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都立公園を新たな花の魅力で彩る画期的コンテスト「第4回 東京パークガーデンアワード」夢の島公園【3月開花スタート】

都立公園を新たな花の魅力で彩る画期的コンテスト「第4回 東京パークガーデンアワード」夢の島公園【3月開花スタート】

新しい発想を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第4回コンテストが、都立夢の島公園(東京都江東区)を舞台に、スタートしています。2026年2月、5人の入賞者による庭づくりが完了して3カ月が経過。11月のファイナル審査まで、1年かけて行われるコンテストの、月々のガーデンの様子をレポートします。

第4回コンテスト会場は「都立夢の島公園」

ユーカリやデイゴ、ヤシなどの熱帯・亜熱帯植物が茂る緑豊かな都立夢の島公園。コンテストガーデンの並びには、熱帯植物館も隣接。

2022年に代々木公園から始まった「東京パークガーデンアワード」。第2回の神代植物公園、第3回の砧公園に続き、4回目の舞台となる「夢の島公園」は、運河に囲まれた人工島の中にある都立公園です。園内には、熱帯植物館やスポーツ施設、マリーナ、広大な芝生広場があり、都心からもアクセスしやすい人気のスポット。この海辺の公園で、コンテストが繰り広げられます。

第4回のテーマは「海辺のサステナブルガーデン」

今回ガーデンが設けられるエリアは、『夢の島熱帯植物館』西側のグリーンパークの一画で、公園のシンボルであるユーカリの樹林地に面しています。広がる波をイメージした2本のウェーブガーデン(約24㎡)に、海辺の環境に適した宿根草を植栽。背景のユーカリとも調和する、ロングライフ・ローメンテナンスなガーデンが制作されます。2025年12月、土壌改良から作庭が行われ、11月の最終審査を迎えるまで、必要に応じてメンテナンスを実施。近年の激しい気候変動、とくに厳しい酷暑への対応も重要な課題です。3回の審査を経てグランプリが決定するまで、5名の入賞者はさまざまな予測を立てながら庭と向き合っていくことになります。

第4回のコンテストガーデン

コンテストガーデンが設けられた敷地の平面図。A〜Eの各面積は約24㎡ 。どのエリアでガーデンを制作するかは、2025年10月に抽選で決定。
各コンテストガーデンは、波打つ曲線で縁取られた高さ15㎝ほどの木枠の中に作られました。3月の様子。

公園内の通路に沿って2対1組のウェーブガーデンが5つ並んでいます。常緑のユーカリを背景に、通路からコンテストエリア全体を眺めたり、2対のウェーブガーデンの間の通路を歩きながら、AからEへと移り変わる景色を楽しめるのも魅力。植物をすぐそばに感じられる、心地よい空間です。

写真左手前の西から東に向けて、A・B・C・D・Eの順にガーデンが並ぶ、3月の様子。右奥に見えるガラス張りの温室は、夢の島熱帯植物館。
2025年12月に行われた作庭時、ガーデン制作に関わった皆さん。

【第4回 東京パークガーデンアワード in 夢の島公園 最終審査までのスケジュール】

コンテストに挑戦する5名の入賞者が1年を通してガーデン制作に挑む「東京パークガーデンアワード」。2025年12月中旬に、それぞれの区画で作庭が完了しました。その後、4月は春の見頃を迎えた観賞性を審査する『ショーアップ審査』、7月は梅雨を経て猛暑に向けた植栽と耐久性を審査する『サステナブル審査』、11月は秋の見頃の観賞性と年間の管理状況を審査する『ファイナル審査』が行われ、グランプリが決定します。

【審査基準】公園の景観と調和していること/公園利用者の関心を得られる工夫があること/公園利用者が心地よく感じられること/植物が会場の環境に適応していること/造園技術が高いこと/四季の変化に対応した植物(宿根草など)選びができていること/「持続可能なガーデン」への配慮がなされていること /メンテナンスがしやすいこと/テーマに即しており、デザイナー独自の提案ができていること/総合評価  ※各審査は別途定める規定に従い、審査委員による採点と協議により行われます。

全国から選ばれた入賞者5名のガーデンコンセプトと月々の様子

コンテストのテーマとルールをふまえて制作される5つのガーデン。それぞれのガーデナーが目指す庭を、作者の制作意図や図面、植物リストの一部を紹介しながら、月々の様子を撮影した写真とともにお伝えします。

Pick up 月々の植物の様子

3月の植物の様子

ミニアイリス‘ペインテッドレディ’(Aエリア)、シラー‘ミスクトスケンコアナ’(Aエリア)、ムスカリ‘アズレウム’(Aエリア)、クロッカス‘ロマンス’(Aエリア)

グレビレア・プーリンダイルミナ(Bエリア)、ユーフォルビア・ウルフェニー(Bエリア)、チューリップ・ヒルデ(Bエリア)、アルメリア‘モーニングスターディープピンク’ (Eエリア)

コンテストガーデンA
花の巡り、風と大地の詩

松田 恵

松田 恵

(東京都)

広告代理店、生命保険会社勤務を経て、9年間の専業主婦期間中に地域の緑化活動に関心を持つ。2015年よりマンション内の緑化クラブやボランティアサークルでガーデニング活動を開始。翌2016年、恵泉女子大学公開講座「ガーデナー入門実践編」修了。以降、公共空間での植栽管理や講座助手として活動を続け、自然と共生する都市の緑のあり方を探求している。

【作品のテーマ・制作意図】

海辺という特有の環境に調和しながら、自然の力を活かした設計によって、サステナブルな公共空間のあり方を提案します。風が通り抜け、植物が揺れ、大地がそれを支える——この空間では、自然の要素が互いに響き合いながら機能します。植栽には、乾燥や高温に強く、施肥を行わずとも育つ植物を選定。水やりやメンテナンスを最小限に抑えることで、環境負荷を軽減しながら、美しさと生態系の豊かさを両立する構成としました。また、宿根草とグラス類を中心に、こぼれ種によって自発的に広がる植物を組み合わせることで、季節や年月の変化に応じて風景が移ろい、訪れるたびに異なる表情を見せるよう工夫しています。風に反応する草姿や色彩の変化は、来訪者の感覚に静かに働きかけ、風・植物・大地の関係性を通じて、自然との関わりを見つめ直す場となることを目指しています。

【主な植物リスト】

宿根草:フロックス‘ムーディーブルー’/ゲラニウム‘サバニブルー’/アスフォデリネ・ルテア/ダイアンサス・カルスシアノルム/ゴリオリモン・コリナム‘シースプレイ’/エキナセア・テネシーエンシス/ユーコミス‘ビッグボーイ’/エリンジューム・パリフォリウム/バーノニア・レターマニー/スクテラリア・インカナ/アスター‘アンレイズ’
グラス類:フェスツカ‘エリアブルー’/ブリザ・メディア‘ラッセルズ’/スティパ・イチュー/エラグロスティス・トリコデス/ペニセタム・マクロウルム/アンドロポゴン・テルナリウス/ミューレンベルギア・カピラリス・アルバ
球根:スイセン‘ペーパーホワイト’/ミニアイリス‘ペインテッドレディ’/クロッカス‘ロマンス’/ミニチューリップ‘ヒルデ’/ダッチアイリス‘シンフォニー’/カマシア・クシッキー/アリウム・シルバースプリング/アリウム‘ピンボールウィザード’/ガルトニア・カンディカンス/リコリス・サンギネア

コンテストガーデンA 月々の変化

3月の様子

ミニアイリス‘ペインテッドレディ’、シラー‘ミスクトスケンコアナ’、クロッカス‘ロマンス’など、可憐な小球根が次々に開花し、早春ならではの愛らしい風景が広がっています。小球根のかたわらでは、盛りを迎えたユーフォルビア・ウェルフェニーが小さな花々を見守るようにやさしく佇み、庭の表情をいっそう豊かにしてくれています。先月中旬から咲いているミニアイリスはそろそろ見頃の終盤に差しかかり、これからは白いスイセンへと、開花のバトンが引き継がれていきます。

【写真中の主な植物】上左/ユーフォルビア・ウルフェニー、ミニアイリス‘キャサリンホジキン’、シラー‘ミスクトスケンコアナ’、クロッカス‘ロマンス’ほか 上右/シラー‘ミスクトスケンコアナ’、クロッカス‘ロマンス’、ムスカリ‘アズレウム’ほか 下左/スイセン‘ペーパーホワイト’、クロッカス‘ロマンス’、ギリア‘レプタンサ’、フェスツカ‘アメジスティナ’ほか 下右/アスフォデリネ・ルテア、カマッシア‘クシキー’

2月の様子

まだ寒々しさの残るガーデンの中で、チューリップやスイセン、クロッカスの芽が、艶やかな緑の彩りを添えています。成長前のグラス類やロゼット状の植物などが休眠している姿には、地味ながらも、どこか味わいが感じられます。

【写真中の主な植物】上左/ユーフォルビア・ウルフェニー、ペニセタム・マクロウルム、フェスツカ‘エリジャブルー’ほか 上右/エリンジウム・バリフォリウム、ダイアンサス・カルスシアノルム 下左/エラグロスティス・トリコデス、アリウム‘丹頂’ほか 下右/フェスツカ・アメジスティナ、ダッチアイリス‘シンフォニー’、ミニチューリップ‘ヒルデ’、アリウム‘シルバースプリング’ほか

1月の様子

どことなく荒涼とした雰囲気が漂うこの時期。植え付け時から数輪の白花をつけているスキゾスティリス・コッキネア‘シルキーピンク’が、冬の日差しを受けて、ぽつんと一点、輝きを放っています。ほかにもミニスイセンや球根の芽吹きがところどころに見られ、まだ遠いながらも、春の訪れをほんのりと感じさせてくれます。

【写真中の主な植物】上左/スキゾスティリス・コッキネア‘シルキーピンク’、ユーフォルビア・ウルフェニー、ジャーマンアイリスほか 上右/アスフォデリネ・ルテア 下左/アリウム ‘シルバースプリング’ 下右/スイセン‘初雪’、アガパンサス‘ゲッティホワイト’ほか

12月の様子

コンテストガーデンA『花の巡り、風と大地の詩』12月中旬、作庭後の様子。

コンテストガーデンB
潮風に揺れるプレイフルガーデン
-Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze- 

MOTe. (モト) 茂木大樹

MOTe. (モト) 茂木大樹

(東京都)

早稲田大学理工学術院建築学専攻卒業。在学中、École nationale supérieure darchitecture de Grenoble(フランス)留学。卒業後は、東日本大震災被災地・福島県にて、NPOや大学研究施設で復興に関わる調査研究と実践に携った後、建築設計・造園事務所で実務を経験。現在は、建築・インテリア・ランドスケープを横断的に扱うデザイン事務所MOTe. を運営し、企業や個人、建築設計者と協働して、建築やランドスケープの企画・設計・意匠監修業務に携わっている。用途や規模を問わず、建築、内装から外構植栽、マテリアルまでを一体的に捉えた空間デザインを行っている。

【作品のテーマ・制作意図】

■ユーカリ樹林や公園風景を主役にする庭 ―夢の島公園の景観と調和した植物選び―
・公園の象徴であるユーカリ林を主役に、遠くからは樹林の前景として眺める花壇、入り込めばユーカリの壁を借景に、緑に包まれる植栽空間を創出。背後の樹林と庭の植栽がつながるよう視線の抜けや緑の連続感を意識し、園全体との一体感を演出します。
・バンクシア、カリステモン、ハマゴウやメリアンサスなど、海辺の環境に耐えながら、豪州庭園を有する公園の既存植生や景観、海風の雰囲気に馴染む庭景を演出します。
・冬季に訪れる来園者にも配慮し、花後も景観を彩るグラスや常緑樹、カラーリーフ類を混植し、季節ごとに表情が変わり、秋冬も映えるガーデンとします。

■公園遊具・風景のきっかけとしての庭―利用者の関心を引き、居心地を生む仕掛け―
・子ども用遊具が少ない園内に、アスレチックや回遊ごっこを誘発する植栽空間を提案します。地面のウェーブ(アンジュレーション)と植栽の高低差で、歩くたびに景色が見え隠れする立体的な庭を演出し、眺めても歩いても楽しめる空間とします。
・大人の見守りの視線は通しつつ、子どもにとっては草花のトンネルのように感じられる空間体験を演出します。園路沿いベンチを起点に、子どもの好奇心を植物へ導き、自然への関心を育む場とし、二列花壇の適所に通り抜けポイントを設けることで、アクセス性と回遊性を高めます。

