6月の庭仕事をチェック! ガーデニングカレンダーJune

Natalia Greeske/ shutterstock.com
6月といえば、梅雨。ガーデニングをしたくても屋外での作業は無理な日も多くなります。けれども植物たちは旺盛に生育し、世話をしてもらうのを待っています。タイミングよく剪定すると、真夏の茂りすぎを防ぎ、その後の成長もよくなります。また、この季節はさまざまな果実が熟す頃。収穫したらすぐに調理や保存作業に取りかからないと、せっかくの実りをダメにしてしまいます。さあ、雨の晴れ間をみて庭に出てみましょう!
目次
梅雨は挿し木のチャンス!
湿度の高い6月は挿し木が最も成功しやすい時期です。なかには発根剤を溶かした水に枝を入れておくだけで、発根してくるものもあります。ゼラニウム、アジサイ、ローズマリー、セージ、ラベンダーなどは根がつきやすいので、ぜひチャレンジを。
バラの花がら摘み(花後の剪定)

5月上旬から次々に美しい花を咲かせてくれたバラ。早咲き種はすでに終わり、遅咲き種もそろそろ花期の終わりを迎える頃です。この時期に大切なのが、花がら摘みです。咲き終わった花の数節下で、剪定を兼ねて切り戻しておきましょう。美観上もありますが、四季咲き種はこうすることで二番花が期待できるようになります。一季咲きのオールドローズやつるバラは、花がら摘みのみで剪定は不要です。
クレマチスの花がら摘み&切り戻し

品種が多く、花の色や形が多彩なクレマチス。6月になってもまだ花をつけていますが、咲き終わった花は順次、摘み取りましょう。そのままにしておくと、返り咲きが見られません。人気品種の‘エトワール・バイオレット’や‘プリンセス・ダイアナ’(上写真)は、満開をすぎて花が散り始めた頃、株元近くで切り戻すと、再びつるが伸びて秋にも花が楽しめます。
早咲きのクレマチスの剪定

早咲き〜中間種のクレマチスは、6月が剪定のタイムリミットです。遅咲き種は新梢の剪定の高さで、次の開花までの期間を調節することができます。下から2〜3節残して剪定(強剪定)すると約60日後、花の下1〜2節で剪定すると(弱剪定)約40日後に開花します。2回目も花をたくさん咲かせたいなら強剪定のほうが向いています。また、鉢植えから地植えにするのも剪定後のこのタイミングが適期です。
蒸れ防止にハーブの枝すかし

気温の上昇とともにハーブが急速に生育してきます。梅雨入り前までに一度、枝をすかしてスッキリさせておくと、蒸れずに夏以降も丈夫に育ちます。ローズマリーのような樹木は根元から枝をすかすように数本切ります。ミントやタイムなどは根元を10cmほど残してバッサリ切ってOK。特に木立ち性のタイムは、伸びすぎないようにこまめに刈り取らないと、内側から次第に枯れ込んできます。

これらのハーブは萌芽力が旺盛なので、梅雨明け頃には再び新芽が伸びてきます。剪定枝は料理やバスタイムに使えますし、挿し木にもできます。
ツツジやアジサイの剪定

ツツジやアジサイなどは、花が終わった直後に剪定します。というのも、来年の花芽は早くも夏から秋に形成されるので、その前に剪定しないと翌年の花数に影響が出るからです。夏にボサボサに茂ってしまったからといって、秋になってから樹形を整えようと枝を切ると、花芽まで落としてしまいます。花芽を落とさないタイミングで、剪定しましょう。

クリスマスローズの花がら摘み&タネの採取

クリスマスローズは「花」と呼んでいる部分は本来、萼片(がくへん)です。ですから、花びらのように開花後に散ることがなく、ずっと残っていますが、そのままにしておくとタネをつけて株の体力が失われます。タネを採取する場合も6月までには採取を終え、採取しない場合にはもう少し早めに5〜6月までには花がら摘みをしましょう。

クリスマスローズのタネのサヤが茶色くなっていたらタネの収穫のタイミングです。花首ごと切り取り、中を開いてタネを取り出しましょう。表面がヌルヌルしているので、水洗いしてヌメリを取ってからキッチンペーパーなどでよく水気を切ります。名前が分からなくならないよう名前を記した不織布などに包んで、水はけのよい日陰を選んで20cmほどの深さに埋め、秋のタネ播きの時期まで保存します。
雑草取り・自家製堆肥を作る
梅雨時にはあっという間に雑草が生い茂ります。雨の晴れ間をみて、こまめに抜きましょう。病害虫の発生を予防するためにも、雑草取りは大切な作業です。今月の庭作業で出た剪定枝や抜き取った雑草は、庭や菜園の隅に摘み重ねておき、堆肥にしましょう。油粕や完熟堆肥を混ぜ、時々水をかけると、発酵が進んで堆肥化が早まります。こうして作った自家製堆肥を菜園に戻すと、野菜の出来と美味しさが全然違います。もちろん、花壇にも使えます。
ベリー&チェリーの収穫

ジューンベリーやブルーベリー、ラズベリーなどが次々に熟して色づく頃です。赤い果実は鳥たちが目ざとく見つけて食べてしまうので、鳥に先をこされないためには、早朝、夜明けとともに庭に出て収穫を。サクランボは雨に弱いので、色づいたらお天気を見ながら収穫するとよいでしょう。
梅は用途によって完熟・未熟を使い分け

梅は、リキュールやシロップにするなら、まだ青い未熟果のうちに収穫しましょう。ジャムや梅干しにするなら、黄色くなった完熟果のほうが向いています。アンズは傷みやすいので、完熟の少し前に収穫して調理します。
アンズのシロップ漬けの作り方はこちら。
らっきょう漬け

らっきょうが収穫どきです。らっきょうは塩水漬けを作っておくと、甘酢漬けやオリーブオイル漬けなど、その後いろいろにアレンジできます。皮をむくのが少々時間がかかりますが、作り方はいたって簡単です。
<らっきょうの塩漬け>
材料/らっきょう1kg・粗塩70g
- らっきょうを洗って水気を切り、重ならないようにザルに広げて乾かします。
- 一粒ずつ滑らかな表面が出るまで薄皮をむきます。
- 根と芽を切ります。
- ホウロウ容器にらっきょうと塩を入れて、全体になじませます。
- 水を3カップ注いで皿などで重しをし、フタをして冷蔵庫へ。1週間後から食べられます。
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
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