うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
海野美規 -フラワー&フォトスタイリスト-
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
海野美規 -フラワー&フォトスタイリスト-の記事
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アレンジ

ガラスの中に春の風景を。アイリスと小枝で作る、大人の自由な「投げ入れ」花飾りレッスン
ベースの「口径」で変わる、花の数と空間の楽しみ方 Real Vector/Shutterstock.com 花を飾るとき、まず迷うのがベース(花器)選びではないでしょうか。じつは、ベースの口径(口の広さ)によって、必要な花の量や、表現できる雰囲気がガラリと変わります。 細身のガラスベース 一輪挿しやスリムなシリンダータイプは、花を数本挿すだけで、口元が自然に花を支えてくれます。特別な花留めも要らず、少ない本数でスマートに決まるのが魅力。忙しい日常の中で、一輪の花をスッと飾るには最高のパートナーです。 口径の広いベース 一方で、「口径の広いベース」は、たくさんの花や茎の太い花を入れられ、また中に手を入れて洗えるメンテナンスしやすさも魅力。その反面、そのまま生けようとすると花が外側に広がってしまい、中心を埋めるために大量の花材が必要になりますね。「こんなにたくさんの花は用意できない……」と、つい敬遠してしまいがちですが、ここで活躍するのが「枝物を使った花留め」です。 小枝を渡した花留め。 小枝の「つっぱり」でナチュラルな風景に 小枝の花留めは、花を支えるためだけの道具としてではなく、ベースの中の「風景」の一部にもなります。 ガラスベースの中で複雑に交差する枝のラインは、まるで自然の川底を覗いているかのよう。隠すべき存在だった花留めが、アレンジメントの奥行きを作る素敵な演出へと変わります。 小枝を内側に突っ張らせてしっかりとした支点を作ることで、口の広いベースでも、少ない花数で思い通りの場所に花を固定できます。 花で口元をぎっしり塞ぐのではなく、花留めの枝を透かして見せることで、水と空気の「余白」も生まれます。 「小枝の花留め」テクニックのポイント ベースの内径に合わせ、少し長めにカットした小枝をベースの内側で「一文字」や「十文字」になるよう突っ張らせます。これが花留めとなり、重なり合う枝の間から花をスッと立たせることができます。 一文字留めは枝を1本、十文字留めは枝を2本花器の内側に渡す方法です。 花留めとなる枝を切る時は、花器の内径ピッタリに合わせるのではなく、5mm程度長めにカットするのがポイント。花器の内径と同じ長さにカットすると、留まらずに落ちてしまいます。枝は暫く水に浸してあげると、柔軟性が出て留めやすくなります。 花留めにセットする際は、枝を斜めにして花器に入れ、場所を決めてから、下になっている端をベースの側面を滑らせるようにして水平になるまで上に持ち上げます。十文字留めの場合はまず先に上になる枝をセットしたあと、下になる枝をセットするとよいでしょう。 アレンジに使った花 アイリス(イエロー、ブルー)対照的な2色を混ぜることで、単調にならずリズムが生まれます。 キンバデマリ(アメリカテマリシモツケ‘ルテウス’)瑞々しい葉と、枝の色、模様がナチュラル感満点です。 ラークスパーアイリスの垂直ラインに寄り添い、高さを出しながら優雅な動きをプラス。 アリウム・コワニー小さな白い花が集まった星のような姿が、直線的な構成の中に愛らしい抜け感を作ります。 アレンジの手順 1. 太めの小枝を選び、長さを合わせてカットして、ベースの内側にしっかりと固定します。 2. キンバデマリの枝を入れて、全体の輪郭を決めます。高さは、器と同じくらいに。 3. アイリスを垂直にいけます。キンバデマリの小枝が支えとなり、アイリスがしっかり自立するようになります。 4. ラークスパーを入れます。 5. アリウム・コワニーを、アイリスの合間から顔を出すように配置します。 バランスを整えて出来上がり。 アイリス・アヤメ・ショウブ・カキツバタの見分け方 ハナショウブ。ikwc_exps/Shutterstock.com 「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉がある通り、一見そっくりなこの花たち。どれがどれだか分かりにくいですよね。 私は、育つ場所で見分けるようにしています。 ダッチアイリス、ジャーマンアイリス、アヤメは、乾いた地、水はけのよい花壇や畑 カキツバタは、水の中、池や沼のふちなど水気が多い場所 ハナショウブは、湿った地や半分水に浸かっているような湿地。乾地でも育つ よく見られる場所は、種類を見分ける際の手がかりになります。 はっきりとした見分けのポイントは、花弁の付け根部分の模様。細長い黄色の模様があればハナショウブ、細長い白色の模様があればカキツバタ、そして大きな網目模様があればアヤメの花。ダッチアイリスは花弁の中央に大きめの黄色の斑が入ります。ジャーマンアイリスは豪華な花姿で花色も模様も非常に豊富にあり、花びらの付け根に毛(突起)があるのが特徴です。 アレンジに使ったダッチアイリス。 今回アレンジでも使ったダッチアイリスは、地植えにしても育てやすく、毎年変わらぬ姿を見せてくれる頼もしい存在です。 驚くのはそのサービス精神! 1つの花が咲き終わった後、同じ場所から2番目のつぼみが顔を出し、再び美しい花を咲かせてくれるのです。これには、なんだかとても得をしたような、嬉しい気持ちにさせられます。 5月の節句に欠かせない「もう一つのショウブ」 Bowonpat Sakaew/Shutterstock.com 端午の節句(5月5日)に無病息災を願って入る「菖蒲湯」。この時に使われるショウブは、アイリスやアヤメのような美しい花を咲かせる植物とは違います。 私たちがアレンジメントで楽しむのは花の美しいアヤメ科の(ダッチ/ジャーマン)アイリスやハナショウブ、アヤメなど。菖蒲湯に使われるのは、ショウブ科の「ショウブ」です。 Volodymyr Nikitenko/Shutterstock.com ショウブの花はというと、とても地味で、ガマの穂のような小さな目立たない花(肉穂花序)を咲かせます。 葉は、揉むとスーッとした独特の強い芳香があります。日本ではこの強い香りに邪気を払う力があると信じられてきました。5月は季節の変わり目で病気にかかりやすい時期。そのため、香りの強いショウブを屋根に葺いたり、お酒に浸したり、お風呂に入れたりして、厄払いをしたということです。 武士の時代になると、「ショウブ」という響きが「尚武(武道を重んじること)」や「勝負」に通じるとして、男の子の成長を祝う縁起物として定着しました。 斑入りのショウブは観賞用としてガーデンでも人気。Galina Bolshakova 69/Shutterstock.com 花の美しさはアヤメ科、香りはショウブ科。同じ名前を持ちながら役割が違うなんて、植物の世界は面白いですね。
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暮らし

3月の光は天然のサプリ。愛犬が喜ぶ「日向ぼっこ」の効果と、換毛期に役立つ自家製ローズマリーウォーター
春にまどろむ愛犬 3月、柔らかな日差しが庭に降り注ぐようになると、愛犬が真っ先に日当たりのよい場所を見つけてまどろむ姿を目にします。犬たちが太陽を求めるのは、単に暖かいからだけではありません。そこには生き物としての深い本能と、健やかに生きるための知恵が隠されています。 3月の光の役割 ぽかぽか陽気、スヤスヤと眠る愛犬の姿は、見ているこちらまで幸せな気持ちになりますよね。犬が日向ぼっこを求めるのは、単に「暖かいから」という理由だけでなく、生き物としての深い本能と生存戦略に基づいた行動です。 3月の太陽が、犬にとってどれほど大切で、心身にどんな恩恵をもたらしているのでしょうか。 1、本能が求める「体温の維持と節約」 犬は野生時代、体温を維持するために膨大なエネルギーを消費していました。太陽の熱を直接浴びることで、自分のエネルギーを使わずに体温を上げられることを本能的に知っています。特に、寒さが苦手な短毛の犬やシニア期の犬にとって、3月の心地よい日差しは、体力を温存しながら内臓や関節を温める最高のリラックスタイムになります。 我が家の柴犬あんも、日向ぼっこが大好きです。暖かい陽だまりで、目を細めて、降り注ぐ太陽を全身で受け止めています。 2. 「幸せホルモン」と「睡眠リズム」の調整 太陽の光を浴びることで、脳内にセロトニン(幸せホルモン)が分泌されます。これが夜になると、質の高い眠りを誘うメラトニンの原料になります。 3月は日照時間が急激に伸びる時期。この変化を全身で浴びることで、冬の「休止モード」から春の「活動モード」へ、自律神経をスムーズに切り替える手助けをしています。 3. 皮膚と被毛のセルフケア 太陽光(紫外線)には、皮膚を清潔に保つ殺菌作用があります。 3月は換毛期が始まり、皮膚が蒸れたり痒みが出たりします。日向ぼっこで体を乾燥させ、血行を促進することは、健康で艶やかな新しい毛を育てるための大切な時期です。 犬が日向ぼっこをした後に自分の体をペロペロ舐めることがありますが、これは被毛の上で生成されたビタミンDを摂取しているという説もあります。犬は体内でのビタミンDの生成量が少なく、日光浴だけで充分なビタミンDを得るのは難しいとされますが、まさに全身で太陽を食べているのかもしれませんね。 庭のハーブで手作り。ローズマリー・グルーミングウォーター 3月の声を聞くと、いよいよ換毛期の本番です。特に柴犬のようなダブルコートの犬にとっては、家の中に毛の竜巻が起きるような事態になります。 換毛期は、毛が抜けるだけでなく、新しい毛を作るために体力を激しく消耗する時期でもあります。シニア期の犬や寒さに敏感な犬が、この時期を健やかに乗り切るためにハーブスプレーを手作りしてはいかがでしょうか。 庭にローズマリーがあれば、ぜひ愛犬のためにフレッシュなスプレーを作ってみましょう。ローズマリーは「若返りのハーブ」とも呼ばれ、血行促進や抗菌作用が期待できます。 <材料> ローズマリーの枝(10cmくらい) 5〜6本 水 200mlくらい スプレーボトル <作り方> 1. 庭から摘んだローズマリーを、200mlの水で3〜5分ほど煮出します。 2. 蓋をして冷めるまで置き、成分をしっかり抽出します。 3. 漉してスプレーボトルに入れ、完成。 ※冷蔵庫で保存し、1週間以内に使い切りましょう。 <使い方> ブラッシング前にローズマリースプレーをシュッとかけると、静電気が抑えられ、被毛を傷めずに抜け毛をスムーズに取り除けます。 また、スプレーを含ませた温タオルで体を拭いてあげると、ハーブの香りと温熱効果で血行が促進されます。シニア犬の固まりやすい関節周りも優しくほぐしてあげましょう。 散歩から帰ってきたときに使うのもいいですね。 ※初めて使うときは、足先など皮膚の狭い範囲で試し、赤みや痒みが出ないか確認してください。※犬の嗅覚は非常に鋭いため、顔まわりに直接スプレーするのは避け、飼い主さんの手に吹き付けてから塗ってください。※てんかんの持病がある犬や、妊娠中は使用を控えるか、獣医師にご相談ください。 日向ぼっこ中の注意 気持ちよさそうに寝ているとつい忘れがちですが、体温が上がると水分を消費します。日向ぼっこの場所の近くに、常に新鮮な水を置いてあげてください。 3月の光は意外と強いため、長時間直射日光を浴び続けると、目が疲れやすくなったり、皮膚が薄い部分はダメージを受けたりすることもあります。時々、日陰へ誘導したり、カーテン越しに調整すると安心です。 あんは時折、日向ぼっこの気持ちよさに負けて、うっかり寝入ってしまうようです。しばらくして暑さに驚いたのか、慌てて日陰に逃げ込み、ひんやりした床に倒れ込む姿をよく見かけます。 そっと体を撫でてみると、黒毛が太陽を吸い込んでアツアツになっています。「黒毛だから余計に危ないよ!」とハラハラしながら、冷たい床で涼む姿を見守る日々です。
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アレンジ

庭の春を部屋に飾る。高さ10cmの「ガラスベース」で失敗知らずに楽しむ3つのアレンジ
春の花々 春の訪れとともに、庭のあちこちで花たちが顔を出し始めます。丹精込めて育てた花が咲いたら、数輪摘んで部屋に迎え入れてみませんか。 庭で摘む花は、切り花として売られているものよりも茎が短かったり、自由な方向に曲がっていたりするもの。そんな自然な姿を美しく受け止めてくれるのが、高さ10cmほどの小ぶりなガラスベースです。 今回は、この時期の庭の主役であるスイセン、クリスマスローズ、ムスカリを使った、3つのアレンジメントをご紹介します。 高さ10cmのガラスベースが重宝な理由 庭の花を飾る際、意外と難しいのが器選びです。 豪華な花瓶では茎の長さが足りず、かといって小さすぎる一輪挿しでは物足りない。そんなとき、約10cmの高さのフラワーベースであれば、短い茎でも安定しやすく、食卓や棚のちょっとしたスペースに馴染みます。 さらに「ガラス素材」を選ぶことで、水中の茎や瑞々しい水の揺らぎまでデザインの一部になり、春らしい透明感のある空間を演出してくれます。 今回は、コロンとした球形や口径の広いものなど、形の異なる3種のガラスベースを使ってアレンジします。 春に黄色の花が多い理由 早春の庭を思い浮かべると、スイセン、ミモザ、レンギョウ、菜の花……と、圧倒的に「黄色」が目立ちます。タンポポも黄色の花の代表ですしね。 これには、植物たちの生き残り戦略が隠されているのだそうです。 まだ肌寒い早春、活動を始める数少ない昆虫(アブやハナバチなど)は、「黄色」を認識する能力が高いといわれています。冬枯れの茶色い景色の中で、最も遠くまで届き、虫を呼び寄せやすい色が黄色なのです。 また、黄色の花びらは、太陽の光を効率よく反射し、花の中央(しべ)に熱を集める効果があって、自らを温めることで、受粉を助ける虫たちに暖かな休息所を提供しているという説もあるそうです。 暖かい場所で、ゆったり受粉の仕事ができれば、活動し始めた虫たちも大喜びですね。 