「雑草は友だち!?」―女優・黒谷友香の庭づくり時間Vol.2|プロのアドバイスで変わった庭づくりの視点

女優として第一線を歩み続ける黒谷友香さんにとって、庭は自分を映し出す“もう一つの舞台”。今年4月に始まったBS11の番組『黒谷友香、お庭つくります』では、失敗も成功も含めたありのままの姿を見せながら、プロのアドバイスを受けて新しい庭づくりに挑戦しています。Vol.2では、雑草との付き合い方や「焦らないこと」の大切さなど、番組を通して変わった庭との向き合い方をご紹介します。
目次
失敗も成功もありのままを視聴者に届けたい

2025年4月5日に放送開始したBS11の番組『黒谷友香、お庭つくります』。黒谷友香さんが「理想の庭って何?」と悩むところから始まり、プロのガーデンを訪れてはヒントを得て自身の庭で実践し、自ら土にまみれ、汗をかきながら基礎から庭に手を入れていく…。
そんな試行錯誤のリアルな様子をありのままに届けているのがこの番組の魅力。視聴者も一緒に庭づくりをしているようなワクワク感があります。
「これまでは自分たちの知識と経験だけで庭づくりをやってきたので、植物が枯れてしまってもその原因がはっきり分からないままでした。でも番組が始まってからは、『これは水枯れ』『これは虫』などとすぐに専門家の方に原因を教えていただくことができます。植物を植える際も、周囲にある木の様子などを見て、その場所の特性を考慮した上で植える植物を決めていきます。毎回毎回プロの方が長年の経験から得た知識などを教えていただけるので、私自身、本当に勉強になりますし、それをそのまま視聴者の皆さまにもお届けできて、皆さまのお庭のお悩み解決にもつながっていることがとても嬉しい」(以下、「」内は黒谷さん談)

毎回、学びと発見にあふれた内容に“見ていて楽しい”“勇気づけられる”など、視聴者からも多くのコメントが寄せられているそうです。
プロのアドバイスで「目から鱗」
番組を通してプロのガーデナーから直接学ぶことの中には、黒谷さんにとって“目から鱗”のことも! その一つが雑草対策でした。この回にアドバイザーとして登場したのは、園芸研究家の矢澤秀成さん。その目から鱗の雑草アドバイスとは…
●「雑草を抜いて土を振るい落としていませんか? それNGです」
●「雑草は土の状態を表すシグナルです」
●「雑草は土づくりに役立ちます」
●「雑草のなかにはおいしく食べられるものもありまよ」
●「雑草を暮らしに役立てましょう」
「これまでは雑草といえば、土の中に鎌を入れて根っこから取らなければ! と必死に根こそぎ刈り取り、土が見えるようになって『あースッキリした!』と満足していました。でも、まさに今日の収録で、それは間違いだった! と知ってびっくり! 雑草を敵視していましたが、見方がガラッと変わりました」

『雑草は友だち。雑草、ありがとう』という矢澤さんの言葉に、まさに目から鱗の黒谷さんでした。
「番組初期の頃にバイオネストを作ったことも貴重な体験でした。それまでは落ち葉の掃除が大変で大変で。それが今では、この庭で出た枯れ木や草は全てバイオネストにバンバン入れています。先ほど見たら、ちゃんと土になっていました。良い循環ができています」


変化したガーデニングの楽しみ方
専門家の方からいただくアドバイスや教えを通して、庭づくりや自然に対する向き合い方が変わったという黒谷さん。
「ついつい出来上がったものの綺麗さに目が行きがちだけれども、もっと深いところから考え、もっとゆっくり待つことがガーデニングの醍醐味と思うようになりました。綺麗に完成した状態だけを楽しみにするのではなく、土づくりや環境と向き合いながら本質を見極めて、完成にたどり着くまでの過程をじっくり楽しみ、大きく構えて待つ。それが、ガーデニングを長く楽しむ秘訣だと気づきました」
黒谷さんは番組の中で、憧れだったレンガをアクセントにした“小道づくり”や、初めての“バラのアーチづくり”に挑戦しました。自分で植えたグラウンドカバーの植物が時間が経って自然とレンガに這うようになった様子や、つるバラが理想どおりにアーチに絡んで徐々に伸びていく様子を見ると、「あー自分にもできるんだ」と自信につながります。


「『できた!』という達成感も嬉しいけれど、それを待つ時間も楽しいのだと思えるようになりました。これまでは、“焦り”が失敗のもとになっていたのだと思います。成果ばかり求めて、土づくりもせず、“良い土”と聞けばその環境に合っているかも調べずにどこにでも使う…それでは育つものも育たないな、と今なら分かります」
ありのままを伝える番組…ウラ話はある?
黒谷さんに番組の裏話や撮影秘話があるかを訊ねたところ、悩みも失敗も試行錯誤もありのままを伝えているから、なかなか思い浮かばないとのこと…。
「強いて言うなら、本当はもっと時間かかっている! ということかな。30分の番組に凝縮されていますが、本当は何時間もかけて汗水流して取り組んでいます。ヘアメイクさんやスタイリストさんも含むスタッフ総動員で作業した時もあります。でもその様子もちゃんと放送されていたから、やっぱりありのままの番組ではありますね」
実際に、5月に放送された「小道づくり」の回では、雨雲レーダーを見て迫り来る大雨のタイムリミットに追われながら、スタッフを含む総勢20名ほどで全長約30メートルの小道づくりのために地面を削り、砕石を運んで流し入れる様子が放送されています。
波乱の小道づくりの全貌、ぜひ見逃し配信でご覧ください!

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黒谷さんが番組を通して学んだこと、変化した庭づくりとの向き合い方をご紹介しました。
次回Vol.3では、“これからの私と庭”について語っていただきます。
これが私の愛用ガーデニングツール! ② 〜剪定バサミ〜

黒谷さんご愛用のガーデニングツールのご紹介第2弾は、ガーデニング用のハサミ。以前、新潟・燕三条の産業にフォーカスした番組で、TAKAGIの会社を訪問した際にいただいたハサミの使い勝手がとてもよく、それ以来リピートし続けてもう何代目かになっているというのが、上の写真のハサミです。

そしてこちらのハサミは、今回の番組撮影で京成バラ園を訪れた際に購入したもの。京成バラ園育種家の武内さんに「ハサミ持っていますか?」と聞かれて、バラ専用のハサミのことだと思い「持っていません」と答えたところおすすめされたのが、おの義刃物の剪定バサミ(180mmサイズ)。購入してから「特にバラ用ではなかった! それなら持っていた」と気づいたというウラ話も。20,400円の高級アイテムが黒谷さんのお気に入りラインアップに加わりました!
ちなみに、ウラ話をもう一つお聞きしました。
黒谷さんが番組内で愛用している赤いグローブ。

なぜこの色かというと、赤が「BS11」のテーマカラーだからだそうです!
次回の『黒谷友香、お庭つくります』放送内容は…

次回、9月20日(土)10:00〜10:30に放送予定の『黒谷友香、お庭つくります』の内容は、シェードガーデンづくり。
アドバイザーに、御殿場秩父宮記念植物園や善光寺庭園など全国の植物園の監修やヘッドガーデナーを務めている園芸研究家の矢澤秀成さんをお迎えし、実際に雑草取り、土づくり、植物の配置計画、実際の植え込み…と作業を進め、シェードガーデンを完成させていきます。
植物は、神奈川県の県立公園 花と緑のふれあいセンター『花菜ガーデン』を訪れて学んだシェードガーデンに向いている4種をセレクト。ホスタ、アスチルベ、ヒューケラ、ささゆりでつくるシェードガーデンやいかに!?

BS11『黒谷友香、お庭つくります』
放送日時:毎週土曜日 10:00〜10:30
(アンコール放送:毎週木曜日17:59〜18:27)
番組HP:https://www.bs11.jp/education/kurotani-oniwa/
見逃し配信:BS11+、YouTube、TVer、U-NEXT
番組公式SNS:
【X】@BS11_oniwa_0405
【Instagram】@bs11oniwa
Credit
写真(表記以外) / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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