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「庭づくりは自分づくり」―女優・黒谷友香の庭づくり時間 Vol.1|都会のベランダから始まったガーデニング物語

「庭づくりは自分づくり」―女優・黒谷友香の庭づくり時間 Vol.1|都会のベランダから始まったガーデニング物語

東京と千葉での二拠点生活を始めて25年以上。女優として数々の舞台に立ってきた黒谷友香さんが見つけた“もう一つの舞台”は、自らの手で形づくる庭でした。今年4月からはBS11の番組『黒谷友香、お庭つくります』もスタートし、600坪の広大な敷地での庭づくりプロジェクトが始動。人生と“庭”との関わり、原点となったベランダの小さなガーデニングから二拠点生活へ――第1回では、その始まりの物語をお届けします。

ベランダから始まった「マイファーストガーデニング」

ベランダから始まった「マイファーストガーデニング」

「上京して間もない頃、近所を散歩していたときに、とても素敵なお庭を見つけたんです。個人邸のお庭なのですが、ショップも構えていて、可愛い雑貨がたくさん売られていて。当時住んでいた家のベランダは殺風景だったので、そのお店でちょっとずつ気に入ったものを買ってはベランダに飾って、可愛い空間を作り上げていくのが楽しみでした」(以下、「」内は黒谷さん談)

黒谷友香さんが上京したのは19歳の頃。田んぼや畑に囲まれた自然豊かな故郷の街を離れ、東京で生活を始めたものの、新居の寂しいベランダの風景は、都会で一人、自身と向き合う心そのものを映していたのかもしれません。

「あるとき思い立って、雑貨屋さんでレンガを買ってきて、東急ハンズで購入した木の板をのせ、その上に可愛いテラコッタの鉢に植えたハーブや観葉植物を置きました。それが私にとっての『ファーストガーデニング』。その時のワクワクした気持ちや情景を、今でもはっきり覚えています」

大人になった今、黒谷さんは「お庭づくりは自分づくり」と語ります。その原点は、ひとりの若い女性が都会で自分を支える居場所を見つけようとした、あのベランダの小さなガーデニングにあるのではないでしょうか。

乗馬がきっかけの二拠点生活と庭づくり

そんな黒谷さんが、本格的にガーデニングやDIYを始めたのは25年ほど前。20歳の頃に初めて体験した乗馬ですっかり馬に魅了されてしまい、数年経って本格的に乗馬に取り組むために、友人が設立した乗馬倶楽部のある千葉の房総半島に家を購入したのです。東京と千葉の二拠点生活の始まりでした。

「その乗馬倶楽部で馬と一緒の大切な時間を過ごしながら、ウッドデッキを作ったり、植物を植えたり、DIYしたり、リノベーションしたり…徐々に環境を整えていきました。自然な流れで、私のガーデニングライフが始まりました」

乗馬倶楽部
黒谷さんが庭をつくった当時の乗馬倶楽部の様子。 ※提供写真
乗馬倶楽部の様子
友人たちと一緒に乗馬倶楽部の建物や庭を整えました。 ※提供写真

現在、BS11の番組『黒谷友香、お庭つくります』の舞台となっている約600坪の庭は、もとは保養所だったところ。この場所を、5〜6年前から仲間と一緒に管理しています。

「若い友人も含め幅広い年代の仲間が集まって、一緒にリノベーションなどをやっています。建物内の床板を張ったり、壁に漆喰を塗ったり、レンガを張ったりなど、男女・年齢問わず、みんなで楽しくDIYをしています」

黒谷さんは、気付けばガーデン担当に。もともとは雑木林だった土地を、みんなの理想の庭に変えていくためにどう生かすか、どの木を残して、何をどこに植えるかなどのデザインを考え、みんなで力を合わせて芝生を張り、花やハーブなどを植栽して、少しずつ庭を形にしていきました。

庭も建物も、仲間で力を合わせ、自分たちの手で理想の形に作り上げてきました。
庭も建物も、仲間で力を合わせ、自分たちの手で理想の形に作り上げてきました。
番組を通じてプロのアドバイスも入り、エリアも整理されて立体的に整ってきた現在の庭(2025年8月撮影)。
番組を通じてプロのアドバイスも入り、エリアも整理されて立体的に整ってきた現在の庭(2025年8月撮影)。
黒谷さんの庭には、蹄鉄など馬グッズが庭の随所に。
蹄鉄など、馬グッズが庭の随所に。

