不器用さんでも失敗しない! 挿すだけで“プロ級”クリスマスリースの作り方
クリスマスシーズンがやってきました! 今年は、フレッシュグリーンと赤い実が映える王道クリスマスカラーのリースを手作りしてみませんか? 「クリスマスリースを作りたいけど、ワイヤー作業が苦手…」という初心者の方も大丈夫。ワイヤーワーク不要で、挿すだけで美しい長もちリースが完成する吸水性スポンジを使ったリース作りの方法を、フラワー&フォトスタイリストの海野美規さんが解説します。深いグリーン×鮮やかな赤のトラディショナルな色彩は、華やかで季節感たっぷり。フレッシュリースならではの香りも楽しめますよ!
目次
クリスマスシーズン到来!

フラワーショップの店頭に、鮮烈なポインセチアの赤や、可憐なシクラメンが並び始めると、いよいよ華やかなクリスマスシーズンの到来を感じますね。「今年はどんなクリスマスの飾りにしようかな?」と、頭の中でイメージを膨らませる時間は、クリスマス準備の中で最も心躍るひとときではないでしょうか。
クリスマスには、生花ならではの生命力を取り入れたリースを飾りませんか? 今年は、深いグリーンの中に、新鮮なヒメリンゴと赤い実をふんだんにあしらって、王道のクリスマスカラーのみずみずしい華やかリースを作ることにしました。
玄関に飾って、フレッシュな香りと素材の輝きを楽しみましょう。
王道クリスマスカラーで! フレッシュなクリスマスリース

今回は緑×赤の王道カラーで、トラディショナルなクリスマスリースに仕上げましょう。
リース全体を覆うのは、モミやヒムロスギといった深いグリーンの常緑樹。そして主役は、真っ赤なヒメリンゴとウィンターベリー、ヒペリカムといった赤い実です。

- ヒメリンゴ:
コロンと可愛らしいサイズのヒメリンゴは、まさにクリスマスの象徴。そのフレッシュな赤が、リースのグリーンの中でひときわ目を引く主役になります。 - 赤い実(ウィンターベリー 、ヒペリカムなど):
小さな赤い実を枝ごと使うことで、動きをつけることができます。
玄関に飾れば、ヒメリンゴのほのかな甘酸っぱい香りとフレッシュグリーンの香りが、一層クリスマス気分を高めてくれます。自然素材ならではの贅沢なリースで、心ときめく季節を迎えましょう!
ワイヤーワークが苦手な方におすすめのオアシスリング

リース作りは好きだけど、「ワイヤーを巻く作業がどうにも苦手…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。繊細なワイヤーワークは時間も手間もかかり、特に初心者の方にはハードルが高いかもしれません。
そんな方は、吸水性スポンジでできたリースの土台(オアシスリング)を使うのがおすすめです。
アレンジメントのように、スポンジに直接花材を挿していくだけでOKですし、ワイヤーで縛る手間がないため、早くきれいに形が完成します。また吸水性スポンジなので、生花やフレッシュなグリーンを使いたい場合も水分を補給でき、みずみずしさを長く保てます。
クリスマスリースの材料

- リース型吸水性スポンジ(オアシスリング) 直径25cm
- ヒムロスギ 5本
- ユーカリ 2本
- ヘリクリサム 5本
- ヒペリカム 6本
- ウィンターベリー 2本
- ヒメリンゴ 8個
- 松ぼっくり 8個
- 麻紐 事前に土台となるリングの紐通しの部分に、麻紐をつけておきましょう。
フェイクのリンゴでもOK!

フレッシュな材料にこだわりたいのはやまやまですが、ヒメリンゴは1カ月も飾っておくと、シワシワになったりカビたりしてしまうこともありますね。暖かい部屋に置いておくと、なお心配です。
そこで、ヒムロスギやユーカリ、ウィンターベリーなどはフレッシュな生花を使い、ヒメリンゴはフェイクリンゴを使うというのも1つのアイデアです。
フェイクのリンゴは、本物と見間違うほどよくできています。その上、発泡スチロールでできているので軽い! テーブルリースで平置きにする場合はよいのですが、ドアに吊す場合は、できるだけ軽く仕上げたいので、軽いフェイクのリンゴは重宝します。
香りを楽しむために、2、3個はフレッシュなヒメリンゴを、あとはフェイクのリンゴにするというのもよいかもしれません。軽くて傷まないフェイクリンゴ、おすすめです。
クリスマスリースの作り方
1. リース型吸水性スポンジに水を含ませます。その際、たっぷりの水の中にポンと入れて、ゆっくり浸水するのを待ちましょう。
2. ヒムロスギを10cmくらいにカットします。

3. スポンジの面から斜め30°くらいの角度で、カットしたヒムロスギを挿していきます。


ポイント
まずはリングの上面に1周ヒムロスギを挿し、同様にリングの外側→リングの内側の順に、それぞれ1周挿していきます。その際、すべて同じ方向に挿していくのがポイント!



4. ヒムロスギでリースのベースができたら、ユーカリ、ヘリクリサムを入れます。


5. ヒペリカム、ウィンターベリーといった赤い実ものを入れます。

6. ヒメリンゴの下に竹串を刺して、ヒムロスギの間に入れます。

7. 松ぼっくりを入れます。松ぼっくりは、安定するようにワイヤリングして入れるのがおすすめ。ワイヤーをマツボックリの根元近くに引っ掛け、ワイヤー同士をねじるなどして足をつければ、スポンジに刺すことができます。

出来上がり!


クリスマスカラーの意味

クリスマスを象徴する緑と赤の鮮やかなコントラストは、単なる色の組み合わせではなく、古代から受け継がれてきた深い意味を持っています。
*生命の源としての「緑」
ヨーロッパの厳しい冬において、葉を落とさずに一年中緑を保つ常緑樹(モミやヒイラギなど)は、「生命の源」そのものを意味します。これは、冬の寒さや闇が続いても、春が必ず来て生命が再生するという、永遠の希望の象徴です。
*太陽と炎の力強い「赤」
赤は、人々に暖かさを与える太陽の光や、集いの場となる焚き火の炎を表します。古代のヨーロッパでは、太陽の力が最も弱まる冬至祭の際に、常緑樹を飾り、焚き火を焚くことで、太陽の復活を願う大切な儀式が行われていました。
「緑」と「赤」は、この冬至祭に欠かせない要素であり、現代のクリスマスへと受け継がれたのだそうです。
そして、現代のクリスマスツリーを彩るイルミネーションは、この焚き火の炎が変形したものなのだとか。暗い冬に光を灯し、希望と暖かさを呼び込むという願いが、現代では電飾のきらめきへと姿を変えたのです。
クリスマスカラーの緑と赤は、冬の闇を打ち破り、生命の希望と暖かな光を呼び戻すという、人々の切なる願いが込められた歴史的な色彩ということなのです。

そう思って、改めて駅ビルの巨大なクリスマスツリーを見上げると、その輝きに一段と深みを感じます。
キラキラと煌めく無数のイルミネーションは、ただ美しいだけでなく、人々が最も多く集う場所を明るく照らしています。この光景はまさに、遥か大昔のヨーロッパで、冬の闇を打ち破るために人々が集い、生命と希望の象徴である常緑樹の周りで、焚き火の炎に照らされていた夜の光景を彷彿とさせます。
現代のツリーの輝きは、時を超えて、あの頃と同じように多くの人々の心を明るく照らしているのかなと思いを巡らせるのです。
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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