トップへ戻る

英名は「蝶の雑草」? 真夏の庭をカラフルに彩るアスクレピアスの育て方と魅力

英名は「蝶の雑草」? 真夏の庭をカラフルに彩るアスクレピアスの育て方と魅力

NOPPHARAT236/Shutterstock.com

オレンジや黄色の鮮やかな花が、まるで星のように美しく咲き誇る「アスクレピアス」。暑さや乾燥に強いため、真夏の庭も長くカラフルに彩ってくれます。じつは、美しいだけでなく「蝶が集まる花」としてもガーデナーに大人気。この記事では、初心者でも失敗しないアスクレピアスの育て方のポイントをはじめ、人気の品種や、知っておきたい毒性への注意点まで分かりやすく解説します。
自宅の庭を蝶がひらひらと舞い遊ぶ――そんな憧れのバタフライガーデンづくりにアスクレピアスを育ててみませんか?

アスクレピアスの基本情報

アスクレピアス
bluebird/Shutterstock.com

植物名:アスクレピアス
学名:Asclepias
英名:milkweeds、butterfly weed
和名:ヤナギトウワタ(柳唐綿)、トウワタ(唐綿)など
その他の名前:ミルクウィード
科名:キョウチクトウ科
属名:トウワタ属
原産地:南北アメリカ、熱帯アフリカ、アジア
形態:一年草・多年草

アスクレピアスの学名はAsclepiasで、属名がそのまま流通名になっています。キョウチクトウ科(旧分類ではガガイモ科)トウワタ属の多年草です。原産地は南北アメリカ、熱帯アフリカ、アジアで300種ほどが確認されています。種が多く、草丈や耐寒性に幅があるため、購入の際に性質をラベルで確認しておくとよいでしょう。国内で主に流通しているのはアスクレピアス・クラサヴィカ(トウワタ)とアスクレピアス・ツベロサ(ヤナギトウワタ)の2種。アスクレピアス・クラサヴィカは寒さに弱いため越年しないことが多く、一年草として扱われていることもあります。

アスクレピアスに集まる蝶。Sari ONeal/Shutterstock.com

アスクレピアスの花や葉の特徴

アスクレピアス
As-shifa/Shutterstock.com

園芸分類:草花
開花時期:4~10月
草丈:30~200cm程度
耐寒性:やや弱い
耐暑性:強い
花色:白、赤、オレンジ、黄色

葉の付け根から花茎を伸ばし、頂部に10~20個の小さな花が集まって咲きます。花後に莢をつけ、熟すと弾けて、卵形で綿毛がついた小さな種子が現れるのが特徴です。茎はあまり分枝せず直立し、葉は細長く対生につきます。

アスクレピアス
アスクレピアス・ツベロサの莢と綿毛のついた種子。Maria T Hoffman/Shutterstock.com

アスクレピアスの名前の由来や花言葉

アスクレピアス
Yingna Cai/Shutterstock.com

学名の「Asclepias」は、ギリシャ神話に登場する医学の神アスクレーピオスに由来。和名のトウワタ(唐綿)は、海外から来た植物で、綿毛のついた種子がつくことからこの名がつきました。アスクレピアス・ツベロサの和名ヤナギトウワタ(柳唐綿)は、葉がヤナギに似て細長いことが由来です。英名の「Butterfly Weed」は「蝶の雑草」という意味で、蝶が集まる様子からこう呼ばれるようになったとされています。

アスクレピアス
TopFotography/Shutterstock.com

アスクレピアスの花言葉は、薬草として利用されていたことから「健康な体」、綿毛のある種から「私を行かせて」、美しい花を咲かせながらも毒を持つことから「心変わり」などがあります。諸説ありますが、7月18日、9月11日の誕生花です。

アスクレピアスの代表的な種類

この章では、アスクレピアスの主な仲間についてご紹介します。

クラサヴィカ

アスクレピアス・クラサヴィカ
Jarun Tedjaem/Shutterstock.com

「クラサオ島の」という意味で、西インド諸島のクラサオ島が原産地であることから名づけられました。南アメリカ原産で、耐寒性が弱いため国内では一年草として扱われることが多いようです。花色は鮮やかな赤、オレンジ、赤×オレンジのバイカラーがあります。切り花としても人気があります。