庭がくれる「自然の時間」と心の余白

庭がくれる「自然の時間」と心の余白

今となってはよく耳にする言葉であり、多くの人の憧れでもある「二拠点生活」。25年前はまだまだ珍しいライフスタイルであり、黒谷さんはその先駆者といえます。

東京と千葉、それぞれの暮らしには、どんな違いがあるのでしょうか。

「私にとって、どちらもないと困る大切な環境。両方あるからこその相乗効果があります。千葉で庭づくりをしていると、時間をかけてゆっくりと育つものを相手にするので、“人間が決める時間”ではなく、自然の時間を感じて身を任せる大切さを実感します。体を動かして、汗をかいて、土に触れて、自分の手で植えたものが、じっくり時間をかけて大きくなる。そういう時の流れの感じ方は、東京で仕事をしていると経験できないものですし、その体験は、仕事を含むライフスタイル全体を豊かにしてくれます」

ゆったりどっしりと構えている大自然に委ねる時間は、仕事や人生についてゆっくり考えを巡らせる余白を与えてくれます。その時間は黒谷さんにとって糧となり、また、東京での分刻みのスケジュールに改めて魅力や刺激を感じるきっかけにもなるのでしょう。

多忙な中でも、時間を見つけて千葉の庭に帰ってきたときは、「黒谷さまの特等席」と自ら呼ぶパーゴラとベンチのスペースに身を置きます。

「夕暮れ時、ベンチに座ってただただボーッとひぐらしの声に耳を傾けたり、自然と流れてくる花々やハーブの香りを楽しむ時間は、かけがえのないものです。そういう何も考えない“無”の時間って、なかなか持てないじゃないですか。この庭があることで、意識的にそういうひとときを持つことができるのは本当に幸せだと思います」

「黒谷さまの特等席」。パーゴラにはつる植物のテイカカズラが程よく伸び、珍しい実がなっていました。(2025年8月撮影)
「黒谷さまの特等席」。パーゴラにはつる植物のテイカカズラが程よく伸び、手の届く位置に実がなっていました。(2025年8月撮影)

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黒谷さんが庭づくりに携わることになったストーリーをご紹介しました。
次回Vol.2では、番組『黒谷友香、お庭つくります』でプロから学んだ“目から鱗”のガーデニング知識や、プロのアドバイスを受けて変わった庭づくりとの向き合い方についてご紹介します。

これが私の愛用ガーデニングツール! ① 〜ジョウロ〜

これが私の愛用ガーデニングツール!① 〜ジョウロ〜

黒谷さんご愛用のガーデニングツールのご紹介第1弾は、アンティークのジョウロ。4月に放送された「土づくり」がテーマの回に登場した長野県のナチュラルガーデン「GARDEN SOIL(ガーデンソイル)」のショップに並んでいたアンティーク風アイテムがどれも素敵で、中でも気に入って購入したものです。「飾っておくだけでも可愛く、使うとこれまた気分がいいんです! 」と黒谷さん。

次回の『黒谷友香、お庭つくります』放送内容は… 

BS11黒谷友香、お庭つくります
※写真提供/日本BS放送株式会社(BS11)

次回、9月13日(土)10:00〜10:30に放送予定の『黒谷友香、お庭つくります』の内容は、シェードガーデンづくりに向けての準備。

アドバイザーには、種苗会社植物バイオ研究室に16年間勤務し、御殿場秩父宮記念植物園や善光寺庭園など全国の植物園の監修やヘッドガーデナーを務めている園芸研究家の矢澤秀成さんをお迎えしています。

矢澤さんと一緒に神奈川県にある県立公園 花と緑のふれあいセンター『花菜ガーデン』を訪れ、矢澤さんが手がけた花壇やシェードガーデンを見学してアイデアを学んだ黒谷さん。

ご自身の庭に戻り、矢澤さんのアドバイスのもと、日当たりなどを考慮して場所を決定。ついにシェードガーデンづくりがスタートします!

シェードガーデン作りに向けて
シェードガーデン作り

BS11黒谷友香、お庭つくります
放送日時:毎週土曜日 10:00〜10:30
  (アンコール放送:毎週木曜日17:59〜18:27)
番組HP:https://www.bs11.jp/education/kurotani-oniwa/
見逃し配信:BS11+、YouTube、TVer、U-NEXT
番組公式SNS:
 【X】@BS11_oniwa_0405
 【Instagram】@bs11oniwa

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