うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
海野美規 -フラワー&フォトスタイリスト-
うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
海野美規 -フラワー&フォトスタイリスト-の記事
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植物の効能

【犬の胃腸ケア】ストレスでお腹がゴロゴロ…言葉を持たない愛犬のSOSを優しく包む「マーシュマロウ」のハーブケア
マーシュマロウとは? Kylbabka/Shutterstock.com マーシュマロウの和名はウスベニタチアオイ。ビロードアオイという別名もあり、7~9月に薄桃色の花を咲かせるアオイ科の多年草です。古くから薬用ハーブとして知られていて、古代ギリシャでは、季節の変わり目の呼吸器の健康維持に用いられていたそう。根に含まれる多糖類が水分と混ざることで豊かな粘液質を作り、それが体内のデリケートな粘膜を優しく保護するようにアプローチしていると考えられています。 お菓子のマシュマロは、かつてこのハーブの根から作られた喉のための民間薬が原形とされており、名前の語源もこのハーブからです。 マーシュマロウのドライハーブ。 愛犬への活用シーン〜こんな時に取り入れたい 胃腸の健康維持に:お腹がゆるくなりやすいときや、環境の変化で食欲が落ちてしまうときに。消化器の粘膜を優しく守ることで、健やかなお腹の環境をサポートしてくれます。 喉や気道の乾燥対策に:カサカサ・イガイガしやすいとき、粘膜の乾燥を防ぐのにも有効。デリケートな呼吸器に潤いを与え、健やかな状態を保ちます。 シニア犬の日々のサポートに:年齢とともに消化機能が変化してきたシニア犬の、日々の食事のサポートとして。内側のスッキリを促し、毎日の健康維持に役立ちます。 マーシュマロウとカモミールのブレンドティー 我が家の柴犬あんは、お腹を壊すことは滅多にありませんが、時々すっきりしないときがあります。 そんな時や、お腹が張って少しソワソワしている時におすすめのハーブティーが、マーシュマロウとカモミール、またはダンデライオンとのブレンドです。 マーシュマロウとカモミール。 カモミールはお腹を優しく労わる役割があり、またホッと気持ちを落ち着かせるリラックスタイムにも作用します。気圧の変化やストレスで食欲が落ちたり、お腹がごろごろなっているようなときに試してみましょう。 ダンデライオンは、巡りを助けるハーブ。内側からスムーズな排出を助けてくれるため、毎日のスッキリに繋がります。 水出し?お湯出し? マーシュマロウは基本的には水出しがおすすめ。熱湯で抽出すると、粘液質の構造が壊れてしまい、特徴であるとろみが出にくくなってしまうためです。 マーシュマロウだけで飲む場合は、ティースプーン山盛り1杯(約3g)に冷水50mlを注ぎ、時々攪拌しながら30分置いて出来上がり。 カモミールとのブレンドティーの場合は、カモミールティーをお湯で抽出してからマーシュマロウ(粉末状)を加えてかき混ぜ、とろみをもたせて与える方法もあります。 また、ハーブティー(茶葉)の種類やメーカーによっては、お湯での抽出を推奨しているところもあります。今回使用したマーシュマロウはお湯出しにも対応しているタイプだったので、カモミールと一緒にお湯出ししました。 シニアの犬には、胃腸に負担をかけないように、水出ししたハーブティーは少しだけお湯を足すか、レンジで「人肌(30〜37℃)程度」に温めるといいですね。冷たすぎると逆に腸を冷やして動きを鈍くしてしまうため、ほんの少し温めてあげましょう。 まずは大さじ1杯程度から、いつものご飯にかけて与えてみてください。 マーシュマロウとブルーマロウの違い マーシュマロウと名前が似ているハーブに、ブルーマロウ(マロウブルー)があります。混同しやすいので、表にしてみました。 マーシュマロウブルーマロウ植物名ウスベニタチアオイウスベニアオイ(コモンマロウ)科名アオイ科アオイ科主な使用部位ルート(根)フラワー(花)主な特徴強い粘液質。とろみが強いお湯を入れると青色になり、レモンを入れるとピンク色に変化主な用途胃腸・喉の粘膜ケア(実用的ケア)色の変化を楽しむ、喉の消炎(観賞・癒やし) こちらもハーブとして利用されるウスベニアオイ。 言葉を持たない愛犬のSOSに寄り添うために ここまでマーシュマロウの魅力をお伝えしてきましたが、じつは、私がこのハーブの心強さを改めて実感した出来事がありました。 わが家でエアコンの取り替え工事があり、業者の方が家に入られる機会があったときのこと。普段は滅多に吠えない愛犬あんなのですが、この日ばかりは落ち着かない様子でソワソワと部屋をうろうろ。知らない人が大きな機材を持って動く姿に緊張したのか、珍しく声をあげて吠えたりと、大忙しの時間を過ごしていました。 すると、作業が始まってしばらくした頃、あんのお腹から「ゴロゴロ、ギュルギュル」と大きな音が鳴り出したのです。 さっき、作業が始まる前までは、いつも通り元気だったのに――。 急な体調の変化に驚きましたが、これこそが「ストレス」による胃腸のSOSでした。犬の心と胃腸は自律神経で密接につながっていて、緊張や不安といった精神的な負荷がかかると、一気に胃腸の働きに影響が出てしまいます。人間もプレッシャーで胃がキリキリ痛むように、犬も言葉にできない不安をお腹の不調で表現することがあるのだそうです。 そんな時、薬に頼る手前のマイルドなケアとして、デリケートな内側を優しく包み込んでくれるマーシュマロウのような植物の力は、本当に心強いお守りになります。 日々、ベランダや庭で植物を育てること。そして、その植物の恵みを愛犬の心と体のケアに還元していくこと。それは単なる体調管理を超えて、言葉を持たない愛犬との「静かな対話」の時間でもあるのだと感じています。 5月の環境の変化を機に、みなさんも愛犬のための優しいハーブケアを、小さな一鉢から始めてみませんか?
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アレンジ

水を弾く魔法の葉とビタミンカラーのナスタチウム 初夏を彩るアレンジメントアイデア3選!
