冬の庭が寂しいならコレ! 見て美しく食べて美味しい「彩り葉野菜」おすすめ9選
Gartenbildagentur Friedrich Strauss / Strauss, Friedrich
冬の庭やベランダは、どうしても色が少なくなりがち。そこでおすすめしたいのが、目に美しく、食べて美味しい葉野菜です。ケールやスイスチャード、チコリなどは、コンテナでも育てやすく、ガーデンの彩りとしても優秀。しかも、冬に生育期を迎える野菜の多くは霜に当たることで甘みが増し、味わいも格別になります。少し収穫せずに残しておき、開花を楽しむのもいいですね。ドイツ出身のガーデナー、エルフリーデ・フジ-ツェルナーさんが、見た目も魅力のおすすめ冬野菜を、自宅で育てている冬野菜の鉢に起きた事件とともにご紹介します。
目次
冬のガーデン模様

キリっと冷えた空気の中、新しい年が始まってしばらく経ちました。私の暮らす地域では、この時期には時折強い風も吹きます。そんな冬の気候の中ではありますが、ダイニングルーム前のウッドデッキに置いている、高さ170cmもあるお気に入りのフェニックス(カナリーヤシ)は、まだ美しい姿を保っています。そこで、今年は初めて、冬の間ずっと屋外で管理してみることにしました。例年はリビングに取り込んでいるのですが、場所を取って通行の妨げになってしまうのです。屋外でもうまく冬越ししてくれるといいのですが!

この冬、もう1つ挑戦したのは、深めのプランターにさまざまな野菜を植えて、ダイニング前のガーデンに置いたこと。ここなら毎日野菜の様子を確認でき、大きくなったらすぐに収穫できます。また、もう1鉢作って玄関扉の前にも置きました。ここは風雨から守られた場所で、午後は日が当たります。外出時と帰宅時に、野菜たちの成長の様子を見ることができるお気に入りのスペースです。
鉢に植えたのは、ケール、タスカンケール(カーボロネロ)、赤と黄のスイスチャード、そしてタマネギを少々。見た目も美しく仕上がりました。

「冬野菜ガーデン」に異変発生⁉

しかし残念ながら、ダイニングの前に置いたこの「冬野菜ガーデン」のパフォーマンスは、どうも満足のいくものではありませんでした。最初は順調に生育し、新芽や枝が芽吹いて葉がどんどん茂っていく様子を毎日見て楽しんでいたのですが、その後大きなショックが訪れました。ケールが一夜にしてなくなってしまったのです。残ったのはケールの芯の部分だけで、葉は全くありません。ケールは3株植えたのですが、すべて丸坊主になってしまいました。
では、私の大切なケール苗にこんなことをしたのは誰でしょう?
ケールをかじったのは誰?

最初に浮かんだ容疑者は、野鳥です。冬野菜の鉢植えから2mほど離れた場所には野鳥の餌台を設置してあるため、お腹に余裕があった鳥がちょっとつまみ食いをしていったのかもしれません。しかし、野鳥は通常こんなにきれいに食べつくすことはなく、また必ずと言っていいほど“落とし物”をしていきます。
では、お腹を空かせたベジタリアンな猫? たまにどこかの猫を見かけることはありますが、彼らが食べたのでしょうか? 私が知っている犬の中には野菜が好きな犬もいて、我が家の畑に来ると自ら葉っぱをむしって食べているので、まるで羊のようです。しかし、足跡も何もありません。
そこまで考えていたところで、新しいアイデアが浮かびました。夜の間に何が起こっているのか、そして誰が犯人なのかを観察・把握するために、「野生動物カメラ」を設置することです。
思い立ってから数日後、冬野菜の鉢の隣にビデオカメラを設置。狙い通りによく機能し、夜間でも動きがあると自動的に撮影を開始し、選択した時間(たとえば 10 秒)が経過すると撮影がストップする仕組みです。これで犯人が分かるはず!
そうして撮影した最初の映像を見て、とても興奮しました。
信じられないかもしれませんが、夜に現れた小さな生き物がはっきり写っていました。それは小さなネズミ。すでにケールはなくなっていたので、スイスチャードをかじり始める様子をしっかり見ることができました。
というわけで、今回の騒動の犯人はネズミで決着しました。

ちなみに、パーマカルチャーガーデンの菜園にも同じ種類の冬野菜を植えてあり、こちらにはもっとたくさんの野生動物がいるはずなのですが、今のところ被害はありません。
多種多様な冬の葉菜類

冬の間も菜園に行けば、新鮮なケールやタスカンケールをはじめ、さまざまな葉菜類を収穫できます。たくさん収穫できるので、仲のよいご近所さんや友人におすそ分けできるほど。みんな新鮮で美味しいオーガニックな「緑の葉っぱ」を喜んでくれています。
冬野菜の定番は、アブラナ科の植物。アブラナ科に属する植物にはさまざまな種類があり、多くは温暖な土地の寒冷な季節によく生育します。アブラナ科の葉菜類を中心に、冬の家庭菜園で育てたい野菜をいくつかご紹介しましょう。
水菜

水菜はアブラナ科の野菜の1つ。冬によく育ち、ルッコラのようなピリッとした風味と、エンダイブ(キクヂシャ)のようなほのかな苦味がありますが、これらのサラダ菜よりもマイルドで甘い風味です。日本ではミズナは鍋物に入れるのが一般的で、生で食べることは少ないかもしれませんが、私は適宜収穫しながら、新鮮でフレッシュな葉をサラダにしています。ドイツでも「ミズナ」という名で種子が販売されています。
水菜は古くから京都付近で栽培されていた伝統的な京野菜で、京菜とも呼ばれます。シャキシャキとした食感で、美しい葉はサラダに最適。葉も茎も苦味や癖がなく、どんなサラダのアクセントにも活躍します。葉が美しいので、ほかのサラダ菜と併せてよく使っています。

エンダイブ

キクニガナ属の葉菜。チコリの仲間で、エンダイブやエスカロールなどのタイプがあり、苦みのある葉を持つビターリーフの1種として広く栽培されています。ドイツでは非常に人気があり、冬や寒い時期にも栽培されています。生育が旺盛で、美しい淡緑色のカールした葉が特徴です。
開花期には近縁のチコリとよく似た薄い青紫色の花を咲かせます。

ラディッキオ

ラディッキオも苦味のある赤い葉を持つ代表的なサラダ野菜です。赤キャベツと間違われることが多いですが、チコリの一種です。鮮やかな深紅または栗色の葉に白い葉脈が走り、シャキシャキとした食感と強い苦味、あるいはスパイシーな風味が特徴です。初霜が降りてからのほうが、風味が増して美味しくなります。
私は生のままサラダにするのがお気に入りですが、グリルで焼いたり、オリーブオイルでソテーしたりしても美味しいですよ。
ちぢみ雪菜

日本で古くから栽培されてきた冬野菜の1つ。冬の味として、仙台を中心に東北地方で愛されてきました。厚い濃緑色の葉は、ぎゅっと縮れたようになるのが特徴で、霜にあたることで葉が縮み、甘みが増します。みずみずしく生き生きとした葉はとても美味しそうです。
タアサイ

ロゼット状に低く茂る葉は小さく光沢があり、スプーンのような形で、みずみずしくパリッとした食感です。マイルドで爽やかな風味で、見た目もグッド。パーティー料理にするなら、タアサイの葉をミニボウルのように使い、フムスなどをのせてみてはいかがでしょう。茎はそのままにしておくと、フィンガーフードとして簡単につまむことができます。
小松菜

すくすくと成長する小松菜を見守るのは、冬の菜園の大きな喜びの1つ。収穫の際、私は大きく育った外側の葉から順次収穫し、真ん中の葉はそのままにしておく「かきとり収穫」で長く楽しんでいます。我が家のパーマカルチャーガーデンでは、弱々しく成長の遅い植物の風よけとしても大活躍。寒い季節には、その鮮やかな緑も目に嬉しいですね。
野沢菜

長野県を中心に栽培されてきたアブラナ科の野菜で、特に漬物が有名。冬の食卓に塩気と酸味のある味わいがよく似合います。
カブ

カブはみずみずしい白い根が人気のおなじみの根菜。食材としてはもちろん、葉や花もなかなか美しいです。
ビーツ

ビーツは生やロースト、ボイルなどで食べられます。私は蒸したビーツを温かいうちにスライスし、ビネガードレッシングでいただくのがお気に入り。濃い赤色のサラダは、この季節にぴったりです。

