色褪せ始め、ミスカンサスの穂がほんのりと秋の訪れを感じさせている。 7月の様子 ルドベキアにエキナセア、アガスターシェ、アスターなどの素朴な中に、華のある草花がメインとなり、この時季の彩りとなっています。その中で、アガパンサスとアジサイ‘アナベル’の白花が清涼感をプラス。ディスカンプシアやミスカンサス、ペニセタムなどのグラス類が花の間をつなぎ、この時季ならではの風景に一体感をもたらしています。 上左/ルドベキア ‘フラメンコ・バニラ’とアガパンサス‘エバーホワイト’の涼やかな組み合わせ。コンパクトなルドベキアを選んでいるので、抜群のまとまりに。上右/アガスターシェ‘モレロ’とアスター‘ロイヤルルビー’、ルドベキア ‘フラメンコ・ブライトオレンジ’の濃厚な花色の取り合わせが印象的なシーンを描いている。中左/素朴な雰囲気のエキナセア・マグナススーペリアとディスカンプシア‘ゴールドタウ’のフォルムのコントラストの妙が味わいを出している。中右/コルヌス‘ステラピンク’の白斑の葉とアジサイ‘アナベル’の白花が離れたところで呼応し、まとまり感をアップ。下左/バイオネストのダークカラーにアジサイ‘アナベル’の白さが際立ち、他の植物も美しく映える。下右/カレックス・エラータ‘オーレア’とヒューケラの葉の明るさがアクセントに。 6月の様子 この時季は、全体的にボリュームがありながらも、デザイン的に抑制が感じられる大人っぽい雰囲気の風景となりました。数種のグラス類に、少量の赤やオレンジ、青の花の存在感が見事に引き立てられています。ふわふわとした植物群の中で、アリウムの丸いつぼみやエリンジウム・プラナム‘ホワイトグリッター’の青花が描くドットが、心地よいアクセントとなっています。 上左/植物の茂みの奥で、鮮やかなオレンジ花のルドベキア ‘フラメンコ・ブライトオレンジ’が目を引き、視線を植栽の奥へと誘っている。上右/コルヌス‘ステラピンク’の斑入り葉やエリンジウム・プラナム‘ホワイトグリッター’の青みがかった株が見せる、幻想的なワンシーン。中左/花が少ないエリアで、赤花が落ち着いた彩りを添えているアガスターシェ‘モレロ’。中右/アガパンサス‘エバーサファイア’の濃いブルーの花が、風景に深みを与えて。下左/デスカンプシア・セスピトーサ ‘ゴールドタウ’が伸ばす繊細な穂が光を透過し、軽やかさときらめきをプラス。下右/アリウム・シュベルティのシードヘッドが、オブジェのような存在感を発揮。 5月の様子 たくさんの繊細な植物が風に揺られるさまは、花に満たされた野原のよう。全体的に白・ピンク・黄・青にまとめられた花色が、この時季ならではの軽やかでやさしい雰囲気を生み出しています。ナチュラルな景色の中に大小さまざまなアリウムが球状の花穂を上げ、特にアリウム・シュベルティが造形的なデザインを添えています。 上左/ホルデューム・ジュバタムのツヤのある穂がアクセントとなりながら、シーンの切り替えにも一役買っている。上右/オーニソガラム・アラビカムやダッチアイリス、アリウム‘シルバースプリング’などの球根類を、レースのような白花のオルラヤや紫のクナウティアがふわりと優しく繋いでいる。中左/ダッチアイリス ‘ブルーマジック’ の重量感とクナウティア・アルベンシスの浮遊感が対照的。中右/そばに植わるマツの木で日陰となるエリアは、ダッチアイリス ‘ブルーマジック’がキリッとしたアクセントに。下左/バプティシア・アウストラリスの量感が、シーンの見応えを高めている。下右/つぼみを下げるコバノズイナが野趣を漂わせて。 4月の様子 数種類のチューリップが、ピンク色を軸とした色合いで一斉に咲き始めました。黄色が混ざった小ぶりの花‘ガボタ’がピリリとスパイスを効かせています。周りにはオルラヤやグラス類がふわふわとした草姿で合間を埋めつくし、まさに『ギャザリング=花束』の雰囲気が表現され始めました。 上左/前面を彩っているチューリップ‘パープルエレガンス’と‘ガボタ’。圧倒するようなボリュームで訪れた人を出迎えている。上右/チューリップ‘ガボタ’に寄り添い咲くのは、ナチュラルな雰囲気のブーケに近年よく使われているナズナ(タラスピ・オファリム)。中左/松の枝でやや日陰気味になるコーナーはオルラヤがメイン。中右/後方は明るいピンクのチューリップ‘フレーミングピューリシマ’が賑やかさをアップ。下左/アリウムの隆々とした葉が植栽に立体感をもたらして。下右/下方を軽やかに埋めているフロックス・ディバリカタ‘メイブリーズ’。チューリップ‘ガボタ’とのコントラストが素敵。 3月の様子 2月から東側のガーデンの一角で咲き始めたシラー・ミシュチェンコアナが、黄色いスイセン‘テータテート’とともに、ガーデンのあちらこちらで咲き始めました。また、対の花壇それぞれに一株ずつ植わるユキヤナギが咲き始め、植栽に立体感が出始めています。 左上/林の中の一角を切り取ったような、自然味あふれるシーン。右上/早い時点から勢いよく葉を伸ばす、瑞々しいアリウムが植栽にインパクトを与えている。左下/奔放に枝を広げるユキヤナギがデザインに動きを出している。右下/あちらこちらから顔を出すシラー・ミシュチェンコアナ。先月より花穂が伸びて存在感が増している。 2月の様子 全体的に楚々とした植物で構成されているナチュラルなガーデン。枯れた花茎を残し、頭上から落ちるたくさんのマツの葉を味方につけることで、優しい野の趣が見事に表現されています。白花の2種の球根植物が、いち早く咲き始めました。 左上/クジャクアスターなどの株間で、ひっそりと白い花を咲かせているシラー・ミシュチェンコアナ。草丈2cmにも満たない極小の球根植物。 右上/清楚な彩りを添えるシラー・シベリカ‘アルバ’。原種ならではの繊細さが、ここにはよく似合う。 左下/マツ葉の布団の下から、いくつもの球根が一斉に芽吹き始めて。 右下/1月まで咲いていたアガスターシェ‘モレロ’の立ち枯れの姿が、野趣あふれるシーンを描いている。 1月の様子 2つの花壇の中央に据えられたバイオネストは、線の細い枝で組まれているので、まだ小さく幼い植物ともよく馴染み、オブジェのような存在感を放っています。昨年からちらほらと咲いている名残の花が、高さ20cm程に芽を成長させた球根とともに冬の庭に明るさをプラス。ガーデンの上に伸びるマツから落ちる影ともよく似合い、植栽をより自然な風景に見せています。 左上/クジャクアスターやアガスターシェ‘モレロ’の残花の彩りが、冷たい空気を温めているよう。 右上/ロゼット状に広がるアキレア‘カシス’の株の合間に、球根の芽がひょっこりと顔を出して。 左下/ビルベリー‘ローザスブラッシュ’の赤褐色の照り葉が、冬の光をきらきらと反射。 右下/成長を牽引するかのように球根類の芽が勢いよく伸びて、リズミカルで楽しげ。 12月の様子 コンテストガーデンA Gathering of Bouquet 〜庭の花束〜 12月下旬、作庭後の様子。 コンテストガーデンBCircle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 【作品のテーマ・制作意図】 季節によってカラーリングが変化する植物や、実をつけて味わい深い風景を作ってくれる植物に集まる多様な生き物たち。そして各所に配置したサークルネストはそんな生き物たちの拠り所に。命の循環というキーワードをもとに植物だけではなく生きとし生けるものたちの集まる「庭」をテーマにデザインしました。人間だけに限らず、あらゆる生き物たち「みんな」にとっても楽しめる「命を感じられるガーデン」は「みんなのにわ」となり、命を循環させてゆきます。 【主な植物リスト】 宿根草:バプティシア‘ブルーベリーサンデー’/アガスターシェ‘ゴールデンジュビリー’ /糸葉丁子草/スタキス・オフィシナリス などグラス類:カレックス‘プレーリーファイア’/メリニス‘サバンナ’/ぺニセタム・オリエンターレ など低木:ブルーベリー/イチジク/紫式部 など球根:アリウム各種/チューリップ各種 など コンテストガーデンB 月々の変化 11月の様子 多種多様な秋の花々とグラス類が自由に広がり、混ざり合いながら一体となって、この季節ならではの庭の表情を生み出しています。高低差を活かした植栽は、いまもなおガーデンに豊かな表情を与えています。4つに色分けされたガーデンでは、そのテーマカラーに沿った花々が咲き続け、訪れるたびに新たな発見がある、飽きのこない風景が楽しめます。 上左/爽やかな青花のアスター‘リトルカーロウ’と斑入りのムラサキシキブが交じり合う、見応えのあるコーナー。上右/ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’のオレンジ花と糸ススキ‘モーニングライト’の華奢な穂が秋のぬくもりを感じさせる。下左/茂みの隙間の向こうで、陽の光を透過したグラス類が輝いて見える。下右/銅葉×シルバーリーフが広がるシックなエリアに、シュウメイギク‘雪ウサギ’と白花細弁のクジャクアスターが加わり、透明感と明るさを添えている。 10月の様子 にぎやかだったガーデンは、葉の色が少しずつ落ち着きを見せ始め、ナチュラルで愛らしい雰囲気と、シックで大人っぽい趣が混在する秋らしい風景へと変化しています。ひときわ目を引くのは、種子から育ったオジギソウの花と、静かな存在感を放つ白花のヒガンバナ。趣の異なるさまざまな草花が見事に共存し、多種多様なリーフ類とともに豊かな表情を見せています。 上左/パトリニア・プンクティフローラのライムグリーンの花後の穂がダイナミックに広がり、斑入りのニューサイランやヘリアンサス‘ブリーディングハーツ’とともに見応えのあるコーナーを演出。上右/ピンクのポンポン型の小花が愛らしいオジギソウと、ロータス‘ブリムストーン’のやわらかな緑が、ガーデンの縁をふんわりカバー。下左/ヒガンバナ(白花)とシュウメイギク‘雪ウサギ’が清楚で上品な印象。傍らでルエリアの紫色の花がほどよいアクセントに。下右/銅葉のニューサイランのまわりを、濃ピンクのケイトウやユーパトリウム’マスク‘の立ち枯れが囲み、シックな色彩に。 9月の様子 真夏の勢いを多分に残しながらも秋の気配を感じさせる、生命力あふれるガーデンです。オレンジや黄色のビタミンカラーの花々が、白い穂を出すグラス類とともに、初秋の日差しをまぶしく反射しています。春に種まきされたオジギソウの株が、花壇の縁で勢いよく生育中。 上左/ルドベキアやバーベナ、パトリニア・プンクティフローラの群生からユニークに飛び出すペニセタム・マクロウルム‘テールフェザーズ’が、植栽に躍動感をもたらして。上右/ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’やルドベキア‘ブラックジャックゴールド’のホットな色彩が、秋の陽光に照らされたカレックスとともに、落ち着きと温かみを演出。下左/ムラサキシキブの斑入り葉が植栽のトーンを抑え、メリハリを与えている。下右/ユーパトリウム‘マスク’が、アメリカテマリシモツケ‘サマーワイン’とともに勢いよく伸びている。ペニセタム・オリエンターレの白い穂とのコントラストも面白い。 8月の様子 親しみを感じさせてきたナチュラルなガーデンは、濃厚な色彩の大人っぽい雰囲気に変わり始めました。ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’とルドベキア‘ゴールドスターム’の赤花×黄花がつくる波が、この時期のガーデンの印象を強めています。また、ニンジンについたキアゲハの幼虫が旺盛に葉を食べており、数週間後にはたくさんのアゲハ蝶がここから旅立ちそうです。 上左/ホットな印象を与えるヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’やルドベキア‘ゴールドスターム’が、淡く素朴な花を咲かせるパトリニア・プンクティフローラと対比的な風景を創り出す。上右/ムラサキシキブの斑入り葉とコトネアスターのシルバーリーフが植栽にアクセントを添えている。中左/先月に引き続き咲き群れる白花の群れに、メリニス‘サバンナ’の白い穂が加わり、移りゆく季節を感じさせる。中右/アキレア‘ラブパレード’やコレオプシス‘ガーネット’の奥にもペニセタム・オリエンターレが加わり、装飾的な雰囲気を醸し出す。下左/ワインレッドの深みがぐっと増しているレッドコーナー。下右/ペニセタム・マクロウルム‘テールフェザーズ’の直立した細長い穂が、ガーデンの中心でユニークに揺れている。 7月の様子 強烈な存在感で人目を引いているのは、大輪の純白のユリ、オリエンタルリリー・プロポーザル。2つのガーデンの中央部でたくさんの花を咲かる姿は圧巻です。続けて印象的なのが、オリエンタルリリー・プロポーザルの手前に広がるシャスタデージーとムスクマロー‘ホワイトパーフェクション’が広がるホワイトエリア。ユリとともに、周囲の赤やピンク、黄色の花の鮮やかさを引き立てています。 上左/ユーパトリウム‘マスク’やアンジェリカ・ギガス、エキナセア・テネシーエンシス、エキナセア‘ブラックベリートリュフ’で魅せるレッドエリア。上右/シャスタデージーとムスクマロー‘ホワイトパーフェクション’が広がるホワイトエリア。中左/ヘリオプシス‘ブリーディングハーツ’の赤花とアキレア‘テラコッタ’の黄花、ブロッコリーのブルーグレーの葉、ワイルドストロベリー‘ゴールデンアレキサンドリア’の組み合わせが印象的。