ナスタチウムの特徴 Bowonpat Sakaew/Shutterstock.com ナスタチウム(和名:金蓮花(きんれんか))は、南米を原産とする一年草。5月から梅雨入り前にかけて、庭やベランダを彩る植物です。 花色は、 オレンジ、イエロー、朱色といった暖色系が中心。パステル調のアプリコット色や、ベルベットのような深紅などもあり、カラーバリエーションも豊富です。この鮮やかな色が、庭や部屋にぱっと灯りを灯したような明るさをもたらしますね。 Suzanne McCarthy/Shutterstock.com ナスタチウムのもうひとつの特徴は、自由奔放に伸びる蔓(つる)のような茎。光を求めて気ままにカーブを描くその姿は、生けたときには自然な動きと躍動感を与えてくれます。 また、花だけでなく、丸い葉もかわいらしいです。瑞々しいグリーンは、どんな花とも相性がよく、アレンジにナチュラルな空気感を添えてくれます。 金蓮花(きんれんか)という名前の由来 Vladimir Konstantinov/Shutterstock.com この花を眺めていると、どこか東洋的な美しさを感じることがあります。それはきっと「金蓮花」という美しい和名のせいかもしれません。 「蓮(はす)」という文字が含まれている通り、この名の由来は、水面に浮かぶハスにそっくりな丸い葉の形にあります。蓮のような葉を持ち、そこに黄金色(オレンジや黄色)の花が咲く姿から、古くの人はこの花を「陸に咲くハス」に見立ててそう呼んだのでしょうか。 ハスの葉。 もうひとつ、「ノウゼンハレン」という和名もあります。花がノウゼンカズラに似て、葉がハスに似る、ということから名付けられたそうです。 ナスタチウムのアレンジ3アイデア ① ナスタチウムを「挿し色」にしたアレンジ まずは、ほかの草花と組み合わせて、ナスタチウムの鮮やかな色をアクセントにする楽しみ方です。 今回は、ブルーやホワイトの繊細な「ニゲラ」を合わせてみました。オレンジとブルーは互いを引き立て合う「補色」の関係。ナスタチウムの元気な色が、ニゲラの霧のような優しさに包まれて、ぐっと洗練された柔らかな表情に変わります。 器は、立体的なひだがあるプリーツデザインを使いました。 ② ナスタチウムを主役にした竹かごアレンジ ナスタチウムそのものの美しさを、ダークブラウンの竹かごを器にしたアレンジです。その横にはガラスの茶器と白い茶筒を、竹のトレイに乗せて置きます。 「シノワズリースタイル」にまとめると、いつもと違う雰囲気に。ナスタチウムの濃い色合いが引き立ちます。 ③ 「金蓮花」の名を楽しむ、フローティングキャンドルのアレンジ 名前の由来になった「蓮」の見立てを楽しんでみてはいかがでしょうか。 ガラスの平鉢に水を張り、ナスタチウムの葉を数枚浮かべます。その上に花をそっと乗せ、中央にフローティングキャンドルを灯します。 アレンジの手順 ① ナスタチウムを「挿し色」にしたアレンジ アレンジに使った花は、ナスタチウムのほかに、ニゲラ、ホタルブクロ、クリサンセマム・ムルチコーレのような小花などを合わせました。 1. プリーツの白い器の中にプラスチックの入れ物(落とし)をセットして、水をはります。 2. ニゲラを器の手前に縁にもたれるように入れていきます。 3. ナスタチウムの葉を、バランスを見ながら入れます。平面的になるのを避けるため、向きを揃えすぎないようにしましょう。 4. 器のどちらかに寄せるようにナスタチウムの花を入れます。ここでは左側に寄せました。 5. ホタルブクロの枝をナスタチウムと反対側に入れます。 6. 小花を入れます。 出来上がり! ② ナスタチウムを主役にした竹かごアレンジ ナスタチウムを主役に、白のバーベナや黄色のクリサンセマム・ムルチコーレなどの小花を添えて。 ダークブラウンの竹のバスケットにも、同じ要領でアレンジします。 バスケットの中には「落とし」を入れます。 はじめにナスタチウムの葉を入れて、それから花を入れます。 葉の動きを楽しむようにアレンジしましょう。 お好みで白や黄の小花を加えて出来上がり。 プランターで育てたナスタチウムを使って 今回のアレンジに使ったナスタチウムと合わせた花々は、すべて我が家のプランターで育てたものです。 市販の切り花にはない、不揃いな茎の曲がりや、小さなつぼみ。毎日少しずつ、成長を見守りながら、その時の気分で摘んで部屋に飾ります。ちょっとした日常の贅沢です。 それに、枝をカットすることは、増えすぎた株の風通しをよくして、次の花芽を育てる作業にもなるので、一石二鳥です。 エディブルフラワーとしてのナスタチウム kochabamba/Shutterstock.com ナスタチウムといえば、エディブルフラワーとしてもよく知られています。 葉や花は、ワサビのような爽やかな辛味があり、そのままサラダにして食べても美味しいです。 そして何より、色が鮮やかなので、食卓がパッと華やぎますね。 葉の上で輝く、不思議な「ロータス効果」 水やりや雨の後に出会えるナスタチウムの「ロータス効果」。 ナスタチウムが「蓮」の名を冠している理由は、じつは見た目だけではないのです。実は、科学的にもハスと同じ驚くべき性質を持っています。 それが、「ロータス効果(ハス効果)」と呼ばれる超撥水性です。 雨上がりや水やりの後、ナスタチウムの葉をそっと覗いてみてください。水滴が葉に染み込むことなく、まるでクリスタルの玉のようにコロコロと転がっているはずです。これは、葉の表面にある目に見えないほど微細な凹凸が、水を強力に弾いているからなのだとか。 さらにこの水玉は、単に美しいだけでなく、葉の表面の汚れを一緒に巻き込んで落としてくれる「セルフクリーニング」の役割も果たしているというので、感心してしまいます。「泥中の蓮」という言葉がありますが、泥の中から咲くハスの花や葉が汚れることがないのには、こうした理由があるのですね。 ナスタチウムのアレンジメントを飾る際も、ぜひ仕上げにシュッと霧吹きをひと吹きしてみてください。葉の上に宿った小さな水玉が、初夏の光を反射してキラキラ。空間全体をさらに瑞々しく、清らかに演出してくれます。 バンコクのホテルの鉢植えのロータス(ハス) タイ・バンコクを訪れると、街の至る所で水盤に浮かぶロータスを目にします。 特に、チャオプラヤ川のほとりに建つ「マンダリン オリエンタル バンコク」で目にした、端正な鉢植えのロータスは忘れられません。 タイにおいて、ロータスは単なる装飾以上の、深い精神的な意味を持っています。 仏教大国であるこの国では、ロータスは「純粋」「神聖」、そして「悟り」の象徴。泥の中から茎を伸ばし、水面で一点の汚れもなく清らかに咲くその姿は、どんな困難な状況(泥)にあっても、心は清らかに(花)保つことができるという仏の教えそのものなのだそうです。 ホテルのエントランスに置かれたロータスは、訪れるゲストに対し、「日常の喧騒を離れ、清らかな時間をお過ごしください」という、静かな、しかし格調高いメッセージのように感じられました。
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植物の効能

春の恵みで自分を労わる。愛犬と楽しむ「ダンデライオン」の癒やしとセルフケア
飼い主さんのための「たんぽぽコーヒー」 たんぽぽコーヒーとは、セイヨウタンポポの根を使った飲料のことで、たんぽぽ茶とも呼ばれます。じつはコーヒーではありませんが、コーヒーに似た味わいをしていることからたんぽぽコーヒーと名付けられました。 セイヨウタンポポの根(ルート)を乾燥させ、香ばしく焙煎して淹れるたんぽぽコーヒー。ノンカフェインながら、コーヒーに近いコクと苦味が楽しめます。 私は小さめのカップに濃いめに淹れて飲むのがお気に入りです。 本物のコーヒーとは異なり、ノンカフェインで味もまろやかなので、妊娠・授乳中の女性や子どもなど、幅広い方が気軽に楽しめるのも嬉しいですね。 「リーフ」と「ルート」 それぞれの役割 ハーブとしてのダンデライオンは、ビタミンやミネラルを豊富に含み、栄養価が高いだけでなく、消化をサポートする働きがあるといわれています。また、内側からのスッキリを助ける、代表的なクレンズハーブ。さまざまな作用が穏やかに働いてくれるので、健やかな毎日を維持したい方におすすめのハーブとされています。 ダンデライオンは部位によって成分や働きが異なり、利尿作用はリーフ(葉)のほうが強く、胆のうや肝臓、消化器に対する作用はルート(根)のほうが強いとされています。 その時の自分の体調に合わせて選べるようになると、活用の幅が広がりますね。 愛犬への活用法 焙煎の強さや刺激の問題から、愛犬にコーヒーとしての提供は厳禁ですが、ダンデライオンそのものは犬の健康維持にも役立ちます。 与える際は、ドライハーブを粉末にして食事にふりかけるのが簡単でおすすめ。 愛犬あんには、ダンデライオン・リーフを細かくして、好物の焼いた鶏もも肉とブロッコリーにふりかけて与えています。 大好きなお肉にふりかけると、少々「?」と思ところもあるようですが、残さず食べてくれます。 「巡り」を整える どんよりと気分が晴れないときに かつて、頭が重く、どんよりとした気分が続いていた時のこと。一杯のタンポポコーヒーを飲んだところ、すーっと霧が晴れるようにリフレッシュし、気分が楽になった経験があります。 なぜ効いたのかと調べてみると、ダンデライオンは古くから「肝臓の友」と呼ばれ、体内の余分な水分や老廃物を排出するデトックス効果に優れているとのこと。特に、体内の「巡り」が滞ることで起きる重だるい不調は、この排出を促す力が優しくサポートしてくれるのだそうです。 また、ダンデライオンの花には、穏やかな鎮痛作用もあると考えられているそうで、その作用も働いてくれたのかもしれません。 ※キク科アレルギーの人は使用しないでください。 もうひとつ、知っておきたい定番ハーブ「フィーバーフュー」 Nadezhda Nesterova/Shutterstock.com もうひとつ、季節の変わり目や、気圧の変化でどんよりしがちな不調をサポートするお守りハーブとして、ぜひ知っておいてほしいのがフィーバーフューです。和名ではナツシロギクと呼ばれ、ヨーロッパでは古くから民間療法に用いられてきました。「パルテノライド」という成分が豊富に含まれ、注目が集まっている植物です。 シングルティー(単体)で飲むよりは、レモンバームやミントなどとブレンドすると飲みやすくなります。 ※妊婦、2歳以下の幼児、キク科アレルギーの人は使用しないでください。 ハーブと向き合う、自分を労わる時間 ハーブは決して魔法の薬ではありません。けれど、カップから立ち上る湯気を深く吸い込み、温かい一杯をゆっくりと味わう。そのひとときが、痛みの背景にある強張った心身をふわりと解きほぐしてくれるようです。 タンポポコーヒーの香ばしさと苦味。それが喉を通り過ぎる頃には、頭痛もいつの間にかどこかへ。 『あ、少し疲れが溜まっていたのかな?』 そんな自分の小さなサインに気づいたら、庭やキッチンのハーブに手を伸ばしましょう。自分を労わるほんのひとときを、隣に座る愛犬と一緒にこれからも大切にしていきたいものです。
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アレンジ

ガラスの中に春の風景を。アイリスと小枝で作る、大人の自由な「投げ入れ」花飾りレッスン
ベースの「口径」で変わる、花の数と空間の楽しみ方 Real Vector/Shutterstock.com 花を飾るとき、まず迷うのがベース(花器)選びではないでしょうか。じつは、ベースの口径(口の広さ)によって、必要な花の量や、表現できる雰囲気がガラリと変わります。 細身のガラスベース 一輪挿しやスリムなシリンダータイプは、花を数本挿すだけで、口元が自然に花を支えてくれます。特別な花留めも要らず、少ない本数でスマートに決まるのが魅力。忙しい日常の中で、一輪の花をスッと飾るには最高のパートナーです。 口径の広いベース 一方で、「口径の広いベース」は、たくさんの花や茎の太い花を入れられ、また中に手を入れて洗えるメンテナンスしやすさも魅力。その反面、そのまま生けようとすると花が外側に広がってしまい、中心を埋めるために大量の花材が必要になりますね。「こんなにたくさんの花は用意できない……」と、つい敬遠してしまいがちですが、ここで活躍するのが「枝物を使った花留め」です。 小枝を渡した花留め。 小枝の「つっぱり」でナチュラルな風景に 小枝の花留めは、花を支えるためだけの道具としてではなく、ベースの中の「風景」の一部にもなります。 ガラスベースの中で複雑に交差する枝のラインは、まるで自然の川底を覗いているかのよう。隠すべき存在だった花留めが、アレンジメントの奥行きを作る素敵な演出へと変わります。 小枝を内側に突っ張らせてしっかりとした支点を作ることで、口の広いベースでも、少ない花数で思い通りの場所に花を固定できます。 花で口元をぎっしり塞ぐのではなく、花留めの枝を透かして見せることで、水と空気の「余白」も生まれます。 「小枝の花留め」テクニックのポイント ベースの内径に合わせ、少し長めにカットした小枝をベースの内側で「一文字」や「十文字」になるよう突っ張らせます。これが花留めとなり、重なり合う枝の間から花をスッと立たせることができます。 一文字留めは枝を1本、十文字留めは枝を2本花器の内側に渡す方法です。 花留めとなる枝を切る時は、花器の内径ピッタリに合わせるのではなく、5mm程度長めにカットするのがポイント。花器の内径と同じ長さにカットすると、留まらずに落ちてしまいます。枝は暫く水に浸してあげると、柔軟性が出て留めやすくなります。 花留めにセットする際は、枝を斜めにして花器に入れ、場所を決めてから、下になっている端をベースの側面を滑らせるようにして水平になるまで上に持ち上げます。十文字留めの場合はまず先に上になる枝をセットしたあと、下になる枝をセットするとよいでしょう。 アレンジに使った花 アイリス(イエロー、ブルー)対照的な2色を混ぜることで、単調にならずリズムが生まれます。 キンバデマリ(アメリカテマリシモツケ‘ルテウス’)瑞々しい葉と、枝の色、模様がナチュラル感満点です。 ラークスパーアイリスの垂直ラインに寄り添い、高さを出しながら優雅な動きをプラス。 アリウム・コワニー小さな白い花が集まった星のような姿が、直線的な構成の中に愛らしい抜け感を作ります。 アレンジの手順 1. 太めの小枝を選び、長さを合わせてカットして、ベースの内側にしっかりと固定します。 2. キンバデマリの枝を入れて、全体の輪郭を決めます。高さは、器と同じくらいに。 3. アイリスを垂直にいけます。キンバデマリの小枝が支えとなり、アイリスがしっかり自立するようになります。 4. ラークスパーを入れます。 5. アリウム・コワニーを、アイリスの合間から顔を出すように配置します。 バランスを整えて出来上がり。 アイリス・アヤメ・ショウブ・カキツバタの見分け方 ハナショウブ。ikwc_exps/Shutterstock.com 「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉がある通り、一見そっくりなこの花たち。どれがどれだか分かりにくいですよね。 私は、育つ場所で見分けるようにしています。 ダッチアイリス、ジャーマンアイリス、アヤメは、乾いた地、水はけのよい花壇や畑 カキツバタは、水の中、池や沼のふちなど水気が多い場所 ハナショウブは、湿った地や半分水に浸かっているような湿地。乾地でも育つ よく見られる場所は、種類を見分ける際の手がかりになります。 はっきりとした見分けのポイントは、花弁の付け根部分の模様。細長い黄色の模様があればハナショウブ、細長い白色の模様があればカキツバタ、そして大きな網目模様があればアヤメの花。ダッチアイリスは花弁の中央に大きめの黄色の斑が入ります。ジャーマンアイリスは豪華な花姿で花色も模様も非常に豊富にあり、花びらの付け根に毛(突起)があるのが特徴です。 アレンジに使ったダッチアイリス。 今回アレンジでも使ったダッチアイリスは、地植えにしても育てやすく、毎年変わらぬ姿を見せてくれる頼もしい存在です。 驚くのはそのサービス精神! 1つの花が咲き終わった後、同じ場所から2番目のつぼみが顔を出し、再び美しい花を咲かせてくれるのです。これには、なんだかとても得をしたような、嬉しい気持ちにさせられます。 5月の節句に欠かせない「もう一つのショウブ」 Bowonpat Sakaew/Shutterstock.com 端午の節句(5月5日)に無病息災を願って入る「菖蒲湯」。この時に使われるショウブは、アイリスやアヤメのような美しい花を咲かせる植物とは違います。 私たちがアレンジメントで楽しむのは花の美しいアヤメ科の(ダッチ/ジャーマン)アイリスやハナショウブ、アヤメなど。菖蒲湯に使われるのは、ショウブ科の「ショウブ」です。 Volodymyr Nikitenko/Shutterstock.com ショウブの花はというと、とても地味で、ガマの穂のような小さな目立たない花(肉穂花序)を咲かせます。 葉は、揉むとスーッとした独特の強い芳香があります。日本ではこの強い香りに邪気を払う力があると信じられてきました。5月は季節の変わり目で病気にかかりやすい時期。そのため、香りの強いショウブを屋根に葺いたり、お酒に浸したり、お風呂に入れたりして、厄払いをしたということです。 武士の時代になると、「ショウブ」という響きが「尚武(武道を重んじること)」や「勝負」に通じるとして、男の子の成長を祝う縁起物として定着しました。 斑入りのショウブは観賞用としてガーデンでも人気。Galina Bolshakova 69/Shutterstock.com 花の美しさはアヤメ科、香りはショウブ科。同じ名前を持ちながら役割が違うなんて、植物の世界は面白いですね。
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暮らし

3月の光は天然のサプリ。愛犬が喜ぶ「日向ぼっこ」の効果と、換毛期に役立つ自家製ローズマリーウォーター
春にまどろむ愛犬 3月、柔らかな日差しが庭に降り注ぐようになると、愛犬が真っ先に日当たりのよい場所を見つけてまどろむ姿を目にします。犬たちが太陽を求めるのは、単に暖かいからだけではありません。そこには生き物としての深い本能と、健やかに生きるための知恵が隠されています。 3月の光の役割 ぽかぽか陽気、スヤスヤと眠る愛犬の姿は、見ているこちらまで幸せな気持ちになりますよね。犬が日向ぼっこを求めるのは、単に「暖かいから」という理由だけでなく、生き物としての深い本能と生存戦略に基づいた行動です。 3月の太陽が、犬にとってどれほど大切で、心身にどんな恩恵をもたらしているのでしょうか。 1、本能が求める「体温の維持と節約」 犬は野生時代、体温を維持するために膨大なエネルギーを消費していました。太陽の熱を直接浴びることで、自分のエネルギーを使わずに体温を上げられることを本能的に知っています。特に、寒さが苦手な短毛の犬やシニア期の犬にとって、3月の心地よい日差しは、体力を温存しながら内臓や関節を温める最高のリラックスタイムになります。 我が家の柴犬あんも、日向ぼっこが大好きです。暖かい陽だまりで、目を細めて、降り注ぐ太陽を全身で受け止めています。 2. 「幸せホルモン」と「睡眠リズム」の調整 太陽の光を浴びることで、脳内にセロトニン(幸せホルモン)が分泌されます。これが夜になると、質の高い眠りを誘うメラトニンの原料になります。 3月は日照時間が急激に伸びる時期。この変化を全身で浴びることで、冬の「休止モード」から春の「活動モード」へ、自律神経をスムーズに切り替える手助けをしています。 3. 皮膚と被毛のセルフケア 太陽光(紫外線)には、皮膚を清潔に保つ殺菌作用があります。 3月は換毛期が始まり、皮膚が蒸れたり痒みが出たりします。日向ぼっこで体を乾燥させ、血行を促進することは、健康で艶やかな新しい毛を育てるための大切な時期です。 犬が日向ぼっこをした後に自分の体をペロペロ舐めることがありますが、これは被毛の上で生成されたビタミンDを摂取しているという説もあります。犬は体内でのビタミンDの生成量が少なく、日光浴だけで充分なビタミンDを得るのは難しいとされますが、まさに全身で太陽を食べているのかもしれませんね。 庭のハーブで手作り。ローズマリー・グルーミングウォーター 3月の声を聞くと、いよいよ換毛期の本番です。特に柴犬のようなダブルコートの犬にとっては、家の中に毛の竜巻が起きるような事態になります。 換毛期は、毛が抜けるだけでなく、新しい毛を作るために体力を激しく消耗する時期でもあります。シニア期の犬や寒さに敏感な犬が、この時期を健やかに乗り切るためにハーブスプレーを手作りしてはいかがでしょうか。 庭にローズマリーがあれば、ぜひ愛犬のためにフレッシュなスプレーを作ってみましょう。ローズマリーは「若返りのハーブ」とも呼ばれ、血行促進や抗菌作用が期待できます。 <材料> ローズマリーの枝(10cmくらい) 5〜6本 水 200mlくらい スプレーボトル <作り方> 1. 庭から摘んだローズマリーを、200mlの水で3〜5分ほど煮出します。 2. 蓋をして冷めるまで置き、成分をしっかり抽出します。 3. 漉してスプレーボトルに入れ、完成。 ※冷蔵庫で保存し、1週間以内に使い切りましょう。 <使い方> ブラッシング前にローズマリースプレーをシュッとかけると、静電気が抑えられ、被毛を傷めずに抜け毛をスムーズに取り除けます。 また、スプレーを含ませた温タオルで体を拭いてあげると、ハーブの香りと温熱効果で血行が促進されます。シニア犬の固まりやすい関節周りも優しくほぐしてあげましょう。 散歩から帰ってきたときに使うのもいいですね。 ※初めて使うときは、足先など皮膚の狭い範囲で試し、赤みや痒みが出ないか確認してください。※犬の嗅覚は非常に鋭いため、顔まわりに直接スプレーするのは避け、飼い主さんの手に吹き付けてから塗ってください。※てんかんの持病がある犬や、妊娠中は使用を控えるか、獣医師にご相談ください。 日向ぼっこ中の注意 気持ちよさそうに寝ているとつい忘れがちですが、体温が上がると水分を消費します。日向ぼっこの場所の近くに、常に新鮮な水を置いてあげてください。 3月の光は意外と強いため、長時間直射日光を浴び続けると、目が疲れやすくなったり、皮膚が薄い部分はダメージを受けたりすることもあります。時々、日陰へ誘導したり、カーテン越しに調整すると安心です。 あんは時折、日向ぼっこの気持ちよさに負けて、うっかり寝入ってしまうようです。しばらくして暑さに驚いたのか、慌てて日陰に逃げ込み、ひんやりした床に倒れ込む姿をよく見かけます。 そっと体を撫でてみると、黒毛が太陽を吸い込んでアツアツになっています。「黒毛だから余計に危ないよ!」とハラハラしながら、冷たい床で涼む姿を見守る日々です。
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アレンジ

庭の春を部屋に飾る。高さ10cmの「ガラスベース」で失敗知らずに楽しむ3つのアレンジ
春の花々 春の訪れとともに、庭のあちこちで花たちが顔を出し始めます。丹精込めて育てた花が咲いたら、数輪摘んで部屋に迎え入れてみませんか。 庭で摘む花は、切り花として売られているものよりも茎が短かったり、自由な方向に曲がっていたりするもの。そんな自然な姿を美しく受け止めてくれるのが、高さ10cmほどの小ぶりなガラスベースです。 今回は、この時期の庭の主役であるスイセン、クリスマスローズ、ムスカリを使った、3つのアレンジメントをご紹介します。 高さ10cmのガラスベースが重宝な理由 庭の花を飾る際、意外と難しいのが器選びです。 豪華な花瓶では茎の長さが足りず、かといって小さすぎる一輪挿しでは物足りない。そんなとき、約10cmの高さのフラワーベースであれば、短い茎でも安定しやすく、食卓や棚のちょっとしたスペースに馴染みます。 さらに「ガラス素材」を選ぶことで、水中の茎や瑞々しい水の揺らぎまでデザインの一部になり、春らしい透明感のある空間を演出してくれます。 今回は、コロンとした球形や口径の広いものなど、形の異なる3種のガラスベースを使ってアレンジします。 春に黄色の花が多い理由 早春の庭を思い浮かべると、スイセン、ミモザ、レンギョウ、菜の花……と、圧倒的に「黄色」が目立ちます。タンポポも黄色の花の代表ですしね。 これには、植物たちの生き残り戦略が隠されているのだそうです。 まだ肌寒い早春、活動を始める数少ない昆虫(アブやハナバチなど)は、「黄色」を認識する能力が高いといわれています。冬枯れの茶色い景色の中で、最も遠くまで届き、虫を呼び寄せやすい色が黄色なのです。 また、黄色の花びらは、太陽の光を効率よく反射し、花の中央(しべ)に熱を集める効果があって、自らを温めることで、受粉を助ける虫たちに暖かな休息所を提供しているという説もあるそうです。 暖かい場所で、ゆったり受粉の仕事ができれば、活動し始めた虫たちも大喜びですね。 レモンイエローのラッパスイセンのアレンジ スイセンの中でも、特にレモンイエローのラッパスイセンには、他の黄色にはない独特の魅力があるように思います。 こっくりとした黄金色のスイセンが「元気」をくれるなら、淡いレモンイエローは「光そのもの」を感じさせます。ネーミングのとおり、レモンの酸っぱさと清涼感が頭の中にも広がりますね。 レモンイエローの透明感は、青みを含んだ黄色のためで、ガラスの器に生けると水の透明感と溶け合い、花そのものが発光しているような瑞々しさを放ちます。 このレモンイエローのラッパスイセンに、名残の白いジンチョウゲと白のクリスマスローズ、小輪のキズイセンを合わせて、淡い色合わせにします。 高さ10cmのコロンとした球形のフラワーベースに生ける場合、直線的な茎が見えないように、高さはベースの高さよりも低くまとめると、”丸さ”が強調されます。 うつむき美人のクリスマスローズのアレンジ 庭ではうつむき加減に咲くクリスマスローズですが、よく見てみると、花びらのような萼(がく)の重なりとしべのデザインがとても美しいですよね。 クリスマスローズ特有のアンティークのような色調は、クリアなガラスと合わせることで重くなりすぎず、モダンな印象に仕上がります。 アレンジのコツとしては、器の縁に花を引っ掛けるようにすると、うつむき加減の花もしっかり見ることができます。また、すっとした茎のラインも見え、横向きの花の美しさも楽しめます。 ムスカリのミニチュアガーデン風 背の低いムスカリは、短い茎を活かして、まるで庭の一部を切り取ったようなしつらえにしてはいかがでしょうか。 口径の広いガラスベースを使い、ムスカリを群生するようにまとめて生けます。 出始めたばかりの短めのムスカリには、高さ10cmのベースがぴったりサイズです。 球根がついていれば、そのままべースの底に球根を並べるだけで簡単にまとめられます。土の中にあるはずの「根」をガラス越しに観察することで、生命の力強さを感じることができます。 ムスカリの鮮やかなブルーは、透明なガラスと水の透明感と抜群の相性です。 春の庭摘み花を美しく見せてくれる高さ10cmのガラスベース。 スイセン、クリスマスローズ、そしてムスカリ。それぞれの個性をガラスの透明感が引き立て、部屋の中に小さな「春の庭」を再現してくれます。 特別な技術は必要なくて、朝の庭で一番目が合った花を摘んでくるだけ。 そんな軽やかなしつらえから、春の暮らしを楽しみましょう。 ガラスベースは水が汚れると目立ちます。1日1回の水替えがおすすめです。新鮮な水になると、花は、シャキーンと背筋が伸びて、パッと明るくなるような気がします。 小さなフラワーベースでしたら、どこでも置けるのも嬉しいですね。キッチンや洗面所、いつも座る椅子の近くなど、日常で何度も目が合う場所に置くのが、春を逃さないコツかもしれません。 私は、いつも座る日当たりのよいソファーの傍らの、小さなテーブルに花を飾ることが多いのですが、こんなふうに、ジンチョウゲやスイセンを一緒にアレンジすると、 ふとした瞬間に、ひだまりの温もりと花の香りが重なり、「あ〜春だな〜」と心がほどけていく感じがします。
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アレンジ

花瓶なしでもOK! 数輪の花とガラス瓶で作る、プロ直伝「北欧×和モダン」のインテリア
春の足音が聞こえる季節 窓の外はまだ冷たい風が吹く2月。けれど、ふとした瞬間に漂い始めたジンチョウゲの香りに、「あ、春がそこまで来ている」と気づかされる季節でもありますね。 「和の花を飾るのは、なんだか難しそう……」そんな風に思っていませんか? 今月は、凛とした美しさを持つ椿(つばき)や梅を、あえて北欧デザインの木製トレイとガラスの小瓶を使って、今の暮らしに溶け込むモダンなスタイルで活けてみましょう。 主役は、ピンクの椿です。 たとえ花が数輪しかなくても、トレイという「キャンバス」の上にリズムを作るだけで、お部屋は一気に春めいた表情に変わります。 北欧デザイン×和の花 どっしりと活けがちな「和の花」を、あえて北欧デザインの木製トレイに合わせるのが今回のスタイルです。ナチュラルな木の質感とガラスの透明感をプラスすることで、和の趣はそのままに、現代のインテリアに馴染む「軽やかさ」が生まれます。 今月の花材 椿 艶やかな葉と大輪の花。アレンジに重心を作り、主役になります。 紅梅(こうばい) 凛とした枝ぶり。アレンジにラインを描きます。 ストック ふわふわした質感で春らしさアップ。 ジンチョウゲ 「春の三大香木」の1つ。紅紫のつぼみから香りのよい白い花が開きます。 スイートピー ひらひらと舞う蝶のような軽やかさをプラス。 ラナンキュラス 柔らかい花びらが優しく華やか。 少ない本数でも「楽しげ」に見せるテクニックとアレンジ手順 今回のアレンジのポイントは、1つの大きな花瓶に生けるのではなく、小さなグラスや空き瓶を3〜5個トレイに並べること。少ない本数でもアレンジにリズムが生まれ、軽やかな印象になります。 <アレンジの手順と目的> リズムを作る コップやグラス、ジャムの空き瓶など、高さや形の異なる瓶をトレイにランダムに配置します。私は以下のような形で配置しました。 ラインを描く 背の高い瓶に梅の枝を入れます。 重心を決める 真ん中の瓶に椿を低めに挿します。残りの数本の椿をバランスを見ながら入れ、全体のアウトラインを決めます。 仕上げ 空いたスペースにストックやラナンキュラス、スイートピー、ジンチョウゲを添えましょう。 出来上がり! 2月のピンクは特別 2月を象徴する花といえば「梅」ですが、平安時代、おしゃれな貴族たちの間では「紅梅(こうばい)」のピンク色が一番のトレンドだったとか。 厳しい寒さの中で、他の花に先駆けて咲く梅のピンクは、当時の人々にとって生命力の象徴であり、待ちわびた「光の予兆」。現代の私たちにとっても、2月に飾るピンクの花は、単なる可愛らしさだけでなく、冬を乗り越える強さのようなものを感じる特別な色と言えると思います。 桃の花に秘められた「最強の守護」 3月3日はひな祭りですね。「桃の節句」とも呼ばれるように、この日に飾るのは「桃の花」。じつは古来より、桃には「邪気を払う強力な力があると信じられてきました。鬼退治に行くのが「桃」太郎なのも、神話の中でイザナギノミコトが黄泉の国の追手を退けた武器が「桃の実」だったからとされています。 2月の冷たい空気の中、ピンクの花を飾ることは、新しい季節を迎える前に家の中を浄化し、大切な人を守るためのお守りを飾ることでもあるのです。 かわいい! 長崎の「桃カステラ」 長崎名物の桃カステラをご存じですか? カステラの上にぽってりとのったピンクの砂糖細工は、まるで今活けたばかりの椿の花のようなお菓子です。初めて見た時は、とてもかわいらしくて、思わず「わぁ!」と声をあげてしまいました。 桃カステラとは、なんでも、中国の不老長寿の果実「桃」と、南蛮渡来の「カステラ」が融合した、異国情緒漂う長崎の郷土菓子で、雛祭りだけでなく、出産・長寿祝いなどの慶事に欠かせない縁起菓子なのだそうです。 私の住む静岡県の中部地方には、特別な雛祭りのお菓子はないようなのですが、みなさまの街には、どんな『春を告げるお菓子』があるでしょうか?
