【チャドクガ警告】成虫を見たら要注意! 7月下旬から始まる「第2波」を防ぐ庭の対策
ieppei, traction/Shutterstock.com
ツバキやサザンカの近くで、ふわふわした「チャドクガの成虫」を見かけていませんか? じつはチャドクガは幼虫(毛虫)だけでなく、成虫の体にも厄介な毒があります。木の下を通るだけでも危険なこの害虫を今放置すると、7月下旬から再び幼虫が大量発生する「第2波」を招く原因に。今すぐやるべき庭の予防対策を解説します。虫の写真もご紹介していますので、ご注意ください。
目次
庭木や生け垣のケムシ(第2波)にご用心

夏本番を迎えるこの季節、庭の生け垣や庭木の葉の上に黒い点々(フン)が落ちていたり、食害された葉があったり、ケムシが固まってくっついていたら要注意です。それは間もなく発生する、チャドクガの幼虫(第2波)かもしれません。
チャドクガは、庭木としてよく植えられるツバキ類の葉に発生する非常にポピュラーな害虫です。幼虫は葉を食害するため、植物にも被害があるのですが、他の害虫に比べても特に厄介なのが、その「毒針毛(どくしんもう)」です。これに少しでも触れると皮膚にひどい発疹が出て、激しい痛みやかゆみを引き起こします。
しかも、ケムシ(幼虫)のときだけでなく、卵、脱皮後の抜け殻、そして今(7〜8月)飛び回っている成虫の体にも毒針毛があり、死骸であっても症状を引き起こします。チャドクガのいる木の下を通っただけで、風で飛散した毒針毛によって発症することもあるため、自分や家族、ペットを守るためにも、成虫を見かける「今」から早期に対処したいところです。
チャドクガとは? 成虫や卵にも潜む毒の罠

チャドクガは日本の代表的な毒蛾の一種です。目に見える長い毛のほかに、わずか0.1mmほどの極めて微細な「毒針毛」を持っています。この毒針毛は非常に抜けやすく、風や衝撃などで簡単に飛散し、一度服や皮膚につくと抜けにくい厄介な構造をしています。非常に細かいため、長袖を着ていても繊維の隙間から入り込むことすらあります。
ガーデニングにおいて最も植物を食害するのは幼虫(ケムシ)の時期ですが、成虫にも毒針毛がびっしりと付着しています。さらに、成虫が葉裏に産み付ける卵塊(らんかい)も成虫の毒毛で覆われているため、結果として幼虫の時期だけでなく一年中注意が必要となります。
彼らが好んで食害するのは、主にツバキ、サザンカ、チャノキといったツバキ科の植物の葉です。

チャドクガの発生シーズンは年2回。なぜ「今」が重要なのか?

チャドクガの幼虫が発生するシーズンは、4月中旬~6月(第1波)と、7月下旬~9月(第2波)の年2回です。
幼虫はふ化した直後は葉の裏に集団でかたまっていますが、数週間経つと分散して行動するようになり、成熟すると地面に下りて土の中で蛹(さなぎ)になります。
この蛹から羽化した成虫が活発に飛び回り、次の卵を産み付けるのが、まさに今(7〜8月)の時期です。つまり、今飛び回っている成虫を放置して卵を産ませてしまうと、まもなく7月下旬から「第2波」の幼虫たちが大量発生する原因になるのです。
第2波を防ぐ!今すぐやるべき庭の予防と対処法

第2波の被害を最小限に抑えるための最大のポイントは、「剪定(せんてい)による予防」と、万が一発生した場合の「発生初期(ふ化直後)の駆除」です。
今すぐできる予防策:剪定して風通しをよくする
チャドクガの被害を防ぐためには、庭木を剪定して風通しよく育てることが極めて大切です。風通しをよくすることで発生を防ぐ効果が期待できるほか、成虫が産み付けた卵や、ふ化直後の幼虫を早期発見しやすくなります。
発生初期(7月下旬〜)の対処:集団のうちに一網打尽にする
ふ化したばかりの幼虫は、葉の裏にびっしりと群生しています。この発生初期こそが、チャドクガを一網打尽にする最大のチャンスです。大きくなって単独行動で分散してしまうと、効率的な駆除は非常に難しくなります。
具体的な駆除方法
ふ化直後の群生している葉を見つけたら、葉ごと枝を剪定し、ポリ袋などに密閉して処分しましょう。その際、毒針毛に触れないよう、雨具や使い捨ての手袋・ポリ袋などを着用して作業すると安心です。薬剤を用いて駆除する場合は、スミチオンやマラソン乳剤、市販のスプレー式殺虫剤が有効です。不安な場合は無理をせず、専門の業者に駆除を依頼するのも一案です。なお、死骸や抜け殻にも毒が残っているため、駆除後も十分注意してください。
もしチャドクガ(毒針毛)に触れてしまったら?
もしチャドクガやその毒針毛に触れてしまったら、絶対にこすってはいけません。こすると毒針がさらに皮膚の奥に入り込んでしまいます。
衣服の処理(スチームアイロン):着用していた服にも毒針毛がついている可能性がありますが、普通に洗濯しただけでは繊維に残ってしまいます。まず服の表面を掃除機で吸い取ってから、他の衣類とは分けて洗濯しましょう。乾いた後、スチームアイロンをかけるのが非常に効果的です。毒針毛の毒(タンパク質)は熱に弱いため、熱を加えることで無毒化させることができます。
粘着テープで取り除く:まずは患部に粘着テープ(ガムテープなど)をそっと貼り、皮膚についた毒針毛をはがし取ります。
洗い流して受診する:服を着替え、流水で患部をきれいに洗い流してから、速やかに皮膚科を受診しましょう。
庭で安全に過ごすために

チャドクガは植物を荒らすだけでなく、私たち人間や大切なペットにも激しいかゆみや炎症を引き起こす厄介な害虫です。直接触らなくても、生け垣の下を通った子どもが被害に遭ったり、ペットの毛に付着した毒針毛から二次被害が発生することもあります。
ツバキ科の植物を育てている方は、成虫が発生している「今」のうちに適切な剪定と予防を行い、まもなく訪れる第2波の被害を未然に防いで、安全に夏のガーデニングを楽しみましょう。
『12か月栽培ナビ Do 病気と害虫を防ぐ』(草間祐輔著/NHK出版)
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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