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【実も楽しめる庭木】白い花と赤い実が魅力の「サンザシ」! 自作ジャムや果実酒まで味わう育て方のコツ

【実も楽しめる庭木】白い花と赤い実が魅力の「サンザシ」! 自作ジャムや果実酒まで味わう育て方のコツ

Orest lyzhechka/Shutterstock.com

初夏には可憐な白い花を咲かせ、秋には鮮やかな赤い実を結ぶ「サンザシ(山査子)」。一度植えれば季節ごとに異なる表情を見せてくれる、庭木や鉢植え・盆栽として非常に人気のある花木です。酸味のある実はおいしいジャムや果実酒として食用もできます。
一方で、「トゲがあって剪定が難しい」「花や実がうまくつかない」とお悩みの方もいるかもしれません。
本記事では、サンザシの基本情報や品種をはじめ、失敗しない水やり・肥料の与え方、花や実を毎年楽しむための剪定のコツまで分かりやすく解説します。

サンザシの基本情報

サンザシ
ju namy/Shutterstock.com

植物名:サンザシ
学名:Crataegus cuneata
英名:Chinese hawthorn、Japanese hawthorn
和名:サンザシ(山査子)
その他の名前:サモモ
科名:バラ科
属名:サンザシ属
原産地:中国
形態:落葉性低木 

サンザシはバラ科サンザシ属の花木です。原産地は中国で、暑さや寒さに強く北海道南部以南では一年を通して戸外で栽培できます。日本には朝鮮半島経由で江戸時代に伝わりました。初夏に開花し、秋に赤い果実を収穫できます。酸味が強い果実は生食には向いておらず、ジャムや果実酒などに加工して利用するのがおすすめ。秋には紅葉する姿も観賞でき、四季の移ろいを感じることのできる花木の一つです。

赤く熟したサンザシの仲間の実が風に揺れる。MiVa/Shutterstock.com

サンザシの花や葉、実の特徴

サンザシの花
APugach/Shutterstock.com

園芸分類:庭木
樹高:1.5~2m
開花時期:5〜6月
結実時期:9~10月
耐暑性:強い
耐寒性:強い
花色:白、ピンク

深緑の葉は卵形で互生し、長さは3~7㎝ほど。上部は浅く3~5裂し、縁にはギザギザとした鋸歯があります。花色は白やピンクで、花径1㎝ほどの小さな花が多数咲き、満開時は見事な姿になります。一重咲き、八重咲きがあり、一重花は5弁で20本程度の雄しべがあります。開花後に1㎝前後の楕円形の果実がつき、熟すと赤くなります。香りがよいので果実酒やジャムにも利用可能です。低木のため剪定などの管理がしやすい一方で、トゲを持っているのでガーデングローブを着用するなどの注意が必要です。落葉樹で、冬は葉を落として休眠します。

サンザシの実
サンザシの実。Picmin/Shutterstock.com

サンザシの名前の由来と花言葉

サンザシ
F_studio/Shutterstock.com

サンザシを漢字で書くと「山査子」。中国名の「山査」からきており、また果実を生薬として利用されていたことにちなみます。学名は、Crataegus cuneata。英名では「Chinese hawthorn」「Japanese hawthorn」と呼ばれます。これはサンザシの仲間であるセイヨウサンザシが「ホウソーン(Hawthorn)」の名を持つことからで、「thorn」はトゲという意味です。また、セイヨウサンザシは5月に開花することから「メイフラワー(Mayflower)」「メイブロッサム(May blossom)」などの名もあり、サンザシもこの名で呼ばれることがあります。

サンザシの花言葉は「希望」「慎重」「新しい光」「ただ一つの恋」など。諸説ありますが、5月13日の誕生花です。

サンザシの代表的な種類

サンザシ
KajaHiis/Shutterstock.com

サンザシの仲間は、北半球に約200種が分布するとされています。この章では、主な種類についてご紹介します。

セイヨウサンザシ

サンザシ
olko1975/Shutterstock.com

原産地はヨーロッパや北アフリカで、栽培適地は本州、四国、九州。開花期は4〜5月で、ピンクや白の5弁花で、一重咲き、八重咲きがあります。果実はサンザシよりも小さく、ジャムやドライフルーツなどに利用可能です。

サンザシのワイン
セイヨウサンザシの実とスパイスを使った薬用ワイン。Madeleine Steinbach/Shutterstock.com

クロミサンザシ

クロミサンザシ
Brzostowska/Shutterstock.com

原産地は北海道や長野県、サハリン、中国東北部など。冷涼な気候で、やや湿り気のある土壌を好みます。サンザシとは異なり、樹高は10mほどになる高木です。果実は黒く熟します。

オオバサンザシ

オオバサンザシ
Lisavo/Shutterstock.com

原産地は北海道で、冷涼な気候を好みます。サンザシよりも葉が大きいのが特徴です。秋に赤い果実がつきます。

ルビーサンザシ

ルビーサンザシ
emongrara/Shutterstock.com

一重咲きの白い花を多数咲かせ、秋には艶やかな赤い果実をつけます。実姿が美しく、観賞用として楽しんでもよく、盆栽仕立ても可能です。

八重紅サンザシ

八重紅サンザシ
セイヨウサンザシ‘ポールズスカーレット’。Life_On_Planet_Earth/Shutterstock.com

‘ポールズスカーレット’など紅色の八重咲きになる品種で、アカバナヤエサンザシ、ベニサンザシなどとも呼ばれます。栽培適地は本州、四国、九州。濃いピンクの花が八重咲きになり、大変華やか。秋に赤い実がつきます。

サンザシの栽培12カ月カレンダー

開花時期:5〜6月
収穫期:9~10月
植え付け・植え替え:10~11月、2月下旬〜3月
肥料:2月〜3月下旬、9月頃(鉢植え)

サンザシの栽培環境

サンザシ
Katerina Dalemans/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たりと風通しがよい場所を好みます。夏に日差しが照りつける西側は避けたほうが無難です。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】水はけがよく腐植質に富んだ土壌を好みます。乾燥する時期は、根元にバークチップなどでマルチングをしておくとよいでしょう。また、サンザシはトゲを持っているので、頻繁に人が出入りする場所の近くには向いていません。

耐寒性・耐暑性

サンザシは日本の気候に馴染みやすく、耐寒温度はマイナス10℃前後。暑さ寒さに耐えるので、一年を通して戸外で管理でき、夏越し・冬越し対策などは特に必要ありません。ただし、夏の強い西日で弱ることがあるので、鉢植えの場合は真夏は涼しい半日陰に移動すると安心です。

サンザシの育て方のポイント

用土

土
Wstockstudio/Shutterstock.com

【地植え】

まず一年を通して日当たり、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50㎝程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

市販の花木用培養土を利用すると手軽です。

水やり

水やり
topseller/Shutterstock.com

水やりの際は、根にしっかりと水分が行きわたるよう、株元の土を狙って与えてください。

真夏は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。

また、真冬は、気温が低くなる夕方に行うと凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。

【地植え】

植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、ほとんど不要です。ただしサンザシは乾燥を苦手とするので、晴天が続いて乾燥している場合は水やりをして補いましょう。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れの原因になるので、与えすぎに注意。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。

肥料

肥料
sasimoto/Shutterstock.com

【地植え】

2月〜3月下旬に緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり旺盛に枝葉を広げることにつながります。

【鉢植え】

2月〜3月下旬に緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり旺盛に枝葉を広げることにつながります。また、9月頃にも少量の緩効性肥料を与えます。開花・結実によって木が消耗したタイミングで与え、体力回復を促してあげましょう。

注意する病害虫

うどんこ病のサンザシの葉
うどんこ病のサンザシの葉。dba87/Shutterstock.com

【病気】

サンザシの栽培で発生しやすい病気は、うどんこ病や黒星病などです。

うどんこ病はカビによる伝染性の病気で、葉、新梢、つぼみの表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。

黒星病は、カビによる伝染性の病気です。雨が多い18〜20℃の環境を好むため5〜7月に発症しやすく、葉、枝、果実に被害が現れます。黒っぽくて丸い斑点が全体に広がっていくのが特徴です。日当たり、風通しが悪いと発病しやすくなるので、込み合っている枝などはすかすように剪定して発生を防ぎましょう。病気にかかった後に剪定した枝や落ち葉は、地中に残らないように処分することも大切です。また、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して防除します。

【害虫】

サンザシの栽培で発生しやすい害虫は、カイガラムシやアブラムシなどです。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりと吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

サンザシの詳しい育て方

サンザシ
Neslihan Ak/Shutterstock.com

苗木の選び方

サンザシの栽培は、ホームセンターや花苗店などで、苗木を購入することからスタートします。幹が太くて枝葉の勢いがよく、葉色が鮮やかなものを選ぶとよいでしょう。

植え付け・植え替え

植え付け
wavebreakmedia/Shutterstock.com

サンザシの植え付け・植え替えの適期は10~11月か2月下旬〜3月です。ただし、花苗店などでは植え付け適期以外でも苗木が出回っていることがあります。入手したら、真夏や真冬を除き、植えたい場所へ早めに定植しましょう。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘って、根を傷めないように植え付けます。苗木がぐらつくようであれば、しっかり根づくまでは支柱を設置してビニールタイや麻ひもなどで誘引し、倒伏を防ぎましょう。最後にたっぷりと水を与えます。

環境に合って順調に育っているようであれば、植え替えの必要はありません。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、入手した苗木よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。根鉢をあまり崩さずに苗木を鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。

鉢植えで楽しむ場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1回は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して軽く根鉢をくずし、古い根はカットして新しい培養土を使って植え直しましょう。

収穫

サンザシの実
Picmin/Shutterstock.com

9〜10月に、果実が赤く熟していたら収穫します。サンザシの果実は酸味が強いため生食には適していません。ジャムや果実酒などに加工して利用するとよいでしょう。

剪定

剪定
Opas Chotiphantawanon/Shutterstock.com

比較的ゆっくりと生育するため、基本的に剪定は必要ありませんが、樹形を整える場合は花後すぐの6月か休眠期の1〜3月に行います。

休眠期にはすでにサンザシの花芽ができているので、短い枝は切らないようにします。込み合いすぎている部分を剪定して、内部まで光が届くようにしましょう。内側に向かって伸びる枝、下向きに伸びる枝、枯れ枝、他の枝に絡んでいる枝などを選んで分岐部まで遡って切り取ります。徒長枝には花がつかないので、5〜6節残して切り取りましょう。

増やし方

種まきポット
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サンザシが開花した後、秋にできた果実を採取し、種まきをして増やすことができます。熟した果実を切り取って果肉を落とし、流水で洗って中から種子を取り出します。取り出した種子はすぐに播くか、乾かさないように保管して3月中旬に播きましょう。黒ポットに新しい培養土を入れて十分に湿らせておき、種子を播いて覆土します。日当たり、風通しのよい屋外に置き、表土が乾いたら水やりをしましょう。越年した翌春には発芽が期待できます。育苗して十分に育ったら植えたい場所に定植します。ただし、開花までには数年がかかりますし、園芸品種の場合は親とまったく同じ花が咲くとは限りません。

観賞だけでなく美味しく食べられる! 季節ごとの花や実を楽しもう

サンザシ
IRCDPT/Shutterstock.com

秋に赤い果実がつくサンザシは、ジャムや果実酒、ドライフルーツなどに加工して利用でき、花も実も楽しめる花木です。暑さ寒さに強く、一年を通して戸外で栽培できるので、ビギナーにもおすすめ。ぜひ庭に取り入れてみてください。

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