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実家の「庭じまい」から命を繋ぐ。思い出の植物をベランダで引き継ぐ「挿し木」&目隠しアイテムの活用
実家の「庭じまい」をきっかけに始まった、フラワー&フォトスタイリスト・海野美規さんのベランダガーデニング。愛犬あんと快適に過ごせる空間を目指して、日々作業が進行中です。
今回は景観が気になる網入りガラスの目隠しに、折りたたみ式の伸縮ラティスを設置した実体験をレポート。さらに、梅雨のベストシーズンを迎えたアジサイやアメリカノリノキ‘アナベル’の「絶対失敗したくない挿し木」にも挑戦! マンションならではの安全ルールや、初心者でも簡単にできる挿し木のポイントまで、エピソードとともにご紹介します。
目次
ベランダガーデンの成長

実家の庭を「庭じまい」してスタートした、我が家のベランダガーデン。梅雨の合間の晴れ間に、なんと! アメリカノリノキ‘アナベル’が小さなつぼみをつけました。今年は花を見るのは無理かなと諦めかけていたからこそ、その初々しい姿は、私にとって小さいけれど嬉しいサプライズとなりました。

そんな喜びと同時に、少しずつ本格化してきたのがベランダの環境づくりです。「愛犬あんと過ごす、緑いっぱいのベランダリビング」を目指して、今回、ついに理想のアイテムを迎え入れることにしました。
我が家のベランダの手すりは、網入りガラスパネルタイプの手すり。これが景観としてはちょっと気になっていたので、ここをなんとかしたいと思っていました。

そこで、取り付けが難しい我が家の環境でも安心して使える、置き型の伸縮式ラティスを取り入れることに。すてきなベランダガーデンに欠かせないラティスとして、理想のスタイルを見つけました。
※マンションによっては、ラティス等の使用が制限されているところもあります。お住まいのマンションの規約(高層階の危険物設置ルール等)をご確認の上でお試しください。
選んだのは伸縮ラティス

ラティスを購入したのは、「青山ガーデン」の通販サイト。豊富なタイプ、サイズ、色が揃い、最適なラティスを選ぶことができました。
今回選んだ伸縮ラティスの最大の魅力は、その機能性にあります。雨の日や風の強い日はもちろん、台風などの荒天時には簡単に畳んで部屋の中へ避難させることができます。これで高層階のベランダでも心置きなく設置できます。必要な時に広げ、不要な時はコンパクトに。そんな取り外し自由自在な使い勝手のよさは、ベランダを自分らしく育てるための頼もしいパートナーになりそうです。



色は、これから育てていく植物や私の相棒あんの毛並みにも馴染む、落ち着いたダークブラウン。
限られた空間をどう仕切り、どう彩るか。 最適ラティスを選ぶ過程は、やっぱり楽しい!
さあ、ここから私のベランダコーディネート、本格始動です。

ベランダの安全対策

ベランダという限られた空間を心地よい「庭」にするために、何よりも大切なのが安全対策です。安心して楽しむために、次のことを自分の中でのルールにしていきたいと思います。
まずは何より「落下防止」と「飛散防止」です。
高層階の風は想像以上に強く、鉢が吹き飛ばされたり、植物の葉や土が下の階や隣へ飛散したりすることは絶対に避けなければなりません。そのために、まずはベランダの柵から鉢やつるがはみ出さないことを徹底し、植物が隣や上の階に無断で侵入しないよう、こまめな剪定と誘引を心がけなければいけません。
同時に、「非常避難導線の確保」も必須。ラティスや棚、ワゴン、植木鉢などを設置する際は、避難ハッチや避難口を塞がない位置に置くように注意が必要です。
また、「重量」と「排水」も重要です。マンションのベランダには耐荷重制限がある場合があります。大きな植物や鉢、数にも気をつけます。排水溝を土や落ち葉で塞がないよう、掃除を欠かさないことも大切な日課です。
そして、マンション暮らしならではの悩みが「虫」対策。風通しをよくして清潔な環境を保つことで、虫がつきにくいベランダを目指しましょう。
これらのルールを守るためには、まずは、手に負えるくらいの小さなスペースから始めるのがよいのかなと考えています。
‘アナベル’からの小さな贈り物

