スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
3and gardenの記事
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一年草

変化朝顔を知りたい! 明治の図版に見る花の魅力と育て方の極意
変化朝顔を次世代へ! 愛好家に栽培され続けた普及の歴史 アサガオは、遡ること約1,200年前の奈良時代に中国から渡来し、下剤の効果がある薬として使われながら、観賞用としても栽培が始まりました。それまでは花や葉の変化は数えるほどしかなかったところ、18世紀の中頃、現在の岡山県で「松山朝顔」や「黒白江南花」と呼ばれた絞り咲きのアサガオが出現。それが京都や江戸に広まって、江戸時代後期の文化文政時代(1804〜1830年)には多くの変異が見つかるようになり、第1次栽培ブームが起こりました。 江戸時代の後期には、アサガオには見えないような形も観賞される第2次ブームが到来。その後、一時衰退したかと思われる中、明治30年代には東京を中心として、大阪、京都、名古屋などの都市で愛好会が結成され、それぞれが会報誌を出していました。ここで第三次ブームが到来。今残る当時の会報誌を見ると、実に変化に富んだ変化朝顔が存在していたことが伝わってきます。 上写真は、明治43年に発足した東京朝顔研究会に所属していた絵師、高輪其堂(たかなわ・きどう)が描いた変化朝顔の図です。葉が縮れたり、糸のように細かったり、花びらが細く切れ込んでいたり、細く枝垂れている種など、これがアサガオ? と驚かされる奇抜な形をしています。 園芸文化協会会長の小笠原左衛門尉亮軒さんの解説によると、他の絵師による図と比べ、ご紹介の高輪其堂が描いた変化朝顔は筆が細くとても繊細で、ルーペで見ても描きそこないがなく、見事にその姿を表現しているとのことです。 変化朝顔の名前(見立て名) 左図の青い花は、1段目の花の中央から、さらに上方へ立ち上がって2段目の花が出ています。これは「車咲牡丹(くるまざきぼたん)」と呼ばれる咲き方で、毎年50〜60鉢もの変化朝顔の栽培をする小笠原さんでも、形良く咲かせるのは難しいといいます。 変化朝顔は、各品種を示す名前も独特です。左図に添え書きされている「青雨龍葉納戸鳥甲噴上車咲牡丹」がこの品種の名前で、前半に葉の特徴を、後半では花の特徴を表しています。図の品種は、葉は、青雨龍(あおあまりょう)葉で、花は納戸(なんど=青色)鳥甲噴上車咲牡丹(とりかぶとふきあげくるまざきぼたん)であると示しています。 変化朝顔の花の見頃は8〜9月 九州大学大学院准教授、仁田坂英二さんの解説によると、明治43年には東京朝顔研究会が発足、それまで一般には入手が難しかったタネの会員への配布が始まり、昭和6年に東京の日比谷公園で初めて変化朝顔の展示会が開催されました。上写真右は、穠久会(じょうきゅうかい)という別の変化朝顔の愛好会によって、昭和7年、日比谷公園で行われた展示の様子です。上写真左には、8月18日や9月8日に展示された優秀花の様子があります。このように変化朝顔は大輪朝顔と比べて成長が遅く、8月の終わりから9月が開花のピークになります。 変化朝顔とは? 大輪朝顔も変化朝顔も、種子で増やす一年草ですが、変化朝顔には種子ができるものとできないものがあります。この種子ができるもの(正木)と、種子はできないが花の変化があるもの(出物)を同時に育てて、変化がある花を楽しみながら、変化を隠し持った親株から次世代のタネを採り、翌年播いて維持していくのが変化朝顔の栽培です。 ●種子ができる=「正木(まさき)」=花や葉の変化が少ないがタネが採れるので、毎年同じ色や形を育てることができる ●種子ができない=「出物(でもの)」=変異が花や葉、茎などに現れて観賞価値が高い この観賞用の「出物」を栽培するために、次世代に「出物」が生じる遺伝子を持っている「親木」を育てながらタネを維持し、再び出物を咲かせつつ、出物を隠し持つ親木を維持していくことが変化朝顔の栽培の楽しみの一つです。アサガオの栽培自体は簡単ですが、親木を残す識別作業を行わないと、出物が生じない「出物抜け」になってしまいます。 この識別作業(仕訳/しわけ)をするにあたって、「遺伝学的な原理を理解しておくと、その考え方がどの系統にも応用でき便利である」と解説するのが、アサガオの系統保存と形態形成遺伝子、トランスポゾンの研究を行っている九州大学准教授の仁田坂英二さん。 仁田坂英二さんの近著『変化朝顔図鑑』(化学同人刊)では、変異が生まれる仕組みや変化朝顔のバリエーション、栽培ノウハウなどが解説されています。奥が深い変化朝顔の知識を深めることができる一冊です。 九州大学のアサガオのページでは、教育目的や一般の栽培家に向けてもアサガオの種子の提供をしています。 変化朝顔の育て方1「芽切り作業」 変化朝顔は、発芽と生育に25℃以上の温度を必要とします。大輪朝顔に比べて少し遅い時期からタネ播きを開始しても大丈夫。6月以降、十分暖かくなってから播くとよいでしょう。また、変化朝顔のタネは水を吸いにくいので、発芽させるためにはタネを播く前に種皮にヤスリやナイフなどで傷をつける「芽切り」の作業が必要になります。 セミナー会場で配られたタネは、仁田坂先生の研究室であらかじめレーザー光を当てて「芽切り(発芽処理)」が行われています。上写真をよーく見ると、表皮にXが刻まれています(レーザー光照射による硬実種子の発芽改善方法および発芽改善種子の技術はタキイ種苗の特許技術です)。 1,500系統以上のアサガオの突然変異系統を保存する仁田坂先生が率いる九州大学大学院理化学研究院の生物学部門では、毎年多数のタネを播くため、レーザー光照射技術の使用許諾をタキイ種苗から得て、芽切り作業を時短しています。 変化朝顔の育て方2「植え付けと日頃の手入れ」 植木鉢やプランターに市販の培養土を入れ、種子を深さ1〜15cm程度埋め、土をかぶせて水やりします。発芽までは用土が乾かないように気をつけましょう。 芽が出たら日が当たる場所に置き、朝、夕たっぷり水をやります。日が当たる時間は1時間程度でも大丈夫ですが、短日植物なので、夜に街灯などの明かりが当たらないかも確認するとよいでしょう。つるが伸びてきたら、あんどん型の支柱などに誘引します。つるが伸びすぎたら先端を摘んで、脇芽を伸ばすのも一つの方法です。 肥料は、用土にあらかじめ元肥として固形肥料などを混ぜておくか、週に1回程度、薄めた液肥を水やりと同時に施すのもよいでしょう。 変化朝顔の育て方3「タネ採り」 7月下旬〜8月下旬の間は、花が次々と咲きますが、高温のためタネはほとんどできません。9月になるとタネがつき始めるので、茶色く色づいたらさやごと採取して陰干しします。完全に乾いたら、さやからタネを取り出して封筒などに入れ、乾燥剤の入った瓶や密封容器に入れて、冷蔵庫で保存します。 1〜2年に一度、乾燥剤を交換すれば長期間保存することもできるので、必ずしも翌年にすべてのタネを播かなくても変化朝顔の栽培はできます。変化朝顔研究会副会長の伊藤重和さんによると、乾燥剤を入れて45年保存ができたという例もあるそうです。 江戸の花、朝顔文化を知らせるセミナー ここでご紹介した内容は、朝顔栽培の旬の季節を迎えた2019年7月6日、東京・日比谷コンベンションホールにて行われた「江戸の花プロジェクト・園芸文化を守ろうセミナー 未来につなぐ朝顔文化〜SEASON3」(主催:園芸文化協会)の講演内容からダイジェストしてお届けしました。 第1部は、小笠原左衛門尉亮軒さんによる「明治の朝顔図の名人、高輪其堂が描いた変化朝顔肉筆画三帖を見尽くす」。第2部は仁田坂英二さんによる「変化朝顔の仕分け」、第3部は、小笠原さん、仁田坂さん、伊藤重和さんの3名によるトークセッション「変化朝顔の育て方 栽培の極意中の極意」。 併せて読みたい ・夏庭に涼を呼ぶ変化朝顔「江戸風情」 ・どんな花が咲く? 変化朝顔をタネから育ててみよう ・芸をする朝顔【写真家・松本路子のルーフバルコニー便り】 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 取材協力/園芸文化協会
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ガーデン&ショップ

7つの景色が楽しめる新ローズガーデン誕生!「中之条ガーデンズ」に行ってみよう!
