八ヶ岳にある種苗メーカー「エム・アンド・ビー・フローラ」に勤務。膨大な植物の知識を生かし、花の個性を生かしたブーケのように華やかな寄せ植えが好評。同社のショップ(現在はクローズ)での店長を担当しつつ、寄せ植え教室を開催。現在は、同社インスタグラムを通じて、季節毎の華やかな寄せ植えの紹介や、水やりなどガーデニングの基本知識や様々なお役立ち情報の発信を行っている。気になる方はぜひアカウントを覗いてみてください。
難波良憲の記事
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寄せ植え・花壇
【プロが伝授】クリスマス&お正月にも飾れるスキミアの寄せ植え
冬から春にかけて活躍するスキミア 「ドアーフタイプ」のスキミア。左から、レッドドアーフ、ホワイトグローブ、マジックマルロー、セレブレーション。 スキミアはミカン科ミヤマシキミ(スキミア)属の常緑低木。花期は春の3月頃ですが、11月頃に花芽ができはじめ、晩秋から冬にかけてプチプチとした赤や緑のつぼみが可愛らしく、クリスマスやお正月の飾りとしてぴったり。樹高は80~100cmほどとコンパクトで、ゆっくり生育するので寄せ植えにも取り入れやすい低木です。葉に白い斑が入る品種や、雌株と雄株を一緒に植えることで赤い実がつく品種など、さまざまな品種があります。 スキミアの赤色を生かす晴れやかな組み合わせの寄せ植え <鉢のサイズ> 約7号(直径約19cm) <使った植物> スキミア 1株 ガーデンシクラメン 2苗 キンギョソウ‘ブランルージュ’ 1苗 ハボタン 2苗 ネメシア 1苗 ワイヤープランツ 1苗 スイートアリッサム 1苗 【組み合わせのポイント】色のつながりを見つけ出そう 寄せ植えの植物の組み合わせを考える際、色のつながりを意識すると上手にまとまります。ここではスキミアのつぼみの赤色と合わせて、赤系の花やリーフを選びました。また、バイカラーのネメシアのクリームイエローと、キンギョソウやワイヤープランツの斑入りの色もつながりがあります。見落としがちですが、この小さなつながりも全体のまとまりに大きな影響を与えます。花や葉といった目立つ部分だけでなく、茎や斑の色、葉脈の色、葉裏の色などもよく観察して、色のつながりを見つけてみましょう。 【配置のポイント】植物の向きを見極め後方から順に 寄せ植えを作るときは、どの方面からどう見るかをまず決めます。一方向的に見るときは、鉢の前後を決めます。全方向的に見る場合は、中央部が最も高くなるように植えていきます。 この寄せ植えでは、鉢の青いラベルがある方を前側として、一方向的に見ることを前提に植えていくので、後方を草丈が高く、前方へ向かって低くなるように後ろから順に植物を配置します。 ① 今回使う花材の中で最も草丈が高いのはスキミアなので、スキミアを最初に鉢の最も後方へ配置します。このとき、植栽するときの苗の「向き」も仕上がりを左右する大事なポイントです。植物は正方形のような整形をしておらず、どこかが高かったり低かったり、ボリュームがあったりなかったり、有機的な形をしています。このスキミアの苗の場合、つぼみのついた枝が5本あり、3本のかたまりと2本のかたまりになっているので、ボリュームのある3本を鉢の後側へくるように配置すると、鉢の後方が最も背が高くボリュームが出てバランスがよくなります。 ② スキミアの次に草丈の高いガーデンシクラメンを鉢の中央両サイドに配置し、株元にハボタンをそれぞれ植栽。ハボタンは中心部のバラのような巻きが見えるように少し前方に傾けて植えます。 ③ スキミアとガーデンシクラメンの間の空間を埋めるようにネメシアを配置します。今回使うネメシアは赤紫と黄色のバイカラーの花が特徴です。全体に赤系の中に少量の黄色が入ることで変化が生まれます。 ④ ネメシアの前方にキンギョソウ、スイートアリッサムを順に植栽し、最前方の鉢縁にワイヤープランツを植栽します。ワイヤープランツは鉢縁の形に合わせて苗を開くようにすると空間を上手に埋められます。 【Point!】植え込む際、苗の根がギュウギュウになっている場合は根をほどきます。その際、苗土を3〜4割落としても大丈夫です。さらに、苗土を水に濡らし、手の中で一旦ぎゅっとまとめてから植え込むと植栽しやすいです。植物によっては根をいじられると弱るものもあるので、特性を確認してから植栽するといいでしょう。 例)クリスマスローズ、クレマチス、ポピーなど直根性の植物は根をいじられるのが苦手。今回使ったスキミアは生育がとてもゆっくりなので、根を傷めると回復まで時間がかかります。あまり根を切ったりしないほうがよいです。 ⑤ 株元に水やりをして完成です。水は上からやると根に行き渡らないことがあるので、株元の土にあげるようにしましょう。 【お手入れ】日の当たる場所に置いて、鉢土が乾いてから水をあげましょう。水のやり過ぎでも植物は傷みます。水をやる際は鉢底から水が流れ出るまでたっぷりあげます。冬の間はあまり生育しませんが、暖かくなると生育が旺盛になるので、定期的に液肥を上げると花色やボリュームを保てます。枯れた花や葉は摘み取りましょう。 【見頃が終わったら】 この寄せ植えの見頃はだいたい3月いっぱいです。スキミアの花が咲いて見頃が終わったら寄せ植えを解体して、植物ごとに養生したり、次のシーズンの寄せ植えに再活用したりもできます。 ●スキミア/一年中、庭に緑を提供してくれる常緑樹です。直射や強い光を好まないので、シェードガーデンの素材として活用できます。 ●ワイヤープランツ/寒冷地以外では一年中緑が楽しめる常緑低木です。他の寄せ植えにも活用できますし、グラウンドカバーにもできますが、地植えの場合は広がりすぎに注意が必要です。 ●ネメシア/6月くらいまで花が咲き続けるので、別の鉢に植え替えて液肥をあげながら楽しみましょう。