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植物の水やりが追いつかない! 残暑を乗り切る「神アイテム」3選|プロも実践新水やり術

植物の水やりが追いつかない! 残暑を乗り切る「神アイテム」3選|プロも実践新水やり術

40℃近い酷暑、干上がる水田、枯れてゆく庭…。植物との暮らしにとって、今年の残暑は過酷です。でもご安心を。プロの知恵と便利グッズを組み合わせれば、水やりの悩みはぐっと軽くなります。この記事では、「植物が欲しいときに、必要なだけ水を届ける」ための実践的な工夫とおすすめアイテムをご紹介します。夏バテ気味の植物をラクに救う、水やりの新常識とは?

水やりが“試される”残暑がやってくる

今年の夏は、暑さがレベチ。40℃に達するような猛暑日が続き、全国各地で水田や農作物が干上がる被害が発生。また、ダムの貯水量が大幅に低下し、子ども達が楽しみにしているプール営業を中止する自治体まで出ているほどです。

さらに、環境省の「熱中症予防情報サイト」や気象庁のWBGT指数によると、8月下旬から9月上旬も厳しい残暑が続く見込みです。そんななか、私たちの庭やベランダ、室内の観葉植物にも、水不足の影響がじわじわと及び始めています。

庭や畑では…

枯れ始めたトマト苗
枯れ始めたトマトの苗。VVVproduct/Shutterstock.com
  • 強烈な日差しと乾燥で、キュウリやトマトなどの夏野菜の収穫が早く終わった
  • 毎日水やりしていても、鉢植えや花壇の植物がチリチリに
  • 水やりが追いつかず、「枯らしてしまった…」という声も

室内では…

枯れた観葉植物
Tatiana Diuvbanova/Shutterstock.com
  • エアコンによる乾燥で観葉植物の葉先が枯れ込んでいる
  • 風通しの悪さと乾燥でハダニが発生
  • 葉水が必要だとわかっていても、つい後回しにしてしまう

さらに、留守中や旅行中は、「水やりどうしよう…」という不安がつきまといます。

今こそ、水やりを“ラクに・効率的に・無駄なく”見直すとき

水の確保が社会全体の課題となる中、限られた水を賢く使う工夫が、私たちのガーデニングにも求められています。

水不足でも植物を守る、プロやガーデナーの工夫とは?

グラウンドカバー
バラの株元をリシマキア‘オーレア’、タイムなどを這わせて、乾きを防止。造園家、阿部容子さん施工の庭。
  • 朝夕の涼しい時間帯に水やりを行う
  • 鉢の表面にマルチング材やグラウンドカバープランツを活用して乾燥を防ぐ
  • 土の配合を保水性の高いものに変える(ピートモス、バーミキュライトなど)
  • 鉢植えは直射日光を避け、日陰や半日陰に移動
  • 室内では葉水で湿度を補い、ハダニ予防も
  • 夏の間だけ給水装置や自動灌水器を設置する工夫も増加中
有機吸水ポリマー
太田さんが土壌の保水性を上げるために使っている生分解性の有機吸水ポリマー。写真/太田敦雄さん

また、園芸家の太田敦雄さんは、自身の園芸店「ACID NATURE 乙庭」でポット苗の用土や植栽工事などで生分解性の有機吸水ポリマーを活用しています。この方法では、

  • ポリマーが水を吸って膨らみ、土中でじわじわ水分を放出
  • 根にとって必要なタイミングで水が届く
  • 水のムダも手間も減らせて、暑い時期にも植物が元気に育つ

という利点があり、植物にも人にもやさしい灌水方法として注目されています。

もちろん、植栽設計の段階から導入されているプロの事例ですが、家庭でも鉢植えや花壇の土に混ぜることで、手軽に応用することが可能です。

温暖化がますます進む昨今は、何も意識せず漫然と「水を与える」のではなく、太田さんの実践のように、「植物が必要なときに、必要なだけ水を使えるようにする」という視点が、これからのガーデニングに欠かせません。

昔ながらの壺「OLLA(オジャ)」は、最先端の灌水ツール

壺「OLLA(オジャ)」

植物が“必要なときに、必要なだけ水を吸える”――
それは吸水ポリマーのような土壌改良だけでなく、「給水のしかた」を変えることで実現できる方法もあります。

なかでも、今あらためて注目されているのが、2000年以上前から世界の乾燥地で使われてきた素焼きの壺「OLLA(オジャ)」による自動灌水です。

「OLLA(オジャ)」とは?

