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【12月の花】植えっぱなしで毎年咲く「原種シクラメン」の育て方とおすすめ品種ガイド

【12月の花】植えっぱなしで毎年咲く「原種シクラメン」の育て方とおすすめ品種ガイド

Alex Manders/Shutterstock.com

小さな葉に美しい模様、凛とした花。原種シクラメンは、冬の庭や玄関先をさりげなく、けれど長く彩ってくれる存在です。丈夫で手間がかからないのに、毎年咲き、どんどん球根が太って花数が増えていく。──そんなコスパのよさも魅力。この記事では原種シクラメンを長年育ててきたガーデニストの面谷ひとみさんに庭植え・鉢植えのコツを伺います。

原種シクラメンとは? 魅力と園芸品種との違い

私はガーデニングをするとき、シクラメンを「室内用シクラメン」「鉢植え用ガーデンシクラメン」「庭植え用原種シクラメン」というように3つに分類して用途ごとに使い分けています。

室内用シクラメン

室内用シクラメン

古くから贈答用の鉢花として親しまれている園芸品種のシクラメンです。5〜6号鉢(直径15〜18cm)に植わった状態で販売されていることが多く、豪華に仕立てられています。寒さには弱いので、室内の窓辺に飾って楽しむのに最適。夏にしっかり休ませて秋からまた育てれば、翌年も咲きます。ただし、外で夏越しできる環境が必要です。

鉢植え用ガーデンシクラメン

ガーデンシクラメン

園芸品種のシクラメンの中から、比較的寒さに強い小型種を育成した品種群をガーデンシクラメンと呼びます。庭植えにできますが、霜や雪に当たると花が傷んで復活が難しいので、軒下など屋根がある場所で鉢植えや寄せ植えにするのに向きます。一般的に一年草扱いです。

庭植え用原種シクラメン

原種シクラメン

原種シクラメンは地中海沿岸の野山に自生する小型種です。霜にも強く、庭に植えっぱなしで毎年花を咲かせます。場所さえ合えば、球根がどんどん太って花数が増えていきます。もちろん、鉢植えでも育てることができます。その魅力は、

  • 小さく素朴な花が愛らしい
  • 葉の模様が美しい
  • 夏に休眠する省エネ植物
  • 手間をかけずに毎年咲く

など。

特に、落葉樹の下で他の草花が休んでいる季節に主役になれるのが大きな魅力。庭の冬景色に“静かなドラマ”を生み出してくれます。

原種シクラメンの寄せ植え
鉢植えで複数の原種シクラメンを寄せ植え。

原種シクラメンの育て方のキホン

原種シクラメン
丈夫でよく増える冬咲きの原種シクラメン・コウム。Alex Manders/Shutterstock.com

原種シクラメンは丈夫で栽培しやすい球根植物ですが、生育サイクルが他の多くの植物と異なるので、まずは生育サイクルを知ることから始めましょう。

【原種シクラメンの生育サイクル】

原種シクラメンは種類によって開花期が異なりますが、夏に休眠して秋に芽吹き、冬〜春に葉で球根を太らせるというサイクルは共通です。

原種シクラメンの生育サイクル
原種シクラメン・ヘデリフォリウム
秋に丸い球根の中央からつぼみが出始めた原種シクラメン・ヘデリフォリウム。

【原種シクラメンの季節ごとのお手入れ】

原種シクラメンは「少ない資源で生き延びる」性質が強いため、地植えは基本肥料不要。鉢植えは秋に少量の置き肥だけで十分。肥料のやりすぎは球根のトラブルにつながります。

原種シクラメンの育て方

■鉢植えのコツ(初心者におすすめ)

  • 水やり:秋〜冬は控えめに、鉢土の表面が乾いたら
  • 置き場所:明るい日陰(北向きの玄関先など)
  • 肥料:緩効性の置き肥を秋に少量
  • 鉢:やや浅いタイプが理想(球根が蒸れにくい)
原種シクラメンの球根
10年以上鉢植えで育っている原種シクラメンの巨大な球根。
原種シクラメンの植え替え
浅い鉢で新しい用土に植え替え。

■庭植えのコツ

  • 場所:落葉樹の株元(夏は木陰、冬は光が入る理想環境)
  • 土:水はけのよい土。腐葉土をたっぷり混ぜる
  • 植え込み時期:秋(根が動き出すタイミング)
  • 夏は:周りの落葉で自然に覆われ、放任でOK
  • 肥料:基本不要。痩せ地を好み、肥料が多いと葉ばかり茂って花をつけにくい。養分過多は球根腐りのリスク
原種シクラメン
秋の初めには新芽やつぼみに光が当たるよう、雑草や落ち葉を整理して開花を促す。

