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宿根草ショップの店長が提案! 秋冬の寄せ植えにおすすめ 常緑性のカラーリーフ10選
秋冬の寄せ植えといえば、寒さに強いパンジーやビオラ、ハボタンなどの一年草が主役になりますが、同じように寒さに耐えられる花の種類は少なくて、寄せ植えが単調になりがち。そこで、ここでは寄せ植えや庭植えにプラスαできる、寒さに強い常緑性のカラーリーフを、宿根草・多年草を数多く扱いガーデニング愛好家に支持されるショップ「おぎはら植物園」店長の荻原範雄さんに10種ご紹介いただきます。
目次
多年生のカラーリーフを使って、寄せ植えを作ってみよう!
多年草や宿根草といえば、庭で地植えして楽しむもの。そんなイメージがあるかもしれませんが、寄せ植えにも、もちろん使えます。秋が深まって冬に近づく頃、お花屋さんでは冬の一年草がたくさん販売されています。さっそく寄せ植えを作って飾りたいものですが、そこにちょっと変わった宿根草や多年草を加えると、一気に選択肢が増えて、楽しみが広がります。珍しい植物を入れることで、寄せ植えのオリジナリティーも高まり、よりいっそう目を引くとともに、センスアップにもつながります。
寒い冬でも常緑を活用! 寄せ植えに向く多年草10選
冬でも長く楽しめる寄せ植えを作りたい! そんな時は、冬の草花とともに常緑性のカラーリーフも一緒に使ってみてください。冬でも元気に育つ、耐寒性の強い多年草は、寄せ植えはもちろん、地植えの庭にも活躍します。意外と常緑の多年草は数が多くありますが、その中から、おすすめの10種を、寄せ植えの実例とともにご紹介しましょう。
常緑性のカラーリーフ①
ツボサンゴ(ヒューケラ)の仲間
一般的には半日陰の庭などに植栽されるツボサンゴの仲間は、冬でも葉が残る常緑性。丈夫で葉色が美しいうえ、色のバリエーションも豊富です。最近は、寄せ植えの花材としても人気が出ていて、ガーデニングファンには定番になりつつあります。ツボサンゴの仲間は日陰で育てるイメージが強いですが、冬の日差しであれば、日向で十分育てられるので、冬の草花との寄せ植えにも最適。寒冷地ではやや葉が少なくなりますが、強い霜の降りない地域では完全に常緑で、生き生きと葉を茂らせたまま越冬します。
ツボサンゴ(ヒューケラ)を使った秋冬の寄せ植え例
赤系のツボサンゴ、ビオラ、紅葉したロニセラを、軽やかに茂るコクリュウやメラレウカ、リベルティアの葉がリズミカルに囲む寄せ植え。
【使用花材】
- ツボサンゴ‘フォーエバーレッド’
- コクリュウ
- リベルティア‘ゴールドストライプ
- メラレウカ‘レッドジェム’
- ロニセラ‘オーレア’
- ハボタン‘チタニウムシルバー’
- ビオラ
シルバーがかるツボサンゴを中心に、落ち着いたダークトーンとチェッカーベリーがアクセントになる冬らしさをまとった寄せ植え。
【使用花材】
- ツボサンゴ‘シナバーシルバー’
- チェッカーベリー
- タナセタム‘シルバーレース’
- ビート‘ブルズブラッド’
大小さまざまな葉の形や色、模様が楽しめる動きのある寄せ植え。
【使用花材】
- ツボサンゴ‘ライムリッキー’
- ヘーベ‘ジュエル オブ ナイル’
- ツボサンゴ‘フォーエバーレッド’
- コクリュウ
- ビオラ
- ワイヤープランツ‘スポットライト’
常緑性のカラーリーフ②
アジュガ
よくグラウンドカバーに使用されるアジュガも、冬は常緑で越冬します。ツヤツヤとした葉も魅力の一つで、大型、小型、斑入りなどバリエーションが豊富です。冬はあまり草丈が伸びず、コンパクトに育つため、寄せ植えにもぴったり。寒い時期は葉色がいっそう濃く、美しくなります。
アジュガを使った秋冬の寄せ植え例
ピンクやオレンジの花色を2種のアジュガが調和させる寄せ植え。
【使用花材】
- アジュガ‘チョコレートチップ’
- アジュガ‘バーガンディグロー’
- ハボタン
- ビオラ