新たにオープンした美しい庭 「中之条ガーデンズ」をご案内 群馬県中之条町にある「中之条ガーデンズ」は、中之条町が進める花のまちづくりの拠点となっているスポットです。東京ドームおよそ6個分の敷地には、一つの大きなガーデンではなく、テーマ別にいくつものガーデンがつくられ、それぞれに異なる庭の表情を堪能することができます。各ガーデンの設計や植栽に当たっては、一流ガーデンデザイナーが結集。今回取り上げる「ローズガーデン」の植栽デザインは、バラの育種家で、「横浜イングリッシュガーデン」のスーパー・バイザーなども務めるバラの専門家、河合伸志さんが担当しています。 この地ならではの生き生きとした植物の色彩が楽しめる ローズガーデン 「中之条ガーデンズ」の大きな魅力は、なんといってもバラの美しい花色。中之条町は昼夜の寒暖差が大きく、非常に発色のよいきれいな花色を楽しめるのです。この地ならではの鮮やかな植物の色合いを生かし、カラースキーム(花色による色彩計画)を基本にエリア分けされた「ローズガーデン」では、エリアごとにカラーが際立ち、デザイン意図にピタリとはまる色調に。ガーデンを移動するたびに大きく変化する光景に、何度も新鮮な驚きが味わえます。 フェンスやオベリスクなどの構造物も、各エリアに合わせ、特別に色や形がデザインされたものばかり。これらの設計は、総合プラン・ガーデンデザインを担当した空間デザイナーの吉谷博光さんによるものです。ガーデンを最大限に美しく見せるためのこだわりが随所に見られ、植栽された植物と引き立て合って、ここにしかないガーデン風景をつくり上げています。 それでは、「中之条ガーデンズ」の個性豊かな7つの「ローズガーデン」をご案内しましょう。 洋の庭から和モダンまで 庭を進むたびに風景が一変 まず初めに現れるのは、ピンクのバラの小道。オルラヤやリナリア・プルプレアなどの小花がピンクのバラの周りにレースのように咲き群れて、思いっきりロマンチックな雰囲気からスタートします。 大きくカーブする園路を進むと、白、黄色、赤へと色彩は変化し、滴り落ちる滝のように仕立てられたスタンダード仕立てのバラも効果を発揮、景色はドラマチックに展開していきます。この庭は、既存の大きな斑入りのケヤキなどの樹木を背景に、バラの花色がいっそう美しく映え、ホッと安らぐ雰囲気の中で花々を堪能できます。 ロマンチックなガーデンを存分に味わったら、次の庭へと歩を進めてみましょう。 園路が石畳へと変わり、続いて現れるのがモダンジャパニーズ風のガーデン。他の洋のガーデンとは雰囲気を異にする、唯一の和のガーデンです。左右のフェンスには色鮮やかなバラとクレマチスが誘引される一方、足元は黒い玉砂利と数を絞った植物でシンプルに構成された “引き算の庭”です。 正面には、まるで黒御影石のテーブルのような水鏡。その奥にはガーデンデザイナーの吉谷桂子さんがデザインする円形花壇「スパイラルガーデン」が遠くに見えます。白い壁が額縁のようにその景色を切り取って、一幅の絵のように庭景色を観賞するというユニークな趣向です。このテーブルはじつは水槽になっていて、上からのぞき込むと、かわいい赤い金魚たちが泳いでいるのが見えますよ。 和のコンセプトを表現したバラ植栽 このガーデンでは、フェンスに誘引されたバラとクレマチスは華やかな屏風絵を、水槽の両脇に植えられたバラは、着物が掛けられた衣紋掛けをと、植物を用いて和のイメージが表現されています。そのため、誘引には目に付きにくいピアノ線を使うというこだわりも。ぜひ想像を膨らませながらガーデン空間を味わってみてください。 清廉な雰囲気をまとった和の庭を出ると、‘ラベンダー・メイディランド’ などパステルカラーのバラが彩るロマンチックなガーランドのあるガーデンが視界に広がります。足元に生き生きと茂る銅葉のクローバーは、甘やかな色彩の引き締め役。バラがこぼれ咲くガーランドが園路脇を飾り、歩を進めると立ち込めるバラのかぐわしい香りに包まれます。 バラの色彩が際立つ 印象的なカラーガーデン 足を踏み入れた途端、青と黄色の色彩の中へと飛び込むブルー&イエローのガーデン。黄色のバラを基調としたガーデンが鮮やかなブルーのフェンスに囲まれ、7つのローズガーデンの中でも色彩のインパクトが鮮烈な華やかな庭です。フェンス上部には小さく模様が切り抜かれ、空間に抜け感をもたらすとともに、続くエリアの色彩をちらりと感じさせてくれます。 ガーデン中央のガゼボには、柔らかなイエローとアプリコット色のバラが絡み、青い支柱と美しいコントラストを奏でます。この2種のバラは、一方のバラから突然変異などにより生まれた枝変わりを組み合わせています。このように、花色以外の性質が共通している枝変わりを組み合わせることで、開花期や株姿、花の大きさが揃い、調和のとれた景色をつくり出すことができます。 カラフルなブルー&イエローの庭から一転、続くホワイトガーデンに足を踏み入れると、美しく輝く白とあふれる緑が視界を満たし、清純な景色が広がります。周囲のフェンスも白く変化した庭で、中央にある噴水の縁を飾るのは、大きく育ったミニバラの‘グリーンアイス’。周囲には、‘アイスバーグ’や‘ウィンダミア’、‘アンナプルナ’など、さまざまな白バラが咲き乱れます。 赤紫色の常緑樹、トキワマンサクで幾何学的なマス目をつくり、周囲をコクリュウで縁取ったアンティークカラーのガーデン。それぞれのマスと周囲に植栽されているバラは、‘チャーリー・ブラウン’や‘チャーリー・アンバー’、‘バーガンディー・アイスバーグ’、‘しのぶれど’など、シックな花色のバラばかりを集めた、他にはない珍しい色彩の調和が楽しめます。 周囲を囲むのは、クロスデザインでつくられたガーデン。庭の中心を通る対角線上に同じ種類の樹木やバラが植栽されているので、ガーデン風景を楽しみながら、植物の位置を確認するのも面白いかもしれませんね。 カフェのあるガーデンで バラに包まれたひとときを 6つのローズガーデンを抜けた終点にあるのが、豊かな香りを持つバラを集めたローズガーデン。赤いバラを中心に、バラの色彩がグラデーションを描くように植栽されています。庭の一角にはカフェスタンドがあり、ガーデンチェアに腰を掛け、飲み物を片手にゆったりとした時間を過ごすことができます。 バラと宿根草が混ざり咲き、互いに引き立て合うテラスガーデンからは、吉谷桂子さんがデザイン・植栽したスパイラルガーデンを一望できます。 「中之条ガーデンズ」は入園無料。この「ローズガーデン」のほかにも、「スパイラルガーデン」、「パレットガーデン」など多様なガーデンがあり、春には1,000本のハナモモがピンクのトンネルをつくるなど、数百種類の季節の花々が咲き乱れます。園内には陶芸や草木染めの体験施設もあり、植物を見るだけでなく、触れたり体験したりしながら楽しむことができます。 また、「中之条ガーデンズ」を訪れた際には、ぜひ足をのばしてほしいのが、ここからおよそ20km離れた高地にある「中之条山の上庭園」。標高およそ1,000mのガーデンには、ハーブや宿根草、コマクサなどの高山植物が咲き、また違った美しいナチュラルガーデンが広がります。 時間の経過につれ、木々や草花もさらに美しい姿へと成熟していく「中之条ガーデンズ」。ここに選ばれているバラは、四季咲き性種ばかり。春以降も秋まで繰り返し咲くバラの姿を見に、何度も足を運んでみませんか?
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園芸用品

美しい庭をつくる人が愛用する便利な庭道具
つるバラの花がら切りに欠かせない中枝切りバサミ クリニックの庭や駐車場には、壁面に多くのつるバラを誘引しています。満開になったときには、それはそれは素晴らしい風景になりますが、満開を過ぎる頃になると毎日、花がら摘みに明け暮れることになります。クリニックには身体の具合が悪い方がいらっしゃるので、庭はいつも気持ちが明るくなるよう「最高に美しく、花がら一つ見せない!」というのが私の理想であり、庭づくりの信条としています。しかし、つるバラは、高い所や草花の奥に誘引してあり、なかなか手が届かない場所もあります。そんなつるバラの花がら摘みで私が愛用しているのが「中枝切りバサミ」です。 高枝切りバサミほど柄が長くなく、軽量なので片手で使いやすいのです。つるバラの手前の草花の植栽エリアに足を踏み込まなくても、ちょうど壁面のバラに届き、楽に花がらを摘むことができます。アーチの上のほうや、ちょっと手が届かない高い場所も、これがあれば脚立を出さなくて済む場合が多く、重宝しています。つるバラを育てている庭には、オススメのアイテムですね。 花がらを入れるウエストバッグ 摘んだ花がらは、腰に装着したウエストバッグに入れていきます。以前はカゴやバケツを片手に持ちながら花がら切りをしていましたが、ウエストバッグなら常に両手が使えるので、断然こちらの方が便利です。容量もたっぷり入るのが気に入っています。花がらはさして重くもないので、腰につけていても負担にならず身軽に動けます。実はこのバッグ、ディズニーランドで植栽の手入れをしている方々が使っているのを娘が見つけて、「いいものを使っていたよ」と、私に教えてくれたのです。「収穫ウエストバッグ」という名前で検索すると、いろいろなデザインや大きさのものが出てきます。 『美しい庭をつくる人のガーデニングスタイル・庭装備編①』 バラの手入れでよく使う刃物3点セット バラの手入れでは花がら摘みのほかにも、芽切りや剪定作業があり、刃物は欠かせません。これらの刃物は、バラの種類や年数、用途によって使い分けています。小さなノコギリはハサミより握力を必要としないので、太めの枝を切る時に便利です。先の細いハサミは花がらを摘んだり、アレンジメント用の花を切ったりする時によく使います。赤と白の持ち手のハサミは「岡恒(おかつね)」というブランドで、プロの植木職人さんもよく使っている剪定バサミです。とても切れ味がよいのですが、この切れ味のよさは植物にとってとても大切です。切れ味が悪く断面が潰れたりすると、回復に時間がかかり、そこから病気になったり、生育が滞ったりします。日本製の刃物は力を入れずスパッと切れるものが多く、海外のガーデナーも愛用しているそうです。 雑草抜きのための刃物2種 夏以降は雑草との戦いです。植栽帯に生えているものは土が柔らかいので比較的簡単に抜きやすいのですが、困るのはタイルの目地に生えてきたもの。引っ張ると地上部の葉だけが取れて、根が残ってしまい、すぐに生えてきてしまいます。根ごと引き抜くために使っているのが、この2種類の刃物です。一つは先のごく細くなった鎌で、もう一つは海外で作られている除草フォークです。 土がたっぷり入って便利なペットボトル土入れ クリニックの入り口や庭の中にも、たくさん寄せ植えの鉢を飾っています。定期的に植え替えをするのですが、こうした植え替え時の土入れとして便利なのが、500mlのペットボトルをリサイクルした自作の土入れです。市販の土入れやスコップより土がたっぷり入れられて作業効率がよいのと、細めの作りなので、寄せ植えした草花の隙間に土を入れるのに便利です。草花の上にザバッと土がかかってしまうと、仕上がりが汚くなってしまいますし、あとあとまで汚れが残ってしまうこともありますが、このペットボトル土入れは細身なので、その心配がありません。 可愛くて安全性も兼ね備えた支柱飾り デルフィニウムやジギタリスなど、背の高くなる草花には支柱が欠かせません。私は庭の雰囲気を壊さないように自然素材の支柱を使っていますが、それでもまだ草丈が低いうちは支柱がやや目立つので、トップにテラコッタ製の飾りをつけています。可愛らしい雰囲気になるのと同時に、目を突いたりするのを防いでくれます。庭仕事に夢中になっていると、意外と側にある支柱が目に入らず、あわやということもあるものです。それに支柱の先端から雨が入るのを防ぎ、耐用年数を長くする効果もあります。松ぼっくりやドングリなどいろいろなデザインがあり、選ぶのも楽しいですよ。 株姿の乱れがちな植物にはプランツサポート シャクヤクなど、大株になってくると枝が横に広がり、株姿が乱れてくるものがあります。株姿を美しくキープするのに便利なのが、このプランツサポートです。春先、まだ株が小さい頃にサポートを設置し、リングの中に収まるように育てます。多少、茎や葉が飛び出しても、このサポートがあることによって乱れた印象にはなりません。 庭道具は、機能性・操作性・デザイン性が揃っていることが大切。けれども、必ずしも高価なものである必要はなく、工夫次第で自分で使い勝手の良い道具を作ることもできます。そんなことも含めて、日々ガーデニングを楽しんでいます。 『水やりを極めた面谷さんのカスタマイズ超便利水やりグッズ』