【押さえたい3原則】

失敗しないためのポイント理由
夏は断水して休ませる休眠期は水が多いと球根腐りの原因に
水はけ・風通しのよい半日陰蒸れと直射日光を避けて健全に育つ
浅植えにする球根は地表近くで光を感じて成長する
庭植えの原種シクラメン

水はけと風通しをよくするために、庭では小高く土を盛った落葉樹の下に植えています。ガーデニングの最中に足を踏み入れると、土が踏み固められて、いつの間にか水はけが悪くなってきてしまうので、ところどころ石を置いてロックガーデン風にし、あまり足を踏み入れないようにも工夫しています。

おすすめ品種5選

葉の模様の美しさ、丈夫さ、冬の庭での活躍度から厳選しました。

1|コウム(Cyclamen coum)

シクラメン・コウム
  • 強健で初心者向き。
  • 丸い葉×ピンクや白の花が愛らしい
  • 真冬〜早春に開花

2|ヘデリフォリウム(C. hederifolium)

シクラメン・ヘデリフォリウム
  • 強健で成長旺盛・群生しやすい
  • 花後に展開する葉模様が美しい
  • 秋に開花

3|グラエカム(C. graecum)

シクラメン・グラエカム
Michalis Koulieris/Shutterstock.com
  • 花後に展開する葉模様が芸術的
  • 暑さ・乾燥に強いタイプ
  • 主に秋に開花しヘデリフォリウムよりやや遅い

4|プルプラセンス(C. purpurascens)

シクラメン・プルプラセンス
17Aleksandr Naumenko/Shutterstock.com
  • 夏も葉が残りやすく、日陰に強い
  • 花色が濃く、特に香りがよい
  • 夏から秋に開花

5|ペルシカム(C. persicum)

シクラメン・シプリアム
Plamen Peev/Shutterstock.com
  • 強権で生育が早い
  • 乾燥に強い
  • 真冬から春に開花

原種シクラメンのよくある失敗と対処法

❌ 夏に水をやる → 球根腐り
→ 地上部が枯れたら、完全断水で休眠。

❌ 深植え → 花つき悪化
→ 球根は地表から上部が見えるくらいに浅植え。

❌ 風通し不足 → 病気
→ 周りの植物が混み合いすぎないように。また盛り土で高めに。

❌ 冬に室内へ取り込む
→ 室内は暖かすぎて徒長の原因。寒さには強いので基本屋外で。

原種シクラメンが映える庭デザイン例

原種シクラメンの庭

秋冬に空くスペースをおしゃれに埋めるという発想で取り入れると、庭が一段と美しくなります。落葉樹の株元にシクラメン・ヘデリフォリウムをかたまりで植えます。開花期は地面から湧き上がるような躍動感が庭に演出できます。

落葉期は光が差し込み、春〜夏は木陰ができるため、夏の休眠を守り、冬に見どころを作る理想の植栽位置です。冬の庭が「沈黙」ではなく「静かな賑わい」を感じられるエリアに。

原種シクラメンの庭

八重咲きクリスマスローズの株元に、かわいいピンクの原種シクラメン・コウムを寄り添うように配置。冬の主役、クリスマスローズと、地面を彩るシクラメン、それぞれが役割をこなし立体的な景観を生み出しています。“背の高い植物の足元にポイントカラーを置くこと”で、冬〜早春の地際の寂しさをなくすテクニック。

原種シクラメンの庭

テラコッタ鉢に植えた原種シクラメンを、地植えの庭に置いてなじませるスタイル。鉢の縁に近い位置で花を咲かせる性質と相性がよく、庭のどの角度からでも存在感があります。鉢なら季節に合わせて移動ができるので、日照条件の調整もしやすく初心者向き。また、花期を迎える場所に“旬の色”を連れて来られるのも利点です。

原種シクラメン栽培まとめ & チェックリスト

原種シクラメンの庭
  • 夏は断水で休眠させる
  • 風通しのよい半日陰
  • 浅植えで球根を呼吸させる
  • 庭植えは落葉樹の下が理想

原種シクラメンは、放任でも毎年かわいい花を咲かせてくれる、頼もしい存在です。
ぜひ冬の庭に迎えてみませんか?

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