- スイートアリッサム
黒っぽいアジュガに対比して、ハボタンやヘーベ、ビオラの色が引き立つ寄せ植え。
【使用花材】
- アジュガ‘ブラックスカロップ’
- ヘーベ‘レッドエンジェル’
- ハボタン
- ビオラ
常緑性のカラーリーフ③
ベロニカ‘オックスフォードブルー’
早春に一面の花を咲かせるベロニカ‘オックスフォードブルー’は、庭植えにもとても人気のある宿根草です。強い霜の降りない地域では葉が残り、ブロンズ色の紅葉が楽しめますので、冬の草花との寄せ植えにも適しています。やや枝垂れる草姿なので、寄せ植えの前面に使うとおしゃれに仕上がります。
ベロニカ‘オックスフォードブルー’を使った秋冬の寄せ植え例
白花のスイートアリッサムとベロニカが対比し、黒葉のコクリュウが動きをプラスする大人シックな寄せ植え。
【使用花材】
- ベロニカ‘オックスフォードブルー’
- ツボサンゴ‘キャラメル’
- ビオラ
- コクリュウ
- スイートアリッサム
常緑性のカラーリーフ④
タンジー‘ゴールデンフリース’
ハーブとして有名なタンジーですが、本種‘ゴールデンフリース’は小型で、ドワーフタンジーと呼ばれる種類です。そのためコンパクトに育ち、寄せ植えや鉢植えにも向いています。明るい黄金色の葉が周年美しく、暖地では真冬でも葉が楽しめますので、寄せ植えにいかがでしょうか。あまり見かけない細やかな葉が珍しく、目を引きます。
タンジー‘ゴールデンフリース’を使った秋冬の寄せ植え例
クリーム色のシクラメンの花にオレンジと黄緑を合わせ、明るさを引き立てる寄せ植え。
【使用花材】
- タンジー‘ゴールデンフリース’
- ビオラ
- シクラメン‘マイクロゴールデンボーイ’
- コクリュウ
- ハボタン
- ワイヤープランツ‘スポットライト’
常緑性のカラーリーフ⑤
ビオラ ラブラドリカ
紫色の葉が美しい宿根性のスミレです。秋から初夏頃まで長く花を咲かせるので庭植えにも人気がありますが、シックな葉色が秋冬の寄せ植えにもよく似合います。小型のスミレで、草丈も伸びないので、寄せ植えに使いやすく、冬も常緑で楽しめます。
ビオラ ラブラドリカを使った秋冬の寄せ植え例
ビオラ ラブラドリカのスミレ色の花を引き立てる葉のバリエーションが楽しめる寄せ植え。
【使用花材】
- ビオラ ラブラドリカ
- タナセタム‘シルバーレース’
- ビート‘ブルズブラッド’
- ハボタン
- ペルシカリア‘レッド ドラゴン’
- ワイヤープランツ‘スポットライト’
常緑性のカラーリーフ⑥
セリ‘フラミンゴ’
広がるように育つので、半日陰のグラウンドカバーに適したセリ‘フラミンゴ’は、名前のとおり、寒くなるとピンク色に紅葉して、秋冬に見頃になるカラーリーフです。寒さにとても強い宿根草で、寒冷地では落葉して越冬しますが、強い霜の降りない地域では紅葉したまま常緑で越冬します。日陰向きの植物ですが、冬の日差しであれば、日向で十分育てられるため、冬の草花との寄せ植えにもおすすめです。
セリ‘フラミンゴ’を使った秋冬の寄せ植え例
紅葉したセリ‘フラミンゴ’が枝垂れるように伸び、コクリュウの細葉やセントーレアのシルバーリーフ、ギザギザのハボタン フェザーがボリュームをプラスする寄せ植え。
【使用花材】
- セリ‘フラミンゴ’
- ハボタン ‘フェザー’
- セントーレア ギムノカルパ
- コクリュウ
常緑性のカラーリーフ⑦
アステリア
ニュージーランド原産の植物で、あまり出回っていませんが、光を反射するようなメタリック色で、不思議な魅力があります。厚みのある葉は寒さにも耐え、周年葉が落ちないので秋冬の寄せ植えに使うと、一風変わった個性的な雰囲気を出してくれます。寒くなると葉が赤みを帯びて紅葉するのもきれいです。
アステリアを使った秋冬の寄せ植え例
黒やモスグリーン、シルバーリーフなど、それぞれ違った葉色をアステリアが調和を取る寄せ植え。
【使用花材】
- アステリア‘レッド デビル’
- ビオラ
- ハボタン‘フェザー’