スペイン語圏で「壺(pot)」を意味する「OLLA(オジャ)」は、素焼きのテラコッタ製の壺を土中に埋め、植物の根に水分を吸わせる伝統的な灌漑技術です。ただの壺のように見えて、じつはすごい機能性を発揮します。それが、「土が乾いたときにだけ」、じんわりと水をにじませてくれる仕組みです。

壺「OLLA(オジャ)」

【OLLAのすごい機能】

  • 土が湿っている間は自動で水が止まる
  • 植物が必要なときにちょうどよく水が届く
  • 水やりの手間も、水のムダもぐっと軽減!

国連食糧農業機関(FAO)やアリゾナ大学の研究でも、水やり効率は通常の5〜10倍とされているほど、超高効率な灌水法なんです。

OLLAの“必要なときだけ給水”の仕組み

壺「OLLA(オジャ)」

必要なときだけ給水され、土が湿っている時は水が止まるという仕組みは、テラコッタ(素焼き陶器)という素材に秘密があります。テラコッタは焼き締め温度が低いため、微細な多孔質構造(無数の小さな穴)を持っています。そのため、内部の水はポットの表面を通じてじんわりとにじみ出ます。このにじみ出しは、土壌の乾燥状態に応じて起こるのが特徴です。

ガーデンセンターに並ぶOLLA
イギリスのガーデンセンターに並ぶOLLA。

周囲の土が乾いているほど、水が引っ張られて出ていき、逆に土がすでに湿っていると、外の水分量と壺内の水分量のバランスが釣り合って、水の動きが止まります。これは自然の毛細管現象や浸透圧と同様の原理で、電力・配管・複雑な設備不要で、エネルギーゼロで自律給水できる省エネ構造がSDGs時代に合致し、世界で改めて利用が高まっています。

用途や植物のサイズで選べる1.9Lと4Lの2タイプ

【1.9Lタイプ】

「OLLA(オジャ)」1.9L
  • 直径40〜60cmほどの鉢や小さな花壇に
  • 約2〜4日分の給水が可能
  • 旅行や週末留守時の水やり代行にぴったり

【4Lタイプ】

「OLLA(オジャ)」4L
  • 中〜大鉢や家庭菜園にも対応
  • 1回の給水で約4〜7日持続(条件による)
  • 直径70〜100cmまでの範囲に水を届けることが可能
    *実験では、1日あたり400〜800mlの範囲でじわじわ給水されることが確認されています(出典:extension.arizona.edu, nativeseeds.org)。

OLLAの設置はとても簡単です

灌水用の壺「OLLA(オジャ)」

① OLLAを土に埋めて、口が少し地上に出るように設置
② 水を満タンに注ぎ、付属のコルク栓でフタ
③ 数日ごとに水量をチェックするだけでOK!

灌水用の壺「OLLA(オジャ)」
コルクを開けてときどき水量をチェック。

OLLAはこんな方におすすめです

  • 鉢やプランターが多くて、水やりに時間がかかる
  • 毎日忙しくて、つい水やりを忘れがち
  • 留守中や旅行前の水やりが心配
  • 水道代や水資源のムダを減らしたい
  • 見た目にもナチュラルで庭になじむ灌水グッズが欲しい

使用者の声「なんでもっと早くOLLAを知らなかったんだろう!」

最初は“ただの壺”にしか見えなかったこのアイテム。でもOLLAの歴史を知り、仕組みを知り、実際に使ってみたら…その便利さにびっくり!

「大きなプランターがぜんぜん乾かない!」
「水切れに弱いブルーベリーの鉢植えで重宝!」
「朝晩の水やりを1回飛ばしても平気になった」
「子どもや高齢の家族でも安心して育てられる」

などの感想も寄せられています。

「エコな暮らし」に、地球の先輩からのヒントを

夏の花
OLLAを活用して、夏も季節の花を楽しもう。

植物の根が欲しいだけ、必要な分だけ。
乾いた土が水を“呼び寄せる”OLLAの仕組みは、今こそ見直すべき知恵です。

サステナブルな暮らしのパートナーとして、ぜひこの頼れるサイズをお庭やベランダに取り入れてみてください。

水やり中、ホースで植物を傷めるのを解決する「ホースガイド」という選択

「OLLAのような自動潅水も便利だけど、日常の水やりでも困ってる」という悩みも多いもの。

ホースの失敗
水やりの際によくある失敗…。

たとえ日々きちんと水やりをしていても、

「ホースが引っかかって大事な草花をなぎ倒してしまった…」
「ホースを引っ張った拍子に植木鉢が倒れて割れた…」

そんなもったいない失敗、心当たりはありませんか?

じつは、ガーデナーの多くが「ホースの扱い」に地味なストレスを感じており、そのプチストレスを解消してくれるのが“ホースガイド”というアイテムなんです。

ホースの通り道に立てて花を守るホースガイド

ホースガイド

このホースガイドは、ホースが曲がる場所に立てるだけで、回転するコマ状のパーツがホースの動きをスムーズに誘導。植物をなぎ倒すことなく、庭全体を気持ちよく水やりできるようになります。

ホースガイド

しかも見た目は、アンティーク調の鋳鉄製で、上部のモチーフは「カエルの王様」「ジョウロ(左)」「エレガントハート(中)」「ロイヤル(右)」と、オーナメントのように庭に映えるデザイン。「便利グッズなのに可愛い!」とガーデンストーリーの投票でも人気でした。

「ホースが引っかからないだけで、水やりがこんなにラクになるとは!」
「見た目が可愛いので、いくつか並べて使いたい」などの声も。

さりげなく庭に溶け込み、仕事はしっかり

ホースガイド
  • 地面に差し込むだけの簡単設置
  • ホースの引っかかりやねじれを軽減
  • デザイン違いも複数展開(「カエルの王様」「ジョウロ」など)
  • 数本まとめて設置すれば、花壇まわりやアプローチも安心

「見た目重視で選んだのに、こんなに実用的だったなんて」という驚きが、ガーデナーの心をつかんでいます。

葉水で元気をチャージする、ガラス製霧吹き

ガラス製霧吹き

外の植物だけでなく、室内の観葉植物もこの時期は水分不足に悩まされています。特にエアコンの風が当たる場所では、葉先が枯れたり、ハダニが発生したり。そこで大切なのが、「葉水(はみず)」というケアです。

葉水とは、植物の葉の表面に霧状の水をかけてあげること。湿度を上げて乾燥を防ぐほか、葉面からの水分吸収やハダニ予防にも効果的です。

そんな葉水を習慣づけるために、“気づいたときにすぐ使いたくなる霧吹き”があると、植物との距離がぐっと縮まります。

インテリアとしても美しい「ガラス製霧吹き Blue 3色セット」

ガラス製霧吹き

この霧吹きは、クラシカルなフォルムの透明ガラス製。
光を受けてキラリと輝くブルーのボトルは、窓辺や棚の一角に置くだけで絵になる存在感です。

  • 片手で扱えるコンパクトサイズ
  • 柔らかなミストで葉をやさしく包む
  • 水量がひと目でわかるクリアボトル
  • 丈夫なポリプロピレン製スプレー部分で安心

しかも、微妙にデザインが異なる3個セットなので、お気に入りの植物ごとに使い分けたり、花友さんとシェアしたり、プチギフトにも◎。

ガラス製霧吹き

「“見える場所”に置けるから、葉水が習慣になった」
「可愛いから、つい手に取ってしまう」――そんな声が届いています。

ガーデンストーリーが選んだ「GARDEN STORY Series」

GARDEN STORY Series

今回ご紹介した便利で美しい水やりアイテムたちは、すべてガーデンストーリーが読者の声を取り入れながら、本気で選んだ“植物との暮らしをもっと心地よくする”ためのセレクションブランド【GARDEN STORY Series(ガーデンストーリーシリーズ)】の中からピックアップしたものです。

このシリーズでは、

  • ガーデナー視点で厳選した「使いやすさ」「見た目」「植物へのやさしさ」を兼ね備えたグッズ
  • 50アイテムを超える多彩なラインナップ
  • 季節や悩みに合わせた特集形式のおすすめ展開も

今後も、季節の変わり目や植物の困りごとに寄り添うアイテムを、続々ご紹介していきます。

まとめ:水やりを見直すことで、植物も、あなたもラクになる

水やり
Toeizuza Thailand/Shutterstock.com

水不足が社会的な問題になる中、私たちの小さな庭やベランダでも、「ムダなく、効率的に水を届ける工夫」が求められています。

  • 毎朝バタバタして水やりができない
  • 暑さで鉢がすぐ乾いてしまう
  • 留守中の水やりが心配
  • 室内の観葉植物が元気をなくしている…

そんな日々の小さな「困った」を、少しの工夫と“いい道具”でラクにする。
それが、ガーデンストーリーが提案するこれからの「水やりのかたち」です。

あなたの植物との暮らしが、もっと心地よくなりますように。

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