ツベロサ

ツベロサ
Matthew Hokanson – IL/Shutterstock.com

ツベロサは「塊茎状の」という意味で、根が水平に肥大して塊茎状になることが由来です。北アメリカ原産で耐寒性があり、国内でも一年を通して戸外で管理できます。花色はオレンジ、黄色など。

インカルナタ

アスクレピアス・インカルナタ
Cynthia Shirk/Shutterstock.com

原産地は北アメリカのカナダからアメリカ南東部の湿地で、耐寒性があります。花の色はオレンジ、ピンク、白、黄色などで、園芸品種も見つかります。花の数が多く、花茎の頂部に10~30個ついて大変華やかです。

シリアカ

アスクレピアス・シリアカ
Mariola Anna S/Shutterstock.com

和名はオオトウワタで、北アメリカ原産。草丈は60~90cmほどになります。花の色はピンクで、花茎の頂部に小さな花が集まってドーム状に咲くのが特徴です。

バタフライガーデンにおすすめ

アスクレピアス
アスクレピアス・インカルナタの蜜を吸う蝶。Brian Woolman/Shutterstock.com

アスクレピアスの英名「Butterfly weed」を直訳すると「蝶の雑草」で、蝶が集まる植物としても知られています。花から花へと優雅に舞う蝶が現れる庭は生命力が感じられるとして、「蝶を呼ぶ庭づくり」にはブッドレアやユーパトリウム、アガスターシェ、ネペタ、モナルダなどと同様に注目されている草花の一つです。

アスクレピアスの注意点と対処法

アスクレピアス
Kylbabka/Shutterstock.com

アスクレピアスは毒性のある乳液を持っていることや、種が広がりやすいことなど、扱いに注意しておきたい点があるので、この章で詳しくご紹介します。

茎などの切り口から出る白い液や誤食に注意する

アスクレピアスの手入れをする際に茎葉などを切り取ると、切り口から白い乳液がポトポトと流れ出します。この乳液が手などにつくと、敏感な方は強いかゆみを感じ、かぶれてしまうことがあるので注意してください。作業の際はゴム手袋をはめておくとよいでしょう。

アスクレピアスは全草に毒性があり、口にすると嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こします。人間だけでなく犬や猫などのペットにも有毒なので、ペットや子どもが誤って口にしたり乳液に触れないよう注意しましょう。

切り花にするときは「水切り」をして乳液を洗い流す

アスクレピアスを切り取ると、切り口から白い乳液が流れ出てきます。水揚げの際はこの乳液が出なくなるまで流水で洗い流すことがポイントです。乳液が残っていると、水あげが悪くなって花瓶に飾ってもすぐにしおれてしまいます。

こぼれ種で周囲に広がらないよう「莢」を切り取る

アスクレピアスは花が咲いた後に、種子の入ったやや大きめの莢をつけます。その莢が茶色くなって弾けると中から綿毛を持った種子が現れ、そのまま放置すると風に乗って遠くまで飛んでいくことがあります。外来種のアスクレピアスが周囲へ広がると生態系に影響を与える恐れがあるため、莢を早めに切り取り敷地内のみで栽培することを心がけましょう。

アスクレピアスの栽培12カ月カレンダー

開花時期:4〜10月
植え付け・植え替え:4〜7月
肥料:真夏を除く5~10月(鉢植え)
種まき:5月頃、9~10月(ツベロサ種は秋まきも可)

アスクレピアスの栽培環境

アスクレピアス
Alex Manders/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たり、風通しのよい場所を好みます。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】水はけのよい環境を好みます。水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込み、10〜20cmくらい土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。

耐寒性・耐暑性

耐寒温度が7℃ほどで寒さに弱いクラサヴィカ種は、霜がおりたり凍結したりする地域では、寒くなる前に鉢に植え替え、ベランダや軒下などの暖かい場所で管理するのがおすすめ。一年草扱いと割り切ってもよいでしょう。寒さに強く、マイナス15℃ほどまで耐えるツベロサ種は戸外で越冬できます。株元にはバークチップなどでマルチングを施しておくとよいでしょう。

耐暑性は強く、夏越しの対策は特に必要ありません。

アスクレピアスの育て方のポイント

用土

土
bluedog studio/Shutterstock.com

【地植え】

植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料を混ぜ込んで、よく耕してください。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

市販の草花用培養土を利用すると手軽です。

水やり

水やり
topseller/Shutterstock.com

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。

真夏に水やりする場合は、気温が上がっている昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになってしまいます。すると株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

