「まだこんなに咲いているのに、切ってしまっていいの?」ペチュニアの切り戻しで、多くの人が迷うのがこのタイミングです。花がたくさん咲いていると、そのまま楽しみたくなりますが、梅雨前のペチュニアは蒸れや雨傷みで一気に株姿が崩れやすい時期。枝が伸びすぎたり、株元の葉が黄色くなったりしているなら、切り戻しのサインかもしれません。これから長く咲かせるために、梅雨入り前にやっておきたいペチュニアの切り戻しと管理のポイントを花のプロ、エム・アンド・ビー・フローラの難波良憲さんにペチュニアの切り戻しを教わります。上手に夏を越せば、秋まで開花が楽しめますよ!
目次
ペチュニアってどんな植物?

ペチュニアは暑さに強い一年草で、品種が多く鉢植えや寄せ植えなどで親しまれています。枝垂れたり、カーペットのように這って育ったり、こんもり茂ったり、大輪、小輪、八重咲きなど、さまざまな品種があり、成長が早く丈夫なので、初心者にもおすすめです。春から秋まで長期間花が楽しめますが、春から育ててきた株は大きく育って、多少姿が乱れてきているものもあるでしょう。そこで、行いたいのが「切り戻し」です。
切り戻しの必要ない最新品種も
ただし、すべてのペチュニアに必ずしも切り戻しが必要とは限りません。近年はペチュニア‘YESシリーズ’のように、切り戻さなくても株の中心からも枝が分枝して、いつまでもこんもりドーム状の美しい株姿を保ってくれる品種もあります。

切り戻しが必要なのは、成長してきて株の中央の花つきが悪くなり、だらんと伸びた茎の先にしか花が咲かなくなったペチュニアです。難しく考えなくても、以前はふわふわきれいに咲いていたのに「なんか可愛くないな」と思った時が切り戻しのその時です。梅雨前に切り戻してあげれば、ちゃんとまた可愛い姿になってくれるので、「おや…?」というあなたの違和感を見逃さないのが大事。
切り戻しとは「可愛い」を取り戻す作業
切り戻しとは、大きく成長した植物を剪定し、草丈を低くしたり、混み合った枝を減らすこと。こうすることで、大きくなって乱れた姿や風通しの悪さなど、悪化した生育環境が一度リセットされ、元の美しい姿や良好な環境に戻るため「切り戻し」といわれます。つまり、「可愛い」を取り戻すのが切り戻し。

ペチュニアは夏の暑さにはとても強いですが、ジメジメとした湿気が苦手。ですから、梅雨時期に風通しのよい状態で過ごさせてあげるために、梅雨前に切り戻しが必要なのです。もし、まだ切り戻しをしていなければ、梅雨の晴れ間を狙って切り戻しをしましょう。切り戻しをして梅雨さえ快適に乗り越えることができれば、ペチュニアは暑さには非常に強いので、梅雨明け2週間程度で再びこんもり茂って秋遅くまで花を楽しむことができます。逆に切り戻しをしないと、梅雨時期に弱ってしまい、暑さに向かってどんどん傷みが進んで、本来の美しい姿を楽しむことができません。まだ花がたくさん咲いていてもったいないような気がすると思いますが、長く美しいペチュニアの花姿を楽しむためにも、梅雨前に切り戻しをしましょう。
ペチュニアの切り戻しの仕方
Step 1

まずは鉢縁に沿って、ざっくり茎を切っていきます。この時点で、茎のどこを切るなどは気にしなくてOK。
Step 2

鉢の中央のほうの茎も、Step 1と同じくらいの草丈に切ります。
Step 3

株の下のほうの茎を見ると、葉っぱのすぐ横からもう1枚小さな葉が発生している箇所があります。それが脇芽(わきめ)です。その脇芽のすぐ上で切ります。
Step4

ここまでの段階で、株の内側や下側をめくるようにして見ると、黄色の葉や茶色く枯れた葉があります。そうした葉はそのままにしておくとカビが発生したり病気の原因になるので、この時点で取り除き、土の上もきれいにお掃除しておきましょう。
Step5

花が終わった後のサヤも残さず取り除きましょう。サヤの中にはタネが入っており、そのままにしておくとタネのほうに株の体力を使ってしまいます。梅雨明け後に再び開花するための体力を温存するために、サヤは切り戻し時に取り除いておきます。

切り戻し後の管理
【置き場所】日当たりと風通しのよい場所に置きましょう。雨が続く場合は、軒下などに移動して湿気に注意しましょう。

地表付近の気候のことを微気候といい、10cm程度でも植物にとっての風通しは変わります。鉢植えの場合、鉢を地面より少し高い場所に置くだけでも風通しがよくなるので、花台などを使って高さを上げるといいでしょう。花台を置くスペースがなければ、鉢の底に挟み込むように使う「ポットフィート」というグッズも便利です。
特に、底部がぴったり接地するような鉢の場合は、「ポットフィート」を使って鉢と地面の間に空間をつくることでも風通しがよくなります。

【肥料】梅雨の最中にはあまり生育せず、梅雨が明けると再び生育が活発になります。梅雨が明けたら液肥を定期的に与えて、株を再び生育させましょう。一般に固形肥料は効き目が緩やかで、液肥は即効性があります。切り戻し後のペチュニアには即効性のあるものが向いています。
【水やり】葉っぱが少なくなった株は、葉からの蒸散も少ないため、切り戻し前より水を必要としません。表土が乾いたのをしっかり確認してから水やりをしますが、この時期は雨も多いので、やりすぎによる根腐れのほうに気をつけましょう。

ペチュニアのほかに、生育旺盛なカリブラコアやハーブ類なども梅雨前に切り戻しをすることで、梅雨明け後から再びきれいに生育します。
切り戻しは、植物の生育期に行う作業です。生育が衰える時期に向かっているタイミングに切ると、生育せずに花がない状態になってしまうので、ペチュニアの場合は夏以降は切り戻しはしないほうがよいです。ペチュニアに限らず、切り戻しをする場合は、生育期や開花期を確認してから行いましょう。
動画でも切り戻しをご紹介しています!
Credit
アドバイス / 難波良憲(なんば よしのり)

八ヶ岳にある種苗メーカー「エム・アンド・ビー・フローラ」に勤務。膨大な植物の知識を生かし、花の個性を生かしたブーケのように華やかな寄せ植えが好評。ブーケ作りも得意。同社のショップ(現在はクローズ)での店長を担当しつつ、寄せ植え教室を開催。現在は、同社インスタグラムを通じて、季節毎の華やかな寄せ植えの紹介や、水やりなどガーデニングの基本知識や様々なお役立ち情報の発信を行っている。
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まとめ・写真 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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