別名は“クリスマスカクタス” 聖夜を彩る「シャコバサボテン」の意外な花言葉と育て方
Elena-Grishina/Shutterstock.com
冬の窓辺を彩る「シャコバサボテン」は、別名“クリスマスカクタス”とも呼ばれる聖夜にぴったりの花咲く植物です。しかしその華やかさの裏で、じつは「もつれやすい恋」や「つむじまがり」といった、少しドキッとする意外な花言葉も秘めています。この記事では、そんなユニークな豆知識から、毎年美しい花を咲かせるために欠かせない「秋の葉摘み」や「短日処理」といった育て方のコツまで、分かりやすく解説します。
目次
シャコバサボテンの基本情報

植物名:シャコバサボテン
学名:Schlumbergera(Zygocactus)
英名:Christmas cactus、Denmark cactus
和名:シャコバサボテン
その他の名前:クリスマスカクタス、デンマークカクタス、カニバサボテン
科名:サボテン科
属名:カニバサボテン属(シュルムベルゲラ属)
原産地:ブラジル南東部
形態:宿根草(多年草)
シャコバサボテンはサボテン科カニバサボテン属の一種で、学名をシュルンベルゲラ(Schlumbergera、またはジゴカクタスZygocactus)といいます。多年生の多肉植物(サボテン)で、原産地はブラジルをはじめとする南アメリカ大陸。「森林性サボテン」と呼ばれるタイプで、比較的標高の高い場所の樹木や岩場に着生して育ちます。自生地での草丈は15~40cm。冬に花を咲かせることからクリスマスカクタス、品種改良の盛んなヨーロッパから日本に入ってきたことからデンマークカクタスと呼ばれることもあります。分類上はサボテンですが、一般的にイメージされる乾燥地に生えているトゲトゲのサボテンとは生育環境が異なり、湿度が高く、遮光された環境を好みます。
シャコバサボテンが花開く様子。rusm/Shutterstock.com
シャコバサボテンの花や葉の特徴

園芸分類:草花、多肉植物
開花時期:11~3月
草丈:15~40cm
耐寒性:弱い
耐暑性:普通
花色:白、オレンジ、赤、ピンク、複色
シャコバサボテンはサボテンの一種ですが、その葉の形は平たく、茎の節ごとに一部が尖り、まるでシャコのハサミを連ねたような形をしています。似た仲間でカニバサボテンという種類もありますが、近年品種が交雑し、中間的な特徴を持つ交配種なども多く見受けられるようになりました。
シャコバサボテンの開花期は11~3月で、枝の先端に花をつけます。日が短くなるのを感じ取って花を咲かせる「短日植物(たんじつしょくぶつ)」なので、太陽の光が当たっている時間が短くなると花芽をつけ、冬になると華麗な花を咲かせます。
シャコバサボテンの名前の由来や花言葉

シャコバサボテンの名前の由来は、甲殻類のシャコです。突起のついた独特な茎の形がシャコに似ていることから、名付けられました。
学名のSchlumbergeraは、シャコバサボテンの発見者であるフランス人園芸家のシュルンベルガーが由来です。
また、クリスマスの季節に開花するため、英語圏では「クリスマス・カクタス(Christmas Cactus)」、「サンクスギビング・カクタス(Thanksgiving cactus)」などと呼ばれています。
シャコバサボテンの花言葉は「美しい眺め」「一時の美」など。茎が重なるようにして伸びることから「つむじまがり」「もつれやすい恋」などもあります。
シャコバサボテンの代表的な種類
シャコバサボテンは、美しい園芸品種も多く存在します。その中から代表的な品種を一部ご紹介します。
‘ダークマリー’
Schlumbergera ‘Dark Marie’

シャコバサボテンの代表的な品種です。草丈は高めで、大型の鉢植えが適しています。開花期には鮮やかな濃い赤色の花を咲かせるのが特徴です。
‘ゴールドチャーム’
Schlumbergera ‘Gold Charm’

‘ダークマリー’と同じく、シャコバサボテンの代表的な品種の1つです。薄黄色の可憐な花を咲かせます。大型で比較的育つのがゆっくりなので、じっくりと栽培を楽しみましょう。
‘スーパーケーニガー’
Schlumbergera ‘Super Koniger’

薄オレンジが華やかな、大型品種です。強く丈夫なので育てやすいのもポイント。‘ゴールドチャーム’と同じく、ゆっくりと育ちます。
‘エバ’
Schlumbergera truncata ‘Eve’

鮮やかなピンク色の花が目を引く品種です。葉は小さめで分枝が多く、たくさんの花を咲かせます。成熟は早め。小ぶりな鉢での栽培に適しています。
‘ホワイトクリスマス’
Schlumbergera truncata ‘White Christmas’

花弁の外側は白色、中心に向かうと薄ピンク色になる複色の花をつける品種です。カニサボテンとよく似た特徴を持ちます。ほかの品種に比べて遅咲きです。
‘コンペイトウ’
Schlumbergera ‘Konpeitou’
尖った花弁の先が砂糖菓子のコンペイトウによく似ている、ユニークな花が特徴の品種です。白、ピンク、赤など花色はさまざまで、生育の早さにも違いがあります。
‘チタホワイト’
Schlumbergera truncata ‘Tita White’

花弁の外側は白く、中心に向かうにつれてピンク色に染まる花色が特徴です。花つきがよく、分枝力も強い品種。愛知県の知多市で品種改良されたことが名前の由来です。
‘ピンクローズ’
Schlumbergera ‘Pink Rose’

ピンクに色づく華やかな花を咲かせる品種。比較的立ち上がった茎の先に花をつける姿も特徴の1つです。晩生なので、花が咲くまでの過程をじっくりと楽しめるでしょう。
シャコバサボテンの栽培12カ月カレンダー
開花期:11~3月
植え付け・植え替え:4月
肥料:3〜6月
挿し芽:4~7月
切り戻し:4月、9月
シャコバサボテンの栽培環境

日当たり・置き場所
シャコバサボテンは鉢植えでの栽培が基本です。春~初秋までは屋外の日当たりのよい場所に置いて、十分に日に当てましょう。
ただし、梅雨明け以降からは日差しが強すぎるので、直射日光を避けられる半日陰での管理がおすすめです。鉢植えの移動が難しい場合は、日除けなど日差しを遮るアイテムを活用しましょう。
秋以降は開花の時期です。シャコバサボテンは日照時間が短くなると花芽をつける性質があるので、秋以降は夜、明るい場所に置かないようにしましょう。夜も明るい環境だと、花がつきにくくなります。
明るさを調節することが難しい場合は、後で解説する短日処理を行いましょう。
耐寒性・耐暑性
シャコバサボテンは寒さにやや弱い植物です。寒すぎる環境では花芽がつかないこともあります。最低気温が10℃を下回る季節になったら、室内に移動し、5℃以上の室温で管理しましょう。
霜が下りる地域の場合は、霜がつかないよう、早めの移動がおすすめです。この際、暖房をきかせすぎると落花してしまうので注意が必要です。
シャコバサボテンの育て方のポイント

用土
用土は水はけと通気性のよいものを選びましょう。市販されているサボテンや多肉植物用の培養土、あるいはシャコバサボテン用の土を使うとよいでしょう。自分で用土を作る場合は、赤玉土と軽石を1:1で配合したところに、ピートモスやバーミキュライト、ゼオライトなどを混ぜるのがおすすめです。
水やり
自生地では木に着生して生きているので、根の周りに常に水がある状態でなくても生育します。葉にも水を蓄えているので、ある程度の乾燥には耐えることができるわけです。しかしながら、根の乾燥により生育が阻害されるとうまく吸水できず、葉が赤くなってきます。葉の色が変わってきたら水分不足の可能性があるので、日々の様子を観察しながら定期的な水やりを行いましょう。4~10月は用土の乾き具合を見て、土の表面が乾いたくらいで水やりを行います。秋になって気温が下がってきたら、水やりの頻度を減らしていきましょう。冬には室内に取り込みますが、室温が18℃以上あるようであれば、生育期同様に定期的な水やりをします。
肥料
春から夏の間は定期的に緩効性肥料を施し、併せて3~6月は液肥を与えておくと効果的です。夏以降の追肥は必要ありません。肥料は鉢栽培用、あるいは観葉植物用のものを選びましょう。肥料過多になると、肥料焼けを起こして根を傷めてしまうことがあるので、施肥をする際は規定量、あるいは規定量より少なめに与えて様子を見ましょう。
注意する病害虫
基本的に病害虫の心配はありませんが、梅雨時期にナメクジや毛虫が付いて、柔らかい部分の葉を食害されることがあります。害虫の活動する夜に見回りし、見つけ次第駆除しましょう。また見つからない場合は根元に潜んでいることもあるので、注意深く観察し、必要に応じて薬剤を散布しましょう。
シャコバサボテンの詳しい育て方

苗の選び方
シャコバサボテンの苗を選ぶ際は、茎や葉の状態をチェックしましょう。茎が太くしっかりとしていて、葉の色が濃いものがよい苗です。葉は肉厚でつややかだとなおよいでしょう。
植え付け・植え替え
植え付けや植え替えは、生育期である4~6月に行いましょう。大きくなるにつれて鉢内に根が張り、根詰まりを起こしてしまうので、1~3年に1回は植え替えをします。
花がら摘み
咲き終わった花を取り除く花がら摘みは、株の見栄えをよくして、株の消耗や病害虫を避けるために重要な作業です。開花期の間は、花がらをこまめに摘んであげましょう。
シャコバサボテンの花がらは、指でつまんでひねれば簡単に摘めます。つぼみに刺激を与えると落ちてしまうことがあるので、手が当たらないように注意しましょう。
葉摘み

シャコバサボテンの管理として大切なことの1つに「葉摘み」があります。ピンチや摘心ともいわれるこの作業は、草姿を整えるためと花を咲かせるために、春と秋の2回行います。
春の葉摘みは4月頃に行いましょう。冬越しをして樹形が崩れた株を整え、枝数を増やすため、上から見て円形に葉が整うよう、乱れた葉は先端から1〜3節を指で捻って摘み取ります。この摘み取った部分は挿し芽に用いることもできます。
秋の葉摘みは9月頃で、新芽を摘み取ります。シャコバサボテンは新芽には花芽が付かないという特徴があるため、すべての枝の成長を止めることで、花芽形成を促し、また花の咲く時期を揃えることができます。秋の葉摘みのポイントは、葉摘みの後は2週間ほど水やりを止め、その後に再開させること。こうすることで株を大きくする「栄養成長」がストップして子孫を残す「生殖成長」に切り替わり、花が咲きやすくなります。
短日処理
花芽を形成させるためには、10月以降に気温が20℃を下回ったら、日の当たる時間を12時間未満にする「短日処理」が大切になります。短日処理の際は、夜は電灯の光が当たらない場所で管理するか、夜を含めた12時間以上の間、段ボールで覆うなど、一定時間暗い環境にして、花芽を作らせます。室内のライトの明るさにも反応してしまうため注意が必要です。
増やし方

シャコバサボテンは種まきと挿し芽で増やせますが、一般的によく行われるのは挿し芽での増殖です。挿し芽の場合、1つの茎節からでも増やすことができますが、通常は活着後の生育の速度を上げるために2節ほど挿します。春に葉摘みをした際の茎節を2節挿すことで、効率よく増やすことができます。用土は、挿し木用のものや赤玉土にバーミキュライトを混ぜたものがよいでしょう。鉢を使う場合は、鉢の縁に沿って挿すことで、成長後も綺麗な株を作ることができます。挿した後は用土を乾かさないように管理しましょう。
シャコバサボテンの花をたくさん咲かせるには?

シャコバサボテンを増やすためには、一年を通してしっかりと管理することが大切です。春から夏にかけては日の光を十分に当てて、秋以降は先述の短日処理を行うなど、メリハリのある飼育を心がけましょう。
シャコバサボテンを上手に育ててクリスマスシーズンのインテリアに彩りを!

見事な花を咲かせるためには一年を通した管理が大切になりますが、その分整った姿で一斉に咲いたシャコバサボテンは、寒い冬を明るくしてくれることでしょう。また一年の栽培の成績表として開花という結果がついてくるため、とても育て甲斐のある植物です。自分の好みの花色を集め、色とりどりのシャコバサボテンで自宅を彩ってみませんか?
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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