宿根性のネメシアの場合は風通しのよい場所に置き、多湿にならないように気をつければ夏越しし、再び10月くらいから花が楽しめます。 ●ガーデンシクラメン/一年草扱いのことも多いですが、来年以降も楽しむ場合は、別鉢に球根の上部が表土の上に出るように植え替え、風通しのよい雨の当たらない場所で管理します。梅雨前までは日当たりの良い場所で、梅雨以降は明るい日陰へ。 ●ハボタン/一年草扱いのことも多いですが、来年以降も楽しむ場合は、別鉢に植え替えます。春になると中央から花芽が上がってきて菜の花のような花が咲きます。それを下の方で切ると株元から分枝して、新芽が秋に色づきます。 ●キンギョソウ‘ブランルージュ’/5月まで美しい葉色が楽しめる一年草です。 ●スイートアリッサム/一年草のものもありますが、暑さにも寒さにも強く一年中開花する強健種もあるので、別の寄せ植えに使ったり、地植えでカーペット状に咲き広がらせてもよいでしょう。 スキミアの寄せ植えバリエーション ヒューケラやカルーナ、ハボタンなどカラーリーフをたくさん使った寄せ植えです。冬はこれらのカラーリーフは寒さで発色が鮮やかになり、寄せ植えの名脇役として活躍してくれます。 <鉢のサイズ> 約7号(直径約19cm) <使った植物> スキミア 1株 ガーデンシクラメン 1苗 エリカ 1苗 ハボタン 3苗 カルーナ 1苗 ヒューケラ 1苗 スイートアリッサム 1苗 ミカニア・デンタータ 1苗 葉っぱや花のフォルムの違いも寄せ植えのポイントです。 スキミアは冬の花材のなかでは草丈が高く、このような高さのある鉢とのバランスがよい植物。高さのある寄せ植えは存在感が出て、玄関前を飾るのにぴったりです。同じ寄せ植えを2つ作って門扉の前に対で置くと、よりフォーマルな雰囲気になり品格を演出できます。対で置く場合、左右対象になるよう植物の配置を変えるとよいでしょう。 <鉢のサイズ> 約7号(直径約19cm) <使った植物> スキミア 1株 パンジー 1苗 エリカ 1苗 プリムラ 1苗 カルーナ 1苗 ヒューケラ 1苗 ワイヤープランツ 1苗 スキミアと個性的なカラーのパンジー、カラーリーフを組み合わせました。パンジーの花色やヒューケラの葉脈の色もスキミアとつながりがあります。明るいベージュの鉢を選んで軽やかな雰囲気に。 <鉢のサイズ> 約7号(直径約19cm) <使った植物> スキミア 1株 パンジー 1苗 オレガノ‘ミルフィーユリーフ’ 1苗 キンギョソウ‘ブランルージュ’ 1苗 カルーナ 1苗 ヒューケラ 1苗 ワイヤープランツ 1苗 ミカニア・デンタータ 1苗 スキミアを使った寄せ植えを複数集めて飾りました。鉢の周りにLEDのイルミネーションライトを巻きつけたり、松ぼっくりを置いてみたりすると、よりクリスマスらしいワンコーナーになります。金色や銀色の水引きを飾れば、お正月の雰囲気にもなります。スキミアの寄せ植えで晴れやかな年末年始をお迎えください。
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寄せ植え・花壇
【パンジー&ビオラ】フリル系から極小輪、枝垂れ系、オールドパンジーまで多彩な花で冬のかわいい鉢植え
人気品種のパンジー&ビオラは今が買いどき! パンジー&ビオラは秋から春までおよそ半年間、花を咲かせてくれる花期の長い一年草です。秋冬の間は病害虫の心配もなく、鉢植えでも地植えでも日当たりのよい場所で水をあげさえすれば、誰にでも難なく育てられるので、ガーデニング初心者にもおすすめ。苗は秋から店頭に並び始め、初春まで販売されますが、人気品種は年内にはなくなってしまうことが多いため、今が買いどきです。 パンジー&ビオラの人気の秘密 繊細な花色が揃う‘夢見るパンジー’シリーズ。 近年のパンジー&ビオラは、その色の進化が芸術的。水彩画のようににじむような色合いや、透明感のある繊細な色合いが多くありますが、繊細ゆえに個体差があり、同じ名前の花でも1株ずつ微妙に表情が異なります。ですから、できるだけ店頭で実物を見て買うのがおすすめ。この時期は花との運命的な出会いを求めて何軒もお店をめぐる‘パンジーハンター’の姿も珍しくありません。また、色のバリエーションだけでなく、極小輪や這って枝垂れ咲く、株姿が個性的な品種も注目を浴びています。加熱するパンジー&ビオラ人気の秘密を深掘りしてみましょう。 ひるがえる花弁の裏側が別色のコントラストバイカラー ボルドーカラーの花弁の裏側が白色の‘夢見るパンジー わんだーしぇーど’の一品種。 近年その人気を不動のものにしているのは花弁がひるがえるフリル系のパンジーですが、ただフリフリしているにとどまらず、その特徴を最大限に生かしたカラーが、コントラストバイカラーです。ひるがえった花弁の裏側が表とは別の色をしており、そのコントラストの差が大きい花は、1株でとてもおしゃれな雰囲気。1輪のなかに2色入るものをバイカラーと呼びますが、寄せ植えでもその色を目安に他の植物を選ぶと、必ず素敵にまとまるのでおすすめです。 花弁の縁が彩られるピコティ ピコティの特徴を持つ‘夢見るパンジー れいんぼーしぇーど’シリーズ。 花弁の縁に別色が入る花をピコティ(覆輪)と呼びます。花の形がくっきりと浮き上がるとともに、色のコントラストによって繊細ながら華やかな印象で、他の花と合わせても目を引く存在。ピコティは斑入りの現象の一つで、糸で細く縁をかがったようにクッキリと入る場合もあれば、水彩で色をにじませたようにフワッと入ることもあるので、店頭でお気に入りを探す楽しみがあります。 対照的なアンティークカラー&ブラッシュカラー アンティークカラーの‘夢見るパンジー はっぴーしぇーど’の一品種。 アンティークカラーとは少しくすんで落ち着いたトーンのカラーをいいます。経年変化し味が出たアンティークのような品があり、クラシカルで大人っぽい雰囲気が魅力です。 ブラッシュカラーの‘夢見るパンジー わんだーしぇーど’の一品種。 