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「東京パークガーデンアワード@夢の島公園」でガーデン制作に挑む! 5人のガーデンデザイナーの庭づくりにかける思い

「東京パークガーデンアワード@夢の島公園」でガーデン制作に挑む! 5人のガーデンデザイナーの庭づくりにかける思い

都立夢の島公園(東京都江東区)にて現在開催中の「第4回 東京パークガーデンアワード」。今回も、個性あふれる気鋭のガーデンデザイナー5人が選出され、2025年12月、それぞれの思いを込めたガーデンが制作されました。今回は、彼らのコンテストガーデンに対するこだわりや、植物に携わる仕事への思いについて伺いました。

コンテストガーデンA
花の巡り、風と大地の詩

松田 恵

松田 恵

(東京都)

広告代理店、生命保険会社勤務を経て、9年間の専業主婦期間中に地域の緑化活動に関心を持つ。2015年よりマンション内の緑化クラブやボランティアサークルでガーデニング活動を開始。翌2016年、恵泉女子大学公開講座「ガーデナー入門実践編」修了。以降、公共空間での植栽管理や講座助手として活動を続け、自然と共生する都市の緑のあり方を探求している。

Q1. 東京パークガーデンアワード(TPGA)に参加した理由

私はマンション住まいで、自分のお庭を持っていません。自分の好きにデザインした庭をつくってみたくて、TPGAに挑戦し始めました。
また、公園という誰でも集える公共の場に、ガーデンという憩いの空間を生み出すことにも強く惹かれました。植物があるだけで、人が立ち止まり、会話が生まれ、心がふっとやわらぐ——そんな場を自分の手で形にしてみたいと思いました。
TPGAは、その思いを実際のデザインとして表現できる貴重な機会だと感じ、参加を決めました。

尊敬するガーデン@服部牧場

Q2. 植物に携わる仕事に就くようになった理由

雹(ひょう)被害をきっかけに、マンションの仲間が始めた地域のゴミ拾い活動が、ガーデニングに触れる最初の一歩でした。活動の途中で気づいた、枯れていたツツジの代わりに、イベントで余った花を植えて世話をするようになったことが、植物との関わりを深めるきっかけとなりました。

ちょうどその頃、マンションで緑化クラブを立ち上げ、植栽管理日に一緒に作業するようになりました。そこで出会ったガーデナーさんが、植物との向き合い方を丁寧に教えてくださり、植物の世界に強く惹かれていきました。

「もっといろんな植物を知りたいなら」と庭仕事の現場を紹介していただいたことが大きな転機となり、植物に携わる仕事を始める決心につながりました。

マンション植栽@モンヴィラージュ仙川

Q3. 仕事に向き合う時のこだわり

「その時の自分の120%を、誠実に」。
これは、仕事に向き合ううえで大切にしている姿勢です。

仕事は自分ひとりでは成り立たないからこそ、どんな場面でも誠実でありたいと思っています。また、100%では現状維持のまま。自分に無理のない範囲で120%を目指して取り組むことで、ほんの少しの気遣いや挑戦が自分を成長させ、やがて自信にもつながっていくと感じています。

植栽デザインの管理をしているガーデン@あいかわ公園

Q4. 制作したガーデンで表していること、見てほしいポイン

風に応えるしなやかさと、根を張る力強さが共存し、自然との共鳴を体感できる場を目指しました。自然はたくましく、偉大です。できることは、植物を適切に選び、適切に見守ること。
東京湾に面した海岸沿いの波形2本(@1.2m×10m)のロングボーダーガーデンという条件のもと、耐乾性・塩耐性・耐暑性のある植物を自分なりに選びました。花壇全体に統一感を持たせつつ、単調にならないよう品種構成や配置に工夫を重ね、歩きながら変化を楽しめるようにしています。通年を通して自然に美しいガーデンであるよう細やかに整えていきますので、四季それぞれの表情を感じてください。

植栽工事@夢の島公園コンテストガーデン

Q5. 長年の趣味、もしくは今夢中になっていること

ガーデニングです。仕事と趣味の境目はほとんどなく、空いた時間があればライフワークにしている地域のボランティア花壇や、住んでいるマンション植栽の見守りをしています。

担当しているガーデンの管理計画を立てたり、植栽を考えたりする時間も、悩ましさと楽しさが同居する大切なひとときです。また、気になるテーマの講演に参加したり、興味をひかれたガーデンを訪れたりと、日々の中で自然と植物に触れる時間を楽しんでいます。

ライフワーク「せんがわ緑化部」@仙川なかよし公園

コンテストガーデンB
潮風に揺れるプレイフルガーデン
-Playful Garden Swaying in the Coastal Breeze- 

MOTe. (モト) 茂木大樹

MOTe. (モト) 茂木大樹

(東京都)

早稲田大学理工学術院建築学専攻卒業。在学中、École nationale supérieure darchitecture de Grenoble(フランス)留学。卒業後は、東日本大震災被災地・福島県にて、NPOや大学研究施設で復興に関わる調査研究と実践に携った後、建築設計・造園事務所で実務を経験。現在は、建築・インテリア・ランドスケープを横断的に扱うデザイン事務所MOTe. を運営し、企業や個人、建築設計者と協働して、建築やランドスケープの企画・設計・意匠監修業務に携わっている。用途や規模を問わず、建築、内装から外構植栽、マテリアルまでを一体的に捉えた空間デザインを行っている。

Q1. 東京パークガーデンアワード(TPGA)に参加した理由

庭は、誰かの意図によって始まりながら、ほどなく人の手を離れ、環境や時間の無意識に委ねられていくものだと思います。設計された秩序の内外から、予期しない振る舞いや関係性、余白が静かなざわめきとして立ち上がってくる。そのずれやノイズとの応答を、私たちは愛おしく感じるのではないでしょうか。TPGAは、庭を完成形として閉じるのではなく、育ち、使われ、変わっていく時間そのものに立ち会える場だと感じました。意識と自然のあいだに生じる揺らぎを、つぶさに愛で観察し、これからの空間づくりの糧にしたいと考え、参加しました。

Q2. 植物に携わる仕事に就くようになった理由

建築と緑を等価に扱う設計事務所で実務を積みました。植物の扱いが空間の完成度を大きく左右する一方で、自身の理解が十分でないと感じる場面に何度も直面しました。そこで自宅の空地を試験庭とし、植え付けや剪定、季節ごとの変化を観察しながら、植物の性質や管理の感覚を体で学びました。教科書には載っていない経験や、図面だけでは捉えきれない草木の振る舞いに触れることで、建築と植栽を切り分けずに捉える視点が少しずつ育まれました。こうした実感を重ねる中で、自然や風景づくりへの愛着が深まり、それを生業にしたいと考えるようになりました。

Q3. 仕事に向き合う時のこだわり

フォトジェニックな景色を作ることよりも、その空間や環境が課題解決のツールとして機能しているかを常に意識しています。施設や企業の理念、持ち主の考え方が空間として無理なく表れていること、周辺環境や建築と関係を結ぶことで、場の社会性や利用価値が高まり、結果として集客や売上など経済的な側面にもつながる場所づくりであることを重視しています。多様な使われ方を受け止める余地を備えることが、人の愛着を育み、建築や庭の持続性を支える一つの生存戦略になると考えています。

Q4. 制作したガーデンで表していること、見てほしいポイン

単体として完結する庭ではなく、周辺環境と関係を結ぶことで、公園全体に小さな発展や気づきを生む場所をイメージしました。島のシグニチャーであるユーカリ樹林を主役とする前景構成に、回遊ステップや草木による見え隠れを重ね、園内に不足がちな遊具的な体験性やヒューマンスケールの空間性を補完。熱帯・亜熱帯植生や豪州庭園との調和に配慮した樹種で園内の一施設として風景の連なりを意識しました。眺望の制約となりがちな前面ベンチや照明ポールも、視点場や景色のリズム要素として読み替え、人の行為で意味が広がる場所となることを意図しています。

Q5. 長年の趣味、もしくは今夢中になっていること

学生時代の恩師の教えをきっかけに、訪れた建築や風景、植物、そして日常の中の何気ない場面をスケッチするようにしています。趣味のドローイングではありますが、アイデアの記録という側面もあり、環境やものごとの成り立ち、そこに込められた考え方を観察することで、自分なりの小さな発見につながることもあります。スケッチブックは設計検討のスクラップ帳も兼ねており、描き留めた気づきやフィードバックをもとに考えをチューニングできる点も、意外と重宝しています。

コンテストガーデンC
Stewardship Garden:The Way

ぐりんぐりん 横田拓伸

ぐりんぐりん 横田拓伸

(東京都)

高等学校卒業後、アメリカで映画を学び、帰国後に俳優・モデルとして活動。海外公演も経験したのち、35歳で伝統工芸師に転身。その後、39歳で造園の世界へ。1年後には英国チェルシーフラワーショーに参画し、独立。『造園会社ぐりんぐりん』を立ち上げ、『世界を熱烈にハッピーにする!』を使命に、個人邸を中心とした庭づくりを続けている。

Q1. 東京パークガーデンアワード(TPGA)に参加した理由

僕がいつも実現している庭づくりは、植物が日常生活に深く根付いているスタイルのお庭です。TPGAの特徴の“宿根草の持続可能なガーデン”は、僕たちの目指す『庭と、新しい暮らし』の基礎となるテーマです。このコンテストを通じて、僕はより広く深く知識と経験を得ることができ、世界中の皆さんの“心豊かな暮らし”の実現に、より貢献できると思い参加させていただきました。また一つの作品を仲間と作り上げるということは、とても楽しい祭りごとであり、成長するチャンスでもあります。TPGAは未来の可能性を押し広げる貴重な時間になると信じています!

子供と一緒に庭づくり。

Q2. 植物に携わる仕事に就くようになった理由

『なぜ人に植物が必要なのか?』僕は知っているんです。“挑戦”それが僕の人生のキーワード。しかし若い頃はあきれられるぐらい無知で未熟でした。挑戦したことは全て失敗、自分が何をやったらいいのか分からなくなった、人生の迷子になったんです。その時、ほったらかしの観葉植物の存在に気付いたんです。なぜかとても癒やされ、心落ち着ける時間を与えてくれることを知ったんです。『ありがとう』植物に伝えた言葉は“感謝”でした。それから庭づくりという世界に飛び込み、世界を見て回った。そして今『何でもできる』そう思って今日まで挑戦を続けています!

植物と子供とブランコ。

Q3. 仕事に向き合う時のこだわり

全てにおいて一番大切なことは『聞くこと』です。暮らしと密着したお庭を提案している僕たちは、皆さんが“心豊かな暮らし”を実現できれば幸せなのです。何が“心豊か”であるかは、皆さん人それぞれです。だから僕たちは皆さんに聞くのです。『困っていることは?』『どうなったら幸せですか?』そして僕たちは他にも聞くことがある。土の状態、日当たり、風通し。それら全部をふまえて、皆さんの新しい暮らしを明確にイメージして、実現することが僕たちの幸せなのです。だからいつも聞くのです『まずあなたの話を聞かせてください!』それが“僕のこだわり”です。

庭に作った植物いっぱいのブランコ。

Q4. 制作したガーデンで表していること、見てほしいポイン

僕のガーデンは『変化』がキーワードです。端っこは砂浜で、中心に向かって土壌は豊かになっていく。それは植物が生まれ枯れる、昆虫や動物が暮らし、土に還っていく。そういった自然の循環が影響している、そんなことを表現しています。それはまるで人の一生のようで、砂浜は柔らかい心を持った子供たち。それから色んな影響や経験を通じて、花や実を育てる子育て世代になり、最後は人生の全てを謳歌してきた成熟世代へと変化していく。ガーデンは四季によりどんどん変化していきます。皆さんの記憶に残る、キラッ! と輝く一瞬をお見逃しなく!

左/東京パークガーデンイメージ図。右/夢の島のコンテストガーデンに作った砂浜。

Q5. 長年の趣味、もしくは今夢中になっていること

『趣味が仕事で、仕事にはまっています』僕のホームページでも公表していますが、かつて俳優や伝統工芸士、生け花の池坊を学んでいました。映画鑑賞は2,000本以上、20年間ずっと月に一度は美術館に行くなど芸術が好きです。いくつかの賞をいただいたり、皆さんご存じの有名人と一緒に仕事をしたり、海外にも何度か作品を持って行きました。それらの体験が与えた僕の感性への影響は計り知れなく、今でも人生の基礎となっています。今後は『庭づくりから暮らしへ』と新しい暮らしの提案をしながら、皆さんと一緒に楽しめる空間づくりの実現に向けて、『ぐりんぐりんパーク』の実現を加速していきます!