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一年草

ペチュニアの育て方! 可愛い花をたくさん咲かせよう
ペチュニアとは 夏の花壇や寄せ植えを彩る、代表的な花の一つがペチュニアです。「あなたと一緒なら心がやわらぐ」「心のやすらぎ」という花言葉を持つペチュニアは、夏の暑い時期もよく咲いて花期が長く、育てやすく、品種のバリエーションが豊富でほかの花とも合わせやすい、とよいこと尽くめ。コンテナや花壇、ハンギングバスケットなど、ガーデニングの定番の花の一つとして、ガーデンには欠かせない存在です。鉢からあふれ出るほどにたくさんの花を咲かせ、こんもりと茂る姿はとても可愛らしいですね。成長が速くて丈夫なので、ガーデニング初心者にもオススメの花です。 ペチュニアはナス科の植物で、本来は多年草ですが、寒さに弱いため日本では基本的に一年草として扱われます。品種改良が進んだ結果、栄養系品種の元祖である「サフィニア」から始まり、「スーパーチュニア」、「バカラ」、「ギュギュ」など、より花数が多く、丈夫で育てやすい園芸品種も多数登場しています。 ペチュニアのバリエーション ペチュニアには多くの品種があり、一般的な一重咲きや八重咲き、大輪から小輪まで咲き姿もさまざまな種類があります。花色も、白やピンク、赤、紫、黄色などから、覆輪や縞の入ったものまで多彩で違いが楽しめるのも魅力。バリエーションが豊富なので、お気に入りの品種を育てたり、新しい品種に挑戦したりと、毎年育てていても飽きることなく楽しめます。 ペチュニアの使い方 カラーバリエーションが幅広く、どんな花とも合わせやすい姿で、開花時期が長いペチュニアは寄せ植えにオススメの花。ペチュニアだけの単体で鉢に植えても可愛らしいですね。 また、匍匐するタイプのペチュニアは、鉢から枝垂れるように育つのでハンギングバスケットなど、空中や壁に吊り下げて使うのにもぴったり。ペチュニアは蒸れを嫌うので、通気性のよいハンギングの環境での栽培にも向き、元気に咲いてくれます。海外の町で、ペチュニアのハンギングを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。 鉢植えとハンギングを同じ花色のペチュニアで組み合わせれば、統一感のある光景に。イギリスで見かけた素敵なアイデアです。 ペチュニアは、初夏から夏頃にかけて、公園や公共の花壇などでも地植えでよく使われています。基本的に低く広がって育つので、花壇に植栽する時は手前に植えるのがオススメです。 ペチュニアの育て方 ペチュニアは、4~5月頃に出回る苗を買って鉢や庭に植え替えて育てるのが一般的。基本的に一年草で、冬越しや挿し芽をして翌年以降育てることもできます。ただし冬越しは難しく、花つきが悪くなったり病気にかかりやすくなるため、毎年季節が来たら新しい苗を購入するほうがよいでしょう。連作障害(同じ場所に同じ植物、または同じ科の植物を続けて栽培することにより生じる、生育が悪くなる、病気が発生しやすくなるなどの現象のこと)が起きやすいナス科の植物なので、栽培場所を変えたり、新しい土を使ったりして育てます。苗を購入する際は、株張りがよく茎が伸びすぎておらず、葉っぱが黄変したりモザイク模様になったりしていない健康な株を選びましょう。また、少し値は張りますが、園芸品種のブランド苗を販売先から購入するのがオススメ。大きく花つきよく成長します。秋か春に細かなタネを播いても育てることができます。 ペチュニアは日光を好むので、栽培は日当たりのよい場所で。また、暑さや乾燥には強い一方で、雨に弱いため、特に梅雨時はうどんこ病対策としても、直接雨の当たらない場所で育てるとよいでしょう。また、ナメクジなどの虫が葉を食べたりしていないかなどのチェックもしましょう。改良品種は雨に強くなっていますが、軒下などで管理するのが無難です。また、泥がはねて株につくと病気が発生しやすくなるので、株元にマルチングをするなどして対策しましょう。 植え付けや植え替えの際は黄色い葉や花がらを取り除き、根を軽くほぐします。深植えにしないようにするのがコツです。また、植え付け後に茎の先端を摘む「摘心(てきしん)」作業をすることで、脇芽がよく出て花数を増やすことができます。ペチュニアは生育旺盛で、品種によっては株の幅が30cm以上と大きく成長するので、植え付けの際は株の間隔を広く取り、土が足りなくならないよう大きめの鉢を使うのがオススメです。成長すると鉢の縁から枝垂れるように育つので、高さのある鉢を使うとよいでしょう。 水やりは土の表面が乾いたら。成長期は水をよく吸い上げ、また夏は乾燥しやすいので水切れには注意しましょう。ただし、根腐れ防止のため、土が湿っていたら水やりは必要ありません。花に水がかかると傷んでしぼむことがありますが、それ以上に花が咲くのであまり気にしなくてもよいでしょう。 梅雨時は蒸れに注意が必要。蒸れを防止するために、全体の1/2~1/3程度を残して剪定する「切り戻し」をします。株姿が乱れてきたら同様に切り戻しをすることで、晩秋まで花を楽しむことができます。 開花期には適宜花がら摘みを行います。ペチュニアは枝葉がべたべたしているため、花がらがくっついて見た目が悪くなりやすいだけでなく、病気の発生源になることがあるので、こまめな花がら摘みが大切です。こまめな花がら摘みが難しい時は、花が大体終わったら、切り戻しを兼ねて枝ごと切るとよいでしょう。また、開花期には肥料を多く必要とし、肥料が切れると花が休みがちになったり、葉が黄色くなったりします。適宜追肥を行いましょう。 ペチュニアをこんもり形よく育てるためのコツ ペチュニアは成長してくると、次第に株の中心の葉が枯れたり、伸びすぎた枝の先にしか花が咲かなくなったりして見た目が悪くなりがちです。きれいなこんもりとした見た目を保ち、花をたくさん咲かせるコツは、「摘心」と「切り戻し」。上に書いた通り、新芽が出たらこまめに摘心をすることで脇芽が多く出て枝が増え、結果として花数が増えるとともに、こんもりと茂らせることができます。株姿が乱れてきたら切り戻しをすると、摘心と同様に新しい脇芽の発生を促して株姿を整えることができ、蒸れ防止にも効果があります。ペチュニアは成長が速いので、思い切ってバッサリ切ってしまっても大丈夫ですよ。 また、ペチュニアはたくさんの花を咲かせるため、肥料を多く必要とします。小さめのプランターに植えてある場合、株に対して土が少なくなりがちで、肥料やミネラルが不足することがよくあります。肥料が切れると花がとまりがちになるので、適宜追肥を施しましょう。 ●ペチュニアをタネから育てる種まきの方法は『タネから花を育ててみよう! タネ播きの適期・失敗しないコツ・発芽後の管理を分かりやすく解説』をご覧ください。 併せて読みたい ・ガーデニングシーズンの主役! “ペチュニア”と“カリブラコア”の魅力と楽しみ方 ・安酸友昭さんに教わる 夏に美しく咲き続ける一年草の寄せ植え ・夏の花壇に咲かせたい、涼しげな青い花7選 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 参考:みんなの趣味の園芸 https://www.shuminoengei.jp/
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水やりを極めた面谷さんのカスタマイズ超便利水やりグッズ
水やりの秀逸パーツを組み合わせたカスタマイズホース この庭はクリニックの待合室から患者さんが毎日眺める場所なので、一年を通して季節の花を咲かせています。ですから、水やりも一年を通して行っていますが、特にバラが咲き始める5月以降は一日に1〜2時間かけてたっぷり水やりをします。地植えの庭には水をやらなくていいところもありますが、この庭は両側を公道に挟まれた場所で日を遮るものがなく、一日中、日に当たっていて風通しもよいので乾燥しやすいんです。ですから、気温によっては朝と夕方、2回水やりをすることがあり、とにかく水やりに割く時間が長いので、少しでも使い勝手のよいものをと私なりにアップデートを重ねてきました。そして、たどり着いたのが、各メーカーのいいとこ取りをしたカスタマイズ・ホースです。 ・患者さんのためにつくったバラ香る庭 面谷内科・循環器内科クリニック ① ふんわり柔らかく水が出るノズル このノズル、植物への配慮がすごくよくできていると思います。シャワーの水がすごく細く出て、しっかりたっぷり出ながらも植物への当たり方がふわっと柔らかいんです。盆栽の世界なんかでは「水やり5年」といわれるほど、水ってただやればいいってものではなくて、あげ方って大事だと思うんです。水圧が強いと繊細なタイプの草花の茎を倒してしまうことがあり、土が削れてしまうこともありますが、これはそういうことがありません。水圧の強弱は手元で調節もでき、シャワーからスポットに切り換えても水圧が強すぎないので土跳ねもしません。黒色なので土汚れも目立たないし、デザインも高級感があって気に入っています。 ② 安定感&操作性&デザイン性抜群のホースリール 庭の端まで水やりをすると、10m以上はホースを伸ばさなくてはなりません。リールが軽いとホースを引っ張っているうちにリールが傾いたり転んだりして、蛇口側につないでいるホースが外れてしまうことがありますが、このリールは6.5kgあるのでホースを遠くまで伸ばしても安定しています。それに色とデザインがエレガントで庭の雰囲気を壊さないので気に入っています。 このホースも優秀! 10m以上伸ばして使うので、摩擦抵抗があると引き出したり巻き戻すだけで力が必要になり疲れてしまいますし、絡まったり、折れたりしたら、もう本当にイライラするものです。でも、このホースは特許を取得しているサラサラ加工だそうで、常に摩擦抵抗がなくスムーズに引き出せ、巻き戻せるので、ホースさばきが楽ですね。 ③ 希釈いらずでホースで液肥がまける便利グッズ 園芸用肥料会社のハイポネックスジャパンと散水用品メーカーのタカギがコラボした商品で、本体にハイポネックスの原液をセットして、水道の蛇口をひねれば約250倍に希釈した液肥入りの水がホースから出る仕組みになっています。これを見つけた時は本当に嬉しかったですね! 以前は、バラに液肥を施したい時は、液肥を自分で希釈して、重たいジョウロを持って水道と庭のあちこちに植えてあるバラの間を何往復もしなければなりませんでした。やったことがある方は分かると思いますが、水の入ったジョウロって本当に重たいんですよ。もうバラに与えるのだけで精一杯でしたが、これならバラはもちろん、庭中に簡単に液肥をまくことができます。付属のノズルは細いので、草花が茂っていても株元に差し込んで液肥を与えることができますし、ただの水と液肥がワンタッチで切り換えられるので、必要ないエリアには無駄に液肥を施さず、水だけ与えることができとても便利です。おかげで以前に比べて庭全体の植物の生育がよくなって、緑がすごく充実しました。 道具次第で庭仕事はもっとラクに楽しく! 庭仕事は道具がよければ作業効率もかなり上がり、とにかくストレスがなく、疲れにくくなります。できるだけ性能を吟味して自分に合ったよいものを使い、庭づくりを楽しみ続けたいと思っています。 商品情報 ノズルⅡ/ロイヤル・ガーデナーズ・クラブ http://www.rgc.tokyo/shopdetail/000000000414/ct119/page1/recommend/ ヤードリール(ボルドー)/セキスイエクステリア https://www.sdw-ec.com/products/list.php?mode=search&category_id=222 かんたん液肥希釈キット/タカギ https://hi.takagi.co.jp/products/detail.php?product_id=405 ハイポネックス原液 https://www.hyponex.co.jp/item/62/
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イングリッシュガーデン旅案内【英国】ジーキル女史のデザインがよみがえった「マナーハウス、アプトン・グレイ村」
