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- リプサリスはグリーンインテリアにぴったり! 特徴や育て方を詳しく解説
リプサリスはサボテンの仲間で、細長い茎が枝垂れる様がユニークな植物。日陰でも育てることができるため、屋内で楽しむ観葉植物におすすめです。ここでは、リプサリスの基本情報や特徴、花言葉・名前の由来、代表的な品種、育て方について解説します。
目次
リプサリスの基本情報
植物名:リプサリス
学名:Rhipsalis
英名:Rhipsalis
和名:リプサリス
その他の名前:森林サボテン、ジャングルサボテン、イトアシ、マツカゼ
科名:サボテン科
属名:リプサリス属
原産地:熱帯アメリカ
分類:宿根草(多年草)
リプサリスはサボテン科リプサリス属の総称で、原産地は北米南部から南米の熱帯雨林地帯です。現地では日差しが穏やかな森の中で、岩や樹木に着生しています。そのため、これらのグループは森林サボテンといわれています。
リプサリスはサボテンの仲間でありながら日陰や水を好むため、直射日光を避けて観葉植物のように栽培するのに向いています。茎が枝垂れることから、ハンギングプランターなどに植えて吊したり、室内のさまざまな場所にレイアウトするのもおすすめ。暑さへの耐性は高いですが、冬場は10℃を下回らないように管理しましょう。
リプサリスの花や実の特徴
園芸分類:観葉植物、着生植物
開花時期:4〜6月
草丈:10〜100cm以上
耐寒性:弱い
耐暑性:普通
花色:白、黄、オレンジなど
リプサリスは細い茎を多方向へ伸ばしながら生育します。よくイメージされるサボテンとは異なり、鋭いトゲはありません。サボテンらしい花を咲かせますが、乾燥地域に生育するサボテンとは違い、花色は白やクリーム、黄、オレンジなど比較的地味な色味の品種が多いです。花後には多くは薄緑色の丸い実を付けます。
名前の由来や花言葉
リプサリス(Rhipsalis)の名前の由来は、ギリシャ語のrhips(枝編み細工)とされています。無数に茎が枝垂れ、細かく枝分かれした姿から、枝編み細工が想起されたのでしょうか。花言葉は「偉大」「燃える心」「温かい心」「枯れない愛」などがあります。
リプサリスの主な園芸品種
リプサリスは、細長い棒状の茎やへら状の茎など、種類によって姿はさまざまです。ここでは、リプサリスの代表的な種類をいくつかご紹介します。
カスッサ
リプサリスの中では比較的よく流通している種類です。細長く繊細な茎はよく分枝し、下垂します。そのためインテリアグリーンとして観賞する場合は、ハンギングプランターに植え込み、高い位置から吊すとよいでしょう。成長すると長さ1mほどにまでなりますが、定期的にトリミングをすることで自分の好みのサイズに調整できます。小さいながらも白や黄色の花をコンスタントに咲かせ、その後は実姿も楽しめます。
ケレウスクラ
たくさんの節が連なったような茎が、枝分かれしながらどんどん伸びます。節は長かったり短かったり、そのときの環境で変わります。細かい産毛のようなトゲがありますが、刺さることはありません。ハンギングでの栽培もできますし、卓上サイズの鉢でも育てることができます。暖かくなると小さな白い花を咲かせます。
ラムローサ
ラムローサは、リプサリス属の近縁種であるプセウドリプサリス属に含まれます。シャコバサボテンのような見た目で、葉の幅が広く、伸びて枝垂れるのが特徴です。日当たりのよい場所で管理したり、水切れしたりすると葉が赤くなります。株が充実すると、春に白からピンクの花を咲かせ、その後丸い実を付けます。
フロストシュガー
姿はカスッサに似ていますが、茎の表面が細かいトゲに覆われ白く見えるのが特徴です。このトゲは柔らかく、刺さる心配はありませんが、取れやすいので注意が必要です。花は白ですが、実はピンク色です。
ヘテロクラダ
茎は円柱状でカスッサなどに似ていますが、本種はよりしっかりとした印象。よく分枝し、成長とともにボリュームのある姿となります。草丈を調整し、卓上の鉢に植えてもいいですし、伸ばしてハンギングで飾るのも素敵です。
リプサリスの栽培12カ月カレンダー
開花時期:4〜6月
植え付け・植え替え:4〜6月、9~10月
肥料:4〜6月、9~10月
リプサリスの栽培環境
日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】春~秋にかけては屋外で管理できますが、移動ができるよう、鉢植えで栽培するのが基本です。強い直射日光が当たると葉焼けするので、夏は遮光するか木陰など明るい日陰に移動しましょう。耐寒性が弱いので、10℃以下になる冬は屋内に取り込みます。