根付いた後はほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬もカラカラに乾燥させることのないように、適宜水やりを続けてください。

肥料

肥料
Sarycheva Olesia/Shutterstock.com

【地植え】

植え付け時に元肥を施していれば、追肥は不要です。

【鉢植え】

植え付け時に元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。その後は5〜10月(真夏は除く)まで、2週間に1度を目安に液肥を与えます。

注意する病害虫

アブラムシ
schankz/Shutterstock.com

【病気】

アスクレピアスの栽培では、病気の心配はほとんどありません。

【害虫】

アスクレピアスに発生しやすい害虫は、アブラムシやハダニなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4㎜の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5㎜ほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期に葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。

アスクレピアスの詳しい育て方

苗の選び方

苗を入手する際は、節間が短くがっしりと締まって勢いのある株を選びましょう。

植え付け・植え替え

ガーデニング
laenon/Shutterstock.com

アスクレピアスの植え付け・植え替えの適期は、4〜7月です。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、根鉢をくずさずに植え付けましょう。最後にたっぷりと水を与えます。複数の苗を植える場合は、草丈に応じて十分な間隔を取っておきましょう。

庭で育てている場合、寒さに弱いクラサヴィカ種は霜がおりたり、凍結したりする地域では、鉢に植え替えて冬越ししてください。越年して春の生育期を迎えたら、再び地植えに戻します。寒さに強いツベロサ種は、環境に合って順調に生育していれば植え替えの必要はありません。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。アスクレピアスの苗を鉢に仮置きして高さを決め、少しずつ土を入れて植え付けていきます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝ほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して軽く根鉢をくずし、太い根を傷つけずに新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。

日常の手入れ

はさみ
Aleksei Golovanov/Shutterstock.com

【支柱の設置】

アスクレピアスは初夏から生育旺盛になり、草丈が高くなっていくので、早めに支柱を立ててビニタイなどで誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。

【花がら摘み】

終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとしてよく花がつき、長く咲き続けてくれます。

増やし方

種まきポット
Kunlanan Yarist/Shutterstock.com

アスクレピアスは挿し芽、株分け、種まきで増やせます。

【挿し芽】

挿し芽とは、茎葉を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物の中には挿し芽ができないものもありますが、アスクレピアスは挿し芽で増やせます。

アスクレピアスの挿し芽の適期は、4〜6月です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。切り口からは、白い乳液がぽとぽとと流れ出てくるまで、流水で洗い流しておきましょう。アスクレピアスの挿し芽では、この乳液が出なくなるまで洗うことがポイントです。乳液が残っていると、水あげが悪くなってしおれてしまい、失敗しがちになります。

採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を取っておきます。黒ポットを用意して新しい培養土を入れ、水を入れて十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

【株分け】

アスクレピアスの株分け適期は4〜7月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りを図ります。株を掘り上げて数芽ずつつけて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、同じ姿の株が増えていくというわけです。

【種まき】

種まきするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。

アスクレピアスの種まきの適期は霜がおりる心配がなくなる5月頃で、発芽適温は20〜25℃。寒さに強いアスクレピアス・ツベロサの場合は、9~10月も種まきの適期です。黒ポットに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり2〜3粒ずつ播きます。5mm程度に土を薄くかけ、はす口をつけたジョウロで高い位置から優しい水流で水やりをしましょう。発芽までは乾燥しないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。育苗して根が回ってくるまで充実したら、植えたい場所に定植します。

切り花やバタフライガーデンにもおすすめ! 庭や部屋をおしゃれに演出しよう

アスクレピアス
Nancy J. Ondra/Shutterstock.com

エキゾチックな花姿がガーデンに個性をもたらし、蝶も集まってくるアスクレピアス。切り花にして、美しい花姿を室内でも楽しむのもおすすめです。丈夫で育てやすいので、ぜひ庭やベランダに迎え入れてみてください。

季節のおすすめアイテム

ホースガイド ジョウロ  -GARDEN STORY Series-

ホースガイド ジョウロ -GARDEN STORY Series-

庭にホースを伸ばして水まきをする際、ホースが大切な植物をなぎ倒してしまうのを防ぎます。地面にスッと差し込むだけで、花壇の縁やアプローチ横など、ホースが通るルートに手軽に設置できます。ジョウロのモチーフが庭の風景によくマッチ!

人気の記事

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO