今週は全国的に強い寒波が到来し、地域によっては氷点下の日が続く予報が出ています。冬の花として知られるクリスマスローズは「寒さに強い植物」というイメージがありますが、じつは今の時期は、少しだけ扱いに注意が必要なタイミング。今のクリスマスローズは、どんな状態にあって、今週の寒波で何を気をつけるべきなのか。開花直前の今こそ知っておきたい、大寒波の週のクリスマスローズ管理をまとめました。
目次
1月のクリスマスローズは、どんな状態?

多くの品種がこの時期に迎えているのは「開花直前」の段階です。
- 花芽がふくらみ、しっかりと充実している
- つぼみに品種ごとの色が入り始める
- 早咲きのものはすでに開花している
株は、葉を茂らせる時期を終え、花を咲かせることにエネルギーを集中しています。このため、極端な環境変化には少しだけ弱くなるタイミングでもあります。また、細胞分裂が活発な花芽は低温障害を受けやすい部分です。特に凍結と融解を繰り返すと、細胞膜の傷みを引き起こしやすく、元に戻らないケースが出ます。
ですから、「寒さに強い=何をしても平気」ではないのが、今のクリスマスローズの状態です。
今週の大寒波で、特に注意したい理由
今週の寒波で、いちばん注意したいのは購入したばかりの苗です。地植えで何年も育っている株や、屋外で管理され続けてきた株は、すでに寒さに慣れているため、多少の冷え込みでも、簡単に傷むことはありません。

一方、園芸店に並ぶクリスマスローズの苗は、ハウス内や比較的暖かい場所で管理されていることが多いため、強い寒風や霜に直接当たった経験がありません。寒さに順化していない苗を、購入後すぐに寒風や氷点下にさらすと、
- 葉がぐったりと萎れる
- 花芽が傷み、育たなくなる
- 状態によっては、そのまま回復しない
という、取り返しのつかない結果を招くこともあります。
1月にやるべき、クリスマスローズの本来の手入れ
① 株の状態チェック
この時期のクリスマスローズはほぼ、開花の設計図が完成している状態です。株がどんな状態にあるか様子を見て、開花の妨げに対しては適切な対処をしましょう。
- 花芽が葉に埋もれている場合は、寒波が落ち着いてから邪魔になる葉を整理しましょう。
- 葉の色が濃すぎて柔らかいときは、肥料を与えず日中の日照と風通しを優先。
- 葉が黄色っぽいときは、冬の低温による一時的な吸収不良の可能性が高いので、すぐに肥料を足さずに様子を見ます。
- 花芽が極端に少ないときは、今から増やすことはできないため、無理な追肥はしません。来季に向けた管理に切り替えます。
② 水やりは「控えめ・凍結回避」が基本
低温下では根の吸水能力が落ち、過湿は根腐れや細胞障害を招きやすいため、以下が鉄則。
- 表土が乾いてから、暖かい時間帯に
- 朝、鉢や土が凍っている場合は絶対に水を与えない
- 地植えは基本的に自然任せでOK
③ 置き場所の見直し(守りの管理)

1月は「動かさない」より「当たるものを避ける」が正解。とくに購入したばかりの苗は重要です。
- 寒風が直撃する場所は避ける
- 日中は日当たりを確保
- 夜、冷え込む日は軒下・玄関先へ(鉢植え)
④ 肥料は「基本与えない」
1月は基本的に追肥しないのが正解です。
- 肥料分は秋までに十分蓄えられている
- 低温期は吸収効率が悪い
- 窒素過多は葉ばかり茂る原因に
例外として葉色が明らかに悪い、株が極端に小さい場合のみ、ごく薄い液肥を与えます。
⑤ 古葉取りは「条件がそろったら」

1月の本来の古葉取りは、花芽に光を当て、蒸れを防いで病気予防をすることです。ただし、寒波の際は葉が防寒の役目を果たすため、以下の条件がそろってから古葉取りを再開しましょう。
- 寒波が落ち着いて数日間、気温が安定
- 花芽の位置がはっきり見える
⑥ 病害虫は「予防目線」で確認
1月は大発生しませんが、古葉の裏のアブラムシや風通しの悪い株元のカビをチェック。
見つけたら葉を整理し、被害葉を除去します。薬剤は予防目的で行なっておくとよいでしょう。
寒波のときにやっていいこと・NGなこと
【やっていいこと】
- 夜間、外気温が0℃以下になる予報の日は、夜だけ玄関先や室内の温かい場所に取り込む
- 昼間はよく日の当たる屋外に戻して管理する
- 無茎種(茎が伸びないタイプで多くが該当)は葉を取り除き、花芽に光と風を通す。
【NGなこと】
- 寒さに慣れていない苗を、いきなり寒風や霜に当てる
- 鉢や株が凍っている状態で水を与える
- 「寒さに強いから」と完全に放置する
とくに水やりは注意が必要です。株や鉢が凍っているときに水を与えると、根を傷める原因になります。
買ったばかりのクリスマスローズ、どう管理する?

この時期に購入したクリスマスローズは、いきなり本来の置き場所に出さないのが失敗を防ぐコツです。
- 購入後、最初の数日〜1週間は霜や強風を避けられる場所で管理
- 夜間に冷え込む日は一時的に玄関先などへ移動
- 気温が安定してきたら少しずつ屋外の環境に慣らしていく
この「慣らし」のひと手間が、春の花数や花の美しさに大きく影響します。
Q&A|1月のクリスマスローズ、よくある疑問

Q. クリスマスローズは本当に寒さに強い植物ですか?
A. はい。地植え株や寒さに慣れた株は強健です。ただし、販売苗は別と考え、順化を意識しましょう。
Q. 夜だけ室内に入れても問題ありませんか?
A. 問題ありません。夜間だけ一時的にがポイントです。長期間室内に置くと徒長の原因になります。
Q. 夜、明るい玄関に取り込んでも大丈夫? リズムが狂いませんか?
A. 問題ありません。クリスマスローズは日長に強く反応する植物ではなく、一般的な室内照明程度では生育リズムや開花に影響はありません。大切なのは、夜は冷えから守り、昼はしっかり外の光と空気に当てることです。
Q. 昼間でも気温が0℃以下の日は、外に出したほうがいい?
A. 無理に外に出す必要はありません。昼間も氷点下が続く日は、明るい室内や玄関で凍結を避けるほうが安全です。
Q. いつ外に戻したらいい?
日中の最高気温が1〜2℃以上になり、霜が溶ける時間帯がある日には屋外へ出しても大丈夫です。
Q. 朝、鉢が凍っているときは水やりしてもいい?
A. いいえ。完全に解けてから、気温が上がる時間帯に行いましょう。
Q. 寒波の直前や、寒波の最中に古葉取りをしてもいい?
A.寒波がすでに始まっている場合はおすすめしません。古葉には寒風や冷えから花芽を守る役割もあるため、寒波が落ち着いてから行いましょう。本来、古葉取りは寒波が来る数日前に行うのが理想ですが、すでに寒波に入っている場合は無理に行わず、防寒を優先するほうが安全です。
この一週間のケアが、春の姿を決める

今週の寒波は、クリスマスローズにとって「耐えるだけの時期」ではありません。開花直前の今、ほんの少し環境に気を配ることで、
- 花茎がすっと立ち上がり
- 花色が冴え
- 春まで安定して楽しめる
そんな姿につながっていきます。この一週間は、クリスマスローズを守るための時間であり、春の花を育てるための大切な準備期間。寒さの中でも、確実に春へ向かって育つ花の力を、ぜひ支えてあげてください。
Credit
写真&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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