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バラのオベリスク 誘引のポイントは“向きとバランス”―女優・黒谷友香の庭づくり時間番外編#1

バラのオベリスク 誘引のポイントは“向きとバランス”―女優・黒谷友香の庭づくり時間番外編#1

女優の黒谷友香さんが千葉で大切に育んでいる600坪の広さを誇る『友の庭』。今年4月に始まったBS11の番組『黒谷友香、お庭つくります』を通して、専門家のアドバイスを受けたり、さまざまなガーデンを訪れて学びを深めながら、黒谷さんの庭づくりは進化を続けています。次回放送では、鉢植えバラのオベリスクへの誘引や、ハンギングバスケットづくりに挑戦。ガーデンストーリー流バラの誘引Q&Aとともに、ご紹介します。

10月11日(土)の『黒谷友香、お庭つくります』放送内容は…

10月11日(土)の『黒谷友香、お庭つくります』放送内容は…

次回、10月11日(土)10:00〜10:30に放送予定の『黒谷友香、お庭つくります』の内容は、記録的な猛暑を受けてのお庭のメンテナンスと、オベリスクへのバラの誘引、そしてパーゴラの高い場所を素敵に飾るハンギングバスケットづくりです。

鉢植えバラをオベリスクに誘引!

鉢植えバラをオベリスクに誘引!

「友の庭」には、いくつかのバラが植えられていますが、今回作業するのは鉢植えにしたバラ‘バタースコッチ’。まずは、JAG(ジャパンガーデンデザイナーズ協会)副会長の吉田祐治さんと一緒に、バラの様子を確認。猛暑にも関わらず生育はすこぶるよく、枝が長く生育し、やや暴れ気味です。

【バラ‘バタースコッチ’の特徴】

◾️花の特徴/淡いベージュ色が儚げな美しさを放つ。花径約10cm。

◾️花期/主に春で、夏から秋にも咲く返り咲き性。

◾️香り/ティーの香り。

◾️株の特徴/つる性で、樹高・株張りとも約2.5m。樹勢は強め。

直径約50cmの鉢に植えた‘バタースコッチ’。つるバラなので枝を構造物に誘引する必要がありますが、鉢植えの場合はオベリスクを用いるのが便利です。

【オベリスクとは】
つる植物用の自立式立体フレーム。形は円柱・円錐・四角柱などがあり、外周に沿って枝をらせんに配るのが基本。アーチ(通路をくぐらせる大型構造)やトレリス(平面の格子)に比べ、省スペースで立体的にバラの演出ができるのが魅力です。

  • 素材:金属(スチール・アルミ)、樹脂、木製など
  • サイズ感:鉢植え向けの小型〜庭植え用の2〜3m級まで
  • 向いている植物:半つる性バラ、クレマチス、スイートピー、ハニーサックルなどのつる植物
  • 選び方ポイント:土中固定の安定性(脚部の長さ)、屋外耐候(塗装・防錆)、鉢/植栽スペースとの直径バランス。

今回、黒谷さんが選んだのは、「アンティークオベリスク ウェーブ」(ガーデンストーリーシリーズ)。ゆるやかなウェーブラインと‘バタースコッチ’の花色に似合いそうなアンティークカラーが気に入ったそうです。

オベリスクにバラを誘引するのは初めての黒谷さん。オベリスクに対してバラをどう扱うのか、さまざまな疑問が….。東京・八王子のガーデニングとアンティークの専門店「グリーンギャラリーガーデンズ」店長の堀田裕大さんのアドバイスを受けがなら、誘引を進めます。

花が咲く方向を見極めながら、麻ひもを使って丁寧にオベリスクに誘引していきます。
花が咲く方向を見極めながら、麻ひもを使って丁寧にオベリスクに誘引していきます。

ポイントは花が咲いた時に見えやすくなる向きを意識して斜めに枝を誘引することと、光合成がしやすいように葉が混み合うのを避けること。枝の誘引の仕方や整理する枝の見極めなど、実際の誘引作業の様子を放送でぜひご覧ください。

パーゴラのお手入れとハンギングバスケットづくり 

猛暑を経て、庭のシンボルであり、黒谷さんにとって憩いの空間であるパーゴラも、テイカカズラの葉が伸び放題に…。こちらもメンテナンスしていきます。

伸びたテイカカズラの枝をパーゴラの上部に誘引しました。
伸びたテイカカズラの枝をパーゴラの上部に誘引しました。

伸びたテイカカズラの枝を吉田さんのアドバイスのもと、パーゴラの高い位置まで誘引。見栄えはよくなりましたが、まだ枝が届き切っていない箇所は、少し寂しく見えてしまいます。そこで、吉田さんが提案したのが「空中花壇」。ハンギングバスケットを高い位置に掛けたり吊るす手法です。手前の2本の柱に飾るハンギングバスケットづくりに黒谷さんが挑戦することに。

手前の2本の柱に飾るハンギングバスケットづくりに黒谷さんが挑戦することに。

今回は、円錐の形状が特徴の「コーンハンギングバスケット」(青山ガーデン)を2つ使用します。ハンギングバスケットには、上部から何段も苗を重ねながら作っていく上級者向けのスタイルもありますが、今回使うバスケットは鉢植えと同じように植え込めばいいので、初心者も簡単に作れます。

横や下からなど、さまざまな角度からの見え方を意識しながら、植物の配置を決める黒谷さん。
横や下からなど、さまざまな角度からの見え方を意識しながら、植物の配置を決める黒谷さん。

堀田さんにハンギングバスケットづくりのコツを教わりながら、クランベリー、球根ベゴニア(‘フォーチュンベゴニア’)、ウンシニアを使った可愛いハンギングバスケットが完成! パーゴラの柱2カ所に吊り下げて、パーゴラ全体に彩りが加わりました。

パーゴラの柱2カ所に吊り下げて、パーゴラ全体に彩りが加わりました。

ハンギングバスケットづくりのポイントや作る過程は、ぜひ放送でお楽しみください。

バラの誘引よくあるお悩みQ&A

バラの誘引は難しいと思われがちですが、ポイントを抑えれば初心者でも華やかな演出が可能。バラの誘引でよくある疑問を以下にまとめました。

Q1 いつ誘引するの?
A 基本は落葉期(12〜2月)。ただし、夏〜初秋の“仮誘引”はOK(枝の向きを軽く整えて風通し確保)。

Q2 花をたくさん咲かせる枝の角度は?
A 水平気味に曲げると、頂芽優勢(ちょうがゆうせい、*)の法則で側芽が動き花数UP。オベリスクは斜めらせん状が◎。

頂芽優勢:植物の茎の先端にある頂芽の成長が、側芽(腋芽)の成長よりも優先される現象のこと。

Q3 どうやって枝を誘引するの?
A オベリスクは外周にらせん状になるように。枝の進行方向に向かって花が開くのをイメージして。

Q4 結ぶ素材と結び方は?
A 麻ひもか被覆ワイヤー。8の字で固定すると、枝と金属が直接当たりにくくなる。

Q5 トゲで作業が怖い/折ってしまう
A 作業は厚手の革手袋+長袖。折れかけはテープで添え木すれば復活可能。

Q6 どの枝を主役にする?(新旧枝の見分け)
A  緑色で太くて長い今年のシュートが主役。茶色の古枝は花後に剪定して更新、混み合う枝は間引きする。

Q7 つぼみが付いた枝は曲げていい?
A 基本は花後に本格誘引。やむなく曲げる場合は緩やかに・複数回に分けて。

Q8 オベリスクにはどんなバラが適してる?
A 樹高1.5〜3mほどの半つる性(シュラブローズ)が扱いやすい。

Q9 葉が混んで病気になりやすい…
A 内向きの細い枝は剪定で落としてOK。枝はオベリスクの外側へ。

Q10 オベリスクのどの高さに何本配る?
A 目安は主軸2–3本+副枝を段ごとに左右交互。下段ほど枝量多め、上は軽くがバランスよい。

BS11『黒谷友香、お庭つくります』

BS11黒谷友香、お庭つくります

放送日時:毎週土曜日 10:00〜10:30
  (アンコール放送:毎週木曜日17:59〜18:27)
番組HP:https://www.bs11.jp/education/kurotani-oniwa/
見逃し配信:BS11+、YouTube、TVer、U-NEXT
番組公式SNS:
 【X】@BS11_oniwa_0405
 【Instagram】@bs11oniwa

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