スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
3and gardenの記事
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一年草
夏から晩秋までたっぷり楽しめる「ケイトウ」を植えよう。編集部オススメの4種類を紹介!
鮮やかな色彩で秋の庭にインパクトをもたらすケイトウ。漢字で「鶏頭」と書くように、個性的な花姿も庭で圧倒的な存在感を示します。多くの草花が冬へ向かい段々と色を失っていく中、寂しい雰囲気を払拭するのに重宝する花です。花壇の前方に植栽すると、枯れていく宿根草を隠し、そちらに目を向けさせない効果があります。葉色の美しいものは、開花前からカラーリーフとして活用することもできます。暑さに強く丈夫な一年草で、夏から植え込んで晩秋までたっぷり楽しめます。 咲き始めのケイトウ‘ドラゴンズ・ブレス’。盛りの頃はドラゴンが火を吹いたように咲く真っ赤な花姿がガーデンを彩ります。羽毛ケイトウと呼ばれるグループで、このように赤紫色の葉が美しい品種があります。 羽毛ケイトウの小さな品種。キャンドルのような可愛らしい花を咲かせます。小さな鉢植えや寄せ植えの素材として使いやすいサイズです。 ケイトウの名の由来を思わせる個性的な花形のグループのトサカゲイトウ。ボリュームがあり華やかなうえに、花もちがとてもよいので切り花の花材としても人気のグループです。ビロードのような質感も素敵です。 ノゲイトウと呼ばれるケイトウの仲間です。動物の尻尾のような細長い花が特徴で、素朴な雰囲気があります。花は切って吊るしておくと、色を綺麗に残したまま、簡単にドライフラワーにすることができます。 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 Photo/ 1)Marie C Fields/ 2)marekuliasz/ 3)Suttisuntorn /4)feeling lucky/Konstantin Accent/ Shutterstock.com
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ガーデン&ショップ
イギリスで3代にわたって受け継がれる庭園「キフツゲイト・コート・ガーデンズ」
その始まりは1920年頃。キフツゲイト・コートに住まうヘザー・ミュアは、お隣にある名園、ヒドコート・マナーをつくったジョンストンの良き友人でした。ヘザーは彼から多くの刺激を受けて庭づくりに励み、この庭園の原形をつくり上げます。その後、庭は1950年代に娘のダイアニー・ビニーに受け継がれて発展し、一般公開されるようになりました。現在は、孫娘のアン・チャンバースの手によって、時代の流れに沿った新しい庭が加えられ、さらなる魅力を持った庭園へと進化しています。 人々をまず出迎えるのは、屋敷のジョージ王朝様式のポルチコ(柱廊玄関)の前に広がる整形式庭園です。ツゲに縁取られた4つの四角い花壇の中央に日時計が置かれたテラスで、初代ヘザーの手によって生まれました。 整形式庭園のスタイルではあるものの、「きっちり計画するよりも、ある程度自然に任せる」のがヘザーの流儀でした。その流れを受けてか、おおらかさが感じられる植栽です。ピオニーやバラ、ゲラニウムが、生き生きと茂っています。 花壇には、年間を通じて楽しめるようにと、さまざまな種類の珍しい灌木や宿根草が植えてあります。6月上旬は、ピオニーの大株が花盛りを迎えていました。これほど状態のよい開花を、日本では見たことがありません。こんな大株に育つのに、どれほどの年月がかかったのだろうかと、先人に想いを巡らせます。 芝生の縁がカーブを描き、その両側をリズミカルに宿根草が彩る、ダブルボーダーの庭。小木や灌木もある、変化に富んだ植栽です。夏の花壇のテーマカラーは、ピンク、藤色、紫で、アクセントに銀葉が加えられています。一歩進むたびに現れる愛らしい花々は、どれも興味深いものばかり。芝生もフカフカと優しい踏みごこちで、ゆったりした気分になります。 花壇にはゲラニウム、ヒューケラ、ホスタ、ハクセンなどの宿根草に混じって、コンパクトに仕立てられたつる植物のハニーサックルも見られました。真紅のマルタゴンリリーの繊細な花姿に、目を奪われます。 周囲より数段下がるようにつくられた、このサンクン・ガーデン(沈床庭園)は、初代ヘザーによりつくられ、2代目ダイアニーの時に再設計されました。庭にあるウツギなどの主な灌木がすべて白花を咲かせるため、ホワイト・ガーデンの名が付いていますが、下生えの宿根草はカラフルでチャーミング。大きな紫のアリウムは、こぼれ種で増えたものです。 ホワイト・サンク・ガーデンを抜けると、その先にはまた違った景色が広がります。 白い縁取りのホスタを白花のゲラニウムが包み込む脇で、鮮やかなピンクの一重のピオニーが目を引きます。その奥は、蕾をつけたアジサイと銀葉のホスタ。季節が進むと、この区画はまた違った色に染まるのでしょう。 バンクとは斜面のこと。じつは、キフツゲイトの庭は、イヴシャムの谷を西に見下ろす崖の上にあります。屋敷から離れて庭の外れに来ると、急斜面を切り開いてつくられた階段に行き当たります。吹き上げる風を受けながら、導かれるままに下へ下へと降りていきます。 すると、その先にキラキラと輝く半円形のスイミング・プールが見えてきました。 オープンスペースに芝生と水面で構成される、端正なこのロウワー・ガーデンは、2代目ダイアニーの手によるものです。断崖という難しい立地を最大限に生かしたデザインから、彼女の豊かな創造性が感じられます。 芝生に囲まれた池の先には、イヴシャムの谷ののどかな風景がどこまでも広がります。遠くに小さく羊の群れも見える、開けた景色を前に、清々しい気分。 地面は池の先で突然切れますが、その先にも景色は続いて見えます。これは、見晴らしを妨げないように地面を掘り下げて垣根をつくる、ハーハーと呼ばれる構造に似ています。 下りてきたのとは別の石造りの階段を上っていくと、大きな屋根のサマーハウス(東屋)がありました。4人は座れる大きなブランコがあって、そこからまた違った景色が眺められるので、つい長居をしてしまいます。 1930年代のヘザーの時代には、もうこの階段とサマーハウスがつくられていました。高低差が激しいこの敷地に階段を作り、池を掘り、芝を張って、粗野な空間を、植栽豊かな空間に変えていく。それには相当の体力と精神力を要したことだろうと、感動を覚えます。 ツゲの生け垣に囲まれた四角い池の端に、ブロンズ製の葉っぱが浮かぶ、モダンな空間です。2000年に、現オーナーのアンによって、古いテニスコートがあった場所につくられました。 この庭は閉ざされていて、ツゲの生け垣にあけられた小窓から覗き見るような仕掛け。時折、噴水が上がって、静かな水音を楽しむこともできます。白、黒、緑を基調とした、抑制の効いたデザインの庭で、他の区画で見られる豊かな色彩の庭と、とても良いコントラストを見せています。 膝丈以下に低く仕立てられたピンクのロサ・ムンディが、両側を鮮やかに彩るという、ローズ・ボーダー。しかし、残念ながら、バラの時期には早すぎました。 彫像が置かれている、シダやグラスの茂る奥のエリアは、以前はガーデンの突き当たりでしたが、今は右に行くとロートアイアンの扉があって、新エリアへと続きます。 扉の先には、咲き終わったアリウムのまん丸の花殼も可愛い、メドウがありました。季節が合えば、黄色いキンポウゲと紫のアリウムの、対照色のキュートな競演が見られます。 メドウはなかなか管理が難しく、この庭はまだまだ発展途上とのこと。試行錯誤の結果、今後は二年草の野草を育てていくそうです。 メドウを進んで10段ほどの階段を上ると、今年オープンを迎えたばかりの新エリアが出現します。馬蹄形に築かれた土手には芝生が張られ、その周りに、ピンクと白の半八重の花を咲かせるロサ・ルゴサの垣根が巡らされています。シンプルな構造ですが、遠くまで見渡せて気持ちのよい庭です。じつは、この土手は、2000年にウォーター・ガーデンをつくった際に出た、大量の土を使ってできたもの。果樹園に置かれたままだった土は、数年かけて有効利用されました。 構想を着実に形にしていく、アンのエネルギッシュな庭づくりは、急斜面を切り開いてこの庭園をつくった、先の2人に通じるものがあります。 Kiftsgate Court Gardens(キフツゲート・コート・ガーデンズ) キフツゲイトは、美しい村が点在するコッツウォルズ地方の北に位置し、すぐ隣に、英国ナショナル・トラストの名園、ヒドコート・マナーがあります。シェイクスピアで有名なストラットフォード・アポン・エイボンにも近く、楽しい旅程が組める場所です。 ロンドンからは車で約2時間。電車で行く場合は、ロンドン・パディントン駅からハニーボーン駅(Honeybourne)まで1時間50分程度、駅からタクシーで約15分、というのが庭園お勧めのルートです。 入園料は£8.50。開園期間は4~9月の夏季のみで、開園する曜日と時間は月によって変わります。 庭をゆっくり見て回るには、1時間半は欲しいところ。下の庭に下りる階段は相当急なので、足に自信のない方は無理のないようにご注意ください。併設のティールームでは、手作りのスコーンやケーキ、サンドイッチが頂けます。また、ガーデングッズを取り揃えたショップに立ち寄るのも、どうぞ忘れずに。 *2017年の情報です 詳細情報 店舗・施設名 Kiftsgate Court Gardens(キフツゲート・コート・ガーデンズ) 住所 Chipping Campden, Gloucestershire GL55 6LN 電話番号 01386 438 777 +44-1386-438777 営業時間 4月と9月:月、水、日の14~18時。 5~7月:月、火、水、土、日の12~18時。 8月:月、火、水、土、日の14~18時。 ホームページ http://www.kiftsgate.co.uk/
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樹木
‘ラ・フランス’を作ったバラのナーセリー「フランス・ギヨー社 GUILLOT」
ハイブリッド・ティーローズの原点 バラ‘ラ・フランス’ 1867年、フランスで開催された新種のバラの品評会で優勝した、‘ラ・フランス’。このバラはただの新種バラではなく、細い枝にうつむきがちに大輪の花をたくさん咲かせる花姿、ダマスクの豊かな香りと、何よりも「完全な四季咲き性」を兼ね備えた、まったく新しいバラでした。現在の私たちがよく知る、ハイブリッド・ティーという新しいバラの系統が確立した瞬間です。‘ラ・フランス’の登場はあまりにも革命的であったために、以後、このバラを起点として、これ以前に栽培されていたバラがオールドローズ、このバラ以降に作出されたバラがモダンローズと呼ばれています。 バラの歴史に名を残す名花‘ラ・フランス’を作出したのが、フランスのバラ育種生産会社・ギヨー社の2代目ジャン=バプティスト・ギヨー・フィスでした。世界で最も古いバラのナーセリーに生まれ、幼い頃からバラを愛し、新種の作出を夢見てきた彼は、40歳にして作出した美しいバラを見て偉業の成功を確信し、その思いを込めて“ラ・フランス”というフランス国家そのものの名をバラに冠しました。国の名前を花に付けるのは珍しく、いかにこのバラの作出がセンセーショナルであったかがうかがえます。 ギヨー社のバラ ギヨー社は現在も、ジェネロサシリーズとして、オールドローズの性質や風格を残しつつも先進的な現代のバラの作出に常に挑戦し、評価の高いバラを生み出し続けています。近年は、5代目ジャン・ピエール・ギヨーが、6代目で従兄弟にあたるドミニク・マサドと共に作出家として活躍。ドミニク氏はその後独立し、独自で花をつくり続けています。 ギヨー・ブランドのバラの特徴は、四季咲き性が強く、華やかで素晴らしい色合いのバラが多いこと。中輪で香り高く、花付き・花もちがよいのも持ち味です。そんなギヨーらしい洒脱な花姿と、フルーティーな香り漂うバラの魅力に取りつかれる人も多く、ギヨー社のバラは世界中のガーデナーやバラ好きに愛されています。 華やかなギヨー・ブランドのバラ ‘ラ・フランス’ バラの歴史を語る上で、最も重要なバラのひとつ。特徴的なくるりと丸まったデリケートな花弁は、表と裏でわずかにグラデーションがかるグレイッシュなピンク色。ダマスクにフルーツと蜂蜜がまざった香りも魅力的です。 ‘エリアーヌ・ジレ’ 深紅のつぼみから美しいオフホワイトの花が開く驚きがあり、バラ愛好家から熱い支持を受ける愛らしいバラ。花弁には不規則にピンク色が混ざり、一つ一つ異なる表情を見せます。