中右/スタキス・オフィシナリスとアリウム‘ミレニアム’、バーベナ‘バンプトン’のピンクの花に、ペニセタム・ビロサムがやさしく寄り添って。下左/オリエンタルリリー・プロポーザルの周りにバーベナ・ボナリエンシスやバレリアナ・オフィシナリスがワイルドに丈を伸ばしている。下右/ブルーベリーの実がおいしそうに色づいてきた。 6月の様子 色分けした各ゾーンがいずれもボリュームが出て、見応え満点の風景となりました。春はオレンジや黄、ピンクの花で、カラフルで楽しげな雰囲気でしたが、初夏になると黄×銅葉、白花と黒花など、シックで大人っぽい色合わせに変化しています。一角では、種子から育ったブロッコリーやニンジンが発芽して育ち、傍らではネジバナも咲くなど、のどかなシーンを展開。ガーデン内にはカナヘビも棲みついているようです。 上左/アリウム‘パープルセンセーション‘や斑入りのムラサキシキブのシックな植栽に、アキレア・クリペオラータがピリリとスパイスを効かせている。上右/ワイルドストロベリー‘ゴールデンアレキサンドリア’の黄緑葉とヘリオプシス’ブリーティングハーツ’の銅葉、ブロッコリー‘スティックセニョール’のブルーグレーがかった葉で魅せる、重厚な雰囲気が漂うコーナー。中左/ピンク花のスタキス・オフィシナリスと終わりかけのアリウム‘クリストフィー’の造形的な対比がユニーク。中右/シャスタデイジーやホタルブクロの白花と、アジュガ‘バニラチップ’やムラサキシキブの斑入り葉を組み合わせた、涼やかなエリア。下左/白花のサンギソルバテヌイフォリアアルバ、黒花のスカビオサ‘エースオブスペード’など草丈のあるもので構成された、シックでワイルドなエリア。下右/ニューサイランとサニーレタスの銅葉がガーデンの印象を引き締めている。 5月の様子 2月末に植えたサニーレタスがこんもりと茂り、種子を筋まきした一角ではニンジンが芽を出し、イチゴも赤く育ち始め、実りある景色が楽しめるようになりました、この庭のコンセプトである‘命の育み’が強く表現されはじめています。一方、アリウムが咲き群れるエリアには、シックで大人っぽい雰囲気が漂うなど、眺める角度によって楽しめるシーンが大きく異なっています。 上左・上右/ギリア・レプタンサ×アリウム‘パープルセンセーション’の花が宙を浮いているように咲いていて幻想的な雰囲気。中左/2種のアリウム、スティビタツム‘ホワイトジャンアントとクリストフィー。異なる色形・高さでリズミカルに競演。中右/アキレア‘テラコッタ’の銀葉とリシマキア‘ファイヤークラッカー’の銅葉の組み合わせが、シックなアクセントを添えている。下左/サニーレタスを軸に赤褐色がにじむ植物でまとめられたエリア。下右/チャイブや実をつけるワイルドストロベリーがのどかな時間を演出。 4月の様子 西側のガーデンではピンクのチューリップの開花の盛りが過ぎ、東側のガーデンのオレンジ×黄のチューリップにバトンタッチしました。温かみのある色鮮やかな組み合わせが遠くからでも目を引き、心浮き立つ風景が広がっています。中央に植わるブルーベリーの開花がピークを迎え、収穫期の楽しい風景が待ち遠しいガーデンです。 上左/チューリップ‘バレリーナ’とスイセン‘フォーチューン’の元気が出る色合わせ。上右/こんもりと茂るギリア‘レプタンサブルー’の群生の中にチューリップ‘エデュアルトペルガー’が大人っぽいアクセントを加えている。中左/アジュガ‘ブロックスカップ’が広がる傍らで、ポツンポツンと咲くムスカリ・ラティフォリウム。中右/ピンクのチューリップ‘フレーミングピューリシマ’の株元でワレモコウのやわらかい新葉が無数に上がっている。下左/コーナーを彩る矮性のチューリップ‘ポップコーン’。 訪れた人を華やかに出迎えているよう。下右/イチゴと原種のチューリップ・ヒルデの素朴な愛らしさを漂わせるワンシーン。 3月の様子 モコモコとしたバークのマルチングの中からさまざまな小球根が芽を出し、ちらほらと花を咲かせ始めました。先月から開花し始めたニホンスイセンは花数が増え、植栽にやさしい華やぎをもたらしています。ガーデンの手前の方では、シラー・シベリカ‘アルバ’やピンクやブルーのムスカリの愛らしい姿が見られるようになりました。 左上/素朴な風情あふれる植栽にニホンスイセンがよく似合っている。右上/2月下旬に植えられたダークカラーのレタス。茶色いカレックスをクッションにして、ワイルドストロベリー‘ゴールデンアレキサンドリア’との色の対比を効かせている。左下/花壇の縁でひょっこり顔を出すムスカリ‘ピンクサンライズ’。右下/イチゴの株の中から花を上げるムスカリ・アズレウム。 2月の様子 やわらかい新葉を芽吹かせる宿根草のグリーンが、冬の日差しにまぶしく輝き、春の訪れを感じさせています。一番乗りでスイセンが咲き始めましたが、その他にもたくさんの球根類が芽を出し始め、のどかな風景が広がっています。 左上/大株のユンカス・ブルーアローがまだ寂しい植栽にボリューム感を与えている。 右上/日本スイセンが開花し始め、ほんのりと華やぎ始めた。 左下/繊細な細葉を上げるアリウム・レッドモヒカンなどの球根類の芽吹き。 右下/青みがかったルー(ヘンルーダ)の葉が、イエロートーンの植栽のアクセントになっている。 1月の様子 ふかふかとした明るい色のマルチングの中に、瑞々しくやわらかい草花の株が点在する様子は、まさに春遠からじといった風景。やわらかい葉のグラス類が風を受けて花壇に動きを感じさせています。グリーンを残すギリア ‘レプタンサブルー’やシシリンチウム ‘ストリアタム’や黄葉のワイルドストロベリー ‘ゴールデンアレキサンドリア’が表土に明るさをもたらしています。S字状の溝部分に入れたトチノキの実やその殻が愛らしく、花壇の中にストーリーを感じさせます。 左上/ギリア‘レプタンサブルー’やシシリンチウム ‘ストリアタム’の明るいグリーンが、花壇に瑞々しい景観を作り出している。 右上/数カ所に設けたサークルネストが、愛らしい鳥の巣を思わせる。左下/冬の陽光に黄金色に輝く、黄葉のワイルドストロベリー ‘ゴールデンアレキサンドリア’とブラウンがかったカレックス ‘プレイリーファイアー’の取り合わせが美しい。 右下/赤い実をつけるコトネアスターのシルエットがユニーク。 12月の様子 コンテストガーデンB Circle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜 12月下旬、作庭後の様子。 コンテストガーデンCLadybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 【作品のテーマ・制作意図】 砧公園で暮らす「小さな住人(虫たち)」がこのガーデンを訪れて住みやすいように生態系を意識した植栽のデザインをしています。植栽は、見る場所や角度によって印象が変わるように、カマキリなどの天敵が身を潜められるような複雑さが出るよう工夫しました。植物は、てんとう虫やカマキリの食料となるアブラムシなどが好む「バンカープランツ」や蝶やミツバチたちの蜜源となる植物を植えています。「小さな住人(虫たち)」の生活をそっとのぞき見ることができる場所を目指しています。ここでの小さな体験が、自分の身近な自然環境を考えるきっかけになってもらえたら嬉しいです。 【主な植物リスト】 バンカープランツ:へメロカリス/ユウスゲ/イタリアンパセリ など宿根草:モナルダ‘ブラドブリアナ’/エキナセア‘メローイエロー’/アスター‘オクトーバースカイ’ などグラス類:スキザキリウム‘ハハトンカ’/ぺニセタム・カシアン/パニカム‘シェナンドア’ など低木:キンカン/アロニア/コバノズイナ など球根:ダッチアイリス‘ブルーマジック’/カマシア/カノコユリ‘ブラックビューティー’ など コンテストガーデンC 月々の変化 11月の様子 中央部ではスキザキリウムが一面に穂を立ち上げ、どこまでも続くような荒涼とした風景を思わせます。視線を移すと、アスターの花が豊かに咲き群れ、景色の趣が一変するのも見どころ。グラス類やシードヘッド、名残の花々が織りなす絶妙なバランスが、秋ならではのしみじみとした情趣を美しく表現しています。 上左/スギザキリウム‘ハハトンカ’の細長い穂の赤みが増し、ガイラルディア‘グレープセンセーション’やシュウメイギク‘ハドスペンアバンダンス’とともに、ピンクがかった柔らかな風景を見せて。上右/赤い実をつけるアロニアや花後のリアトリス・エレガンス、アスター・アンベラータスが野趣に富んだシーンを織りなしている。下左/アスター‘シロクジャク’やペニセタム‘カシアン’がのびやかに広がりワイルド。下右/アスター‘オクトーバースカイズ’が花壇の縁からあふれ出るように咲く姿は、遠目からも楽しめる。 10月の様子 多様なグラス類が一面に花穂を伸ばし、吹き渡る秋風と競演するように、情趣あふれるガーデンが広がっています。自然の風景を切り取ってそのまま据えたような佇まいは、この時季も健在。先月から咲いているガイラルディア‘グレープセンセーション’に加え、シュウメイギクやリアトリス‘エレガント’のピンクの花も咲き始め、ふわりふわりとグラスに寄り添いながら、落ち着いた彩りを添えています。植栽のあちらこちらでは、カマキリの姿も楽しめます。 上左/ガイラルディア‘グレープセンセーション’、シュウメイギク‘ハドスペンアバンダンス’が静かな風景にやさしい彩りをプラス。上右/草丈の低いアシズリノジギクのシルバーリーフとフウチソウの明るい緑葉が美しく広がる、安定感抜群のエリア。下左/アジサイ‘アナベル’のドライの花がつなぐ、ぺニセタム‘カシアン’×パニカム‘シェナンドラ’のたわむれ。下右/春にチューリップが咲いていたエリアには、赤みを帯びたスキザキリウム‘スタンディングオベーション’が静かに群生。 9月の様子 先月に続き、自然の風合いや趣が楽しめるガーデンです。この時期ひときわ目を引くのは、ぺニセタムやカラマグロスティスのグラス類。どこまでも広がる草原の風景を思わせるような群生が、残暑の厳しいこの季節に、爽やかな空気を運んでくれています。 上左/先月から花壇の中央付近に広がるスキザキリウム‘ハハトンカ’が一段と草丈を伸ばし、ワイルドな魅力が増してきた。上右/カノコユリのタネが大きく膨らみ、にぎやかだった夏の風景を思い出させるような、ノスタルジックな雰囲気を漂わせている。下左/花壇全体を高台から見守るように丈を伸ばしているのは、キンカンやカラマグロスティス‘カールフォスター’。下右/花穂が乾いたユーパトリウム‘マスク’の株元で、にぎやかな黄花を咲かせているのはルドベキア‘ゴールドスターム’。 8月の様子 花数が減り、リーフで魅せる時期となりました。さまざまな色形のグラスが穂を上げ、花後の株とともに、葉の魅力を生き生きと見せています。キンカンの奥にあたる西側エリアは、開花するルドベキア‘ゴールドスターム’とヘレニウム‘シエスタ’の群生が広がり、にぎやかな雰囲気が楽しめる一角になっています。 上左/ガーデンの縁から溢れんばかりのぺニセタム‘カシアン’のダイナミックな穂が、訪れる人々を出迎える。上右/先月、モナルダやアリウムが咲き群れた花壇の中心部では、スキザキリウム‘ハハトンカ’のブルーグリーンの細い葉が風に揺れる美しい姿を見せている。中左/ペニセタム‘カシアン’と反対側の角に植わるモリニア‘エディスダッチェス’の繊細な穂が、キンカンと宿根草をうまくつなぎながら、野趣のあるエリアを作っている。中右/ホスタ‘オーガストムーン’の花後の花茎が、ライムグリーンの葉とともに、さりげないアクセントになっている。下左/ユーパトリウム‘ベビージョー’やカラマグロスティス‘カールフォスター’、ペニセタム‘カシアン’が風に揺れる野趣あふれるワンシーン。下右/キンカンとカラマグロスティス‘カールフォスター’の向こうに広がるエキナセア‘メローイエロー’やルドベキア‘ゴールドスターム’、ヘレニウム‘シエスタ’がにぎやかに花色を添えている。 7月の様子 中央に横たわる谷筋の両側に生き生きと広がる植栽は、どこか高原のワンシーンを想起させる野性味あふれる雰囲気。小川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえてくるよう。ガーデン内に植わる2種類のヘメロカリス。通常アブラムシだらけになりがちな花のつぼみに、まったく姿が見られないのは、テントウムシが食べてくれたから。植物が力強く育っている健康的なガーデンです。 上左/ぺニセタム‘カシアン’の白緑に輝く穂や紫ピンクのモナルダの群生が爽やかな風を感じさせている。上右/アジサイ‘アナベル ピンク’やホスタ、アスチルベ・タゲッティ‘スペルマ’のピンクがやさしい雰囲気。中左/ユーパトリウム・マスクとユーパトリウム‘ベイビージョー’やカラマグロスティス‘カールフォスター’、カマツカがワイルドに広がる谷間に咲くのは、ヘメロカリス‘クリムゾンパイレーツ’の朱色の花。ひっそりとした佇まいが目にとまる。中右/アリウム‘ミレニアム’とエキナセア‘メローイエロー’の丈の低い群植とエリンジウム・ユッキフォリウムやカラマグロスティス‘カールフォスター’の草丈の差がメリハリを生んで。下左/カシワバアジサイ‘ルビースリッパー’の赤みが差した花がナチュラルな彩りを加えている。下右/明るいアクセントをもたらすホスタ‘オーガストムーン’を軸にした、野趣にあふれるエリア。カンパニュラ‘アメリカーナ’の青い花穂が爽やか。 6月の様子 先月まで咲き誇っていたアリウム‘マイアミ’の花が終わり、茶色い枯れ穂がユニークな風景を描いています。ナチュラルなガーデンだけに、カシワバアジサイやユリ‘リーガルリリー’の白い花の豪華さが際立ち、アクセントになっています。また、庭のあちらこちらで、テントウムシの幼虫がたくさん見られるようになりました。これは、冬の内にテントウムシが棲みやすい状態に整えていたことと、バンカープランツとしての原種系チューリップやイタリアンパセリを植えたからこそ。まさにこのガーデンは、テントウムシたちの食卓となっています。 上左/アリウム’マイアミ‘の株元を、モナルダ‘ブラドブリアナ’やピンクのモナルダがカバー。上右/コバノズイナ‘ヘンリーズガーネット’が白花を咲かせる穂を下げ、ホスタ‘ファーストブラッシュ’などと共に、瑞々しいシーンを描いている。中左/カシワバアジサイ‘ルビースリッパーズ’の大きな穂が目を引き、植栽の見応えをアップ。 中右/ユリ‘リーガルリリー’が堂々と咲いて華やかな雰囲気。下左/サルビア・カラドンナの群生と数本のアロニアで作る野趣の漂うワンシーン。下右/ホスタ‘オーガストーム’や原種のジギタリス・ルテアなどがグリーンの美しいグラデーションを見せている。 5月の様子 先月開花したフリチラリア‘オレンジビューティー’の株元で静かに待機していたアリウム‘マイアミ’が一斉に開花。落ち着いた色形の品種が選ばれていることで、デザイン的な風景にまとまっています。東側のガーデンでは先月末まで咲いていたカマッシアが終わり、ダッチアイリス‘ブルーマジック’にバトンタッチ。西側のガーデンでは主役が原種チューリップからアリウム‘カメレオン’に移り変わりました。無数にあがる花後のカマッシアが、野趣を強く漂わせています。 上左/太くしっかり伸びた花茎に小さめな花が咲くアリウム‘マイアミ’。無数の花が整然と並ぶ風景は、まるでインスタレーション作品のよう。上右/ダッチアイリス‘ブルーマジック’の背後に伸びるカマッシア・ライトヒトリニ‘カエルレア’の花後の姿にも風情が。中左/谷筋にカマッシア‘クシッキー’やソテツ、ユリがワイルドに広がる。中右/原種チューリップの花後の莢のまわりに広がるのは、コンパクトな草丈のアリウム‘カメレオン’。下左/肉厚で赤い葉脈を持つホスタ‘ファーストブラッシュ’の葉が地際に広がりデザインを引き締めている。下右/プルモナリア‘ダイアナクレア’×ツワブキ×メリカ・ヌタンスと、異なる色形のリーフを組み合わせているエリア。 4月の様子 ビオラ中心の素朴だった風景に、オレンジのフリチラリアや純白のスイセンが開花し、華やかさとボリュームが加わりました。静かに眠っていたガーデンの‘目覚め’が強く感じられます。花壇の縁や通路沿いでは小さなスミレや原種のチューリップ、プルモナリアが開花。コンパクトな株姿が斜面に植わる様子はまるでヨーロッパの自生地のようです。 上左/フリチラリア・インぺリアス‘オレンジビューティー’×アリウムの葉が、動きのあるユニークな風景を創り出す。上右/プルモナリア‘ダイアナクレア’とスイセン‘タリア’の色合わせが上品な雰囲気の一角。中左/小さなビオラ・ラブラドリカとグラスのメリカ・ヌタンスの華奢な組み合わせが、眺める人の視点をぐっと寄せつけている。中右/春の日差しを愛らしく反射する、原種のチューリップ・トルケスタニカとヒルデの群落エリア。下左/エピデディウム‘ピンクエルフ’とビオラが描く、野趣に富んだ風景。下右/アシズリノジギクの上にゲラニウム・ツベロサムが咲くまでは、スイセン‘タリア’が華やぎをもたらしているエリア。 3月の様子 2月下旬の作業でビオラと数種類の苗が加わったことで、宿根草や球根の花が咲くまでのガーデンは、よりにぎやかになりました。ビオラは楚々としながらもニュアンスのある品種を用いているので、デザインに深みを感じさせます。植栽の中をよく見ると、チューリップやアイリスが広がる中で、勢いよくフリチラリア‘オレンジビューティー’の新芽が上がり始めました。 左上/パープルのビオラが広がるエリアで、フリチラリア‘オレンジビューティー’がニョキリと芽を伸ばし始めた。右上/東側のガーデンの一角でひっそりと咲くプルモナリア‘ダイアナ クレア’。左下/ダッチアイリスの群植がユニークな景色を作る。右下/原生地を思わせる咲き姿の原種系チューリップ‘アルバ コエルレア オクラータ’。 2月の様子 なだらかな丘に咲くビオラの株が少しずつ大きく育ってきました。全体的には大きな変化はありませんが、よく見ると球根類の小さな芽があちらこちらに芽吹き始め、これから先の時期への期待が高まります。 左上/ビオラの花色やモナルダ・ブラドブリアナの紫葉、グラスの赤みが、このエリアのメインカラーとなっている。 右上/腐葉土をかぶり、葉をつけたまま越冬したアシズリノジギクが、ひっそりと顔をのぞかせて。 左下/愛らしい綿毛が、晩冬の風情を高めているツワブキ。 右下/枯木立のアロニアやコバノズイナの合間に芽を出しているのは、ダッチアイリス‘ブルーマジック’。 1月の様子 花壇の中は盛土された場所や溝が掘られた場所があることで全体に起伏があり、いくつもの丘が広がるような風景を思わせます。斜面に植わる落葉した数本の灌木と冬枯れの宿根草が沢沿いのようなシーンを連想させたり、ビオラが群植する様子がのびやかに広がる丘のようなシーンを感じさせたりするなど、さまざまな素朴な風景が展開。全体にのどかな雰囲気が漂っています。 左上/落葉したアロニアやノリウツギの数本の幹が、野趣のあるシーンを演出。 右上/長い花茎の先に残るツワブキの花が、侘びと力強さを感じさせる。 左下/丘の斜面に咲き群れるように広がるビオラたち。 右下/まだ厳しい寒さを物語るほかのエリアとは異なり、青々としたイタリアンパセリとエリンジウム パンダニフォリウム ‘フィジックパープル’が明るい透明感を添えている。 12月の様子 コンテストガーデンC Ladybugs Table 「てんとう虫たちの食卓」 12月下旬、作庭後の様子。 コンテストガーデンDKINUTA “One Health” Garden 【作品のテーマ・制作意図】 ヒトの健康、生きものの健康、環境の保全を包括的な繋がりとして捉えるワンヘルス (One Health)の概念を軸に、それら3つの主体が密接に関わり合う「ワンヘルスガーデン」をつくります。土壌環境を改善し、植物や微生物を豊かに育て、鳥や虫などの地域の生きものを呼び込む。ガーデンの香りや触れ合いを通し、ヒトの健康と安らぎを生み出すガーデンをつくり、いろいろな生きものがやってくる「みんなのガーデン」を実現します。 【主な植物リスト】 宿根草(蜜源植物):ルドベキア/オミナエシ/モルダナ/アザミ/ガウラ/スミレ/チェリーセージ など宿根草(四季の移ろい):グラス類のフェスツカ/カレックス/イトススキ/フウチソウ/チカラシバ/レモングラス/ミューレンベルギア・カピラリスなど低木類(鳥類・昆虫類来訪):スモークツリー‘グレース’/ガマズミ/アロニア‘メラノカルパ’カラーリーフ:カラスバセンリョウ/カリステモン‘リトルジョン’/イリシウム‘フロリダサンシャイン’その他(季節の果実や葉):ビルベリー/コバノギンバイカ/レモンマートル コンテストガーデンD 月々の変化 11月の様子 中央に寄せられた木々が落葉しはじめ、旬を迎えた草花の生き生きとした姿を際立たせています。ピンクや紫の花を咲かせながら自由に枝を伸ばすアメジストセージやハギがふんわりと広がるグラス類とつながり、常緑のリーフ類が彩るエリアとともに、見応えのある風景を作り出しています。 上左/常緑のテンジクスゲやモンタナマツとともに、ハマギクが落ち着いた佇まいで白花を開花。上右/落葉したガマズミのまわりで思いのままにハギが咲き乱れるさまは、愛らしくありながらもワイルド。下左/ボリューム感のあるロマンドラ・ロンギフォリアや明るい葉のカレックス‘エヴァリロ’の勢いある姿がひと際目を引く。アメジストセージのあでやかさが際立つシーン。下右/ミューレンベルギア・カピラリスの赤く透ける繊細な穂が印象的。 10月の様子 勢いに満ちた若々しい植栽は、季節の移ろいとともに落ち着きを見せ始め、樹木と草丈のある宿根草がガーデンに穏やかな雰囲気をもたらしています。植栽に立体感を与えているのは、フサアカシアとユーパトリウム‘グリーンフェザー’。その合間には、紫の花が爽やかなアメジストセージやサンジャクバーベナがふんわりと咲き群れ、ドライになったアジサイやアーティチョークの風合いを引き立てています。 上左/軽やかな植栽にアジサイ‘アナベル’の枯れ色が落ち着きをプラス。上右/ライトピンクのブッドレアとダークトーンのアーティチョークの相反するバランスが絶妙。下左/イリシウム‘フロリダサンシャイン’の黄緑の葉が、シードヘッドや優しいピンク色のシュウメイギクを背後から明るく照らしている。下右/カレックス‘エヴァリロ’、ラムズイヤー、ローズマリー、ペニセタム・アロペクロイデスなどの彩り豊かなリーフ類の植栽を、紅一点のチェリーセージの花でキリリと引き締めて。 9月の様子 若々しく成長していたガーデンも、少しずつ落ち着いたトーンに変わってきました。初夏から独特なオーラを放っていたアーティチョークの花がらは褐色に変わり、ユーパトリウム‘グリーンフェザー’を背景に、より一層の存在感を示しています。 上左/ブッドレアやバーベナ・ボナリエンシスが重なる茂みが、秋の陽光に照らされ、初秋のきらめきを放っている。上右/枯れ色を帯びたアーティチョークの大きな花がらが、ワイルドな植栽の中で宙に浮かび上がり、ガーデンの表情を豊かにしている。下左/アジサイ‘アナベル’の枯れた花穂が秋の訪れを感じさせる。下右/初夏から咲き続けるバーベナ・ボナリエンシスが、いまもなお植栽にナチュラルな彩りを添えている。 8月の様子 盛夏らしく全体的にググっと大きく成長し、見上げて楽しむ風景となりました。春よりもシンプルな植栽ですが、それぞれにボリュームが増して、見応えのある植栽となっています。なかでも特に目を引くのは、ルドベキア‘ゴールドスターム’。旺盛に茂るグリーンを背景に、濃厚な黄色が効果的に映えています。 上左/シンボリックな存在感を放っていたアーティチョークの花が終わり、開花時以上に彫刻的な姿を見せている。上右/花色が少ないエリアでは、アジサイ‘アナベル’の褪せはじめた花が上品な雰囲気を漂わせている。中左/ルドベキア‘ゴールドスターム’のにぎやかな群植が、植栽のインパクトを強めて。中右/ビルベリーの実が色づき始め、風景の小さなスパイスに。下左/花を終えたウスベニアオイがさらに成長を続け、大人の背丈をはるかに超える高さに。よく見ると花茎が帯化(たいか:植物の茎や根などが帯状に平らになる現象)した姿がおもしろい。下右/思わず触わって香を確かめたくなるハーブ類もイキイキと成長。 7月の様子 宿根草が灌木類に寄り添うように大きく育ち、インパクトのある植栽となりました。とくに力強くアピールしているのは、初夏からぐんぐんとつぼみを膨らませてきたアーティチョークの紫色の花。シルバーがかった切れ込みの深いリーフとともに、彫刻的な存在感を放っています。そのほかモナルダ(赤)やルドベキア‘ゴールドストラム’などの赤や黄色の花が、若々しい夏のシーンを描き始めました。また、アロニアやビルベリーの実が色づき始めた様子も楽しめます。 上左/春の終わりから咲き続けているクナウティア・マケドニカが、まだまだ元気に咲き続けている。 上右/発色のよいモナルダ(赤)が、カレックス‘エヴァリロ’やラムズイヤーのカラーリーフに映え、鮮やかさがさらにアップ。中左/ユーパトリウム‘グリーンフェザー’が2mほどに成長し、アーティチョークとバランスを取りながら、植栽にボリューム感を与えている。中右/アーティチョークの紫花とイリシウム‘フロリダサンシャイン’の色のコントラストや、スモークツリーのふわふわとした花が印象的。下左/ルドベキア‘ゴールドストラム’が咲き始め、オミナエシとともに黄色い花が瑞々しい風景に。下右/アジサイ’アナベル‘の豊かな花房と対比して、背景ではアロニア‘メラノカルバ’が小さな紫の実をつけている。 6月の様子 6月に入り植物たちは爆発的な成長を見せ始め、爽やかな初夏を謳歌しています。4月から咲いているクナウティアに加え、ゼニアオイの紫がかった濃いピンク色の花が加わりました。そのシックな雰囲気の中でアジサイ‘アナベル’が明るさを、モナルダやブラシの木の赤花がアクセントを添えています。ところどころに置いた菌糸のステップは、朽ちて崩れ、菌糸たちは土の中の微生物とともに植物の旺盛な成長を促しています。 上左/2種のクナウティアとゼニアオイの濃いピンクの花が、瑞々しい背景につややかに映えている。上右/この時季、遠くからでも目を引く2株のアーティチョーク。間の茂みに、イリシウム‘フロリダサンシャイン’の黄金葉とアジサイ‘アナベル’の白花が、明るさを添えている。中左/向かい合うエリア同士は軽重のバランスを変え、飽きの来ない風景をデザインしているのが分かる。中右/バイオネストが顔をのぞかせ、まるでオブジェのよう。下左/植栽手前側は、カレックス‘エヴァリロ’やラムズイヤーなどのカラーリーフで色彩豊かに。下右/バーベナ・ボナリエンシス(サンジャクバーベナ)が幻想的な風景を作り出す。 5月の様子 植物の成長が全体的に進み、こんもりと茂って生命力が感じられるガーデンに。特にウスベニアオイの旺盛な成長からは、健やかな土中の状態が伝わってきます。そんな重量感のある風景に軽やかさと彩りを添えているのは、2種のクナウティア・マケドニカやアルベンシス。スモークツリーやカリステモン‘リトルジョン’、ビバーナムなどの花も咲き始め、カラーリーフが主体の庭も変化に富んだ表情を見せています。 上左/濃いピンクのクナウティア・マケドニカと紫花のクナウティア・アルベンシスが風になびく姿が、見る人の心和ませる。上右/銅葉のツツジとガウラの新芽が、シーンに深みを与えて。中左/この時季は花が少ないものの、青々と茂るウスベニアオイや黒ずんだ葉のカラスバセンリョウ、陽に透ける美しい葉のスモークツリー‘ロイヤルパープル’など、リーフのバリエーションで楽しめる。中右/ピンクの小花をつけ始めたラムズイヤーのシルバーリーフは、思わず触れたくなる質感。下左/白い粒々とした花を咲かせるビバーナム・ハリアナム。下右/大きな葉を広げるアーティチョークのつぼみが膨らんできた。 4月の様子 先月までは主に灌木が存在感を放っていましたが、4月になると数種の球根が咲き、ほんのり華やぎが加わり始めました。この時季の主役はあちらこちらに点在するピンクのチューリップ。濃緑の葉や銅葉の灌木を背景に、つややかさを際立たせています。2月末に据えた菌糸を固めたステップにオオヒラタケが生え始め、地中の活発な様子がうかがえます。 上左/カラーリーフの中でチューリップ‘メンフィス’の華やぎが際立っている。上右/冬の間からふっくら生成り色のつぼみをつけていたベニバナマンサクがようやく開花。中左/カリステモン‘リトルジョン’のホットな赤花が、他とは異なる異国情緒を漂わせて。中右/まだ銅葉のような葉色をしたヒメハマヒサカキが、植栽に陰影をプラス。下左/手前側を軽やかに埋めているのは、ユーフォルビア・リギダとフェスツカ・グラウカ。下右/ひらひらとしたオオヒラダケのキノコが、菌糸ステップからヒョコリと現れている。こんな風景もこのガーデンならでは。 3月の様子 冬の景色として残していたアスターやススキなどのシードヘッドを2月末の作業で切り戻し、すっきりとした風景となりました。ガーデン手前側のラムズイヤーやクリーピングタイムは茶色い葉が整理され、芽を出した球根類と共に、植栽の瑞々しさをアップ。茶~黄の色彩だった風景は、徐々に緑色の風景へと移ろいつつあります。 左上/つややかな緑が映えるチューリップの芽出し。右上/アザレアツバキが開花。褐色の葉がカラーリーフとして活躍し、イリシウムの黄葉やアカシアの銀葉との色の対比が楽しめる。左下/ラムズイヤー、クリーピングタイムが青々と成長し、ガーデンの色合いをグリーンに牽引。右下/ニョキリと伸びる茎の先に花をつけるユーフォルビア・リギダ。株元では新しい芽をたくさん確認。 2月の様子 冬の装いをした低木の下で、成長の早い宿根草や球根類が成長を始めています。ふわふわとした枯れ姿のノコンギクの株元には、新たな葉がびっしりと広がっています。マルチングに用いたナシのチップがキノコの菌糸と絡み合い、朽ちて土に馴染み始めました。 左上/ベルベット調の質感を持つベニバナミツマタのつぼみが日に日に膨らんでいる。 右上/まわりとの取り合わせで、朽ちた姿にも風情があるアメジストセージやフェスツカ・グラウカ。 左下/ひと足早く青々と成長しているバーベナ・ボナリエンシス。 右下/ラムズイヤーの傍らで芽吹く、赤い新芽のガウラ。奥には球根類がたくさん芽を出している。 1月の様子 落葉した灌木類と冬枯れしたススキやノコンギクなどの宿根草とのコンビネーションが、冬の日差しに反射し、きらめきのある風景を描いています。一方、常緑樹のモンタナハイマツやローズマリーの瑞々しくどっしりとした重量感が、花がないこの時期にも豊かな表情を見せてくれます。所々に配された菌糸を固めて作った平板をめくると、接地面から菌糸が広がっており、土中の微生物たちがぐんぐんと成長しているのが分かります。 左上/アーティチョークのギザギザとした葉で、空間に造形的な面白さをプラス。 右上/枯れ姿のノコンギクが風情たっぷり。フサアカシアなどの灌木同士を、ふんわりとつないでいる。 左下/赤みを帯びたユーフォルビアのユニークなフォルムが、植栽のデザインに動きをもたらしている。 右下/冬の間も楽しめる、モンタナハイマツ×テンジクスゲ×ツワブキの造形の異なる常緑植物の組み合わせ。 12月の様子 コンテストガーデンD KINUTA “One Health” Garden 12月下旬、作庭後の様子。 コンテストガーデンE「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ 【作品のテーマ・制作意図】 私は「みんなのガーデン」を、来園者だけでなく、花を訪れる虫、土壌菌類などの分解者、そして庭の先につながるこの生きた星「地球」の環境といった全ての「生あるもの」をつなげる庭と捉えました。温暖化する東京の気候に合った植物を差別なく組み合わせ、虫や菌たちによる循環系の形成、見るだけでなく庭づくりに参加もできる「みんなのガーデン」。「みんな」が共に助け合いながら、末長く幸せに暮らす世界、生命共存の尊さ・美しさを伝えたい。この想いが、この庭から未来へ・社会へ・地球へと広がっていけば、と考えています。 【主な植物リスト】 宿根草:マンガベ ‘マッチョモカ’/アムソニア ‘ストームクラウド’/アガパンサス ‘ブラックマジック’ /アネモネ トメントーサ/ジンジバー(ミョウガ)斑入り/イリス・エンサタ(ハナショウブ)‘バリエガータ’/パトリニア プンクティフローラ/タリクトラム ‘エリン’ /ユーフォルビア ‘ファイアーグロー’/ユーパトリウム ‘リトルレッド’ などグラス類:カラマグロスティス ‘カールフォースター’/モリニア ‘トランスペアレント’ /アンドロポゴン ‘ブラックホークス’ /スキザキリウム ‘ハハトンカ’ /コルタデリア ‘ミニパンパス’/メリニス ‘サバンナ’/ムーレンベルギア/スティパ/ホルデウム など低木:ネリウム(キョウチクトウ)‘ペティットサーモン’/コルヌス(サンゴミズキ)‘ケッセルリンギィ’/ロロペタルム (トキワマンサク) ‘黒雲’ /ブッドレア・ グロボサ など球根:ナルキッスス(スイセン)タリアなど数種/チューリップ(原種、園芸種含めて多品種)/アリウム (開花期をずらして数種)/イキシア・バビアナ・ワトソニアなどの南アフリカ原産種 など コンテストガーデンE 月々の変化 11月の様子 のびのびと広がる多種多様な植物たちは、それぞれ個性を保ちながらも、深まる秋の寂の趣を漂わせるようになってきました。オクラやヒモゲイトウなど昔ながらの植物が植えられた一画は、民家の庭先を思わせるような秋の風情を感じさせます。アスターやシュウメイギク、アスクレピアスなどの花々がひと際艶やかに咲き誇り、情趣豊かな世界を織りなしています。 上左/カリオプテリスやミューレンベルギア・カピラリスがふんわりと広がるその傍らで、アガスターシェ‘ゴールデンジュビリー’のシードヘッドとシュウメイギク‘パミナ’、アスター‘ジンダイ’が存在感を放ち、対比の妙を演出。上右/今にも綿毛を飛ばしそうなカルドンやバーベナ‘ブルースパイヤ—’などのシードヘッドとパニカム’ダラスブルース’の組み合わせが、デザイン的でありながらのどかな雰囲気を醸している。下左/ユッカ’ゴールデンスウォード’ の直線的で硬い質感と、線が細く柔らかいグラスのスティパの質感の対比が印象的。下右/ミューレンベルギア・カピラリスから透かしてみるルドベキア‘リトルヘンリー’が秋の味わい。 10月の様子 開花のピークがひと段落したガーデンでは、花やリーフが落ち着いた色合いへと変化し、味わいを増し始めています。さまざまなシードヘッドやグラス、リーフの魅力が際立つ季節の到来です。ルドベキア・マキシマやエリンジウム・ユッキフォリウム、カールドン、バーバスカムのシードヘッドのシルエットが爽やかな秋空に浮かび上がり、彫刻のような美しさを堪能できます。たくさんのトンボたちが羽を休めている姿が楽しめるのも、この時季ならではの光景。 上左/カールドンやバーバスカムの黒褐色になったシードへッドと、アスクレピアス・チュベロサの鮮やかなオレンジの花との対比が抜群。上右/エリンジウム・ユッキフォリウムとルドベキア・マキシマのシードヘッドが、空に向かってリズミカルにシルエットを描いている。下左/カンナ‘ベンガルタイガー’の存在感ある立ち姿が、まわりの植物の秋の趣を一層際立たせて。下右/アロエ・ストリアツラ、ベスコルネリア・セプテントリオナリス × デコステリアナ、カレックス‘エバリロ’、セトクレアセア‘プルプレア’の個性的な組み合わせは、秋に入ってもつややかさを維持。茶色になり始めたグラス類との対比が、コーナーを豊かな表情に。 9月の様子 彩り豊かな植栽は、少しずつ深みのある色調に変化しながらも、まだまだたくさんの花々でにぎやかです。マンガベやユッカなど、繊細な植栽のなかで重量感のある植物、乾き始めて軽やかさが増しているグラス類、ダリアやアマランサス‘ホピレッドダイ’など植栽を引き締めている赤葉や銅葉など、それぞれの役割をもった植物が必然性のある配置で、輝きを放っています。赤いオクラや綿の花も見頃。 上左/酷暑を乗り越え、なお元気に育つ多様な草花の中で、カンナ‘ベンガルタイガー’の明るい葉が、圧倒的な存在感で花壇全体をまとめている。上右/どっしりと葉を広げるマンガベ‘マッチョモカ’と、バーベナ‘バンプトン’の霞のような株姿の重量感のコントラストが、組み合わせの妙を感じさせる。下左/パトリニア・プンクティフォリアの花後の白緑色の種穂が輝く重層的な植栽。下右/ユッカ‘ゴールデンスウォード’のまわりで開花を迎えた、ビゲロウィア・ヌッタリィとアリウム‘メデューサズヘア’。スティパ・テヌイッシマも合わせた、このガーデンの晩夏のシンボリックなエリアの一つ。 8月の様子 酷暑の真夏も引き続き多種多様な花が咲き続けています。個性的な色彩とフォルムの対比をさまざまなグラス類が巧みに繋ぎ、混沌しているようでありながら、植物と人、虫たちまでもが見事に一体化された生命の空間を感じられます。グラス類や線の細い植物に対し、カルドンやエリンジウムなどのシードヘッドの彫刻的フォルムが対照的で魅力的。 上左/中央部分では大人の背丈を超える高さにまで植物が生育。アリウム‘サマードラマー’やルドベキア・マキシマのシードヘッドの間で、ヒビクス・コッキウス(モミジアオイ)が赤い花を咲かせている。上右/赤紫葉のアマランサス‘ホピレッドダイ’を引き立てるように、煙のような穂をつけているのはグラス、エラグロスティス・スペクタビリス。中左/線の細い植物を支えるように、ピクナンセマム・ムティクム(広葉マウンテンミント)の白い苞葉が広がっている。中右/日本で古くから育てられていて懐かしさを感じるムラサキゴテン(セトクレアセア・パリダ)と細かい穂のグラス、エラグロスティス・スペクタビリスの組み合わせや、エリンジウム・ユッキフォリウムの丸いシードヘッドが、幻想的な風景を描く。下左/ダウクス‘ブラックナイト’やルドベキア・マキシマのシードヘッドと黒葉のダリア‘ブラックナイト’のシルエットが個性的な風景を演出。下右/強烈な印象を放つカンナ‘ベンガルタイガー’とソフトな草姿のシルフィウム・モーリーや斑入りのグラス、ミスカンサス‘モーニングライト’との取り合わせが好対照。 7月の様子 花壇の中央部の草花は人の背丈を超え、見上げる景色になりました。この時季でも多種多様な花が咲き続けて、日々大きく変化する絵画的シーンとの一期一会の場になっています。あえて無造作に見せるカッティングと目立たないよう支柱を添えることで、整いすぎない植栽の野生みを楽しみながら、植物の生命力まで感じることができます。 上左/にぎやかに咲くコレオプシス’ガーネット’の濃いピンクや、その背後から顔を出すエキナセア’マーマレード’、赤紫葉のアマランサス’ホピレッドダイ’などのこっくりとしたカラーを、スティパのエアリーな褪せた穂がひと際あでやかに引き立てている。上右/エリンジウム’ブルーグリッター‘やアキレア’ヘラ・グラショフ‘などさまざまな色形の植物が、一幅のタペストリーのようなシーンを描いて。中左/リリウム・ライヒトリニィ(=コオニユリ)やフロックス‘ハーレクイン’、モナルダ’ファイアーボール‘のビビッドな花色が、強烈なインパクトを放つ。中右/リアトリス‘コボルト’とダリア‘ブラックナイト’など比較的コンパクトな品種で安定感を出したエリア。下左/ニューサイランの縦ラインを中核に、ブロンズフェンネルやダウクス‘ブラックナイト’などセリ科の花特有の水平感を対比させ、そこにアリウム‘サマードラマー’の球状のシードヘッドがふわりと浮かぶシーンはどこか幻想的。下右/ヘレニウム‘モーハイムビューティー’の花に、ニュアンスある銅葉のクロコスミア‘ソルファタラ’ が寄り添う。その黄〜濃オレンジ花の色彩と、奥に咲くバーベナ・ボナリエンシスやサルビア・グアラニチカなどの青紫花との補植対比が風景にリズムを加えて。 6月の様子 春に引き続き、初夏の花がにぎやかに開花しています。パレットのように豊かな色彩が展開し、花姿・草姿もじつに多種多様。グラス類のメインはホルデウム・ユバツムからスティパに移行しています。中でも繊細でいて堂々とした存在感を放つのは、大型種のスティパ・ギガンテア。ニューサイランやカールドン、エルムルスとともに、造形的でありながら野趣のある風景を織り成し、観る人の関心をぐっと引き寄せています。 