トップへ戻る

観葉植物の中で“最もおトク”!?  環境さえ合えば「1年中トロピカルな花が咲き続ける」アンスリウムの魅力

観葉植物の中で“最もおトク”!?  環境さえ合えば「1年中トロピカルな花が咲き続ける」アンスリウムの魅力

nnattalli/Shutterstock.com

艶やかな美しい葉に、ハート形のエキゾチックな花が映える「アンスリウム」。じつは、室内で育てる植物の中で「最も長く花を楽しめるおトクな存在」だと知っていますか? 置き場所などの環境さえ合えば、1年中次々と花を咲かせることも難しくありません。アンスリウムの基本的な情報から品種バリエ、一度咲いた花が2カ月以上長もちする理由、初心者でも失敗しない育て方のコツを栽培のプロが解説します。

アンスリウムの基本情報

アンスリウム
写真/小川恭弘

植物名:アンスリウム
学名:Anthurium
英名:flamingo flower 、tailflower
和名:オオベニウチワ(大紅団扇)
別名:アンスリューム
科名:サトイモ科
属名:アンスリウム属
原産地:熱帯アメリカ~西インド諸島
形態:多年草

花を楽しむ鉢花として多く出回っているアンスリウムは、エクアドルやコロンビアが原産のアンドレアナムなどの原種から改良された園芸品種です。オランダなどで品種改良が盛んに行われ、鉢物用のコンパクトで花付きのよい品種が多く登場しています。一方切り花用の品種は、人の顔ほどの大きさの豪華な大輪品種があります。室内で楽しむ植物として主に育てられますが、鉢植えは母の日やギフト用などの用途でもよく流通しています。

環境に合うと1年中花が咲き続け、艶のある葉も美しく観賞価値が高いです。インドアプランツとして重宝され、安定した人気があります。花や葉がハート形をしていることから、ハワイではバレンタインに贈る花としても親しまれています。

アンスリウムの仲間には花でなく個性的な葉や株姿を観賞する種類があり、そのような種類が観葉植物として一般に流通することが徐々に増えています。流通量は多くないので、入手する場合はネット通販を利用するとよいでしょう。

アンスリウムの特徴・性質

アンスリウム
Tohuwabohu 1976/Shutterstock.com

園芸分類:草花、観葉植物
草丈:30〜80cm
開花期:5~11月
花色:赤、ピンク、白、紫、緑、茶
耐寒性:弱い
耐暑性:普通

花は四季咲き性ですが春と秋によく開花し、花は2カ月以上長持ちします。花のように見えるのは、葉に由来する仏炎苞(ぶつえんほう)です。仏炎苞の中央の円柱状の部分(肉穂花序:にくすいかじょ)は小さな花がたくさん集まっており、下から成熟します。

オランダのアンスリウム専門のアンスラ社によって作られた品種が有名で、国内でも多く流通しています。花色は非常に豊富で、定番の赤色の他にピンク、白、紫、緑色などがあるほか、かなり黒や茶に近い特異な色、白とピンクの複色などもあります。

明るい日陰で育てれば夏も問題なく育つことが多いですが、夏に高温になりやすい場所では花が咲きにくくなります。冬の寒さには弱いので、室内の暖かい場所で冬越しさせてください。

アンスリウムの種類・品種

 ‘ミスティーク’  Anthurium ‘Mystique’

アンスリウム ‘ミスティーク’  Anthurium 'Mystique'
Jirayu Chaichomlert/Shutterstock.com

白にピンクのグラデーションが入った可憐な花が人気の品種です。

‘シラノ’  Anthurium ‘Cirano’

アンスリウム‘シラノ’  Anthurium 'Cirano'
InfoFlowersPlants/Shutterstock.com

やや紫がかったピンク色の花で、落ち着いた大人っぽい雰囲気の美しさがあります。

‘ジョリ’  Anthurium ‘Joli’

アンスリウム‘ジョリ’  Anthurium 'Joli'
InfoFlowersPlants/Shutterstock.com

花付きの優れた品種で、ピンクの花に外側の部分が少し緑がかります。

‘ベビーパープル’ Anthurium ‘Baby Purple’

アンスリウム‘ベビーパープル’ Anthurium 'Baby Purple'
LM.photo/Shutterstock.com

紫色の個性的な花が人目を引きます。

アンスリウム・シェルツェリアヌム Anthurium scherzerianum

アンスリウム・シェルツェリアヌム Anthurium scherzerianum
写真/小川恭弘

コスタリカ原産の小型のアンスリウムです。花が美しく鉢花として栽培されますが、近年の流通量は少ないです。写真はボール状のハンギングに仕立てられています。

アンスリウム・クラリネルビウム Anthurium clarinervium

アンスリウム・クラリネルビウム Anthurium clarinervium
ngoctram.ms/Shutterstock.com

メキシコ原産の多年草で、自生地では樹木や岩などに着生します。ベルベットのような質感のハート型の葉に網目状の白い葉脈が目立ちます。

アンスリウム・ベイチー Anthurium veitchii

アンスリウム・ベイチー Anthurium veitchii
NattaPort/Shutterstock.com

コロンビア原産の大型の多年草で、樹木などに着生します。表面が波打つような葉は最大で1.5mほどの迫力ある大きさになり、アンスリウムの王様といわれます。

アンスリウムの栽培12カ月カレンダー

植え付け・植え替え適期:5~8月
肥料:5~10月
仕立て直し:5~8月

アンスリウムの栽培環境

アンスリウム
Naraya13/Shutterstock.com

適した環境・置き場所

直射日光を避けた明るい日陰が適します。暗すぎると花が咲かなくなるので、注意してください。初心者に最も多い失敗のようです。葉焼けしない範囲で、可能な限り明るい場所に置くことが大切です。

夏以外の季節はレースのカーテン越しの日光が当たる場所、夏はカーテン越しの日光が当たる場所が置き場所のおおよその目安です。また北側の窓際も適度な明るさでよい場合が多いです。

空気中の湿度が高い環境を好みます。エアコンやファンヒーターなどの風が直接当たる場所に置かないでください。急激な乾燥や温度変化で枯れてしまいます。空気が乾燥している時は、霧吹きで葉水を与えるとよいでしょう。

生育適温と夏越し

生育に適した温度の目安は18~28℃です。温暖で暑すぎない時期に最もよく生育します。

夏は暑さが厳しいと生育が衰えます。特に閉め切った室内で夏に温度が上昇しがちな場合は、夏に弱りやすいので注意してください。

5月の連休明けくらいから10月くらいまでは、戸外で育てることができます。戸外の風通しのよい涼しい場所では、夏でも元気に花を咲かせることが多いです。

冬越し

最低温度のおおよその目安は10℃です。小型の品種は0℃近くまでの寒さに耐えることがありますが、株がひどく傷みやすいので避けたほうがよいでしょう。

寒さに弱いので、室内の暖房の入る部屋で育ててください。窓のそばは温度が低下しやすいので、避けたほうが安全です。

アンスリウムの育て方・日常の管理

アンスリウム
写真/小川恭弘

水やり

表土が乾いたら水やりします。乾燥が激しい夏は、霧吹きなどで葉水を与えるとよいでしょう。

冬はやや乾かし気味に管理します。冷水は根を傷めるので、20℃くらいに温めた水が適します。日差しが暖かくなってきた午前中に水やりしてください。

肥料

5~10月は、3要素が等量の緩効性化成肥料などを規定量与えてください。よく開花している場合は、規定より半分程度に薄めた液体肥料を1週間に1回、併用して与えてもよいでしょう。ただし夏の閉め切った室内などで株の調子が悪い場合は、肥料を与えないようにしてください。

病害虫

比較的病害虫の発生は少ないです。戸外ではナメクジ等の食害に注意してください。花や葉が食べられてしまうので、見つけ次第補殺するか、専用の薬剤で防除するとよいでしょう。

アンスリウムの手入れ作業

アンスリウム
Olla Yakovleva/Shutterstock.com

植え替え

5~8月に、2年に1回を目安に植え替えてください。古い土を落とし、新しい用土で植え付けます。

清潔で排水がよく、軽めの用土が適します。配合例として、赤玉土小粒5:ピートモス3:粒状パーライト2などの用土がおすすめです。

子株の芽かき・間引き・増やし方

株元から子株が出てきますが、1~2株を残して取り除くようにしてください。そのままにすると株元付近に葉が密集して光が当たらなくなり、養分の奪い合いも起きて花が咲かなくなります。余分な子株は見つけ次第、指やカッターなどで早めにかき取ると理想的です。

育ってしまった子株はハサミで親株から切り離し、根ごと引き抜くようにしてください。小さな子株は2~3号ポット鉢に植え付けると増やすことができます。水挿しして発根させてもよいでしょう。

開花後の花茎切り

色が褪せてきたら早めに花茎の根元から切り、切り花として楽しむとよいでしょう。早めに切ることで次の花が咲きやすくなります。

仕立て直し

茎がひょろひょろと長く立ち上がって見苦しい株は、5~8月に仕立て直すとよいでしょう。できるだけ根をつけて切り、新しい葉を3~5枚程度残して古い葉は切り落とし、3.5~4号ポット鉢に植えます。水挿ししても発根します。安定が悪い場合は支柱を立てて倒れないようにしてください。

アンスリウムを育てて1年中花を楽しもう

アンスリウム
chaiwat wongsangam/Shutterstock.com
  • 強い直射日光に当たると葉焼けする
  • 暗すぎる場所では花が咲かない
  • 子株が密集すると花が咲きにくくなる
  • 咲き終わった花は早めに切る
  • 寒さに弱いので注意

できるだけ明るい場所で育てれば、1年中花を咲かせることは難しくありません。インドアプランツの中では、最も花を楽しめるお得な植物ともいえます。

アンスリウムを育てて、たくさんのトロピカルな花を楽しんでください。

季節のおすすめアイテム

ホースガイド ジョウロ  -GARDEN STORY Series-

ホースガイド ジョウロ -GARDEN STORY Series-

庭にホースを伸ばして水まきをする際、ホースが大切な植物をなぎ倒してしまうのを防ぎます。地面にスッと差し込むだけで、花壇の縁やアプローチ横など、ホースが通るルートに手軽に設置できます。ジョウロのモチーフが庭の風景によくマッチ!

人気の記事

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO