植えてわずか1カ月で開花! 初心者でも大成功する秋咲き球根「ステルンベルギア」の植えっぱなし栽培術
Walter Erhardt/Shutterstock.com
秋の庭を鮮やかな黄色で彩る「ステルンベルギア(キバナタマスダレ)」。クロッカスに似た愛らしい花姿と、植えっぱなしでも毎年咲く丈夫さから、初心者にも大人気の夏植えの球根植物です。 本記事では、ステルンベルギアの基本情報から、失敗しない球根の選び方、夏越しの重要なコツ(休眠期の扱い)、増やし方やおしゃれな水栽培の手順まで分かりやすく解説します!
目次
ステルンベルギアの基本情報

植物名:ステルンベルギア
学名:Sternbergia
英名:Sternbergia、winter daffodil、autumn daffodil、yellow autumn crocusなど
和名:キバナタマスダレ(黄花玉簾)
その他の名前:シュテルンベルギア
科名:ヒガンバナ科
属名:キバナタマスダレ属(ステルンベルギア属)
原産地:ヨーロッパ南東部~アジア南西部
形態:宿根草(多年草)
ステルンベルギアの学名は、Sternbergiaで、学名がそのまま流通名になっています。ヒガンバナ科キバナタマスダレ属(ステルンベルギア属)の球根植物。原産地はヨーロッパ南東部からアジア南西部で、5〜8種が確認されています。暑さや寒さに強く、周年戸外で植えっ放しにしていてもかまいません。
ステルンベルギアは夏植え秋咲きの球根植物で、ライフサイクルは次の通りです。8月下旬〜9月上旬に球根を植え付けると、9月下旬〜10月頃に開花します。その後は葉を残すので、しっかり光合成をさせて球根を太らせる管理をしておきましょう。5月頃になると葉を落として休眠します。枯れたと判断して捨てたりせずに、そのまま開花期まで待ちましょう。丈夫で育てやすく、一度植え付けると毎年開花してくれる息の長い植物で、コストパフォーマンスに優れています。
ステルンベルギアが咲く草原。8K/Shutterstock.com
ステルンベルギアの花や葉の特徴

園芸分類:草花
開花時期:9月下旬〜10月
草丈:10〜25cm
耐寒性:強い
耐暑性:普通(休眠)
花色:黄
ステルンベルギアの開花期は9月下旬〜10月で、花色は黄色。花弁6枚、直径5㎝ほどのクロッカスに似た花姿で、1本の花茎の先に1つの花がつき、1つの球根から2〜3輪の花が咲きます。草丈は10〜25㎝ほどで小ぶりなので、単体で楽しむのもいいですが、まとめ植えして華やかに彩るのもおすすめです。
葉は細長く、花茎と同時に伸びて地際から茂ります。

ステルンベルギアの名前の由来と花言葉

ステルンベルギアという名前は学名に由来し、オーストリアの植物学者カシュパル・マリア・シュテルンベルクにちなみます。キバナタマスダレ(黄花玉簾)という和名は、葉や草姿の雰囲気が白い花を咲かせるタマスダレに似て、花色が黄色であることが由来です。

ステルンベルギアの花言葉は「期待」「粘り強さ」「じれったいあなた」「無駄なこと」「あなたを愛しています」など。「期待」「粘り強さ」「じれったいあなた」は、ステルンベルギアが春になっても、夏になっても開花することがなく、秋まで待ってやっと咲いてくれることに由来しているようです。
ステルンベルギアの種類

ステルンベルギアは5〜8種が確認されていますが、日本で広く流通しているのは、黄色い花を咲かせるステルンベルギア・ルテア。基本的に単にステルンベルギアといえばこの品種を指し、「キバナタマスダレ」という和名も狭義にはこの種を指します。この記事では、ルテア種にフォーカスしてご紹介しています。ヨーロッパでは、フィッケリアナ種やクルシアナ種、キャンディダ種も知られています。

ガーデニングにもぴったり

ステルンベルギアは、草丈10〜25cmほどにまとまるコンパクトな草姿をしているので、花壇に植え付けるなら、前面や縁取りなどに向いています。1〜2球植えるのもいいですが、10球単位で群れ咲くよう植え付けると、迫力のあるシーンを演出することが可能です。
またロックガーデンに取り入れるのもおすすめ。ロックガーデンとは、傾斜地などに石組を組んで、山野草のような楚々しとした風情の植物を植え込んで、野山の景色を再現するスタイルのことを指します。ステルンベルギアは草姿が小ぶりにまとまるので、岩と岩の間のポケットのような植栽部分に植え込むとよいでしょう。ステルンベルギアは水はけのよい環境を好むので、ロックガーデンのような水が抜けやすい傾斜地は好適です。
ステルンベルギアを鉢栽培で楽しむなら、5〜6号鉢を用意して3〜5球を目安に植え付けるとよいでしょう。大鉢を用意してほかの植物と組み合わせる寄せ植えにしても素敵です。

ステルンベルギアの栽培12カ月カレンダー
開花時期:9月下旬〜10月
植え付け・植え替え:8月下旬〜9月上旬
肥料:11月~翌年4月中旬
ステルンベルギアの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】ステルンベルギアは、日当たり・風通しのよい場所を好みます。明るめの半日陰でも栽培可能ですが、葉が長く伸びてしまい、花が葉に隠れてしまってバランスの悪い株姿になることもあるようです。
【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。屋内で水栽培で開花させることも可能ですが、翌年も開花させるにはよく日に当てて球根を太らせましょう。
【置き場所】水はけのよい土壌を好みます。じめじめとした湿り気の多い環境を苦手とするので、水はけの悪い場所では川砂やパーライトなどの土壌改良資材を混ぜ込んでおくとよいでしょう。周囲よりも土を盛って高くしても水はけがよくなります。さらに堆肥や腐葉土などの有機質資材を混ぜ込み、ふかふかとした土をつくるとよく育ちます。
耐寒性・耐暑性
ステルンベルギアの耐寒温度はマイナス5℃程度。基本的に暑さにも寒さにも強い性質で、植えっ放しにして越年できます。ただし、霜が葉に降りると葉が傷むことがあります。
ステルンベルギアの育て方のポイント
用土

【地植え】
植え付ける1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕して水はけのよい土壌を作っておくとよいでしょう。
【鉢植え】
草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。
水やり

水やりの際は、花にかからないよう株元の土を狙って与えるとよいでしょう。
真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。
夏は休眠するため、水やりは控えます。
【地植え】
地植えの場合はほとんど不要です。ただし、晴天が続いて乾燥が続く場合は水やりをして補いましょう。
【鉢栽培】
鉢栽培では土が乾きやすいので、日頃から水やりを忘れずに管理します。とはいっても、毎日水を与えればいいというものでもありません。なぜなら、気温や湿度など天候の状況によって、土が毎日乾くとは限らないからです。動物が毎日の食事が必要なのとは異なり、毎日水を与えて土がジメジメとした過湿の状況にすると、根腐れして枯れてしまうこともあるので注意。土の状態を見てから水やりするのがポイントで、基本は、土の表面が白っぽく乾いてから、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えます。また、茎葉がややだらんと下がって勢いがなくなっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
肥料

【地植え・鉢植えともに】
植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきます。その後は、開花が終わった後から春に休眠するまでの間、月に1度を目安に液肥を施して球根が充実するのを促すとよいでしょう。
注意する病害虫
ステルンベルギアの栽培では、病害虫が発生する心配はほとんどありません。
ステルンベルギアの詳しい育て方
球根の選び方
ステルンベルギアの球根を購入する際は、ふっくらとして重みがありもの、ハリがあって充実しているものを選びましょう。カビが生えているものや軽いものなどは避けたほうが無難です。
植え付け

ステルンベルギアの球根の植え付け適期は、8月下旬〜9月上旬です。ステルンベルギアは、1株のみ咲かせるというよりは、同じ品種で球根を5〜10球まとめ植えし、一斉に咲かせると華やかに演出できます。
【地植え】
腐葉土や堆肥などの有機質資材をすき込んで土づくりをしておいた場所に、深さ10cmほどの穴を掘り、球根を植え付けます。たくさん植える場合は間隔を15cmほど開けましょう。最後にたっぷりと水やりをしておきます。
【鉢植え】
5〜6号鉢を用意し、3〜5球を目安に植え付けるとよいでしょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。球根は、深さ5cmほどの穴を掘り、等間隔で植え付けます。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。
植え替え

【地植え・鉢植えともに】
ステルンベルギアは環境に合って順調に育っているようであれば、毎年植え替える必要はありません。ただし、植え付けから数年が経ち、大株になって込み合っているようであれば、5月頃に掘り上げて分球し、ネットなどに入れて日の当たらない涼しい場所で保管して、8月下旬〜9月上旬に植え直しましょう。
日常の手入れ
終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも花がらを残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まります。

