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バナナを自宅で育てる方法をプロが解説! 観葉植物として育てて果実も収穫
左上/ bergamont右/Gheorghe Mindru/Shutterstock.com
フルーツの中で最も多く消費され、親しまれている身近な存在のバナナ。でも、育てるとなると難しそうで、敷居が高く感じる人も多いようです。ところがコンパクトに育つ矮性品種を選べば、家庭でも結実させて十分収穫することができます。寒さにも意外と強く、室内なら容易に越冬するので、育てるのも難しくありません。大きな葉がみずみずしく、トロピカルムードを楽しむには最高の観葉植物。美味しいバナナの育て方のコツやおすすめ品種を、温室植物栽培のプロが解説します。
目次
バナナの基本情報

バナナはバショウ科の常緑多年草、東南アジア原産の植物です。多くの植物と違い、一度実をつけた株は枯れてしまうので、根元の子株をまた育てることで、再び実がなる性質です。株分け後1~3年で収穫できますが、収穫時期は不定です。品種によって差はありますが、水を控えれば0℃近くまで耐えます。
バナナは木ではなく、幹に見えるのは葉に由来する偽茎で、生長点は地下に1つしかありません。
スーパーなどで販売されているバナナは、青い未熟状態の果実をフィリピンなどから輸入して追熟させたものです。
家庭で育てるバナナと栽培の魅力

3~4mの高さまで育つ品種が主流ですが、家庭で育てるには1~2mで実を付ける矮性品種を選びましょう。実がなるまでもトロピカルムード満点の株姿が目を引き、観葉植物として楽しむことができます。また、つややかな大きな葉は、料理の皿代わりにしたり、ラッピングにも使えるなど実用的な面もあります。樹上で黄色く完熟したバナナは、販売されているものより格段に美味しく、身近に育てている人だけが味わえる特権です。
健康食になるバナナの栄養

バナナは毎朝食事に加える人も多い果物で、消化がよく、エネルギー源としての即効性に加え、持続性もある効率のよいスタミナ源です。バナナの糖質は吸収がおだやかで腹もちがよいので、ダイエット中の人にもおすすめ。そのほか、整腸作用や免疫力向上、高血圧を抑えるなどの効果があります。食物繊維が豊富で、ビタミン、ミネラルなどの栄養バランスの優れたバナナは、安心して毎日食べられる健康食です。
バナナの苗の購入ポイント

春から初夏くらいに、ホームセンターや通販で苗が入手できます。茎が太く葉も大きく、がっしりとした印象の株を選んでください。いろいろな品種を育てたい場合は、通販を利用するのがおすすめです。背が高くなる品種も販売されていますが、家庭で鉢栽培する場合は避けたほうがよいでしょう。
置き場所
日当たりのよい場所を好みます。5月からは戸外に出し、十分に日光を当てるようにしてください。また室内に取り込むのは、11月までに済ませると葉が傷まず安心です。
葉が大きく柔らかいので、強風に当たるとビリビリに破けます。建物のそばなど風当たりの弱い場所に置くとよいでしょう。また株の安定が悪く、特に大株は支柱などに固定するなど倒れないように工夫をしてください。台風などが来る場合は、早めに室内に取り込みましょう。
水やり
春から秋の成長期は、表土が乾いてから与えます。7〜9月の暑く晴れた日が続く時期は、水切れしないように毎日与えてください。また水やりするときは、葉全体を洗い流すようにするとよいでしょう。
結実しているとき(青い実がついて膨らんでから)は多くの水分を必要とするので、特に水切れしないように注意してください。冬はやや乾かし気味に管理します。最低温度(0℃近く)が保ちにくい場合は、水やりをかなり控えると、葉が枯れたとしても根が生存する可能性が高くなります。
肥料と用土
肥料は、チッソのほか、カリを多く必要とします。春から秋の成長期には、骨粉が入った発酵済み油粕などの有機肥料を規定量与えます。旺盛に成長しているようなら、やや多めに与えてください。
腐植質を多く含んだ肥沃な土を好みます。草花用の一般的な培養土にくん炭を1割程度混ぜて使うとよいでしょう。くん炭にはカリが多く含まれていて補給源になり、根腐れや病気にも強くなります。
冬越し

最低温度を0~3℃以上保てばよいので、室内に置けば比較的容易に冬越しします。ただし、葉を美しく保つには8℃以上を心がけましょう。室内の日当たりのよい窓際に置き、夜間は厚手のカーテンを引いて外からの冷気をシャットアウトしてください。実がついている場合は最低でも12℃以上を保ち、できるだけ保温に努めてください。
植え替え
果実を実らせるのに最も重要なことは、だんだんと大きな鉢に植え替えることです。
鉢替えの大体の目安としては、3~4号 → 6~8号 → 10~15号 です。
3号鉢から急に10号鉢に植え替えるような、大きな環境の変化は避けてください。かえって成長が遅くなり、根腐れなどのトラブルも多くなります。
次世代の苗を確保する株分け作業

よい実を付けさせたい場合は、早めに子株を切ってください。茎の表面の枯れた部分は、虫などの隠れ処になり、見た目も悪くなります。ハサミを使って取り除くとよいでしょう。
株分けで増やしますが、小さなうちに株分けすると失敗しやすいので注意しましょう。
バナナの実がついたら

房状に実がなって大きくなってくると、株が非常に不安定になります。時間をかけて実った大事な果実ですから、倒れて茎が折れたり、実がとれてしまうなど深刻な被害を受けないよう、しっかりした柱などに固定してください。
垂れ下がった茎に重い果実がつく三尺バナナは、そのままだと茎が途中で折れてしまうことが多いです。丈夫な金属製パイプなどに、茎の上部と中部の2カ所をしっかり固定してください。
収穫と利用のポイント
果皮が黄色くなると、すぐに黒くなって腐るので、収穫のタイミングを逃さないようにしましょう。
果実の保存は、常温の風通しのよい場所に。吊して保存するのが理想的です。
果実の表面が黄色くなり、さらに黒い斑点ができてきたら、最も甘く食べ頃です。食べ切れないときは、レモン汁をかけて冷凍すると黒ずみません。
バナナの品種

いろいろな品種があり、酸味のあるものや、なめらかでアイスクリームに例えられるものなど、さまざまです。またハワイや日本でもごく少数ですが、リンゴのような風味のあるアップルバナナが近年流通し、高値で取り引きされているようです。
フルーツとしてだけでなく、料理用の品種もあります。幹が赤色を帯び、果実も茶色のレッドバナナなどもユニークです。葉や果実に斑が入る品種もあります。
三尺バナナ Musa acuminata ‘Dwarf Cavendish’

1~3mほどの高さで実がなる矮性のバナナで、台風の多い沖縄でよく栽培されています。実は大きくたくさんつくので、実がなりはじめたら早めに丈夫な支柱を立てないと、折れてしまいます。果実は緑色のまま完熟する傾向があるので、収穫には注意が必要です。
ドワーフモンキーバナナ
1mほどで結実する矮性バナナで、鉢栽培に特に適しています。株の先端付近に1~2段ほど、やや少量の小さな実がなります。味はやや酸味があり、さっぱりとしています。
島バナナ

沖縄などで多く育てられています。モンキーバナナのように実が小さく酸味のあるさっぱりした味で、現地では根強い人気があります。苗が通販などで販売されていますが、3~4mほどまで高く成長し、家庭で育てるには不向きなので注意してください。
ジャイアントキャベンディッシュ
最もよく流通して食べられているバナナで、実は大きく甘味も強い品種です。残念ながら、苗は流通していません。
バナナの近縁種
バショウ(芭蕉) Musa basjoo

戸外の庭などでバナナにそっくりの植物があったら、バショウです。バナナとは別種ですが、ジャパニーズバナナとも呼ばれ、近い種類です。耐寒性が強く、地上部が枯れてもまた出てきます。東北の比較的暖かい地方でも栽培が見られるようです。
ほとんどは実がつく前に冬の寒さで枯れてしまいますが、暖かい地域や場所では結実します。果実は種が多いですが、食べると酸味のあるバナナの味がして美味しいそうです。
ピンクバナナ(アケビバナナ) Musa velutina

バショウのように寒さに強く、戸外で栽培できます。高さは2~3mで、あまり大きくなりません。果実と花はピンク色で、観賞しても楽しく、実もアケビのように種がいっぱいですが食べられます。
育てて収穫も楽めるバナナ栽培に挑戦してみよう!
室内で容易に冬越しでき、展示効果も抜群なバナナは、観葉植物としてもおすすめです。しっかりと植え替えなどの世話をすれば、実を収穫するのも難しくありません。寒さに強いバナナに近縁の種類なら、戸外でガーデニングにも使えます。ぜひ気軽にバナナの栽培にチャレンジしてみてください。
Credit
文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -

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