今まさに開花の最盛期を迎えているクリスマスローズ。本来、丈夫で長生きする宿根草ですが、花が咲かない、少ない、なんだか調子が悪い、と悩んでいませんか? 長年、クリスマスローズを栽培しているガーデニストの面谷ひとみさんにも、じつはさまざまな疑問やお悩みが。クリスマスローズの専門家、横山園芸の横山直樹さんが面谷さんのお悩みを解決します!
目次
Q.1 クリスマスローズの寿命はありますか?

長年、クリスマスローズを地植えで育てています。買ってきた苗を地植えにし、3年くらい経つと株いっぱいに花が咲き、それはそれは見事です。最盛期には庭中から惜しみなく花を切ってきて、クリスマスローズのブーケを作って楽しめるほど。数年はそんなふうに素晴らしくよく咲くのですが、7〜8年経った頃から、花数が減ってきて以前のように咲かなくなってきてしまいました。クリスマスローズは長生きする宿根草だと思っていましたが、寿命があるのでしょうか? それとも植えている場所が悪いのでしょうか?
A.1 クリスマスローズはとっても長生き! ただしコツがあります。
横山園芸には40年以上生き続けている株がありますよ。ですから、クリスマスローズの寿命は、ハイブリッドに関しては限りなく長いと言えます。しかし、面谷さんがおっしゃるように開花してから7〜8年経つと、勢いが衰えて花数が少なくなってくるものです。そうなる前にやって欲しいのが植え替えと株分けです。横山園芸の40年以上の株も、株分けと植え替えを繰り返して生き続けています。また、ハイブリッドはこのように長生きさせることができますが、原種のなかには短命なものもあり、それらはタネ採りで生き残りを図ります。
Q.2 クリスマスローズ同士の相性ってありますか?

横山さんの作出した‘ヨシノ’が大好きで、大事に育てています。原種チベタヌスの雰囲気がありつつ、ハイブリッドとの交配により性質はとても丈夫で、地植えで年々株が充実してすごくきれいです。そこで、‘ヨシノ’の隣に‘姫ヨシノ’も植えたのですが、なんだかいまいち調子が悪いです。クリスマスローズにも相性の良し悪しがあるのでしょうか?
A.2 クリスマスローズ同士は適切な距離が必要です

クリスマスローズ同士は近くに植えるとケンカする傾向にあります。根からアレロパシーを出して戦い、全体的に株が弱ってしまうんです。特に植木鉢など限られた空間では顕著に表れますが、地植えでも適切な距離を保って植えることが大切です。
Q.3 こぼれタネで出てきたクリスマスローズはどうすればいいですか?

場所によって、こぼれタネでクリスマスローズがあちこちから出てくるのですが、そのまま育てていいのでしょうか?
A.3 移植が必要です
先ほどと同じ理由で、クリスマスローズ同士が近くにあると、全体的に株が弱ってしまうので、小苗のうちに掘り上げて別の場所に移してあげるか、鉢植えで楽しむといいでしょう。
Q.4 花や葉っぱに黒い斑点が出て枯れてきました。どうしたらいいですか?

A.4 「ブラックデス」という病気です。すぐに対処しましょう。
ブラックデスは葉や花、茎などに黒い病変が現れます。ハサミの使い回しやアブラムシ、ハダニなどが媒介して液体感染するので、それらの防除に努めますが、発症後は適応薬剤がないので、残念ですが株を掘り上げ、周辺の用土も破棄して他の株への感染の拡大を防ぐことをおすすめします。
横山直樹さんによる「横山お花クリニック〜面谷クリニックのガーデンから〜」開催!

上記のお悩みを含め、実際に横山直樹さんが面谷さんの庭を巡りながら、クリスマスローズのお悩みを解決するインスタライブを開催します。「花数を衰えさせない植え替えのベストなタイミング」や「アレロパシーを出さない適切な距離感」「草花とクリスマスローズの相性」「適切な植え場所」「猛暑の乗り切り方」など、専門家の目線でクリスマスローズの庭づくりを指南します。
横山さんに相談したいクリスマスローズの疑問やお悩みがある方は、ガーデンストーリーのインスタグラム「クリスマスローズの疑問・お悩み募集」の投稿のコメント欄で、ご質問をお寄せください。インスタライブ内にて回答します(事前に編集部でセレクトさせていただきます)。
■「横山お花クリニック〜面谷クリニックの庭から〜」インスタライブ/3月30日(日)10〜11時
また、同日午後13時から現地にお悩みのクリスマスローズの株の鉢をお持ちいただける方に限り、横山さんが株を診察してくれる「横山お花クリニック・植え替え診察室(無料)」を開催。ご希望の方には、横山さんがあなたのクリスマスローズの株を健やかに育つよう植え替えしてくれます(1鉢1,000円)。
■「横山お花クリニック・植え替え診察室」/3月30日(日)13〜15時
住所/鳥取県米子市道笑町4丁目221−1(*クリニックへの電話でのお問い合わせは受けつけておりません。現地に直接お越しください。駐車場50台あり)
Credit
写真&文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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