冬から春が見頃のおすすめ植物で庭を彩ろう!

地植えの庭では多くの植物が休眠し、寂しくなりがちな冬。でも、花がある暮らしを長年続けてきたベテランガーデナーは、冬でも花を絶やさない育てて嬉しい植物を知っています。ここでは、千葉県在住の橋本景子さんが近年育てている、冬から春をつなぐおすすめの植物と栽培の工夫をご紹介します。
目次
橋本さんが丹精する庭の冬

私の庭の代名詞ともいえる階段庭は、午後の陽がほんの少ししか当たらない半日陰の庭です。アーチやパーゴラに誘引した日陰にも強いバラ以外、地面で育っているものは、山紫陽花を中心に、ギボウシ、シダ、フウロソウなどの宿根する山野草が多く、晩秋以降はひっそりと静かな、地上部は枯れた庭になります。
昔から大好きだったクリスマスローズに加えて、ここ数年、ビオラやパンジーの魅力にどっぷりと浸り、さらには小球根の栽培も楽しくて、ポットの数は年々増える一方です。階段庭がもし日当たりのよい場所だったら、地植えができてどんなによかっただろうといつも思うのですが、それはあくまでも無いものねだり。地植えを諦めて毎年小さなポットや寄せ植えで楽しんでいる私の庭の、冬から早春のポッティングガーデンをご紹介します。
おすすめ植物1 ビオラ

ビオラはポットでの栽培がほとんどです。たくさんの種類を育てたいので、ちょっとかわいそうなのですが、まずは小さいサイズのポットに植え込みます。

そして、午前中は朝日が当たる玄関周りに、午後になると今度は西日が当たる裏庭のほうへと移動させたり。なるべく日に当ててあげたくて移動することも多いので、コンパクトなポットのほうが取り扱いやすいのです。大きく育ってきたら鉢増しをします。


寄せ植えにする場合も、ビオラばかりを植えたり、複数のポットを並べて寄せ植え風にしたり。色合わせも楽しんでいます。

賑やかな寄せ植えの横には、すっきりとしたフォルムと色を楽しむシンプルな植物を置くのもテクニックの一つです。
階段庭に置いた紫のヌーヴェルヴァーグの寄せ植え(写真右)は、ヘーベとケールを合わせたひと鉢。

アンティークのスーピエールは穴があいていない器ですが、雨の当たらない場所に置いて、水が切れて株がしんなりしてきたら灌水するくらいのタイミングでも十分育ちます。

リング形のバスケットに、あまり大きくならない草花たちをぎゅーっと詰め込んでバランスよく植え込みました。5株のビオラを使っています。

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おすすめ植物2 クリスマスローズ

クリスマスローズは日陰にも強く、我が家の庭の環境でも地植えで何の問題もありません。ですが、極小の庭で育てるには葉っぱが大きくて他の植物とのバランスが難しく、花が終わると持て余して、ついつい邪魔者扱いしがち。ですので、クリスマスローズは、ポット植えで育てています。

順番に咲いてますが、開花期間はそんなに長くはないので、咲きそうなものから表舞台に移動し、終わったらまたバックヤードに引っ込めます。
夏場は自動灌水装置をつけて北側のバックヤードで暑さをしのぐという、自転車操業のような極小スペースでのやりくりなので、灌水装置の最大数以上には絶対に増やせないというのが我が家の鉄則。ここ最近は新しいクリスマスローズの購買欲もだんだん薄れてきました。
おすすめ植物3 ハボタン

ハボタンはお正月に欠かせない植物というイメージがありますが、最近は色や形もさまざま。丸葉系やちりめん系、切れ葉、メタリックなものや、フレアのものと、年々新品種も登場しています。なかでも私がよく使うのはコンパクトサイズのハボタンで、お正月の寄せ植え用に、毎年必ずたくさん購入しています。

毎年挑戦しているのはリース仕立てです。その年に買えるハボタンで作るので、毎回表情が違って面白いものです。
ハボタンは植え付けの際に根の周りの土をかなり取ってしまっても大丈夫。初心者にも扱いやすい植物だと思います。
この時期のリースは水切れの心配も少なく、根付いてしまってからはむしろ水やりは控えめに。でも、霜や寒風にさらされないよう、置き場所を選ぶことは重要です。

リース用に買って余ったハボタンは、小さな器に植えこんで楽しみます。小さなポットには土付きのままで、透明なグラスを使う場合は、ポットから出して根っこを水洗いし、盆栽用の苔で巻けば美しい仕上がりに。水抜き穴のない食器などを利用する際にもこの方法で、水を控えめにコントロールすればよいだけです。
ハボタンの寄せ植えはお正月のイメージが先行しますが、こういう使い方をすれば、応用が効きますね。
おすすめ植物4 シクラメン

意外と難しくて、すぐにダメにしてしまうのがシクラメン。
ギフト用など、屋内栽培向けに販売されているシクラメンは、「すぐに枯らしちゃった」という方が多いのではないでしょうか?
シクラメンは、レースのカーテン越しに薄日が当たるような窓辺が好きなのですが、夜間の寒さには弱く、暖房の風も嫌いという、環境にわがままな植物です。今の住宅事情では、とても対応しにくいかもしれません。

屋外栽培向けのガーデンシクラメンも、室内用のものに比べれば耐寒性は高いものの、私が住む千葉県では、霜でダメになってしまうものが多いようです。
寒さに強く地植えでも大丈夫な種類は、コウムやヘデリフォリウムなど原種系のシクラメンで、夏の暑さも平気です。
シクラメン「シルバービューティー」

ガーデンシクラメンの中でも、私が一番信頼しているのは、シルバーの葉色が美しい「シルバービューティー」。
ここ数年必ず買う定番で、屋外で一冬過ごしますが、花は少なくなっても寒さで葉が茶色くなったり、溶けたりすることもなく、とても丈夫です。
シクラメン「天使のはね」

原種のシクラメンとの交配で、2019年にデビューしたシクラメン「天使のはね」もに比較的強い品種です。軒下などに置いておけば越冬しますが、強い寒風などには弱いようで、注意は必要です。
シクラメン「かがり火」

「かがり火」、尖った切れ弁の花びらや暴れる葉のナチュラルさが魅力の、大好きなシクラメンです。
シクラメンの和名『篝火草(かがりびばな)』そのものの、まさに火を感じさせるフォルムの花ですが、毎年あまりにも流通が少なくて、あちこち探し歩いています。私のような根強いファンがいることを、ぜひ生産者の方々に知っていただきたいと思います。

ご紹介した鉢植えや寄せ植えにおすすめの植物は、庭がなくても育てられます。この時期にしか出会えない冬が見頃の植物で、花咲く暮らしを楽しんでみませんか?
Credit
写真・文/橋本景子
千葉県流山市在住。ガーデングユニットNoraの一人として毎年5月にオープンガーデンを開催中。趣味は、そこに庭があると聞くと北海道から沖縄まで足を運び、自分の目で素敵な庭を発見すること。アメブロ公式ブロガーであり、雑誌『Garden Diary』にて連載中。インスタグラムでのフォロワーも3.
Noraレポート https://ameblo.jp/kay1219/
インスタグラム kay_hashimoto
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