毎年開花! 人気の「ラナンキュラス・ラックス」を来春も美しく咲かせるコツ&最新おすすめ品種Best9

春の訪れを告げる植物の中でも、近年ガーデンに欠かせない花としてファンの多い宿根草「ラナンキュラス・ラックス」。春早くから咲き始め、1株で何十輪という花が咲き、誰しもが虜になる魅力的な植物です。年々新しい花色が仲間入りして、コレクションする楽しみもある「ラナンキュラス・ラックス」を、いち早く生産・販売に取り組み、初心者でも安心して育てられる株づくりを行う平田ナーセリーが、この秋行っておきたい植え替えのポイントを解説。2026年に咲かせたい! 注目の品種Best9もご紹介します。
目次
人々を魅了してやまない「ラナンキュラス・ラックス」を宮崎から世界へお届け!

一度植えたら毎年花が咲く宿根性のラナンキュラス・ラックス(Ranunculus Rax series)は、ほとんど病害虫が付かない強健さを持ち、初心者の方でも育てやすい性質でありながら、全体にワックスを塗ったような光沢とセミダブルの繊細な花弁の重なりや、ガーデンに植えた際の他の植物と調和するやさしい色合いと、多くの魅力を備えた近年話題の植物です。
このラナンキュラスの画期的な品種の誕生は、九州・宮崎のナーセリー、綾園芸の「植えっぱなしでも毎年花が咲くラナンキュラスを!」という強い思いが込められた育種の結晶です。世に送り出されたラックスシリーズの花びらは、まるでワックスを塗ったような光沢のある独特の表情を見せることから、ラナンキュラスとワックスを掛け合わせて「ラックス」と名づけられました。
ラナンキュラスの常識を変えた! 初心者にこそ植えて欲しい「ラナンキュラス・ラックス」

ラックスが誕生する以前のラナンキュラスといえば、春を彩るガーデンの花の一員として、また切り花としても広く愛されてきた花ですが、栽培においては日本の夏の高温多湿や冬の寒風が苦手で、植えっぱなしにしておくと夏には球根が地中で腐ってしまうことから掘り上げて管理しなくてはならないなど、気難しい植物とされてきました。
しかし、ラナンキュラス・ラックスは植えっぱなしで夏を越し、寒さで多少葉が凍っても冬を越してくれます。
病虫害もほとんどないので初心者でも簡単に育てられるのが魅力。庭植えはもちろん、鉢栽培でも簡単に育てることができます。ベランダならラックスさえあれば、春爛漫の雰囲気を手軽に演出することが可能です。
ラックスの成長期10〜3月に植え替え・株分けでリフレッシュを
ラナンキュラス・ラックスは、あまり手をかけず植えっぱなしでも毎年咲いてくれる宿根性が魅力の一つですが、2~3年経つと土の劣化や球根が増えて、鉢植えの場合は鉢が窮屈になったり、土の排水性・保肥性が悪くなり、ラックスのパフォーマンスが落ちる原因となってしまいます。また、ラナンキュラスをはじめとするキンポウゲ科の植物は、連作障害(れんさくしょうがい/同じ場所で長く育て続けていると生育障害が起こること)に敏感です。5年も同じ場所で育て続けていると、徐々に株が衰退しはじめます。
お気に入りのラックスを長く楽しむため、鉢植え・地植えともに2~3年に1度を目安に植え替え・株分けをしてあげましょう。ラックスの一番の成長期は、10〜3月です。成長の最盛期に入る前に植え替え・株分け作業は終わらせましょう。
動画で作業をチェック! ラックスの植え替え方法
<準備するもの>