夏越し・冬越し

ステルンベルギアは、夏は休眠しているので暑さ対策をする必要はありません。ただし、地植えの場合は多湿な環境では球根が腐ることがあります。心配な場合は掘り上げて、ネットなどに入れて風通しのよい涼しい場所に吊るして管理するとよいでしょう。
一方、寒さには大変強く、マイナス5〜マイナス7℃までは耐えるので、一般地であれば戸外で越冬できます。マイナス7℃よりも下がる環境の場合は、掘り上げて鉢に植え替え、冬越しさせましょう。
増やし方

ステルンベルギアの球根は、植え付けてから数年経つと大きく太って充実します。込み合ってきているようなら、地上部の葉が枯れた後に、掘り上げてみましょう。大きくなった球根は自然にいくつかに分球できるので、それぞれ球根をはずして植え直すと増やすことができます。
掘り上げた球根は、まずは風通しのよい日陰に吊るして乾燥させます。乾いたら土を落とし、ネットなどに入れて直射日光の当たらない涼しい場所で管理しておきましょう。植え付け適期になったら、定植します。
ステルンベルギアは水耕栽培でも楽しめる

ステルンベルギアは、球根植物のため水耕栽培で育てることもできます。球根には発芽・発根のための養分が蓄えられているため、植物の生育に必要な光、水、温度を適切に与えれば、用土に植え付けなくても開花を楽しむことが可能です。水耕栽培なら、球根から根を出したり、発芽したりと、日々の生育を観察することができ、そのたくましい生命力を身近に感じ取ることができるので、ぜひチャレンジしてみてください。
水耕栽培で用意するものは、水漏れしない器、球根、水、水差しなど。初心者の場合は、管理がしやすいように設計された、球根水栽培専用のバルブベースなどが販売されているので、それを利用すると便利です。基本的には水漏れさえしなければ育つので、水耕栽培に慣れてきたらおしゃれな器などを利用するとよいでしょう。
球根の芽と根が出る位置を確認し、水を入れたバルブベースに根が出るほうを下にして配置します。水の量は、球根の底に水が触れる程度にしておきましょう。球根が水に浸かった状態にしておくと、腐ってしまうことがあるので注意。器に入れた水は、毎日交換します。ステルンベルギアは夏植えで、この時期は水が腐りやすいためです。また、1〜2cmほど発芽するまでは、ダンボールなどをかぶせて遮光しておきます。発芽したら、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。根が長く伸びて充実したら、バルブベースに入れる水の量を減らして球根に水が触れないようにし、根から吸水させるようにします。水耕栽培はワンシーズンのみの楽しみとイメージされがちですが、花が終わったら鉢などに植え付けて球根を太らせると、翌年も開花を楽しめます。
ステルンベルギアの栽培に挑戦しよう

ステルンベルギアは、病害虫がほとんどつかないうえに、暑さ寒さに耐えて周年植えっ放しにしてよいために、手間がかからない植物の一つといえます。球根を植え付けてから1カ月ほどで開花するので成功体験を得られやすく、特にビギナー向きです。ぜひ庭やベランダで咲かせてください。
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
- リンク
記事をシェアする
季節のおすすめアイテム
ホースガイド ジョウロ -GARDEN STORY Series-
庭にホースを伸ばして水まきをする際、ホースが大切な植物をなぎ倒してしまうのを防ぎます。地面にスッと差し込むだけで、花壇の縁やアプローチ横など、ホースが通るルートに手軽に設置できます。ジョウロのモチーフが庭の風景によくマッチ!
新着記事
-
ガーデン&ショップ

【盛夏の花咲く8月】宿根草等を使用する都立公園の花壇コンテスト「第4回 東京パークガーデンアワード」夢…
宿根草等を生かした花壇デザインを競うコンテストとして注目されている「東京パークガーデンアワード」。第4回コンテストが、都立夢の島公園(東京都江東区)を舞台に、スタートしています。2025年12月、5人の入賞者…
-
イベント・ニュース

購入者限定の動画レッスン付き!初めてでも迷わず作れる『ハンギング&寄せ植え』バイブルが予約開始
狭い玄関やベランダでも、空間を上手に生かせば豊かで華やかな花景色を作ることができます。 Webマガジン「ガーデンストーリー」の新刊『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』が、8…
-
宿根草・多年草

植えてわずか1カ月で開花! 初心者でも大成功する秋咲き球根「ステルンベルギア」の植えっぱなし栽培術
秋の庭を鮮やかな黄色で彩る「ステルンベルギア(キバナタマスダレ)」。クロッカスに似た愛らしい花姿と、植えっぱなしでも毎年咲く丈夫さから、初心者にも大人気の夏植えの球根植物です。 本記事では、ステルンベ…

