上左/ダイアンサス・カルスシアノルムの濃いピンクの花とペルシカリア‘ゴールデンアロー’の黄金葉のコントラストが、シーンの印象をぐっと高めて。上右/さまざまな草姿・花姿の植物が美しいレイヤーをつくり、重層的な風景を紡ぎ出している。中左/ダリア‘ブラックナイト’やバーバスカムなどの多様なリーフの中で、アキレア’アプリコットディライト’、シシリンチウム・ストリアツムが効果的に彩りを添えている。中右/ニューサイランやスティパ・ギガンテア、カラマグロスティス‘カールフォースター’で魅せる、独創的なシーン。すらりと伸びるアリウム‘サマードラマー’のつぼみがユニーク。下左/アロエ・ストリアツラの手前側に合わせられたピンク花のマツバギクと黄葉のカレックス‘エヴァリロ’。ガーデンの入り口にふさわしいウェルカムコーナーとして存在感を放っている。下右/アルストロメリア‘サマーブリーズ’ のオレンジ×黄の花が、灰紫色の葉とともに植栽の表情を豊かに演出。 5月の様子 4月まで個々の形が際立っていた植栽もすくすくと成長し、様々な花が風に揺れる野原のようなナチュラルな風景に様変わりしました。主役はチューリップから、バリエーションもさまざまなアリウムにバトンタッチ。ガーデンのあちらこちらでユニークな花姿が楽しめます。色形のバラエティ豊かな植栽のなかで、特に目を引くのは、ピンクのエスコルチアやパパベル’レディーバード’の花とホルデウム・ユバツムのキラキラした穂。風に揺れる花がビビッドなスパイスとなりつつ、牧歌的・幻想的な光景を演出しています。 上左/目にも鮮やかなピンクのエスコルチアとトラディスカンティア‘スイートケート’、ロロペタルム’黒雲’の配色取り合わせ。アリウム・シューベルティがシーンに形のリズムも添えて。 上右/パパベル’レディーバード’の真っ赤とネペタ’ウォーカーズロウ’の青紫の花色対比が遠目からでも色鮮やかに映える。 中左/ホルデウム・ユバツムの穂が陽光に輝いて描き出す幻想的な野の風景。 中右/花壇中央、ボリュームのあるバプティシア’キャロライナムーンライト’のクリーム色の花穂とアリウム’グラディエーター’と紫色の球形花序で色形のコントラストを表現。 下左/サルビア‘カラドンナ’の深みのある暗紫花がシーンの色彩をぐっと引き締めてより印象を強化。 下右/やわらかく軽やかな色・質感の植物の中、個性の強いアロエ・ストリアツラやベスコルネリアが、優しい表情に溶け合いつつ同時に重量感のあるフォーカルポイントに。 4月の様子 グラベルガーデンのような趣から一転! スイセンやチューリップ、フリチラリアなどの球根に加えてラナンキュラス・ラックスも満開を迎え、一気に華やぎのある風景となりました。 花色の美しさに加え、楽しませてくれるのが個性豊かな春咲き球根の開花リレーやリーフの鮮やかな芽吹き。独創的、かつ景色の移ろいと生命の歓喜を堪能できる季節です。 上左/コーナーで満開を迎えたロロペタルム’黒雲’の濃厚な銅葉と濃赤花が目を引く。黄金葉のトラデスカンティア‘スイートケイト’、青紫花のシラー・シベリカとのコントラストが挑発的。中央のアンティーク調の一輪はチューリップ‘ラ・ベルエポック’、その左、細い外弁に緑色がのる咲き方がユニークな白半八重チューリップは‘ホワイトバレイ’。 上右/ピンク花で黒軸のチューリップ‘ライトアンドドリーミー’やスイセン‘タリア’、銅葉のアスチルベ‘ダークサイドオブザムーン’の濃厚な対比がやわらかい葉群の中で際立っている。中左/ペルシカリア‘ゴールデンアロー’の黄金葉とチューリップ‘ハッピーフィート’の明暗の対比が鮮やか。 中右/大型で彫刻的な姿・不穏な花色のフリチラリア・ペルシカがシーンをぐっと劇的に引き締めて。下左/ユッカ‘ゴールデンスウォード’の株元を軽やかに彩るアスフォデリネ・ルテアの細葉とベロニカ‘ジョージアンブルー’の紫花。下右/原種系のチューリップ ‘ジャイアントオレンジサンライズ’。独特な葉模様と巨大花が個性的なフォーカルポイントに。 3月の様子 グラベル仕上げの地面で個性を放つ植物たち。それら一つひとつにフォーカスして楽しめるのは、地上部が少なく隙間があるこの時季ならではの見どころです。さまざまな芽が小さな景色を織り成す中、今春の一番手で花をつけているのはスイセンとクロッカスの2種。このガーデンでは真っ白い花が見られるのは春の初めだけで、これからカラフルに色づく植栽の静かなイントロダクションとして、清楚な彩りを添えています。 左上/世界の多種多様な植物が、健やかに成長できるよう配慮して植えられたガーデン。右上/ベタっと広がるアリウム ‘マイアミ’。アリウムだけでも大小・姿形さまざまに展開する多様な種類が用いられている。左下/透明感あふれるナルキッスス パピラケウス。右下/白花の外側の花弁が紫色のクロッカス ‘プリンスクラウス’。自然界で見られる“コロニー(群生)”のように、ぎゅっとまとめて植えている。 2月の様子 中央のニューサイランを軸にして渦を描くように設けられた花壇に、早くも植物たちが色形の異なる個性を見せ始めました。現在は、造形的なフォルムのアロエやエリンジウム ‘フィジックパープル’、黒葉のベルゲニア ‘レッドスタート’、ペンステモン ‘ダークタワーズ’などの植物が、他にリードして存在感を放っています。その間では小さな宿根草や球根が愛らしく芽を伸ばして。 左上/芽出しから独特な姿を見せるチューリップ ‘ジャイアントオレンジサンライズ’。 右上/葉の縁が赤く色づくチューリップ シルベストリスと黒みがかる繊細なダイアンサス カルスシアノルム、そしてベタっと大きめの葉を広げるフロミスなどが植わるエリア。どこを切り取っても組み合わせの妙が感じられる。 左下/ユッカの傍らに植わる、クルクルと渦を描く姿がユニークなアスフォデリネ ルテア。個性的だがブルーがかるやわらかい質感が、ユッカの強烈な雰囲気を和らげている。 右下/マットな革質の黒葉ならではの質感で存在感を放っているのはベルゲニア‘レッドスタート’。 1月の様子 化粧砂利のような明るい表土とアールを描く通路のデザインは、植物が小さなこの時期の大きな見せ場の一つとなっています。見下ろした風景はまるでノットガーデンのよう。常緑性のニューサイランやアロエなどのほかは、冬季落葉性の宿根草や低木類で、地上部がとても小さかったり枝のみだったりしますが、冬越しのロゼット葉の造形やカラーステムがとてもユニーク。それだけに、これからの成長と風景の変化も大きな見どころです。 左上/幹立ちして展開するアロエ ストリアツラと、カレックス ‘エヴァリロ’のライムイエローの葉が、植えたてのため不織布を被せて防寒養生中のベスコルネリアをやんわりと目隠し。右上/鹿沼土と軽石をブレンドした明るい表土をトキワマンサク ‘黒雲’の照りのある黒葉で引き締めている。左下/細い葉をふんわりと広げるルッセリア エキセティフォルミスやカレックス ‘プレイリーファイアー’、ロドコマ カペンシスに矮性のネリウム (キョウチクトウ) 、ネリウム ‘ペティットサーモン’を組み合わせた、植物の多様な面白さが感じられるシーン。右下/多くの植物が冬季落葉中のなか、放射状に葉を広げるエリンジウム ‘フィジックパープル’が、目を引くアクセントとして活躍しながら空間を埋めている。 12月の様子 コンテストガーデンE 「みんなのガーデン」から「みんなの地球(ほし)」へ 12月下旬、作庭後の様子。 「第4回 東京パークガーデンアワード 夢の島公園」の参加者募集! ※締め切りました 2022年にスタートしたガーデンコンテスト「東京パークガーデンアワード」が、代々木公園・神代植物公園・砧公園での開催を経て、2025年、夢の島公園で始まります。第4回のコンテストの舞台は、夢の島公園「グリーンパーク」内(東京都江東区)。コンテストのテーマは、「海辺のサステナブルガーデン」です。応募の締め切りは、2025年8月31日(日)18時必着。応募方法など詳細は、以下のバナーをクリック! 5月25日(日)「入賞者イベント」開催! ※終了しました 第3回東京パークガーデンアワードの入賞ガーデナー5組によるガーデンイベントを5月25日(日)に開催しました。入賞ガーデナーが案内する「ガーデンツアー」や「たねダンゴづくり」、「微生物観察ワークショップ」など、子どもから大人まで楽しめるガーデンイベントで当日は賑わいました。 ■日 時:2025年5月25日(日)10:00~15:10(雨天中止)■会 場:都立砧公園(東京都世田谷区)コンテストガーデンエリア(みんなのひろば前)■参加費用:無料 11月9日(日) 「ガーデンフェスティバル@砧公園」開催!※終了しました 「東京パークガーデンアワード」のコンテストをより深く知ってもらうためのイベント「ガーデンフェスティバル@砧公園」を11月9日(日)に開催しました。入賞ガーデナーが案内する「ガーデンツアー」や「生き物クイズ」、「ミニブーケづくり」など、秋の花咲く庭を眺めながら過ごす特別な1日。人気のキッチンカーもやってきて、大人も子どもも楽しめるイベントとなりました。 ■日 時:2025年11月9日(日)10:00~16:00(雨天中止)■会 場:都立砧公園(東京都世田谷区)コンテストガーデンエリア(みんなのひろば前)■参加費用:無料 5つの花壇のコンセプト・作庭・審査様子の詳しいレポートはこちらをチェック! コンテストガーデンを見に行こう! Information 都立砧公園「みんなのひろば」前所在地: 東京都世田谷区砧公園1-1電話: 03-3700-0414https://www.tokyo-park.or.jp/park/kinuta/index.html開園時間:常時開園※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせください。入園料:無料アクセス:東急田園都市線「用賀」から徒歩20分。または東急コーチバス(美術館行き)「美術館」下車/ 小田急線「千歳船橋」から東急バス(田園調布駅行き)「砧公園緑地入口」下車/小田急線「成城学園前駅」から東急バス(二子玉川駅行き)「区立総合運動場」下車駐車場:有料
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宿根草・多年草

庭の隙間を埋める最強のグラウンドカバー! リュウノヒゲ(ジャノヒゲ)の植え方と活用アイデア
リュウノヒゲの基本情報 simona pavan/Shutterstock.com 植物名:リュウノヒゲ(ジャノヒゲ)学名:Ophiopogon japonicus英名:Dwarf mond grass和名:竜の髭その他の名前:蛇の髭、タマリュウ科名:キジカクシ科(クサスギカズラ科)属名:ジャノヒゲ属(オフィオポゴン属)原産地:東アジア、日本形態:宿根草(多年草) リュウノヒゲはキジカクシ科ジャノヒゲ属の常緑性多年草。原産地は日本を含む東アジアで、日本の気候によく馴染み、暑さにも寒さにも強く、育てやすいのが特徴です。細長い葉を地際から放射状に伸ばし、草丈は10〜40cm。開花期は7〜8月で、小さな白い花を咲かせたのち、秋から冬にかけて瑠璃色の実をつけます。 リュウノヒゲの葉や花、実の特徴 園芸分類:草花開花時期:7月~8月草丈・樹高:10~40cm耐寒性:強い耐暑性:強い花色:白色、薄紫色 リュウノヒゲは、ツヤのある細長い葉を地面を覆うようにたくさん茂らせることから、グラウンドカバーとして人気です。夏になると株から花茎を伸ばし、葉の合間から小さな白い花を咲かせます。花が終わった後は、鮮やかな濃い青色の丸い実をつけます。実の中にある白い半透明の胚乳は、よく弾むため「弾み玉」「スーパーボウル」などと呼ばれ、昔から子どもたちの遊び道具になっていました。 リュウノヒゲの名前の由来や花言葉 リュウノヒゲの学名はOphiopogon japonicusで、英名はDwarf mond grass。学名はギリシャ語の「Ophio(蛇)」「Pogon(ヒゲ)」が由来です。 漢字では竜の髭と書き、草姿が架空の生き物である竜の口まわりに生えている髭のようだとして、この名前が付けられたようです。 また、リュウノヒゲはジャノヒゲ(蛇の髭)と呼ばれることもあります。これは、日本の伝統芸能の能に登場する、翁を模したお面「尉面(じょうめん)」が由来です。尉面の長いヒゲに葉が似ていることから、ジョウノヒゲと呼ばれはじめ、時間を経てジャノヒゲに変化しました。 花言葉は「変わらぬ思い」「不変の心」「深い思いやり」などです。 リュウノヒゲの代表的な種類やよく似た植物 ‘タマリュウ(玉竜)’ Pavaphon Supanantananont/Shutterstock.com リュウノヒゲの仲間のなかでは葉が短い、小型の品種。コンパクトなので玄関先や庭の狭いスペースでも扱いやすく、丈夫なのが特徴です。また、葉に斑が入っている「玉竜錦」もタマリュウの一種。斑の有無で、全体の印象が大きく変わります。 ‘ハクリュウ(白竜)’ Aluwisius/Shutterstock.com 玉竜錦と同じく斑入りの品種。葉にはっきりとした斑が入っており、実をつける時期になると、青色が葉によく映えて美しい佇まいになります。 オオバジャノヒゲ‘コクリュウ(黒竜)’ Zuzha/Shutterstock.com 前項で紹介した‘ハクリュウ’とは対照的に、黒っぽい葉の色が特徴の品種。近縁のオオバジャノヒゲの品種で、リュウノヒゲよりも葉が太く華やかな印象があります。ダークな葉の色の‘コクリュウ’は、園芸では特に人気が高く、日本庭園から洋風庭園まで幅広く活躍しています。 ナガバジャノヒゲ Jeerayut Rianwed/Shutterstock.com リュウノヒゲの近縁種。若い株のうちは葉の形や色がよく似ていますが、成長するとリュウノヒゲよりも全体が盛り上がり、丸みを帯びたシルエットになります。花の色は薄い紫で、実は黒っぽい青色です。 ヤブラン crystaldream/Shutterstock.com ジャノヒゲと姿かたちがよく似た植物に、ヤブランがあります。同じような葉の形をしているため混同されがちですが、細かな違いがあります。 リュウノヒゲが草丈10~20cmほどであるのに対し、ヤブランは30~40cmほど。また、ヤブランのほうが葉が長く、大きいのも特徴です。 また、リュウノヒゲは地面を這うように茎を伸ばす「匐枝(ふくし)」で広がるように成長しますが、ヤブランは匐枝を出さず、あまり広がりません。 ヤブランの花はリュウノヒゲと違い、葉の上に花を咲かせます。花後の実は黒っぽく、リュウノヒゲの実のように弾みません。 ノシラン tamu1500/Shutterstock.com ノシランも、リュウノヒゲと似ている植物として、よく挙げられます。葉が贈答品につける「熨斗(のし)」に似ていることが、名前の由来です。 葉の長さは3~50cm、幅は4~15mm。リュウノヒゲよりも葉が大きく、先端は垂れ下がっています。夏に小さな白い花を咲かせ、花後の実は熟すと青紫色になります。 リュウノヒゲ、ヤブランと同じく、園芸でグラウンドカバーとして活用されることが多い品種です。 リュウノヒゲの12カ月栽培カレンダー 開花時期:7~8月(実は10~3月、葉は通年)植え替え適期:3~6月、9~11月肥料:3~4月、9~11月入手時期:通年植え付け:3~6月、9~11月 リュウノヒゲの栽培環境 Aon_Skynotlimit/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 リュウノヒゲは幅広い環境での栽培が可能なので、基本的に日当たりや置き場所を気にする必要はありません。木陰や岩場、水中など、幅広い場所で育ちます。 ただし、花や実をよくつけたい場合は、ある程度は日当たりの良い場所がおすすめです。 耐寒性・耐暑性 リュウノヒゲは耐暑性・耐寒性ともに優れているため、暑さや寒さへの対策は特に必要がありません。季節を問わず葉の色が緑のままなので、通年で楽しめます。 リュウノヒゲの育て方のポイント 用土 bluedog studio/Shutterstock.com 【地植え】 植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んでよく耕してください。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。 水やり Zoom Team/Shutterstock.com 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。 真夏に水やりする場合は、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。 また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。 【地植え】 根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬もカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 【地植え】 強健な性質なので、1年目は植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。2年目以降は、株の生育に勢いがない時などに液肥を与えておくとよいでしょう。 【鉢植え】 3〜4月と10〜11月に緩効性化成肥料を置き肥します。株の生育に勢いがない時などには、液肥を与えておくとよいでしょう。 注意する病害虫 devil79sd/Shutterstock.com 【病気】 リュウノヒゲは比較的病気にかかりにくい植物ですが、まれに炭そ病や白絹病を発症することがあります。 炭疽病は、春や秋の長雨の頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する伝染性の病気で、葉に褐色で円形の斑点が現れるのが特徴です。その後、葉に穴があき始め、やがて葉が黄変して枯れ込んでいくので、早期に対処することが大切です。斑点の部分に胞子ができ、雨の跳ね返りなどで周囲に蔓延していくので、被害を見つけたらすぐに除去して土ごと処分しましょう。密植すると発病しやすくなるので、茂りすぎたら葉を間引いて風通しよく管理してください。水やり時に株全体に水をかけると、泥の跳ね返りをきっかけに発症しやすくなるので、株元の表土を狙って与えるようにしましょう。 白絹病はカビが原因で周囲に伝染しやすい病気です。根や茎に発生しやすく、初期は地際あたりに褐色の斑点が見つかります。病状が進むと株元に白いカビがはびこり、やがて枯れてしまうので注意が必要。病株を発見したら、周囲に蔓延させないためにただちに抜き取り、土ごと処分してください。土づくりの際に、水はけのよい環境に整えることが予防につながります。 【害虫】 リュウノヒゲは比較的害虫が発生しにくい植物ですが、まれにナメクジとヒョウタンゾウムシの害にあうことがあります。 ナメクジは花やつぼみ、新芽、新葉、果実などを食害します。体長は40〜50mmで、頭にツノが2つあり、茶色でぬらぬらとした粘液に覆われているのが特徴。昼間は鉢底や落ち葉の下などに潜んで姿を現しませんが、夜に活動します。植物に不快な粘液がついていたら、ナメクジの疑いがあるので夜にパトロールして捕殺してください。または、ナメクジ用の駆除剤を利用してもよいでしょう。多湿を好むので風通しをよくし、落ち葉などは整理して清潔に保っておきます。 ヒョウタンゾウムシは主に4〜8月に発生しやすい昆虫です。成虫の体長は6〜9mmで、色は灰褐色。頭が小さく鼻のような突起を持っており、胸部と腹部がヒョウタンのような形をしています。主に葉を食害し、見栄えが悪くなるので注意。ヒョウタンゾウムシは飛ぶことができず、株を揺すると落ちやすいので、捕殺しましょう。大量に発生しているようなら、適用する薬剤を散布して駆除するのも一案です。成虫は雑草や枯れ葉の中で越冬するので、雑草や枯れ葉を残さず、株まわりをきれいに掃除しておきましょう。 リュウノヒゲの詳しい育て方 苗の選び方 リュウノヒゲの苗を選ぶ際は、虫がついていないかどうかを確認しましょう。葉の表面だけでなく、葉の裏や株の根元もチェックポイントです。また、葉が密に茂っているものがよいでしょう。 植え付け・植え替え Vlyaks/Shutterstock.com リュウノヒゲの植え付け・植え替えの適期は、真夏や真冬を除いた3〜6月か、9〜11月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、5〜10cmの間隔を取ってください。 庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。ただし、植え付けから5〜6年が経って株が込み合っているようなら、掘り上げて株分けしてください。改めて植え直し、株の若返りをはかりましょう。 【鉢植え】 鉢で栽培する場合は、5〜6号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大鉢に寄せ植えの素材の一つとして植え付けてもOKです。 鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。 日常のお手入れ リュウノヒゲは寒さ暑さに強く、病害虫の心配もほとんどないので、メンテナンスの手間がかからない植物です。一年中葉を青々と保つ常緑植物ですが、新陳代謝を繰り返すので、枯れ葉が発生します。見栄えのよさにこだわるなら、枯れ葉があれば取り除いておきましょう。 増やし方 リュウノヒゲは生命力が旺盛なので、増やすのは簡単です。株分けと種まきで増やすことができます。 【株分け】 Doikanoy/Shutterstock.com リュウノヒゲは株分けで増やすのが一般的! 株分けの適期は3〜4月か10〜11月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて4〜5芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。 【種まき】 simona pavan/Shutterstock.com リュウノヒゲの種子は市販されていませんが、自分で採取して種まきで増やすことも可能です。種まきするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。リュウノヒゲはこぼれ種で増えるほどに強健な性質なので、種まきは容易です。 種は市販されていませんが、植え付けたリュウノヒゲの実から採取することができます。晩秋から冬にかけて果実が美しい瑠璃色になったら採取して保存袋に入れて冷蔵庫で保管しておきましょう。リュウノヒゲの種まき適期は4月頃です。 黒ポットに市販の草花用培養土を入れ、1穴当たり採取した種子を4〜5粒ずつ播き、軽く土をかぶせます。最後にたっぷりと水やりをしましょう。発芽までは乾燥しないように適度な水管理をしてください。発芽後日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。十分に育ったら、植えたい場所に定植します。 ※園芸品種の場合、親と同じ草姿になるとは限りません。 リュウノヒゲを楽しもう! 植え方をご紹介 acarapi/Shutterstock.com リュウノヒゲで庭や駐車場の隙間を埋めてみる Kwanbenz/Shutterstock.com リュウノヒゲは場所を選ばずに丈夫に育つため、飛び石の周りや駐車場の目地などに植え付けるのもおすすめ。飛び石やレンガ敷きの小道など、石材やレンガなどの際を植物で隠すことで、一体感が生まれる効果があります。コンクリート敷きのカーポートなどにあえて植栽スペースを残し、リュウノヒゲを植えることで、無機質な印象を軽減することもできますよ! 狭いスペースなら葉が短い園芸品種の‘玉竜’を選ぶとよいでしょう。 鉢植えや盆栽はもちろんアクアリウムで寄せ植えに活用できる 庭以外にも、盆栽や苔玉に利用するのも素敵。昔から日本で親しまれてきた植物なので、和に合うほか、シャープな草姿の斑入り種はモダンな雰囲気にまとめても素敵です。水中でも育つので、アクアリウムの素材として利用されるケースもあります。 リュウノヒゲは食用できる⁉︎ グラウンドカバーとして園芸でポピュラーなリュウノヒゲですが、じつは茎や根を食用にできます。高知県など一部の地域で主に食べられており、ゆでたり、肉と一緒に炒めたり、スープやみそ汁の具にしたりと、調理法はさまざまです。 リュウノヒゲの塊根で漢方薬の原料、麦門冬。 ZCOOL HelloRF/Shutterstock.com また、リュウノヒゲの塊根は「麦門冬(ばくもんどう)」という漢方薬の原料にもなります。サボニンという成分が含まれており、咳止めや解熱、痰切り、糖尿病、リウマチ、心臓病などに効果があります。 リュウノヒゲの塊根を漢方薬に加工する方法が紹介されているウェブサイトもありますが、自分で作って服用すると、体調を崩す恐れがあります。麦門冬を手に入れたいなら、医師や漢方薬局など専門機関をたずねましょう。 リュウノヒゲが枯れる原因と対策 Windi Holly/Shutterstock.com リュウノヒゲは管理の手間がかからない植物ですが、まれに枯れることがあります。考えられる理由は次の通りです。 植え付け後に水不足になった 庭植えの場合は、基本的に水やりは不要ですが、しっかりと根付くまでは水やりが必要です。茎葉が旺盛に茂り始めるまでは、水切れしないように管理してください。また、浅植えにすると、強い雨によって土が流れ出して根がむき出しになることがあります。すると根が地中の水分を吸い上げる力が弱まり、枯れ込むことがあるので注意。浅すぎず、深すぎず、適した深さに植え付けましょう。 夏場の水切れ SHINPANU/Shutterstock.com 舗装された動線の隙間などに植栽した場合、土の部分が少ないために土中から水分を十分に得られずに枯れ込むことがあります。目地を生かした植栽をしている場合、夏場は水やりをして水分を補ってください。 踏まれるのは苦手 土留めや雑草防除、目地埋めなどの目的で、グラウンドカバーに利用されることが多いリュウノヒゲですが、日常的に踏みつけられるのは苦手です。人が頻繁に通る場所には植えないほうが無難です。 ガーデニング初心者でも育てやすいリュウノヒゲを植えてみよう! Jen Petrie/Shutterstock.com 丈夫な性質で、一度植え付けたら管理の手間がかからず健やかに育つリュウノヒゲ。グラウンドカバーとして広い面を埋め尽くすように植栽できるほか、寄せ植えや盆栽、苔玉、アクアリウムの素材としても活躍します。多様な利用の仕方ができるリュウノヒゲを、ぜひ育ててみませんか?
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宿根草・多年草

冬に咲くラケナリアの育て方|初心者でも簡単! 色鮮やかでかわいい花を長く楽しむ球根栽培ガイド
ラケナリアの基本情報 Robert Buchel/Shutterstock.com 植物名:ラケナリア学名:Lachenalia英名:Cape cowslip、African hyacinthなど和名:アフリカヒアシンスその他の名前:アフリカンヒヤシンス、ラシュナリア科名:キジカクシ科属名:ラケナリア属原産地:南アフリカ形態:宿根草(多年草) ラケナリアの学名はLachenaliaで、学名がそのまま流通名になっています。キジカクシ科ラケナリア属の球根植物で、旧分類ではユリ科やヒアシンス科に分類されることもあります。花茎を立ち上げて筒状の小さな花をたくさん咲かせる姿から、アフリカヒアシンス、アフリカンヒヤシンスとも呼ばれます。種類が豊富で、秋冬咲き種と春咲き種があり、冬から春に愛らしい花姿を見せてくれます。 ラケナリアの原産地 Subhamay Acharyya/Shutterstock.com ラケナリアの原産地は南アフリカ、ケープ地方。近年人気が高まっている「ケープバルブ」(ケープ地方原産の球根植物の総称)の1つです。ラケナリアは約100種が分布しており、花色、花姿は種類によってさまざまです。主に乾燥地に自生しているため、日当たりと風通しのよい場所を好み、多湿な環境が苦手。寒さに弱く、霜が降りたり、凍結したりする場所では枯れてしまいます。一方、暑い時期には休眠しているので、暑さに生育が左右されることはありません。 ラケナリアの花や葉の特徴 Robert Buchel/Shutterstock.com 園芸分類:草花開花時期:12〜翌年4月草丈・樹高:15〜30cm耐寒性:やや弱い耐暑性:強い(休眠中)花色:白、赤、ピンク、オレンジ、黄色、緑、青、紫、複色など ラケナリアの開花期は12〜翌年4月で、種類によって秋冬に咲くもの、越年して春に咲くものがあります。花色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄色、緑、青、紫、複色など、多彩に揃います。花茎を伸ばして円筒状や釣鐘形の小さな花を多数連ねて穂状になり、ムスカリの花を少し大きくしたような姿になります。種によって異なりますが、葉はやや肉厚で細長い線状または剣状の葉を全方位に広げ、また葉に斑点が入るものもあり、それぞれ個性があります。草丈は15〜30cmでコンパクトにまとまり、扱いやすい植物です。 ラケナリアの名前の由来や花言葉 Alex Manders/Shutterstock.com ラケナリアという名前は、スイスの植物学者ヴェルナー・ド・ラシュナール(Werner de Lachenal)にちなんで名付けられました。 ラケナリアの花言葉は「移り気」「変化」「持続する愛」「好奇心」などです。 ラケナリアの代表的な種類 ラケナリア・クリプランデンシス。Opachevsky Irina/Shutterstock.com ラケナリアは種類が多く、鮮やかな花色や香りを持つ品種なども多くあります。ここでは、その中から人気の品種を一部ご紹介します。 ラケナリア・アロイデス alybaba/Shutterstock.com 最もよく親しまれている種類です。英名はケープ・カウスリップ。冬から早春にかけて、円筒形の花が下向きに垂れ下がるように開花します。つぼみはオレンジ色で花は濃い黄色になるため、美しいグラデーションが楽しめます。多くの変種があることでも知られ、一般にラケナリア・オーレアと呼ばれるオーレアや、クアドリコロル、ルテオラなどがあります。 クアドリコロル。Opachevsky Irina/Shutterstock.com ラケナリア・ビリディフローラ 光沢のある透き通った翡翠色の花が美しく、人気の品種。花は横から上向きに咲きます。晩秋から初冬に開花する早咲き種。 ラケナリア・コンタミナタ 花茎を伸ばし、先端が赤茶色の小さな白花を穂状に咲かせます。英名ワイルド・ヒヤシンス。主に冬~春に開花します。 ラケナリア・プンクタータ(ラケナリア・ルビダ) SAplants [CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons] 鮮やかなルビーレッドの花を垂れ下がるように咲かせます。ラケナリアの中では開花期が早く、11月頃から咲き始めます。ほかのラケナリアよりも耐寒性が高いのも特徴です。 ラケナリア・ムタビリス Opachevsky Irina/Shutterstock.com 花は青っぽい色から、咲き進むと赤みを帯び、先端部分は山吹色に紫褐色の斑が入ります。開花期は2~3月。 ラケナリアの栽培12カ月カレンダー anjahennern/Shutterstock.com 開花時期:12〜翌年4月植え付け・植え替え:9〜10月肥料:9~10月(元肥) ラケナリアは秋植え球根で、9〜10月に植え付けると発芽して生育し始め、種によっては秋冬に開花するもの、越年して春に開花するものがあります。開花後は茎葉が残り、光合成をして球根を太らせ、夏前には茎葉が黄色く枯れ込んで休眠。枯れた茎葉は刈り取って処分し、球根は植えたままにしてもいいし、掘り上げて保管しておき、適期に植え直してもかまいません。 ラケナリアの栽培環境 Scorsby/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所で管理します。半日陰の場所でも生育しますが、日照不足では花つきが悪くなったり、ヒョロヒョロとしたか弱い茎葉ばかりが茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。 【日当たり/屋内】冬に室内に取り入れる場合は、日当たりのよい場所で管理します。 【置き場所】ラケナリアは寒さに弱く、霜が降りたり凍結したりする環境では枯れてしまうため、基本的に鉢栽培とします。水はけのよい土壌を好むので、乾きやすいテラコッタ鉢などに植えるのがおすすめ。鉢内に水が残らないよう、大きすぎるものは避け、適したサイズの鉢に植えましょう。 耐寒性・耐暑性 生育適温は10〜20℃前後で、寒さに弱く、霜に当たると枯れてしまいます。冬に凍結する地域では室内の日当たりのよい窓辺や温室などで管理しましょう。暖房が強く効いた部屋では間伸びすることがあります。暖地では、軒下など凍結しない場所なら戸外でも越冬します。夏は休眠しているため、断水して鉢ごと涼しい場所へ移動するとよいでしょう。 ラケナリアの育て方のポイント ラケナリアは寒さに弱いため基本的に鉢栽培とし、季節によって適した場所に移動しながら管理しましょう。 用土 funnyangel/Shutterstock.com ラケナリアは、水はけのよい土壌を好みます。用土は草花用にブレンドされた市販の培養土を使うと手軽です。自身で配合土を作るなら、赤玉土6、腐葉土4の割合で混ぜて使用するとよいでしょう。 水やり Zoom Team/Shutterstock.com 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、ラケナリアは多湿を嫌うので、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。 水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。夏に休眠した後は水やりを控え、断水します。真冬には、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 肥料 Sarycheva Olesia/Shutterstock.com 植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきます。開花期になったら速効性のある液肥を薄めに希釈して2週間に1度を目安に、水やりがわりに与えましょう。花後も球根を充実させるために、休眠するまで同様にして液肥を与えます。基本的に肥料は控えめでよく、充実した球根であれば追肥を与えなくてもよく育ちます。 注意する病害虫 muroPhotographer/Shutterstock.com 【病気】 ラケナリアはあまり病気の心配はありませんが、まれに白絹病やウイルス病を発症することがあります。 白絹病はカビが原因で、周囲に伝染しやすい病気です。根や茎に発生しやすく、発生初期は地際あたりに褐色の斑点が見られ、病状が進むと株元の土に白いカビがはびこり、やがて枯れてしまいます。病株を発見したら、周囲に蔓延させないためにただちに抜き取り、土ごと処分してください。土づくりの際に、水はけのよい環境に整えることが予防につながります。 ウイルス病はアブラムシやアザミウマ、コナジラミなどの虫が媒介となって発症します。したがって、発生しやすい時期はアブラムシなどの活動が活発な春から秋にかけて。主に花や葉に被害が発生し、モザイク模様が現れます。症状が進むとウイルスの種類によっては葉などが縮れてきたり、湾曲して変形したりし、株の生育が著しく悪くなります。治療効果のある薬剤はないので、発生したら抜き取って土ごと処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。アブラムシ対策をしておくことが予防につながります。 【害虫】 ラケナリアはあまり害虫の心配はありませんが、アブラムシやハダニが発生することがあります。 アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。 ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。 ラケナリアの詳しい育て方 球根の選び方 alybaba/Shutterstock.com 球根を購入する際は、直径2〜3cmでふっくらとして充実し、重みがあるものを選びます。カビやシワが見られるものや、軽いもの、やわらかいものは、生育不良や病気を引き起こす恐れがあるため、避けたほうが無難です。ラケナリアの球根の主な販売時期は9〜10月です。花苗店やホームセンターなどで見つからない場合は、ネット通販などで入手することもできます。 植え付け COULANGES/Shutterstock.com ラケナリアの球根植え付け適期は、9〜10月です。ラケナリアには11〜12月に咲く「冬咲き種」と4〜5月に咲く「春咲き種」があります。「冬咲き種」は早めの9月上旬頃に植え付け、芽吹くまで風通しがよく涼しい日陰で管理すると、1カ月ほどで発芽して12月中旬頃に開花します。春咲き種は、他の秋植え球根同様に十分気温が下がってきた10〜11月に植え付けて管理します。 鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。5〜6号鉢に3〜5球を目安に、均等に間隔を取って覆土は1cm前後で浅植えにします。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水やりしましょう。 日常の手入れ Andrii Zastrozhnov/Shutterstock.com 【花がら摘み】 ラケナリアは次々に花が咲くので、終わった花は園芸用バサミで切り取りましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとしてよく花がつき、長く咲き続けてくれます。また、枯れ葉があれば適宜取り除いておきます。 冬の寒さ対策 Anton Starikov/Shutterstock.com ラケナリアは寒さに弱いので、霜が降りたり凍結したりする地域では、日当たりのよい室内や温室に移動して管理します。室内に置く場合は、暖房の風が直接当たらない場所に置きましょう。凍結の心配がなく戸外で越冬できる暖地では、日当たりのよい軒下などに置き、鉢の表土にわらやバークチップを敷き詰めてマルチングをしておきましょう。不織布でふわりと鉢を覆っておくのも有効です。 増やし方 Nataly Studio/Shutterstock.com ラケナリアは球根植物で、地下の球根が分かれて増えていくので、掘り上げて分球し、増やすことができます。大株に育って込み合っているようなら、一度掘り上げてみてください。適したタイミングは、地上部が枯れて休眠に入る頃です。たくさんついている球根を分けて、ネットなどに入れて風通しのよい半日陰などに吊り下げて保存しておきましょう。10〜11月の球根植え付け適期に植え直します。 ラケナリア栽培でよくあるトラブルと対策 alybaba/Shutterstock.com ラケナリアを植えたのに、咲かない、株が弱ってきたといった困りごとはありませんか? この章では、ラケナリアのトラブルや対策についてまとめました。 花が咲かない原因 ラケナリアの花が咲かない時は、以下の4つの原因が考えられます。 1 日当たりが悪い ラケナリアは、十分な日光を受けないと花芽が作られにくく、花が咲かなくなってしまいます。日当たりの悪い場所で管理している場合は、日当たりのよいところに移動させましょう。春の開花頃には日当たりがよくても、季節が進むと同じ場所でも日陰になることもあるので、観察してみてください。開花が終わったからといって日当たりの悪い場所へ移動せずに、休眠するまでは日なたで管理します。 2 肥料分を適切に与えていない 球根植物は、地下の球根に養分をためているので、あまり肥料を与えずともよく育ちます。特にチッソ成分の多い肥料をたくさん与えていると、茎葉ばかりが茂って花が咲かなくなってしまうことがあります。 開花期にはリン酸やカリなど開花を促進する成分が配合された液肥を与えるとよいでしょう。また開花後、茎葉が光合成を行う時期に養分を吸収できずにいると、球根に養分を備蓄できずに花が咲かなくなってしまうこともあります。開花後は、お礼肥として株を回復させるために液肥を与えましょう。また、地上部が枯れて休眠するまでは、球根を太らせる目的で定期的に液肥を与えて様子を見てください。 3 花後に葉を切ってしまった 花後に葉を切ってしまうと、光合成不足によって十分に球根に養分が蓄えられず、花芽が作られなくなることがあります。花後に花茎は切り取りますが、葉はそのまま自然に枯れるまで残しておきましょう。邪魔になるからといって、葉を切ったり、しばったりするのは禁物です。 葉が黄色くなる原因 ラケナリアの葉が黄色くなる原因は、「過湿」か「病気」が考えられます。特にラケナリアは自生地が乾燥地で多湿を嫌うため、水やりをしすぎると根腐れを起こして根が養水分を吸収できなくなり、葉にも影響して黄色くなって弱るので注意。水やりは鉢の土がしっかり乾いてから行うのが基本です。また葉が黄色くなるとともに悪臭があれば、病気にかかっている場合もあります。その際は周囲に蔓延するのを防ぐため、直ちに病変株を抜き取って処分しましょう。 ラケナリアをもっと楽しむアイデア COULANGES/Shutterstock.com 鉢植えアレンジと寄せ植え 草姿がコンパクトにまとまり、カラフルな花色が揃うラケナリアは、暖地では冬の寄せ植えに利用することもできます。同じ開花期のパンジーやビオラ、スイートアリッサム、ムスカリなどとブーケのような寄せ植えを作ってみましょう。脇役として銅葉や銀葉などのカラーリーフをプラスするとシックにまとまります。 ギフト用として 冬に開花するラケナリアは、ギフトに利用するのもおすすめです。花が少なくなる寒い時期に、窓辺を彩るので喜ばれます。鉢にラッピングを施し、メッセージを添えて贈っても素敵です。 冬を彩るラケナリアでガーデニングライフを豊かに Alex Manders/Shutterstock.com 球根植物のラケナリアは、生育旺盛で放任してもよく育つため、ビギナーにも育てやすい草花の一つです。大鉢にたくさん植えて迫力を出したり、寄せ植えの一員として個性を発揮させたりと、ベランダや窓辺を華やかに彩ってはいかがでしょうか。
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【失敗しない完全版】ソラマメの育て方ガイド|種まき・冬越しから「旬の味」を楽しむ収穫まで
ソラマメの基本情報 Paul Maguire/Shutterstock.com 植物名:ソラマメ学名:Vicia faba英名:broad bean、fava bean、faba bean和名:ソラマメ(空豆、蚕豆)その他の名前:シガツマメ(四月豆)、テンマメ(天豆)、ナツマメ(夏豆)、ノラマメ(野良豆)など科名:マメ科属名:ソラマメ属原産地:西南アジア~北アフリカ形態:一年草 ソラマメはマメ科ソラマメ属の一年草です。学名はVicia faba(ビシア・ファバ)、原産地は北アフリカや西南〜中央アジアなどで、寒さに比較的強く、暑さにやや弱いのが特徴です。約4,000年前のエジプト遺跡、ピラミッドから見つかっており、古代から食されていたことが分かっています。現在でも世界中で食用にされ、未熟な若い豆や完熟豆を利用します。ちなみに、麻婆豆腐などに欠かせない中華食材の豆板醬は、主にソラマメを原料として作られています。 夏バテ防止にもなる栄養豊富なマメ類 Halil ibrahim mescioglu/Shutterstock.com ソラマメはタンパク質、糖質、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCをバランスよく含む、栄養豊富な野菜の一つです。また、鉄分を多く含むのも特徴で、ダイズの約1.5倍も含まれています。 ソラマメの花や葉、実の特徴 Motalb/Shutterstock.com 園芸分類:野菜開花時期:3〜5月草丈:50〜120cm耐寒性:やや強い耐暑性:やや弱い花色:白または淡紫色(中央は濃紫) ソラマメは茎が直立するように上に伸び、分枝して旺盛に茂ります。茎には4つの稜があり、茎の内部は中空です。春に咲く花はマメ科らしい蝶形花で、白や薄紫の花弁の中に濃紫色の斑が入ります。開花後につく莢は、若いうちは上に向き、熟すと水平もしくは下向きになるという特徴があります。 ソラマメの花。Graham Corney/Shutterstock.com 10cm以上にもなる大きな莢は、内部にはフワフワとした白いワタがあります。このワタには若い豆を寒さや乾燥から守り、また栄養を一時的に蓄えておく役割があります。そのため、じつはこのワタ部分も甘みがあり、加熱すると食用可能なのだそう。豆のつめ部分の黒い線は「お歯黒」と呼ばれ、熟すにつれて濃くなるため、熟度の目安にもなっています。 ソラマメの名前の由来と花言葉 Doikanoy/Shutterstock.com ソラマメは漢字で「空豆」と書き、莢が空に向かってつくことが由来になっています。また、見た目が繭に似ていることや、養蚕の時期に熟することから「蚕豆」と書くこともあります。 ソラマメの花言葉は「憧れ」「永遠の楽しみ」です。 採れたてが最も美味しい野菜 Narsil/Shutterstock.com ソラマメは「おいしいのは三日だけ」といわれるほど、鮮度が落ちやすいのが特徴です。時間が経つと風味が悪くなるので、収穫したらすぐに調理して味わうのがポイント。あらかじめ莢から出しておくとかたくなって風味も落ちるため、調理の直前に莢から豆を出して利用するとよいでしょう。 ソラマメは塩茹でにすると素材のよさを味わえます。また煮ても揚げてもよく、茹でた後に炒め物やサラダに加えても美味しくいただけます。莢ごと焼くのもおすすめです。 Ildi Papp/Shutterstock.com ソラマメの主な種類と品種 La Huertina De Toni/Shutterstock.com 日本で多く栽培されているのは、「河内一寸」や「陵西一寸」などの一寸ソラマメ。1粒の大きさが大きく、一寸(約3.3cm)ほどもあるのが特徴です。また、「お多福豆」として甘納豆などに利用されるやや小粒の一寸ソラマメ「お多福」や、莢は緑で中の豆が赤い「初姫」、長い莢の中に5~6粒の豆が入るヨーロッパのソラマメ「ファーベ」などがあります。 ソラマメの栽培12カ月カレンダー Paul Maguire/Shutterstock.com 開花時期:3〜5月植え付け:11月中旬〜12月上旬肥料:3月頃種まき:10~11月収穫:5月中旬〜6月中旬 ソラマメは冷涼な気候を好み、生育適温は15〜20℃です。耐暑性はあまりなく、25℃以上になると生育が悪くなるため、秋に種子を播いて冬越しさせ、翌年の初夏に収穫する秋まきがおすすめ。ただし、ソラマメは寒さにすこぶる強いというわけではなく、本葉4〜5枚、草丈10〜20cmほどの幼苗期のみ寒さに耐える力を持っています。これより苗が大きくても小さくても、寒さに耐えられずに弱ってしまうので、早まき・遅まきを避け、種まきの適期を逃さないことがポイントです。育苗後、本葉が4〜5枚ついたら定植して、低温に耐える若い苗の状態で冬越しします。翌年の春から生育が盛んになり、開花後に莢をつけたのち、5月中旬〜6月中旬に収穫します。 ソラマメの栽培環境 kungfu01/Shutterstock.com 【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】ソラマメは連作(同じ科の植物を同じ場所で栽培すること)を嫌うので、前作に同じマメ科のインゲンやエダマメ、エンドウなどを植えていた場所は避けましょう。4〜5年はマメ科の植物を育てていない場所を選ぶことが大切です。腐食質に富むふかふかの土壌を好みます。ソラマメは酸性土壌にやや弱く、適した土壌酸度は5.5〜6.0ほどなので、土づくりの際に苦土石灰を散布して調整するとよいでしょう。 耐寒性・耐暑性 ソラマメはある程度耐寒性があり、マイナス5℃程度まで耐えますが、これは草丈10〜20cmほどの幼苗期のみなので、種まきの時期に注意が必要です。また、暑さにはあまり強くなく、生育適温は15〜20℃です。 ソラマメの育て方のポイント 種まき ソラマメはビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。 ただし、ソラマメの苗は秋から花苗店やホームセンターに出回り始めるので苗の植え付けからスタートするのもよく、「1〜2株あれば十分だから、苗の植え付けから始めたい」という方は、「土づくり」「植え付け」の項に進んでください。 【菜園・プランター栽培ともに】 ソラマメの発芽適温は15〜25℃くらいで、種まきの適期は10〜11月です。マメ科の植物は移植を嫌うため、直まきしてもよいのですが、鳥害を避けるためには育苗して定植すると安心です。 3号ほどの黒ポットに野菜用にブレンドされた培養土を入れ、ジョウロで十分に湿らせておきます。1穴に2粒ずつ「お歯黒」を下にして種子を浅く埋めます。日当たり・風通しがよく、鳥の食害に遭わない場所に置き、水やりは種子が腐るのを防ぐために乾いたら与える程度にしましょう。7〜10日ほどで発芽し、さらに本葉が2枚ほどついたら勢いがよい方を残し、一方の苗をハサミで地際からカットして間引きます。引き抜くと残す苗の根を傷めるためです。育苗して本葉が4〜5枚ついたら定植適期です。 用土 blueeyes/Shutterstock.com 【地植え】 苗を植え付ける2〜3週間以上前に、畝を作る場所に苦土石灰を1㎡当たり100〜150g散布し、よく耕して土に混ぜ込んでおきます。さらに、苗の植え付けの1〜2週間前に、畝幅約60cmと作りたい株数に応じた畝の長さを取り、目印として四隅に支柱を立てます。畝に1㎡当たり牛ふん堆肥2〜3L、熔成リン肥50g、有機配合肥料80gを均一に散布し、クワでよく耕して土に混ぜ合わせましょう。土づくりをしてからしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成します。 【鉢植え】 野菜用にブレンドされた市販の培養土を使うと便利です。それぞれの野菜に適した土壌酸度などは異なるので、製品の用途に「ソラマメ」の項目が入っているか、確認しておくとよいでしょう。 植え付け OlegDoroshin/Shutterstock.com ソラマメの苗の植え付け適期は11月中旬〜12月上旬。マメ科の植物は移植を好まないので、根鉢をくずさずに植え付けるのがポイントです。 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、幅約60cm、高さ約10cmの畝をつくり、表土を平らにならします。畝の中央に40〜50cmの間隔をとって、根鉢を崩さずに苗を植え付けましょう。植え付け後に、たっぷりと水やりをしておきます。 【鉢植え】 土が25〜30L入る、深さ30cm以上の大型のプランターを用意します。 底穴に鉢底網を敷き、底が見えなくなるくらいまで鉢底石を入れ、その上に野菜用にブレンドされた培養土を入れます。水やりの際に水があふれ出さないように、ウォータースペースを鉢縁から2〜3cm残しておきましょう。20〜25cmの間隔を取って、根鉢を崩さずに苗を植え付けます。株元をしっかり押さえ、最後に鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと水やりをしましょう。植え付け後は、日当たり、風通しのよい場所に置いて管理します。 水やり wavebreakmedia/Shutterstock.com ソラマメは過湿を嫌うため、乾燥気味に管理します。また水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉には水をかけず、株元の土を狙って与えましょう。 【地植え】 下から水が上がってくるので、天候にまかせてもよく育ちます。ただし、過度に乾燥が続くようなら、適切に水やりをして補いましょう。 【鉢植え】 日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。 肥料 New Africa/Shutterstock.com ソラマメの栽培では、肥料は控えめに与えることがポイントです。ソラマメの栽培時には地中のチッ素分を固定する根粒菌が根に共生します。根粒菌は根から栄養分をもらうかわりにチッ素分を供給する共生関係にあり、ソラマメはやせ地でも生育できるのです。肥料を与えすぎると、徒長して軟弱な株になったり、茎葉ばかり茂って実がつかない「つるぼけ」の状態になったりするので、施肥量には注意しましょう。ただし、鉢植えの場合は、株の状態を見て調整してください。 【地植え】 3月頃に、化成肥料を1株当たり20〜30gをばらまき、畝の周囲の土を軽く耕して株元に寄せておきます。 【鉢植え】 つぼみが見え始めたら、1株あたり1つまみほどを施します。その後は草勢を見ながら7〜10日おきに液肥を与えましょう。 支柱立て Mi Ha/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 冬は生育が緩慢になるのでほとんど変化はありませんが、春に生育期を迎えるとぐんぐん生育します。草丈が30cmほどに育ったら、園芸用支柱を畝またはプランターの四隅に立てて、麻ひもなどで囲い込んで株を中に入れ、倒伏しないようにします。成長とともに高さ20cm間隔で麻ひもの囲いを増やしていくとよいでしょう。 整枝 Aleksei Golovanov/Shutterstock.com 地際から多数出ている茎葉のうち、弱々しい茎葉を地際で切り取る作業です。充実している茎のみを残すことで、養分が分散されずに大きな鞘を収穫できるようになるとともに、風通しがよくなるため病気の発生を防ぐ効果もあります。 【地植え】 草丈が40〜50cmになったら、10本以上出ている茎のうち、勢いのある6〜7本のみ残し、ほかは地際で切り取ります。 【鉢植え】 草丈が30〜40cmになったら、6〜7本以上出ている茎のうち、勢いのある3〜4本のみ残し、ほかは地際で切り取ります。 摘心 Paul Maguire/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 草丈が60〜70cmになったら、茎の先端を10cmほどカットして芯を止めましょう。茎葉がこれ以上伸びなくなり、その分花や実に養分が向かって充実した莢になります。 収穫 Josie Elias/Shutterstock.com 【地植え・鉢植えともに】 ソラマメの収穫適期は5月中旬〜6月中旬で、開花から40〜50日が収穫の目安です。空に向かって立っている実はまだ熟しておらず、下向きに垂れ下がってきたらそろそろ収穫のタイミング。莢の背にある筋が黒くなり、産毛が無くなって光沢が出始めたら、ハサミで切り取って収穫します。 注意する病害虫 Tomasz Klejdysz/Shutterstock.com チッ素成分の多い肥料を過剰に与えると、株が徒長しやすく軟弱になって病害虫が発生しやすくなるので注意します。摘心・整枝を適切に行い、風通しのよい環境を保つことも大切です。 【病気】 モザイク病 モザイク病はウイルス性の病気で、アブラムシやアザミウマ、コナジラミなどの虫が媒介となって発症します。したがって、発症しやすい時期はアブラムシなどの活動が活発な春から秋にかけて。主に花や葉に被害が発生し、モザイク模様が現れます。症状が進むとウイルスの種類によっては葉などが縮れてきたり、湾曲して変形したりし、株の生育が著しく悪くなります。治療効果のある薬剤はないので、発症したら抜き取って土ごと処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。アブラムシ対策をしておくことが、発症を抑制することにつながります。 赤色斑点病 赤色斑点病は、4〜6月頃に発生しやすくなります。カビが原因で発生する病気で、主に葉に小さな赤褐色の斑点が発生し、広がると茎や葉柄、鞘にも病斑が現れます。病気が進行すると、落葉してしまいます。予防としては、風通しのよい環境を保ち、チッ素成分の多い肥料を過度に与えないようにしましょう。病斑を発見したら、早めに適用する薬剤を散布し、周囲に蔓延するのを防ぎます。 サビ病 サビ病は、かびによる伝染性の病気です。葉にくすんだオレンジ色で楕円形の斑点が現れます。この斑点は、やや細長くイボ状に突起するのが特徴です。症状が進むと斑点が破れ、中から粉のように細かい胞子を飛ばします。発症すると株が弱り、枯死することもあるので注意。発病した葉は見つけ次第切り取って処分し、適用する薬剤を散布して防除します。 【害虫】 アブラムシ ソラマメにはアブラムシがつきやすく、茎葉にびっしりと群生することも珍しくありません。若い成長点や莢について吸汁し、株を弱らせます。またアブラムシが病気を媒介する原因になるので、早めに補殺するか適用する薬剤を散布して対処しましょう。 新鮮なソラマメを育てて美味しく健康に tamu1500/Shutterstock.com 塩茹でにしても素揚げにしても、ほくほくとしておいしいソラマメ。鮮度が落ちやすいので、採れたてのおいしさを味わえるのは家庭菜園でこその醍醐味です。菜園でもプランターでも栽培できるので、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。


