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ベランダガーデニング

庭の片隅で眠る球根をお引越し! お気に入りの鉢に移して「手元の春」を楽しむ方法と注意点
手元で楽しむ春の目覚め 春の足音が聞こえてくると、庭のあちらこちらで芽吹き、顔を出す球根たち。ムスカリ、スイセン、クロッカス……。地面でひっそり咲かせるのも素敵ですが、今年はお気に入りの鉢に「移植」することにしました。 庭にある春の花たちを、ベランダへ。 気合を入れすぎず、「部屋から見える場所に、ちょっと花があったら嬉しいな」。そんな気軽な気持ちで始めた、2月の週末のガーデンワークです。 小さな春、お気に入りの鉢へ 今回準備したのは、庭のあちこちで勝手に芽を出していた球根植物たち。紫色のムスカリと水色のムスカリ、八重咲きのスイセン、そして小さなクロッカス。それに、白花のクリスマスローズも入れてみました。まだ咲いていないので、「この芽はあの色のムスカリに違いない」と、私の記憶力を頼りに掘ってみます。 数週間後、ぜんぜん違う色の花が咲くかもしれませんが、またそれも楽しみに。 準備編:こだわりの道具と愛犬への配慮 2月の外作業はまだ少し肌寒いもの。作業を始める前に、まずは環境を整えます。 移植の成否を分けるのは、なんといっても「根を傷つけないこと」。私は特別な道具は持っていないのですが、いつも使っているシャベルとガーデンフォークを使います。 このほか、細身の移植ゴテや、根が絡まっている時に便利な根さばき用のピックなどがあれば便利だと思います。 作業中、我が家の愛犬が近くをうろうろしています。 じつは、スイセンやヒヤシンスなどの球根植物の多くは、犬が口にすると危険な成分を含んでいます。愛犬が間違えて球根をかじったりしないよう、掘り上げた球根は放置せず、すぐに鉢へ植えましょう。愛犬の安全を守るのも、大切な庭仕事の一部ですね。 実践編:2月の移植を成功させる「ひと手間」 芽が動き出している2月の移植は、植物にとってはダメージとなることもあります。少し注意して、慎重に作業を進めましょう。 <移植作業のポイント> ① 「根鉢」を崩さない 植物を掘り上げる際は、根をなるべく傷つけないよう、球根の周りの土を、まるで小さな島のように大きく、丸ごと掘り上げます。 ムスカリ・クロッカス:数球まとまった単位で、深めにスコップを入れます。 クリスマスローズ:開花期の根はとても繊細なのでいじらないように注意し、鉢に移した後は、隙間へ新しい土をつつきながらしっかり入れ、根と土を密着させます。 ② 土のブレンドに「元肥」をプラス 鉢植えは地植えに比べて栄養が限られます。できれば、新しい培養土を使い、ゆっくり効く緩効性肥料(マグァンプKなど)を混ぜ込んでおきましょう。これで、開花までのパワーをチャージします。 仕上げ編:化粧土とマルチング 鉢に植え替えた直後は、まだ土の面が目立って少し寂しい印象になりがちです。 土の表面に、庭の片隅にある苔や、ウッドチップを敷き詰めてはいかがでしょうか。これだけで、まるで森の一部を切り取ったような「ナチュラルな一鉢」になります。 窓越しの景色を、楽しみに 完成した数個の鉢はベランダへ並べます。ベランダの一角だけの小さなガーデンですが、部屋に戻ってカーテンを開けたとき、真っ先に球根の鉢たちが目に入る。それだけで、2月のちょっと重たい空気が軽くなる気がします。 「ムスカリ、咲くかな」と愛犬と一緒に、暖かい部屋から窓の外を眺める。 これくらいの小さなガーデニングもなかなか楽しいものです。 まずはひと鉢から「春」を呼び込んでみませんか?
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レシピ・料理

キンカンを煮る冬の台所で。人と愛犬、それぞれにやさしい手作りおやつ
冬の風物詩キンカンと愛犬のおやつ 冷え込みが厳しくなる季節、庭の木々に黄色く色づくキンカンを見ると、冬の本番を感じますね。キンカンは、古くから喉の薬として親しまれてきた冬の風物詩。コトコトと甘露煮を煮込む時間は、お家の中に爽やかな香りが広がる癒やしのひとときでもあります。 そうしてキッチンから甘い香りが漂ってくると、ソファーの上で寝ていたはずの愛犬あんが期待に満ちた瞳でこちらをじっと見ています。 あんと暮らしていると、何を作るにも「これは犬に安全かな?」と考えるようになりました。キンカンはというと、犬にとっては少し注意が必要な果実とされています。 ということで、今回はキッチンで2つのおやつを同時に作ります。私には喉に優しいキンカンの甘露煮を、そしてソファーで待っている愛犬には、キンカンと同じくらい栄養たっぷりの「リンゴとサツマイモ」のおやつを作ります。 キンカンの栄養 キンカンの甘露煮は、民間療法では古くから風邪予防や喉のケアによいとされ、親しまれています。栄養学的にもメリットがあります。 【キンカンに含まれる栄養素例】 ビタミンC:風邪予防や免疫力向上に。キンカンは皮ごと食べるため、多くのビタミンCを摂取できます。 ビタミンP(ヘスペリジン):皮に多く含まれ、壊れやすいビタミンCを安定させたり、血流の改善、毛細血管の強化に役立つとされています。 ビタミンA(β-クリプトキサンチンなど):粘膜を強くし、喉の健康を守る効果が期待できます。 そのほか、食物繊維やカルシウムも豊富。ビタミンCは加熱に弱いため、甘露煮にすると減少する恐れがありますが、とろりと甘いキンカンの甘露煮は寒い冬にうれしいおやつですね。 キンカンの甘露煮活用法 この甘露煮を風邪予防や喉のケアに活用する方法は、 1つ目は、そのまま一粒いただく。じっくりと煮込むことでキンカン特有の苦味や酸味が和らぎ、おやつを食べるような感覚で手軽に栄養を補給できます。 2つ目は、冬の寒い日にぴったりの「キンカン湯」として楽しむ方法。甘露煮のシロップをお湯や紅茶で割って飲むと、体が芯から温まると同時に、蒸気と共に広がる爽やかな香りが喉を優しく潤してくれます。 キンカンの甘露煮の作り方 それでは、キンカンの甘露煮を作りましょう。 <材料> キンカン 1袋(約250〜300g) 砂糖 約150gキンカンの重さの約半分が目安です。氷砂糖を使うとよりスッキリした甘さとツヤが出ます。 水 120ml (お好みで)ショウガスライス 2〜3枚風邪予防効果をより高めるため、ショウガを追加しても。 <作り方> ① 下茹で(アク抜き) キンカンをよく洗い、ヘタを竹串などで取り除きます。 たっぷりの沸騰したお湯にキンカンを入れ、2〜3分ほど茹でます。 その後、冷水にとって冷まします。 【ポイント】 これにより苦味が抜け、皮がふっくらと仕上がります。 ② 切り込みと種取り キンカンの側面に、縦に4〜5箇所ほど包丁で浅く切り込みを入れます。 種が気になる方は、指で少し押し出すようにして、隙間から竹串で中の種を取り除いてくださいね。