寒い季節は、凍結から身を守るために糖分を多く生成するため、野菜たちはより甘く風味豊かになります。
野菜をガーデン素材としても使おう

野菜は葉の色や形だけでなく、意外と愛らしい花も楽しめます。例えばアブラナ科の葉菜類は漬物用としてもよく利用され、春、時には冬に、多くはきれいな明るい黄色の花を咲かせます。ほかの有名な種類は、わさび菜、からし菜、菜の花など。菜の花はすでに花の魅力もよく知られていますが、つぼみは醤油と鰹節、またはゴマドレッシングで食べるととても美味しいですし、また昆虫たちにも早春の貴重な花粉源として大人気です。花の時期は、いつ種まきをするかによって異なります。こうした野菜の花を、ガーデン素材として楽しんでみるのもおすすめです。野菜として収穫しながら、開花を待つのもいいですね。
カラフルなハボタンと冬の葉菜類を組み合わせ、プランターやコンテナに植えると、ガーデンとしても魅力的な景色になります。野菜が開花し始めれば、プランター全体が鮮やかな黄色の花畑に。チコリの仲間のように青い花を咲かせるものや、白い花を咲かせる野菜を入れれば、冬の庭により美しい彩りを添えてくれます。
カラフルな色彩や面白い形を持つ冬野菜

- 緑のバリエーション:エンダイブ、ホウレンソウなど
- 赤&白:チコリ・ロビン
- 赤&緑:ラディッキオ・パラロッサ
- 赤/薄緑:山ホウレンソウ(アトリプレックス)
など。

アトリプレックス・セミバッカータ(オーストラリアン・ソルトブッシュ)は、日本ではあまり知られていませんが、痩せた土壌でも育ち、育てやすい植物です。

世界には、あまり知られていない植物や種子がたくさんあります。もっと調べてみたいと思っていたら、神戸に興味深いハーブガーデンを見つけ、昨年春に訪ねてみたのが、「神戸布引ハーブ園」です。ここには花を咲かせる野菜がたくさん植えられており、まだ開花期に入ったばかりのほかの植物の中で、ひときわ美しく映りました。

野菜というと、必然的に食べ物と結びつきます。では、私たちは野菜を必ず食べなければならないのでしょうか? 本当はすべての野菜を食べ切る必要はなくて、花を咲かせて種子を作るまで、ガーデンの一部として植えておいてもいいのかもしれません。

お正月の時期によく見かけるハボタンも装飾用のキャベツの1種で、フラワーアレンジメントや寄せ植えにもよく利用される人気の花材。同じように、ニンジンの繊細な葉や、レースフラワーに似た美しい花を切り花として使うのはいかがでしょうか? これらは幅広い地域や地方で栽培することができ、より自然なライフスタイルに欠かせない存在となるでしょう。
あなたの庭やプランターに、野菜の花を取り入れてみませんか?
冬は庭準備に最適なシーズン

1~2月は、これからやってくる春と夏の計画を立てる上で非常に重要なシーズンです。昨年を振り返り、何がうまく育って、何がうまく育たなかったのか、あるいは病気になりやすかったのかを思い返してみましょう。そして今年、絶対に育てたい植物は何でしょうか?
今の時期なら、さまざまな種子や植物のカタログを見比べて、掲載されている情報を検討するのに十分な時間があります。オンラインカタログもたくさんありますが、私はやはり机の上で広げられる印刷版のほうが好きです。外国の種苗会社をチェックし、彼らが選んだ季節のおすすめやお気に入りの植物を見るのも、とても刺激になりますよ。
Credit
話 / Elfriede Fuji-Zellner - ガーデナー -

エルフリーデ・フジ・ツェルナー/南ドイツ、バイエルン出身。幼い頃から豊かな自然や動物に囲まれて育つ。プロのガーデナーを志してドイツで“Technician in Horticulture(園芸技術者)”の学位を取得。ベルギー、スイス、アメリカ、日本など、各国で経験を積む。日本原産の植物や日本庭園の魅力に惹かれて20年以上前に日本に移り住み、現在は神奈川県にて暮らしている。ガーデニングや植物、自然を通じたコミュニケーションが大好きで、子供向けにガーデニングワークショップやスクールガーデンサークルなどで活動中。
Photo/ Friedrich Strauss Gartenbildagentur/Stockfood
まとめ / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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