トップへ戻る

ミントの地植えは要注意? 爆発的に増えるハーブを安全に楽しむ「仕切り」の裏ワザ

ミントの地植えは要注意? 爆発的に増えるハーブを安全に楽しむ「仕切り」の裏ワザ

Duan Wade/Shutterstock.com

さわやかな香りで人気の多年草のハーブ「ミント」。育てやすい反面、実は「庭に植えてはいけない」と言われるほど繁殖力が強いのをご存じですか? そのまま地植えすると、地下茎が伸びて庭中に爆発的に広がってしまいます。本記事では、そんなミントの暴走を防ぎ、安全に楽しむための「仕切り」を使った簡単な裏ワザとともに、基本情報から代表的な種類、主な利用方法までを栽培のプロがご紹介します。

ミントの基本情報

ミント
alybaba/Shutterstock.com

植物名:ミント
学名:Mentha
英名:Mints
科名:シソ科
属名:ハッカ属
原産地:北半球の温帯、アフリカ
形態:多年草

ミントは清涼感のある香りが特徴で、ハーブの中でも特に有名です。古代ギリシアの時代から栽培されてきた歴史あるハーブで、現在でもさまざまに利用されています。日本では料理にはあまり使われませんが、東南アジアなど多くの国では食用としてもよく利用されます。一般にはペパーミント、スペアミント、アップルミントなどがよく栽培されます。国内にはハッカとヒメハッカが自生し、かつてハッカが産業用として栽培されていました。

ミントの仲間は24種類が、世界中に広く分布します。自然交雑種が多く、以前は約600種に分けられていました。同じ種類の中でも変異が多く、香りや草姿はさまざまです。

非常に多くの種類や品種がありますが、見分けるのは難しいです。大きく分けると、スペアミント系、ペパーミント系、アップルミント系、オレンジミント系、その他などがあります。意外な香りを持つミントがあり、オーデコロンやオレンジ、グレープフルーツ、レモン、チョコレート、ジンジャーなど、多様にあります。

ミントの特徴・性質

ミント
Kabar/Shutterstock.com

草丈:10~100cm
開花期:7~9月
耐寒性:強い(種によって異なる)
耐暑性:強い(種によって異なる)

3月から4月頃に新芽が成長を始め、夏から秋頃に花が咲きます。花色は、白やピンク、藤色などがあります。花が咲く前頃に収穫すると、最も質のよいミントを収穫することができます。開花後に雑味の元になる成分が増え、収穫ごとに香りも弱くなってきます。

霜に当たると地上部は枯れますが、地下茎は生き残る多年草です。地下茎は生育が旺盛で、株は広がって繁殖します。ただし同じ場所で育てていると、次第に生育が悪くなる傾向があります。

多くの種類は湿った場所を好み、ウォーターミントなど水辺に自生する種類もあります。種類によっては茎が立ち上がらず、地を這うように伸びる匍匐性の種類もあります。

病害虫の被害も少なく育てやすいですいハーブです。ただし地植えでは旺盛に広がるので、放置すると問題になりやすいです。

ミントの仲間

ペパーミント Mentha x piperita

ミントの仲間

ペパーミント Mentha x piperita
Janisbija/Shutterstock.com

スペアミントとウォーターミントの自然交雑種で、セイヨウハッカの和名があります。日本では最も人気のあるミントです。芳香の主成分はメントールで、ミントの中でも特に香りが強く、少量でもよく香ります。

スペアミント Mentha spicata

スペアミント
Doikanoy/shutterstock.com

ヨーロッパ原産で、欧米などでは最も一般的なミントです。芳香の主成分はカルボンで、ペパーミントより清涼感は劣りますが、料理などには程よい香りで使いやすいです。

ウォーターミント Mentha aquatica

ウォーターミント Mentha aquatica
Manfred Ruckszio/Shutterstock.com

ヨーロッパから中央シベリア、アフリカ、西アジアの広い地域が原産です。湿地に自生するミントで、香りが非常に強いです。葉や茎は紫色を帯びます。

アップルミント Mentha suaveolens

アップルミント Mentha suaveolens
Kabar/Shutterstock.com

ヨーロッパ、地中海沿岸などの地域が原産です。丸みのある葉から、マルバハッカの和名があります。葉は柔らかく、香りはおだやかです。丈夫で繁殖力が強く、よく野生化しています。