- バーゼリア
- コロキア コトネアスター
- シロタエギク
常緑性のカラーリーフ⑧
コクリュウ
これまでご紹介してきた寄せ植えの実例にも多数登場していた黒く細い葉を伸ばすコクリュウ(黒竜)は、古くから下草として庭園用に使われてきた、日本原産のオオバジャノヒゲの品種です。仲間のリュウノヒゲと同様に、周年常緑で、寒さ、暑さに極めて強い丈夫な植物です。これほど真っ黒な葉は他にはなく、使い方によっては、とてもおしゃれな雰囲気に。日本だけでなく海外での人気も高い植物です。
コクリュウを使った秋冬の寄せ植え例
クリーム色のシクラメンや明るいオレンジ花のビオラをハボタンがシックに引き締める寄せ植え。
【使用花材】
- コクリュウ
- ハボタン
- タンジー‘ゴールデンフリース’
- ビオラ
- シクラメン ‘マイクロゴールデンボーイ’
常緑性のカラーリーフ⑨
セントーレア ギムノカルパ
周年常緑の白い葉が美しく、見た感じはシロタエギクに似ていますが別種で、セントーレア(宿根ヤグルマギク)の一種です。シロタエギクに比べて葉がより細かく切れ込み、ピンクの花も咲くので観賞価値が高い植物です。やや大型の多年草で庭植えにして放任すると1m近い高さになりますが、生育は早くないので、若いうちは寄せ植えにも適しています。ピンクの花、シロタエギクに似た葉なので「ピンクダスティミラー」の別名があります。
セントーレア ギムノカルパを使った秋冬の寄せ植え例
セントーレア ギムノカルパを中心に、ダーク系のさまざまな葉がコラボする寄せ植え。
【使用花材】
- セントーレア ギムノカルパ
- セリ‘フラミンゴ’
- ハボタン‘フェザー’
- メラレウカ‘レッドジェム’
- コロキア コトネアスター
- コクリュウ
常緑性のカラーリーフ⑩
宿根キンギョソウ‘ブラックプリンス’
キンギョソウといえば一般的に一年草扱いですが、‘ブラックプリンス’は宿根タイプの品種で、冬も夏も越せる種類です。深いブロンズ色の葉、シックなえんじ色の花は、一目でおしゃれな雰囲気が伝わってくる、とても魅力的な色合いです。
花が繰り返し咲き、ほぼ一年中楽しめるうえ、咲いていない時期も葉が周年常緑でカラーリーフとして楽しませてくれます。庭植えはもちろん、寄せ植えにも最適で、シックな美しさに仕上がります。
宿根キンギョソウ‘ブラックプリンス’を使った秋冬の寄せ植え例
草丈が高い宿根キンギョソウ‘ブラックプリンス’とシクラメン、ハボタン、ビオラが脇役をかためる寄せ植え。
【使用花材】
- 宿根キンギョソウ‘ブラックプリンス’
- シクラメン‘マイクロゴールデンボーイ’
- ハボタン‘チタニウムシルバー’
- カレックス‘フロステッドカール’
- ビオラ
多年草を使って秋冬の寄せ植えに挑戦してみよう!
この種類は冬でも楽しめるんだ!と、いままでのイメージが変わった植物もあったのではないでしょうか? 見慣れていた植物も、いつもと少し違う花を組み合わせるだけで、寄せ植えがグッと個性的になります。これからの季節、花や緑は少なくなりますが、周囲が寂しくなる分、ちょっと一鉢、寄せ植えや鉢植えを玄関先や庭のコーナーに飾るだけでも、雰囲気がパッと明るくなります。ご紹介の植物を使って、ウィンターシーズンでもバラエティに富んだガーデニングを楽しめると思います。ぜひ、挑戦してみてください!
Credit
写真&文 / 荻原範雄 - 「おぎはら植物園」店長 -
おぎはら・のりお/長野県上田市にある宿根草と山野草を扱う植物専門店「おぎはら植物園」の店長。1979年から植物の栽培と販売をスタートさせた「おぎはら植物園」では、現在、取り扱う宿根草と山野草は4千種を超える。全国に苗生産者のネットワークを持ち、海外からの新品種の導入なども積極的に行う。近著に『咲かせたい!四季の宿根草で庭づくり』『決定版 カラーリーフ図鑑』(ともに講談社)。
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