先月お話しした、庭から移植したアメリカノリノキ‘アナベル’の根っこ。あの小さな塊から芽が吹き出した時は驚きましたが、今では背丈も50cmほどになり、毎日見違えるような勢いで成長しています。
そして何よりの喜びは、小さなつぼみをつけてくれたこと。たったの一輪なのですが、今はそのつぼみが徐々に開き、初々しくも美しい姿で私を毎日楽しませてくれています。この小さな‘アナベル’がこれからしばらくの間、ベランダの主役として心に安らぎを届けてくれると思うと、顔がほころんでしまいます。

じつは、この‘アナベル’の鉢にはもう一人の「同居人」がいるんです。それは、元気に育っているシソ。‘アナベル’の隣でシソも負けじともりもり茂り、鉢の中はまさに小さなジャングルのような賑わいです。
‘アナベル’の清らかな白と、シソの力強い緑。 小さな鉢の中で繰り広げられる、静かで豊かな共生関係。そんな生命の営みを間近で見られるのも、ベランダならではおもしろさですね。

庭の記憶を連れて〈移植第2弾〉
先日、かつての庭を訪れてみました。庭では、今もアナベルやアジサイ、クレマチス、ユリ、クチナシたちが変わらぬ季節を迎え、美しく咲き誇っていました。あの庭との別れは寂しいものでしたが、その記憶を絶やしたくないという思いから、先日「移植第2弾」として、今度は挿し木をすることにしました。

挿し穂にするため、思い出の詰まった枝を、数本ずつカットしてきました。そしてベランダで再び命を繋いでいきます。今回の挿し木のラインナップは、かつての庭を彩っていた愛着ある植物たちです。
- アメリカノリノキ‘アナベル’
- アジサイ・ガクアジサイ・ヤマアジサイ
- クレマチス
- クチナシ
これら一つひとつを丁寧に挿し木し、このベランダガーデンで「庭の復活」を果たすのが、私の今の計画です。かつての庭の記憶を宿した小さな枝たちが、この新しい場所で根付き、葉を茂らせていく過程を、これからも大切に見守っていきたいと思います。
梅雨は挿し木のベストシーズン
6月から7月にかけては、気温と湿度が挿し木にとってのベストシーズン。植物のエネルギーが満ち溢れるこの時期こそ、挑戦に最適なタイミングです。
これまでは、庭で剪定した枝を「なんとなく」土に挿すという完全な自己流で楽しんでいました。もちろん、自己流もガーデニングの醍醐味ではあるのですが、かつての庭から譲り受けた大切な植物たち。今回は「絶対に失敗したくない!」という強い想いから、基礎からしっかりとしたやり方を勉強して挑戦してみることにしました。
いざ! 挿し木を実践
植物は、きちんと向き合えば、きっと応えてくれるはず。そんな願いを込めて、今回は準備から慎重に進めています。
【用意するもの】

- 挿し木用の土:肥料分が含まれておらず、清潔で水はけのよい「挿し木専用の土」を用意しました。根が出るまでは、この環境が一番安心。
- プラスチックのカップ:底にいくつか穴をあけ、水はけを確認したものを使用。透明なカップだと、根が伸びていく様子を観察できるので、根の様子が気になる私のような人にはいいですね。
【挿し木の方法】
1. 枝の剪定
挿し木する植物の元気な枝を選び、2節つくようにカット。数枚の葉を残し、切り口が斜めになるように茎を切ります。残した葉は、葉からの蒸散を抑えるために半分〜1/3程度にカットしましょう。

2. 水揚げ
切り口を1〜2時間ほど水に浸し、しっかりと水分を吸わせます。
3. 土の準備
準備したカップに土を入れ、水をかけてしっかり湿らせます。

4. 土に挿す
割り箸などで穴をあけてから、枝を優しく挿し込みます。たくさんの枝が残った場合は、植木鉢の挿し床バージョンも。


5. 環境づくり
直射日光を避け、風通しのよい明るい日陰に置きます。土が乾かないよう、毎日の水やりを欠かさないよう気をつけます。

かつて庭を彩っていたあの植物たちが、このカップの中で新しい根を伸ばし、やがてベランダの主役となっていく……。そうなればいいな、と思いながら、カップを毎日覗き込んでいます。

Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。
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