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秋に咲く花にはどんなものがある? 秋の花壇を華やかにしよう!

秋に咲く花にはどんなものがある? 秋の花壇を華やかにしよう!

Bubushonok/Shutterstock.com

暑い夏も一段落して、そろそろ秋の花壇への模様替えを考えている方も多いのではないでしょうか。秋が深まって昼夜の気温差が大きくなるにつれ、花色が冴え冴えとしてくるのも秋花壇の魅力です。この記事では、秋に咲く人気の花を取り上げ、特性や育て方についてご紹介していきます。

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秋に咲く花ってどんな花?

秋の花
Gardens by Design/Shutterstock.com

季節区分で秋といえば、9月から11月とされるのが一般的な認識です。しかし、ガーデニングの場合、秋に咲く花といっても、9月から11月までが開花期というわけではありません。自然界のことですから、いつからいつまでと区切ることはできませんよね。秋に咲く花は、春または夏から咲き始めて秋まで長く咲くタイプ、秋の間だけ咲くタイプ、秋から咲き始めて冬から早春まで咲くタイプの3つがあります。また、その年の気候によっても開花期間は微妙にずれることもあるので、「だいたいこのくらい」と捉えるのがよさそうです。

一年草や多年草の意味って?

ガーデニング
iMarzi/Shutterstock.com

多年草は、一度根付けばそのまま枯死することなく越年し、毎年開花する息の長い植物です。常緑で越年するものもあれば、夏または冬の気候が厳しい季節は地上部を枯らして休眠するものもあります。夏または冬に姿を消しても、生育期に入ると再び新芽を出して成長し始めます。多年草の寿命は種類によってさまざまで、数年で弱って姿を消すものや、長きにわたって毎年咲くものもあります。

一年草は、種まきから生育期、開花期を経た後、1年以内に枯死する、ライフサイクルの短い植物のことをいいます。原産地では多年草に分類されていても、日本の暑さ寒さに馴染まずに枯れてしまうものは、日本では一般に一年草に分類されて流通しています。

初夏から秋にかけて咲く花

ここでは、初夏から咲き始めて秋まで長く咲くタイプの草花をご紹介します。

ジニア

ジニア
Gatot Wahyu Handono/Shutterstock.com

ジニアは、キク科ヒャクニチソウ属(ジニア属)の一年草です。開花期間が大変長いために別名を百日草といい、5~11月まで花が咲きます。花色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、複色があります。背丈の低い矮性種から背が高くなる高性種まで品種が揃い、草丈は15〜100cm。原産地はメキシコを中心とした南北アメリカで、暑さに強く寒さには弱い性質を持っています。初心者でも種まきから簡単に育てられる、丈夫な性質。花つきがよく、花壇やコンテナを華やかに彩ってくれます。草姿が乱れてきたら、真夏に草丈の1/2〜1/3まで切り戻すと、再び新芽を伸ばして秋にたっぷりと咲いてくれますよ!

マリーゴールド

マリーゴールド
Yui Yuize/Shutterstock.com

キク科マンジュギク属(タゲテス属)の一年草です。開花期は5~11月。花色は黄、オレンジ、赤、クリーム、白、複色があります。草丈が低く、たくさん枝分かれして小さめの花を多数咲かせるフレンチ・マリーゴールド、草丈が高めで花弁を多数重ねて大輪になるアフリカン・マリーゴールドがポピュラー。原産地はメキシコ、中央アメリカ、一部アフリカで、暑さには大変強いのですが、寒さには弱い性質を持っています。花つきがよく、花がらをまめに摘み取ると、次々と花芽が上がって開花が続きます。

秋の入り口、9月に咲く花

秋のはじめに咲く花をピックアップして、その特性などをご紹介します。

キンモクセイ

キンモクセイ
Picmin/Shutterstock.com

モクセイ科モクセイ属の常緑樹です。9月下旬~10月上旬にオレンジ色の小さな花を多数咲かせます。大変香りがよいことで知られ、日本人にとっては秋の訪れを感じさせる植物の代表といってよいでしょう。樹高は5〜6mにも達しますが、毎年の剪定によって2〜3mまでに抑えることができます。常緑樹のため、冬でもみずみずしい葉を保つのも長所。原産地は中国で、寒さにやや弱い性質です。半日陰の環境にも耐えますが、日なたのほうが花つきがよくなります。乾燥すると花つきが悪くなるので、真夏は水切れしないように水やりをして補うとよいでしょう。