ぐりんぐりんパークイメージ図。右/伝統工芸作品。

コンテストガーデンD
SurFIVE Garden

PICNIC garden design 河野友香

PICNIC garden design 河野友香

(栃木県)

大学卒業後、エクステリアとガーデンの専門学校で学び、造園会社で経験を積み独立。庭で過ごすことの楽しさ、豊かさを伝えるために活動中。ローメンテナンスで心地よく、“センス・オブ・ワンダー”を感じられる庭づくりを通して、自然と人が穏やかに寄り添う空間を提案している。

Q1. 東京パークガーデンアワード(TPGA)に参加した理由

2023年に参加した代々木公園ガーデナー養成講座がきっかけです。ガーデンの歴史や社会的な意義、設計に向き合う姿勢など、多くの考え方と技術を学び、それらを自分なりにアウトプットしたいと考えて応募しました。今回の舞台となる夢の島公園はかつて廃棄物処理の島として生まれ、緑豊かな公園へと再生してきた歴史があります。都市と自然との関係を象徴するような場所で庭づくりに関われること、1年を通して植物と向き合えるこの貴重な機会に大きな魅力を感じています。

夢の島コンテストガーデンの作庭メンバーと記念の一枚。

Q2. 植物に携わる仕事に就くようになった理由

1990年頃、NHKで放送されていたバーネット原作のアニメ『ひみつの花園』に夢中になったことが、植物の仕事に惹かれる原点です。自分の地面や庭を持ち、整えることで暮らしの質が高まり、その心地よさが周囲や街へと広がっていくことを実感してきました。身近な自然に触れる中で育まれるセンス・オブ・ワンダーの大切さを、仕事を通して次の世代にも伝えていきたいと考えています。屋号「PICNIC」には、外で過ごす喜びを日常に取り戻したいという想いを込めています。

「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2025」のガーデン部門で受賞した作品(作品名『Little Gardener’s Nest 小さなガーデナーの秘密基地』)です。センス・オブ・ワンダーをコンセプトにしています。

Q3. 仕事に向き合う時のこだわり

新築住宅のエクステリア提案や庭のリフォームを中心に、限られたスペースでも外で過ごす心地よさを感じていただける庭づくりを心がけています。日差しや人目を気にせずに過ごせることや、窓からの眺め、使いやすい動線や道路からお家が素敵に見えるかなど、さまざまな角度から検討します。植物は住まいを美しく見せる最もコストパフォーマンスの高い要素なので、無理なく続けられるローメンテナンスな植栽との付き合い方まで含めて提案することを大切にしています。

ご依頼主へのプレゼン資料として毎回作成しているエクステリアの完成3Dパース。

Q4. 制作したガーデンで表していること、見てほしいポイン

このガーデンで最も大切にしたのは、季節を通して全体のシルエットが崩れないことです。

雨や風で植物が倒れていると、見る人に残念な印象を与えてしまうため、倒れにくく生命力の強い植物を選び、植え付け時からしっかり根を張れるよう土づくりにも工夫を重ねました。夏の厳しい暑さの中でもサバイヴする植物のエネルギーと、個性的な葉の形と色鮮やかな花々が作る景色を楽しんでいただけたら嬉しいです。

夢の島公園のコンテストガーデンの制作で参考にした、ロンドンのガーデン。

Q5. 長年の趣味、もしくは今夢中になっていること

旅行が趣味です。自然そのものよりも、都市の街並みや建築、美術、庭園など、人の手が加わった空間を見ることに惹かれて、作られた背景や意図を想像しながら歩く時間が好きです。最近は一昨年に手に入れた自宅の庭を、荒地だった状態から少しずつ改装しています。気になる植物を植えてみたり配置を変えてみたりと、暮らしの中で試行錯誤する時間が、いま一番の楽しみになっています。

改装している自宅の庭の一部。

コンテストガーデンE
「東京サバンナ・バイ・ザ・ベイ」 〜地の記憶と環境を翻訳する庭

本田ハビタットデザイン 本田直也

本田ハビタットデザイン 本田直也

(北海道)

1996年より札幌市円山動物園にて動物専門員として勤務。飼育技術者として、多くの希少野生動物の飼育・繁殖・保全、および飼育施設や展示環境の設計に携わる。2022年に独立し、本田ハビタットデザインを設立、デザイン学の観点を活かして、動物園や飼育展示環境のデザインに関するコンサルタント業を開始。同年、北海道恵庭市にて、飼育下における希少野生生物の保全と研究を目的とした野生生物生息域外保全センターを、全国の動物園・水族館の技術者や研究者と共に設立し、代表理事に就任。日本の動物園における飼育環境と展示デザインの向上、動物園ランドスケープ、動物園園芸の分野確立、そして飼育技術者の立場からの野生生物保全に取り組む。

