【横浜市・個人邸実例】緑と暮らすナチュラルモダンな玄関&ガーデン|天然芝・ウッドデッキ・リーフガーデンでつくる上質な庭
「住宅街でも緑豊かでプライベート感のある庭をつくりたい」。そんな方にぜひ参考にしていただきたいのが、今回ご紹介する神奈川県横浜市のナチュラルモダンな住宅。洗練されたモノトーンと木調素材が住宅全体に統一感を演出し、一歩庭に足を踏み入れれば瑞々しい天然芝が彩る別世界が広がります。ガビオン門柱が目を引くファサード、多目的に使える大型ウッドデッキに、花の色に頼らず、葉の形やグラデーションで魅せるローメンテナンスなリーフガーデンなど、心地よい外空間づくりのヒントが詰まった実例をご紹介します。
目次
ナチュラルモダン×緑で端正なエントランスに

今回ご紹介するのは、モダンなデザインのファサードが迎えてくれるこちらの住宅。玄関前の床全面は土間コンクリートの清潔感のあるグレーの濃淡で仕上げ、合わせるプランターも濃いグレーと、全体的にモノトーンで構成されていますが、無機質になりすぎないよう、玄関扉や宅配ボックスは木調の素材を用いて、ナチュラルモダンのイメージを演出しています。
そこに植栽されたコニファー類やハーブ類は、華やかな花色ではなく一年を通して観賞できる葉の美しさが魅力。緑のコントラストや葉の形状の違いが、色数を絞った中にも変化を生み、上品で飽きのこないファサードガーデンに仕上げています。

表札やインターフォンなどを兼ねた機能門柱には、ガビオン(Gabion)という、天然石などを金網のカゴに詰め込んだデザインを採用。ガビオンは、もともとは土木などで使われる蛇篭(じゃかご)という河川の土留めや護岸工事に使われるものを、モダンなエクステリアアイテムとして活用した構造物で、近年人気が高まっています。見た目のスタイリッシュさだけでなく、決まった形の金網のカゴに石を詰めてつくるため自由度が高く、専門性が要求される従来の石積みに比べて施工がしやすいというメリットもあります。
パーキング脇のデザインウォールで統一感を


住宅の横には、駐車スペースがあり、その後ろにはガーデンが広がります。駐車スペースと奥のガーデンの境界には、玄関扉と同じ木調の縦板張りデザインウォールを設置することで、住宅全体にまとまりのあるデザインになっています。
デザインウォールには、駐車場の照明にもなるブラケットライトを仕込んでアクセントに。足元に置かれた植栽や隙間のあるフェンスからのぞく木々の緑がうるおいを感じさせ、シンプルでも寂しい景色にならない工夫がされています。

豊かな緑が広がる天然芝の庭


駐車場の奥に広がるのは、驚くほど緑豊かな天然芝の庭。庭へとつながる入り口からは、フェンス沿いに植えられた2本のコニファーの間から、庭奥のウッドデッキがちらりと見えます。この植栽の配置により、ガーデン全体を見せるのではなくほんの一部だけをのぞかせることができ、庭への期待感をより膨らませる演出が見事ですね。

ガーデンに足を踏み入れると、入り口から見えていたウッドデッキの全体像が目に飛び込んできます。広々としたウッドデッキは、室内の床とレベル(水平)を揃えた分、高さがあるため、ステップを設置。あえて横幅を不揃いにした3段の階段は、オブジェとしても素敵です。敷地いっぱいに設置したウッドデッキは、人数が多いファミリーパーティーやグランピングなど、ただくつろぐだけでなく多目的な用途に使えるスペースになります。
隣地境界のフェンス際は多様な緑が彩るリーフガーデン


隣地との境界に設置されたフェンスの足元には、低木や下草を植栽することで天然芝の庭をより広く見せています。この場所の植栽も、ギボウシやグラス類を始め、色や形、大きさなど、特徴ある多様なリーフ類をバランスよく組み合わせた、爽やかなリーフガーデン。さまざまな緑のグラデーションが楽しめる葉は観賞期間が長く、ローメンテナンスでも美しい庭景色を維持できます。また、植栽の一角にはレンガタイルを敷いたスペースをつくり、左右に植物を配置することで、単調にならず広がりのある植栽帯に。

カラフルな花がなくても、バリエーションに富んだ色形を持つ下草を配することで、見ごたえのあるガーデンに。おしゃれでまとまりのあるリーフガーデンの中、緑のコントラスト(明暗)が弱い部分は、明るいキャラメル色のヒューケラをアクセントに置くことで、変化のあるガーデンになります。


敷地の隅の物置小屋も、木調切妻屋根のデザインにすることで、ガーデン全体と統一感が生まれ、ガーデンの一部に自然になじみます。
愛着を生む芝生のお手入れ

天然芝は雑草を抜いたり芝刈りをしたりと、美しい景観を保つにはある程度のメンテナンスが必須。ですが、こうした日々のメンテナンスを楽しめると、より庭に愛着が生まれます。
芝生のメンテナンス作業としては、5~10月には2~3週間に1回芝の刈り込みが必要。長く伸びすぎてから一気に刈り込むと茎だけが残ってしまうため、光合成をするための葉を残すよう、こまめに刈るのが緻密な芝生づくりのポイントです。また、エアレーションといって、年に一度、土壌に細かい穴をあけ、その穴に目土をいれます。固くなった土に穴をあけることで水はけと通気性をよくし、根から元気にすることができます。
まとめ

モノトーンで構成されたファサードは、木調の素材を入れ込んでナチュラルモダンなデザインに。コニファーやハーブ系、多肉植物などをプランターに植え、うるおいがありつつ乱雑になりにくい、一年中整った緑をプラスすることで、ナチュラルモダンなイメージが強調されます。
庭を緑豊かにしようとすると、つい植栽スペースを広く取りたくなりますが、必ずしも面積の広さが緑の豊かさにつながるわけではありません。コニファーなどの常緑樹をはじめ、高木・中木・低木をバランスよく配置し、ギボウシやグラス類、斑入りのカラーリーフなど、長期間にわたって葉姿を楽しめる植物を組み合わせることで、限られたスペースでも十分な緑のボリュームを感じられます。
一方、植栽スペースを広げすぎると、雑草取りや剪定など、想像以上にメンテナンスの手間がかかることも。大切なのは、植栽エリアとデッキなどの屋外空間とのバランス。単に洗濯物を干す台として使われがちなウッドデッキも、予算があればできるだけ広く取っておくと、ホームパーティーやグランピングなど多目的に使えるスペースとして大活躍してくれます。デッキにも十分な広さを確保することで、緑が引き立つ洗練された景観をつくりながら、日々の管理の負担を軽減できます。
皆さんも毎日過ごす住まいの環境を考えて、素敵な屋外空間をつくってみてはいかがでしょうか?
設計施工:ヘブンズガーデン 宮元健太
Credit
写真&文 / 松下高弘 - エムデザインファクトリー主宰 -

まつした・たかひろ/長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、大手ハウスメーカーやエクステリア業のセミナー企画、講師を行う。
2007年出版の『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』の改訂版として、新刊『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』が大好評販売中! 色の知識、住宅デザイン様式に合わせたエクステリア&ガーデンデザインとカラーコーディネート、プレゼンシートのレイアウト案など、多岐に渡る充実の内容! 書籍詳細はグリーン情報ホームページから。
著書
『住宅エクステリアのパース・スケッチ・イラストが上達する本』彰国社
『気持ちをつかむ住宅インテリアパース・スケッチ力でプレゼンに差をつける』彰国社
『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』グリーン情報 など他多数
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