対してブラッシュカラーとは頬を染めたようなピンク色がサッと入るカラーリング。幼子の頬を思わせる愛らしく若々しい雰囲気があり、ガーデンを明るく彩る効果があります。 花径1〜2cmの極小輪系ビオラ ビオラ‘リトルコニー 夜空ノムコウ’ ゴージャスなフリル系のパンジーが人気を不動のものにする一方で、人気急上昇中なのが花径1〜2cmの極小輪系ビオラ。小さいものに惹かれるのは清少納言の時代からの日本人の特徴かもしれませんが、小さいながらも個性的な色合いの花に注目が集まっています。 ビオラ‘リトルコニー ライトブルー’ 極小輪系ビオラは花つきが非常によく、一輪は小さいながらも株のボリュームが出るのも特徴で、地植えでも鉢植えでも華やかになります。地植えではクリスマスローズなどの宿根草の足元を彩るのにも向いています。 這って枝垂れて、華麗な株姿のパンジー パンジーの中では珍しい這性を持つ‘プレンティーフォール’。 パンジー‘プレンティーフォール’は這うように広がる特徴で、他のパンジーとは一線を画す品種です。地植えにすると株幅なんと60cmにもなる驚異的な株張り力をもち、ハンギングにすると滝のように枝垂れ咲き、ふわんふわんの花かごができます。少し高さのある花壇やハンギング、鉢植えにするとこぼれ咲く姿が楽しめます。 絶対かわいい寄せ植えの鉄則「パンジー&ビオラ×カラーリーフ×実もの」 アンティークカラーのパンジー‘夢見るパンジー はっぴーしぇーど’を使った寄せ植えです。一輪のなかに微妙な濃淡があるので、その色から大きくずれないように他の植物を選びました。そして、組み合わせの絶対法則といってもよいのが、形の違いの差をつけること。特にカラーを同系色でまとめた場合は、形が異なるものを組み合わせると変化に富んだ見応えのある寄せ植えになります。そこで覚えておきたい組み合わせが「パンジー&ビオラ×カラーリーフ×実もの」のコンビネーション。これらが入っていれば、冬の寄せ植えは必ず可愛くなる絶対法則です。 写真左上から時計回りに■パンジー‘夢見るパンジー はっぴーしぇーど’/バイオレットのグラデーションカラーで、下の花弁に濃い色のベイン(筋のようなライン)が入ります。中輪〜小輪なので、他の花との寄せ植えに使いやすいです。■キンギョソウ‘ブランルージュ’、パンジー■カルーナ、ハツユキカズラ、スイートアリッサム■チェッカーベリー、ワイヤープランツ このほかに、鉢の後方にヒューケラと同系色のパンジーを植栽しています。 秋冬は植物がぐんぐん生育する時期ではないので、このくらいギュッと詰め込んで植えても問題ありません。春以降、株が生育して窮屈そうになってきたら、分解して2鉢に寄せ植えに作り直すのも楽しいですよ。 さまざまなカラーが入る場合でも、「パンジー&ビオラ×カラーリーフ×実もの」の組み合わせは可愛くまとまります。この寄せ植えではカラーリーフにヒューケラと黒いハボタンを使っています。ヒューケラは葉が平らで比較的大きいので、鉢縁に配置すると効果的です。実もののチェッカーベリーも実がこぼれるような姿が可愛いので鉢縁が定席。 古くから愛されているオールドパンジーもおすすめ パンジーの原種となった三色スミレを思わせる補色対比がかわいらしいビオラ‘ソルベ XP’シリーズ。 個性を競い合う近年の流行の一方で、昔から親しまれているオールドパンジーもおすすめ。丸くて整った花形は愛らしく、寄せ植えにしなくてもこの通り単植でこんなに可愛らしいのも魅力です。何十年も変わらず愛されるのには理由があり、花形や色合いにバラつきがなく、丈夫で株張りに優れ、価格が比較的安価で入手しやすいことから、オールドパンジーはガーデナーから厚い信頼を寄せられる花です。 花径9cmの巨大輪パンジー‘インスパイアデラックス ホワイトブロッチ’。 ブロッチと呼ばれる花心の模様が顔のように見える花もオールドパンジーの一つ。大輪のものが多く、ガーデンでの存在感は抜群です。オールドパンジーは性質が丈夫だからこそ古くから残っており、生産しやすいため安価に提供ができます。パンジー&ビオラの育苗は真夏の最も暑い時期にハウス内で行われるため、生産者さんの環境は年々過酷なものになっています。オールドパンジーは耐暑性に優れ、株張りがよく、徒長しづらい特性なので、過酷な暑さの中で育苗する生産者さんも安心して生産できる花であるということも、花選びの参考になるかもしれません。もちろん、愛好家の庭でもその魅力を十分に発揮してくれますよ。 パンジー&ビオラを上手に育てるコツ ■場所/日当たりがよく水はけのよい場所。水やりをしたときに水たまりが数十分以上残ってしまうような土は水はけが悪いです。春以降は特に株が茂ってくるので、鉢植えは風通しの良い環境に置きます。 ■土/鉢植えの場合は元肥入りの培養土に植えましょう。地植えの場合も元肥を施すと生育が良好です。 ■水やり/地植えは基本的に自然の降雨に任せます。プランターは土がかわいたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりあげます。 ■手入れ/花がら(しぼんだ花)があったら、タネになる前に都度摘み取ると、株の寿命が長くなり、次々に花を咲かせます。春以降は頻回になります。 ■肥料/春以降生育旺盛になったら定期的に液肥を与えると生育がよくなります。 協力/エム・アンド・ビー・フローラ https://www.instagram.com/m_b_flora_official/
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寄せ植え・花壇
【プロが動画で解説】たった2種でかわいい! 秋冬のかんたん寄せ植え
