9月20日放送 NHK「趣味の園芸」にも登場! 防草シート×多年草「クラピア」で雑草対策 人工芝との地表温度差は45℃以上!?
繰り返す雑草取り。照りつける日差しで熱くなる庭。激烈な雨による冠水。こうした庭の悩みを考えるうえで、いま注目したいのが地面を覆うグラウンドカバープランツです。2026年9月20日放送のNHK「趣味の園芸」『楽々ガーデンのススメ 防草シート活用術』では、防草シートとグラウンドカバープランツを使って、雑草取りの手間を減らしながら、草花がのびのび育つ自然な庭をつくる方法を紹介しています。その中で、防草シートと相性のよいグラウンドカバープランツの一つとして「クラピア」が登場。雑草、猛暑、そして強い雨。今年の夏、庭でそんな悩みを感じた人にこそ知ってほしい、「防草シート+クラピア」というこれからの庭づくりをご紹介します。
目次
NHK「趣味の園芸」で紹介される「防草シート活用術」とは?
「防草シート」というと、雑草を生やしたくない場所を黒いシートですっぽり覆うもの、というイメージがあるかもしれません。しかし、防草シートを使いながら植物を育てる方法もあります。
9月20日放送のNHK「趣味の園芸」で造園家・阿部容子さんが紹介するのは、花壇全体に防草シートを敷き、植物を植える部分だけに穴をあける方法です。雑草の発生を大幅に抑えながら、多年草や樹木などを植栽。さらにシートの上をマルチング材やグラウンドカバープランツで覆うことで、一見しただけでは防草シートが使われているとは分からない、自然な庭をつくります。

防草シートと相性がよいのが、地面を這って広がるグラウンドカバープランツです。その一つとして紹介されているのがイワダレソウ「クラピア」です。
防草シートの上を緑に変える「クラピア」

クラピアは、日本に自生するイワダレソウを原種として改良されたグラウンドカバープランツです。地面を這うように茎を伸ばして広がる多年草で、地表を緻密な緑で覆っていくのが特徴。日当たりのよい場所でよく育ち、夏には小さな花も咲かせます。
NHK「趣味の園芸」では、防草シートをグラウンドカバープランツで覆うメリットについて、見た目を自然にするだけでなく、夏場の地温上昇を抑えることにもつながると紹介されています。では、植物に覆われている場合と、そうでない場合では、実際どのくらい温度が違うのでしょうか。
真夏の地表温度を測ったら、人工芝とクラピアで45℃以上の差!

2026年8月25日、栃木県小山市にある株式会社グリーンプロデュースの敷地内で、地表温度の比較試験が行われました。比較したのは、
クラピア、芝生、土、ポリプロピレン製防草シート、人工芝、コンクリート白板、砂利、アスファルト
の8種類。
測定時間は9~18時。この日の実測最高気温は42.6℃、平均気温は37.9℃という厳しい暑さでした。
13時、外気温41.2℃のときに各地表面を測定すると、大きな違いが現れました。

人工芝 82.5℃
防草シート 81.0℃
アスファルト 71.2℃
土 69.3℃
砂利 66.9℃
コンクリート白板 57.6℃
芝生 46.5℃
クラピア 36.9℃

人工芝とクラピアの差は、実に45.6℃。この試験では、人工芝と防草シートが80℃を超えた一方、クラピアで覆われた地表面は外気温より低い36.9℃でした。
※地表温度は天候、時間、場所、素材や植栽の状態などによって異なります。
地面が熱くなると、庭は「下から」も暑くなる
ここで知っておきたいのが、私たちが感じる暑さは気温だけで決まるわけではないということです。太陽に照らされて熱くなったアスファルトやコンクリート、壁などからは赤外線による「放射熱(輻射熱)」が放出されます。
環境省が行った真夏の街路のシミュレーションでは、場所によって人が受ける正味の放射熱量が900W/㎡近くに達するケースが示されています。これは、6畳程度の部屋で1,000Wの電気ストーブを約10台使用したときに、人が受ける正味の熱量に相当するとしています。条件によっては、その受熱量の約4割を路面や壁面からの放射熱が占めます。
つまり真夏は、太陽からだけではなく、熱くなった地面や建物からも熱を受けているのです。今回の試験で、クラピアと、人工芝や防草シートの間に大きな温度差が現れた結果を考えると、庭づくりでは「地表面を何で覆うか」も夏の暑さ対策を考える重要なポイントといえそうです。
防草シートは「使わない」のではなく、クラピアで覆う
では、防草シートは夏の庭では使わないほうがよいのでしょうか。そうではありません。防草シートは、雑草管理の手間を軽減するためにとても便利な資材です。注目したいのは、「防草シート+植物」という使い方です。

クラピアを防草シートと組み合わせる場合、重要なのがクラピア用の専用防草シートを使うことです。一般的な防草シートには根を通さないものがありますが、クラピア用防草シートは、クラピアの根がシートを通過して土壌へ根を張れるようにつくられています。植え付け直後はシートが見えていますが、クラピアは地面を這うように広がります。

↓

つまり、
防草シートで雑草を抑える
↓
クラピアが広がる
↓
根がシートを通って土壌に定着する
↓
クラピアがシートを覆う
↓
緑の景観になる
という仕組みです。
シートがクラピアに覆われれば、シートへの紫外線の直接照射を減らし、劣化を抑えることにもつながります。
暑さだけじゃない。強い雨から「土」を守る働きも

地面をクラピアで覆うメリットは、夏の暑さ対策だけではありません。近年の庭づくりでも考えておきたいのが、短時間に強い雨が降ったときに、雨水とともに表土が流れ出す土壌流出です。特に斜面の庭では土壌流出によって庭の草花や構造物への被害も考えられるため、対策が必要です。

クラピアは地表面を覆うとともに、節々から根を下ろして土壌に定着します。琉球大学が行った沖縄の赤土を使った試験では、裸地とクラピア植栽区を比較。
裸地では雨とともに赤土が流出したのに対し、クラピアで覆われた区画では雨水がほとんど流れ出ず、土壌流出が大幅に抑えられています。実験では、クラピアが約85%被覆した段階で、土壌流出を99.5%抑制する結果が得られています。地面を植物で覆うことは、景観や雑草対策だけでなく、強い雨から大切な庭を守ることにもつながるのです。

これからの庭づくりで注目されているのが、降った雨をすぐに排水するだけでなく、できるだけその場所で受け止め、地中へ浸透させるという「雨庭」の考え方です。土や植物のある地面には、雨水を受け止めて地中へ浸透させる余地があります。一方、建物の屋根や舗装面など、雨水が浸透しにくい面積が増えれば、短時間に多くの雨水が排水設備へ集中し、昨今被害が甚大化している都市の冠水へとつながります。クラピアの保水力によって下水へ流出する雨水を減らすことができれば、そうしたリスクの軽減にも貢献できます。
公園や公共空間にも。「クラピア+防草シート」という選択

クラピアと防草シートを組み合わせた緑化は、個人の庭だけでなく、広い公共空間でも活用されています。静岡県浜松市にある浜名湖ガーデンパーク内の「ユニバーサルガーデン」では、防草シートとクラピアを組み合わせた施工を採用。こうした広い場所では、雑草管理の負担を軽減することは特に重要です。防草シートで雑草を抑えながら植物で地表面を覆っていく方法なら、「管理のしやすさ」と「緑のある景観」を両立できます。


さらに、地表面の高温化や土壌流出を抑えるという視点を加えれば、クラピアによる緑化は、これからの暑さや強い雨を考えた公共空間づくりにも一つの選択肢となります。
9月からでもできる? 秋から始めるクラピア
クラピアの庭づくりは今秋からでも始められます。秋は、「今年中に緑のカーペットを完成させる」のではなく、来春からの生育を見据えて植えるのがポイント。

秋から冬に専用防草シートを併用してクラピアを植栽すれば、クラピアが全面被覆していない期間もシートによって雑草を抑えながら春を待つことができます。気温が下がるとクラピアは休眠期に入りますが、多年草なので春に気温が上昇すると毎年、再び生育を始めます。

植えるのは来春でもOK! 今からやっておきたい4つの準備

秋は計画だけして、植えるのは来春でももちろんOK。秋冬は、来年の庭をじっくり考える絶好の期間です。来春の雑草対策のために今からやっておきたい準備を紹介します。
1 植える場所と面積を決める
庭全面をクラピアにする必要はありません。雑草取りが特に大変な場所、芝刈りの負担を減らしたい場所、夏に地面が熱くなりやすい場所など、まずはクラピアを広げたい範囲を決めましょう。
2 今ある雑草をしっかり除去する
防草シートを敷けば、その下に雑草を残してもよいわけではありません。植物がシート下で分解されると、シートが沈む原因になるため、防草シート施工前に雑草をしっかり除去しておくのが大切です。
3 防草シートを併用するか決める
雑草が少なく、その後もこまめに草取りができる場所なら、クラピアだけ植栽する方法もあります。一方、雑草の多い場所や、管理の手間をできるだけ減らしたい場所では、クラピア用防草シートとの併用を検討するとよいでしょう。
4 来年の完成形を想像する

植え付けたときは小さな苗でも、クラピアは成長期に「4ポット苗/㎡」を植えると、2~3カ月で地表を覆います。
「どこを緑にしたいのか」「どこを通路として残すのか」「花壇との境界をどうするのか」。
秋冬のうちに庭全体を見直しておけば、春になってから慌てずに植栽を始められます。
「雑草・猛暑・強い雨」から考える、これからの庭

暑さや強い雨が庭づくりの大きな課題になっている今、庭の地面をどうつくるかは重要な項目です。グラウンドカバープランツには景観だけでなく、もっと多くの役割があります。
- 雑草管理の負担を減らす。
- 植物で地表を覆って、夏の地表面の高温化を抑える。
- 雨による土壌流出を抑え、雨を地中へ浸透させられる地面を残す。
今年の夏、「庭が暑い」「草取りが大変」「大雨が降ると土が流れる」と感じたなら、その記憶がまだ新しい今こそ、来年の庭を考えてみませんか。
【秋からクラピアを始めたい人はこちら】
クラピア育て隊オンラインショップ

【来春の庭づくりを計画するなら、ふるさと納税という選択肢も】
クラピアのふるさと納税 https://kurapiajapan.com/information/furusatonouzei/
写真協力/グリーンプロデュース
Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中! 2026年10月5日発売の書籍第3弾『小さな空間を生かす立体ガーデニング 玄関から始める花のある暮らし』(発行/KADOKAWA)予約受付中!
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