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アサガオの水やり方法。適切なタイミングと頻度で、根腐れを防ぎます

アサガオの水やり方法。適切なタイミングと頻度で、根腐れを防ぎます

夏の花の代表格であるアサガオ。「花の名前は全然わからない」という方でも、たいていの方は知っている、おなじみの植物です。アサガオはそれほどメジャーな植物ですが、いざ自分で育ててみようとすると、「あれ、こんなときどうするの?」といった疑問が生じることもあるでしょう。ここでは、植物栽培の基本ともいえる水やりの方法について、All Aboutガイドで、ガーデンライフアドバイザーの畠山潤子さんにお聞きしました。

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アサガオを育てる前に知っておきたいこと

アサガオは、ヒルガオ科サツマイモ属の蔓性植物です。アサガオの学名(※1)は“Ipomoea nil” で、これはサツマイモの仲間であることを示しています。

朝開いたアサガオの花は、その日のうちに萎んで終わる「一日花」。一方で、毎日次々と新しい花を咲かせます。アサガオを使って、近年、地球温暖化対策のひとつとして注目されている「緑のカーテン」を作ることもできます。

またアサガオは、種からでも育てやすい植物でありながら、江戸時代には交配させることでさまざまな変化に富んだアサガオを作出することが一大ブームとなりました。人々の暮らしと密接にかかわってきた歴史をもつ、奥深い植物でもあります。

■アサガオの基本データ
学名:Ipomoea nil
科名:ヒルガオ科
属名:サツマイモ属
原産地:熱帯から亜熱帯地域
和名:朝顔(アサガオ)
英名:Morning glory
開花期:7~9月
花色:赤、ピンク、白、青、紫、複色
発芽適温:20~25℃
生育適温:20~25℃

アサガオを種から育てるなら、5月の連休明けから6月いっぱいくらいまでが適期です。5月以降はポット苗も出回り始めます。夏の遮光にグリーンカーテンを作りたい場合は、早めに植えつけましょう。

※1「学名」学術上、生物などを分類してつける世界共通の名称

水やりの方法と、そのタイミング

アサガオの水やりのタイミングは、時間帯でいえば、朝のうちがベストです。

早朝から、日が高くなるまでのあいだ、比較的涼しい時間帯のうちに、水やりを行うのがコツです。水やりをする際は、ジョウロであっても散水ホースを使う場合でも、アサガオの花に直接水がかかるようなやり方は避けます。株元から土中に水を行き渡らせる気持ちで、ゆっくり与えましょう。

アサガオは鉢植え、地植えのどちらでも栽培できますが、それぞれ水やりの頻度は異なります。次の項からは、植えつけ別の水やりを紹介しましょう。

鉢で育てている場合の、アサガオの水やり

水やりの頻度

通常は朝のうちに1回、土が乾いているかを確認してから水やりをします。天候により土が湿っている状態であれば、水やりは不要です。

夏になると、水やりの頻度は雨が降っている日以外は毎日の作業になります。ただし、小雨のときは、さっと鉢の土の表面が濡れただけ、お湿り程度のことがあります。あるいは外は本降りの雨でも、アサガオの鉢は軒先で、土にはちっとも雨がかかっていないということも。これでは鉢の中まで、水が行き渡ることはありません。そのようなときはやはり、鉢土の状態をしっかり確認して、水やりをしましょう。

水やりのコツ

「土が乾いたら、鉢底穴から水が流れ出てくるまでたっぷりと水やり」が基本です。土の表面だけが濡れた状態だと、根まで水が届きません。ですから、ジョウロなどで水を与えるときは、底から水が流れ出ているかを、しっかり確認してください。

水やりの確認方法

水やりのタイミングを確認するには、指で土を触ってみる、あらかじめ土に割り箸などを刺しておいて、引き抜いて湿り気があるか見る…といった方法があります。アサガオの背丈が低いうちは、水やり前と水やり後の鉢の重さを体感しておくというのも、ひとつの手です。

アサガオの葉先が萎れたようになっているのも、水切れのサインです。そのような状態のときは、しっかりと水やりをしましょう。

地植えの場合の、アサガオの水やり

水やりの頻度

地植え栽培では、アサガオがしっかり根づいたあとは、自然に降る雨だけで、基本的に水やりは不要です。これは、土の量が鉢に比べて、圧倒的に多く、地中に水分が蓄えられているためです。しかし、極端に雨が降らない日が続いたり、アサガオの葉が萎れてしまうような乾燥した日が続いたりする場合には、土中にしっかりと水がしみ渡るように水やりしてあげましょう。