パイナップルミント Mentha suaveolens  ‘Variegata’

パイナップルミント Mentha suaveolens  ‘Variegata’
Skyprayer2005/Shutterstock.com

斑入りのアップルミントで、生育はアップルミントよりゆるやかです。暑さや蒸れにもやや弱い傾向があります。

ハッカ Mentha canadensis

ハッカ Mentha canadensis
Zulashai/Shutterstock.com

日本にも自生するミントで、他に中国やシベリア、北アメリカ原産などの広い地域が原産です。ミントの中でもメントールの含有量が最も多いといわれ、戦前に北海道で盛んに栽培されました。

ペニーロイヤル Mentha pulegium

ペニーロイヤル Mentha pulegium
Zulashai/Shutterstock.com

ヨーロッパ、地中海沿岸、エチオピアなどが原産です。清涼感の強い芳香がありますが、毒性があるため飲食用には適しません。グラウンドカバーなどに使うとよく茂りますが、草丈が50cm近くまで高くなることがあります。ハエやアリ、ノミなどの虫よけに利用されます。

ミントの利用

ミント
Tom Gowanlock/Shutterstock.com

種類や品種によって特徴や性質が異なるので、それぞれ利用方法を使い分けてください。

【ペパーミント】メントールの強い芳香があり、ミントソースの材料や飲料に適しています。飲料に多く入れると、刺激が強すぎるので注意してください。生の葉は苦みがあるので、アイスクリームなどの食用には乾燥葉かエッセンスを用います。モヒートに使う場合は、少量がよいでしょう。

【スペアミント】程よい香りと刺激があります。料理に幅広く使え、エスニック料理の材料として有名です。肉料理のソースになり、サラダにも使われます。モヒートなどの飲料にも最適です。

【アップルミント】香りがおだやかで、スペアミントやペパーミントに比べると利用が少ないです。料理の香りづけや飲料に利用できます。

【すべての種類のミント】リースやポプリにして楽しむことができます。収穫した葉を袋に入れて入浴剤に使うと、清涼感のある香りが楽しめます。剪定して多く収穫できたら、乾燥させれば長期保存も可能です。

ミントの栽培12カ月カレンダー

植え付け:4~10月
植え替え:4~6月、9月中旬~10月
肥料:3~4月

ミントの栽培環境

ミント
danti sukmawati/Shutterstock.com

適した環境・置き場所

西日の当たらない半日陰の、肥沃でやや湿り気のある土壌が適します。日なたから明るい日陰で育てることができますが、日光によく当てると芳香が強くなります。

日なたでは夏の土壌の乾燥に注意してください。株の周囲に腐葉土やバーク堆肥などを敷き詰めると、乾燥を防げます。乾燥しやすい鉢植えやプランターは、夏は西日の当たらない半日陰に移動してください。

風通しが悪いと、さび病が発生しやすくなります。

生育温度

15~25℃くらいの温度が生育に適した温度の目安です。春と秋に最もよく生育します。夏の暑さにも比較的強いですが、乾燥には注意してください。

這性のコルシカミントは、梅雨の多湿や夏の暑さで弱ることが多いです。

冬越し

寒さに強いので、特に対策は必要ありません。室内の日当たりのよい場所に鉢植えを置くと、冬も成長して収穫できます。

ミントの植え付け・植え替え

ミント
Liga Petersone/Shutterstock.com

植え付けの注意点

地植えすると地下茎が旺盛に成長します。違う種類のミントを近くに植えると、根が伸びて混ざってしまいがちです。また放置すると至る所で繁殖し、持て余してしまうことが多いです。そのため植えてはいけない植物などといわれます。繁茂するのを防ぐには、仕切り用の板で株の周囲を囲うのがおすすめです。広範囲に覆う場合は、購入しやすい価格で入手できる水田用のあぜ板が便利です。

植え付け

植え付けは、生育期の4月から10月にいつでも行えます。腐葉土や堆肥などの有機物と肥料をすき込み、株間は30cmあけて植えます。夏に植え付けた場合は、根付くまで水を十分与えるようにしてください。