現代の庭デザインに影響を与えたジーキル女史 ガートルード・ジーキル女史(1843-1932)は、英国の女性ガーデンデザイナーの先駆けとして、19世紀の終わりから20世紀前半にかけて活躍しました。もともとは優れた画家であり、工芸家でしたが、40代後半に目を悪くして細かい仕事ができなくなったことから、大好きだった庭の世界に転向し、ガーデンデザインに力を注ぐようになります。そして、生涯で400もの庭をデザインしました。特に、建築家のエドウィン・ラッチェンスと共同で行った設計は、傑作として知られています。 ジーキルは、昔から田舎家にあった、庶民の素朴な「コテージガーデン」を、より洗練されたガーデンスタイルに進化させました。そして、優れた画家ならではのセンスで、それまでになかった色彩豊かな花々の植栽を生み出し、英国の富裕層のガーデンシーンに変化をもたらしました。バラや宿根草の花々に溢れた、いわゆる「イングリッシュガーデン」のイメージは、ジーキルのデザインから発展してきたものといえるでしょう。 ジーキルは優れた書き手でもあって、ガーデンデザインについて記した著書や、寄稿記事が多く残されています。デザイン画も残っていますが、しかし、そのデザインが生きた庭の形で現存しているものは、数えるほどしかありません。 現在、ジーキルのオリジナルデザインが復元され、かつ、一般公開されている庭としては、ヘスタークーム・ハウスと、彼女の自宅だったムンステッド・ウッド、そして、今回訪れたアプトン・グレイ村のマナーハウスなどがあります。中でも、このマナーハウスの庭は、ジーキルのオリジナルデザインが忠実に再現されたものとして、彼女の世界観を体感することのできる、数少ない場所となっています。 復元への長い道のり 現在のオーナー、ウォリンガー夫妻がこのマナーハウスに移り住んだのは、1984年のことでした。当時は屋敷も庭も荒れ果てた状態で、夫妻はここにジーキルがデザインした庭があることも知りませんでした。しかし、ジャングルのように植物が茂る庭に埋もれていた構造物の基礎を発見したことから、庭について調べ始め、ジーキルのことを知ります。そして、カリフォルニア大学バークレー校に残されていた、この庭の設計図を探し出し、手に入れたのでした。 幸運なことに、ジーキルの設計した構造物の基礎は、茂みの中にそのままの形で残されていました。庭は荒れていたものの、プールやテニス用のハードコートといった構造物が新しく作られることはなく、オリジナルの構造が壊されずに済んだのです。 ウォリンガー夫妻はガーデニングの知識をほとんど持っていなかったのですが、庭の復元に心惹かれ、ジーキルのデザインを忠実に再現することを決意します。そして、設計図を手に入れると、すぐに行動を始めました。まず、オリジナルのデザイン図にない樹木や植物を取り除きました。ガーデンを囲むセイヨウイチイの生け垣を育てるための溝掘りを始め、土壌の改良にも取り組みました。そうして、ジーキルのデザインを蘇らせ、美しい庭をつくり上げていったのです。 ワイルドガーデンを抜けて屋敷へ では、マナーハウスの庭に通じる公道で車を降りて、4.5エーカー(約18,000平米)の広さのある庭に入っていきましょう。 どんな庭か、ワクワクしながら、屋敷の北西側に広がるワイルドガーデンを抜けていくと、まず見えてきたのは池のあるエリアです。 白やピンクの睡蓮が咲く池の周りには、黄花のアイリスやクリーム色の花穂が伸びるバーバスカムがあって、向こう岸では、ふわふわと綿のように茂るアスチルベが爽やかな色彩を添えていました。水中にはカナダモやキンギョモが生えていて、トンボやカエルなど、野生生物の棲みかとなっているそうです。 ワイルドガーデンの小道は芝を刈って作ってあり、踏み心地が柔らかです。小道は緩やかに曲がって先が見えないので、次はどんな景色が広がっているのだろうと、期待が高まります。 このワイルドガーデンには、ワイルドフラワーやさまざまなバラが咲き、クルミの小さな林もありますが、これらの植栽はすべて、ジーキルの設計図から正確に復元されています。復元の精度を高めるために、庭を3×3mの格子状に仕切って、デザイン図に忠実に植栽し直したそうです。 開けた場所に出ると、目の前に、個性的なファサードを持つ屋敷が現れました。レンガ造りの門柱や塀の風合いに、長い時間の経過を感じます。 1908年、庭の設計をジーキルに依頼したのは、当時このマナーハウスを所有していた、チャールズ・ホームでした。彼はThe Studioという美術雑誌を立ち上げた編集者で、美術評論家であり、彼の雑誌はアールヌーボーやアーツ・アンド・クラフツ運動の発展に影響を与えました。 ホームが地所を購入したのは1902年のこと。屋敷は傷みがひどかったので、地元の建築家アーネスト・ニュートンに、古い部分を残しつつ改築するよう依頼しました。この屋敷には今も、16世紀頃に作られたオリジナルの屋根の梁や階段が保存されています。 さて、入り口に向かって緩やかに傾斜する半円形の草階段(これもジーキルによるデザイン)を下りて門をくぐり、左手の脇道から屋敷の向こう側へと向かいます。 屋敷の反対側に到着。乱張りの石畳のテラスでは、ピオニーが花盛りです。 パラソルを広げたテーブルには、たくさんのティーカップがスタンバイしていました。オーナーのロサムンド・ウォリンガーさんがマップつきの小冊子を皆に渡しながら、庭を復元したことを手短に話してくださいました。 「さあ、お庭を見てきて。私たちはお茶の準備をしておくわ」という彼女の言葉で、庭散策がスタート。石畳のテラスから、眼下に広がる庭に降りてみましょう。 屋敷前に広がるフォーマルガーデン 庭は白亜質の土壌を持つ斜面に作られていて、屋敷の南西側にある石畳のテラスから一段低くなったところに、メインとなるフォーマルガーデン(整形式庭園)が広がっています。手前に、花々の咲くローズ・ローン(バラの芝生)のエリアがあって、その奥のさらに下がった場所に、ボウリング用とテニス用という、2つの芝生のエリアがあります。 フォーマルガーデンは、ジーキルが好んでよく用いたという、セイヨウイチイの生け垣にぐるりと囲まれています。ジーキルはこの生け垣に、植物を守る壁としての役割と、花の色彩を際立たせる背景としての役割を持たせました。庭のレイアウトは、直線だけを使った、幾何学的なものになっています。 屋敷前のテラスから見えた景色をまずは確かめたくて、フォーマルガーデンの東側にある、ゆるやかな石畳の階段を降りていきました。左右の緑は、視線を遮るほど茂っています。日差しも遮られて、少しひんやりした空気を心地よく感じます。 ボウリングとテニス用の芝生 階段を降り切ると、広い芝生のスペースに到着しました。ボウリング・ローン(ボウリング用の芝生)です。左手には屋敷、右手にはテニス・ローン(テニス用の芝生)と呼ばれるテニスコートがあります。 そのテニス・ローンはこちら。芝生を囲むセイヨウイチイの生け垣は、背丈を越すほどの高さです。ガーデンの南の一辺、写真中央の奥に見える暗がりに、つるバラが覆うアーバー(あずまや)がありました。このアーバーは、バラが花盛りを迎える盛夏になると、一面の緑に白花が浮かび上がって、美しいフォーカル・ポイントになります。この時は、まだ花が少ないですね。 アーバーを覆っているのは、‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’、‘アメリカン・ピラー’、‘キフツゲート’などのつるバラです。構造物の天井が見えないほどよく茂っていて、中のベンチに座ると空気がひんやりしていました。日も遮られ、テニス観戦にうってつけのベンチです。 アーバーから屋敷を見ると、屋敷、ローズ・ローン、ボウリング・ローンと階段状に下がっていて、テニス・ローンはそれからさらに低い位置にあることが分かります。 ローズ・ローンの縁に植わる草花が、数段下がったボウリング・ローンへと、こぼれ落ちるように茂っています。ボウリング・ローンから見ると、この高低差が「低い位置から花の姿を観賞する」という、珍しいシチュエーションを生み出しています。これはもしかしたら、ジーキルの意図したことなのかも? と、自分の発見に思わず嬉しくなる瞬間です。 ローズ・ローンのエリアは、自然石を積み重ねた石塀で囲まれているのですが、調べてみると、ジーキルはこれらの石塀が「垂直の花壇」となるようにデザインしたことが分かりました。石塀の、石と石の隙間には、こんなふうに植物が植え込まれています。これらの植物や、上から垂れ下がってきた植物によって、「垂直の花壇」が形作られているというわけです。 これはつまり、壁面緑化に似た発想。今でこそ、壁面緑化は一般的になっていますが、今から100年余りも前に、ジーキルがすでにその概念を形にしていたことに驚きます。 コテージガーデンスタイルの、ジーキルらしい宿根草花壇。花のない時期も構造的な面白みを持たせるため、ここではローズマリーやラベンダー、オレアレアなど、立体感のある植物を混ぜてあります。 では、石階段を上がって、上のローズ・ローンに行ってみましょう。上りながらも、階段のステップや、左右の何気ない植物の姿に目を引かれて、なかなか前に進めません。段差の小さな、ゆるやかな階段はジーキルの特徴的なデザインで、他の庭でも用いられています。 花々の競演にうっとり ローズ・ローン 屋敷前のテラスから見えていた、花々が咲き競うローズ・ローンのエリアに到着。ここも芝生が美しく手入れされています。みずみずしい緑に浮かび上がるように、パステルカラーのピオニーなどが花盛りです。 屋敷のちょうど中央の位置には、アーチ状のトンネルのようなパーゴラがあって、つるバラ、アリストロキア、ジャスミン、そして、秋に美しい紅葉を見せるバージニアヅタと、さまざまなつる性植物が伝っています。バリエーションに富んだ、長い期間花を楽しめる植栽です。 このパーゴラからは、先ほどいたテニス・ローンのつるバラのアーバーが正面に見え、2つの構造物は、呼応するように設置されています。 訪れた6月上旬は、ピオニーが花盛り。八重咲きのピオニーが無数に咲く豪華なシーンにうっとりします。 ピオニーの間には、咲き進んだバラとつぼみを膨らませたユリが。下草のラムズイヤーも銀色の花穂を伸ばしています。豪華な色と香りのコンビネーションを見せる、ジーキルの植栽デザインです。 ピオニーが囲む花壇の中央には、四角く自然石が囲む花壇がありました。中では、ユリがつぼみをつけ、銅色のカンナの葉が伸び始めています。バラとピオニーの季節が終わると、ユリの庭へとバトンタッチするのですね。では、次のエリアへ。 キッチンガーデンや果樹園へ 次は屋敷の西側を散策します。屋敷のすぐ近くにはガラスの温室がありました。 温室の裏手のデッドスペースになりがちな場所にもたくさんの草花が咲いていました。 仙人草のようなクレマチスが手前に白花を咲かせ、奥には、こぼれダネから育ったのか、デルフィニウムやジギタリスなどが混ざり咲いて、とってもナチュラル。 温室と並んで、さらに西側にコテージがあり、つるバラが満開。白花が明るい印象です。 コテージの前にはベンチが置かれ、そこに座ると、前方に鶏小屋の広いスペースが見えました。 フェンスに囲まれた中には、三角形の小屋がいくつも並んでいます。何家族が棲んでいるのでしょうか? 近づいてみると、お母さんの後ろについて歩く雛たちの様子が微笑ましい。 鶏小屋に隣接して、南方向に細長くキッチンガーデンが広がっていました。竹のオベリスクの足元には、若いスイートピーが育っています。ここでは、ハーブや野菜、フルーツなどを栽培。それから、フォーマルガーデンの植栽に差し替えが必要になった時のために、ガーデンで使っている植物の苗も育てているそうです。 丈高くデルフィニウムが伸び、ゲラニウムやカンパニュラなど、イングリッシュガーデンでお馴染みの初夏の宿根草がたっぷりと茂ります。間にネギの仲間のチャイブのような丸い花も覗いて、彩りを加えています。ラベンダーがそろそろ咲きそうで、アーティチョークも植わっていました。 広いキッチンガーデンを抜けると、リンゴの古木がランダムに並ぶ果樹園に出ました。足元の草がふわふわと茂ります。歩くスペースだけ刈り取って、小道を作っています。 苔むした古木に近づくと、ちゃんとリンゴが実って、膨らみ始めていました。 果樹園を一周すると、キッチンガーデンエリアと果樹園を区切る細い通路がありました。