水やりのコツ

前述したとおり、水やりを行うときは、土の奥、根の先端まで水が届くように、たっぷりと与えます。

水やりの確認方法

極端に雨が降らない日が続いたときなど、アサガオの葉先が萎れたようになっていたら、これは水切れのサインです。しっかり水を与えましょう。

水やりは、季節によっても多少変わります

水やりの具合は、天候のほか、植物の生育状態や季節で多少変わります。そこで、この項では季節ごとの違いを見ていきましょう。

春~初夏(鉢植え、地植え)

種まき後は、発芽するまで土が乾かないように湿らせておく必要があります。アサガオは水やりで種が流れてしまうことはあまりないですが、小さい種をまいた場合などは、水を張った容器に苗床を入れて底穴から水を吸い込ませる「底面給水(底面灌水)」というやり方もあります。この方法では、土に十分水分が行き渡ったら、苗床は水から引き上げます。

なお、植え替え後のアサガオも、活着(根づいて生長を続けること)するまでの間は、地植えであっても、水やりは忘れずに行ってください。

夏(鉢植え)

この時季は、朝の水やりだけでは足りないことがあります。前述したように、鉢土の乾き具合を確認して、必要に応じて水やりをするのが基本ですが、夏の間は、朝・夕2回の水やりが必要となる日が多いでしょう。

秋(鉢植え)

夏が過ぎて花の数が少なくなったアサガオは、片付け時を見越して、水やりを控えても差し支えはありません。しかし、花後の種を採りたいのであれば、種が熟すまでは基本どおりの水やりをします。

西洋アサガオやノアサガオは、大輪アサガオに比べて1か月ほど開花時期が遅れるので、秋になっても盛んに花を咲かせている間は水やりを継続します。

アサガオの水やり、注意点が知りたい

鉢植えの場合の注意点

鉢植えのアサガオに勢いよく水やりをすると、水は鉢の内面を伝ってすぐに流れ落ちてしまい、肝心の根に水が行き渡っていないことがあります。アサガオの鉢の下に鉢受け皿を置いている場合は、水やり後に鉢底から流れ出た水はそのままにしておかず、必ず捨てるようにしましょう。アサガオは根腐れしにくい植物といわれていますが、いつも鉢受け皿に水が溜まっていると、鉢土の過湿状態を招きます。

逆に、鉢受け皿に水が溜まるのが嫌だから、鉢底から水が流れ出す前に水やり終了!という「水のちょいやり」もNGです。『アサガオを元気に育てるには、適した土作りと、植え替え(定植)が必要です』で、土の団粒構造について解説しているとおり、水やりをすると団粒と団粒の間の空気が押し流され、ここに水分と共に新しい酸素が供給されます。しかし「ちょいやり」では、土は湿っても、この大事な酸素を供給するまでには至りません。水やりの基本である「鉢植えでは鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと」というのには、このような理由があるのです。

上記のほか、夏の水やりでの注意点もあります。真夏ともなると、朝に水やりをしても、昼には鉢土がカラカラに乾いてしまっていることがあります。そんなとき、慌てて水やりをしてはいけません。夏の日照りの下に置いていたジョウロやホース内の水は、熱せられてお湯のようになっていることがあるからです。水やりの前に、触って手で水温を確かめるなど注意しましょう。

外出先から帰宅したら、アサガオが水切れでグッタリしていた!という場合は、鉢が動かせるのであれば日陰に移動し、バケツに張った水に鉢ごとつけます(腰水)。熱せられた株を冷やすと同時に、乾いた鉢土にしっかり吸水させることで、元気なアサガオへと復活を図ります。緑のカーテンにしているなど鉢が動かせないときは、鉢土を冷やす気持ちでゆっくり、しっかり水やりをしてください。水は水温が低いことを確認してから、水やりに使うことを忘れずに。

地植えの場合の注意点

地植えでは、庭などの水やりを一気に済ませようと、散水ホースを使うケースがあります。このとき、水の勢いが強すぎると、土が跳ね返って葉裏につき、そこから病気が発生することがあるので注意が必要です。

アサガオ栽培のなかで、水やりの役割

アサガオに限らず植物栽培における水やりは、俗に「水やり3年(5年とも)」といわれるくらいに奥深いものです。なぜなら、水やりは次のような役割を担っているからです。

・植物の根に水を吸収させる
・根が呼吸するのに必要な酸素を供給する
・高温期には株や土の温度を下げる
・葉に付着した埃などを落とす(葉への散水の場合)

つまり、水やりはただ毎日の日課で漫然と植物に水をかけるという行為ではありません。以上のような役割を念頭に、植物の根がしっかりと水分や酸素を吸収できるよう与える必要があるということです。

日々の水やりに際し、土の乾き具合を確認するとともに、花色や葉色はどうか、虫害や病気は出ていないかなど、植物の様子を観察することも日課にしたいですね。

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