植え替え・改植

地下茎の成長が旺盛なので、すぐ根詰まりします。地植えでは土壌の劣化が激しく、質のよい葉を収穫するには毎年植え替えたほうがよいでしょう。特にスペアミントやペパーミントは、改植は重要な作業です。

夏を避けた生育期の4~6月、9月中旬~10月が植え替えの適期です。鉢植えやプランターでは1年に1回、地植えした場合は1~2年に1回掘り上げ、株分けしてから植えなおしてください。

用土

草花に広く使える一般的な培養土が気軽に利用できます。または赤玉土小粒6:腐葉土4を混ぜた用土などを使います。

ミントの育て方・日常の手入れ

ミント
Jr images/Shutterstock.com

水やり

乾燥を嫌うので、やや多めの水やりが適します。春と秋は、鉢植えやプランターの表土が乾いたら水やりします。夏の晴れた日は毎日水やりするほか、乾燥が激しい場合は朝夕2回水やりをしてください。秋も枝葉がよく茂っている場合は、毎日水やりしたほうがよいでしょう。

地植えした場合は、夏に土壌が乾いたらたっぷり水やりしてください。

肥料

窒素肥料が多いと、香りが弱くなります。骨粉入り油粕や3要素が等量の緩効性化成肥料などを、春の3~4月に与えます。

病害虫

病害虫の発生は、比較的少ないです。ただし梅雨の時期に風通しが悪いと、葉に茶色い斑点ができるさび病が発生します。さび病が発生したら広がるので、株は処分してください。風通しよく育てることで、発生を防ぐことができます。

ベランダなどの乾燥しがちな場所では、ハダニが発生することがあります。夏の乾燥時などはこまめに葉水を与えると、発生を防げます。

ミントの作業

ミント
africa_pink/Shutterstock.com

剪定・切り戻し

草丈が伸びて下葉が落ちてきたら、半分から1/3程度残して切り戻します。また梅雨前に収穫を兼ねて切り戻すのがおすすめです。風通しや日当たりのよくない場所では、地際から切るとよいでしょう。風通しが非常によくなり、さび病の発生を防ぐことができます。

開花後も地際付近まで切り戻すと、柔らかい新芽が伸びてきます。強い寒さに当たると葉や茎は枯れますが、春に新芽が成長を始める前に枯れた部分を切ってください。

収穫

若い葉や茎を収穫して利用します。春から秋まで随時収穫しますが、5月から7月頃が最もよい状態で収穫できます。乾燥して保存する場合は、株元から切って風通しのよい場所などで吊るして乾燥させます。

増やし方

ミントの水挿し
Gv Image-1/Shutterstock.com

水挿しで簡単に発根します。発根したら、下葉を少しとってから植え付けるとスムーズに活着しやすいです。

ミントの栽培ポイント

ミント栽培
Sveta Gavrilova/shutterstock.com
  • 植えは株の周りを仕切って植えるとよい
  • 根の発達が旺盛なので、1~2年おきに株分けする
  • 乾燥と多肥に注意
  • 梅雨時は風通しよくする
  • よく生育させるには、毎年植え替える

ポイントを把握して育てれば、ミントは栽培しやすいハーブです。枝葉が盛んに伸び、たくさん増やすのも簡単で、育てる楽しさを感じることができます。冬に室内で小鉢を観葉植物として育てるのもおすすめです。冬にミントのみずみずしい緑色が映え、香りも楽しめます。冬の間は水挿しでもよく育ちます。さまざまに利用できるミントは、栽培すれば重宝することでしょう。庭やベランダなどでミントを育てて、緑のある暮らしを楽しんでください。

季節のおすすめアイテム

ホースガイド ジョウロ  -GARDEN STORY Series-

ホースガイド ジョウロ -GARDEN STORY Series-

庭にホースを伸ばして水まきをする際、ホースが大切な植物をなぎ倒してしまうのを防ぎます。地面にスッと差し込むだけで、花壇の縁やアプローチ横など、ホースが通るルートに手軽に設置できます。ジョウロのモチーフが庭の風景によくマッチ!

人気の記事

連載・特集

GardenStoryを
フォローする

ビギナーさん向け!基本のHOW TO