・オリジナル培養土「ナーセリーの土 18L」
・元肥として万能肥料の「オールパーパス」
・土の活性化に欠かせないの「SOIL FOOD」
・アブラムシ対策の殺虫殺菌剤「ベニカXガード粒剤」
・土の状態をリセットする「土のお守り」
・植物活力剤「メネデール」
【植え替え前の準備】あらかじめ、「ナーセリーの土」に、元肥として「オールパーパス」と「SOIL FOOD」を混ぜておきます。この時、アブラムシ対策として殺虫殺菌剤「ベニカXガード粒剤」と、根の生育を助けたり、土中に発生する球根の腐敗菌を吸着してくれる「土のお守り」を一緒に混ぜ込むと効果的です。

3年以上育てると、植え替え時に取り出した球根は肥大しています。大きく育った球根を優しく手で株分けすると、写真のように1株が2〜4株に増える楽しみもあります。長く育てて増やすとお得! という特典があるのも、ラナンキュラス・ラックスの魅力です。
ラナンキュラス・ラックスの植え替え・株分けの手順
【手順1】植木鉢に土を適量入れます。
【手順2】ラックスを鉢から抜き出し、余分な土を取り除いて球根を取り出します。植え替えのタイミングによっては、鉢いっぱいに白い根が張っていることがあります。この時はできるだけ根鉢を崩さないように注意しましょう。

株分けをする場合は、根が集まっている中心の芽を見て球根を分けていきます。球根や根鉢には植え替え後すぐに発根するように「土のお守り」をかるく振りかけます。
【手順3】根株や球根を鉢に入れ、肥料を混ぜておいた土を周りの隙間に入れるだけで完了です。茎や葉の部分が土の中に埋まってしまうと、灰色かび病などの病気の原因になるので、深植えにならないように注意しましょう。
【植え付け後】植え替えが終わったら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり水やりします。この時、植物活力剤「メネデール」を入れた100倍液で水やりすることで、植替え時に傷ついた根をより早く癒やし、発根を促してくれる効果が期待できます。また、芽が出てくるまでの期間は、表土がしっかり乾くまで待って水やりを続けるのがポイントです。
【植え付け後の施肥】ラックスは、思いのほか大食漢ですので、定期的に肥料を施しましょう。植え替えたラックスは、2~3年は植えっぱなしでOKです。土が硬くなり排水が悪くならないよう、有機液肥の混合液を7~10日に1回のペースで与えるとよいでしょう。

平田ナーセリー独自の育成方法でお届けする失敗しない丈夫な苗

このラックスの花苗を生産する平田ナーセリーの農場長である、白田徹さんにラックスの魅力と栽培のコツを伺いました。
「ラックスの花苗を生産できるナーセリーは限られていますが、平田ナーセリーでは育種者の草野さんからラックスの球根を直接分けていただき、苗の生産を行っています。ラックスの魅力はとにかく花束のように咲くたわわな花。この本来のラックスの魅力を届けるために、平田ナーセリーでは球根を分球せず、大きな塊のまま鉢に植え付け栽培しているため、最初から2年目以降のような見事な花つきを楽しんでいただけます。春に一斉に開花し始めたときには、花束を贈られるような感動を味わえると思います」

「以前から球根は大きな塊で植えていたのですが、鉢も大きくし6号サイズに植えて生産をしています。ラックスの苗といえば、通常3〜4号の小さなポットで、球根が1球植えられているのですが、ラックス本来の魅力をお届けしたいので、平田ナーセリーでは大きな球根を大きな鉢で、多くの土で栽培しています。ですから球根のパワーからして違いがあり、土の量に応じて根の張りもよいので、その分、花数が多いのはもちろん、株に体力があるのでどなたにも苦労なく栽培していただけます」

「ラナンキュラスは多湿を嫌うため、平田ナーセリーでは、水はけがよく肥料もちのよいオリジナルブレンドの土を用いています。ポットも土がたっぷり入り、水が滞留しない形状のものを吟味して選び、植え付けしています」