私はいつもそのままです。 ③ 煮込む 1. お鍋に水、砂糖を入れて火にかけます。 2. 砂糖が溶けたら、キンカンを重ならないように並べ入れます。 3. 落とし蓋(またはクッキングシートに穴を開けたもの)をして、弱火で15分〜20分ほど煮ます。 4. キンカンが透き通ってきたら火を止め、そのまま冷まします。 【ポイント】 「冷ます」のが一番の味付け: 煮上がった直後よりも、煮汁に浸したままゆっくり冷ますことで、中まで甘みがじわじわと染み込み、シワのないツヤツヤな見た目になります。 保存方法:清潔な瓶に入れて冷蔵庫で保存を。2週間ほど美味しくいただけます。 犬とキンカン 我が家では庭に実っているキンカンですが、じつは犬が皮ごと食べるのはおすすめできないとのこと。柑橘の皮に含まれる「リモネン」は、犬の皮膚や胃腸に刺激を与えることがあります。 落ちた実を愛犬がパクっと食べてしまわないよう、収穫時期はお散歩や庭遊びの際に見守ってあげてくださいね。 愛犬用おやつ リンゴとサツマイモの「ほっこりお団子」 キンカンが食べられない愛犬のために、キンカンと同じく冬に美味しさを増すリンゴを使ったおやつを用意してあげましょう。キッチンで甘露煮を煮ている横で、さっと作れる簡単レシピです。 <材料> リンゴ 30g サツマイモ 70g (お好みで)フリーズドライの犬用チーズ 適量 <作り方> サツマイモを蒸し、フォークなどで潰します。 2. 皮を剥いて細かく刻んだリンゴを混ぜます。 3. 愛犬が食べやすい大きさに丸めます。 お好みで、フリーズドライの犬用チーズを入れてもよいです。 寒い日のおやつの時間を愛犬と一緒に楽しんでくださいね。
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アレンジ

凍てつく空気も和らぐ。真冬のリビングを彩る「フェイクファー×生花」の異素材アレンジ
真冬に似合うフェイクファー 本格的な寒さの真っ只中ですね。こんな時期には、暖かいお部屋で、花瓶も「冬仕様」にしてみませんか。 フェイクファーを纏ったフラワーベースは、そこにあるだけで空間の温度がふわりと上がるような、優しくて温かい存在感です。冷たいガラスも素敵ですけれど、この季節は、指先から伝わる柔らかさに癒やされたいものですね。 お気に入りの花を生けて、冬にしか味わえない「ふわふわ」な景色を楽しみましょう。 ファー付きフラワーベースを作ろう フラワーベースは本来、花を入れて眺めるもの。ですが、ファー素材のベースなら「つい触れたくなる」という新しい楽しみが加わります。 今回は、手芸店で手に入るフェイクファーテープを使って、手軽に作れる冬仕様のフラワーベースを作ります。 <用意するもの> ガラス瓶や空き瓶などのベース フェイクファーテープ 両面テープ リボン <作り方> 1. ベースの表面の水分や汚れを拭き取ります。 2. ベースに、らせん状に両面テープを貼り、剥離紙をはがします。 3. ファーテープを下から貼り付けていきます。 4. 一周ベースに巻き付けて、余ったファーテープも重ねて巻き付けます。 5. 巻き終わりの端は、巻き付けたファーに入れ込んで絡げておきます。 6. リボンを巻いて結び、ファーがほどけないよう押さえるようにします。 ふわふわの手作りベースにアレンジ 「ファーと生花?」と意外に思うかもしれませんが、じつは相性抜群! 凛とした冬の花は、茎や花びらがみずみずしくて、ドライな質感のファーが互いを引き立て合うように思います。 今回は、冬の澄んだ空気に映える、気品溢れる花々を選びました。 <花材> チューリップ 冬アレンジに欠かせない花。 スイセン 冬の訪れを告げる香りの主役。凛とした表情を加えます。 コチョウラン ファーの質感に負けない華やかさがあります。 ガーベラ 温かみのある色を選んで、アレンジに可愛らしさとリズムを。 シンビジウム 花もちがよく、ボリュームもあります。 エンドウ まるい葉とつるが柔らかく動きのある印象に。 冴えた冬の空気によく似合う純白のスイセン。 <アレンジの手順> 1. ベースに水を入れ、エンドウを器の近くに入れます。 2. チューリップを、流れを作るように入れます。 3. シンビジウムを低めに活けます。 4. ガーベラを隙間を埋めるように配置します。 5. コチョウランは流れるようなラインを作って優雅さを出しましょう。 6. 最後にスイセンを少し高めに挿します。 ファーの「モコモコ感」と、ラン科の花々の「ツヤ感」、スイセンの「シャープさ」が組み合わさることで、真冬の寒さを楽しむような贅沢な空間が完成します。 アレンジをさらにアレンジ ファーを纏ったフラワーベースに合わせて、フワフワのラグラスを追加してみます。 フレッシュのバニーテールでもいいですし、ドライフラワーとして販売されているラグラスでもいいですね。ドライフラワーのラグラスは、ホワイト系と、今回のファーの色に合わせたブラウン系があります。 長く楽しむためのワンポイント 冬はお部屋の暖房で空気が乾燥しがちです。 ラン類は乾燥に弱いため、時々霧吹きで周囲の空気を潤すように水をかけてあげると、みずみずしさが長もちします。その際、ベースのファー部分に水がかからないよう、少し離してスプレーしましょう。ファーは濡れると劣化の原因になるため、水替えの際も注意が必要です。 幸せの子ブタ 片付けをしていたら、引き出しの奥から小さなピンクの子ブタが顔を出しました。 「これ、たしかハンガリーの……」 そう思いながら眺めていた夜、偶然観たテレビ番組でドイツやハンガリーの「幸せの子ブタ」の話が紹介されていました。その瞬間、忘れていた大切な記憶が鮮やかに蘇ってきました。 あの子ブタは、ブダペストに駐在していた頃、郊外の街センテンドレにあるマジパンの名店「サモシュ(Szamos)」で出会った子ブタでした。 初めてその街を訪れたのは、雪がちらつくとても寒い冬の日。 慣れない異国での暮らしに、ちょっとホームシックになりかけていた私を元気づけようと、夫が連れて行ってくれたのがセンテンドレでした。 白く染まり始めた石畳の道、パステルカラーの可愛らしい家並み。そして、まるでおとぎ話の世界のようなサモシュの店構え。店内に並ぶ繊細なマジパン細工と甘い香りに、沈んでいた気持ちがパッと明るくなったのを覚えています。その時に手にして買ったのが、このピンクの子ブタでした。 それ以来、センテンドレは大のお気に入りの街になり、日本から友人が遊びに来るたびに案内して回ったのも今では楽しい思い出です。 そうそう、ピンクの子ブタは、ドイツやハンガリーで、新年に幸運を願って贈ったり贈られたりするマジパンのお菓子などでも有名。ピンクの子ブタはラッキーアイテムなのです。 片付けの最中にふと現れて、懐かしい街の風景を思い出させてくれたピンクの子ブタさん。まさに今、ふたたび私にささやかな幸せを運んできてくれたような気がします。



