ホトトギス

ホトトギス
ToRyUK/Shutterstock.com

ユリ科ホトトギス属の落葉性多年草です。9~10月に開花し、花色は白、紫、ピンク、黄があります。2〜3cmの花には紫色の斑点が入り、楚々とした野趣感のある花姿が特徴。茶花としても愛されている秋の花です。原産地は日本で、古くから自生してきた植物のため環境に馴染みやすく、放任してもよく育つビギナー向きの草花です。半日陰のやや湿り気のある環境を好み、シェードガーデンで活躍。冬は葉を落として休眠しますが、春になると再び新芽を出して生育し、一度植え付ければ長く楽しめます。3年ほどは植えたままにしてもかまいませんが、大株に育ったら掘り上げて株分けし、若返りを図りましょう。

ヒガンバナ(彼岸花)

ヒガンバナ
phototenki/Shutterstock.com

ヒガンバナ科ヒガンバナ属(リコリス属)の落葉性多年草です。9月下旬、彼岸の頃に咲くのでこの名前がつきました。花色は赤、白があります。葉が出るよりも先に花茎を伸ばして開花し、その後に葉を展開します。越年して初夏に葉が黄変して枯れ込んだ後、休眠するライフサイクルです。草丈は20〜50cm。原産地は日本、中国。日本では昔から野山に自生してきた植物のため、暑さや寒さにも強く、放任してもよく育ちます。日当たりのよい場所を好みますが、明るい半日陰でも栽培可能。過湿を嫌うので、水はけのよい場所を選ぶか、腐葉土や堆肥などをすき込んで土壌改良し、やや土を盛って環境を整えるとよいでしょう。

キク

キク
momemoment/Shutterstock.com

キク科キク属の常緑性多年草です。日本を代表する花の一つで、大ギク、小ギク、古典ギク、野生ギク、洋ギクなど、品種は豊富。ガーデニングに気軽に取り入れやすいのは洋ギクで、ポットマムとも呼ばれています。ポットマムの花色は白、赤、ピンク、オレンジ、黄、緑、茶、複色などがあり、選ぶ楽しみがあるのもいいですね。開花期は9~11月。草丈は10〜50cmで、花壇の前段から中段向き。花つきがよいので、主役にも脇役にも利用できます。原産地は中国で、暑さ寒さに強く、放任してもよく育つので、ビギナーにおすすめです。

キキョウ

キキョウ
Flower_Garden/Shutterstock.com

キキョウ科キキョウ属の落葉性多年草です。古く万葉の時代から愛されてきた花で、秋の七草の一つとしても知られています。開花期は品種によって幅があり、6~9月。薄い花弁の星形をした花姿は愛らしく、切り花としても人気があります。花色は淡い青紫、ピンク、白、複色など。草丈は15〜150cmで、これも品種によって幅があります。原産地は日本を含む東アジアで、古くから日本では野山に自生してきました。寒さ暑さに強く、花壇などに植えても環境に馴染みやすくて大変育てやすい花です。晩秋には地上部が枯れて休眠し、越年して春の生育期を迎えると再び新芽を出します。

秋真っ盛りの10月に咲く花

気温が下がって過ごしやすく、爽やかな仲秋に咲く花を、特性などとともにご紹介します。

バラ

バラ
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バラ科バラ属の落葉性の花木。バラの一番の開花期は5月頃ですが、初夏から晩秋にかけて繰り返し咲く「四季咲き」タイプを選べば、10月頃にも美しい花姿を楽しめます。この時期に咲くバラを「秋バラ」と呼びます。昼夜の気温差が大きくなるので、初夏に咲く一番花よりも花色が冴え冴えとし、カップ咲きではより深くなるのが魅力です。つる性、株立ち性、木立性と品種によって樹形が異なるので、庭の広さや環境に合うものを選ぶとよいでしょう。花色は、赤、ピンク、オレンジ、黄、茶、紫、緑、白、複色などがあり、花姿も一重咲き、八重咲き、房咲き、カップ咲きなど多様で、選ぶ楽しみがあります。冬は落葉して休眠するので、切り戻し剪定をして樹形を整えます。

コスモス

コスモス
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キク科コスモス属の一年草です。春から夏に種を播いて、日が短くなる10〜11月に咲きます。秋を代表する花の一つとして日本人には馴染み深いのではないでしょうか。

花色はピンク、白、赤紫などがあり、群植して観光スポットにしているところも多く見られます。日当たりと風通しがよければ、手をかけずとも旺盛に生育するので、初心者にもおすすめ。原産地はメキシコで、暑さには強いものの寒さには弱く、冬になると地上部が枯れてしまいます。越年しないので、開花が終わったら抜き取って花壇を整理しましょう。

リンドウ

リンドウ
Oleg Ivanenko/Shutterstock.com

リンドウ科リンドウ属の落葉性多年草。原産地は本州、四国、九州で、古くから野山に自生してきた馴染み深い草花の一つです。薬草として用いられてきた一面もあります。リンドウの開花期は9月下旬~10月中旬。花色は深い青が最もポピュラーですが、他に白、ピンクもあります。草丈は30〜50cmで、花壇の中段向き。乾燥しすぎると葉が傷んでなかなか回復しないので、適切な水やりを心がけてください。晩秋になると地上部が枯れて休眠しますが、越年して春になると再び新芽を出して生育し始め、長く楽しめる草花です。

ダリア

ダリア
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キク科テンジクボタン属(ダリア属)の球根植物です。大輪種、中輪種、小輪種など花のサイズが多様で、草丈も20cm程度の小さなものから、3〜5mにもなる皇帝ダリアまでがあります。花色は赤、ピンク、オレンジ、黄、白、紫、複色など。花形も一重咲き、デコラ咲き、カクタス咲き、ポンポン咲きなど10種ほどに分類されています。このように花姿が多様なのがダリアの特徴で、好きな品種を探す楽しみがあります。開花期も6月中旬〜11月と種類によって幅がありますが、一番の見頃は10月頃です。原産地はメキシコ、グアテマラで、暑さに強い一方で寒さに弱い性質。晩秋に地上部を枯らして休眠するので、掘り上げて凍結しない場所で管理し、春に植え直します。

サフラン

サフラン
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アヤメ科サフラン属(クロッカス属)の球根植物です。開花期は10月中旬~12月で、クロッカスに大変よく似た淡い紫色の花を咲かせます。草丈は10〜15cmと小さくまとまるので、花壇の前面やコンテナの縁取りなどに。原産地は地中海沿岸で、寒さには強いものの、暑さには弱い性質を持っています。水はけの悪い土壌が苦手なので、水やりのしすぎに注意。初夏には地上部を枯らして休眠するので、掘り上げて涼しい場所で管理し、秋に植え直します。

冬の足音が聞こえてくる11月に咲く花

昼と夜の気温差が大きくなり、寒さを感じるようになる秋の終わりに咲く花をセレクトし、特性なども併せてご紹介します。

サザンカ

サザンカ
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ツバキ科ツバキ属(カメリア属)の常緑樹です。ツバキに似た花が、10~12月に開花します。花色は白、ピンク、赤、複色があります。樹高は2〜6mになりますが、毎年の剪定によってコントロールすることが可能です。原産地は九州、四国、沖縄など日本の暖地で、ツバキより寒さに弱い性質です。常緑樹なので冬でもみずみずしい葉を保ち、目隠しとしても利用可。チャドクガがつきやすいので注意してください。

シクラメン

シクラメン
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サクラソウ科シクラメン属の球根植物です。原産地は北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸で、寒さに弱い性質があります。晩秋から冬の贈答用の花鉢としてのイメージをもたれがちですが、原種に近いガーデンシクラメンは比較的寒さに強く、ほとんど霜が降りない暖地では地植えでの栽培も可能。開花期は10~3月で、花色は白、赤、ピンク、紫、複色など。花つきがよく、次々とつぼみが上がってくるので、開花期間は液肥を与え、花がらはまめに摘み取るようにしましょう。

ツバキ

ツバキ
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ツバキ科ツバキ属(カメリア属)の常緑樹です。原産地は日本、朝鮮半島、台湾、中国で、寒さにも暑さにも強く、環境に馴染んで育てやすい花木です。開花期は11~12月と、2~4月。花色は赤、ピンク、白があり、古典園芸の時代から愛されてきた花だけに品種数も多く、選ぶ楽しみがあります。肉厚な葉は冬もツヤツヤとした緑を保ち、目隠しにも利用可能。半日陰でも育つので、シェードガーデンにも向いています。樹高は5〜10mになりますが、毎年の剪定によってコントロールできるので、持て余すことはありません。チャドクガがつきやすいので注意してください。

涼しく過ごしやすい秋! 季節の花を楽しもう

秋のガーデン
Jamie Hooper /Shutterstock.com

この記事では、秋に咲く花にスポットライトを当てて、ご紹介してきました。いずれも馴染みのある、ビギナーでも育てやすいものばかりです。お気に入りの植物が見つかったら、ぜひ庭やコンテナなどで栽培し、秋の季節を彩ってはいかがでしょうか?

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