Q1. 東京パークガーデンアワード(TPGA)に参加した理由

知人から紹介を受け、「宿根草」というテーマであれば、これまで自分が取り組んできた領域とも重なると感じ、応募しました。動物園デザインや生息環境の再構築に携わる中で、植物は常に重要な役割を担ってきました。TPGAは、そうした実践や思考を、都市のガーデンという場で試し、表現できる機会だと感じています。

Q2. 植物に携わる仕事に就くようになった理由

動物園デザインでは動物だけでなく、その背景となる生息地を空間として表現する必要があります。その中核にあるのが植物です。植物を単なる素材として扱うのではなく、性質や個性を理解する必要性を感じ、自らガーデンを開設し、実践を通して学び始めました。現在の植物との関わりは、その延長線上にあります。

Q3. 仕事に向き合う時のこだわり

求められている要望や背景を丁寧に咀嚼し、その上で、条件や文脈を自分なりに言語化し、デザインに落とし込む。先入観にとらわれず、環境や植物そのものの本質に向き合いながら、要望と現実をつなぐ提案を目指しています。

Q4. 制作したガーデンで表していること、見てほしいポイン

都市の果てにある過酷な埋立地に、洗練された都会的なサバンナを作ることをコンセプトとしました。オーナメンタルグラスによって生まれる構造と、その足元を支える繊細な小花たちが織りなす、静かで地味だけど、可憐でインパクトある風景を目指しています。近づくほどに、植物同士の関係性を感じてほしいです。

Q5. 長年の趣味、もしくは今夢中になっていること

物心ついた頃からホラー好きで、幼稚園の頃に初めて自分で買った本は中岡俊哉の『恐怖の心霊写真集』。寝る時も怪談を聴きながらじゃないと安眠できません。動植物との関わりについては、趣味というよりライフワークに近く、生活そのものの一部になっています。

TPGAだけではない! 
たくさんの植物に出会える夢の島公園

夢の島公園には、一般的な公園とはひと味違う植物が数多く植えられています。その背景にあるのが、東京湾に面し、運河と水路に囲まれた人工島という立地です。塩害や強風への対策が必要だったことに加え、かつてゴミの埋め立て地だった場所のイメージを払拭したい、という目的もありました。こうした環境のもとで選ばれたのが、異国情緒あふれる植物たちです。なかでもひときわ目を引くのが、コンテストガーデンの背後で茂るユーカリの木々。ユーカリは、異国の植物がこの土地でどの程度成長するかを検証する実験的な目的で植えられたほか、都内の動物園で飼育されているコアラのためのエサとして、品種選びや葉の供給候補地としても活用されてきました。

【園内で見られる草花】
スイセン、菜の花、ナツズイセン、イペー、ジャーマンアイリス、カンナ、シュクシャ、ツワブキ、メドーセージ、ローズマリーほか

【園内で見られる樹木】
ミモザ、アセビ、ドウダンツツジ、ツバキ、トベラ、キンモクセイ、オオシマザクラ、八重ベニオオシマザクラ、ユキヤナギ、シャリンバイ、ヤブツバキ、アベリア、ユーカリほか

左/コンテストガーデンの背後に広がるユーカリ林。冬の間につける花と実は、ほかではなかなか見られない。右/コンテストガーデンの脇の晩秋の風景。

ガラスのドームが目を引く
緑のシャワーを浴びに「夢の島熱帯植物館」に行こう!

コンテストガーデンの隣のエリアに見えるのは、キラキラと陽の光に反射する大きなガラスのドーム。ここは、約1,000種類もの熱帯植物がひしめく「夢の島熱帯植物館」です。宿根草とはひと味もふた味も異なる、熱帯植物の世界。力強く葉を広げる植物の生命力と甘く漂う花の香りで、驚くほどリラックスできます。ガーデン観賞を楽しんだあとは、ゆっくりと館内をめぐりながら、トロピカルムードに浸るのがおすすめです。

ここは、隣接する「新江東清掃工場」の余熱を利用して熱帯植物を生育している、東京都運営の熱帯植物館。年間を通じて気温20℃、湿度60%に保たれており、広さ約1,500㎡、高さ約28mの空間に、熱帯雨林の世界が再現されています。なかでも印象的なのは、最初のドームに設けられた大きな滝。絶え間なく流れ落ちる水音が、訪れた人を出迎えてくれます。

視線を上げると、天井付近で30m級のヤシ類が葉を展開。熱帯植物の重なりと、アーチを描くドームの鉄骨が観る人を圧倒する。

テーマが異なる3つのドームで
熱帯雨林の世界を楽しもう

Aドーム 水辺の植物のエリア

滝からのしぶきは迫力ある景観を演出するだけでなく、館内の湿度を上げる効果も。

滝と池のまわりには、熱帯性スイレンをはじめ、水辺に生育する植物が数多く見られます。滝の下をくぐるように設けられた通路では、マイナスイオンをたっぷり体感。通路の脇には、あでやかなラン類が彩りを添え、足元から視線の先まで、南国らしい風景が広がります。

気根を伸ばすマングローブなどが植えられた池のほとりでは、サガリバナが白い花を下げています。「ぽとりぽとりと落ちる花が水面を一面に覆うさまが幻想的」と、その姿に魅了される人も多い人気の植物です。おもな開花期は7月頃ですが、ここでは開花に適した温度が保たれているため、長期間花を咲かせています。

このエリアの植物で圧巻の姿を見せているのは、ドームの一角で勢いよくズドンと伸びる、巨大なゾウタケ(象竹)。世界一大きな竹として知られ、そのスケール感は、見上げると思わず足が止まるほど。

Bドーム 実がなる植物のエリア

南国の果物を集めたエリアです。バナナやカカオ、マンゴー、パイナップル、ゴレンシなど、さまざまな植物がユニークな果実を実らせています。果実のつき方も植物ごとに個性豊か。枝先につくものもあれば、幹に直接実をつけるものもあり、その違いを間近に観察できます。植物の前には、果実の紹介や展示も設けられているため、子どもから大人まで、楽しく学ぶことができます。

本物そっくりの果実の模型と分かりやすい解説パネルが設けられている。
左から/カカオ、バナナ、ゴレンシ(スターフルーツ)が結実中。
バナナの株元では、個性的な植物が生い茂っている。
左から/カラテア・クロタリフェア、レッドジンジャー、クロトン

Cドーム 小笠原諸島のエリア

東京都・小笠原諸島の植物を集めたエリアで、希少な固有種も観察することができます。ユニークな気根を伸ばすタコノキや、大きな葉を広げるタビビトノキなど、迫力のある樹木が数多く植えられており、没入感満点。小笠原諸島の雰囲気を、肌で感じ取れる空間です。

左/頭上を覆うタコノキの葉。右/タコノキに似ているアダンが実をつけている。
美しい鳥のさえずりが聞こえてきそうな、トロピカルなシーンの連続。
Cドームの出口近くにある見晴らし台からの眺め。植栽の重なりや細い滝の流れ、石積みのディテールまでがリアルに再現され、まるで秘境を訪れたかのような感覚を楽しめる。
左上から時計回りに/タビビトノキ、バニラ、ハナキリン、サンタンカ、ドンベヤ・ウォリッキー。

温室ドームの熱帯エリアを出た先にある「食虫植物温室」と、オースラリアの植物が集まる「オーストラリア庭園」も必見です。熱帯植物とは大きく趣が異なり、生育環境によって植物の姿がここまで変わるのかと、その奥深さをあらためて実感させてくれます。

【オーストラリア庭園】

バンクシアやウエストリンギアなど、今人気のオージープランツが植えられた、雰囲気のよいルーフガーデン。

【食虫温室】

さまざまな形態の食虫植物が育てられている。子どもたちの自由研究にもピッタリ。

植物の展示のほかにも、日本の自然を紹介する貴重なアーカイブ映像を上映する「映像ホール」や、ワークショップやコンサートが開催される「イベントホール」、ユニークな切り口で植物について学べる「企画展示室」など、楽しい企画が目白押し。一年を通して心地よい温度に保たれているため、ぜひ季節ごとに訪れて、その時々の魅力を味わってみてください。

Information 夢の島熱帯植物館

住所:東京都江東区夢の島2-1-2

入場料:大人250円,65歳以上120円,中学生100円(小学生以下、都内在住・在学の中学生は無料)

開館時間:9:30~17:00(入館は16:00まで)

休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)*12月29日~1月3日は年末年始休館

https://www.yumenoshima.jp/botanicalhall

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