【日当たり/屋内】インドアグリーンとして通年室内で管理できます。直射日光の当たらない明るい日陰や、レースのカーテン越しの光を好みます。
【置き場所】枝垂れるように育つ品種は、ハンギングできる鉢に植え替え、天井などから吊すとよいでしょう。室内の明るい場所で管理し、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
耐寒性・耐暑性
リプサリスは森林サボテンともいわれているように、森の中の樹木や岩場など、日照も穏やかで、湿度も比較的高い環境に自生しています。品種によっては5℃程度まで耐えますが、一般には耐寒性が弱いため、10℃を下回らないように管理します。耐暑性はありますが、40℃近いような酷暑は苦手で、また直射日光が当たると株が傷むので、夏は遮光するか明るい日陰に移動するとよいでしょう。
リプサリスの育て方のポイント
用土
保水性と水はけのよい用土で育てます。市販のサボテンの土や、赤玉土小粒4、鹿沼土小粒4、日向土小粒2の割合で配合したものがよいでしょう。
水やり
やや乾燥気味に管理し、春と秋の成長期は土の表面が乾いてから4~5日後にたっぷりと与えてください。夏は成長が鈍化し、過湿による根腐れの心配もあるため、2週間~1カ月に1度程度水やりします。冬は基本的には断水し、萎れてきた場合などは、日中の暖かいときに少量の水やりを行うか、霧吹きで葉水を与えて様子を見ましょう。
肥料
肥料は成長期の4~6月と9~10月の2回、緩効性肥料を与えるとよいでしょう。
注意すべき病害虫
【病気】
注意すべき病気は特にありません。
【害虫】
茎が込み合って風通しが悪くなると、カイガラムシやハダニ、アブラムシが発生することがあります。ハダニやカイガラムシについては、裏側や株元など気付きにくいところに発生するためこまめに確認し、予防として葉裏への葉水や薬剤散布が効果的です。アブラムシについては新芽の部分に発生することが多く、こまめな観察が大切です。見つけ次第駆除しましょう。大量に発生してしまった場合は、薬剤散布が有効です。
リプサリスの詳しい育て方
苗の選び方
カイガラムシやハダニの被害がなく、張りがあるものを選びましょう。
植え付け・植え替え
植え付けの適期は4~6月、9~10月の成長期です。鉢植えで栽培するため、根の回り方を確認し、1~2年に1回は植え替えを行いましょう。株を大きくしたい場合は、土を軽く落として一回り大きな鉢に植え替えます。鉢増しをしたくない場合は、根を1/3~1/2程度整理し、新しい用土を使って同じ鉢に植え戻します。
日常のお手入れ
株の枝数が多くなり、込み合って風通しが悪くなると、蒸れにより弱ったり、病気になることがあります。気温が高くなる前に、密集している部分を間引いたり剪定をして、風通しを確保しましょう。剪定する際は、茎のどの部分からでも芽が出るので、切る場所はあまり気にせず、全体のバランスを見て適度に切り戻しを行いましょう。
増やし方
リプサリスは挿し芽で容易に増やすことができます。挿し芽の適期は4~6月、9~10月の成長期です。茎を5~10cmほどの長さに切り、日陰に置いて切り口をよく乾燥させてから、挿し芽用の土に挿します。発根するまで日陰で管理し、発根を確認できたら植え替えを行います。植え替え後に、たっぷり水を与えましょう。
リプサリスがしわしわになる? 対処法は?
リプサリスは茎にしわが寄ることがあります。その主な原因としては根が傷んでいたり、用土の乾燥が続くなどして、水分がしっかり吸水できていないことが挙げられます。そのまま放置すると手遅れになってしまう場合もあるため、用土を確認してカラカラの状況であれば、水をたっぷり与えましょう。水分を吸水すると、徐々に回復します。
用土が湿っているにもかかわらず、しわが戻らない場合は、根腐れの可能性があります。その場合の対処法として、まず株を土から抜いて根を観察しましょう。色が悪く、触ったときにぽろぽろと根が落ちてしまう状態であれば、一度土と傷んだ根を取り除き、乾かします。根腐れが進んでいないようなら、再度植え付けて発根を待ちましょう。根腐れが進行している場合は、挿し芽にして株を作り直すこともできます。
リプサリスを飾ってインテリアのアクセントに加えよう
リプサリスはハンギングにして自由な場所に飾ることができ、また開花や実も楽しむことができることから、インドアグリーンとして人気上昇中。室内栽培も簡単で、ビギナーにも育てやすいのも魅力です。空間の余白にさまざまなリプサリスをハンギングして、インテリアのイメージを変えてみてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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