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【完全版】ブーゲンビリアの育て方|特徴・冬越し・仕立て方まで解説

【完全版】ブーゲンビリアの育て方|特徴・冬越し・仕立て方まで解説

Amovitania/Shutterstock.com

真夏の太陽に映える鮮やかな色彩で、南国ムードを演出するブーゲンビリア(ブーゲンビレア)。酷暑でも丈夫に育ち、長い期間花(苞)を楽しめるつる性の熱帯花木です。この記事では、初心者でも安心して美しいブーゲンビリアを咲かせられるよう、基本情報から、水やり、冬越し、剪定といった日々の管理方法から仕立て方の実例アイデアまで、栽培のすべてを詳しくご紹介します。

ブーゲンビリアの基本情報

ブーゲンビリア
S.O.E/Shutterstock.com

植物名:ブーゲンビリア
学名:Bougainvillea
英名:Bougainvillea
和名:筏葛(いかだかずら)
その他の名前:ブーゲンビレア
科名:オシロイバナ科
属名:イカダカズラ属(ブーゲンビレア属)
原産地:中南米
形態:つる植物

ブーゲンビリア(ブーゲンビレア)はオシロイバナ科のつる性熱帯花木。南国らしい大胆で鮮やかな色合いの魅力的な花です。中南米を原産としますが、丈夫で育てやすく、赤やピンク、白、紫、黄色などの花を長期間咲かせることから、世界各地で親しまれています。ギリシャの家々を背景に咲き誇るブーゲンビリアの写真を見たことがある人も多いのではないでしょうか。ちなみに、名前からして異国情緒を感じさせるブーゲンビリアという名は、発見者であるフランス人探検家・ブーガンヴィルに由来します。

白い壁を背景に、降るように花を咲かせるブーゲンビリア。Svetlana_LindaFoto/Shutterstock.com

ブーゲンビリアの花や葉の特徴

ブーゲンビリア
白い壁と水色の扉に、色鮮やかなブーゲンビリアが映えるギリシャのワンシーン。Arkhipenko Olga/Shutterstock.com

園芸分類:庭木
開花時期:4~5月、10~11月 (ただし、育成方法により異なる)
草丈・樹高:0.5~3m
耐寒性:やや弱い
耐暑性:強い
花色:白、赤、ピンク、オレンジ、黄、複色

「花」と説明しましたが、ブーゲンビリアの色鮮やかな部分はじつは苞(ほう)で、中心部にある白色の小さな部分が花、筒状の部分がガクになっています。通常は苞の中心に3つの花が集まっています。また、ブーゲンビリアにはトゲがありますが、このトゲは花になれなかった部分の名残。花の咲かない時期に伸びた枝の部分に、花を咲かせようとした痕跡が残っているものです。

ブーゲンビリアの名前の由来や花言葉

ブーゲンビリア
ASMSmirMax/Shutterstock.com

ブーゲンビリアという名は、発見者であるフランス人探検家・ブーガンヴィルに由来します。ブーゲンビリアの花言葉は「あなたは魅力に満ちている」「あなたしか見えない」「情熱」です。

ブーゲンビリアの代表的な品種

ブーゲンビリア
Olga Yatsenko/Shutterstock.com

長年育てると立派な咲き姿が楽しめるブーゲンビリアの代表的な園芸品種を一部ご紹介します。

ブライダル・ピンク

ブーゲンビリア‘ブライダルピンク’
IZZ HAZEL/Shutterstock.com

‘ブライダル・ピンク’は、つぼみの間は白色ですが、開くと苞の先端が色づき、白とピンクの可愛らしいグラデーションが楽しめます。葉や苞は小ぶりなので、コンパクトにまとまりやすく、人気が高い品種です。

サンデリアナ

ブーゲンビリア‘サンデリアナ’
Yunona K/Shutterstock.com

‘サンデリアナ’は耐寒性が強く、花付きが良い品種で、苞の色には赤紫色と白色とがあります。白色の‘サンデリアナホワイト’は清楚な姿で人気が高く、沖縄では「珊瑚礁」という名で親しまれています。

ミセス・バット

ブーゲンビリア‘ミセスバット’
EPIC SHADOW/Shutterstock.com

深紅の苞が特徴の‘ミセス・バット’。バッティアナ系の品種は、ほとんどが‘ミセス・バット’の枝変わりから作出されたと考えられています。苞が大きく華やかで、地植えにも適しています。

カリフォルニアオレンジ

ブーゲンビリア‘カリフォルニアオレンジ’
mizy/Shutterstock.com

一段と輝くような花色が特徴的な‘カリフォルニアオレンジ’は、前出の‘ミセス・バット’の枝変わりであるバッティアナ系(スポーティング種)から派生した中型の品種。花色が色褪せにくいのも魅力。黄金葉でオレンジの花の‘カリフォルニア・ゴールド’も人気があります。

ブーゲンビリアの仕立て方実例

ブーゲンビリア
枝を水平に誘引するエスパリエ仕立て。tazzymoto/Shutterstock.com

つる性の花木であるブーゲンビリアは、仕立て方次第でさまざまな風景をつくることができます。壁に這わせたり、塀から垂らしたりすればダイナミックで華やかな雰囲気に。鉢栽培ならばコンパクトに楽しむこともできます。栽培環境や好みに合わせて仕立てられるのも、つる植物の大きな魅力です。

ブーゲンビリア
色彩が映える白壁から枝垂れるブーゲンビリア。仰ぎ見れば、青空から降るような鮮やかな印象に。zefyr/Shutterstock.com
ブーゲンビリア
壁面をキャンバスに、ブーゲンビリアで絵を描くように仕立てたエクステリアの好例。出入りするたび花のトンネルをくぐる楽しみがあります。lukaszimilena/Shutterstock.com
ブーゲンビリア
自然樹形を生かしたダイナミックな景色に。photo stella/Shutterstock.com
ブーゲンビリア
ブルーの窓に沿って誘引されたブーゲンビリア。周囲の植木鉢などもブルーに揃えられ、統一感がありつつもポップなシーン。NAR studio/Shutterstock.com
ブーゲンビリア
支柱やオベリスクなどに絡めても。Natalia Dobryanskaya/Shutterstock.com
ブーゲンビリア
刈り込んでコンパクトに栽培してもかわいい。Kedsirin.J/Shutterstock.com

このほか、先端の枝を残して脇の枝を落とし、支柱でまっすぐに支えれば、トピアリーでおなじみのスタンダード仕立てに、枝垂れ咲くようにすればハンギングにもできます。

ブーゲンビリアの栽培12カ月カレンダー

ブーゲンビリア
Kapustin Igor/Shutterstock.com

開花時期:4~5月、10~11月
植え替え適期:4~6月
肥料:鉢植えの場合は4~10月、庭植の場合は5~9月
植え付け:4~6月

ブーゲンビリアの栽培環境

ブーゲンビリア
Adisa/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日光を好むので、水はけがよく、日当たりのよい場所で育てましょう。地植えの場合は株が、大きくなるのを予測して周囲に誘引する場所などを確保してから植え付けるのをおすすめします。植えてから成長するまでの過程で花が付きにくい傾向があるものの、しっかり根付いた後は見事な花付きを楽しめます。

【日当たり/屋内】屋内で鉢植えにして育てることもできます。風通しが良く日当たりの良い場所で育てましょう。日当たりが悪い場所では、花が咲かないだけでなく、葉を落とすこともあります。ただし、夏に購入した苗をいきなり直射日光の下に置くと葉焼けを起こすので、1週間程度は半日陰に置いて徐々に慣らすようにしましょう。

【置き場所】つる性の植物なので、つるを絡ませやすい構造物のそばや、斜面などの乾燥気味の場所などが適しています。

耐寒性・耐暑性

ブーゲンビリア
Tania Zbrodko/Shutterstock.com

ブーゲンビリアは原産地が中南米なので、耐暑性には強いものの、耐寒性は弱い植物です。ただし、強い直射日光が当たり続けると葉焼けを起こすことがあります。耐寒温度は5℃程度で、霜や凍結は大きなダメージになるため、寒冷地では冬は屋内に取り込むことをおすすめします。

ブーゲンビリアの育て方のポイント

ブーゲンビリア
Wilm Ihlenfeld/Shutterstock.com

用土

ブーゲンビレアは水はけの良い土壌を好みます。水はけの良い肥沃な土壌が最適ですが、そうした土壌がない場合は、大き目の穴を掘って、腐葉土やたい肥などを混ぜて埋め戻し、土壌改良を行いましょう。

鉢植えの際は、水はけを良くするため、腐葉土に赤玉土小粒や軽石小粒などを1~2割程度混ぜた土や、ブーゲンビリアの専用土などを利用すると良いでしょう。

水やり

成長期には、土が乾いてから水をたっぷりと与えましょう。極端に乾燥させてしまうと、花だけでなく、葉も落ちてしまいます。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたら鉢底から水が出るくらいたっぷりと水を与えます。水やりによって、開花促進が期待できます。ただし、受け皿に水を溜めると根腐れを起こすので、注意が必要です。

肥料

成長期には、肥料は控えめに施します。水や肥料が多いと、葉や枝は勢いよく育ちますが、花は咲きにくくなります。ただし、葉が黄色くなったり、つるが伸びなかったりしていたら、肥料不足かもしれません。与え過ぎに注意しながら、適宜肥料を与えましょう。肥料は即効性のものは根を傷めるため、遅効性のものがおすすめです。

注意する病害虫 

ブーゲンビリアの栽培では、特に注意すべき病気はありませんが、害虫はアブラムシに注意が必要です。アブラムシは年間を通して発生するため、枝先などにアブラムシを見つけたら、適用のある薬剤を使用するか水で洗い流すなどして駆除しましょう。

ブーゲンビリアの詳しい育て方

ブーゲンビリア
s8/Shutterstock.com

苗の選び方

ブーゲンビリアの苗は、ホームセンターや園芸店などで入手できます。苗を選ぶ際は、葉につやがあり、色も鮮やかなものがおすすめです。また、アブラムシなどがついていないかなどもチェックしてから選びましょう。

植え付け・植え替え

植え付けの適期は4~6月。根をいじらないよう、根鉢を崩さずに植え付けます。

植え替えは2年に1度程度、根鉢をあまり崩さないようにして一回り大きな鉢に植え替えます。根詰まりを起こしている場合など、根鉢を崩してから植え付けた場合は、新しい根が動き始めるまで半日陰で管理したほうがよいでしょう。植え替えは、最低温度が20℃以上ある6~8月に行います。

剪定・切り戻し

剪定
oldbunyip/Shutterstock.com

剪定は、生育が止まりだした晩秋から冬にかけて行います。伸びすぎて邪魔な枝だけを切るようにすると良いでしょう。あまり強い剪定を行うと、春に伸びるだけの強い芽(シュート芽)が出てしまい、花が咲きにくくなるので気をつけましょう。シュート芽は早めに付け根から切り取ります。

剪定を初めて行う場合は、枝を整える程度にとどめておき、翌年春の芽吹きや生育状況を確認して、次の剪定の参考にしましょう。

つる性植物なので、構造物などに絡ませるか、刈り込んでコンパクトに仕立てましょう。つるの先端に花芽がつくので、花がらを摘む際などは、つるを切らないように注意しましょう。花が咲き終わった枝は軽く切り詰めて、新しい芽の発生を促します。

冬越し

耐寒温度は5℃程度とやや寒さに弱く、特に霜や凍結は大きなダメージとなるため、寒さが厳しい地域では冬は屋内に取り込んだほうが無難です。地植えの場合は、マルチングをして凍結を防ぐとよいでしょう。近年は、地植えのまま越冬する事例が増えてきています。

増やし方

ブーゲンビリアを増やす場合は、挿し木が一般的です。挿し木を行う適期は新芽が出やすい6~8月です。

挿し木の手順は、枝を10cm程度の長さに切り、切り口を斜めにカットします。枝の葉は4~5枚残して摘み取り、水を入れた容器に枝の切り口を1時間程度つけます。水から上げた後、切り口に発根促進剤を塗り、パーライトや川砂を入れた鉢に2/3程度が埋まるくらいまで枝を挿します。半日陰に置き、土が乾いたら水をやり、新芽が出て、根が生えたら、新しい鉢へ植え替えます。

夏の日差しに似合うブーゲンビリアを育てよう!

ブーゲンビリア
Gulnazina Javda/Shutterstock.com

花が少なくなりがちな真夏の炎天下の下でも、強い太陽の光に似合うカラフルな花を咲かせるブーゲンビリア。丈夫で育てやすく、トロピカルな雰囲気満点で花が長く楽しめるので、庭木としてもおすすめです。つる性なので仕立て方次第でいろいろな表情を楽しむことができます。ぜひ栽培にチャレンジして、夏に色鮮やかな風景を作ってください。

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