【主な植物リスト】

宿根草:ユーフォルビア・ウルフェニー/ユーフォルビア・セギリアナ/トリトマ‘グリーンシェイド’/モナルダ・フィッツローザ/エキナセア‘ミニベル’/エキナセア・パリダ/シシリンチウム・ストリアタム/スターチス・ラティフォリウム/ホソバチョウジソウ/オレガノ‘マルゲリータ’/アキレア‘マシュマロ’
グラス類:パンクスグラス‘プミラロゼア’/ミューレンベルギア・リンドハイメリ/ペニセタム・アロペクロイデス/カレックス‘フェニックスグリーン’/カレックス・フラッカ
低木:カリステモン・ドーソンリバー/コースト・バンクシア/グレビレア‘プーリンダ・イルミナ’/グレビレア ・ジョンエバンス/グレビレア‘ドーン・パープル’/メラレウカ‘タイムハニーマータル’/ハマゴウ‘プルプレア’/ギョリュウバイ‘ナニューム・ルブルム’
球根: チューリップ・トルケスタニカ/チューリップ‘シルビア’/チューリップ‘ヒルデ’/チューリップ・タルダ‘インタラクション’/チューリップ・クレティカ‘パニア’/チューリップ・マーラ/チューリップ‘ビオレッタ’/カマッシア‘カエルレア’/カマッシア‘アルバ’

コンテストガーデンB 月々の変化

3月の様子

当初から低木などで立体的にデザインされていたガーデンですが、そこに瑞々しい葉を伸ばす宿根草や、グレビレアの赤い花といった彩りが加わり、少しずつにぎわいを見せ始めています。なだらかな斜面の陽だまりでは、原種チューリップ・ヒルデの第一号が開花。冬の終わりにカットバックしたグラス類は、古葉の塊の中から幾本もの新芽を伸ばし始めています。

【写真中の主な植物】上左/グレビレア・プーリンダイルミナ、ウエストリンギア‘スモーキー’、メリアンサス・マヨールほか 上右/チューリップ・ヒルデ、ジギタリス‘クリームベル’ほか 下左/ユーフォルビア・ウルフェニー、コーストバンクシアほか 下右/チューリップ‘シルビア’、ダイアンサス・カルシアノルム、アルテミシア‘モリスストレイン’ほか

2月の様子

パンパスグラスの枯葉がバッサリと刈り込まれ、すっきりとした姿に。切り口のフォルムもユニークです。ユーフォルビアは茎を伸ばし、うなだれながらも花穂をつける準備を始めています。また、数種の原種系チューリップが愛らしい芽を出し始めました。

【写真中の主な植物】上左/オレガノ‘マルゲリータ’、メリアンサス・マヨールほか 上右/ユーフォルビア・ウルフェニーほか 下左/チューリップ・ヒルデほか 下右/チューリップ・シルビアほか

1月の様子

常緑の植物を多く取り入れているこのガーデンでは、真冬でもグリーンのにぎやかなグラデーションを楽しむことができます。マルチングの色とのコントラストも美しく、寒さにあたって赤みを帯びた葉や、やや退色した緑など、この時期ならではの葉色が、植栽全体の表情を豊かに演出しています。

【写真中の主な植物】上左/ウエストリンギア‘スモーキー’、メリアンサス・マヨール、グレビレア‘プーリンダ・イルミナ’ほか 上右/ジギタリス‘クリームベル’、オレガノ‘マルゲリータ’、ヒルベリーほか 下左/アガパンサス‘ファイアーワークス’ 、ユーフォルビア・ウルフェニーほか 下右/矮性パンパスグラス、メリアンサス・マヨールほか 

12月の様子

コンテストガーデンB『潮風に揺れるプレイフルガーデン -Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze-』12月中旬、作庭後の様子。

コンテストガーデンC
Stewardship Garden:The Way

ぐりんぐりん 横田拓伸

ぐりんぐりん 横田拓伸

(東京都)

高等学校卒業後、アメリカで映画を学び、帰国後に俳優・モデルとして活動。海外公演も経験したのち、35歳で伝統工芸師に転身。その後、39歳で造園の世界へ。1年後には英国チェルシーフラワーショーに参画し、独立。『造園会社ぐりんぐりん』を立ち上げ、『世界を熱烈にハッピーにする!』を使命に、個人邸を中心とした庭づくりを続けている。

【作品のテーマ・制作意図】

この庭は、まるで人の一生を映し出すかのような場所。最初は何も育たない砂地が、植物や小さな生き物たちのチカラ、そしてそこに暮らす人々の手によって、ゆっくりと豊かな土壌へと育っていく。それはまるで、子供が成長して大人になり、やがて成熟世代へと人生を重ねていく時間の流れと、重なり合っているかのよう。子供たちは砂のような柔らかな心で庭と遊び、自然からたくさんのことを学ぶ。大人になれば、その庭は家族や友人と収穫や語らいを楽しむ場所になり、成熟世代になれば、その成長した庭を眺めながら穏やかな、心豊かな時を過ごす。この庭は自然と人が共に成長し、砂が子供、豊かな土壌が大人へと成熟していくように、自然の再生と成熟への時、人生の旅路を映す『道』を示している。

【主な植物リスト】

宿根草:ユーパトリウム/トリトマ/ヘリオプシス/オミナエシ/オトコエシ/ペンテスモン/エキナセア/ベロニカなど
グラス類:カールフォスター/ミスカンサス/ディプカンシア/カレックス/モリニア/コメガヤなど
球根:アリウム/スイセン/ダッチアイリス/フリチラリア/カマシア/オダマキ/ラナンキュラス・ラックス/ゲイソリザ/ツベロサム/シラーなど

コンテストガーデンC 月々の変化

3月の様子

ガーデンの中でもひときわ青々と成長している数株のラナンキュラス・ラックスが、いよいよ花芽を上げ始めました。クルミの殻を押し上げて芽を出した球根の中には、殻を帽子のように載せたまま葉を伸ばしているものもあり、どことなくメルヘンな雰囲気を漂わせています。また、堆肥でカバーしたエリアでは球根の成長が力強く進む一方、両端の砂のエリアの成長は穏やか。さまざまな芽吹きが庭全体に豊かな表情をもたらしています。

【写真中の主な植物】上左/ラナンキュラス・ラックス‘サティロス’、アキレア‘テラコッタ’、ディスカンプシア・パラダほか 上右/ラナンキュラス・ラックス‘ミネルバ’、ペンステモン‘ハスカーレッド’ 下左/アリウム・シューベルティ、アリウム・コワニー、アリウム‘レッドモヒカン’ 下右/カマッシア‘アルバ’、ムスカリ‘ダブルマジック’ほか

2月の様子

3種類のマルチングを施した個性的なガーデンには、オーナメンタルな株姿のカレックス‘プレーリーファイアー’や銅葉のペンステモン‘ハスカーレッド’がよく似合います。先月から芽吹いていたアリウム‘レッドモヒカン’に続き、アリウム・コワニーやアリウム・シューベルティも芽を出し始めました。

上左/ペンステモン‘ハスカーレッド’、オダマキほか 上右/カレックス‘プレーリーファイアー’ 下左/ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’、アリウム‘レッドモヒカン’、アリウム・コワニーほか 下右/アリウム・シューベルティ

1月の様子

あちこちに植えられたラナンキュラス・ラックスの青々とした葉が、どことなく寂しい冬の植栽にやわらかな彩りを添えています。植物がまだ小ぶりなこの時期は、3種類のマルチング(バークチップ、クルミの殻、洗い砂)の遊び心がいっそう際立ち、デザイナーのこだわりを感じさせます。

【写真中の主な植物】上左/カラマグロスティス・ブラキトリカ、ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’、セダム‘マトロナ’ほか 上右/カラマグロスティス・ブラキトリカ、ペンステモン‘ハスカーレッド’、ほか 下左/カレックス‘プレーリーファイアー’、ラナンキュラス・ラックス‘アリアドネ’、ペンステモン‘ハスカーレッド’ほか 下右/カラマグロスティス‘カールフォスター’、ベロニカ‘フェアリーテイル’、ペンステモン‘ハスカーレッド’ほか

12月の様子

コンテストガーデンC『Stewardship Garden:The Way』12月中旬、作庭後の様子。

コンテストガーデンD
SurFIVE Garden

PICNIC garden design 河野友香

PICNIC garden design 河野友香

(栃木県)

大学卒業後、エクステリアとガーデンの専門学校で学び、造園会社で経験を積み独立。庭で過ごすことの楽しさ、豊かさを伝えるために活動中。ローメンテナンスで心地よく、“センス・オブ・ワンダー”を感じられる庭づくりを通して、自然と人が穏やかに寄り添う空間を提案している。

【作品のテーマ・制作意図】

夏の猛暑や乾燥といった「過酷な環境を生き延びる力強さ(Survive)」×「海の波や生命のうねりを感じさせる (Surf)」を掛け、その植物のパワーが波のように広がり未来へとつながっていくイメージと、五感を刺激する植物の組み合わせを『SurFIVE』という言葉で表現しています。またガーデンのテーマカラーとしてオレンジの花色の植物を多く取り入れ、親しみやすさや太陽のもとで元気に咲く植物の生命力をアピールします。

【主な植物リスト】

宿根草: カンナ/クニフォフィア・ルーペリ/メリアンサス・マヨール/エキノプス /ロシアンセージ/アキレア/バーベナ・ボナリエンシス
グラス類:カラマグロスティス‘カールフォスター’/カラマグロスティス・ブラキトリカ/パニカム‘シェナンドア’/エラグロスティス・スペクタビリス
球根: アリウム‘マジック’/ミニチューリップ‘ショーグン’/イフェイオン‘ウィズレーブルー’/スイセン‘タリア’

コンテストガーデンD 月々の変化

3月の様子

先月まで、ガーデンの大部分がバークの色で覆われていましたが、球根類が一斉に芽吹き始めてから、景色は一気に瑞々しく彩り豊かな表情へと変わりました。芽吹いたばかりの緑が、ひときわ美しく輝いています。まだ丈の低い宿根草と球根類のなかで、メリアンサス・マヨールが存在感を放ち、まるで象徴的なアイコンのように、ガーデン全体の成長を牽引しています。

【写真中の主な植物】上左/アリウム‘マジック’、フェスツカ・グラウカ‘ブルーセレクト’、アキレア‘テラコッタ’、バーベナ ボナリエンシスほか 上右/ムスカリ、フェスツカ・グラウカ‘ブルーセレクト’ほか 下左/アリウム‘マジック’ 、エキノプス‘リトロ’、スイセン ‘タリア’ ほか 下右/メリアンサス・マヨール、銅葉キンギョソウほか

2月の様子

成長の早い銅葉キンギョソウと、丈のあるメリアンサス・マヨールの組み合わせが、この時季ならではの見どころです。ブルーグレーの葉が美しいアシズリノジギクの、こんもりとした姿も印象的。一角では、ムスカリ・アルメニアカムの芽出しが確認できます。

【写真中の主な植物】上左/銅葉キンギョソウ‘ブラックプリンス’、メリアンサス・マヨール 上右/アシズリノジギク 下左/サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’、ゲウム‘トータリータンジェリン’ほか 下右/ムスカリ・アルメニアカム

1月の様子

大きめなバークでごつごつとマルチングされたガーデンは、一見ワイルドな印象です。しかし、植物はやわらかな趣の宿根草が多く使われていて、そのギャップが面白みを感じさせます。この時期は、メリアンサス・マヨールがオーナメンタルな存在感を発揮。

【写真中の主な植物】上左/カラマグロスティス‘カールフォスター’、クニフォフィア  ‘ルーペリ’ほか 上右/アキレア‘ウォルタープング’、サルビア・ネモローサ‘カラドンナ’、ラックス‘ラックス’ほか 下左/メリアンサス・マヨール、銅葉キンギョソウ ‘ブラックプリンス’ほか 下右/ラナンキュラス・ラックス ‘サティロス’、エキノプス ‘リトロ’ほか

12月の様子

コンテストガーデンD『SurFIVE Garden』12月中旬、作庭後の様子。

コンテストガーデンE
「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」 〜地の記憶と環境を翻訳する庭

本田ハビタットデザイン 本田直也

本田ハビタットデザイン 本田直也

(北海道)

1996年より札幌市円山動物園にて動物専門員として勤務。飼育技術者として、多くの希少野生動物の飼育・繁殖・保全、および飼育施設や展示環境の設計に携わる。2022年に独立し、本田ハビタットデザインを設立、デザイン学の観点を活かして、動物園や飼育展示環境のデザインに関するコンサルタント業を開始。同年、北海道恵庭市にて、飼育下における希少野生生物の保全と研究を目的とした野生生物生息域外保全センターを、全国の動物園・水族館の技術者や研究者と共に設立し、代表理事に就任。日本の動物園における飼育環境と展示デザインの向上、動物園ランドスケープ、動物園園芸の分野確立、そして飼育技術者の立場からの野生生物保全に取り組む。

【作品のテーマ・制作意図】

かつて廃棄物で埋め立てられたこの島には、現在ユーカリの森を中心とした強健な植生が根づき、都市にありながら原始的で異国的な景観を生み出しています。今回、植栽地となるこの森の縁に広がる強い日射と潮風にさらされた芝生を目にしたとき、「ここは都市の果てに現れたアーバン・サバンナだ!」と直感しました。

植物を単なる装飾に限らず、この地固有の「環境を翻訳する存在」と捉え、来園者が海風・光・湿度・熱といった目に見えない環境を感覚・知覚できる場をつくります。「東京サバンナ」は景観的なサバンナの模倣ではなく、夢の島の歴史と環境条件から必然的に現れた都市の新しい風景です。都市と自然の狭間に生まれたこの庭を通じて、来園者が環境や植物との関わりを見つめ直し、都市園芸の新たな可能性を感じ取るきっかけとなることを願います。そしてこのガーデンが、見た目の美しさと維持のしやすさを兼ね備えた、持続可能な宿根草ガーデンの新しいスタンダードとして育まれれば幸いです。

【主な植物リスト】

宿根草:ビゲロウィア・ヌッタリー/エゾノヨロイグサ/ハマボウフウ/ヒューケラ・シャムロックなど
グラス類:カラマグロスティス‘カールフォスター’/パニカム・ヘビーメタル/セスレリア・オータムナリス/フェスツカ・アメジスティナなど

コンテストガーデンE 月々の変化

3月の様子

長い乾季を越えて雨季を迎えたサバンナのように、ガーデンが静かに動き出しました。宿根草はまだ成長を始めたばかりで、近くに寄らないとその姿がよく見えないほどですが、そんななか、早くもアルメリア ‘モーニングスターディープピンク’が一輪、小さな花を咲かせ始めています。

【写真中の主な植物】上左/フロックス・ディバリカタ‘ラファミー’ 上右/アリウム‘ミレニアム’ほか 下左/アンテミス‘ドワーフフォーム’ 下右/アルメリア‘モーニングスターディープピンク’

2月の様子

先月はまだ見られなかった植物があちこちで姿を現し、静けさに包まれていたガーデンも、少しずつ活動を始めました。苗はまだ小さいものの、さまざまな葉形が見られ、デザイン的にバラエティに富んでいるのが、この段階からうかがえます。

【写真中の主な植物】上左/フロックス・ディバリカタ‘ラファミー’ 上右/ダイアンサス・カルシアナム 下左/ペルシカリア・アフィニス 下右/トリトマ‘グリーンジェイド’

1月の様子

バーク堆肥でマルチングされたガーデンには、植物たちがまだまだぬくぬくと眠っているかのような静けさが広がっています。しかし表土をよく観察すると、小さな葉をのぞかせ始めた宿根草の姿があり、強い生命力が感じられます。これからどのような風景が描かれていくのか、まったく想像がつかないだけに、今後の成長への期待がいっそう高まります。

【写真中の主な植物】上左/ゲウム‘バナナダイキリ’ 上右/リベルティア‘ゴールドストライプ’ 下左/ヒゲロウィア・ヌッタリー 下右/ポテンティラ‘ヘレンジェーン’

12月の様子

コンテストガーデンE『「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」 〜地の記憶と環境を翻訳する庭』12月中旬、作庭後の様子。

5つの花壇のコンセプトと作庭について詳しいレポートはこちらをチェック!

コンテストガーデンを見に行こう! Information

都立夢の島公園「グリーンパーク」内
所在地: 東京都江東区夢の島2-1
電話: 03-3522-0281
https://www.tokyo-park.or.jp/park/yumenoshima/index.html#traffic
開園時間:常時開園
※サービスセンター及び各施設は、年末年始は休業。営業時間等はサービスセンターへお問い合わせ下さい。
入園料:無料(一部有料施設あり)
アクセス:東京メトロ有楽町線(Y24)・JR京葉線・りんかい線「新木場」下車、徒歩7分。東京メトロ東西線「東陽町」(T14)から都バス(東陽町-新木場、東陽町-若洲海浜公園)「夢の島」下車。高速湾岸線「新木場インター」より5分
駐車場:有料

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