眼前に緑豊かな公園が広がる、千葉県八千代市の住宅。こちらのお宅の魅力は、なんといってもご夫婦のこだわりが詰まった「手作りのガーデン&アウトドアリビング」です。本格的なピザ窯やDIYのシェードを備えたウッドデッキ、満開のモッコウバラが彩るフェンス、細長い空間を活用した野鳥たちが羽を休めに訪れるセンスあふれる庭―――。自然とともに心地よく過ごすための植栽の工夫や、DIYアイデアをたっぷりご紹介します。愛犬への愛情やレトロなインテリアの魅力が満載の室内空間もご案内。おうち時間を充実させたい方、必見です!
目次
DIYで彩るファサード回りや塀、フェンス

温かみのあるエントランスが迎えてくれるこちらの住宅。まるで本物のレンガのような質感ながら軽量のレンガタイルの門袖には流木を立ち上げ、手作り風の立水栓がアクセントになっています。表札も、この雰囲気にぴったりのオリジナル。花壇からこぼれるように咲くクリーピングタイムのピンクの花や、ツルニチニチソウの生き生きとした葉が、赤茶色のレンガタイルに映えています。

住宅の周囲には、風が通るよう板の隙間を広く取った横板張りのフェンスが。このフェンスもDIY作品で、風通しをよくすることで植栽の蒸れを防止するとともに、庭の中にも心地よい風を呼び込んでいます。取材に伺ったゴールデンウィークを間近に控えた4月末には、ちょうどモッコウバラが満開を迎え、フェンスに絡み咲く美しい光景を見せていました。


フェンスにつながる道路際の塀の内側にはデザインウォールを設け、そこにあけた窓にも花鉢を置いて演出スペースに。窓に渡したバーは、デザインを引き締めると同時に、鉢が誤って道路に落ちないよう安全性も確保しています。塀とデザインウォールの間には、開花期以外も楽しめるセダム類やカラーリーフなど、葉が美しい植物を植栽。なごみのある心地よい空気を演出しています。
ピザ窯のあるウッドデッキは素敵なアウトドアリビング


続いて、アウトドアリビングとなるウッドデッキを拝見してみましょう。
壁際や壁面には大小さまざまな棚が取り付けられ、シャビーシックな雰囲気に似合う多肉植物の鉢や、可愛らしい犬の足跡マークや馬などの小物が並びます。フェンスに絡むモッコウバラがほどよい目隠しになり、道行く人々の視線も気にならないこの空間は、庭主さんの“好き”が詰まったくつろぎのスペースです。

ウッドデッキに設えられたテーブルには、チェック柄のテーブルクロスが掛かり、その隣には本格的なピザ窯が。まるでカフェのような雰囲気のなか、焼き立ての美味しいピザとともにランチやディナーが楽しめるなんて素敵ですね!
アウトドアリビングの天井はガラス張りになっており、これもご主人のオリジナルで作ったものです。日差しの強い日には、よしずをかけて日除けにしています。

庭は素敵な植栽や多肉植物でいっぱい


ピザ窯の背後には、外周のデザインウォールやフェンスに沿って細長く植栽された庭があります。一見すると狭いスペースのように見えますが、変化に富んだ植栽に、小物がバランスよく配され、目を楽しませてくれます。デザインウォールの内側には、コルディリネ・オーストラリス‘レッドスター’が。周囲の緑の中で、アクセントカラーとなる赤みの細長い葉が引き立っています。

庭のところどころには、たくさんの多肉植物をぎゅっと集めたお皿や、愛犬家の庭主さんが集めた可愛らしい犬の雑貨が。庭木にはハンギングが下がり、周囲を見れば植栽棚も目に留まります。ウッドデッキの脇にはDIYで作られた白い水栓流し台が設えられ、オリジナリティ満載です。


おしゃれな室内もDIYがいっぱい!


ウッドデッキにつながるのは、リビングの隣の部屋。掃き出し窓からアウトドアリビングへとシームレスにつながり、空間が広く感じられます。この部屋やキッチン横のホールにはトランジスタラジオが飾られていて、レトロな雰囲気が温かみのある空間と調和しています。


ふかふかのクッションやソファが心地よさそうなリビングの一角には、円錐形のクロスで囲われた愛犬のお部屋も。リビングの棚にもラジオやムーミンなどの置物が飾られています。




洗面所に置かれた洗面台も、既製品でなく、壁がタイル張りのオリジナル。壁際にはグレイッシュな青い額縁の絵が飾られ、清潔感がありながらおしゃれな雰囲気を演出しています。
野鳥の訪れる庭

「ここには鳥たちがたくさんくるので、お皿にエサを置いてあるんです」とご主人が口にし、ウッドデッキに遊びに来る鳥たちについて話が弾んでいた時、タイミングよくハトが1羽やってきました。お皿に飛び降りエサをつつき始めると、しばらくして満足そうに去っていきました。こうして野鳥が遊びに来るのも、目の前が公園という環境だからでしょうか。



まとめ

手作りピザが楽しめるピザ窯を備えた庭には多肉やカラーリーフの植物が満載で、鳥たちが遊びに来てエサをつつく……自然環境の緑と共に生きる、人間にとってもストレスのない安らぎの暮らしがある住宅でした。DIYのフェンスや窓のあるデザインウォールが緑となじんでいます。植栽は過湿による根腐れ防止や病害虫予防のため、風通しが大切。フェンスの横板張りの間隔を広くしたり、風が抜ける窓を設けることで空気の流れを確保するデザインは、外から室内にも風が通り室内も涼しくなり、人間と緑にとっても一石二鳥ですね。
ガーデンを丹精されるのは主に奥様。道路から見てもメインとなるモッコウバラが華やかで、周囲の美観も向上します。一面に茂るモッコウバラには目隠し効果もあり、道路からの視線カットにもなります。
公園前の敷地は緑豊かで環境がよいことが魅力である一方、家の美観を保つには枯れ葉の掃除などが求められるケースも。今回ご紹介した住宅のように、庭や道路際の植栽の手入れと同時に道路の掃除もすることで、町の景観への配慮にもなります。
緑に囲まれた住まいは一定の手入れも必要ですが、それを差し引いても人間が気持ちよく快適な生活ができる場所。皆さんも心地よい快適な生活が送れるよう、緑を育ててみてはいかがでしょうか?
お庭のデザイン&DIY:粟根浩 大嘉産業株式会社環境施設部

Credit
写真&文 / 松下高弘 - エムデザインファクトリー主宰 -

まつした・たかひろ/長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、大手ハウスメーカーやエクステリア業のセミナー企画、講師を行う。
2007年出版の『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』の改訂版として、新刊『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』が大好評販売中! 色の知識、住宅デザイン様式に合わせたエクステリア&ガーデンデザインとカラーコーディネート、プレゼンシートのレイアウト案など、多岐に渡る充実の内容! 書籍詳細はグリーン情報ホームページから。
著書
『住宅エクステリアのパース・スケッチ・イラストが上達する本』彰国社
『気持ちをつかむ住宅インテリアパース・スケッチ力でプレゼンに差をつける』彰国社
『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』グリーン情報 など他多数
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