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白と赤のバイカラー! 身近なこの野草の名前は?【Let’s Try! 植物クイズ】

2026.07.11
白と赤のバイカラー! 身近なこの野草の名前は?【Let’s Try! 植物クイズ】

F_studio/Shutterstock.com

野原や空き地、道端でけなげに育つ野草たち。普段それらの名前を意識することはあまりないかもしれませんが、「雑草という草はない」という植物学者・牧野富太郎の言葉がよく知られているように、どんな草花にもそれぞれ名前があります。そして、野草の花も、よく見ると意外とかわいらしいものですよ。今回は、雑草として扱われる身近な花をクローズアップでご紹介。どこかで目にしたこの植物の名前は分かりますか?

白と赤のバイカラーがおしゃれな小花

白い花の中央が赤く染まる可憐な小花。日本の山野に自生し、山野から土手、道端、公園などの街中まで幅広く見られる身近な野草で、7~9月の夏から初秋にかけて花を咲かせます。花は長く1cmほどの漏斗形で、花弁・花冠は白く、内面中心が紅色。中心には糸くずのような2本の花柱が伸びています。花冠は切り込みが入って5裂し、花の内側には細かい腺毛が密生しています。花弁が広がるタイプや反り返るタイプ、赤い部分の大小など、花には個体差があります。

もう少し離れて花の様子を見てみましょう。

雑草クイズ
tamu1500/Shutterstock.com

つる性で、他の植物や構造物などに絡みつくように伸びていきます。つるの巻き方は左巻き。葉の付け根から短い花序を出し、複数輪の花をまばらに咲かせます。

雑草クイズ
Thebubby/Shutterstock.com

葉は細長い卵形で先が尖り、対生します。つるの長さは3~5m、環境によっては10mにも達します。茎葉を傷つけると特徴的な臭気を発します。

雑草クイズ
tamu1500/Shutterstock.com

さて、この野草はなんでしょう?

正解は…

ヘクソカズラ

ヘクソカズラ
Kazu Inoue/Shutterstock.com

ヘクソカズラの基本データ

学名:Paederia scandens
科名:アカネ科
属名:ヘクソカズラ属
原産地:東アジア
和名:ヘクソカズラ(屁糞葛)
別名:ヤイトバナ(灸花)、サオトメカズラ(早乙女葛)など
英名:Skunkvine、Stinkvine、Chinese Fever Vineなど
形態:つる性多年草
草丈:3~5m

ヘクソカズラは北海道から沖縄まで日本全国で見られるアカネ科のつる性多年草。原産地は日本を含む東アジアで、日当たりのよい薮や草むら、道端、土手、公園などでごく普通に見られます。落葉性で、春~初夏にかけて芽を出し、夏~秋にかけて開花し結実、冬に枯れるという生育サイクルで、開花のピークは7~9月、10~12月に光沢のある飴色の果実が熟します。枯れて乾燥すると匂いが気にならなくなるため、つると果実をクリスマスリースなどに利用することもあります。

ヘクソカズラ
フェンスに絡んだヘクソカズラにつく実。Honki Kumanyan/Shutterstock.com
ヘクソカズラ
Moment Capsule/Shutterstock.com

ヘクソカズラのつるは基部が木質化し、周囲の草木やものに絡みつきながら伸びていきます。つるは左巻きで、根元から見れば反時計回りに巻き付きます。このつるは丈夫で、手で引っ張ったくらいでは簡単には切れません。生育旺盛で、すぐに周囲に広がってしまうため、厄介な雑草としても知られています。

つるや葉の裏面には、まばらに毛が生えています。葉柄の基部には托葉があり、葉腋から短い集散花序を出して花を咲かせます。花後につく果実は5mmほどの球形で、緑色から熟すと飴色になります。

ヘクソカズラ
liu yu shan /Shutterstock.com

ヘクソカズラは「鶏屎藤(けいしとう)」という生薬名もあり、薬用としても利用されます。薬効や使用方法はさまざまで、一例として果実のしぼり汁はしもやけやあかぎれに、全草を煎じれば風邪や婦人病に、根を煎じれば下痢止めに、葉や花のしぼり汁は虫刺されに効果があるとされています。

ヘクソカズラ
tamu1500/Shutterstock.com

ヘクソカズラの花言葉は「人嫌い」「誤解を解きたい」「意外性のある」など。全草に人を寄せ付けないような独特の臭気があること、またその匂いとは裏腹に愛らしい花を咲かせることのギャップが由来となっています。

ヘクソカズラという名前

ヘクソカズラ
SAI A.D.A/Shutterstock.com

ヘクソカズラ(屁糞葛)という不憫な名前は、茎葉を傷つけると悪臭がすることが由来。とはいえ、そっと近づいてみても特に匂いが気になることはなく、葉をもんだり茎葉を刈りはらったりすると独特の匂いが立ちます。これは細胞が壊れた際に発生するメチルメルカプタン(別名:メタンチオール)という成分のため。害虫から身を守る役割を持っているとされています。英名の「Skunkvine(スカンクのつる草)」「Stinkvine(臭いつる草)」も匂いに由来する名前ですね。学名のPaederia scandensの「paederia」もラテン語で悪臭を意味する「paidor」が語源なのだそう。万葉集でも「屎葛(くそかずら)」の名で次の1首が登場します。

「そう莢(けふ)に 延(は)ひおぼとれる 屎葛(くそかずら) 絶ゆることなく 宮仕へせむ」 高宮王

歌意:トゲのあるサイカチ(そう莢)にも絡まって伸びるへクソカズラのように、いつまでも宮仕えをしたい。

ヘクソカズラ
liu yu shan/Shutterstock.com

ほかに、中央が紅紫色になる花をお灸の痕に、または花を伏せて置いた様子をお灸に見立ててヤイトバナ(灸花)、田植えをする早乙女が被る花笠を連想させることからサオトメカズラやサオトメバナなどの可憐な別名でも呼ばれています。花自体は可憐で愛らしいので、夏の季語として俳句に詠まれることなども多くあります。

クイズ一覧はこちら!

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