「もう一つのこだわりは、生長ホルモン剤を一切使用しないこと。輸送費や生産場のスペースの効率化のためコンパクトに育てようと、どうしてもホルモン剤(矮化剤)を使用してしまいがちです。しかし、植物にとってホルモン剤は大きなストレスになってしまいます。つぼみのまま咲かなかったり、球根が太らない・増えないなどの影響が出る場合も。ストレスを感じたまま休眠に入ると、上手く夏越しできないこともあります。平田ナーセリーの農場では、ホルモン剤を使用せず、贅沢なほどのスペースを使い、鉢と鉢の間隔を充分にとり、全ての葉に光と風を当てて、しっかりとした株に育てています」
「ラナンキュラス・ラックス」2026年おすすめ品種Best9!
今では数多くのラナンキュラ・スラックスの品種が出回り、色も草姿もさまざまでコレクションする人もいるほど。平田ナーセリーの生産している品種の中から、2026年に咲かせたい! 農場長おすすめの品種を9種ピックアップしてご紹介します。
バイカラー咲きの新品種‘ペネロペ’

クリームホワイトにピンクの差し色が入るバイカラー咲きの2025年最新品種です。花の色合いは色幅が大きく、それぞれの株に個性が出ます。‘ペネロペ’と以下の‘アポロン’の苗は、来年3月より発送します。
イオ咲きの新品種‘アポロン’

ラックス初の花形で、名前が示す通り“太陽”を思わせる「イオ咲き」の2025年最新品種です。明るいクリームイエローからレモンイエローの色幅があり、花弁も個体差があります。‘アポロン’と上記‘ペネロペ’の苗は、来年3月より発送します。
幻の品種が復活! ‘ヘラ’

明るいピンク系のラックスで、一時期市場から消えた幻の品種が復活しました! 草丈もラックスの中では比較的コンパクトで扱いやすい品種です。
魅惑のピンク花 ‘ジュピター’

濃色の鮮やかなピンク花が美しい品種です、地上部から花までの姿がまとまりやすく、鉢植えにしても地植えでも立ち姿の美しい品種です。
受賞歴のある優秀花 ‘リュキア’

透明感・ボリューム・花数など、ラックスの中でもずば抜けて優れた品種。庭植え、鉢植えともに育て続けると見事な大株となり、一度見たら忘れられません。日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2015ガーデニング部門「優秀賞」「ブリーディング特別賞」「カラークリエイト特別賞」受賞花。
鮮やかに輝く赤花 ‘ハデス’

最も赤い品種。時間とともに、赤い花弁がシェルホワイトへと変化し、輝きを増していきます。キメラといわれる2色咲きの個体が出やすい品種です。
桜貝のような美しい花 ‘アリアドネ’

桜貝のような淡いピンクで、咲き始めから、艶やかな光沢が美しい品種。一番花はバラのような八重咲きで次第に半八重の花形に移り変わっていく姿が魅力的、日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2012切花部門 「最優秀賞」受賞花で、切り花としても花もちのよい品種です。
濃淡の変化が楽しめる ‘エリス’

鮮やかなサーモンオレンジの花は、気温の変化で色の濃淡の変化が楽しめます。背丈は、ほかのラックスの品種よりも高くボーダー花壇や宿根草との混植におすすめです。
最高の輝きをまとう黄金花 ‘ピュタロス’

春らしい明るいイエローの花色で、最高の輝きをまとった品種です。花立ちが抜群で、コンパクトにまとまった姿も魅力。草姿のまとまりのよさから鉢植えにもおすすめの品種です。
育てるほどに大株になる楽しみいっぱいの花

ラックスは生育旺盛で、地中でも球根がどんどん増えていきます。1年で球根の数は3〜5倍に増えるため、株は年々見事に大きくなり、花数も驚くほど増えていきます。一度買ったらどんどん増えるコスパのよさも魅力。手にした日から毎年、ラックスの花でいっぱいの春の風景が約束されます。
「平田ナーセリー オンラインストア」では、23品種もの豊富なバリエーションから選べます。春の訪れを身近に感じられる花、ラナンキュラス・ラックスで庭風景を一新してみませんか?
取材・写真協力/平田ナーセリー
Credit
写真&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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