道の左右には、つるバラが絡まるガーランド(花綱飾り)があって、足元には紫のゲラニウムがたくさん咲いています。そして、セイヨウイチイの壁の奥へと進んでいくと、再びテニス・ローンに出ました。 キッチンガーデンも果樹園も、すべてがジーキルの設計図通りに忠実に復元されているそうです。ジーキルの時代に庭に生えていた植物で今も生き残っているものは、数えるほどしかなく、ワイルドガーデンにあるクルミの林と竹の茂み、ラッパズイセンだけです。しかし、ジーキルが用いた植物のほとんどは、現在の英国のナーセリーでも容易に見つかります。そのため、復元はさほど困難なく、正確に行うことができたそうです。 さあ、そろそろお茶が用意できたようです。屋敷前のテラスへ戻りましょう。 テラスのすぐそばにある、ゲストも自由に行き来できる部屋の中には、庭を復元する過程で撮られた写真や図版、植物のリストなどが掲示されていました。 庭の復元の過程は、オーナーのロサムンドさんの手によって、イギリスで書籍化されています(“Gertrude Jekyll's Lost Garden, The Restoration of an Edwardian Masterpiece” by Rosamund Wallinger)。敷地のすべてを当初の形に復元するには、相当のエネルギーと熱意が必要だったことでしょう。そして、その庭を今なお美しい姿で維持し続けているオーナー夫妻の苦労と志に感動する、ガーデン訪問でした。 併せて読みたい ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。イギリス以上にイギリスを感じる庭 山梨・神谷邸 ・現在のイングリッシュガーデンのイメージを作った庭「ヘスタークーム」【世界のガーデンを探る19】 ・イングリッシュガーデン旅案内【英国】 ベス・チャトー・ガーデン(1)乾燥に強い庭を実現
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連休の花庭お出かけ情報! 日本全国、花の旅にオススメの観光ガーデン保存版【北海道・東北・関東】
行楽シーズンのお出かけにもオススメ! 花の旅が楽しめる、全国のガーデン情報 例年春から初夏にかけては、バラや宿根草などさまざまな植物が一斉に花開き、ガーデンが最もにぎやかになる季節です。北海道や東北、高地など冷涼な気候の地域では、春の訪れが遅い分、早春から晩春の花までが一気に開花して咲き競い、華やかなガーデン風景が楽しめます。各地の庭園や観光ガーデンも見頃を迎えるこの季節に、日本全国の花の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか? ここでは、当WEBサイト「Garden Story」にてご紹介してきた全国のガーデンを、地域ごとにまとめてご案内します。 中部・近畿版はこちら 中国・四国・九州版はこちら 【北海道】 8つの庭を巡る「北海道ガーデン街道」 広大な大地を持ち、冷涼な気候の北海道のガーデンには、本州とはまた違う魅力がたくさんあります。中でも、北海道を代表する8つの個性豊かなガーデン「大雪 森のガーデン」「上野ファーム」「風のガーデン」「十勝千年の森」「真鍋庭園」「十勝ヒルズ」「紫竹ガーデン」「六花の森」を巡る、大雪から富良野、十勝を結ぶ全長250kmのルートは、「北海道ガーデン街道」として国内外から高い人気を集めています。 ・庭巡りならここへ! 北海道「ガーデン街道」の名園紹介 前編 ・庭巡りならここへ! 北海道「ガーデン街道」の名園紹介 後編 北海道「ガーデン街道」の各園の紹介はこちらからどうぞ 「紫竹ガーデン」 ・野の花のようにのびやかに育つ花々と色彩の庭「紫竹ガーデン」 「真鍋庭園」 ・庭巡りにオススメ!珍しい植物に出合える北海道「真鍋庭園」 「十勝ヒルズ」 ・花の庭巡りならここ!花と色と農のテーマパーク北海道「十勝ヒルズ」 「大雪 森のガーデン」 ・北部にしかない珍しい植物に会える 北海道「大雪 森のガーデン」 「上野ファーム」 ・編集部厳選・国内名ガーデン案内「北海道・上野ファーム」の四季 ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。北海道 上野ファーム 【北海道】 北国に咲くバラも見どころ「イコロの森」 「イコロ」とは、アイヌ語で「宝物」を意味する言葉。深い森の奥に、「ローズガーデン」や「ナチュラルガーデン」、「ロックガーデン」など多彩なガーデンが広がり、宿根草や花木が伸びやかに育つ、北国らしい庭が楽しめます。 ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。北海道 イコロの森 【北海道】 ダイナミックなパノラマ風景「展望花畑 四季彩の丘」 14万㎡にも及ぶ広大な敷地を持つ観光ガーデン「展望花畑 四季彩の丘」。美瑛地方特有の丘陵と大雪山連峰を背景にして花畑が一面に広がる、北海道らしいダイナミックな花景色を見ることができます。 ・花の庭巡りならここ! 北海道スケールの花畑を愛でよう「展望花畑 四季彩の丘」 【北海道】 ナチュラルな草花に癒される「ゆにガーデン」 北海道・由仁町にある「ゆにガーデン」は、英国風庭園をコンセプトにデザインされた観光ガーデン。「スペシャルガーデン」「ノットガーデン」「ホワイトガーデン」など、15のエリアで構成された、ロマンチックなガーデンが見どころです。 ・花の庭巡りならここ! リナリアの群植は一見の価値あり!「ゆにガーデン」 【東北地方・秋田県】 ハーブ香る「田沢湖ハーブガーデン『ハートハーブ』」 県立自然公園の中にある「田沢湖ハーブガーデン『ハートハーブ』」は、ハーブに特化した観光ガーデンで、約100種の植物がナチュラルな植栽で植えられています。ハーブやアロマを使った体験教室が充実しているので、訪れる際にはぜひチェックを。ゴールデンウィークの頃にはハーブと草花、花木が織りなす北国ならではの花景色が楽しめます。 ・花の庭巡りならここ! 体験教室のプラン充実の観光ガーデン「田沢湖ハーブガーデン『ハートハーブ』」 【東北地方・岩手県】 美しいランドスケープ「フラワー&ガーデン森の風」 メインガーデン「森の渓谷」とコミュニティーガーデン「森の丘」の2つのエリアに、それぞれテーマを持たせたランドスケープガーデンが広がる「フラワー&ガーデン森の風」。季節の一年草・宿根草や、ツツジ、アジサイなどが咲き継ぎ、四季を通して彩り豊かな景色が楽しめます。土産物店が充実しているのも嬉しいですね。 ・花の庭巡りならここ! 美しいランドスケープデザイン「フラワー&ガーデン森の風」 【東北地方・山形県】 かおり風景100選に認定されている「東沢バラ公園」 「東沢バラ公園」は、日本のバラ界の父とも呼ばれる、故・鈴木省三さんにより設計された歴史ある公園。約750品種2万株のバラが植栽され、開花期の美観はもちろん、「かおり風景100選」にも選ばれたほどの豊かな香りが楽しめます。バラが最盛期を迎える6月上旬〜7月上旬、9月中旬〜下旬にかけて行われるバラ祭りには多くの人が訪れます。 ・花の庭巡りならここ!「かおり風景100選」に認定された「山形県村山市 東沢バラ公園」 【東北地方・宮城県】 自然豊かな里山を花が彩る「泉ボタニカルガーデン」 七北田ダムに隣接する自然豊かな里山の景観を生かした「泉ボタニカルガーデン」は、エリアごとに異なる雰囲気のガーデンがあり、山歩きを楽しむような気持ちでナチュラルに植栽された花々を観賞できます。5月上旬に見頃を迎えるチューリップや、遅れて開花するシャクナゲやバラなど、季節ごとに主役の花も移ろい、写真に収めても美しいシーンの連続です。 ・花の庭巡りならここ! ペット同伴OKなのが嬉しい「泉ボタニカルガーデン」 【東北地方・宮城県】 迫力の花畑が広がる「やくらいガーデン」 「やくらいガーデン」は、薬莱山(やくらいさん)を背景に、15万㎡という広大な敷地を生かした、面で魅せる迫力ある花畑が特徴の観光ガーデン。4月下旬〜5月中旬は、黄色い絨毯が敷かれたように菜の花畑が広がり、秋はサルビア、ケイトウなどへとバトンタッチ。初夏にはバラやハーブのコーナーも見頃を迎えます。 ・花の庭巡りならここ! 澄んだ青空に広い花畑が映える、宮城「やくらいガーデン」 【関東地方・栃木県】 海外からも注目の観光地「あしかがフラワーパーク」 あしかがフラワーパークの魅力は、なんといっても初夏に見頃を迎えるフジ。1,000㎡に及ぶ藤棚から豪華に花房が咲き枝垂れる姿は圧倒されるほどで、世界でも注目を集め、海外からの観光客も多く訪れます。紫のフジだけでなく、キバナフジや白フジも見ることができます。ほかにバラやシャクナゲ、クレマチスなどが咲く四季の景色も一見の価値ありですよ。 ・花の庭巡りならここ! 世界一の藤棚が見られると海外からの呼び声が高い「あしかがフラワーパーク」 【関東地方・栃木県】 バラのロマンチックな景色にうっとり「コピスガーデン」 那須ICから車で約8分、雑木林の緑に囲まれたナーセリー&ガーデン「コピスガーデン」。バラや宿根草が美しく植栽された庭では、トレンド品種や、時には発売前の品種も見られるので、花好きの人は要チェックです。ガーデンで育つ姿や仕立て方は、ガーデニングのヒントにもなりそう。カフェや雑貨店、苗売り場も併設され、ガーデナーに大人気のスポットです。 ・花の庭巡り、栃木「コピスガーデン」 ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。栃木県那須町「コピスガーデン」 【関東地方・茨城県】 一生に一度は訪れたいと話題の「国営ひたち海浜公園」 特に春のネモフィラと夏〜秋のコキアの花畑で有名な「国営ひたち海浜公園」は、季節によってさまざまな花が咲く広大な都市公園。一日では回り切れないほどの敷地の広さを生かし、面で見せる植栽が特色で、毎年多くの観光客が訪れます。林間アスレチック広場やバーベキュー広場、乗り物やアトラクションも充実しているので、たっぷり遊べる観光スポットです。 ・花の庭巡りならここ! 広大な敷地でダイナミックに花が咲く「国営ひたち海浜公園」 【関東地方・群馬県】 森散策で草花に癒される「赤城自然園」 「赤城自然園」は、「豊かな森を次世代に引き継ぐ」ことを理念に、約40年前から整備されてきた森です。園内の森には、花木や山野草、宿根草、球根植物などが植栽され、特に観光ガーデンでは珍しく、在来種の楚々とした魅力ある姿を味わうことができます。気持ちのよい森の中で、さまざまな植物と出合い、心も体もすっきりとリフレッシュできるスポットです。 ・花の庭巡りならここ! 四季折々の花が紡ぐように咲く美しい森「赤城自然園」 【関東地方・群馬県】 一日過ごしても飽きない花風景「ぐんまフラワーパーク」 18万4,000㎡の広大な敷地に、3,000種以上、約50万株の植物が育つ「ぐんまフラワーパーク」。大きく3つのエリアに分かれ、イングリッシュガーデンやロックガーデン、ハーブ園、温室など、多様なガーデンを楽しむことができます。四季折々の花々が次々に咲く園内は、いつ訪れても表情豊か。ガイドツアーやレストランも充実し、一日楽しめるガーデンです。 ・花の庭巡りならここ! 一日過ごしても飽きない「ぐんまフラワーパーク」 【関東地方・群馬県】 ため息がこぼれる美景を堪能!「東武トレジャーガーデン」 約4,000種100万株の植物の競演が楽しめる「東武トレジャーガーデン」。約8万㎡の敷地は3つのエリアに分かれ、アーチを連ねたバラのトンネルや色鮮やかな花畑、ボーダーガーデンなど、息をのむような美しいシーンが次々に現れ、自然に足を進めたくなるガーデンデザインがなされています。 ・花の庭巡りならここ! ため息がこぼれる美景を堪能! 「東武トレジャーガーデン」 【関東地方・千葉県】 5年連続で100万人の入場者「東京ドイツ村」 国内の旅行者はもちろん、外国人観光客も多く訪れる「東京ドイツ村」では、多数のアトラクションやレジャー体験が楽しめるだけでなく、四季を通して美しい花景色が楽しめる、花の名所としても知られています。飲食店やショップも充実していて、楽しい休日を過ごすことができますよ。 ・花の庭巡りならここ! 花々で彩られるレジャー施設「東京ドイツ村」 【関東地方・千葉県】 国内有数のバラ園「京成バラ園」 千葉県の「京成バラ園」は、敷地面積約3万㎡に、約1,600品種1万株のバラが植わる、国内有数のバラ園です。バラを主役にしたガーデンは、手入れの行き届いた整形式庭園で、最盛期はどこを見てもバラの花が咲き乱れ、眺めたり、香りを比べたり、写真を撮ったりと、心ゆくまでバラの世界に浸ることができます。バラ園のほか、温室や自然風庭園も楽しめます。 ・花の庭巡り 千葉「京成バラ園」 【関東地方・千葉県】 植物がテーマのミュージアム「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」 屋外の庭だけでなく、アトリウムガーデン(屋内花壇)や熱帯温室で構成される「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」。屋内の展示が充実しているので、天候に左右されずにゆっくり楽しむことができます。年に数回植え替えをすることで、初夏はバラやアジサイ、ラベンダー、夏はヒマワリなどいつ訪れても新たな気分で楽しめるのも人気の秘密です。 ・花の庭巡りならここ! 植物がテーマのミュージアム「三陽メディアフラワーミュージアム 千葉市花の美術館」 【関東地方・東京都】 エキゾチックな植物の宝庫「夢の島熱帯植物館」 新木場駅から徒歩約15分という立地に、高層ビルを背景に立つ都会のオアシス、「夢の島熱帯植物館」。熱帯植物館という性質から、屋外ガーデンが寂しくなる冬でも、みずみずしい緑を堪能することができます。一歩大温室に足を踏み入れればエキゾチックな光景が広がり、ナイトガーデンや空中散歩など、ユニークで魅力的なイベントも多く開催されています。 ・花の庭巡りならここ! エキゾチックな植物の宝庫「夢の島熱帯植物館」 【関東地方・神奈川県】 横浜ローズウィーク参加のバラ園「横浜イングリッシュガーデン」 2018年に「世界バラ会連合」より、「優秀庭園賞」を贈られた「横浜イングリッシュガーデン」。1,700品種以上にも上る表情豊かなバラや、数々の宿根草、樹木、一年草が織りなすさまざまな美しい景色が一年を通して見られる、魅力的なガーデンです。バラと合わせる植物にも、ガーデニングで真似したくなる素敵な組み合わせやシーンがそこここで見られます。 ・編集部厳選・国内名ガーデン案内「神奈川・横浜イングリッシュガーデン」の四季
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イングリッシュガーデン旅案内【英国】21世紀を代表するガーデンデザイン「ブロートン・グランジ」
広大な敷地にある広大な庭 ブロートン・グランジは、1992年に現在のオーナーが購入するまで、200年間にわたってモレル家が所有していました。庭は、ヴィクトリア朝時代のものもありましたが、現在の庭園の姿は、今のオーナーの手によって生み出されたものです。ブロートン・グランジの敷地の総面積は350エーカー、なんと東京ドーム約30個分という広さ。広大な草地や農地に囲まれて、25エーカー(同約2個分)の庭園と、80エーカー(同約7個分)の樹木園があります。 訪れたのは6月上旬。「21世紀を代表するモダンな庭」があると聞いて、期待が膨らみます。車を降りると、辺りには草原が広がっていました。サワサワと軽やかな草の間に、真っ赤なポピーが咲いて、穏やかな雰囲気です。 木々の枝が頭上を覆って日差しを遮る、心地よい森の小道を進んでいくと、開けた場所に到着しました。 案内板に導かれて入ると、ヘッドガーデナーのアンドリュー・ウッドオールさんが、明るく出迎えてくれました。 ウッドオールさんの話によれば、起伏のある広大な敷地を、どのように変化のあるガーデンにしていくか、今も試行錯誤が続いているとのこと。遠くに望む景色を生かし、周辺の景色と調和するガーデンづくりに力を注いでいるそうです。 「珍しい木々も多数入れて、それぞれ樹木や植物には品種名を表示しているので、よく見ながら散策をしてみてください」という案内を聞き終え、どんな庭が待っているのか楽しみに歩き出しました。 水彩画で描かれたガーデンの全体図を見ていると、庭園が広大であること、そして、エリアごとの見所もたくさんあることが伝わってきます。庭園の中心には、トム・スチュワート=スミスの手による正方形のウォールドガーデンも描かれています。さあ、地図を手に進みましょう。 キングサリの葉が茂る長いトンネルを通り抜けて、さらに進んでいくと…… 直線的な石で縁取られた小川が、エリアを仕切るように流れている場所に出ました。「あ! あの場所だ」。以前、ガーデニングの雑誌に「イギリスで最新の庭」として紹介されていた、そのページを思い出しました。写真で見ていた庭に自分が立っていることを実感するのも、海外のガーデニング巡りの嬉しい瞬間です。さあ、その奥の景色はどうなっているのでしょうか、さらに小道を進みます。 現代の名作 ウォールドガーデン ここが、トム・スチュワート=スミスのデザインした、ウォールドガーデンです。かつてパドック(馬の小放牧地)として使われていた、南に向かって開けたゆるい斜面に作られています。60×60mの正方形の庭は、それぞれに異なるデザインテーマを持つ3つのテラス(20×60m)から成り、それらが階段状に配置されています。 ウォールドガーデン(塀に囲まれた庭)といっても、塀があるのは北と西の2辺だけで、南側と東側は開けています。スチュワート=スミスは、庭の外側にある草地や野山、遠くの建物といった周囲の風景を生かし、それらと結びつくようデザインすることが大切だと考え、このようなスタイルを選びました。 大草原の雰囲気を持つアッパーテラス まず、最初に出合うのは、アッパーテラス(上段のテラス)です。低く茂る植物の中で、背の高いトピアリーがリズムよく並ぶ、北米の大草原地帯、プレーリーの雰囲気を持つ植栽デザインです。 小川の水は、北から南、斜面の高いほうから低いほうへと流れています(写真では手前から奥へ)。 低く茂るグラス類に交じって、明るい黄色のフロミス・ラッセリアナ、紫のサルビア・ネモローサ、紫のタンチョウ・アリウム(アリウム・スファエロセファロン)が花を咲かせます。直立するトピアリーは、「ペンシル・ユー」と呼ばれるヨーロッパイチイ‘フェスティジャータ’。 秋、そして冬になると、立ち枯れたグラス類や宿根草のシードヘッド(種子が残った花の部分)がモノトーンの造形の美という、また違った面白さを見せます。 四角い池のあるミドルテラス 次に現れるのが、中央に四角い池を配したミドルテラス(中段のテラス)です。池はウォールドガーデン全体の中心にあって、周りを豊かな植栽に囲まれています。 四角い池には、視線を対角線に導いて、遠くの景色につなげる役割があります。 池には真四角の飛び石が浮かんで、印象的なシーンを作ります。一段高いところを流れるアッパーテラスの小川から、水が滝となって注がれる様子も、このエリアのアクセントとなって目を引きます。そして、池に映り込む周囲の木々のシルエットも、風景の一部となっています。 池から横に伸びる道を行くと、背丈を越すほどの草花が隙間なく茂り、辺りを覆い尽くしていました。左右の花壇からはみ出すほど勢いよく成長する植物の迫力に、圧倒されます。ミドルテラスの植栽テーマは、湿り気のあるメドウ。池のほとりに生えているような植物が選ばれています。 白いアスチルベのような花を咲かせる、タデ科のジャイアント・フリース・フラワーに、レティクラータ・アイリス、それから、ヤグルマソウに似たロジャーシア・ピンナタといった植物が生い茂り、そこに、カラマグロスティス、ヌマガヤ、ミスカンサスといったグラス類が交じっています。ポコポコと飛び出ているのは、ヨーロッパブナのトピアリーで、16本あります。 目の前は植物の海。他のガーデンにはない植物がつくる新鮮な景色に、ガーデンデザインの進化を感じました。 ミドルテラスの東側は塀がなく、広々とした緑の景色が広がっています。手前の草地は、夏が近づくにつれて、ワイルドフラワーの咲き広がるメドウへと変化します。その景色も、ぜひ見てみたいもの。その向こうには、森林植物園の針葉樹が見えます。 新感覚のパーテア 次に眼下に現れたのは、不思議な形に仕立てられたツゲのエリアです。ローアーパーテア(下段のパーテア)と呼ばれる庭です。 生け垣は、モコモコと、なにやら有機的な形をしています。抽象的なデザインに見えますが、じつは、これは自然界にあるものの形。周辺に自生するヨーロッパブナ、セイヨウトネリコ、オークの葉の細胞構造を、そのまま拡大したものなのです。ツゲの低い生け垣の合間に草花を植える、パーテアという造園技法では、伝統的には幾何学模様を描きます。しかし、トム・スチュワート=スミスは新しいアプローチによって、新感覚のパーテアを生み出しました。 ツゲの間には、若い苗が植えられていました。黒葉の植物や白花のマリーゴールド。これらが成長したら、また面白い景色になるだろうなぁと、想像が膨らみます。ここにもガーデンデザインの新しい試みを感じます。 夏の花壇のカラースキームは年ごとに変わるそうですが、パープル・ケールやニコチアナ、ヘリオトロープ、コスモス、ルドベキアなど、中心となる植物は毎年植えられます。 毎年10月になると、夏の草花が取り除かれて、5,000球のチューリップの球根が植えられるといいます。そして、春になると、赤や紫、ピンク、黄色といった、色とりどりのチューリップの咲く圧巻の景色に。12種ほどの品種は、4月末~5月初めに行われる、ナショナル・ガーデンズ・スキームのチャリティ・オープン・デーにタイミングを合わせて咲くよう、吟味されるそうです。 花後の球根は掘り上げられて、保管され、その後、ワイルドメドウのエリアに植えられて、野生化するようそのまま放っておかれます。 ローアーパーテアを西側から見たところ。等間隔に並ぶシナノキがフレームの役割を果たして、風景を切り取ります。 奥に見える緑の塀のようなものは、ブナの木を刈り込んで作られたトンネルです。夏の間は、このようなみずみずしい緑の塀となりますが、秋から冬にかけてブナが紅葉すると、豊かな赤茶色の塀へと変わります。そして、その色は、草花がなくなって生け垣の間にむき出しになった、赤味がかった土と呼応します。ウォールドガーデンの植栽は、そこまで計算されているのです。 同じ場所に立って、小道を来た方向に振り返ると、3つのテラスに段差があるのが分かります。 植物のパワーにすっかり驚かされながら、今度は、反対側にある、ヨーロッパブナを刈り込んだトンネルを抜けてみます。すると、シチュエーションがガラリと変わって、開けた場所に出ました。 ベンチに腰掛けて、遠くに広がる大地を眺めて、ちょっと休憩。 小道を進むたびに景色がどんどん変わっていく、場面転換のスピード感も、このガーデンの面白さだなぁと感心しながら、次のエリアに向かいます。 もう随分と驚かされる庭デザインの数々でしたが、道はさらに先があり、再び下りながら先へ進みます。 セイヨウイチイのトピアリーが並ぶテラスが見えてきました。写真の右側のほうはトピアリーが整列していますが、左のほうは、酔っぱらっているかのようにトピアリーがランダムに並んでいて、視線が丘の連なる開けた風景へと導かれます。 ぽこぽこと並ぶトピアリーの間を通っていくと、足元はふかふかな芝生。先ほどまでの石敷きの小道から一転して、柔らかな芝の上を歩くことになります。その感触の違いも、新たなエリアに踏み入れたことを教えてくれました。 さて、庭園の東側にある、石造りのお屋敷のエリアに到着しました。こんな絶景の中に住まうとは、なんて羨ましい! テーブルや椅子の配置から、庭を日頃から愛でていらっしゃるのだろうなぁと想像しつつ、お屋敷の周囲に取り入れている植物を見せていただきました。 お屋敷の入り口付近には、フォーマルな雰囲気のノットガーデンが。アリウム・ギガンチウムの紫の花玉が、緑のツゲと美しいコントラストを見せています。 お屋敷前に広がる芝生のエリアの先には、両脇を野の花に可愛く縁取られた道が続いています。森林植物園とポニー用のパドックの間を抜ける、スプリング・ウォークと呼ばれるこの小道には、たくさんの球根花や宿根草が植わっていて、早春のクリスマスローズから、春のスノーフレーク(オオマツユキソウ)やブルーベルなど、四季折々の景色を見せてくれます。 緩やかな斜面はまだまだ下へと続いていきます。 ヘッドガーデナーのウッドオールさんが「今も作り続けているエリアがある」と話していたのはここでしょうか。枯れ木が植物の間に配された、不思議な雰囲気のエリアです。 切り株を使った庭「スタンプリー」 ここはスタンプリーと呼ばれる庭で、2007年に作られました。スタンプとは切り株のことなので、「切り株園」といったところでしょうか。古い切り株の周りに、ホスタやシダ、ヘレボレスやユキノシタ、アルケミラ・モリスなどが植えられています。 スタンプリーという庭園スタイルはヴィクトリア朝時代に生まれたもので、19世紀のガーデンシーンではよく見られました。プラントハンターによって世界中から新しい植物が次々に英国へと持ち込まれていた当時、シダもさまざまな種類のものが導入されました。スタンプリーは、これらのシダを栽培するのにちょうどよい形態だったのです。 大きく葉を茂らせるシダに、赤葉のモミジ。背景には、大株のユーフォルビアがあります。個性的なフォルムの切り株がアクセントになった、美しい取り合わせです。切り株を使った植栽は、ウサギやミツバチなど、野生生物のすみかにもなっています。 スタンプリーの近くには、ピート・ウォール・テラスや、ヴィクトリア朝時代のサンクンガーデン(沈床庭園)、竹の生えるバンブーゾーン、ボグガーデン(湿地の庭)といったエリアがあって、現在も作り続けられています。 ピート・ウォールを利用した花壇を見つけました。ピートとは、野草や水生植物が炭化した泥炭のことで、ウイスキーの香りづけに使われることで知られています。そのピートのブロックを石垣のように積んだのが、ピート・ウォールです。ここはどんな場所へと変わっていくのでしょう。 お屋敷周りはクラシカルな雰囲気 新しいデザインが印象的なブロートン・グランジの庭ですが、お屋敷の正面にあたる南側には、クラシカルなパーテアや、イギリスらしいナチュラルな雰囲気のボーダーガーデンがありました。2階の居室から望む眺望は、きっと素晴らしいものでしょう。 さて、残りの見学時間が少ないことに気がつき、足早に、感動したポイントをおさらいしながら戻りつつ、ヘッドガーデナーさんがいた元の場所へと向かいます。 最初の場所へ到着すると、コーヒーと手作りマフィンがテーブルに用意されていて、短いカフェタイム。一緒に巡っていた仲間たちと、「素敵な庭だったねー」などと話しながら、ガーデンシェッドに伝うバラの素朴な風景にホッと和みました。 新しい庭デザインが次々と出現する庭でしたが、お屋敷の周辺ではイギリスらしい庭デザインも見られました。植物の使い方で、ここまで幅広く風景の変化を作り出せることに感動を覚えた、とても印象に残る庭でした。 併せて読みたい ・一年中センスがよい小さな庭をつくろう! 英国で見つけた7つの庭のアイデア ・カメラマンが訪ねた感動の花の庭。イギリス以上にイギリスを感じる庭 山梨・神谷邸 ・個人のお庭が見られるオープンガーデン・イギリスの賢い仕組み
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バラを育てたい! 初心者さん必見 バラの花びらの枚数・花の形・花のつき方の違いを詳しく解説
バラの花びらの枚数による分類 バラの花びらは最少5枚から、多いものでは100枚以上もつけるものもあります。あの小さなつぼみのどこにこんなに花びらを隠していたのかと思うほど、咲き進むごとにとめどなく花びらを展開する花もあります。バラの咲き方には、この花びらの枚数の違いで、大きく分けて次の3つの呼び方があります。 一重咲き(ひとえざき) ■一重咲き/バラの一番少ない花弁数は5枚。5〜9枚のものを一重咲きと呼んでいます。つまり、一見して花びらの枚数が分かるような咲き方です。花心が見える咲き方をするので、花びらと花心のコントラストが美しいのも魅力。素朴で可憐な印象です。 ‘安曇野’(あずみの)/一季咲き、小輪、微香、樹高約2m、つる性、鉢植え・地植えとも可能。鮮やかなピンク色の5枚弁で、花心の中心が白く抜ける。トゲが少なく細くしなやかなつるを伸ばし、たくさんの花を咲かせる。 ‘デンティ・ベス’/四季咲き、大輪、香りの強さは中程度、樹高約5m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。つる性もあり。ピンク色の花弁にピンク色の花心で、ひらひらと大きな花弁が優雅な雰囲気。 ‘バレリーナ’/四季咲き、小輪、微香、樹高約2〜3m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。クリアピンクの小輪の花が株を覆い尽くすように咲く。短く切り詰めてもよく咲くので、鉢植え栽培も容易。 ロサ・ムルティフローラ/一季咲き、小輪、強香、樹高約5m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。北海道から九州まで日本各地のいたるところで見られる野生種。非常に丈夫で、秋に熟す赤い実はリースづくりにも活躍する。 半八重咲き(はんやえざき) ■半八重咲き/花弁数が10〜19枚のものを半八重咲きと呼びます。花びらがヒラヒラと、優雅な雰囲気で咲きます。 Photo/Johnnie Martin/Shutterstock.com ‘ペネロペ’/返り咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約2m、つる性、鉢植え・地植えとも可能。アプリコットピンクの花弁をひらひらとつける可愛らしい花。輝くような黄金のしべも美しい。 Photo/竹田正道 ‘スパニッシュ・ビューティー’/一季咲き、大輪、強香、樹高約4m、つる性、地植え向き。他のバラに先がけて5月初旬頃から花が咲く早咲き。ヒラヒラと花びらの縁が波打つ花姿と甘い香りが魅力的。 Photo/Monika Pa/Shutterstock.com ‘ジャクリーヌ・デュ・プレ’/返り咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1.7m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。白い花弁にピンク色のシベがよく目立つ。 ‘ラウプリッター’(ローブリッター)/一季咲き、中輪、微香、樹高約1m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。コロンと丸いカップ形の花が可愛らしい雰囲気。枝がしなやかで誘引しやすい。 八重咲き(やえざき) ■八重咲き/花びらの枚数が20枚以上の花を八重咲きと呼びます。ただしバラは20枚以上の花びらを持つ品種がほとんどなので、実際には八重咲きという呼び方はほとんど用いられず、さらに細かく咲き方の特徴を表現する言葉が用いられています。 ‘ハーロウ・カー’/ロゼット咲き。咲き進むとともに花形が変化するのも花弁数の多い花の魅力。 一重咲きと八重咲きの組み合わせ Photo/竹田正道 バラを何種か植える時、花形の違いを意識して組み合わせると、お互いの魅力を引き立て合い、印象的なバラ風景を描くことができます。上の写真は一重咲きの‘安曇野’と八重咲きの‘フランソワ・ジュランビル’の組み合わせ。どちらもトゲが少なく扱いやすいつるバラです。 ●さまざまな花形をコレクションするバラ咲くガーデンはこちら『貴重なバラのコレクションが咲き競う「横浜イングリッシュガーデン」へ旅しよう!』 バラの花形による分類 バラのネームタグや図鑑に「ロゼット咲き」「クォーター・ロゼット咲き」「カップ咲き」「抱え咲き」「高芯咲き」などの表現が登場することがあります。これらはすべて花弁数が20枚以上の八重咲きの花のことで、咲き方の特徴を細かく分類した言葉です。特に覚える必要はありませんが、一重や半八重の花ではなく、花弁数の多いバラの咲き方のことを指しているんだなぁと思えばOK。以下でこれらの花形の特徴を紹介します。 ロゼット咲き/花弁数が多く、芯が一つ Photo/右)竹田正道 左)‘ホワイト・ジャック・カルティエ’/返り咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1.5m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。美しいロゼット咲き。秋にもよく花が咲く。 右)‘モリニュー’/四季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。コンパクトでベランダでも育てやすいサイズ。 クォーター・ロゼット咲き/花弁数が多く、芯が複数 ‘ファンタン-ラトゥール’/四季咲き、大輪、強香、樹高約1.8m、つる性、鉢植え・地植えとも可能。ソフトピンクの柔らかな花色が優しい雰囲気。 カップ咲き/花弁数が多く、カップ状に丸い Photo/左)竹田正道 左)‘クリスティアーナ’/返り咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1.8m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。柑橘系の爽やかな香り。 右)‘クイーン・オブ・スウェーデン’/四季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1.3m、半つる性、鉢植え・地植えとも可能。上品なソフトピンクと整った花形が魅力的。摘み取った後も花が日もちするので、フラワーアレンジメント用に育てるのも楽しい。 シャクヤク咲き/花弁数が多く、花びらが不規則に並ぶ Photo/Georges Seguin ‘イヴ・ピアジェ’/四季咲き、巨大輪、強香、樹高約1.3m、木立ち性、鉢植え・地植えとも可能。シャクヤク咲きの代表花で花径が15cmほどになる豪華な花。濃厚な香りを放ち、切り花品種としても人気。 ポンポン咲き/花弁数が多く、球状に近い 左)‘ラッセリアーナ’/一季咲き、中輪、強香、樹高約3m、つる性、地植え向き。紫がかった赤色で咲き進むにつれポンポン咲きになっていく。 中央)‘フェリシテ・エ・ペルペチュ’/一季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約2.5m、つる性、地植え・鉢植えとも可能。赤いつぼみと白い花が入り混じる様子がとても可愛い。 右)‘ポールズ・ヒマラヤン・ムスク’/一季咲き、小輪、強香、樹高約7m、つる性、地植え向き。桜のような雰囲気で、ふわふわと株いっぱいに花を咲かせる姿がとても人気。大型のアーチやガゼボ(あずまや)を覆うのに適している。 高芯咲き/芯が高くなる咲き方(モダンローズの特徴) Photo/zzz555zzz/Shutterstock.com ‘ソニア’/四季咲き、中輪、香りの強さは中程度、樹高約1.3m、木立ち性、地植え・鉢植えとも可能。とがった花弁のことを「剣弁」と呼び、この特徴的な咲き方のことを「剣弁高芯咲き」といいます。某デパートの包装紙に描かれているバラはこのタイプのバラで、モダンローズと呼ばれる花のカテゴリーに見られる咲き方の特徴です。 「バラを育てたい!初心者さん必見 野生種、オールドローズとモダンローズなどバラの種類をわかりやすく解説」 抱え咲き/渦を巻く芯が花弁の内側に低くなる Photo/上)Arashiyama 下)Yoko Sasagawa 上)‘ラ・フランス’/四季咲き、大輪、強香、樹高約1.2m、木立ち性、地植え・鉢植えとも可能。濃厚な甘い香りのバラで、クラシカルな花形が人気。ハイブリッドティーローズ第一号のバラとして知られ、このバラの誕生以前に生まれた品種をオールドローズ、以降に生まれた品種をモダンローズを呼ぶなど、バラの進化に新次元を開いた歴史的な品種。 下)‘イントゥーリーグ’/四季咲き、大輪、強香、樹高約1.2m、木立ち性、地植え・鉢植えとも可能。素晴らしい芳香で深い赤紫色の花が印象的。 一輪咲きと房咲きの違い ここまでご紹介してきた通り、バラの花形にはさまざまな個性がありますが、バラには「花のつき方」にも違いがあります。花のつき方は次の2通りです。 ■一輪咲き/1本の枝の先に1輪、花を咲かせます。株の力が1輪の花に注がれるため、花が大きく豪華に咲きます。 ■房咲き/1本の枝の先に複数の花をブーケ状に咲かせます。株を覆うように花が咲きます。 Photo/右)竹田正道 上の2枚の写真は、どちらもつるバラです。左は一輪咲きの‘ピエール・ドゥ・ロンサール’。右は房咲きの‘アンジェラ’です。一輪咲きは葉っぱが見えるように花が咲き、房咲きは花が空間を埋め尽くすように咲くのが分かりますね。一輪咲きは景色に抜け感があり、他のバラとの組み合わせも楽しめるメリットがありますし、房咲きは一品種で豪華に空間を彩ることができます。どちらの咲き方にもそれぞれの魅力があるので、ご自身のお好みや空間の雰囲気に合わせて選ぶとよいでしょう。ちなみに、‘ピエール・ドゥ・ロンサール’は太いシュートからは房咲きの花がつくようになります。このように、バラは株の状態で性質が変化することもあります。 今回紹介したのは、バラの花びらの枚数・花の形・花のつき方の違いですが、バラの大きな魅力の一つでもある「色」については以下でご紹介しているので、こちらもご参考に! ・バラの花言葉を色ごとに紹介! 花屋では売っていないバラを育ててプレゼントしよう 併せて読みたい
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バラを育てたい! 初心者さん必見 野生種、オールドローズとモダンローズなどバラの種類を分かりやすく解説
バラにはどんな種類があるの? バラには、数万種類もの品種があり、さまざまな観点からの分類があります。ここではバラの大まかな歴史をたどってみることにします。まず、バラには自然の中に自生している野生種(原種)といわれる種類があります。野生種は北半球の世界中に150〜200種ほどが存在しているといわれますが、日本の山野によく自生しているノイバラ(野バラ)もその一つです。そしてこれらの野生種が交雑したり、交配したりして生まれた園芸種があります。さらに、園芸種には、古くから愛されてきた「オールドローズ」と、19世紀の末以降につくり出された「モダンローズ(現代バラ)」という2つの大きなカテゴリーがあります。 それではバラのいろいろな種類を順に見ていきましょう。 野生種は野趣溢れる雰囲気や素朴さが魅力 英国では15世紀に王位をめぐってヨーク家とランカスター家が激しく対立。両家の軍勢が戦いを繰り返す内乱が30年にわたって続きました。この時、ヨーク家が紋章としていたのが白いバラ、ランカスター家は赤いバラ。そのため、英国史に名高いこの内乱は「バラ戦争」と呼ばれています。 半八重咲きの赤いバラ、ロサ・ガリカ・オフィキナーリスはバラの野生種(原種)の一つで、ランカスター家が紋章としていたバラ。優美な花の姿と甘い香りが魅力的で、今も人気のバラとなっています。バラにはこうした野生種が150〜200種類あり、特徴は花が年に一度、春にしか咲かない「一季咲き」であること、そしてそれぞれに微妙にテイストの異なる芳香があることです。 日本にもハマナス、ノイバラ、テリハノイバラ、サンショウバラなど約10種類の野生種があり、海岸、平地、山岳地帯などに自生しています。 ヨーロッパ原産の野生種では、無数の小さな花を咲かせて華麗な景観をつくり出すつるバラのキフツゲート、桃色の一重の花が可愛いロサ・カニーナ、また葉が銅色でカラーリーフとしても重宝されるロサ・グラウカなどが人気です。中国原産の野生種で、春、ほかのバラに先がけて咲くモッコウバラは、江戸時代に日本に伝えられました。 こうした野生種はいずれも苗が市販されているので、家庭でも栽培できます。 ただし、年々巨大化するキフツゲートやモッコウバラは、スペースが限られた日本の個人庭では植え方や植え場所を工夫する必要があります。一方、ロサ・ガリカ・オフィキナーリスやロサ・カニーナは鉢植えでも栽培できます。 バラの園芸種の発展に寄与したナポレオン皇后 バラは野生種をもとに品種改良が行われ、さまざまな園芸種がつくり出されました。 皇帝ナポレオンの妃だったジョゼフィーヌは、ナポレオンから離別された後、住まいとして与えられたマルメゾン城の庭園で約250種類のバラを栽培し、園芸家たちに品種改良を行わせていました。当時はまだ黄色いバラがなかったので、もしかしたらジョゼフィーヌは「黄色いバラをつくって!」と園芸家たちに指示していたのかもしれません。 また、彼女は画家ルドゥーテに美しく精密なバラの絵を描かせ、『バラ図譜』という書物を刊行しました。この書物は今日、18世紀にはどんなバラが愛好されていたのかを知ることのできる貴重な歴史的資料となっています。 ジョゼフィーヌが栽培していたのは、どれもが心地よい芳香のあるバラばかりでしたが、花は年に一度だけ、春にしか咲かない一季咲きでした。 しかし、やがてバラの世界に革命的な変化が訪れます。日本では幕末にあたる1867年、ジョゼフィーヌのバラへの愛を受け継いだフランスの園芸家ジャン=バプティスト・ギヨーが、それまでのバラにはなかった「四季咲き性」という特徴を持つバラをつくり出したのです。ギヨーはこの画期的なバラを‘ラ・フランス’と命名しました。 その後、バラを愛する園芸家たちによって数多くの四季咲き性の品種がつくり出され、「モダンローズ」(現代バラ)の歴史が展開されてゆくことになります。 ‘ラ・フランス’以前のバラ、古代の人々やジョゼフィーヌが栽培していたようなバラは「オールドローズ」と呼ばれています。 それではオールドローズとモダンローズにはどんな違いがあるのでしょう? 優美で香り豊かなオールドローズ オールドローズは優雅な気品を感じさせる花が多く、甘い香りがあるのも魅力的。 しかし、ほとんどが春5〜6月の間の一時期にしか花が見られない一季咲きです。そのため、一年を通して咲く四季咲き性のモダンローズが登場すると、その爆発的な人気に押され、一時は忘れられた存在になりかけていました。 けれども、近年はモダンローズにはないエレガントな美しさと素晴らしい芳香が見直され、愛好者が急増。今ではモダンローズをしのぐほどの人気となっています。 (バラの開花周期についてはこちら) ちなみに、オールドローズにも秋に返り咲く性質を持っている品種がありますし、チャイナローズ(中国バラ)の系統の品種は四季咲き性です。 例えば、オールドローズの人気品種‘ラ・レーヌ・ヴィクトリア’(ヴィクトリア女王)や‘コント・ドゥ・シャンボール’(シャンボール伯爵)は返り咲き。チャイナローズ系の‘粉粧楼(フンショウロウ)’や‘ソフィーズ・パーペチュアル’は四季咲き性です。 これ以降にご紹介するモダンローズの四季咲き性という特徴は、チャイナローズとの交配によってつくり出されました。 四季を通して花が楽しめるモダンローズ ギヨーが最初のモダンローズ‘ラ・フランス’を発表した後も、数多くの四季咲き性のバラが次々につくり出され、モダンローズの世界はきわめて豊かになっていきました。花屋さんで販売されている切り花のバラは、「ハイブリッド・ティー」という系統のモダンローズがほとんどです。 現在もフランス、ドイツ、英国、アメリカ、日本などの園芸家たちが新種のバラをつくり出す仕事に取り組んでおり、毎年、新しいバラが発表されています。‘ラ・フランス’が誕生してから、およそ250年。モダンローズの世界はますます豊かにその裾野を広げつつあるのです。 しかし、モダンローズは新種をつくり出す時に四季咲き性という特徴や花の大きさなどに力が注がれたため、まったく香りのないバラも増えました。 そんな流れに一石を投じたのが、英国の園芸家デビッド・オースチンでした。 豊かな香りと四季咲き性を兼ね備えたイングリッシュローズ デビッド・オースチンはオールドローズの芳香とモダンローズの四季咲き性という特徴を併せ持つバラをつくりたいと考え、21歳の時からオールドとモダンの交配を開始。やがてその試みに成功し、1969年、自らつくり出したバラの一群を「イングリッシュローズ」と命名しました。 ほとんどが四季咲きで、しかも甘い香りがあることから、今はこのイングリッシュローズにも人気が集まっています。 ・花の庭巡りならここ! 大阪「デビッド・オースチン イングリッシュローズガーデン」 調香師が香りを表現するフランス、デルバールのバラ 近年、人気のバラのナーセリーとしては、フランスのデルバール社も注目を浴びています。デルバール社は自社のバラの最大の特徴を香りとし、品種ごとに調香師による「バラの香りのピラミッド」を作成。最初にかいだ香りの第一印象から時間経過をたどって残り香まで、バラの香りをまるで香水のように細やかに表現しています。 ・鉢植えバラの冬のお手入れ「来春よく咲かせる!とっておきの話」 花径2cmほどの小さなかわいい花、ミニバラ ミニバラはチャイナローズの性質を受け継ぐミニチュアサイズのバラで、四季咲き性のものが多く、春から秋まで繰り返し咲き続けます。 花色は豊富ですが、香りのいい品種はあまり多くありません。バラの専門店で通年販売されています。 バラの見頃の季節はいつ頃? バラ園が最も華やかなのは5〜6月。一季咲きのオールドローズと四季咲きのモダンローズがいっせいに花開き、素晴らしい眺めをつくり出してくれます。けれども、秋、10〜11月頃のバラ園にも驚くほどたくさんの花が咲いています。返り咲きや四季咲きのバラが、春よりはちょっと小ぶりだけれど、それでも充分に見応えのある花を咲かせてくれているからです。 ・バラを育てたい! 初心者さん必見 バラの種類・育て方・病気などを解説 例えば、ドイツで作出されたモダンローズの名花 ‘アイスバーグ’(ドイツ語名‘シュネーヴィトヘン’=白雪姫)は、春の花が咲き終わった後、夏はちょっとお休みしますが、暑さがおさまると再びつぼみをつけ始め、10〜11月まで何度も繰り返し花を咲かせ続けます。 そんなけなげなバラたちがたくさん咲いている秋のバラ園は、春より人が少なく、空気もさわやか。澄み切った青空の下、しっとりと落ち着いた雰囲気のなかでバラを楽しむことができます。 というわけで、バラの見頃は基本的には春(5〜6月)と秋(10〜11月)の年2回です。 けれども、バラ園のスタッフはしばしば、こう言います。「暑いので、あまり人は来ませんけど、バラは夏だって咲いていますよ」。 というのは、春の花の後、7月初め頃からつぼみをつけ、2番花を咲かせてくれる種類があるからです。その時期を含めれば、バラの見頃は年に3回あることになります。 「バラを育ててみたいな」と思ったら、まずはあちこちのバラ園にいろんな季節に出かけてみましょう。そして自分の好きな種類と品種を見つけましょう。 バラの香りの楽しみ方は? 香りのあるバラが最も強く香るのは、明け方から早朝にかけてです。 印象派の画家モネは、黄色い一重のつるバラ‘マーメイド’を2階の寝室の窓の下に這いのぼるように植えて、毎朝、その香りを楽しんでいました。また、英国の作家ヴァージニア・ウルフも、スパイシーな甘い香りのあるオールドローズ‘プレイリー・ナンバー・ツー’を寝室の窓辺に誘引し、その香りとともに目覚めるのを何よりの楽しみにしていました。 バラ園のなかには、開花時期には早朝にオープンして入園者を迎え入れ、たっぷりと香りを楽しませてくれるところもあります。数は多くありませんが、長崎の「ハウステンボス」、長野県軽井沢の「レイクガーデン」、新潟県見附市の「みつけイングリッシュガーデン」のように宿泊施設が付属しているバラ園も。 ・花の庭巡りならここ! 麗しき英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」 ・体と心を休める避暑地の庭園 長野「軽井沢レイクガーデン」 ・花の庭巡りならここ! ヨーロッパの街並みがバラで埋め尽くされる長崎「ハウステンボス」 そんなバラ園に出かけた時は、ぜひ早起きして朝食前に園内を散策するようにしましよう。 微かでほのかな甘い香り、フルーティな香り、スパイシーな香り、官能を刺激する濃厚な香り──さまざまなバラの香りがあなたを迎え、うっとりとさせてくれるはずです。 バラ園に行って、花だけを見て香りをかがずに帰るのは、せっかくの楽しみを半分捨ててしまうようなもの。オールドローズはもちろん、モダンローズのなかにも素晴らしい香りを持つバラがたくさんあります。バラを見たら、必ず香りをかいでみるという習慣をつけましょう。 甘い香りには、悲しみや苦しみを忘れさせ、心を癒してくれるという効果もありますよ。 併せて読みたい ・今年も新品種登場! 春まで咲かせる「シクラメン」品種12選&育て方のコツ ・マストバイ‘おしゃれプランツ’丈夫で、よく咲く、小さな庭のベスト9 ・きれいをロングキープ! 冬こそ楽しみたいミニバラが主役の寄せ植え




