フレンチマリーゴールド×ケイトウの寄せ植え フレンチマリーゴールド‘ファイヤーボール’とケイトウ‘イエローテイル’の2種を組み合わせました。丸い花形のファイヤーボールに対し、ツンツンとした花形のケイトウを組み合わせることで、互いの個性が引き立ちます。異なる個性を持つ一方で、花色はどちらも暖かみを感じさせるヴィヴィッドな色合いで、草丈は20〜30cmという共通点も寄せ植えにまとまりを出す大事なポイント。どちらか一方の花色が淡すぎるとボヤけた印象になってしまいますし、どちらか一方の草丈が高すぎると間が抜けてバランスが悪くなります。 フレンチマリーゴールド‘ファイヤーボール’は、気温が下がるにつれ花色が赤く濃くなり、シックなワインレッドに変化していく様子が魅力的な花です。ケイトウには草丈が50cm以上と高くなる品種もあるので、組み合わせる植物とのバランスに注意して選びましょう。 【植え方のポイント】 7号ポット(直径約21cm)にそれぞれ3株ずつ、計6株を植栽しています。配置はそれぞれの花で三角形を作るようにします。 植栽前には株をよくチェックし、枯れた葉や花は取り除き、根が回っていたらほぐしてから植栽します。秋冬は寒さで生育がゆっくりなので、ギュッと詰め込むように植えても問題ありません。植え込んだら葉や花をなじませるように微調整します。 元肥入りの草花用培養土を用いると花の見頃が長持ちします。最終的な土の量は、鉢の縁から2〜3cmほど下に位置するようにします。この隙間は水やりをしたときに土が流れ出ないための「ウォータースペース」と呼びます。 【植栽後のお手入れ】 ■置き場所/どちらも日当たりを好む植物なので、日の当たる場所で管理しましょう。 ■水やり/表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまで水やりをします。花に水がかからないように株元に水をやりましょう。 ■施肥/液肥を定期的に(2週間に1回程度)やると花色や花もちがよくなります。 ■花がら摘み/枯れてきた花は美観の維持と病害虫を防ぐために摘み取りましょう。 ■花後/どちらも一年草なので見頃は1シーズンです。花が終わったら抜き取りましょう。抜き取った後の土にそのまま次の花を植えるのは避けましょう。元の土の団粒構造や栄養バランスが崩れていたりするため、うまく育ちません。再生材などを利用して再生させるか、廃棄します(地域によっては土のリサイクル施設がある場合もあるので確認してみてください)。 フレンチマリーゴールド×アルテルナンテラの寄せ植え フレンチマリーゴールド‘ファイヤーボール’とアルテルナンテラ‘マーブルクイーン’の2種の組み合わせです。こちらは‘ファイヤーボール’を中央に、草丈の低い‘マーブルクイーン’を鉢縁にぐるりと植栽。どちらも一年草なので、植栽後の手入れなどは上記を参考に。植え方のコツは動画で解説しています。 ポットマム×アルテルナンテラ・ポリゲンスの寄せ植え ガーデン用のキク、ポットマム‘ダンテ サーモン’とアルテルナンテラ・ポリゲンスの2種を組み合わせた寄せ植えです。ポットマムの花心の色とアルテルナンテラの花色を合わせました。アルテルナンテラ・ポリゲンスは一年草のセンニチコウによく似ていますが、耐寒性多年草で寒くなってからも花が楽しめます。ポットマムも多年草で、どちらも来年以降も繰り返し花を咲かせるコスパのよい素材です。どちらも30〜40cmの草丈は、買った最初の年限りで、来年以降はより大きくなります。 【植え方のポイント】 7号ポットにそれぞれを3株ずつ植栽しています。そのまま植えるのではなく、1株を株分けして小さくするのがポイント。ポットマムもアルテルナンテラ・ポリゲンスも、1ポットに2株ずつ入っていることが多いので、根元を見て分かれやすいところで分割します。小さくすることで細かく入り混じらせて植えることができ、仕上がりにまとまりが出ます。 ポットマムの大きな下葉は寄せ植えしたときに邪魔になるので、あらかじめ取り除いておきます。 こちらは株分けしないで植栽した寄せ植え。花色の組み合わせは可愛いのに、まとまりがありません。惜しい! 【植栽後のお手入れ】 ■置き場所/どちらも日当たりを好む植物なので、日の当たる場所で管理しましょう。 ■水やり/表土が乾いたら鉢底から水が流れ出るまで水やりをします。花に水がかからないように株元に水をやりましょう。 ■施肥/液肥を定期的に(2週間に1回程度)やると花色や花もちがよくなります。 ■花がら摘み/枯れてきた花は美観の維持と病害虫を防ぐために摘み取りましょう。 ■花後/どちらも多年草で、この大きさは買った最初の年限りです。来年以降は草丈が50cm以上になるので、地植えにするか、より大きい鉢で栽培するとよいでしょう。
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寄せ植え・花壇
【プロのおすすめ夏花8選!】暑さに強くローメンテナンスで夏から秋までよく咲く花
真夏におすすめの花① ビデンス‘ブレイジング リングオブファイア’ 学名/Bidens ferulifolia種類/非耐寒性多年草開花期/4〜10月草丈/25〜30cm 株張り/25〜30cm ビデンスはもともと連続開花性に優れ、次々に花を咲かせてくれる多年草です。やせ地でもよく育つ丈夫な花で、たくさんの種類があります。秋から冬にかけて咲くものはウィンターコスモスの名前でも知られますが、この花は春から秋にかけて咲くグループのビデンスで、耐暑性に優れた新品種。ビデンスには黄色の花が多いなか、赤色が鮮やかで花心に向かって黄色くグラデーションになる美しい発色が魅力です。酷暑期にはいったん開花は途絶えますが、ひと休みすることで、秋にまたたくさんの花を咲かせてくれます。 真夏におすすめの花② バーベナ‘バネッサコンパクト’、‘ファイヤーハウス’ 学名/Verbena peruviana種類/非耐寒性多年草開花期/4〜10月‘バネッサコンパクト’ 草丈/20〜25cm 株張り/25〜30cm‘ファイヤーハウス’ 草丈/20〜30cm 株張り/35〜50cm バーベナは真夏の炎天下でも生育旺盛で、春から晩秋までよく咲きます。たくさんの品種がありますが、それぞれ株の大きさや這性・直立性など異なる特徴を持っています。 ‘バネッサコンパクト’は草丈が低くコンパクトながら、分枝性に優れ、間のびすることなくきれいな株姿にまとまります。鉢植えや寄せ植えに向いています。 ‘ファイヤーハウス’はバーベナがかかりやすいうどんこ病への耐性を備えた品種で、耐暑性にも非常に優れています。鉢植えなら6〜9号程度の大鉢や庭植えに向いています。‘ファイヤーハウス ペパーミント’は赤と淡いピンクがストライプになる愛らしい花です。 真夏におすすめの花③ サルビア‘ローマンレッド’ 学名/Salvia splendens×darcyi種類/耐寒性多年草開花期/6〜11月草丈/40〜60cm 株張り/50〜70cm 宿根サルビアと掛け合わせたハイブリッド種。一般的なハイブリッド系統は株が100cm以上に大きくなるものが多いなか、比較的コンパクトで庭植えでも鉢植えでも使い勝手のよい品種です。花と軸が赤く、緑の葉とのコントラストが美しい花姿は庭での存在感も抜群です。小さい苗のうちは寄せ植えでも使えます。大きくなってきたら地植えにすると、毎年庭を鮮やかに彩ってくれます。 ビデンス、バーベナ、サルビアを使った赤の寄せ植え 上でご紹介した花を使った寄せ植えです。赤い花に合わせて、カラーリーフのコリウス‘バレッティ リラ’とアルテルナンテラ‘パープルプリンス’を加えました。同じ組み合わせを地植えしても、夏から秋まで美しい彩りを庭にもたらしてくれます。 【使った植物】 ビデンス‘ブレイジング リングオブファイア’ バーベナ‘バネッサコンパクト レッド’ サルビア‘ローマンレッド’ コリウス‘バレッティ リラ’ アルテルナンテラ‘パープルプリンス’ 真夏におすすめの花④ ジニア‘ダブルザハラ’、‘クィーン’ 左/‘ダブルザハラ’ラズベリーリップル 右/‘クィーン’ライム 学名/Zinia marylandica(ダブルザハラ)、Zinia elegans(クィーン)種類/非耐寒性一年草開花期/6〜10月‘ダブルザハラ’ 草丈/40〜50cm 株張り/20〜30cm‘クィーン’ 草丈/50〜60cm 株張り/20〜30cm 開花期間の長さから「ヒャクニチソウ」の名前で古くから親しまれるジニア。‘ダブルザハラ’は大輪のダブル咲きで、庭を華やかに演出してくれます。耐乾性・耐暑性に優れ、真夏の直射日光下でも美しく発色します。 ‘クィーン’は花弁数が多く、花径は5〜6cm、地植えでは草丈が50〜60cmほどになります。ガーデンではもちろん、寄せ植えや切り花としても夏中楽しめます。 真夏におすすめの花⑤ ビンカ‘ミニナツ ホワイトチェリー’ 学名/Catharanthus roseus種類/非耐寒性一年草開花期/5〜10月草丈/約30cm 株張り/約70cm ニチニチソウの名でも知られるビンカ。‘ミニナツ’は高温多湿の環境に強い小輪のビンカで、2cmほどのかわいい花が真夏も休むことなく咲き続けます。地植えの場合、1株で株張りは70cmにも咲き広がり、白い花が夏の庭を涼しげに演出してくれます。小花は他の花とも組み合わせやすく、寄せ植えでも活躍します。 真夏におすすめの花⑥ ユーフォルビア‘グリッツ’ 学名/Euphorbia graminea種類/非耐寒性多年草開花期/5〜12月草丈/約30cm 株張り/約70cm 白い小さな苞(ほう)がふわふわと咲くユーフォルビア。魅力はなんといっても8カ月も咲き続ける驚異的な開花期間と、夏の暑さと乾燥にも強い点。単体でも涼しげですが、寄せ植えではどんな花とも相性がよく、全体をまとめる名脇役として大活躍します。 真夏におすすめの花⑦ コリウス‘フレームスローワー’、‘バレッティ’ 学名/Solenostemon種類/非耐寒性多年草開花期/5〜10月‘フレームスローワー’ 草丈/30〜45cm 株張り/40〜45cm‘バレッティ’ 草丈/30〜40cm 株張り/50〜60cm コリウスは、カラフルな葉を楽しむ夏のカラーリーフ。これまでは直射日光に当たると葉色があせてしまいがちでしたが、近年は直射日光下でも美しく発色する新品種が次々に登場しています。耐暑性に優れ、観賞期間が長くローメンテナンス。秋になると青紫色の花が咲きますが、花が咲くと葉は枯れてくるので、葉色を晩秋まで楽しみたい場合は、花芽をカットするとよいでしょう。 ジニア、ビンカ、ユーフォルビア、コリウスを使った爽やかな寄せ植え 上記でご紹介した植物を組み合わせた寄せ植えです。テーマカラーはライムとピンク。個性的なカラーですが、それぞれの植物にリンクする色が入っており、爽やかにまとまります。ユーフォルビア‘グリッツ’を中央に入れることで、ふんわりボリュームを出し、個性的な花をつなげる効果があります。 【使った植物】 ジニア‘ダブルザハラ’、‘ラズベリーリップル’ ジニア‘クィーン ライム’ ビンカ‘ミニナツ ホワイトチェリー’ ユーフォルビア‘グリッツ’ コリウス‘フレームスローワー チリペッパー’ 真夏におすすめの花⑧ ペチュニア ‘ビーズニーズ’ 学名/Petunia×hybrida種類/非耐寒性一年草開花期/4〜10月草丈/25〜30cm 株張り/25〜35cm ペチュニアの中ではこれまでにない鮮明な濃いイエローが、夏の庭に爽やかな雰囲気をもたらしてくれる品種。生育旺盛で、上の写真のように1株で7号鉢からあふれんばかりにふわふわとたくさんの花を咲かせます。これまでのペチュニアは雨に弱い傾向がありましたが、‘ビーズニーズ’は雨に打たれても花がすぐにシャキッときれいに戻り、美しい株姿を保ちます。耐暑性・耐雨性、鮮やかな色などが評価され、アメリカや日本で多数の賞を受賞している優良品種です。春から育てている株は梅雨頃に一度切り戻しをすると、晩秋まで長く楽しめます。 ペチュニア‘ビーズニーズ’を使ったレモンイエローの寄せ植え ペチュニア‘ビーズニーズ’を主役に、葉色に黄色が入るカラーリーフを5種類組み合わせました。暑さが厳しい夏の庭でも元気に育ち、爽やかな雰囲気をもたらしてくれる寄せ植えです。 【使った植物】 ペチュニア‘ビーズニーズ’ 斑入りアメリカヅタ アルテルナンテラ‘マーブルクイーン’ ヘーベ‘バリエガータ’ ロータス‘ブリムストーン’ 黄金フウチソウ <Point!> 連続開花性に優れ花が咲き続けるので、緩効性肥料か液肥を定期的に与えて育てるとよいでしょう。
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寄せ植え・花壇
【プロが伝授】これで完璧! 秋まで楽しむためのペチュニアの切り戻し
ペチュニアってどんな植物? 1ポットが3カ月程度でこんなにふんわり大きな株に育つ、ペチュニア‘ビーズニーズ’。 ペチュニアは暑さに強い一年草で、品種が多く鉢植えや寄せ植えなどで親しまれています。枝垂れたり、カーペットのように這って育ったり、こんもり茂ったり、大輪、小輪、八重咲きなど、さまざまな品種があり、成長が早く丈夫なので、初心者にもおすすめです。春から秋まで長期間花が楽しめますが、春から育ててきた株は大きく育って、多少姿が乱れてきているものもあるでしょう。そこで、行いたいのが「切り戻し」です。 切り戻しとは 切り戻しとは、大きく成長した植物を剪定し、草丈を低くしたり、混み合った枝を減らすこと。こうすることで、大きくなって乱れた姿や風通しの悪さなど、悪化した生育環境が一度リセットされ、元の美しい姿や良好な環境に戻るため「切り戻し」といわれます。 春から育ててきたペチュニア‘ショックウェーブ ピンクベイン’は、見応えたっぷり。せっかく株が大きくなりキレイに開花しているので、このまま楽しみたいですが、このままの状態で梅雨を過ごすと風通しが悪く、株が弱るので切り戻しが必要なタイミング。 ペチュニアは夏の暑さにはとても強いですが、ジメジメとした湿気が苦手。ですから、梅雨時期に風通しのよい状態で過ごさせてあげるために、梅雨前に切り戻しが必要なのです。もし、まだ切り戻しをしていなければ、梅雨の晴れ間を狙って切り戻しをしましょう。切り戻しをして梅雨さえ快適に乗り越えることができれば、ペチュニアは暑さには非常に強いので、梅雨明け2週間程度で再びこんもり茂って秋遅くまで花を楽しむことができます。逆に切り戻しをしないと、梅雨時期に弱ってしまい、暑さに向かってどんどん傷みが進んで、本来の美しい姿を楽しむことができません。まだ花がたくさん咲いていてもったいないような気がすると思いますが、長く美しいペチュニアの花姿を楽しむためにも、梅雨前に切り戻しをしましょう。 ペチュニアの切り戻しの仕方 Step 1 まずは鉢縁に沿って、ざっくり茎を切っていきます。この時点で、茎のどこを切るなどは気にしなくてOK。 Step 2 鉢の中央のほうの茎も、Step 1と同じくらいの草丈に切ります。 Step 3 株の下のほうの茎を見ると、葉っぱのすぐ横からもう1枚小さな葉が発生している箇所があります。それが脇芽(わきめ)です。その脇芽のすぐ上で切ります。 Step4 ここまでの段階で、株の内側や下側をめくるようにして見ると、黄色の葉や茶色く枯れた葉があります。そうした葉はそのままにしておくとカビが発生したり病気の原因になるので、この時点で取り除き、土の上もきれいにお掃除しておきましょう。 Step5 花が終わった後のサヤも残さず取り除きましょう。サヤの中にはタネが入っており、そのままにしておくとタネのほうに株の体力を使ってしまいます。梅雨明け後に再び開花するための体力を温存するために、サヤは切り戻し時に取り除いておきます。 さっぱり切り戻しました。 切り戻し後の管理 【置き場所】日当たりと風通しのよい場所に置きましょう。雨が続く場合は、軒下などに移動して湿気に注意しましょう。 地表付近の気候のことを微気候といい、10cm程度でも植物にとっての風通しは変わります。鉢植えの場合、鉢を地面より少し高い場所に置くだけでも風通しがよくなるので、花台などを使って高さを上げるといいでしょう。花台を置くスペースがなければ、鉢の底に挟み込むように使う「ポットフィート」というグッズも便利です。 特に、底部がぴったり接地するような鉢の場合は、「ポットフィート」を使って鉢と地面の間に空間をつくることでも風通しがよくなります。 鉢底に「ポットフィート」を置くことで、通気性と排水性がよくなり、根腐れなどが防げる。Aaron Finn/Shutterstock.com 【肥料】梅雨の最中にはあまり生育せず、梅雨が明けると再び生育が活発になります。梅雨が明けたら液肥を定期的に与えて、株を再び生育させましょう。一般に固形肥料は効き目が緩やかで、液肥は即効性があります。切り戻し後のペチュニアには即効性のあるものが向いています。 【水やり】葉っぱが少なくなった株は、葉からの蒸散も少ないため、切り戻し前より水を必要としません。表土が乾いたのをしっかり確認してから水やりをしますが、この時期は雨も多いので、やりすぎによる根腐れのほうに気をつけましょう。 切り戻し後は再びきれいにこんもり茂ります。ペチュニア‘ショックウェーブ ホワイト’。 ペチュニアのほかに、生育旺盛なカリブラコアやハーブ類なども梅雨前に切り戻しをすることで、梅雨明け後から再びきれいに生育します。 切り戻しは、植物の生育期に行う作業です。生育が衰える時期に向かっているタイミングに切ると、生育せずに花がない状態になってしまうので、ペチュニアの場合は夏以降は切り戻しはしないほうがよいです。ペチュニアに限らず、切り戻しをする場合は、生育期や開花期を確認してから行いましょう。 動画でも切り戻しをご紹介しています!
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寄せ植え・花壇
【新鮮!】アジサイの寄せ植えで梅雨時も庭をかわいく美しく
小さな花姿が魅力のヤマアジサイ ‘藍姫’。ヤマアジサイらしいガク咲きの花姿で、濃密な藍色の花が印象的。 ヤマアジサイは一般的なアジサイより株姿が小さく、茎が華奢で葉も細く、楚々とした風情で咲きます。もともと半日陰の林や沢沿いなどに自生する植物で、日本の気候に合い、丈夫で初心者にもおすすめ。生育がゆっくりなので、コンパクトな株姿のまま育てられるのも魅力。小さな庭やコンテナガーデン、寄せ植えなどでも活躍します。 ‘伊予獅子てまり(いよししてまり)’。淡いピンクの小ぶりの花がたくさん咲く。 そんなヤマアジサイの中でも、近年人気急上昇中なのが、埼玉県の生産者吉岡麗子さんの手まり状に咲くヤマアジサイです。私も吉岡さんのヤマアジサイが大好きで、自宅の庭でもいくつか育てていますが、ころんと愛らしい花と草花のような繊細な株姿で寄せ植えでも活躍してくれます。 ‘伊予獅子てまり’。土が酸性に傾くと花色が淡い水色になる。 ヤマアジサイとバーベナの寄せ植え ヤマアジサイ‘てててまり’を主役にした寄せ植えです。一般的なアジサイは枝の先端にしか花が咲かないのに対し、ヤマアジサイは枝の途中から伸びた側枝にも花が咲くため、株の下のほうにも花数があり、他の草花との馴染みがよい点も寄せ植えにおすすめのポイントです。 ‘てててまり’は吉岡さんの妹、真美子さんの作出品種。 淡いブルーとライムグリーンのグラデーションが美しいヤマアジサイに、淡いライムグリーンの花色のバーベナ‘バネッサコンパクト ライム’を組み合わせました。花の大きさは、ちょうど‘てててまり’と同じくらい。草丈は20cm程度なので、ヤマアジサイの下におさまります。 バーベナ‘バネッサコンパクト ホワイト’。 バーベナ‘バネッサコンパクト’もアジサイと同じように小さな花が集まって、まり状に咲きます。また多花性で秋まで連続して開花するので、この季節の寄せ植え花材としておすすめです。 リーフ類は葉がシルバーがかった黒葉のヒューケラと、斑入りのコデマリ‘ピンクアイス’、ライムイエローのリシマキアを鉢縁に入れました。ヒューケラのような存在感のあるカラーリーフを花と花の間に入れると、それぞれの花の魅力を引き立ててくれる緩衝材のような役目を果たしてくれます。 カラーリーフの代表選手ヒューケラは、美しい葉色のものがいくつもあります。一年中彩りを提供してくれる常緑の宿根草なので、寄せ植えでも地植えでも名脇役として活躍します。一般に日陰に向くシェードプランツですが、上の写真のヒューケラ‘カーニバル’シリーズのように、日陰はもちろん直射日光下でも葉焼けしない品種は、より使い勝手がよくおすすめです。 ヤマアジサイとインパチェンスの寄せ植え ヤマアジサイ‘倉木てまり’を主役に、淡い水色の花が引き立つよう、ソフトピンクの花がかわいいインパチェンスとラミウム、チョコレート色のヒューケラ、コデマリ‘ピンクアイス’を組み合わせました。ヤマアジサイはコンパクトとはいえ低木なので、ほかの草花と比較すると、やはり草丈は高く、鉢の中では株元が寂しく感じられます。ですから、草丈の低い草花でヤマアジサイの株元の空間を埋めるように植栽するとよいでしょう。 インパチェンス(左)はヤマアジサイと開花期が同じで、半日陰を好むので、組み合わせるにはぴったり。ここでは、バラのように花心が渦巻いて咲くインパチェンス‘カリフォルニアローズ フィエスタ’のアップルブロッサムをセレクトしました。インパチェンスの中には梅雨時に発生するべと病に罹患しやすいものがありますが、フィエスタのアップルブロッサムはべと病への耐性があり丈夫なのでおすすめです。 ラミウム(右)も同様に、開花期が同じで日陰でも育つ常緑性の宿根草です。丈夫で這うように育つので、グラウンドカバーとして植栽する場合もありますが、生育が非常に旺盛であっという間に庭中にはびこるので、地に下ろす場合は場所を選ぶことをおすすめします。 べと病への耐性を備えた丈夫なインパチェンス‘カリフォルニアローズ フィエスタ’のアップルブロッサム。 ヤマアジサイの寄せ植えの置き場所と管理 ピンクのヤマアジサイ ‘伊予獅子てまり’を主役にした寄せ植え。ピンクの花色に合わせ、ライスフラワーや葉にピンクの斑が入るワイヤープランツを組み合わせて。 【置き場所】 ヤマアジサイはほかのアジサイに比べ、強い日差しが苦手ですが、より耐陰性には優れた植物です。直射日光や西日は避け、半日陰になる場所に置くといいでしょう。上の写真の傘形のプランターのように、持ち手がついていて移動しやすいものを選ぶと、日当たりコントロールがしやすいです。 【水やり】 もともと沢沿いなどに自生する植物で、湿り気のある土壌を好みます。水切れを繰り返すと花付きが悪くなるので、注意。表土が乾いたら鉢底から流れ出るまでたっぷり水をあげます。 【肥料】 冬期に堆肥と寒肥(かんごえ)として固形状の油かすなどを施します。それに加えて2年目以降は、花後にも同様に追肥するとよいでしょう。 【剪定】 成長がゆっくりなので必ずしも剪定する必要はありませんが、剪定によって花枝が増え、翌年の花付きもよくなります。花が終わった直後に緑色の枝の部分を選んで、下から2〜3節を残して剪定します。
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寄せ植え・花壇
【プロが伝授!】寄せ植えが絶対きれいに見える法則