濃い緑色の照り葉とのコントラストも鮮やか。 ‘ソニア・リキエル’ ギヨー社が展開するバラのコレクション「ロサ・ジェネロサ」シリーズ。‘ソニア・リキエル’は、ジェネロサが目指す性質をすべて兼ね備えたバラ、と作出者に言わしめた可憐なバラです。ロゼット咲きのローズピンクの大輪花からは、濃厚なフルーツ香が漂います。 ‘ポール・ボキューズ’ ピンク色にオレンジが残る、ニュアンスカラーの花色が美しいバラ。花弁の先端が少しとがった剣弁気味の整ったロゼット咲きの大輪花で、フルーティーな香りも魅力です。つるがよく伸びるので、ショートクライマーとしても。 ‘ラデュレ’ マカロンで人気のパリのパティスリー「LADUREE」とのコラボレーションで生まれた品種。コロンとしたフランボワーズピンクの可愛らしい花はクォーターロゼット咲きで、春から秋まで繰り返しよく咲きます。 ‘イングリッド・ベタンクール’ 2015年に作出された最新品種。コロンビアの反汚職、反麻薬取引に挑んだ女性政治活動家に捧げられ名がつきました。ジェネロサ・シリーズでは初登場の花色で、凛とした花姿。アプリコットゴールドのカップ咲きの花は、香りも豊かです。 写真&記事協力:大森プランツ ギヨー社のバラ苗は、大森プランツにてお買い求めいただけます。 大森プランツ 併せて読みたい ・バラを育てたい! 初心者さん必見 野生種、オールドローズとモダンローズなどバラの種類を分かりやすく解説 ・鉢植えバラの冬のお手入れ「来春よく咲かせる!とっておきの話」 ・【バラの育て方】初心者さん必見!バラの基本的な育て方と種類・病気を解説 Credit 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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樹木
バラを育てる時に知っておきたい、バラの樹形3タイプ
バラの樹形は3タイプ 「開花株」が商品として店頭に並ぶ5月は、花に顔を近づけ、香りや色合いを自分で確かめながら選べるチャンスです。「一目惚れ」という運命的な選び方も決して間違いではありませんが、バラと長く良好な関係を築くためには、ご自身の好みに加え、適した「樹形」を選ぶことがポイントです。 店頭に並んでいる姿は流通に合わせたサイズなので、ずっとそのままの形ではありません。健康に育てるためにはその年の秋に地植えにしたり、鉢を植え替えたりする必要がありますが、そうすることでバラは本来の樹形に近づきます。バラの樹形には大きく分け、次の3つのタイプがあります。 つる樹形 枝が2m以上に伸び、構造物に誘引することで形状はさまざまに変えることが可能です。壁やアーチ、フェンスなどの構造物に枝を誘引すれば、地面のスペースはわずかでも、空間を立体的に使って華やかな風景を作ることが可能です。例えば窓の周りをバラの花で埋め尽くしたりすることもできます。 写真の淡いピンクのバラは、つるバラの一つ‘フランソワ・ジュランビル’。樹勢がとても強く、一株で5m以上の壁を花で埋め尽くすことができます。花枝が短いので、壁面などをまんべんなく覆うのに適しています。枝はしなやかで誘引しやすい。青リンゴのような甘い香りがするのも魅力。 ブッシュ樹形 こんもりとした茂みのように育ち、支柱などの支えがなくても自立できる樹形。縦方向に枝を伸ばすものと、横方向に枝を伸ばすものがあります。ふんわりした花の茂みは、花壇のポイントに。小さな庭や鉢植えにはコンパクトな品種を選びましょう。写真のバラは‘ジーン・バーナー’。一年を通して繰り返し花が咲く四季咲き性です。トゲが少なく、花つきもとても良好。アメリカの著名なバラの作出家の傑作品といわれており、その名を冠しています。 シュラブ樹形 半自立する樹形です。ブッシュ樹形よりも枝がしなやかで1~2mと長く伸びますが、つる樹形ほどは伸びません。バルコニーガーデンなど、スペースが限られた場所でのつるバラ的扱いに重宝します。オベリスクや小型のアーチなどに仕立てることができ、低いフェンスなどに誘引するのにも向きます。写真のバラはロサ・ムンディ。原種系統で、春に一度旺盛に花を咲かせる一季咲きです。花は鮮やかなピンクと白色の絞り模様で、とても濃厚な香りを放ちます。また、秋には赤いローズヒップが楽しめます。支えをつけず、伸びるに任せておくとナチュラルな姿が楽しめます。 バラ園を巡ってみましょう どのような品種がどのように使われているか、実際にバラ園やガーデンへ見に行ってみましょう。カタログや書籍では分からない本来の樹形を確認することができます。 観察のポイントは、まず品種名の確認。そして、サイズ感や枝の伸び具合、花のつき方(房咲きや、花が上向きか枝垂れるかなど)、トゲの様子(新枝と古枝でトゲの数が異なるものがあります)などをメモにとっておくと便利です。また、花の様子だけでなく、どのような仕掛けがあるのか、構造物や誘引具も見ておくと、自宅の庭で仕立てる場合に役立ちます。 しばしばバラ園では育て方や仕立て方の講習会を行っていますので、近くにバラ園がある場合には、そうした会に参加するのもオススメです。プロの知恵やアイデアをもらいつつ、同じ花好きの友達もできますよ。 併せて読みたい ・素晴らしき我が友! モッコウバラの思い出 ・【初めてのバラ選び】河合伸志さんに教わる世界で最も厳しいADR認証 ・小さな庭と花暮らし「初夏の庭を彩るつるバラ」 Credit 写真&文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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暮らし
冬が近づく「二十四節気 小雪」冬の庭に訪れる小鳥と呼ぶ方法
二十四節気 小雪 11月22日頃 冬の庭に呼びたい小鳥たち 小鳥たちの好物を庭に 野山にエサが少なくなる晩秋から冬の間、ヤマガラやシジュウカラ、ジョウビタキ、ツグミ、メジロ、スズメなどの野鳥たちは住宅街へもやってきます。庭にバードフィーダー(エサ台)をしつらえておけば、間近で小鳥たちの愛らしい姿やさえずりを楽しむことができます。専用のエサも販売されていますが、パンやお米など台所にあるものの中から彼らにお裾分けできるものもあります。 とりわけミカンやリンゴなど、甘い果物は彼らの大好物。半分に切ってエサ台に置いたり、樹木の梢に刺しておけば喜んでついばみます。ただし、上記の小鳥たちと比べ、体格の大きいヒヨドリやオナガは、しばしば小鳥を追い払ってエサを独占してしまうため、何カ所かに分けて置いてあげるとよいでしょう。 小鳥にはピーナッツリース 小さな鳥たち用にオススメなのが、ピーナッツリース。まず、殻付きの落花生の両端を少しカットし、クチバシで取り出せるようにします。そして中央に小さな穴をあけ、針金に通していきます。このとき、前後の落花生の向きをずらし、互い違いに並ぶようにするのがポイント。まっすぐ針金に通しただけでは、小鳥がとまった重みで落花生がクルクル回ってしまい、一向に食べられません。適当な大きさの輪になったら針金の両端をとめ、庭の木などにかけておきます。 また、庭づくりにおいて、野鳥の来訪という視点で植物をセレクトするのも面白い方法です。例えばガマズミやカマツカなどの樹木は、春に可憐な花を咲かせた後、秋から冬に小さな赤い実を実らせます。寒さとともに甘くなる実は、野鳥たちに大人気です。最後に愛鳥家の心得を2つ。エサ台は病気を防ぐためにときどき掃除をして清潔に。給餌は自然界にエサが少なくなる冬の間だけにしましょう。ぜひ、野鳥図鑑を一冊手元に置いて、ガーデンバードウォッチングを楽しんでください。 小鳥のためのバードケーキ 牛脂に木の実や種子を混ぜ込んで固めたバードケーキも、小鳥たちのごちそうです。作るのは簡単ですが、置き方に一工夫を。バードフィーダーにそのまま置くと、カラスに丸ごと持って行かれてしまうので、容器やネットに入れて固定したほうがよいでしょう。 バードケーキの作り方 【材料】ヒマワリの種や木の実、牛脂、小麦粉、砂糖 ※ボウル、スプーン、カップなどの容器 ボウルに牛脂を入れて、少し温めてゆるめます。 小麦粉と砂糖を少しずつ入れて練り上げ、種子や実を入れて混ぜます。 カップなどの容器に移し、冷やし固めたら完成。 庭を訪れる野鳥たち
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クラフト
【二十四節気】大雪(たいせつ)はボタニカル・クリスマスの準備。装飾に使える品種は?
クリスマスリースの意味 Bogdan Sonjachnyj/shutterstock.com イギリスやフランスでは、12月が近づくと家々のドアに植物を使ったクリスマスリースが掛けられます。リースには古くから希望や再生の意味が込められてきましたが、モミの木に4本のキャンドルとリボン、マツボックリなどを飾ったものを「アドベント(待降節)リース」と呼び、テーブルや窓辺に置いてクリスマスを待つのが習慣になっています。4本のキャンドルはクリスマス前の4週間を表すもので、毎週日曜日に1本ずつ光を灯していきます。12月25日のクリスマス当日には、4本すべてに火が灯されます。キャンドルの光は、魔力や災いから身を守る神聖な灯とされ、周りを彩る草木にも、永遠の命を連想させる常緑のモミの木やエデンを象徴する赤い実が用いられます。 写真/海野美規 ⚫︎ミツロウキャンドルでクリスマスを待つ時間「アドベント(待降節)」を楽しむアレンジを作ろう 庭から素材を見つけよう 白い実が引き立つヤドリギのシンプルなリース。Oleksandr Rybitskiy/shutterstock.com 赤、緑、白の定番クリスマスカラーには次のような意味があります。赤はキリストの血、太陽。緑は永遠の命と愛。白は純潔。冬の庭や自然の中にも、この3色を見つけることができます。ローズヒップ(バラの実)やヒペリカム、コトネアスターなどの赤い実や、イチイやコニファーなど、よく生け垣に用いられる常緑樹もリースの土台の定番です。通称「スノーベリー」と呼ばれるシンフォリカルポスやヤドリギの白い実がなるのも、ちょうどこの頃です。 Mariia Boiko/shutterstock.com また、立ち枯れた草花の中にも素材を見つけることができます。例えば、ルリタマアザミやフェンネルはタネ姿がとてもフォトジェニック。銀や金のカラースプレーで色をつければ、素敵なクリスマスオーナメントに変身します。公園や林の中で拾えるドングリやマツボックリも同様に可愛らしい飾りになります。植物を使ったデコレーションで、ナチュラルなクリスマスの演出を楽しんでみませんか。 Kristiana Gankevych/shutterstock.com Photos by Kerstin/shutterstock.com クリスマスリースに重宝するおすすめ植物 イチイ(Taxus cuspidata) DONGSEUN YANG/shutterstock.com 住宅の生け垣などによく見られる常緑針葉樹。別名アララギ。赤い小さな実がなり、庭にあるだけでクリスマスの雰囲気が出ます。実の中のタネには毒性があるので口に入れないように注意を。 ローズヒップ(Rose hip) Andreas Krumwiede/shutterstock.com 野バラやハマナスなど一部のバラの花後に付く赤い実。品種によって煮てジャムなどにすることもできます。野鳥の好物でもあります。 ⚫︎バラ愛好家が提案する「冬の自然の恵み~ローズヒップ活用法」 シンフォリカルポス(Symphoricarpos albus) Mikhail Gnatkovskiy/shutterstock.com 樹高1mくらいのスイカズラ科の低木。秋頃から実が付き始め、冬まで長く楽しめます。切り花としても人気です。 フェンネル(Foeniculum vulgare) Tukaram.Karve/shutterstock.com 草丈150cmほどになるセリ科の宿根草。フレッシュな葉は魚料理などに使われるハーブの一つです。枯れたタネ姿も美しく、シードヘッドと呼ばれて晩秋の庭で活躍します。タネは甘く、料理などでスパイスとして用いられます。 アドベントリースの作り方 【材料】モミやイチイ、コニファーなど常緑樹の枝、キャンドルとキャンドルピック4本ずつ、シナモンスティック数本、マツボックリなどオーナメント適宜、オアシス オアシスにキャンドルピックを刺します。常緑樹の枝をオアシスに刺していきます。円形のオアシスの場合には、葉が一定方向に向くように刺します。オーナメントを飾り付け、キャンドルを立てれば完成。 マツボックリをクリスマスツリーに見立てた可愛らしい飾りも手軽にできます。子供とのクラフトにおすすめ。ArtBackground/shutterstock.com