小川恭弘 -園芸研究家-
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樹木

【プロが解説】「ビバーナム」の名でも大注目! 日本の里山植物「ガマズミ」が今庭木として人気の理由
ガマズミの基本情報 Igor Sokolov (breeze)/Shutterstock.com 植物名:ガマズミ学名:Viburnum dilatatum英名:Linden Viburnum、linden arrowwood和名:ガマズミ(莢迷、蒲染)その他の名前:ビバーナム、イヨゾメ、カメガラ、シモフリなど科名:レンブクソウ科属名:ガマズミ(ビバーナム)属原産地:日本、中国、朝鮮半島形態:落葉低木 日本では北海道から九州までの広い範囲に分布する落葉低木です。雑木林の中の比較的日当たりのよい場所などに自生します。全国各地で地方名が多く、山野でよく見られる木なので、近年になって庭木として注目されるようになりました。 枝先に白い小花がたくさん集まって咲き、直径5~10cmほどの大きさになります。開花期は4~6月で、花には独特の芳香があります。8~10月から観賞できる赤い果実は、食用にもなります。秋の紅葉も美しく、魅力が多い花木です。 丈夫で手間がかからず、初心者でも育てやすいです。アメリカなどでも庭木として育てられて人気があり、園芸品種も作られています。 ガマズミの特徴・性質 tamu1500/Shutterstock.com 園芸分類:庭木、花木樹高:2~3m 耐寒性:強い耐暑性:強い 分布域は広く、山野だけでなく郊外の空き地などでも自生していることがあります。明るい場所を好むので、林の中の道沿いなどでもよく見られます。 葉は大きく縁にはギザギザがあり、表面のシワが目立ちます。葉の両面や若い枝には毛があります。枝の基部から出る短枝の先端に花芽が付き、翌年開花します。 自然に形が整うので、剪定は余分な枝を切るくらいです。果実は葉が落葉しても残り、鳥にとっての冬の貴重なエサになります。鳥が果実を食べて別の場所に移動することで、排泄物とともにタネがまかれて分布が広がります。 ガマズミの果実の栄養や利用法 KPG-Payless2/Shutterstock.com 果実は赤くなってもはじめは酸っぱいですが、霜にあたると甘味が増していきます。果実の表面に白い粉が見えたら食べ頃とされます。 果実は栄養豊富で、ポリフェノールやビタミンC、クエン酸などが多く含まれています。強い抗酸化作用があり、血液をサラサラにする効果やアントシアニンによる目によい効果、クエン酸による疲労回復、美肌効果などが期待できます。 収穫した果実は果実酒の材料にしたり、シロップやジャムなどに利用することができます。健康食品にも使われ、ガマズミのキャンディやジャム、果実酒、100%ジュースなどが販売されています。 ガマズミの仲間 ガマズミの仲間は、約200種類が世界の北半球に広く分布します。花が美しく、栽培される種類が多いです。 同じ仲間の中で名前が混同されやすく、売り場などでガマズミがビバーナムの名で販売されていたり、逆に違う種類の園芸品種にガマズミの名があることがあります。 ガマズミには、金極光などの葉に斑が入った品種などがあります。矮性の品種がアメリカで作られていますが、日本での流通はないようです。 金華山ガマズミ 東北の三陸地方の金華山島にのみ自生するガマズミで、葉が非常に小さいのが特徴です。盆栽としてもよく栽培され、小さな葉が茂り樹形のバランスがよいです。 キミノガマズミ Viburnum dilatatum f. xanthocarpum 果実は黄色になる種類です。葉は紅葉しません。 コバノガマズミ 日本や中国、台湾、韓国が原産の落葉低木です。花や葉は、ガマズミに比べると小さいです。しわの目立たない葉は細長い卵形で葉柄が短く、基部に托葉があります。ガマズミと同様に楽しめ、育てることができます。 ビバーナム・ティヌス(常緑ガマズミ) Viburnum tinus Stefan Rotter/Shutterstock.com 冬も落葉しない常緑の種類で、常緑ガマズミの名でも流通します。地中海沿岸原産で、花後に青い実を付けます。 マイナス10℃ほどの低温に耐えるとされます。トキワガマズミ名でも流通しますが、近縁のハクサンボクの変種で小笠原固有種にも同名の和名を持つものがあります。 常緑ガマズミとして流通する、同様に青い実を付ける種類として、中国原産のビバーナム・ダビディ(Viburnum davidii)があります。また両種の交配種もあります。 フウリンガマズミ Viburnum setigerum 名前は、実が風鈴のように垂れ下がることに由来します。中国原産の落葉低木で、実はオレンジ色から赤色になります。管理はガマズミに準じます。 ガマズミの栽培12カ月カレンダー 植え付け適期:12月、2月中旬~3月植え替え適期:3月肥料:5~6月、11~12月剪定:12月~翌年3月、5~6月 ガマズミの栽培環境 適した環境・置き場所 日なたから半日陰の、肥沃で水はけのよい場所が適します。明るい日陰でも育ちますが、花付きなどが悪くなり、枝なども徒長気味に伸びがちになります。環境適応性が高く、場所をあまり選びません。 鉢植えは、乾燥の激しい夏は西日の当たらない半日陰で育てるとよいでしょう。水切れさせると葉焼けします。 生育温度 15~28℃が生育温度の目安です。暑さ、寒さに強く全国で栽培できます。 ガマズミの育て方・日常の手入れ Picmin/Shutterstock.com 水やり 根付けば、水やりはほとんど必要ありません。夏にひどく乾燥した場合は、夕方にたっぷり水やりしてください。 鉢植えは、鉢土の表面が乾いたら水やりしてください。夏の晴れた日は、毎日水を与えてもよいでしょう。 肥料 地植えした場合は、あまり必要ありません。葉色が悪い場合や早く大きくしたい場合や鉢植えは、花後の5~6月と落葉後の11~12月に肥料を与えます。骨粉入り油粕などの有機肥料、または3要素が等量の緩効性化成肥料を与えてください。 病害虫 比較的病害虫に強く、発生も少ないです。枝が混むと、カイガラムシが発生することがあります。 ガマズミの作業・剪定と増やし方 High Mountain/Shutterstock.com 剪定 樹形が整いやすいので、頻繁に剪定する必要はありません。通常は余分な枝を剪定する程度で済ませます。 落葉期の12月~翌年3月、花後の5~月が剪定の適期です。大きくしたくない場合は、強めに切るとよいでしょう。徒長枝や込み入った部分の枝をつけ根から切ります。 増やし方 挿し木で増やすことができます。6月中旬~7月中旬に、今年伸びた新しい枝を10cmほど切ります。葉を2枚程度残して切り、葉を半分くらいの大きさに切って挿し穂とします。鹿沼土などの清潔な用土に挿し、明るい日陰で乾燥させないように管理してください。 ガマズミの植え付け・植え替え sarurun/Shutterstock.com 植え付け 落葉期の冬に植え付けますが、真冬の寒さの厳しい時は避けます。12月と、2月中旬~3月が適期の目安です。根鉢より1回りほど大きな植え穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土などの有機物を混ぜて植え付けます。作業の際は根鉢をくずさないように植え、安定させるために支柱を立ててください。 植え替え ガマズミは鉢植えに向かず、庭に植えて楽しみます。ただし、金華山ガマズミやコバノガマズミは、鉢植えでも楽しめます。生育が早いので、1~2年に1回、芽が出る前の3月頃に植え替えてください。 用土 肥沃で排水のよい、一般的な培養土でよいでしょう。または赤玉土小粒7:腐葉土3を混ぜた用土を使います。 手間がかからず育てやすいガマズミは楽しみがいっぱい Maryna Osadcha/Shutterstock.com 春の花と秋の赤い実、冬前の紅葉と、四季の移ろいを感じることができ、長期間さまざまな美しさを楽しめます。甘酸っぱい実は食用にすることができます。しかも健康食品にされるほど栄養価が高いのも魅力的です。ベランダでは、葉が小さいタイプを選べば鉢植えでも育てられます。ガマズミを育てれば、日々の生活がさらに楽しくなることでしょう。
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観葉・インドアグリーン

観葉植物の中で“最もおトク”!? 環境さえ合えば「1年中トロピカルな花が咲き続ける」アンスリウムの魅力
アンスリウムの基本情報 写真/小川恭弘 植物名:アンスリウム学名:Anthurium英名:flamingo flower 、tailflower和名:オオベニウチワ(大紅団扇)別名:アンスリューム科名:サトイモ科属名:アンスリウム属原産地:熱帯アメリカ~西インド諸島形態:多年草 花を楽しむ鉢花として多く出回っているアンスリウムは、エクアドルやコロンビアが原産のアンドレアナムなどの原種から改良された園芸品種です。オランダなどで品種改良が盛んに行われ、鉢物用のコンパクトで花付きのよい品種が多く登場しています。一方切り花用の品種は、人の顔ほどの大きさの豪華な大輪品種があります。室内で楽しむ植物として主に育てられますが、鉢植えは母の日やギフト用などの用途でもよく流通しています。 環境に合うと1年中花が咲き続け、艶のある葉も美しく観賞価値が高いです。インドアプランツとして重宝され、安定した人気があります。花や葉がハート形をしていることから、ハワイではバレンタインに贈る花としても親しまれています。 アンスリウムの仲間には花でなく個性的な葉や株姿を観賞する種類があり、そのような種類が観葉植物として一般に流通することが徐々に増えています。流通量は多くないので、入手する場合はネット通販を利用するとよいでしょう。 アンスリウムの特徴・性質 Tohuwabohu 1976/Shutterstock.com 園芸分類:草花、観葉植物草丈:30〜80cm開花期:5~11月花色:赤、ピンク、白、紫、緑、茶耐寒性:弱い耐暑性:普通 花は四季咲き性ですが春と秋によく開花し、花は2カ月以上長持ちします。花のように見えるのは、葉に由来する仏炎苞(ぶつえんほう)です。仏炎苞の中央の円柱状の部分(肉穂花序:にくすいかじょ)は小さな花がたくさん集まっており、下から成熟します。 オランダのアンスリウム専門のアンスラ社によって作られた品種が有名で、国内でも多く流通しています。花色は非常に豊富で、定番の赤色の他にピンク、白、紫、緑色などがあるほか、かなり黒や茶に近い特異な色、白とピンクの複色などもあります。 明るい日陰で育てれば夏も問題なく育つことが多いですが、夏に高温になりやすい場所では花が咲きにくくなります。冬の寒さには弱いので、室内の暖かい場所で冬越しさせてください。 アンスリウムの種類・品種 ‘ミスティーク’ Anthurium 'Mystique' Jirayu Chaichomlert/Shutterstock.com 白にピンクのグラデーションが入った可憐な花が人気の品種です。 ‘シラノ’ Anthurium 'Cirano' InfoFlowersPlants/Shutterstock.com やや紫がかったピンク色の花で、落ち着いた大人っぽい雰囲気の美しさがあります。 ‘ジョリ’ Anthurium 'Joli' InfoFlowersPlants/Shutterstock.com 花付きの優れた品種で、ピンクの花に外側の部分が少し緑がかります。 ‘ベビーパープル’ Anthurium 'Baby Purple' LM.photo/Shutterstock.com 紫色の個性的な花が人目を引きます。 アンスリウム・シェルツェリアヌム Anthurium scherzerianum 写真/小川恭弘 コスタリカ原産の小型のアンスリウムです。花が美しく鉢花として栽培されますが、近年の流通量は少ないです。写真はボール状のハンギングに仕立てられています。 アンスリウム・クラリネルビウム Anthurium clarinervium ngoctram.ms/Shutterstock.com メキシコ原産の多年草で、自生地では樹木や岩などに着生します。ベルベットのような質感のハート型の葉に網目状の白い葉脈が目立ちます。 アンスリウム・ベイチー Anthurium veitchii NattaPort/Shutterstock.com コロンビア原産の大型の多年草で、樹木などに着生します。表面が波打つような葉は最大で1.5mほどの迫力ある大きさになり、アンスリウムの王様といわれます。 アンスリウムの栽培12カ月カレンダー 植え付け・植え替え適期:5~8月肥料:5~10月仕立て直し:5~8月 アンスリウムの栽培環境 Naraya13/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 直射日光を避けた明るい日陰が適します。暗すぎると花が咲かなくなるので、注意してください。初心者に最も多い失敗のようです。葉焼けしない範囲で、可能な限り明るい場所に置くことが大切です。 夏以外の季節はレースのカーテン越しの日光が当たる場所、夏はカーテン越しの日光が当たる場所が置き場所のおおよその目安です。また北側の窓際も適度な明るさでよい場合が多いです。 空気中の湿度が高い環境を好みます。エアコンやファンヒーターなどの風が直接当たる場所に置かないでください。急激な乾燥や温度変化で枯れてしまいます。空気が乾燥している時は、霧吹きで葉水を与えるとよいでしょう。 生育適温と夏越し 生育に適した温度の目安は18~28℃です。温暖で暑すぎない時期に最もよく生育します。 夏は暑さが厳しいと生育が衰えます。特に閉め切った室内で夏に温度が上昇しがちな場合は、夏に弱りやすいので注意してください。 5月の連休明けくらいから10月くらいまでは、戸外で育てることができます。戸外の風通しのよい涼しい場所では、夏でも元気に花を咲かせることが多いです。 冬越し 最低温度のおおよその目安は10℃です。小型の品種は0℃近くまでの寒さに耐えることがありますが、株がひどく傷みやすいので避けたほうがよいでしょう。 寒さに弱いので、室内の暖房の入る部屋で育ててください。窓のそばは温度が低下しやすいので、避けたほうが安全です。 アンスリウムの育て方・日常の管理 写真/小川恭弘 水やり 表土が乾いたら水やりします。乾燥が激しい夏は、霧吹きなどで葉水を与えるとよいでしょう。 冬はやや乾かし気味に管理します。冷水は根を傷めるので、20℃くらいに温めた水が適します。日差しが暖かくなってきた午前中に水やりしてください。 肥料 5~10月は、3要素が等量の緩効性化成肥料などを規定量与えてください。よく開花している場合は、規定より半分程度に薄めた液体肥料を1週間に1回、併用して与えてもよいでしょう。ただし夏の閉め切った室内などで株の調子が悪い場合は、肥料を与えないようにしてください。 病害虫 比較的病害虫の発生は少ないです。戸外ではナメクジ等の食害に注意してください。花や葉が食べられてしまうので、見つけ次第補殺するか、専用の薬剤で防除するとよいでしょう。 アンスリウムの手入れ作業 Olla Yakovleva/Shutterstock.com 植え替え 5~8月に、2年に1回を目安に植え替えてください。古い土を落とし、新しい用土で植え付けます。 清潔で排水がよく、軽めの用土が適します。配合例として、赤玉土小粒5:ピートモス3:粒状パーライト2などの用土がおすすめです。 子株の芽かき・間引き・増やし方 株元から子株が出てきますが、1~2株を残して取り除くようにしてください。そのままにすると株元付近に葉が密集して光が当たらなくなり、養分の奪い合いも起きて花が咲かなくなります。余分な子株は見つけ次第、指やカッターなどで早めにかき取ると理想的です。 育ってしまった子株はハサミで親株から切り離し、根ごと引き抜くようにしてください。小さな子株は2~3号ポット鉢に植え付けると増やすことができます。水挿しして発根させてもよいでしょう。 開花後の花茎切り 色が褪せてきたら早めに花茎の根元から切り、切り花として楽しむとよいでしょう。早めに切ることで次の花が咲きやすくなります。 仕立て直し 茎がひょろひょろと長く立ち上がって見苦しい株は、5~8月に仕立て直すとよいでしょう。できるだけ根をつけて切り、新しい葉を3~5枚程度残して古い葉は切り落とし、3.5~4号ポット鉢に植えます。水挿ししても発根します。安定が悪い場合は支柱を立てて倒れないようにしてください。 アンスリウムを育てて1年中花を楽しもう chaiwat wongsangam/Shutterstock.com 強い直射日光に当たると葉焼けする 暗すぎる場所では花が咲かない 子株が密集すると花が咲きにくくなる 咲き終わった花は早めに切る 寒さに弱いので注意 できるだけ明るい場所で育てれば、1年中花を咲かせることは難しくありません。インドアプランツの中では、最も花を楽しめるお得な植物ともいえます。 アンスリウムを育てて、たくさんのトロピカルな花を楽しんでください。
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観葉・インドアグリーン

「自宅でコーヒー収穫も夢じゃない」観葉植物として人気のコーヒーノキを実らせる意外と簡単な育て方
コーヒーノキの基本情報 Xenia_Photography/Shutterstock.com 植物名:コーヒーノキ学名:Coffea arabica英名:Arabica coffee別名:アラビカコーヒーノキ、アラビアコーヒー科名:アカネ科属名:コーヒーノキ属原産地:エチオピア、ケニア、スーダン形態:常緑低木 コーヒーノキは、エチオピアなどが原産のアラビカ種を指すのが一般的です。艶のある葉が美しい常緑低木で、観葉植物としても人気です。丈夫なカネフォラ種も多く栽培され、ロブスタコーヒーの名で知られています。生産比率は、アラビカ種が6割:カネフォラ種が4割くらいとされます。観葉植物として流通するのはアラビカ種です。カネフォラ種の苗は、入手が難しいです。 葉のつけ根にさわやかな香りのある白い小花をたくさん咲かせ、コーヒーチェリーといわれる赤い果実がつきます。果実には2つの種子が含まれ、コーヒー豆として利用されます。 コーヒーの花を咲かせて結実させるのは、特徴などを理解して育てれば家庭の環境でも難しくありません。強い直射日光を当てると葉焼けしますが、できるかぎり明るい場所に置くことが大切です。少し葉焼けする程度なら、開花結実することが多いです。 コーヒーノキの特徴・性質 SARAH NGUYEN/Shutterstock.com 樹高:5~200cm 開花期:5~6月耐寒性: 弱い耐暑性:やや弱い コーヒー農園では樹高は2~3mほどになりますが、最大で5mほどに成長します。生育が早く、小苗から2~3年で開花結実します。白い花は春頃に開花し、1つの花は2日間ほど咲きます。花後にできる小さな果実は緑色から熟すにつれて赤色に変化します。熟した果肉は甘く、おいしく食べられます。 寒さには弱く、冬は室内に置きます。ある程度大きくなれば室内での越冬は比較的簡単ですが、小苗は冬の保温に十分配慮する必要があります。 コーヒーノキの栽培適地 jakkapan/Shutterstock.com コーヒーの栽培適地は、年平均気温23℃、昼と夜の寒暖差や雨季と乾季がはっきりしており、夏は涼しく、冬は温暖な気候です。高品質のコーヒーが収穫できる産地ほど、快適ですごしやすい傾向があります。 また日本と同じくらいか、やや少なめの年間降雨量があり、水はけのよい肥沃な酸性土壌が適します。そのためコーヒーの産地は、赤道周辺の熱帯、亜熱帯の限られた地域です。コーヒーの名産地は、ブルーマウンテンやキリマンジャロなど熱帯の高地が多いですが、栽培条件を満たせば標高の低い地域でも上質のコーヒーが収穫できます。 コーヒー農園の大敵として、さび病があります。感染すると葉裏に黄色の斑点ができ、落葉して光合成ができずに木が枯れます。最終的に農園全体の木が全滅するほどの被害になります。19世紀中頃にアフリカから世界に広まったため、アフリカではさび病に強いカネフォラ種の栽培が多く、中南米ではアラビカ種の栽培が多い傾向があります。 コナコーヒーで有名なハワイはさび病に非感染の産地でしたが、2020年以降からさび病の感染が広がり、深刻な問題になっています。 コーヒーノキの仲間 コーヒーノキは、熱帯アフリカ、熱帯アジア、オーストラリアに約130種が分布します。 ロブスタコーヒーノキ(カネフォラ種) Coffea canephora Yustika Muharastri/Shutterstock.com アフリカ中央部から西部の熱帯地域が原産です。ロブスタコーヒーノキの名前は、栽培の多い変種のロブスタに由来します。 アフリカではアラビカ種より一般的に栽培され、ベトナムで最も多く栽培されます。樹高8~12mほどになり、アラビカ種に比べて葉は大きく厚みがあります。また高温多湿や低温、さび病や他の病害虫に強く、カフェイン含有量と収穫量が多いです。 苦みが強いため、ブレンド用やインスタントコーヒーなどに利用されるほか、コンデンスミルクを加えて飲むベトナムコーヒーにも使われます。近年品質が向上し、生産量が増えています。 リベリカコーヒーノキ Coffea liberica MuhSyukur/Shutterstock.com リベリアなどの西アフリカから中央アメリカにかけての熱帯地域が原産で、樹高が20mほどまで高くなります。高温多湿に強く、熱帯の平地で栽培できますが、さび病に弱いです。コーヒーの3大原種の1つとされますが、コーヒー豆の生産量に占める割合は1%くらいで非常に少ないです。フィリピンやマレーシアなどで多く栽培され、栽培現地で多くが消費されます。 コーヒー豆は他の種類より大きく、独特の香りや風味があるといわれ、カフェイン含有量が少ないです。希少性があるため、比較的高額で取引されています。 コーヒーノキの栽培12カ月カレンダー 植え替え:5~8月肥料:5~10月仕立て直し:5~6月 コーヒーノキの栽培環境 Svetlana Bykova/Shutterstock.com 適した環境 日当たりのよい場所を好みますが、気温が高い時に直射日光に当てると葉焼けします。耐陰性があるので室内でも育ちますが、暗い場所に置き続けると花が咲きません。花を咲かせるには生育期は葉焼けしにくい屋外に出し、葉焼けしない範囲で可能な限り日光に当てるようにしてください。 置き場所 夏は屋外で50%程度の遮光下に置くか、室内ではカーテン越しの日光に当てます。また春から秋の室内では、直射日光が当たらず適度に明るい北側の窓際に置くのもおすすめです。 春の5月から6月と秋の10月は屋外の午前中だけ日光が当たる半日陰、または室内のレースのカーテン越しの日光に当てます。ただし季節外れの夏日に葉焼けするので、気温の上昇が予報される日はさらに暗い場所に移動してください。4月と11月は、室内でレースのカーテン越しの日光に当てます。 冬は葉焼けの心配がほとんどないので、室内の窓の近くの場所でよく日光に当ててください。 生育温度 生育に適した温度は、15~25℃です。人間が快適で過ごしやすい時期に、コーヒーノキもよく生育します。夏は遮光下に置けば、暑さで弱ることは少ないです。 冬越し 寒さには弱いので、屋外では越冬できません。中~大型の株は、最低温度を5℃以上保てば越冬します。室内の明るい場所に置けば、越冬は難しくありません。ただし小苗は寒さに弱く、十分な保温が必要です。 コーヒーノキの育て方・日常の手入れ RachenArt/Shutterstock.com 水やり 5~10月の生育期は、鉢土の表面が乾いたら水やりしてください。水やりの際は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えますが、受け皿に水を貯めたままにしないでください。過湿で根腐れします。 冬はやや乾かし気味に管理します。 肥料 5~10月の生育期に、3要素が等量程度含まれた緩効性化成肥料を規定量与えます。暑さが厳しい時は、液体肥料を月に3~4回、規定倍率よりやや薄めて与えるとよいでしょう。葉が落葉するなど調子が悪い場合は、肥料を与えないでください。 病害虫 枝葉が茂って風通しが悪くなると、カイガラムシが発生しやすくなります。見つけ次第ブラシなどでこすり落とします。枝葉が込みすぎた部分を定期的に切ることで予防できます。 増やし方 挿し木が難しいので、種まきで増やします。果実ができたら種子をとり、周囲のヌメリをよく洗い落としてから用土に播きます。種子は1cm程度覆土し、明るい日陰で乾かさないように管理してください。1~2カ月で発根したら、1株ずつ3号ポットなどに鉢上げします。 コーヒーノキのミニ観葉 LenkaPruchova/Shutterstock.com 小さな株は寒さに特に弱いので、室内の暖房の入る温かい部屋に置き、保温に十分配慮するようにしてください。窓際は温度が下がりやすいので、避けるようにします。 小苗の最低温度の目安は10℃です。ただし水やりした時に立ち枯れすることがあるので、15℃以上を保てば安全です。 また乾燥にも弱く、水切れさせると深刻な被害になりやすいです。用土の表面がおおよそ乾いたら、たっぷり水やりしてください。夏に乾燥が激しい場合は、毎日水やりします。 春に購入し、冬までにできるだけ大きく育てるのがおすすめです。小苗のうちは耐陰性が強いので、室内の明るい日陰で十分育ちます。よく生育させるには鉢替えは必ず行い、肥料も生育期間中は切らさないように与えてください。 コーヒーノキの植え替え Carlos Sala Fotografia/Shutterstock.com 小苗を購入したら 数本の苗が寄せ植えになっている場合がほとんどです。大きく育てて開花結実させたい場合は、春に1株ずつ3号ポットなどに植え替えてください。 鉢植えの植え替え 生育が早いので、1~2年に1回、植え替えてください。根詰まりすると、下葉が落ちて枝の先端近くだけ葉がついた見苦しい姿になりやすいです。 5~8月に根鉢を軽くくずし、1~2回り大きな鉢に植え替えます。同時に伸びすぎた枝や込み入った枝も切るとよいでしょう。 鉢のサイズ 大きすぎる鉢に植えると、過湿気味になって根腐れしやすくなり、生育も悪くなりやすいです。やや大きい鉢や高さのある鉢を使いたい場合は、鉢底石を多く入れて水はけよく植えてください。 用土 肥沃で水はけのよい用土が適します。赤玉土小粒4:鹿沼土3:ピートモス3を混ぜた用土などを使います。 アルカリ性の用土を嫌い、微量要素欠乏症などで葉色が悪くなります。石灰やくん炭、貝類を使った資材などはアルカリ性なので、使用は避けたほうがよいでしょう。 コーヒーノキの剪定と仕立て直し Fagner Martins/Shutterstock.com 剪定に強く、葉が全くなくなるまで切っても大丈夫です。コーヒー農園では、定期的に株元近くまで強剪定して樹勢を回復させます。 コーヒーノキは、枝葉がよく茂ります。伸びすぎたり込みすぎた枝は、いつでも枝の付け根から間引くように切ってください。 下葉が落ちて長く伸び、見苦しくなった株などは、仕立て直すことができます。5~6月に、株元の幹を20~30cmくらい残して切り戻します。同時に根鉢を半分程度くずし、1~2回り小さな鉢に植え替えてください。 コーヒーノキの栽培ポイント Subbotina Anna/Shutterstock.com 強い直射日光で葉焼けする 開花結実させるには葉焼けしない範囲で明るい場所に置く 小苗は寒さに非常に弱いので注意 生育が早く、根詰まりすると下葉が落ちる 耐陰性があって家庭でも十分越冬できるので、コーヒーノキを育てるのは難しくありません。上手に栽培すれば、艶のある葉だけでなく香りのよい花や赤い果実も楽しむことができます。果実から種子をとって焙煎すれば、自家製のコーヒーも味わえるかもしれません。さまざまな楽しみがあるコーヒーノキを、育ててみませんか。
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多肉・サボテン

えっ、多肉植物が野菜に⁉︎ シャキシャキ酸っぱい栄養豊富な「グラパラ」を育てよう
グラパラの基本情報 nicesy/Shutterstock.com 植物名:グラパラ学名:Graptopetalum paraguayense ‘Haringo’別名:ハリンゴ科名:ベンケイソウ科属名:グラプトペタルム属原産地:メキシコ形態:多年草 グラパラは、多肉植物から日本で作られた食用の品種です。葉が食用となり、シャキシャキとした食感と爽やかな酸味のある野菜です。‘ハリンゴ’の名で品種登録(品種登録第17306号)されており、許可なく営利目的での生産や販売は法律で禁止されています。 元になった多肉植物は、「朧月(おぼろづき)」の和名があるグラプトペタルム・パラグエンセです。暑さ寒さに強く丈夫なので、初心者でも育てやすいです。 グラパラの入手先 グラパラの苗は、入手が難しくなっています。食材としてのグラパラリーフはネット通販などで比較的入手しやすいので、グラパラリーフを葉挿しして苗を入手するのが最もお勧めです。葉挿しの方法は、後述の「グラパラの作業」の増やし方を参照してください。 グラパラの特徴・性質 maodoltee/Shutterstock.com 園芸分類:多肉植物、野菜草丈:20cm花期:4〜7月耐寒性:普通耐暑性:普通 ベンケイソウ科の多肉植物で、メキシコの砂漠や低木が生える乾燥地帯が原産です。春と秋によく成長する春秋型の生育タイプです。葉は多肉質で白っぽく、寒くなってくるとピンク色を帯びます。 茎は伸びはじめは直立しますが、成長につれて匍匐するように伸びて広がります。多肉質の葉は厚く、触ると簡単に取れてしまいます。 春頃に花茎を伸ばし、星形の花を咲かせます。 関東地方南部の海沿いの地域ではよく越冬し、民家の石垣沿いなどに群生していることがあります。 グラパラの栄養 栄養価が高く、ビタミンやアミノ酸が豊富に含まれています。 野菜なのにカルシウムを補給できるのも大きな特徴です。グラパラリーフ4枚で牛乳100mlと同じくらいカルシウムが含まれており、牛乳より圧倒的に低カロリーでカルシウムを摂取できます。他にカルシウムの効果を高めるマグネシウムなどのミネラルがバランスよく豊富に含まれています。 さまざまな健康によい効果が期待できますが、二日酔いや疲労に対する回復効果なども報告されています。 グラパラの食べ方・利用法 写真/小川恭弘 野菜やフルーツなどとミキサーにかけて、スムージーやミックスジュースにするのがおすすめです。爽やかでフルーティーな味なので、いろいろな野菜などと相性がよいです。上写真は、白ブドウのジュースとグラパラをミキサーにかけたさっぱり味のジュースです。 また葉をみじん切りにして、アロエのようにヨーグルトに混ぜて食べるのもよいでしょう。 サラダにもよいですが、青臭く感じる場合は小さく切るとよいでしょう。チーズと相性が意外とよく、ピザにのせるとシャキシャキした食感が楽しめます。短時間の加熱調理で緑色が映え、天ぷらなどにもできます。あまりくせのない味なので、工夫次第でいろいろな料理に使うことができます。 グラパラの栽培12カ月カレンダー 植え替え適期:4~6月肥料:4~6月、9月中旬~10月 グラパラの栽培環境 nega/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日なたから半日陰の水はけのよい場所が適します。明るい日陰でも育ちますが、茎が間延びして葉も小さくなります。長期間日陰で育てると、弱って枯れてしまうことも多いです。 春から秋は屋外の日当たりのよい場所で育てるのがおすすめです。水はけよく植えれば、雨が当たる場所でも大丈夫です。ただし夏の暑さが厳しい場合は、雨の当たらない半日陰で育てたほうがよく育ちます。 生育温度 15~30℃が生育温度の目安です。乾燥気味に管理すれば、暑さで弱ることも少ないです。 冬越し 乾燥状態ではマイナス5℃くらいの低温に耐えます。関東地方南部や都心部などでは、ロックガーデンや石垣などで地植えすることができます。 屋外で育てていた株は、霜が降りる前に室内に移動してください。室内では窓際などの日当たりのよい場所に置いて育てます。水の与えすぎに注意すれば、冬越しは簡単です。 グラパラの育て方・日常の手入れ 写真/小川恭弘 水やり 多肉植物なので乾燥に強く、過湿は避けます。鉢土の表面が乾いたら水やりします。 冬は乾かし気味に管理します。 肥料 春の4~6月と秋の9月中旬~10月に、3要素が等量の緩効性化成肥料などを規定量の半分程度与えてください。夏に涼しい場所でよく生育している場合は、規定量より半分程度薄めの液体肥料を10日おきに与えてください。 成長が停止する冬は、肥料を与えません。ただし室内の暖房のある暖かい窓辺で育てると、生育していることもあります。夏と同様に、規定量より半分程度薄めの液体肥料を10日おきに与えてください。 病害虫 害虫類などによって被害を受けることはほとんどありませんが、カイガラムシが発生することがあります。見つけ次第ブラシなどでこすり落としてください。また花茎にアブラムシが発生することもあります。薬剤散布で防除もできますが、花茎を切ればよいでしょう。 グラパラの植え替え NatVV/Shutterstock.com 1~2年に1回、4~5月に植え替えします。植え替えすることで生育が早くなり、質のよいグラパラリーフを収穫できます。古い土を半分程度落とし、新しい用土で植えます。 用土 多肉植物用の培養土など、水はけのよい用土が適します。または赤玉土小粒5:腐葉土3:軽石2などを配合した用土を使います。5~号以上の鉢植えやプランターに植える場合は、赤玉土の中粒を使ってください。 室内や温室などの雨の当たらない場所では、通常の培養土でも問題なく育ちます。ただし過湿には十分注意してください。 鉢植え 過湿を嫌うので、大きすぎる鉢の使用は避けます。底の深いタイプの鉢を使う場合は、鉢底石を多めに入れて排水よく育ててください。 グラパラの作業 Tarda Santo/Shutterstock.com 増やし方 葉挿しで簡単に増えます。葉を日陰に置いておけば芽が出てきます。また土の上に葉を置くだけで発根して小株ができます。濡らしたキッチンペーパーなどでもよいので、発根する様子を見ても楽しいでしょう。 他に挿し芽や株分けでも容易に増やすことができます。 収穫 株の大きさが直径10cm以上に育ち、1枚の葉の長さが6cmくらいになったら収穫できます。下の葉から収穫しますが、赤紫がかった葉のほうがおいしいです。葉がほとんど無くなるほど収穫すると、長期間収穫できなくなるので注意してください。 グラパラの栽培ポイント simona pavan/Shutterstock.com 日当たりから半日陰に置く 成長期は主に春と秋 多肉植物なので、過湿に注意 暑さが厳しい時は涼しい場所に 暖地では屋外栽培も可能 見た目も可愛い多肉植物のグラパラ。栄養豊富で野菜なのにカルシウムが摂取できるのは魅力的です。多肉植物の中でも丈夫で育てやすく、気軽に栽培に挑戦できます。葉挿しで簡単に増えるので、芽が出る様子を見守るのも楽しいでしょう。グラパラリーフを収穫したい場合は、苗を複数入手してプランターで栽培するのもおすすめです。
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樹木

夏の大輪花から、冬の枯れ芙蓉まで。庭で四季の移ろいを感じる「フヨウ」の育て方
フヨウの基本情報 zzz555zzz/Shutterstock.com 植物名:フヨウ学名:Hibiscus mutabilis英名:Confederate rose、Dixie rosemallow、Cotton rosemallow和名:フヨウ(芙蓉)科名:アオイ科属名:フヨウ属(ヒビスクス、ハイビスカス属)原産地:中国形態:落葉低木 夏を彩る美しく大きな花が咲く、落葉性の低木です。寒さには弱く、関東地方以南の地域で地植えすることができます。温暖な四国や九州、沖縄では自生しますが、以前栽培した株が野生化したものとされます。 ハイビスカスなどと同じ仲間で、花は似ています。アメリカフヨウと交配が可能で、アカバナフヨウなどの交配種があります。 古くから栽培され、寺院などで植えられて名所になっていることがあります。芙蓉布は木の皮の繊維から作られ、衣類などに利用されてきました。 流通する品種は多くありませんが、ピンクや白の花色があり、スイフヨウやシチメンフヨウなど八重咲きの花などもあります。 フヨウの特徴・性質 Imagepocket/Shutterstock.com 園芸分類:花木、庭木樹高:1.5~5m開花期:7月~10月耐寒性:やや弱い耐暑性:強い 生育が早く、暖地では4m以上の高さになります。沖縄などでは冬も常緑です。よく枝分かれして横方向にも広がり、植える場所は広いスペースが必要です。 関東地方などでは、冬は寒さで地上部の枝や葉が枯れる場合が多いです。地下部が生きていれば春に新枝が伸び、2m近くの高さに生育して花を咲かせます。霜がほとんど降りない地域では枝が生き残りますが、葉は落葉します。 掌状の大きな葉は10~15cmほどで、密に毛があります。花は直径15㎝ほどの大輪で、朝に咲いた花は夕方にしぼむ一日花です。花の中央部の雌しべの先は、上向きに曲がります。 成長が早く大きく育つため、鉢植えでの栽培には向きません。大きな鉢に植えれば花は咲きますが、多くの花は望めないでしょう。 枯れ芙蓉 JIANG TIANMU/Shutterstock.com 花後に実がたくさんができ、強い寒さに当たると地上部は枯れて葉は落葉します。実や枝葉が枯れた姿は「枯れ芙蓉」と呼ばれ、冬の庭の趣のひとつとして親しまれています。 フヨウの仲間 スイフヨウ Hibiscus mutabilis f. versiclor Speloritano/Shutterstock.com 花は八重咲きで、花色が変化するフヨウの変種です。咲き始めは白色で、だんだんとピンクから濃いピンクへと変化します。花色が変化する様子を「酒に酔う顔色」に例えたことが、名前の由来です。 フヨウの栽培12カ月カレンダー 植え付け適期:3~5月肥料:1~2月、6~9月 フヨウの栽培環境 topimages/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日当たりがよく、有機質の多い肥沃で水はけのよい場所が適します。寒さには弱いので、冬の冷たい北風が当たる場所に植えるのは避けてください。 生育温度 15~30℃が生育に適した温度の目安です。夏は暑さで弱ることはほとんどありませんが、乾燥に注意してください。 冬越し 最低温度の目安はマイナス5℃です。スイフヨウは寒さにさらに弱いので注意してください。霜が降りる地域では北風を防ぎ、防寒対策をよく行うことで越冬できます。 フヨウの育て方・日常の手入れ simona pavan/Shutterstock.com 水やり 根付けば、水やりはほとんど必要ありません。ただし夏に雨が降らず、土壌が極端に乾いた場合は水やりしてください。 鉢植えで育てている場合は、鉢土が乾いたら水やりします。夏に乾燥が激しい場合は、毎日水やりしてください。 肥料 冬に枝が枯れない温暖な地域では、落葉期の1~2月に堆肥と油かすなどの肥料を株の周囲に施します。 生育中に肥料切れで花付きが悪くなることがあるので、6~7月と9月に3要素が等量の化成肥料や骨粉入り油かすなどを追肥します。肥料切れで葉が黄色くなってきている場合は肥料を規定量与え、問題なく生育している場合は規定量の1/3程度与えればよいでしょう。 鉢植えで育てている場合は、5~10月に3要素が等量の緩効性化成肥料などを規定量施してください。 病害虫 葉を食害するハマキムシやイモムシ類が発生します。薬剤が効きにくいので、ハマキムシは葉ごと切って取り除くか、補殺するなどして退治してください。 アブラムシが枝先の柔らかい部分などに発生することがあります。見つけ次第、薬剤で防除してください。 フヨウの剪定・防寒対策 ioanna_alexa/Shutterstock.com 冬の落葉期に行います。暖地では背が高くなるので、毎年強めに切って全体をコンパクトに整えるとよいでしょう。花は新しく伸びた枝先に咲くので、剪定の失敗で花が咲かなくなることは、ほぼありません。 充実した枝に花が咲きやすいので、細い枝は基部から取り除きます。枝が重なるなどして混みあった部分は間引いて、株全体に日光が当たるようにしてください。太い枝も強めに切り戻すと、樹高を抑えることができます。 寒さで地上部の枝がほぼ枯れる地域では、幹を株元から15~20cmくらいの位置で切り戻します。防寒対策として厚めにワラなどを株の周囲に敷き詰め、土壌の凍結を防ぐとよいでしょう。 フヨウの手入れ作業 tamu1500/Shutterstock.com 花がら摘み 開花後にタネをつけやすいです。咲き終わった花を摘み取るとタネに栄養をとられず、花が長期間咲きやすくなります。 植え付け・植え替え 3~5月が植え付けの適期です。根鉢より1~2回り大きな植え穴を掘り、掘り上げた植え土に腐葉土などの有機物と油かすなどの肥料を混ぜます。深植えを避けてやや高めに植え付け、大きな苗木は支柱を立ててください。 鉢植えの植え替えも同時期に行います。鉢土を1/3程度落とし、新しい用土で植えます。 用土・土壌 弱酸性の肥沃で排水のよい土壌を好みます。排水がよければ、植え付ける場所の土質はあまり選ばず育ちます。 鉢植えに使う用土は、赤玉土小粒7:腐葉土を混ぜた一般的な用土でよいでしょう。 増やし方 4~6月に、さし木で簡単に増やすことができます。 枝を15cmほど切り、先端部の葉を2~3枚残して挿し穂とします。また秋に20cmほど切った枝を土に埋めておき、春になったら切り口を切り戻して、挿し穂とすることができます。 赤玉土などの清潔な用土に挿し、明るい日陰で乾かさないように管理すれば、1カ月ほどで発根します。 フヨウの栽培ポイント Cyrille Redor/Shutterstock.com 関東地方以南で地植えできる 葉を食害する害虫がよく発生する 肥料を与えると花付きがよい 日本にも自生する植物なので、育てるのは簡単です。1株で横に大きく広がるので、夏に大きく美しい花をたくさん咲かせます。冬の枯れ芙蓉も、日本ならではの季節の移ろいや風情を感じさせてくれるでしょう。古くから親しまれてきたフヨウを、庭に迎えてはいかがでしょうか。
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一・二年草

ほぼ放任で美しく育つ! 夏の庭を彩る「ハゲイトウ」の失敗しない育て方
ハゲイトウの基本情報 MR. AEKALAK CHIAMCHAROEN/Shutterstock.com 植物名:ハゲイトウ学名:Amaranthus tricolor英名: Joseph's coat, Tricolor amaranth和名:ハゲイトウ(葉鶏頭)別名:ガンライコウ(雁来紅)科名:ヒユ科属名:ヒユ属原産地:アジアの熱帯地域形態:一年草 ハゲイトウは春まきの一年草で、インドからフィリピンなどの熱帯アジアの広い地域が原産です。生育が早く大きく育ち、人目を引く派手な色彩の葉が魅力です。同じヒユ科のケイトウが花を観賞目的に栽培されるのに対し、こちらは美しい葉を観賞するために栽培されることからハゲイトウ(葉鶏頭)の和名があります。ただしケイトウとは同じ属には分類されず、仲間ではありません。 ハゲイトウの鮮やかな葉は、明るくトロピカルな景観の演出に最適です。花壇などに地植えするほか、鉢植えやプランターでもよく育ちます。日当たりと水はけのよい場所なら放任気味でも育つので、初心者にもおすすめです。 ハゲイトウには亜種のヒユナがあり、暑さに強い葉物野菜として熱帯地域で広く利用されています。また同じ属の仲間にはヒモ状の花がユニークで美しいヒモゲイトウ(アマランサス)があり、種子が雑穀として利用され、栄養豊富なスーパーフードとして人気があります。 ハゲイトウの特徴・性質 SUPEE PURATO/Shutterstock.com 園芸分類:草花観賞期:7~10月(葉)草丈:60~120cm耐暑性:強い耐寒性:弱い 茎は直立して伸び、株元は太くなります。肥沃な土壌では人の背丈くらいまで大きくなることがあります。砂や石の多い乾燥気味の痩せた土壌などでは、株が大きく育たたない状態で葉が色づきます。 葉が赤色の品種は小苗のうちから葉が赤紫色です。葉は最初は緑色でも、夏が近づくにつれて赤やオレンジ、黄色などに鮮やかに色づきます。 花は葉の付け根にかたまって咲き、葉の中に隠れて目立たず、ほとんど観賞価値はありません。 暑さや乾燥に強く、夏のガーデニングで重宝します。 ハゲイトウの品種・近縁の種類 ‘トリカラー・パーフェクタ’ Amaranthus tricolor ‘Tricolor Perfecta’ Wirestock Creators/Shutterstock.com 本来の葉色の緑に、黄色と赤が混じり、3色の対比が美しい品種です。 ‘アーリー・スプレンダー’ Amaranthus tricolor ‘Early Splendor’ glory_yabe/Shutterstock.com 葉が早く色づく早生種で、鮮やかな赤色が人目を引きます。 ‘イエロー・スプレンダー’ Amaranthus tricolor ‘Yellow Splendor’ feawt/Shutterstock.com 細長い葉は黄色く色づき、明るい印象の美しさが特徴です。 ‘イルミネーション’ Amaranthus tricolor ‘Illumination’ Nuk2013/Shutterstock.com 明るい赤紫色に頂点付近が黄色がかり、美しいグラデーションが魅力の品種です。 ヒユナ Amaranthus tricolor spp.mangostanus YueStock/Shutterstock.com ヒユナはハゲイトウの亜種で、夏に収穫できる貴重な葉物野菜です。葉色はさまざまで、熱帯地域でよく栽培されています。 ヒモゲイトウ(アマランサス) Amaranthus caudatus Golden Shark 2/Shutterstock.com エクアドルやアルゼンチン、ペルー、ボリビアの亜熱帯地域が原産の一年草です。栄養価の高い種子が穀物として食用に利用され、アマランサスの名で流通します。ヒモ状の花穂が特徴で、観賞目的にも栽培されます。 ハゲイトウの栽培12カ月カレンダー 種まき:4月中旬~6月植え付け:5~6月肥料:6~8月 ハゲイトウの栽培環境 bobbyphotos/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日なたの風通しのよい場所が適します。よく日光に当たることで葉色が鮮やかになりますが、夏の暑さが厳しい地域は西日の当たらない半日陰に植えたほうがよいでしょう。乾燥しやすい鉢植えやプランターは、猛暑時は半日陰に移動しましょう。 土壌 乾燥には比較的耐えますが、過湿にすると根腐れします。あまり用土は選ばず育ちますが、水はけのよい場所に植えるようにしてください。 生育温度 生育に適した温度の目安は、20~30℃です。夏を中心に気温の高い時期によく成長します。 ハゲイトウの種まき・植え付け Mahmudul-Hassan/Shutterstock.com 栽培を始めるには? ハゲイトウの苗が販売されていることはほとんどないので、種まきから育てるのが一般的です。種まきでも成功しやすく、根が直根性で移植を嫌うので、植える場所に直播きするとよいでしょう。苗を多く作って植える場合は、根を傷つけると生育が衰えやすいので早めに植え付けるようにしてください。 ハゲイトウを育てる場所にあらかじめ腐葉土や堆肥をすき込んで準備しておくと、よく生育します。 種まき 発芽適温が20~25℃と高いので、5月から種まきします。温度が低い場合は播種箱などに播いて室内で管理するとよいでしょう。 5mmくらい覆土し、発芽まで用土を乾かさないように水やりしてください。本葉が3~枚になったら、根を傷めないようにやさしく鉢上げします。 苗の植え付け 育成した苗を植え付ける際は深植えを避け、やや浅めに植えるとよいでしょう。大きく育つので、株間は30cmくらいあけてください。 鉢植えやプランターの用土 水はけのよい用土が適します。多くの植物に使える一般的な培養土か、赤玉土小粒7:腐葉土を混ぜた用土などを使います。 ハゲイトウの育て方・日常の手入れ bobbyphotos/Shutterstock.com 水やり 地植えの場合は、ほとんど水やりの必要はありません。ただし夏に長期間雨が降らず、土壌がひどく乾燥していたら水やりしてください。 鉢植えやプランターで育てている場合は、用土の表面が乾いたらたっぷり水やりします。夏に株が大きく育ってくると、水切れしやすいので注意してください。水やりが不十分だと、下葉が枯れ上がってきます。 肥料 油かすなどの窒素分が多い肥料を与えると葉色が鮮明にならず、軟弱に育って強風などで倒れやすくなります。 腐葉土や堆肥などを混ぜて土づくりした土壌なら、元肥を施せば追肥はしなくてよいでしょう。 鉢植えやプランターで育てている場合は、6~8月に3要素が等量くらい含まれた緩効性化成肥料などを規定量の半分程度与えてください。 病害虫 目立った病害虫の被害は少ないです。小苗のうちは、ナメクジやイモムシ類の食害に注意してください。また軟弱に育つとアブラムシが発生することがあります。 間引き 花壇などに直まきした場合は、株間が20~30cmくらいになるように間引きしてください。あまり間引きせず密植気味にすると、株が小さくなって全体的にコンパクトな草姿になります。 支柱立て 背が高くなってくると強風で倒れることがあります。支柱を立てて支えてください。 ハゲイトウの栽培ポイント nnattalli/Shutterstock.com 日当たりと風通しのよい場所で育てる 過湿にすると根腐れする 特に窒素分など、肥料の与えすぎに注意 直まきで育ちやすく、移植を嫌う 花壇では色彩豊かな葉がよく目立ち、草丈も高いので植栽のよいアクセントになります。いろいろな品種を混合して多くの株を群生させると非常に見応えがあります。初心者でも種子から育てやすく、手間がかかりません。ハゲイトウを育てれば、夏から秋にワンランク上の見応えのあるガーデニングを楽しめることでしょう。
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果樹

【プロが解説】関東でも1年で実がなる!? 美容効果抜群の「青パパイヤ」を庭やベランダで失敗なく育てる方法
パパイヤの基本情報 Topnmp/Shutterstock.com 植物名:パパイヤ学名:Carica papaya英名:Papaya和名:チチウリ(乳瓜)、モッカ/モクカ(木瓜)別名:パパイア科名:パパイヤ科属名:パパイヤ属原産地:熱帯アメリカ形態:常緑低木 樹高10mにも生育する常緑の低木で、世界の熱帯地域で広く栽培されているフルーツです。生育適温は高く、25~30℃で最もよく成長します。茎は柔らかいので風で倒れやすく、特に台風の強風では容易に折れます。そのため、台風の多い日本では矮性の品種が主に栽培されています。矮性品種なら1mほどの高さから開花結実するので、家庭で育てても開花結実します。ただし寒さには強くないので、冬は室内で鉢植えとして冬越しさせます。 結実させるのは比較的簡単ですが、甘い完熟果実を収穫するには23℃以上の温度が必要とされます。開花から収穫まで夏で4カ月ほどかかるので、秋に完熟して収穫できる果実は糖度が高くなります。 近年は未熟の青い果実が、健康野菜として知られるようになってきました。美容効果が高くダイエットにも効果があるとされているので、女性からの注目度が高いです。 成長が早いので、関東地方で春に小さな苗を植えても冬前に未熟の大きな果実が収穫でき、一年草のように育てることも可能です。北は東北地方までの国内各地で野菜としてのパパイヤの栽培が報道されてから、徐々に栽培が増えています。 パパイヤの利用方法 sunabesyou/Shutterstock.com 栄養成分、効能 未熟な青い果実に多く含まれる消化酵素のパパインは、タンパク質や糖質、脂肪を分解する働きがあります。肉を柔らかくする効果があり、体内の消化を助け脂肪燃焼を促進するので、ダイエット効果が期待できます。酵素洗顔料としても人気があり、余分な角質を効果的に取り肌のバランスを整えます。 また果実にはポリフェノールやビタミン類、特にビタミンCが多く含まれます。またカロテン、リコピンなども豊富で、シミを予防し肌のアンチエイジングに役立ちます。その他、胃腸のトラブルを改善して免疫力を向上させ、生活習慣病の対策にも効果が期待されます。 青パパイヤの料理 Thanai Sriphaisal/Shutterstock.com 味や香りにくせはありません。熟して黄色くなってきた果実は、特有のくせが強くなるので注意してください。 ピーラーなどで皮をむき、スプーンで種子とワタを取り除きます。スライサーなどで千切り、薄切りにしてから、10~15分水にさらします。水気を切って下ごしらえしたら、サラダに使えます。肉野菜炒めに入れると、沖縄風のチャンプルーになります。 パパイヤの特徴・性質 園芸分類:果樹樹高:1.5~3m開花期:5~10月耐寒性:弱い耐暑性:普通 パパイヤの栽培12カ月カレンダー 植え付け適期:4月下旬~5月肥料:5~10月(鉢植え)、6~10月(地植え)挿し木:6~8月 パパイヤの栽培環境 適した環境・置き場所 1日中日光が当たる日なたが適し、排水の悪い土壌を嫌います。また強風が当たりにくい場所を選ぶことも大切です。強い風が当たると、幹が折れたり葉が破損するなど深刻な被害になりやすいです。ビニールハウスの中などで栽培するのが望ましいです。ただし夏のハウス内は暑すぎて生育が弱る場合があるので、注意してください。 冬越し 戸外では越冬しないので、室内の暖房が入る温かい場所で冬越しさせます。少量の水やりで育てますが、切り戻した株は特に乾燥に管理してください。 パパイヤの植え付け 苗の入手 tirtaperwitasari/Shutterstock.com 矮性品種のポット苗が、春に販売されます。大型のグリーンショップやホームセンターなどで販売されることが多くなってきました。沖縄のホームセンターでは普通に売られています。入手できない場合はネット通販を利用するとよいでしょう。 鉢植え aimpol buranet/Shutterstock.com 台風が来た場合や冬越しなどで移動できるので、年間を通して比較的失敗なく育てられます。 5月から10月は日当たりのよい戸外で栽培し、冬は室内の日当たりのよい場所に置いてください。 ポット苗を購入したら5~6号鉢に植え替え、最終的に10号以上の鉢に植え替えてください。ただし10号鉢でも実をならすには小さめで、よく収穫するためには13~14号鉢を使うのが望ましいです。 また実が付いている場合は安定が悪く倒れやすいので、しっかりした支柱や壁などに固定するようにしてください。 地植え ChaiyonS021/Shutterstock.com 一年草として扱うなら、春に高さ15~30cmくらいの苗を植え、秋に未熟の青い果実を多く収穫できます。果実が完熟する前に冬を迎え、株は枯れます。 植え付け前の準備として2~3週間前に直径、深さともに30~50cmほどの穴を掘り、腐葉土や堆肥などの有機物と草花用の化成肥料を混ぜて埋め戻します。特に粘土質の土壌は深く掘るようにしてください。 4月下旬から5月に苗を植え、株間は2~2.5mあけるようにします。5月中は苗キャップなどを用いて、保温するとよいでしょう。 用土 肥沃で排水のよい用土が適します。赤玉土小粒に腐葉土を3割程度混ぜた用土などが適しています。また大鉢に植えるときには、排水のよい赤玉土の中粒を使うとよいでしょう。 パパイヤの日常の手入れ Uud N. Hudana/Shutterstock.com 水やり 果実が肥大するには水分を多く必要としますが、水分過剰になると根が傷みやすいので注意してください。 鉢植えは、表土が乾いてから水やりします。株が小さく5~6月の生育適温より温度が低い時期は、過湿で特に立ち枯れしやすいので注意してください。 肥料 窒素とカリ肥料の要求量が高く、果実を多く収穫するには十分な肥料が必要です。カリ肥料の補給方法として、草木灰やくん炭を与えてもよいでしょう。 鉢植えでは、5月から10月まで肥料を切らさないように与えてください。花を咲かせてから果実が肥大する時期は、置き肥の他に液体肥料を1週間に1回併用して与えるとよいでしょう。 地植えは生育が盛んになる6月から肥料を与え、10月まで肥料を与えます。 病害虫 水はけが悪いと、立ち枯れ病または疫病による立ち枯れが発生します。 果実の種まき bteeranan/Shutterstock.com 購入した果実の種を播いても発芽します。ただし家庭では持て余すほど背が高くまで成長しないと、実がつかない可能性が高いです。観葉植物として楽しむだけなら問題ないでしょう。 挿し木 脇芽などが伸びた場合、さし木で増やすことができます。適期は6~8月で、枝を20~30㎝ほど切り、上部の葉を2~3枚残してさし穂とします。鹿沼土などの清潔な土にさし、湿度が高めの明るい日陰で管理すると1カ月ほどで発根します。 鉢植えの剪定、切り戻し herry prasetyo utama/Shutterstock.com 幹の葉の付け根からでる腋芽を伸ばすと株姿が乱れます。早めに切ってください。 背が高くなりすぎた場合、秋に切り戻すことで数年間繰り返し栽培できます。地際から50㎝の高さで切り戻し、新芽が出るまで水を与えないでください。春になると生育をはじめ、ポット苗を春に購入して育てるより早く実を付けます。 パパイヤを楽しく育ててヘルシー果実を味わおう phortun/Shutterstock.com 風の当たりにくい場所に地植えができれば、意外と手間をかけずに自宅で青パパイヤを多く収穫できます。鉢植えも植え替えを適切に行えば、青パパイヤを収穫するのは難しくありません。観葉植物としてもトロピカルムードがいっぱいの株姿です。実がなると多くの人の目を引き、自慢の鉢植えになります。見た目も楽しいパパイヤを育てて、効能いっぱいの果実を味わってください。
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樹木

猛暑でも休まず咲き続ける! 病害虫にも強くて初心者向けの「ランタナ」失敗しない育て方
ランタナの基本情報 Nopparat Khokthong/Shutterstock.com 植物名:ランタナ学名:Lantana camara英名:Lantana和名:七変化(しちへんげ)別名:ランタナ・カマラ科名:クマツヅラ科属名:シチヘンゲ属(ランタナ属)原産地:メキシコ、熱帯アメリカ形態:常緑性低木 ランタナは、クマツヅラ科シチヘンゲ属(ランタナ属)、立ち性~半つる性の常緑性低木。原産地はメキシコから熱帯アメリカにかけての地域で、近縁の種との交配種も含めてランタナといわれます。 日本における歴史としては、江戸時代末期に園芸植物として渡来したことが始まりです。繁殖形態は虫媒花であり、核果(種子)は風雨や鳥などの動物によって遠方に運ばれます。 Ibenk_88/Shutterstock.com ランタナの仲間は世界の熱帯から亜熱帯地域に約110種が広く分布します。多くの種類は、アメリカの熱帯から亜熱帯地域が原産地です。花の美しい種類もありますが、日本で一般に流通するのは匍匐性で花や葉が小さいコバノランタナだけです。 熱帯地域原産の植物の中でも、夏の暑さに特に強いのが特徴。真夏でも次から次へと開花し、庭を明るく彩る樹木です。一方で、冬の寒さには強くなく、マイナス3~マイナス5℃以下になる地域では、地植えでの越冬は厳しくなります。寒冷地では鉢栽培にして楽しむのがおすすめ。春先に地植えして開花を楽しみ、晩秋に鉢に植え替えて凍結しない暖かい場所に移動するという具合に、地植えと鉢上げを繰り返して一年を過ごしてもよいでしょう。 ランタナの花や葉の特徴・開花時期 園芸分類:庭木開花時期:5〜10月樹高:30〜200cm耐寒性:やや弱い耐暑性:強い花色:オレンジ、黄色、赤、ピンク、白、複色 ランタナの開花時期は、5〜10月です。真夏に中休みをすることなく、絶え間なく咲き続けてくれます。花色は、オレンジ、黄色、赤、ピンク(赤紫)、白など大変多彩で、複色のものが多いです。品種によっては、花が咲き進むにしたがって黄色からオレンジに変わるもの、クリーム色からピンクに変化するものなどがあります。また、花が咲かない時期も庭を彩ってくれる、斑入り葉をもつ品種もあります。 ランタナの花は一つひとつは小さいのですが、花茎を伸ばした先に集まって、直径2〜3cmの球状になります。次から次へとつぼみを上げてくる多花性で、夏の季節にはたっぷりと咲く姿がガーデンの主役となるでしょう。 ランタナの樹高は30〜200cm。樹高の幅が広い理由は、人の背丈くらいまで高くなる立ち性タイプ、枝が地を這うようによく伸びる匍匐性タイプ、低い位置で比較的まとまって鉢栽培にも向くコンパクトタイプがあるからです。 ランタナの種類や品種によって樹形が異なるので、花壇の後方または前方に使いたいのか、鉢栽培にしたいのかなど、ガーデニングの用途やデザインによって選ぶとよいでしょう。 ランタナの名前の由来や花言葉 Stanley Ford/Shutterstock.com ランタナの名前の由来は、ラテン語で「曲げる」という意味の「lentare」から来ているという説が有力とされていますが、実際は定かではありません。しなるように生育する樹形に由来しているのかもしれませんね。日本では、「七変化」という別名があります。これはランタナ(カマラ種)の花が咲き進むにしたがって、色が変化するさまから名づけられたとされています。 ランタナの花言葉は、「厳格」「確かな計画」「協力」「合意」など。「厳格」「確かな計画」は、半年以上の長い期間にわたって絶え間なく咲き続けるため、堅実さをイメージさせることから。また、「協力」「合意」は、小さい花が集まって、より大きな花として魅せる咲き姿が由来しているようです。 ランタナの種類・品種 JAKKRIT SAELAO/Shutterstock.com ランタナの仲間は約110種あるとされていますが、ガーデニングで主に栽培されているのは、ランタナ・カマラとコバノランタナで、これらを交雑させた園芸品種なども多く出回っています。 ランタナ・カマラ Lantana camara ランタナ・カマラは樹高約2mの低木で、花色が変化していく特性があります。熱帯では、他の樹木などにもたれかかるように生育すると、6mまでの高さになることがあります。野生種に近い種類はトゲが目立ち、群落を形成すると人が容易に入れなくなります。 コバノランタナ Lantana montevidensis Quang nguyen vinh/Shutterstock.com ボリビア、ブラジルからアルゼンチンが原産のコバノランタナは、花や葉がランタナ・カマラより小さく、枝をつるのように伸ばして這うように伸びます。タネはほとんどできません。平坦な場所では地面を低く覆うように生育しますが、枝が壁や樹木などによりかかって上方向に伸びることもあります。花色は紫色と白色があり、カマラのようには変化しません。 ‘コンフェッティ’ Lantana camara ‘Confetti’ ayakka3/Shutterstock.com ピンクとイエローの2色咲きが華やかな、ランタナの園芸品種。立ち性で生育旺盛です。 ‘バリエガタ’ Lantana camara ‘Variegata’(=L. camara ‘Samantha’ ) Gurcharan Singh/Shutterstock.com 葉に明るい黄緑色の斑が入ったカラーリーフが楽しめる、ランタナの園芸品種。樹形はドーム状で低くまとまりやすいです。黄色の花が咲き、タネはほとんどできません。 「スーパーランタナ」シリーズ Manfred Ruckszio/Shutterstock.com 1株でこんもりと丸くまとまる樹形で多花性の「スーパーランタナ」シリーズ。‘トロピカルサンセット’や‘ムーンホワイト’、‘レインボーオレンジ’、‘サニーイエロー’など、さまざまな色の品種があります。 ‘トロピカルサンセット’はオレンジやピンク、黄色の小花が1つの房に集まっている、常夏の南国を思わせる華やかな品種です。1つのポットで50~60cmほどに育ちます。 ほのかに甘い爽やかな香りが楽しめる白い花弁のスーパーランタナ‘ムーンホワイト’は、2018年のフラワー・オブ・ザ・イヤー最優秀賞に選ばれています。連続開花性に優れますがタネがほとんどできないため、花がら摘みの必要はないでしょう。 ‘レインボーオレンジ’は赤色がかった鮮やかなオレンジが特徴。暑さに強く、花つきがよいため、夏の庭にぴったりの品種です。 明るい黄色の花が目を引く‘サニーイエロー’は、丸くまとまった花房が特徴の品種です。ほかの品種と同じく開花期が長いため、長い期間花を楽しめます。 「ブルーミファイ」シリーズ nnattalli/Shutterstock.com 世界初のタネができない品種です。タネに栄養が取られないので、特に夏の連続開花性に優れます。樹形はドーム状で、コンパクトにまとまります。 代表的な種類は‘ブルーミファイ・レッド’や‘ブルーミファイ・ローズ’、‘ブルーミファイ・ピンク’、‘ブルーミファイ・マンゴー’など。それぞれ咲き始めから満開にかけて花色が変化するのが特徴です。 ‘ブルーミファイ・レッド’は黄色から赤みがかったオレンジへ、‘ブルーミファイ・ローズ’は黄色からサーモンピンク、その後は赤味の強いピンクへと変化します。‘ブルーミファイ・ピンク’は黄色からピンクへ、‘ブルーミファイ・マンゴー’は黄色から明るいオレンジに変わります。 ランタナに似た花 ヒメイワダレソウ Doikanoy/Shutterstock.com ヒメイワダレソウ(リッピア)は、クマツヅラ科イワダレソウ属の外来種で、グラウンドカバープランツとして植栽されることもある多年草。日本では「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されているため、栽培の際には適切な管理が必要です。匍匐性の品種やコバノランタナに似ていますが、花が非常に小さく葉もやや小さいです。 クラピア photo/3and garden 沖縄に自生するイワダレソウを品種改良した宿根草で、踏みつけにも耐える丈夫なグラウンドカバープランツとして人気です。ヒメイワダレソウは、タネが飛んで繁茂するのに対し、クラピアはタネをつくらないという特徴をもち、広がる範囲を人がコントロールすることができる環境に配慮した日本生まれの植物としても近年注目されています。よく似たヒメイワダレソウと同じく、花や葉が小さいです。 バーベナ Kabar/Shutterstock.com 種類や品種によって葉の形がかなり違いがありますが、宿根性のバーベナ、花手毬シリーズなどの品種がよく似ています。花手毬は、ランタナにないカラフルな単色の花色があり、茎が木質化せず葉や茎が濃い緑色で柔らかい印象です。 ランタナを植えてはいけないといわれる理由とは? La Su/Shutterstock.com ランタナは、じつのところ自生している熱帯地方では「植えてはいけない」といわれている植物なんです。こんなに可愛いのに、どうして!? 繁茂しすぎてしまう恐れがある 1つ目の理由は、ランタナが自生地では爆発的に繁殖し続けてしまうほど生命力が旺盛だということ。世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれており、日本においては、生態系に被害を及ぼす恐れがある外来生物として、環境省が作成する「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されており、小笠原や沖縄など、一部地域では野生化していると言われています。 日本でも年々温暖化が進んでいるため、自生地である熱帯地域で繁殖が問題になっているように、注意が必要になってくる可能性があります。 冬に霜が降りにくい関東南部の地域でも、こぼれ種で増えることが多くなっています。増えすぎないように花がら摘みをすると労力がかかり、繁茂しすぎないように剪定を繰り返すと開花数も減ってしまいます。近年はコンパクトで結実しない品種がよく流通するので、こうした品種を育てれば問題ないでしょう。 毒性がある 2つ目の理由は、ランタナのタネには「ランタナン」と呼ばれる毒が含まれていること。食べると、下痢や呼吸困難、最悪の場合は死に至る可能性もあります。幼い子どもがいる家庭では、口にすることのないよう注意しましょう。 トゲがあるので注意 「植えてはいけない」といわれるほどの理由ではないかもしれませんが、こぼれ種で増えたようなランタナには、茎や葉に細かなトゲがある場合があり、素手で触ると痛みを感じる恐れがあります。手入れをする際にはガーデニンググローブを着用するか、一般的に流通しているトゲのない品種を育てるとよいでしょう。 ランタナの栽培12カ月カレンダー 開花時期:5〜10月植え替え適期:5〜9月肥料:5〜10月植え付け時期:4〜10月(梅雨時期と真夏を除く) ランタナの栽培環境 pangcom/Shutterstock.com 日当たり・置き場所 【日当たり/屋外】水はけがよく日当たりのよい場所が最適ですが、半日陰の環境でも生育可能。ただし、日当たりがよいほうが花つきがよく、木も間延びせずにがっしりと締まって旺盛に枝葉を伸ばします。 【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。 【置き場所】ランタナはあまり寒さに強くないため、寒風を避けた霜が降りない場所で育てましょう。関東南部以北や寒冷地では鉢栽培にして楽しむのがおすすめ。冬も温暖な地域では、増え広がりすぎてしまうことがあります。タネがつかない品種を育てるようにしましょう。 耐寒性・耐暑性 夏の暑さに大変強いのが特徴。真夏でも次から次へと開花し、庭を明るく彩る樹木です。一方で、冬の強い寒さには耐えないので、マイナス5℃以下になる地域では、地植えでの越冬は厳しくなります。 ランタナの育て方のポイント 用土 DedovStock/Shutterstock.com 【地植え】 まず、一年を通して日当たり、風通しのよい場所を選びましょう。植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。 【鉢植え】 草花などに広く使える、一般的な培養土を利用すると手軽です。または、赤玉土小粒7:腐葉土3を混ぜた用土などを使います。 水やり cam3957/Shutterstock.com 【地植え】 植え付け後2~3週間は、表土が乾いたら水やりしてください。乾燥には比較的強いので、根付けばその後水やりしなくても育ちます。ただし真夏に晴天が続いて葉がしおれてきたら、水やりするとよいでしょう。 真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。 【鉢植え】 日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりが必要な場合があります。 真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり、株が弱ってしまうので、朝夕の涼しい時間帯に行うことが大切です。冬は生育が止まるので、控えめにして管理します。 肥料 Vaakim/Shutterstock.com 【地植え】 5月と9月の年に2回を目安に、緩効性化成肥料を株周りにまいて土に混ぜ込みます。 【鉢植え】 5〜10月に3要素が等量、またはリン酸が多めの緩効性化成肥料を規定量与えてください。 夏の開花期間中は、液肥に切り替えるのもおすすめです。暑さが厳しい時は化成肥料は濃度が濃くなりやすいので、液体肥料のほうが安全です。開花を促すリン酸を多めに配合した液体肥料を10日に1回を目安に与えると、次々に花を咲かせてくれます。ただし真夏は液体肥料の倍率を通常の半分程度に控えて与えてください。 注意する病害虫 病害虫の心配はほとんどなく、手がかかりません。 ランタナの詳しい育て方 苗の選び方 苗を購入するときは、ヒョロヒョロと徒長したものや病害虫の痕があるもの、葉が黄色くなっているものを避け、葉の色つやのよい苗を選びましょう。また、ポットを触ってみて、根でカチカチになっていないか(根詰まりしていないか)どうかも確認するとよいでしょう。 植え付け・植え替え J-Amethyst Photography/Shutterstock.com 【地植え】 土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。最後にたっぷりと水を与えます。 【鉢植え】 ポット鉢を入手した場合は5~6号鉢に植替え、最終的に8~10号鉢に植えます。用意した鉢の底穴が1つしかない場合は鉢底ネットを敷き、草花用の培養土を半分くらいまで入れます。 苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。 ランタナはよく育つ植物なので、根詰まりを防ぐために鉢植えの場合は毎年植え替えましょう。鉢から株を引き上げる際に根の状態をチェックして、必要に応じて根切りを行います。大きく育てたい場合は一回り大きな鉢に、成長を抑えたい場合は同じサイズの鉢に植え替えましょう。 花がら摘み Ketut Mahendri/Shutterstock.com 開花期間中、終わった花がらは、まめに摘み取りましょう。花びらは自然に落ちやすいのですが、タネをつけると株がエネルギーを消耗し、花数が少なくなるので、株の勢いを保って次々と咲かせるためにも一手間かけてください。終わりかけた花や、すでに花びらを散らして綿棒のような状態になったものを、花茎の根元から切り取りましょう。終わった花がらを放置せずに、まめに整理して株周りを清潔に保つことで、病気の発生を予防することにもつながります。 種まき Bakusova/Shutterstock.com 種まきで増やすことは可能ですが、雑草化するためおすすめしません。また、種子で増やした場合の株はトゲができて花付きが悪く、枝が伸びすぎて扱いにくくなる可能性が高いというデメリットがあります。 剪定・切り戻し RapunzielStock/Shutterstock.com ランタナの剪定適期は、生育期間中の4〜11月です。樹勢が強く旺盛に枝葉を伸ばすので、定期的に切り戻したり、透かしたりして、広がりすぎないように樹形をコントロールすることが大切です。 樹形が乱れてきたら、ドーム状になるように草丈の半分くらいまで切り戻しましょう。すると枝数が増えて再び盛り返し、花数も多くなります。樹形が乱れるごとに切り戻しを繰り返すとよいでしょう。開花が終わったら、再び切り戻して冬越しを。 夏越し 鉢植えの場合、真夏は水切れに注意し、晴れた日は毎日水やりしましょう。鉢底から水がよく流れ出るまで、たっぷり水を与えます。小株や根詰まり気味の株、枝葉がよく茂った株などは、朝夕2回の水やりが必要なことが多いです。 地植えの場合は基本的には自然にまかせて問題ありませんが、晴天が続いて乾燥しすぎる場合は、水やりをして補いましょう。 冬越し 冬は落葉し地上部の多くは枯れたような状態になるものの、関東以西では霜が降りない環境で冬越しできる場合があります。不織布などで寒風を避けるカバーをかけたり、落ち葉を被せるなどすると冬越しの成功率は上がります。 寒さの厳しい地域では、霜が降りる前の10月中に鉢上げし、室内で0℃以上を保てば越冬します。鉢上げする際は通常より小さめの鉢を使用し、腐葉土などの有機物を入れずに赤玉土小粒などで植えてください。 増やし方 挿し木(挿し芽)の適期は5〜9月。春に伸びた若くて勢いのある枝を選んで切り取ります。市販の園芸用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した枝葉を挿しておきます。直射日光の当たらない明るい場所で、水切れしないように管理を。発根したら黒ポットなどに植え替えて育成します。大きく育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、採取した株のクローンになることです。 種子で増やすのは、前述のようにおすすめしません。 ランタナ栽培でよくあるトラブルQ&A 花が咲かない 花が咲かない主な原因としては、日照不足や肥料の過不足、結実などが挙げられます。 ランタナは日当たりの良い環境を好むため、日照が不十分だと花つきが悪くなってしまいがちです。 また、ランタナはやせた土地でも育つ強い植物です。肥料を与えすぎると繁殖の必要性が下がり、花が咲かないことがあります。反対に、肥料が不足していても栄養不足で花つきが悪くなるので注意しましょう。 実をつけることでエネルギーが偏り、花を咲かせる力が無くなってしまうことも。花を十分に楽しみたいなら、花がら摘みを適宜行い結実を防ぎましょう。 しおれる 鉢に植えたランタナの花は、水切れによってしおれてしまうことがあります。開花期間中はより多くの水を必要とするので、特に注意が必要です。 基本的には、土の表面が乾いたら水やりのタイミング。花や葉の元気が無くなるのも水切れのサインなので、すぐに水をあげましょう。 なお、水やりを十分に行っていても花がしおれてしまう場合は、根詰まりの可能性があります。ランタナは成長が早く根詰まりを起こしやすいので、根の不調が疑われる場合は、植え替えを検討しても良いでしょう。 葉が黒く枯れる ランタナは寒い空気に触れると、葉が黒く変色して落ちることがあります。暖地以外では冬になると落葉しますが、冬越しが適切にできていれば翌春には新しい葉が芽吹くでしょう。 暑い時期に葉が黒く変色したり枯れたりするのは、日光による葉焼けや根詰まりなどの可能性があります。 また基本的には病害虫に強いものの、ハダニが原因で葉が弱ることもあります。気になったら、葉の裏をチェックしてみましょう。 冬に枯れる ランタナは暖地以外では、冬になると落葉して枯れ枝のようになります。しかし、本コラムで紹介した冬越しができていれば、翌年以降も葉や花を楽しめます。冬越しをする場合は、晩秋から準備をはじめておきましょう。 なお、ランタナは開花期が長く、1年かぎりの栽培でも花を十分に楽しめます。冬越しが難しい場合は、一年草として扱ってもよいでしょう。 初心者にも! 暑さに強いランタナは夏花壇にぴったり Kaprisova/Shutterstock.com ランタナは生育旺盛で、近年の厳しい夏の暑さにも耐えられる、夏花壇にぴったりの花です。長い開花期間のなかで変化する花色が面白く、見る人を楽しませてくれるでしょう。丈夫で育てやすく、病害虫にも強いので初心者にもおすすめです。 ランタナは鉢植え、花壇のどちらでもよく育ちます。華やかな見た目ですが、主張が強すぎないので、ほかの花とも組み合わせやすいでしょう。葉がよく茂るので、芝生の緑ともよくなじみます。また、匍匐性のある品種はグランドカバーとしても活用できます。 ランタナを植える際は、十分にスペースを取りましょう。分枝力が強く大きくなるペースが早いので、株が小さなうちからほかの植物としっかりと空けておくことが大切です。
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【夏の花】ハイビスカス、じつは猛暑が苦手? 元気に夏を越す正しい育て方
ハイビスカスの基本情報 写真/小川恭弘 植物名:ハイビスカス学名:Hibiscus英名:Tropical hibiscus , China-rose和名:ブッソウゲ(仏桑花)科名:アオイ科属名:フヨウ属(ヒビスクス、ハイビスカス属)原産地:ハワイ諸島、マスカリン諸島形態:常緑低木 ハイビスカスは、ハワイやマスカリン諸島などが原産の数種類を原種とした熱帯性低木の交配種群です。ムクゲやフヨウ、オオハマボウ、アメリカフヨウなど、同じフヨウ属のほとんどの種類とは交配できません。 花の寿命は短く、基本的には一日花です。大輪系の品種や鉢植え用品種には、適温下で2~4日花が長もちする品種がありますが、夏の暑い時期は花が傷みやすく、短命なことが多いです。 ハイビスカスは品種数が大変多く、園芸品種の数は1万種くらいあり、花色も豊富です。赤やピンクをはじめ、オレンジや黄、白、紫や茶、紫に近い青など、ほとんどの色が揃っているといえるでしょう。また豪華な八重咲きや2~3色が混ざった複雑な色合いなど、驚くほど多様な花があります。 一般に鉢花として流通する株は、矮化剤(わいかざい)が散布されていることが多いです。矮化剤により株姿がコンパクトになり、花も咲きやすくなります。 ハイビスカスの特徴・性質 lapsa03/Shutterstock.com 樹高:0.2~2m開花期:5~10月耐暑性:普通~弱い耐寒性:弱い 沖縄など、冬も温暖な地域では常緑ですが、寒さに当たると落葉します。10号くらいの鉢で育てると人の背丈くらいの大きさになりますが、沖縄などで地植えされた株は5mを超えることがあります。ただし種類や品種によっても異なり、あまり大きくならないものから、非常に樹高が高くなるものまでさまざまです。 生育は比較的早く、根詰まりすると生育が衰えて花が咲かなくなり、枯れやすくなります。 生育しながら枝先に花を咲かせるので、生育状態がよいときに花もよく咲きます。ハイビスカスの多くの品種は、春と秋に生育が最も盛んになります。冬や夏に生育が停止状態でも株を傷めなければ、次の季節に多くの花を咲かせます。周年開花性があり、冬でも日当たりのよい場所で温度が保たれていれば花が咲きます。沖縄の温室などでは冬にも花がよく咲きます。 ハイビスカスの品種の系統 Hibiscus ‘Stormy Days’ 写真/小川恭弘 ハイビスカスの品種は、在来系と大輪系、コーラル系の3つの系統に分けられます。ただしこれは特徴や性質をおおまかに分けたもので、中間的な品種も多くあります。 品種数が圧倒的に多いのが大輪系で花も多様ですが、性質が弱いです。また大株にならないと花が咲きにくい傾向があります。品種数が多い割には、一般に見られる機会が少ないです。 alifzahari/Shutterstock.com 在来系や鉢植え用の品種は大輪系より丈夫で、最もよく育てられます。鉢植え用の品種は大輪系との交配により花が大きく多様になってきています。 コーラル系は数が少ないですが、性質や耐暑性が強く、ハワイなどの熱帯地域の植栽によく使われます。 ハイビスカスは基本的には寒さに強くないので、冬は室内で越冬させます。在来系の丈夫な品種は、関東地方南部や都心部の環境のよい場所では庭木のように地植えして越冬することがあります。 ハイビスカスの種類・品種 ブッソウゲ(アカバナー) Hibiscus rosa-sinensis ハイビスカスの基本種とされ、ハイビスカスの初期の交配に多く使われました。ただし原種か、交配による品種かは分かっていません。小さめの赤い花がうつむき加減に咲きますが、暑さに強く、5m以上まで大きく育ちます。最も多く植えられている沖縄では「アカバナー」の名でもよく親しまれており、広い意味ではハイビスカス全体を「アカバナー」と呼びます。 ハイビスカス・アーノッティアヌス Hibiscus arnottianus 写真/小川恭弘 ハワイ原産で、高さ10m以上になることがあります。原種の中でも特に花が美しく、ハワイの貴婦人ともいわれます。花付きは非常によいですが立ち枯れしやすく、水はけが悪いと調子がよくても突然枯れることがあります。 ‘ペインテッド・レディ’ Hibiscus 'Painted Lady'. Wirestock Creators/Shutterstock.com 暑さに強い丈夫な在来系品種です。沖縄で植栽によく使われます。 ‘フラミンゴ’ Hibiscus 'Flamingo' kariphoto/Shutterstock.com 2段咲きの花がユニークなコーラル系の品種です。枝が伸びやすいコーラル系なので、ピンチを繰り返すとコンパクトな株姿で花を多く咲かせます。赤やレモン色の品種もあります。 「ニューロングライフ」シリーズ Hibiscus ‘Apollo’ Anderson N. Lopes/Shutterstock.com デンマークのグラフ社により、鉢物用のハイビスカスとして品種改良されたシリーズです。適温の15~25℃では3~4日間、花が咲き続け、耐陰性も強いです。花色は大輪系のように豊富でブルー系もあり、八重咲きの花も多くあります。暑さには強くない場合が多いので、注意してください。 ハイビスカスの栽培12カ月カレンダー 植え付け(地植え):5~6月植え替え(鉢植え):5~9月(根を切る場合は5~6月)肥料:5~10月挿し木:5~6月 ハイビスカスの栽培環境 Princess_Anmitsu/Shutterstock.com 適した環境・置き場所 日当たりと風通しのよい場所を好みます。ただし大輪系の品種や弱った株は、夏は暑さを和らげるために遮光下や明るい日陰で管理したほうがよいでしょう。 猛暑時の鉢植えも、午前中だけ日光が当たる半日陰、または明るい日陰に移動するのがおすすめです。またコンクリートやアスファルト、タイル敷きのテラスなどの上に直接鉢を置くと、照り返しで蒸れて弱りやすくなります。台の上など高い位置に鉢を置くと理想的です。 5~10月は屋外で管理しますが、11月初旬までに室内に移動してください。11月も窓際でよく日光に当てれば、花が多く咲くことは珍しくありません。 生育温度 多くの品種の生育に適した温度は15~25℃です。春と秋の過ごしやすい季節に、ハイビスカスも生育と開花が最も盛んになります。 冬越し 品種により耐寒性は異なりますが、5℃以上を保つようにしてください。株元付近が鉛筆程度の太さの小株は性質が弱いので、できるだけ暖かい場所で冬越しさせるとよいでしょう。 ハイビスカスの暑さ対策 Oleksandr Berezko/Shutterstock.com 品種や花色、株の大きさなどによって異なる耐暑性 品種の系統別では大輪系が暑さに弱く、特に注意が必要です。在来系は普通からやや弱い、コーラル系は普通程度です。現在よく流通している鉢植え用の品種は大輪系の品種が交配されていますが、耐暑性は在来系と同じくらいのものが多いです。 花色では赤やピンクに性質が強いものが多く、青に近い色や茶色など珍しい色は弱いものが多いです。また株元が細い小株は、成株に比べると暑さに弱いです。 暑さに強い品種 夏もハイビスカスの花を楽しみたい場合は、コーラル系や在来系の赤色の品種など暑さに強いものを育てるのがおすすめです。一般に流通する暑さに強い品種を系統別にご紹介します。 【コーラル系】ピンクバタフライ、ホワイトバタフライ、フラミンゴ 【在来系】レッドスター、イタリアンレッド、ブリリアント、ピンクアイス 暑さで弱った時の対処は? 遮光するのが最も効果的です。葉が落ちるほど弱っている時は明るい日陰に、葉色が悪く花が咲かない場合などは、午前中だけ日光が当たる半日陰に置いてください。 暑さで弱った時は、肥料を与えないでください。肥料を与えるとかえって調子が悪くなることが多く、根腐れすることもあります。活性剤は与えてもよく、効果が期待できます。ただし肥料入りの活性剤もあるので注意してください。 ハイビスカスの植え付け・植え替え alex_gor/Shutterstock.com 植え付け 在来系やコーラル系などの丈夫な品種は、5~6月に花壇に植え付けるのもおすすめです。根付けば水やりの手間が減り、管理しやすいです。 雨が降った後に水が溜まりやすい水はけの悪い場所は避けてください。アルカリ性の土壌に植えると葉が黄化しやすく、生育も衰えます。石灰をまいてアルカリ性になった土壌などは避けてください。 鉢植えの植え替え 流通する鉢植えはやや根詰まり気味のことが多く、そのままだと水や肥料が不足しやすく育てにくいです。購入したらすぐに1~2回り大きな鉢に、根鉢をくずさないよう植え替えてください。根を切らずに植え替えする場合は、5~9月に行うことができます。 あまり大きくしたくない場合は5~6月に植え替え、同時に剪定します。根鉢を1/3~1/4程度くずし、同じ鉢か1回り大きな鉢に植え替えます。同時に、伸びすぎた枝や弱い枝などを切って枝葉の量を1/3程度減らしてください。 用土 通気性と水はけのよい用土が適します。丈夫な品種は多くの植物に使える一般的な培養土、または赤玉土小粒7:腐葉土3を混ぜた用土などで育ちます。 大輪系の品種や立ち枯れしやすい「アーノッティアヌス」などは、赤玉土小粒3:鹿沼土3:腐葉土3:パーライト1を混ぜ、さらにふるいにかけて微塵を取り除いた用土がおすすめです。また7号以上の大きさの鉢を使う場合は、赤玉土の中粒を使って水はけよくしたほうがよいでしょう。 ハイビスカスの育て方・日常の管理 DimaBerlin/Shutterstock.com 水やり 鉢土の表面が乾いてから水やりします。葉が多くついて根詰まり気味の株や、よく花を咲かせている株は乾きやすいので、毎日水やりしてもよいでしょう。夏などによく乾燥する場合は、朝夕2回の水やりが必要なことがあります。 水をしっかり与えても落葉するなど調子が悪い場合は水やりを控え、涼しい場所で管理してください。また冬も乾かし気味に管理します。 地植えした場合は、根付けば水やりの必要は少なくなります。ただし土壌が乾燥したら水やりしてください。 肥料 生育期の5月~11月初旬は、肥料を切らさないように与えます。ただし株の調子が悪かったり、夏に生育を停止している場合は、肥料を与えないでください。また生育がよい場合でも暑さが厳しい時は、液体肥料を規定の半分程度に薄めて与えると根を傷めることが少なくなります。 秋になって株の生育がよくなったら、即効性がある液体肥料を1週間に1回、規定の倍率で与えてください。冬に室内で花を咲かせている場合は、月に2回程度、液体肥料を規定の半分程度に薄めて与えるとよいでしょう。 病害虫 葉を食害する害虫やアブラムシ、カイガラムシなどがよく発生します。生育期間中はオルトラン粒剤など、用土にまくタイプの薬剤を使って予防するのがおすすめです。 ハイビスカスの栽培ポイント Alex Marc Wagner/Shutterstock.com 暑さに強くない品種が多い 夏より秋や春のほうが花が咲きやすい 暑さ対策には遮光が効果的 害虫の発生が多い 根詰まりすると生育が衰えやすい 春から初夏に購入したハイビスカスが夏に花が咲かなくても、問題ありません。夏に涼しい場所で養生しておけば、秋から花を咲かせます。ハイビスカスの花は、実際は秋が見頃の場合が多いので、夏に弱ってもあきらめず、秋に美しい花を咲かせて楽しんでください。
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じつはスイートバジルとは別物? 混同しやすい「バジルの種類」とプロが教える見分け方
バジルの仲間の基本情報 Hortimages/Shutterstock.com 植物名:バジル学名:Ocimum英名:Basil科名:シソ科属名:メボウキ属原産地:世界の熱帯~亜熱帯地域形態:一年草 バジルの仲間のメボウキ属は、世界の熱帯から亜熱帯の広い地域に65種もが分布しています。自生地では多年草、または低木ですが、寒さに弱いので日本では冬に枯れる一年草として扱われます。 たくさんの栽培品種があり、食用として主に利用されます。薬用植物としても親しまれ、地中海の周辺地域では数千年にもわたって栽培されてきました。中国やインドなどの伝統医学でも使われます。共通の効能として、殺菌や食欲増進、消化促進などの作用があります。 強い芳香があることから、ハエや蚊などの虫よけとして鉢植えを窓際などに置いて利用されることもあります。 バジルとは? Nadya So/Shutterstock.com 学名:Ocimum basilicum和名:メボウキ(目箒)別名:スイートバジル英名:Basil原産地:アジアの熱帯~亜熱帯地域、西太平洋地域、オーストラリア(クイーンズランド州、西オーストラリア州) 単にバジルという場合はバジリカム種(O.basilicum)であることがほとんどです。バジリカム種はメボウキという和名があり、特に品種名を特定しない場合はスイートバジルを指します。スイートバジルは、イタリアなどの地中海料理では重要なハーブで、日本でも食材としてよく使われます。バジリカム種にはほかにもさまざまな芳香を持つ品種や変種が多くあり、すべて料理に利用することができます。 夏から秋にかけてシソに似た花穂がつき、白い小花が輪生します。花後にできる種子は水を吸うと膨らみ、デザートや飲み物などにも使われます。 バジルの品種・変種 ダークオパールバジル Ocimum basilicum 'Dark Oparl' ISmiths/Shutterstock.com 株全体が暗紫色で、花はピンク色です。光沢のある濃い紫色の葉が美しく、花壇などに植えても映えます。葉の香りはスイートバジルに近いですが、ややスパイシーでクローブにも似ています。 ダークオパールバジルから選抜された品種に、紫色の葉がより安定して発色する‘ルビン’があります。 タイバジル Ocimum basilicum var. basilicum (O. basilicum var. thyrsiflorum ) Kabar/Shutterstock.com タイだけでなく東南アジアで広く栽培され、主に料理に使われます。タイでは「ホーラパー」、中華料理では「九層塔」の名で呼ばれ、「台湾バジル」の別名もあります。 花穂や茎は赤紫色で草丈30~50cm、緑色の葉はやや紫色がかった色になることがあります。台湾では、茎が緑色の系統も多くあります。葉の芳香はスイートバジルより強く、甘くスパイシーで、熱を加えても風味が落ちにくいです。 タイバジルの選抜品種に、アニスに似た風味の‘シャムクイーン’があります。 ブッシュバジル Ocimum basilicum var.minimum Peter Turner Photography/Shutterstock.com 南インドとスリランカ原産で、高さ30cmほどの小型の変種です。非常に小さい葉が密に茂り、葉の香りはスイートバジルに似ています。寒さにはスイートバジルより強いです。 レタスリーフバジル Ocimum basilicum lettuce leaf(Ocimum basilicum 'Lettuce Leaf') Maljalen/Shutterstock.com やや多肉質の大きな葉は長さ8~12cmで、表面が波打ちます。サンドイッチやサラダなどに最適です。似た品種に‘ナポリターノ’ (O. basilicum 'Napoletano')がありますが、同一の品種かもしれません。 シナモンバジル Ocimum basilicum 'Cinnamon' golfza.357/Shutterstock.com シナモンにも似た甘くスパイシーな香りがあり、メキシコで生まれた栽培品種のため、「メキシカンスパイスバジル」の名があります。茎は紫色で、白、またはピンクの花が咲きます。タイバジルに似ており、混同されることがありますが、タイバジルに比べると葉は細長く光沢があり、鋸歯が目立ちます。 ミセスバーンズ・レモンバジル Ocimum basilicum 'Mrs. Burns' レモンバジルより葉が大きく、強いレモンの香りが安定してあります。丈夫で暑さと乾燥に強く、収量も多いです。 バジルに近縁の種類 ツリーバジル(ヴァナ・トゥルシー) Ocimum gratissimum NPvancheng55/Shutterstock.com アフリカや東南アジアの熱帯、亜熱帯の広い地域が原産の低木、または多年草で、変異が多い種類です。「インドメボウキ(印度目箒)」の和名があるほか、「アフリカンバジル」や「クローブバジル」、「ワイルドバジル」などの英名があります。食用や薬用として幅広く利用され、特に西アフリカでは料理用として多く使われます。 カンファーバジル Ocimum kilimandscharicum ThangNguyenPhoto/Shutterstock.com 葉には清涼感のあるカンファー(樟脳)の香りがあります。アフリカ東部の熱帯地域が原産で、高さ1~2mの低木です。寒さにも比較的強く、耐寒温度は0℃。米の風味付けや料理、お茶、蚊よけなどに利用されます。 バジルの種間交配種 レモンバジル Ocimum × africanum (O. basilicum × O. americanum ) Pum_April/Shutterstock.com 小型のヒメボウキ(O. americanum )との交配種で、葉はやや小さく、草丈は30~40cm。葉にはレモンのよい香りがあり、南アジアや北東アフリカ、アラブなどで料理によく使われます。花後に種子ができ、一般にも種子が流通します。 アフリカンブルーバジル O. basilicum × O. kilimandscharicum crystaldream/Shutterstock.com ダークオパールバジルとカンファーバジルの交配種で、丈夫で生育は旺盛。0℃近くの低温に耐え、寒くなると葉は紫色がかります。不稔性で種子ができないため、挿し芽で増やします。赤紫色の花は周年咲きやすく、観賞用や切り花にもおすすめです。 ホーリーバジル(トゥルシー)とは Meenu Varghese/Shutterstock.com 学名:Ocimum tenuiflorum英名:Holy basil和名:カミメボウキ(神目箒)別名:トゥルシー、ガパオ原産地:アジアの熱帯~亜熱帯地域、西太平洋地域、オーストラリア(クイーンズランド州) 茎の基部は木質化し、直立して伸びる多年草、または低木です。草丈は30~100cmで、耐寒温度はマイナス1℃。 ヒンズー教の神聖な植物とされて寺院などで栽培され、宗教儀式に使われます。またインドやスリランカ発祥の伝統医学・アーユルヴェーダでは、抽出物が治療薬として使われたり、ハーブティーの材料になります。タイでは葉は「ガパオ」と呼ばれ、挽き肉と合わせて炒めたガパオライスに使われます。スイートバジルと同様に料理に幅広く利用され、クローブにも例えられるスパイシーな芳香と風味があります。葉に細かい産毛があり、サラダなどの生食には適しません。 クリシュナトゥルシー Ocimum tenuiflorum 'Krishna'(Holy red) PICSLIBRARYIN/Shutterstock.com 葉や花が紫色で美しく、高い薬効があるとされます。 バジルの育て方 madorf/Shutterstock.com バジル栽培を始めるには 苗を入手して育てるのが確実ですが、種まきから育てるのも比較的簡単です。バジルの種子は安価な値段で流通しており、発芽率もよいので、たくさん収穫したい場合は種まきから育てるのがおすすめです。また種子のほうが入手しやすい場合もあります。 適した環境・置き場所 屋外の日当たりと風通しのよい場所が適しますが、風当たりの強い場所は避けてください。室内や明るい日陰でも育ちますが、徒長気味の株姿になります。 生育適温は20℃以上で、夏を中心に気温の高い時期に最もよく生育します。 水やりと肥料 乾燥に比較的強いですが、乾燥気味に育てると葉は硬くなります。地植えの場合は、夏に土壌が乾燥したら水やりするとよいでしょう。鉢植えは、水切れさせないよう十分に水やりしてください。 肥料は、生育期間中に肥料を切らさないように与えると、質のよい葉を多く収穫できます。ただし油かすなど窒素分の多い肥料を与えると苦みが強くなり、アブラムシなども発生しやすくなります。 病害虫 バッタなどによる葉の食害が多いです。また地植えの場合は、ベト病によって全滅することが多くなっています。日当たりと風通しのよい環境で育てるようにしてください。また室内で育てたほうが病害虫の被害が少ないですが、ハダニが発生することがあります。 バジルの見分け方のポイント Fotema/Shutterstock.com 単にバジルという場合はスイートバジル、またはバジリカム種を指す バジルとホーリーバジルは別の種類 ホーリーバジルとタイバジル、シナモンバジルが混同されやすい レモンバジルやアフリカンブルーバジルなど種間交配種がある バジルは料理だけでなく、鉢植えを窓際に置けば虫よけの効果が期待できます。ブロンズリーフの品種は、花壇のおしゃれなアクセントになります。アフリカンブルーバジルは室内で冬越しさせれば長く花を楽しめ、葉も料理に使えます。品種によってシナモンやレモン、クローブなど香りも異なるので、用途によって使い分けても楽しいでしょう。さまざまなバジルを育てて、豊かなハーバルライフを楽しんでください。




















