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クリスマス&お正月にぴったり! 日陰に福をためる、スキミアの寄せ植えと花壇

クリスマス&お正月にぴったり! 日陰に福をためる、スキミアの寄せ植えと花壇

Debu55y/Shutterstock.com

クリスマスからお正月へ。つぶつぶの赤いつぼみが、冬の庭に静かに福をためていくかのようなスキミア。春になると、その無数のつぼみがゆっくりと開き、ほんのりピンク色の花房が季節の移り変わりを教えてくれます。冬に赤い実やつぼみをつける植物は、古来より厄除けとして親しまれてきました。なかでも、冬の間に力をため、春まで時間をかけて花開くスキミアの姿は、運気をためて開運へと導く縁起木として愛される理由のひとつ。日陰に強く、常緑でローメンテナンスという実用性も兼ね備えたスキミアは、庭づくりの心強い味方です。ここでは、取り入れやすい寄せ植えと花壇の実例を通して、その魅力を紹介します。

スキミアが“福をためる”理由とは?

スキミアが縁起のよい植物として親しまれる理由は、植物としての生育特徴にあります。

1 冬に赤いつぼみを宿すこと

スキミア

スキミアは、秋から冬にかけて赤いつぼみ(または実)をつけ、そのまま寒い季節を越します。赤は日本の暮らしの中で、厄を遠ざけ、生命力を象徴する色。ナンテン(南天)やセンリョウ(千両)などと同じく、冬に赤を宿す植物は、古くから縁起木として親しまれてきました。

2 すぐに咲かず、春まで力をためること

スキミアのつぼみは、冬の間に一気に開花することはありません。寒さの中でじっと力を蓄え、春になってから、ようやく小さな花房となって開花します。この「待つ時間」こそが、「福をためる」「運気が熟す」と重ねられてきた理由です。

スキミアの花
赤いつぼみは春に白い花となってふんわり咲く。Victoria Sharratt/Shutterstock.com

3 常緑で、姿を大きく変えないこと

一年を通して葉を落とさず、急激に成長しないスキミアは、庭の中で常に安定した存在。家運安定や、変わらぬ日常を象徴する植物としても、縁起を彷彿とさせるのです。

スキミアの基本情報と園芸的なメリット

スキミア

スキミアは、見た目の可憐さに反して、とても実用的な低木です。

  • 分類:ミカン科スキミア属
  • 樹形:常緑低木
  • 樹高:30〜80cm(品種・環境による)
  • 生育スピード:年間5〜10cmと非常にゆっくり
  • 日照:半日陰〜明るい日陰を好む
  • 耐寒性:強い(寒冷地でも冬越ししやすい)
  • 管理:剪定ほぼ不要、病害虫も少なめ

ゆっくり育って、ローメンテナンス

スキミアは生育が非常に緩やかな低木で、年間5〜10cm程度しか大きくなりません。つまり、植えた姿がほぼそのまま、何年も維持され、剪定は基本的に必要ありません。「気づいたら大きくなりすぎていた」という失敗が起こりにくく、忙しい方や、手が届きにくい花壇の奥には理想的です。

日陰の花壇「後方」を支える優秀な背景植物

花壇の後方は、日照が少なく、手入れに入りにくいため、空間が間延びしがちという難点があります。スキミアは日陰適性が高く、常緑で大きくなりすぎないので、「動かない緑の背景」として最適。前景の草花が入れ替わっても、奥の景色は崩れません。

寄せ植え → 地面へ。ずっと使えるサステナブルな庭づくり

スキミアの庭
日陰になりがちな庭のエリアにスキミアの彩りを。

スキミアの大きな魅力は、寄せ植えで楽しんだあと、地面に下ろして“庭の一部”としても使い続けられること。

  • 冬:寄せ植えで季節演出
  • 春以降:花後に花壇へ定植
  • 翌年以降:常緑低木として背景づくりに活躍

というように、ワンシーズンで終わらず買い替え不要なので、コスパがよく、サステナブル。“消費する寄せ植え”ではなく、「育て続ける庭づくり」に自然につながります。

病害虫の心配いらず

スキミアの葉は厚くて硬めで、香り成分を含むミカン科植物なので、虫にとっては「おいしくない」植物。また、生育が遅く柔らかい新芽も少ないので、他の昆虫もつきにくいのです。極端な過湿や蒸れがない限り、病気になることもほとんどなく、薬剤に頼らず育てられます。

冬の庭に福を招く。スキミアの寄せ植え&花壇 実例5選

冬の庭やアプローチは、どうしても緑の量感が少なく寂しくなりがちです。そんな中で常緑低木のスキミアは、艶やかな緑の葉と赤いつぼみで景色と気持ちの両方を明るくしてくれる存在です。ここでは鉢植え・寄せ植え・花壇での具体的な使い方を実例で紹介します。

実例1|赤を主役にしたクリスマスの寄せ植え

スキミアの赤の寄せ植え

スキミアを深みのある赤いパンジーやシクラメン、チェッカーベリーと組み合わせた、華やかな冬の寄せ植え。どの植物も春まで長もちするため、クリスマスシーズンはもちろん、お正月を越しても安定感があります。春になるとスキミアが花を開き、やさしいピンク色の花房が寄せ植えの間をふわふわと埋めてくれます。

  • 冬の装飾として完成度が高い
  • 赤=厄除けの意味合いを演出
  • 花が少ない時期でも「間」が持つ

実例2|落ち着いた色合わせで和洋どちらにも馴染む寄せ植え

スキミアの寄せ植え

スキミアの魅力は主張しすぎない端正さ。肉厚でツヤのある葉と、小さく密なつぼみの姿は、和にも洋にも馴染んでくれます。ですから、組み合わせる植物次第で和洋どちらの表情でも引き出せるのもスキミアならでは。この寄せ植えではパープル系のビオラやマツと合わせることで、洋風の中にもほのかな和の空気を添えています。クリスマスから、そのまま迎春用のしつらえとしても重宝する寄せ植えです。

  • 正月飾りを添えても違和感なし
  • 行事が終わっても、そのまま育て続けられる

実例3|白花と合わせて日陰を明るく

スキミアのつぼみと花
左は冬の赤いつぼみ。右は春の開花姿。

日陰に強いスキミアは、庭の北側や壁際を彩るのに最適。暗くなりがちな箇所なので、イベリスやパンジーなど白い花を合わせると空間が明るくなり、さらにスキミアとの紅白コントラストでパッと華やかに。庭の隅々まで福を運んでくれそうです。

  • 日陰でも色が沈まない
  • 冬でも清潔感のある印象
  • 春の開花期へと自然につながる構成

実例4|スキミアを背景にした1マス花壇

スキミアの

小さな植栽スペースでも、生育がゆっくりなスキミアは心強い存在です。常緑のスキミアを後方に配し、つぼみと同系色の宿根草のヒューケラと組み合わせて、庭の骨格を構成。その間に季節の一年草で彩りを添えることで、四季を通して表情の変化を楽しめます。壁や構造物を背景にした門袖前など、日陰になりやすく、メンテナンスに入りにくい場所にもおすすめの植栽例です。

  • 小スペースで背景骨格として活躍
  • 前景に一年草で季節感

実例5|寄せ植えから花壇へ。サステナブルな使い方

スキミアの寄せ植え

冬の寄せ植えで楽しんだスキミアは、春以降に花壇や庭の地植えでも再利用できます。一度きりで終わらず、庭の重要な構成要素として定住させられるのも大きな魅力。日陰になりがちでなかなか植物が育たない箇所や、手入れのしにくい花壇の後方でスキミアは大活躍。常緑でゆっくり育ってくれるので、ほとんど手入れの必要がありません。

スキミアとクリスマスローズ
庭の北側でもスキミアが活躍。クリスマスローズとも相性抜群。
  • 毎年買い替えない=コスパがよい
  • 植え替えの失敗が少ない
  • 環境にもやさしい庭づくりにつながる

スキミアを長く楽しむためのQ&A

スキミア
Debu55y/Shutterstock.com

Q1|水やりはどのくらい必要ですか?

A|乾きすぎないように、でも与えすぎないほうに気をつけて。

鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりが基本。冬は生育がゆっくりなので、水やりの頻度も自然と少なめになります。地植えでは、根づいてしまえば特別な水やりは基本的に不要。極端に雨が少ない時期だけ、様子を見て補います。生育が非常にゆっくりで、日陰がちな場所に植えられているため、乾きよりも湿った状態が長く続くことのほうが不調につながりやすいです。常に湿った状態にならないよう、水のやりすぎには注意しましょう。

Q2|日当たりはどこが適していますか?

A|半日陰〜明るい日陰が最適です。

直射日光が強すぎる場所では、葉焼けや乾燥の原因になることがあります。

  • 建物の北側
  • 門袖前
  • 落葉樹の下

など、夏は日陰、冬はやわらかい光が入る場所が理想的です。

Q3|花が終わったあとは、どうすればいい?

A|基本的に切らなくてOK。気になる場合だけ花がらを整理します。

春に咲いた花が終わったあと、そのままにしていても生育には大きな問題はありません。見た目が気になる場合は、花房の付け根から軽く切り取る程度で十分です。枝元から切るような強剪定は不要で、むしろ切りすぎないほうが自然な樹形を保てます。

Q4|肥料は必要ですか?

A|与えすぎないことが大切。控えめで十分です。

スキミアはもともと生育がゆっくりな植物。肥料を多く与えると、かえってバランスを崩すことがあります。

  • 鉢植え:春に緩効性肥料を少量
  • 地植え:基本的に不要(生育が悪い場合のみ少量)

「育てようとしすぎない」のが、上手に育てるコツです。

Q|ミカン科ですが、アゲハの幼虫はつきませんか?

A|ほとんど心配はいりません。

スキミアはミカン科の植物ですが、アゲハチョウが好んで産卵するミカン属(レモンやユズ、キンカンなど)とは異なるスキミア属です。また、葉が厚く硬く、香り成分も強いため、アゲハの幼虫にとっては食べにくい植物です。

そのため、園芸の現場ではスキミアにアゲハの幼虫がついたという例は非常に少なく、基本的には特別な対策をする必要はありません。虫が苦手な方でも、安心して庭や鉢植えに取り入れられる植物といえるでしょう。

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