レモンイエローのラッパスイセンのアレンジ スイセンの中でも、特にレモンイエローのラッパスイセンには、他の黄色にはない独特の魅力があるように思います。 こっくりとした黄金色のスイセンが「元気」をくれるなら、淡いレモンイエローは「光そのもの」を感じさせます。ネーミングのとおり、レモンの酸っぱさと清涼感が頭の中にも広がりますね。 レモンイエローの透明感は、青みを含んだ黄色のためで、ガラスの器に生けると水の透明感と溶け合い、花そのものが発光しているような瑞々しさを放ちます。 このレモンイエローのラッパスイセンに、名残の白いジンチョウゲと白のクリスマスローズ、小輪のキズイセンを合わせて、淡い色合わせにします。 高さ10cmのコロンとした球形のフラワーベースに生ける場合、直線的な茎が見えないように、高さはベースの高さよりも低くまとめると、”丸さ”が強調されます。 うつむき美人のクリスマスローズのアレンジ 庭ではうつむき加減に咲くクリスマスローズですが、よく見てみると、花びらのような萼(がく)の重なりとしべのデザインがとても美しいですよね。 クリスマスローズ特有のアンティークのような色調は、クリアなガラスと合わせることで重くなりすぎず、モダンな印象に仕上がります。 アレンジのコツとしては、器の縁に花を引っ掛けるようにすると、うつむき加減の花もしっかり見ることができます。また、すっとした茎のラインも見え、横向きの花の美しさも楽しめます。 ムスカリのミニチュアガーデン風 背の低いムスカリは、短い茎を活かして、まるで庭の一部を切り取ったようなしつらえにしてはいかがでしょうか。 口径の広いガラスベースを使い、ムスカリを群生するようにまとめて生けます。 出始めたばかりの短めのムスカリには、高さ10cmのベースがぴったりサイズです。 球根がついていれば、そのままべースの底に球根を並べるだけで簡単にまとめられます。土の中にあるはずの「根」をガラス越しに観察することで、生命の力強さを感じることができます。 ムスカリの鮮やかなブルーは、透明なガラスと水の透明感と抜群の相性です。 春の庭摘み花を美しく見せてくれる高さ10cmのガラスベース。 スイセン、クリスマスローズ、そしてムスカリ。それぞれの個性をガラスの透明感が引き立て、部屋の中に小さな「春の庭」を再現してくれます。 特別な技術は必要なくて、朝の庭で一番目が合った花を摘んでくるだけ。 そんな軽やかなしつらえから、春の暮らしを楽しみましょう。 ガラスベースは水が汚れると目立ちます。1日1回の水替えがおすすめです。新鮮な水になると、花は、シャキーンと背筋が伸びて、パッと明るくなるような気がします。 小さなフラワーベースでしたら、どこでも置けるのも嬉しいですね。キッチンや洗面所、いつも座る椅子の近くなど、日常で何度も目が合う場所に置くのが、春を逃さないコツかもしれません。 私は、いつも座る日当たりのよいソファーの傍らの、小さなテーブルに花を飾ることが多いのですが、こんなふうに、ジンチョウゲやスイセンを一緒にアレンジすると、 ふとした瞬間に、ひだまりの温もりと花の香りが重なり、「あ〜春だな〜」と心がほどけていく感じがします。
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アレンジ

花瓶なしでもOK! 数輪の花とガラス瓶で作る、プロ直伝「北欧×和モダン」のインテリア
春の足音が聞こえる季節 窓の外はまだ冷たい風が吹く2月。けれど、ふとした瞬間に漂い始めたジンチョウゲの香りに、「あ、春がそこまで来ている」と気づかされる季節でもありますね。 「和の花を飾るのは、なんだか難しそう……」そんな風に思っていませんか? 今月は、凛とした美しさを持つ椿(つばき)や梅を、あえて北欧デザインの木製トレイとガラスの小瓶を使って、今の暮らしに溶け込むモダンなスタイルで活けてみましょう。 主役は、ピンクの椿です。 たとえ花が数輪しかなくても、トレイという「キャンバス」の上にリズムを作るだけで、お部屋は一気に春めいた表情に変わります。 北欧デザイン×和の花 どっしりと活けがちな「和の花」を、あえて北欧デザインの木製トレイに合わせるのが今回のスタイルです。ナチュラルな木の質感とガラスの透明感をプラスすることで、和の趣はそのままに、現代のインテリアに馴染む「軽やかさ」が生まれます。 今月の花材 椿 艶やかな葉と大輪の花。アレンジに重心を作り、主役になります。 紅梅(こうばい) 凛とした枝ぶり。アレンジにラインを描きます。 ストック ふわふわした質感で春らしさアップ。 ジンチョウゲ 「春の三大香木」の1つ。紅紫のつぼみから香りのよい白い花が開きます。 スイートピー ひらひらと舞う蝶のような軽やかさをプラス。 ラナンキュラス 柔らかい花びらが優しく華やか。 少ない本数でも「楽しげ」に見せるテクニックとアレンジ手順 今回のアレンジのポイントは、1つの大きな花瓶に生けるのではなく、小さなグラスや空き瓶を3〜5個トレイに並べること。少ない本数でもアレンジにリズムが生まれ、軽やかな印象になります。 <アレンジの手順と目的> リズムを作る コップやグラス、ジャムの空き瓶など、高さや形の異なる瓶をトレイにランダムに配置します。私は以下のような形で配置しました。 ラインを描く 背の高い瓶に梅の枝を入れます。 重心を決める 真ん中の瓶に椿を低めに挿します。残りの数本の椿をバランスを見ながら入れ、全体のアウトラインを決めます。 仕上げ 空いたスペースにストックやラナンキュラス、スイートピー、ジンチョウゲを添えましょう。 出来上がり! 2月のピンクは特別 2月を象徴する花といえば「梅」ですが、平安時代、おしゃれな貴族たちの間では「紅梅(こうばい)」のピンク色が一番のトレンドだったとか。 厳しい寒さの中で、他の花に先駆けて咲く梅のピンクは、当時の人々にとって生命力の象徴であり、待ちわびた「光の予兆」。現代の私たちにとっても、2月に飾るピンクの花は、単なる可愛らしさだけでなく、冬を乗り越える強さのようなものを感じる特別な色と言えると思います。 桃の花に秘められた「最強の守護」 3月3日はひな祭りですね。「桃の節句」とも呼ばれるように、この日に飾るのは「桃の花」。じつは古来より、桃には「邪気を払う強力な力があると信じられてきました。鬼退治に行くのが「桃」太郎なのも、神話の中でイザナギノミコトが黄泉の国の追手を退けた武器が「桃の実」だったからとされています。 2月の冷たい空気の中、ピンクの花を飾ることは、新しい季節を迎える前に家の中を浄化し、大切な人を守るためのお守りを飾ることでもあるのです。 かわいい! 長崎の「桃カステラ」 長崎名物の桃カステラをご存じですか? カステラの上にぽってりとのったピンクの砂糖細工は、まるで今活けたばかりの椿の花のようなお菓子です。初めて見た時は、とてもかわいらしくて、思わず「わぁ!」と声をあげてしまいました。 桃カステラとは、なんでも、中国の不老長寿の果実「桃」と、南蛮渡来の「カステラ」が融合した、異国情緒漂う長崎の郷土菓子で、雛祭りだけでなく、出産・長寿祝いなどの慶事に欠かせない縁起菓子なのだそうです。 私の住む静岡県の中部地方には、特別な雛祭りのお菓子はないようなのですが、みなさまの街には、どんな『春を告げるお菓子』があるでしょうか?
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ベランダガーデニング

庭の片隅で眠る球根をお引越し! お気に入りの鉢に移して「手元の春」を楽しむ方法と注意点
手元で楽しむ春の目覚め 春の足音が聞こえてくると、庭のあちらこちらで芽吹き、顔を出す球根たち。ムスカリ、スイセン、クロッカス……。地面でひっそり咲かせるのも素敵ですが、今年はお気に入りの鉢に「移植」することにしました。 庭にある春の花たちを、ベランダへ。 気合を入れすぎず、「部屋から見える場所に、ちょっと花があったら嬉しいな」。そんな気軽な気持ちで始めた、2月の週末のガーデンワークです。 小さな春、お気に入りの鉢へ 今回準備したのは、庭のあちこちで勝手に芽を出していた球根植物たち。紫色のムスカリと水色のムスカリ、八重咲きのスイセン、そして小さなクロッカス。それに、白花のクリスマスローズも入れてみました。まだ咲いていないので、「この芽はあの色のムスカリに違いない」と、私の記憶力を頼りに掘ってみます。 数週間後、ぜんぜん違う色の花が咲くかもしれませんが、またそれも楽しみに。 準備編:こだわりの道具と愛犬への配慮 2月の外作業はまだ少し肌寒いもの。作業を始める前に、まずは環境を整えます。 移植の成否を分けるのは、なんといっても「根を傷つけないこと」。私は特別な道具は持っていないのですが、いつも使っているシャベルとガーデンフォークを使います。 このほか、細身の移植ゴテや、根が絡まっている時に便利な根さばき用のピックなどがあれば便利だと思います。 作業中、我が家の愛犬が近くをうろうろしています。 じつは、スイセンやヒヤシンスなどの球根植物の多くは、犬が口にすると危険な成分を含んでいます。愛犬が間違えて球根をかじったりしないよう、掘り上げた球根は放置せず、すぐに鉢へ植えましょう。愛犬の安全を守るのも、大切な庭仕事の一部ですね。 実践編:2月の移植を成功させる「ひと手間」 芽が動き出している2月の移植は、植物にとってはダメージとなることもあります。少し注意して、慎重に作業を進めましょう。 <移植作業のポイント> ① 「根鉢」を崩さない 植物を掘り上げる際は、根をなるべく傷つけないよう、球根の周りの土を、まるで小さな島のように大きく、丸ごと掘り上げます。 ムスカリ・クロッカス:数球まとまった単位で、深めにスコップを入れます。 クリスマスローズ:開花期の根はとても繊細なのでいじらないように注意し、鉢に移した後は、隙間へ新しい土をつつきながらしっかり入れ、根と土を密着させます。 ② 土のブレンドに「元肥」をプラス 鉢植えは地植えに比べて栄養が限られます。できれば、新しい培養土を使い、ゆっくり効く緩効性肥料(マグァンプKなど)を混ぜ込んでおきましょう。これで、開花までのパワーをチャージします。 仕上げ編:化粧土とマルチング 鉢に植え替えた直後は、まだ土の面が目立って少し寂しい印象になりがちです。 土の表面に、庭の片隅にある苔や、ウッドチップを敷き詰めてはいかがでしょうか。これだけで、まるで森の一部を切り取ったような「ナチュラルな一鉢」になります。 窓越しの景色を、楽しみに 完成した数個の鉢はベランダへ並べます。ベランダの一角だけの小さなガーデンですが、部屋に戻ってカーテンを開けたとき、真っ先に球根の鉢たちが目に入る。それだけで、2月のちょっと重たい空気が軽くなる気がします。 「ムスカリ、咲くかな」と愛犬と一緒に、暖かい部屋から窓の外を眺める。 これくらいの小さなガーデニングもなかなか楽しいものです。 まずはひと鉢から「春」を呼び込んでみませんか?
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レシピ・料理

キンカンを煮る冬の台所で。人と愛犬、それぞれにやさしい手作りおやつ
冬の風物詩キンカンと愛犬のおやつ 冷え込みが厳しくなる季節、庭の木々に黄色く色づくキンカンを見ると、冬の本番を感じますね。キンカンは、古くから喉の薬として親しまれてきた冬の風物詩。コトコトと甘露煮を煮込む時間は、お家の中に爽やかな香りが広がる癒やしのひとときでもあります。 そうしてキッチンから甘い香りが漂ってくると、ソファーの上で寝ていたはずの愛犬あんが期待に満ちた瞳でこちらをじっと見ています。 あんと暮らしていると、何を作るにも「これは犬に安全かな?」と考えるようになりました。キンカンはというと、犬にとっては少し注意が必要な果実とされています。 ということで、今回はキッチンで2つのおやつを同時に作ります。私には喉に優しいキンカンの甘露煮を、そしてソファーで待っている愛犬には、キンカンと同じくらい栄養たっぷりの「リンゴとサツマイモ」のおやつを作ります。 キンカンの栄養 キンカンの甘露煮は、民間療法では古くから風邪予防や喉のケアによいとされ、親しまれています。栄養学的にもメリットがあります。 【キンカンに含まれる栄養素例】 ビタミンC:風邪予防や免疫力向上に。キンカンは皮ごと食べるため、多くのビタミンCを摂取できます。 ビタミンP(ヘスペリジン):皮に多く含まれ、壊れやすいビタミンCを安定させたり、血流の改善、毛細血管の強化に役立つとされています。 ビタミンA(β-クリプトキサンチンなど):粘膜を強くし、喉の健康を守る効果が期待できます。 そのほか、食物繊維やカルシウムも豊富。ビタミンCは加熱に弱いため、甘露煮にすると減少する恐れがありますが、とろりと甘いキンカンの甘露煮は寒い冬にうれしいおやつですね。 キンカンの甘露煮活用法 この甘露煮を風邪予防や喉のケアに活用する方法は、 1つ目は、そのまま一粒いただく。じっくりと煮込むことでキンカン特有の苦味や酸味が和らぎ、おやつを食べるような感覚で手軽に栄養を補給できます。 2つ目は、冬の寒い日にぴったりの「キンカン湯」として楽しむ方法。甘露煮のシロップをお湯や紅茶で割って飲むと、体が芯から温まると同時に、蒸気と共に広がる爽やかな香りが喉を優しく潤してくれます。 キンカンの甘露煮の作り方 それでは、キンカンの甘露煮を作りましょう。 <材料> キンカン 1袋(約250〜300g) 砂糖 約150gキンカンの重さの約半分が目安です。氷砂糖を使うとよりスッキリした甘さとツヤが出ます。 水 120ml (お好みで)ショウガスライス 2〜3枚風邪予防効果をより高めるため、ショウガを追加しても。 <作り方> ① 下茹で(アク抜き) キンカンをよく洗い、ヘタを竹串などで取り除きます。 たっぷりの沸騰したお湯にキンカンを入れ、2〜3分ほど茹でます。 その後、冷水にとって冷まします。 【ポイント】 これにより苦味が抜け、皮がふっくらと仕上がります。 ② 切り込みと種取り キンカンの側面に、縦に4〜5箇所ほど包丁で浅く切り込みを入れます。 種が気になる方は、指で少し押し出すようにして、隙間から竹串で中の種を取り除いてくださいね。私はいつもそのままです。 ③ 煮込む 1. お鍋に水、砂糖を入れて火にかけます。 2. 砂糖が溶けたら、キンカンを重ならないように並べ入れます。 3. 落とし蓋(またはクッキングシートに穴を開けたもの)をして、弱火で15分〜20分ほど煮ます。 4. キンカンが透き通ってきたら火を止め、そのまま冷まします。 【ポイント】 「冷ます」のが一番の味付け: 煮上がった直後よりも、煮汁に浸したままゆっくり冷ますことで、中まで甘みがじわじわと染み込み、シワのないツヤツヤな見た目になります。 保存方法:清潔な瓶に入れて冷蔵庫で保存を。2週間ほど美味しくいただけます。 犬とキンカン 我が家では庭に実っているキンカンですが、じつは犬が皮ごと食べるのはおすすめできないとのこと。柑橘の皮に含まれる「リモネン」は、犬の皮膚や胃腸に刺激を与えることがあります。 落ちた実を愛犬がパクっと食べてしまわないよう、収穫時期はお散歩や庭遊びの際に見守ってあげてくださいね。 愛犬用おやつ リンゴとサツマイモの「ほっこりお団子」 キンカンが食べられない愛犬のために、キンカンと同じく冬に美味しさを増すリンゴを使ったおやつを用意してあげましょう。キッチンで甘露煮を煮ている横で、さっと作れる簡単レシピです。 <材料> リンゴ 30g サツマイモ 70g (お好みで)フリーズドライの犬用チーズ 適量 <作り方> サツマイモを蒸し、フォークなどで潰します。 2. 皮を剥いて細かく刻んだリンゴを混ぜます。 3. 愛犬が食べやすい大きさに丸めます。 お好みで、フリーズドライの犬用チーズを入れてもよいです。 寒い日のおやつの時間を愛犬と一緒に楽しんでくださいね。
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アレンジ

凍てつく空気も和らぐ。真冬のリビングを彩る「フェイクファー×生花」の異素材アレンジ
真冬に似合うフェイクファー 本格的な寒さの真っ只中ですね。こんな時期には、暖かいお部屋で、花瓶も「冬仕様」にしてみませんか。 フェイクファーを纏ったフラワーベースは、そこにあるだけで空間の温度がふわりと上がるような、優しくて温かい存在感です。冷たいガラスも素敵ですけれど、この季節は、指先から伝わる柔らかさに癒やされたいものですね。 お気に入りの花を生けて、冬にしか味わえない「ふわふわ」な景色を楽しみましょう。 ファー付きフラワーベースを作ろう フラワーベースは本来、花を入れて眺めるもの。ですが、ファー素材のベースなら「つい触れたくなる」という新しい楽しみが加わります。 今回は、手芸店で手に入るフェイクファーテープを使って、手軽に作れる冬仕様のフラワーベースを作ります。 <用意するもの> ガラス瓶や空き瓶などのベース フェイクファーテープ 両面テープ リボン <作り方> 1. ベースの表面の水分や汚れを拭き取ります。 2. ベースに、らせん状に両面テープを貼り、剥離紙をはがします。 3. ファーテープを下から貼り付けていきます。 4. 一周ベースに巻き付けて、余ったファーテープも重ねて巻き付けます。 5. 巻き終わりの端は、巻き付けたファーに入れ込んで絡げておきます。 6. リボンを巻いて結び、ファーがほどけないよう押さえるようにします。 ふわふわの手作りベースにアレンジ 「ファーと生花?」と意外に思うかもしれませんが、じつは相性抜群! 凛とした冬の花は、茎や花びらがみずみずしくて、ドライな質感のファーが互いを引き立て合うように思います。 今回は、冬の澄んだ空気に映える、気品溢れる花々を選びました。 <花材> チューリップ 冬アレンジに欠かせない花。 スイセン 冬の訪れを告げる香りの主役。凛とした表情を加えます。 コチョウラン ファーの質感に負けない華やかさがあります。 ガーベラ 温かみのある色を選んで、アレンジに可愛らしさとリズムを。 シンビジウム 花もちがよく、ボリュームもあります。 エンドウ まるい葉とつるが柔らかく動きのある印象に。 冴えた冬の空気によく似合う純白のスイセン。 <アレンジの手順> 1. ベースに水を入れ、エンドウを器の近くに入れます。 2. チューリップを、流れを作るように入れます。 3. シンビジウムを低めに活けます。 4. ガーベラを隙間を埋めるように配置します。 5. コチョウランは流れるようなラインを作って優雅さを出しましょう。 6. 最後にスイセンを少し高めに挿します。 ファーの「モコモコ感」と、ラン科の花々の「ツヤ感」、スイセンの「シャープさ」が組み合わさることで、真冬の寒さを楽しむような贅沢な空間が完成します。 アレンジをさらにアレンジ ファーを纏ったフラワーベースに合わせて、フワフワのラグラスを追加してみます。 フレッシュのバニーテールでもいいですし、ドライフラワーとして販売されているラグラスでもいいですね。ドライフラワーのラグラスは、ホワイト系と、今回のファーの色に合わせたブラウン系があります。 長く楽しむためのワンポイント 冬はお部屋の暖房で空気が乾燥しがちです。 ラン類は乾燥に弱いため、時々霧吹きで周囲の空気を潤すように水をかけてあげると、みずみずしさが長もちします。その際、ベースのファー部分に水がかからないよう、少し離してスプレーしましょう。ファーは濡れると劣化の原因になるため、水替えの際も注意が必要です。 幸せの子ブタ 片付けをしていたら、引き出しの奥から小さなピンクの子ブタが顔を出しました。 「これ、たしかハンガリーの……」 そう思いながら眺めていた夜、偶然観たテレビ番組でドイツやハンガリーの「幸せの子ブタ」の話が紹介されていました。その瞬間、忘れていた大切な記憶が鮮やかに蘇ってきました。 あの子ブタは、ブダペストに駐在していた頃、郊外の街センテンドレにあるマジパンの名店「サモシュ(Szamos)」で出会った子ブタでした。 初めてその街を訪れたのは、雪がちらつくとても寒い冬の日。 慣れない異国での暮らしに、ちょっとホームシックになりかけていた私を元気づけようと、夫が連れて行ってくれたのがセンテンドレでした。 白く染まり始めた石畳の道、パステルカラーの可愛らしい家並み。そして、まるでおとぎ話の世界のようなサモシュの店構え。店内に並ぶ繊細なマジパン細工と甘い香りに、沈んでいた気持ちがパッと明るくなったのを覚えています。その時に手にして買ったのが、このピンクの子ブタでした。 それ以来、センテンドレは大のお気に入りの街になり、日本から友人が遊びに来るたびに案内して回ったのも今では楽しい思い出です。 そうそう、ピンクの子ブタは、ドイツやハンガリーで、新年に幸運を願って贈ったり贈られたりするマジパンのお菓子などでも有名。ピンクの子ブタはラッキーアイテムなのです。 片付けの最中にふと現れて、懐かしい街の風景を思い出させてくれたピンクの子ブタさん。まさに今、ふたたび私にささやかな幸せを運んできてくれたような気がします。
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アレンジ

新年のお祝いに! 縁起物のゴヨウマツとセンリョウで作る簡単&モダンなお正月アレンジメント
お正月のアレンジ 今年も残りわずかとなり、街は慌ただしくも華やかな年末の空気に包まれてきました。新しい年を迎えるためのお正月準備は万端ですか? 今回は、古くから縁起物として愛されてきたゴヨウマツとセンリョウという伝統的な素材を使いながら、食卓や玄関をモダンに彩るアレンジのアイデアをご紹介します。マツの力強い緑とセンリョウの実の鮮やかなコントラストを活かした、シンプルでコンパクトな「ゴヨウマツとセンリョウのモダンアレンジ」です。 ゴヨウマツとセンリョウは縁起のよい植物 このアレンジメントに使われる植物は、見た目の美しさだけでなく、それぞれに新年にふさわしい深い意味が込められています。 ゴヨウマツ(五葉松) 古くから「不老長寿」の象徴とされ、お正月飾りに欠かせない存在です。 葉が5枚で1束となっていることからついたゴヨウマツという名は、「御用を待つ」にも通じ、商売繁盛の願いも込められます。 力強い緑は、冬の寒さに耐える生命力を表し、一年間の健康と発展を願います。 センリョウ(千両) 鮮やかな赤い実と常緑の葉が特徴で、その名のとおり「財産」や「富」を象徴する縁起物です。 実を葉の上に乗せてつける姿が、財を蓄える様子にたとえられ、金運・商売繁盛の願いが込められています。 重箱を使ってお正月らしく 重箱を器として使うことで、通常のフラワーアレンジメントとは一味違ったアレンジを楽しめます。 重箱はハレの日の象徴であり、おせち料理を詰める器として使われることが多いですね。その器をアレンジに用いると、一気に格調高いお正月の雰囲気に。また、食卓を彩るテーブルアレンジとしてだけでなく、リビングのテーブルやサイドテーブルに飾る際にも、コンパクトでどんな場所にも飾りやすいサイズです。 こうしたアレンジには、漆塗りの本格的な重箱を使うのはもったいないと思われるかもしれません。そんなときは、今回利用するような、プラスチック製の蓋付き2段の重箱風の器もおすすめ。カジュアルなキッチングッズのお店での取り扱いが多いようです。このような重箱風な器だと安心して気兼ねなく使えます。 新年にふさわしい黄色いセンリョウ(キミノセンリョウ) 一般的にセンリョウというと、鮮やかな赤い実を思い浮かべますが、その色違いの品種として黄色い実をつけるものがあり、これは「キミノセンリョウ(黄実千両)」と呼ばれます。 赤いセンリョウは「富」を象徴しますが、黄色いセンリョウは、その色が黄金(こがね)色に通じることから、特に縁起がよいとされています。 金運・財運の上昇:まさに黄金を連想させる色であるため、「財産」や「金運」をさらに強く願う意味が込められています。 明るさ・希望:赤実とはまた違った明るく軽やかな印象で、新しい年を明るく迎える希望の象徴とされます。 古くは、お正月飾りの生け花として、松にはキミノセンリョウを、梅には赤いセンリョウを組み合わせるのが一般的であったという記録もあります。 この季節は赤い実が目立ちますが、キミノセンリョウの清々しい黄色の実は格別の魅力を放っています。 その鮮やかな色彩は、まるでキンカンやミカンといった柑橘類を思わせるようで、空間に軽やかで爽やかな印象をもたらします。たしかに「金運アップ」の縁起物として注目されがちですが、それだけでなく、黄色の実は新年にふさわしい明るく清々しい可愛らしさも持ち合わせていますよね。私はこのキミノセンリョウがとても好きです。 お正月アレンジに用意するもの ゴヨウマツ キミノセンリョウ(黄色) センリョウ(赤) 重箱風のプラスチックの器(2段) 吸水性スポンジ カラーサンド(黄緑色) 今回のアレンジでは、フラワーアレンジ用資材のカラーサンドを花留めに使います。カラーサンドよりももう少し大きめな粒の白い石を使ってもいいですね。 アレンジの手順 1. 器の1段に事前に十分に水を吸わせた吸水性スポンジを敷き詰めます。 2. もう1段には、カラーサンドを敷き詰めて、水を入れます。 3. 吸水性スポンジを敷いた1の器に、6~7cmくらいにカットしたゴヨウマツを垂直に挿していきます。 4. センリョウをアクセントになるように入れます。 5. カラーサンドを入れた2の段の上に少しずらして重ね合わせ、できたスペースにセンリョウを入れます。 出来上がり! ゴヨウマツの剪定枝を使って粋なエコ・アレンジ 今回のアレンジメントに使ったゴヨウマツの枝は、特別なものではなく、じつは、年末恒例の実家庭の手入れで植木屋さんに剪定していただいた際の、切り落としを集めたもの。 折よく作業中に立ち会えたときは、お願いして形がよい枝を選んでいただくことができますが、すっかり作業が終わった後の場合は、掃き残された短い切り枝を拾い集めることもあります。大きな枝は残っていませんが、この重箱に敷き詰めるアレンジには、短い枝や葉が密集した部分があれば十分です。 本来であれば廃棄されてしまう残り物の枝を無駄なく集めることで、重箱アレンジを作り上げることができました。庭の恵みを最大限に生かした、愛着の湧くお正月飾りです。
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暮らし

寒がりシニア犬の冬支度! おすすめヤギミルクパウダーの活用と防寒着で寒さ対策
シニア犬の寒さ対策 師走を迎え、今年もいよいよ本格的な冬の寒さとなりました。 我が家の柴犬あんは間もなく12歳を迎えるシニア犬。厳しい寒さは体温調節能力が衰えがちなシニア犬にとって大敵です。 寒がりのあんは、朝はぬくぬくのお布団からなかなか出てこられず、散歩に出ればブルブルと震えてしまうほど。そんな愛犬の姿を見ると、飼い主としては胸が痛みます。 愛犬たちが、この冬を寒さに震えることなく、温かく快適に過ごせるように、 身体の中から温める「食事の工夫」と、寒さからしっかり守る「適切な防寒対策」を考えてみました。 身体の中から温める! おすすめヤギミルクパウダー 温かい食事は、消化吸収を助け、体温を上げる効果が期待できます。食欲が落ちがちなシニア犬の嗜好性アップにもつながります。そこで、ヤギミルクパウダーを活用して、暖かいミルクシチューを作ってみてはいかがでしょう。 ヤギミルクパウダーは、特にシニア犬や体力の衰えた犬にとって非常に有用な栄養補助食品として知られています。 ヤギミルクのメリット 1)消化吸収に優れている ヤギミルクの脂肪球は牛乳の約1/6と非常に小さいため、膵臓の消化酵素(リパーゼ)の働きで素早く分解され、胃腸への負担が少なくスムーズに吸収されます。シニア犬や胃腸が弱い犬に適しています。 また、牛乳に多く含まれ、下痢の原因となりやすい乳糖(ラクトース)の含有量が少ないため、牛乳でお腹を壊しやすい犬でも比較的安心して与えることができます。 2)栄養価が高い 牛乳の約20倍のタウリンが含まれているといわれています。タウリンは犬の心臓機能のサポートや、視力や脳の発達維持に必要な栄養素です。 そして、カルシウム、ビタミン(A, D, B群)、微量元素(鉄、亜鉛、銅など)が豊富に含まれており、免疫力の維持や骨・歯の健康、皮膚・被毛の健康維持に役立ちます。 3)アレルギーのリスクが低い 牛乳のアレルギーの原因となりやすいタンパク質「αS1カゼイン」が非常に少ないため、牛乳アレルギーの犬の代替ミルクとして利用されることがあります。 4)水分・栄養補給 夏バテや食欲不振、体調不良で固形物を食べたがらないときでも、水分と同時に栄養を効率よく補給できます。飲水量が少ない犬の水分補給の促進にも役立ち、尿結石などのリスク軽減にもつながります。 犬用ヤギミルクパウダーの使い方と注意すること ヤギミルクパウダーは、水分補給や嗜好性の向上など、目的に応じてさまざまな使い方ができます。 基本的な使い方は、 ぬるま湯で溶かす フードにふりかける 手作り食に混ぜる など。 どの方法でも簡単に使うことができ、開封後の保存方法さえ注意すれば、いつでも使える便利な食材です。 ヤギミルクパウダーの注意点 ヤギミルクパウダーは栄養豊富なため、与えすぎるとカロリーオーバーや主食を食べなくなる原因となります。パッケージに記載された給与量を守り、愛犬の体重や運動量に合わせて調整しましょう。 また、ヤギミルクパウダーには人間用のものも販売されています。 多くの商品で、人間用とペット用で成分や内容物が同じである場合が多く、「人間用としても、ペット用としても使える」と記載されている製品もよく見られます。ただし、パッケージや添加されている栄養素(例:カルシウム強化など)が異なる場合もあるため、人間が犬用のものを、または犬が人間用のものを利用する場合は、必ず成分表示を確認し、添加物や塩分などが犬にとって問題ないか確認しましょう。特に犬に与える場合は、無添加・無調整のものが最も安全です ヤギミルクパウダーで! 温かシチューの作り方 ヤギミルクパウダーを使って、野菜と鶏肉のシチューを作ります。 <材料> 鶏ササミ 50g コカブ 50g カリフラワー 50g ハクサイ 30g 水 100〜150ml ヤギミルクパウダー 5g 水(ミルクを溶かすため) <作り方> 1. 野菜を食べやすい大きさにカットします。 2. ヤギミルクパウダーを少量の水で溶いておきます。 3. お鍋に、野菜とササミ(そのままの大きさで)と水を入れて火にかけます。 4. 野菜が柔らかく、ササミもしっかり煮えたら、ヤギミルクパウダーを少量の水で溶いて入れます。 5. 全体をよく混ぜて出来上がりです。 食べやすい温度に冷まし、食べやすい大きさに肉を割いて与えてください。 愛犬を守る防寒着 数年前、あんのかかりつけの病院の先生から、屋内と屋外の温度差のヒートショックに注意するようにアドバイスされました。 服を着るのも有効とのことで、我が家のルールとして、朝夕の散歩の時に外気温が8℃以下なら保湿性に優れた犬用発熱Tシャツ、5℃以下ならば黄色のダウンベスト、もっと低い場合は、これらを重ね着すると決めています。 犬用の服についてですが、関節が弱くなっているシニア犬にとって、無理な姿勢での着脱は負担が大きいです。伸縮性のある素材のものや、マジックテープやスナップボタンで簡単に着せられるものがやはりおすすめです。また、重い服は動きの妨げになり、体力を消耗させます。軽くて動きやすい保温性の高い素材を選びましょう。 この季節の散歩道、防寒着をしっかり着込んだワンコたちとすれ違います。どの犬も、おしゃれで暖かそうで可愛らしいです。 以前、古い考えの私の父は、「犬には自前の上等な毛皮がある。服など不要だ!」と、頑なに持論を曲げなかったのですが、あんがあまりにも可愛いのでしょうか、それとも父自身が年を重ねて寒がりになったからでしょうか、今では、あんが散歩に出かける時間になると、誰よりも率先して「服を着せる係」を買って出てくれるようになりました。何やら、あんに話しかけながら、手際よく発熱Tシャツを着せています。その様子に思わず笑みがこぼれます。
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植物の効能

寒い季節に“ほっとする”リンデンティー。愛犬にもできるやさしいケア&手作り肉球バーム
風邪の季節にリンデンのハーブティーを 空気が乾燥し、体調を崩しやすい風邪の季節。忙しい日々の中で、心身を優しく労わる時間を持つことは何より大切ですね。そんなときに、フランスで「病気知らずの木」と呼ばれることもある、リンデン(西洋菩提樹)の花を使ったハーブティーはいかがでしょうか。 リンデンティーは、ほんのりとした優しい甘さが特徴で、ハーブティー初心者の方にも飲みやすいおいしい味わいだと思います。 マグカップから立ち上る湯気を吸い込むと、繊細な蜜のような香りが鼻を通り抜け、まるで深い森の中にいるような安らぎを感じられます。この瞬間の穏やかなティーブレイクは、単なる水分補給ではなく、身体の緊張をほぐし、ストレスから解放してくれる大切な時間となります。 初夏に咲く、リンデン(西洋菩提樹)の花。Valentyn Volkov/Shutterstock.com リンデンの効能 リンデンの花に含まれる成分は、特に寒い季節に嬉しい効果が期待できるとされています。 鎮静作用:イライラや不安を和らげ、リラックスして睡眠をサポート。ゆっくり休みたいときのティーとして親しまれています。 発汗作用:温かいリンデンティーを飲むことで、身体を内側から温めます。発汗を促す作用も期待でき、熱っぽいときや、季節の変わり目のセルフケアにも親しまれています。 粘液質による喉のケア:喉や呼吸器系の粘膜を優しく保護する働きがある粘液質の1種(アラビノガラクタン)が含まれています。 風邪の季節にリンデンティーを日常に取り入れることで、身体を内側から温め、優しく守ることができます。お気に入りのカップで、リンデンの香りと優しい甘さを楽しみながら、贅沢なティーブレイクを過ごしてみませんか。 リンデンを愛犬にも活用 リンデンティーの飲み残しは、愛犬の散歩の後の肉球や足のケアに活用できます。 私は、散歩に出かける前に、ティーバッグを桶に入れ、お湯を入れて準備をしておきます。散歩から戻ったら、リンデンティーをタオルに含ませて、愛犬あんの足や体全体を拭いています。 リンデンには保湿作用もあるとされ、乾燥しがちな犬の肉球に潤いを与える効果や、ほのかな優しい香りで愛犬をリラックスさせる効果も期待できるということです。 リンデン入り肉球バームを作ろう リンデンの成分を閉じ込めて、乾燥が気になる季節に肉球をケアするためのバームを作りましょう。 リンデン入り肉球バームは2ステップで作ります。 ステップ1リンデン浸出油(インフューズドオイル)を作る まず、リンデンの有効成分をホホバオイルに抽出します。 <材料> リンデンフラワー 大さじ1 ホホバオイル 大さじ1 <作り方>(湯せん法) 準備:ホホバオイルと乾燥リンデンの花を耐熱性のガラスボウルに入れます。 2. 湯せん:鍋に少量の水を入れ、弱火にかけます。ガラスボウルを鍋にセットし、オイルを温めます。【ポイント】湯せんの温度は60〜70℃の低温を保ちます。高温にしすぎるとハーブの成分が損なわれるため、優しく温めてください。 3. 抽出:弱火のまま約30分〜1時間ほど湯せんを続け、リンデンの成分をゆっくりとオイルに抽出させます。 4. 濾す:湯せんから下ろし、オイルが冷めないうちに清潔な布やコーヒーフィルターを使ってリンデンの花が残らないように濾し取ります。 これで「リンデン浸出ホホバオイル」の完成です。 インフューズドオイルの主な作り方には、2つの方法があります。 温浸法(湯せん法)- 短時間で作りたい時はこの方法が便利 冷浸法(自然光法)- ゆっくり成分を抽出したい時に〇オイルとハーブを瓶に入れ、直射日光の当たらない窓際などに置き、数週間(2週間〜1カ月)かけてゆっくりと自然の力で成分を抽出します。 今回は、温浸法(湯せん法)で作りました。 ステップ2バームを仕上げる ステップ1で作った「リンデン浸出ホホバオイル」を、バームの材料として使います。 <材料> ミツロウ 約15g シアバター 約15g リンデン抽出ホホバオイル 約15g <作り方>(湯せん) 1. 溶かす:湯せん用の鍋を用意し、耐熱容器にミツロウとシアバターを入れ、完全に溶かします。 2. 混ぜる:ミツロウとシアバターが溶けたら、火から下ろし、リンデン浸出ホホバオイル(大さじ1)を加えてよくかき混ぜます。 3. 注ぐ:すべての材料が均一に混ざったら、すぐに清潔な容器に注ぎ入れます。 4. 冷やし固める:蓋を開けたまま動かさずに冷やし固めて完成です。 肉球のケアに手作りのリンデンバームを活用。 ※犬の体質によって合わない場合がありますので、まずは少量から試しましょう。舐めてしまう犬や持病のある犬、高齢犬は獣医師に相談すると安心です。 シニア犬、朝の散歩の前に 私と愛犬あんは、夜明けとともに散歩に出かけます。冬の早朝は、冷たく澄み切った張り詰めた空気が快いものです。しかし、この心地よさは同時に、シニア犬にとっては厳しい環境でもあります。愛犬が年を重ねると、体温調節能力や筋力が低下するため、寒さ対策とペース配分がより大切になってくると感じます。 シニア犬は少しの寒さでも寒くて震えることが多くなります。我が家の柴犬あんも、朝ベッドから起きてすぐに外に出ると、ガタガタ、ブルブル、音が聞こえてきそうなくらいに震えます。震えることによって熱を発生させる「シバリング」という正常な行動*ではあるそうなのですが、震えているのを見ると、こちらまでいっそう寒くなってしまいます。嫌がらないのなら、首元からお腹、背中までをしっかり覆う、保温性の高いウェアを着用させましょう。特に心臓に近い体幹を冷やさないことが重要です。 また、朝は関節が固まりやすく、急な動きは負担になります。準備運動として、玄関先で軽く体を撫でたり、マッサージをしたりして、関節を温めるイメージで体を慣らしてから出かけるとよいようです。 若い頃のようなスピードや距離は求めず、犬のペースに合わせてゆっくりと。かくいう私も、あんと同じような年齢です。暖かくして準備をして、朝の清々しい時間を一緒に楽しめたらいいと思っています。 *シニア犬の震えの原因には寒さだけではなく、内臓疾患などいろいろな病気によって引き起こされるものがあります。



