花を1種に絞って主役を明確にする 何を選んでどう組み合わせればよいか、迷ったときは花を1種に絞ってみましょう。園芸店に行くとたくさんの花が並んでいて、あれもこれもといろいろ組み合わせてみたくなるものですが、主役級のかわいい花を集めてみても、寄せ植えがかわいくなるかといったら、むしろ逆。花の個性がぶつかり合って印象が散漫になってしまうことが多いのです。 主役になる花の特徴 さて、主役級の花とは、どんな花でしょうか。主役になる花は、おおむね以下の条件が当てはまります。 大輪 鮮やか・個性的な色彩 株を花が覆うような多花性 このような特徴をもった花は、1種類で存在感が抜群です。同様の個性を持つ花を集めるよりも、1種に絞ったほうがまとまりがよく、見応えのある寄せ植えを作りやすいです。 ペチュニア‘アマゾナス・プラム・コカトゥー’が主役の寄せ植え 上記の条件にぴったり当てはまるこの季節の花が、例えばペチュニア‘アマゾナス・プラム コカトゥー’。ライムグリーンに紫色の筋模様が入り、縁が波打つ個性的な花びらが目を引く新品種です。ペチュニアの中では大輪に分類され、多花性で葉っぱが見えないくらいぎっしり花が咲きます。暑さにはもちろん、雨にも強いので、この時期の寄せ植えの主役としておすすめです。 ペチュニア‘アマゾナス・プラム コカトゥー’を主役にした場合、必ずきれいに見える組み合わせは、花ではなくリーフ類を選ぶことです。もちろん、他の花を組み合わせても面白いのですが、「花1種+リーフいっぱい」の組み合わせは、主役がはっきり際立ち、たいてい美しくまとまるので、迷ったらこの法則にのっとると失敗しません。リーフは主役の花を引き立ててくれる名脇役として常に活躍してくれます。 花色を分解してリーフ類を選び出す 上の寄せ植えは、一見すると複雑で上級者という感じがするかもしれませんが、じつはリーフの選び方はそう難しくはありません。主役となる花の色をよく観察し、その中にある色と同じ色のリーフを選びます。‘アマゾナス・プラム・コカトゥー’の場合、花色は①ライムグリーン ②紫 ③花心のほぼ黒に近い紫がキーカラーになります。この3色のリーフを選ぶと、花を引き立てる脇役として活躍し、寄せ植え全体のまとまりがよくなります。 今回使ったリーフは、以下のとおりです。 ① ライムグリーン/ルーとオレガノ‘ミルフィーユリーフ’② 紫/キンギョソウ‘クレバータッチ’③ ほぼ黒に近い紫/ミカニア・デンタータ そして、もう一つ、寄せ植えに動きを加えるリーフとして、つる性の斑入りジャスミンを加えています。 植栽位置のポイント このバスケットの器の場合、全方向から見られることを前提とし、植物の配置は中央を高く、器の縁に向かって低くラウンド形になるようにするとまとまりがよくなります。この寄せ植えでは、中央に草丈の高いキンギョソウ‘クレバータッチ’と斑入りジャスミンを配置。花は器の両サイドに植栽し、その株元にミカニア・デンタータを入れました。ミカニア・デンタータはほぼ黒色の葉なので、影として花をより美しく際立たせる役目を担います。 ペチュニア‘ゆうやけこやけ’が主役の寄せ植え この寄せ植えも同様に「花1種+リーフいっぱい」です。主役はペチュニア‘ゆうやけこやけ’という、オレンジとブラウンのグラデーションが特徴の中輪の花です。花色をよく観察すると、花心から花弁の先まで、とても複雑に色が混じり合っています。 右上の円は、分かりやすくパソコンでペチュニア‘ゆうやけこやけ’の色を抽出してみたものです。おおまかに約8色が抽出できます。 この8色の花色の中から☆印の色と同じ色を持つリーフを6種選んで組み合わせました。 ① 濃い紫の葉のアルテルナンテラ‘パープルプリンス’② ベージュとピンクの模様が入るアルテルナンテラ‘マーブルクイーン’③ ベージュの斑入り葉のヘーベ・バリエガータ④ 濃い紫色の斑が入るリシマキア‘ミッドナイトサン’⑤ ベージュの細葉のカレックス⑥ 茶色にピンク斑が入る細葉のウンシニア・ルブラ‘エバーフレーム’ これらのリーフは寒さが増すと斑の色が濃くなり、秋に向かうにつれ、より花色と相まってシックな雰囲気になっていきます。 ペチュニア‘シャンパンゴールド’が主役の寄せ植え こちらはペチュニア‘シャンパンゴールド’を主役にした寄せ植えです。この寄せ植えも「花1種+リーフいっぱい」の法則にのっとっています。ペチュニア‘シャンパンゴールド’は、ブラウンとゴールドカラーの上品なグラデーションが魅力。ペチュニアの中では小輪に分類されますが、多花性で茎が立ち上がるように咲き、花の裏側のブラウンのグラデーションが見えるのも特徴です。 花心のブラウン〜黒色のグラデーションに合わせて、リーフは以下を選びました。 ① ミカニア・デンタータ② ウンシニア・ルブラ‘エバーフレーム’③ ペルシカリア‘シルバードラゴン’ 形状の違いも意識してリーフを選ぶ リーフを選ぶときのもう一つのポイントは、形状の違いにも注目することです。ここではミカニア・デンタータは葉に細かい切れ込みが入る「レース状」で、ウンシニア・ルブラ‘エバーフレーム’は細い「ライン状」、ペルシカリア‘シルバードラゴン’は「三角形」の葉です。形状の異なるリーフを組み合わせることで、それぞれの個性が発揮され、寄せ植えに深みを与えてくれます。 単体でも、寄せ植えでも活躍してくれる主役花 さて、皆さん。ここで、これまで登場した主役の花を組み合わせたところを想像してみてください。どれも一つひとつは美しいのに、組み合わせると個性が相殺されてしまい、美しさが今ひとつ伝わらないのではないでしょうか。 これら3つの花は、どれも多花性でたっぷり花が咲いてくれるので、単体で植えても見事です。別々の鉢で1株ずつ育てると、上の写真のように見応えたっぷりになるので、寄せ植えに限らずおすすめです。 寄せ植えにする場合は、主役は1つの花に絞り、あとは脇役として活躍してくれるものを選ぶと美しさが引き立ちます。「花1種+リーフいっぱい」の法則は、どんな季節の植物にも使えるきれいの絶対法則。ぜひいろいろな花で試してみてくださいね。
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寄せ植え・花壇
【真似したい寄せ植え!】ローメンテナンス&春まで長もちする冬のおしゃれな寄せ植え
多彩な個性! 冬の花材の代表「ハボタン」とは ハボタンはキャベツやブロッコリーなどと同じアブラナ科の植物で、別名「ハナキャベツ」とも呼ばれます。ですが、姿はどちらかというとキャベツというより、やはりボタンやバラの花のよう。渦巻く中心と美しい色が特徴です。寒さに強く、気温の低下に伴って株の中心部が白やピンク、赤、紫などに鮮やかに染まっていきます。 品種のバリエーションもさることながら、2.5寸のごく小さいサイズや、「枝・踊り仕立て」と呼ばれる茎が長いものなど、さまざまな株姿があり冬の寄せ植えで重宝します。リーフ類は脇役に回りがちですが、ハボタンはその美しさで主役としての存在感を発揮してくれる冬の素材。3月になり暖かくなってくると、中心から菜の花とそっくりの花が咲きます。そんな変化も面白く、春まで楽しめる見頃の長い花材です。 さまざまなハボタンを集めたバスケットの寄せ植え カラーやサイズが異なるハボタンをたっぷり使ってバスケットに寄せ植えしました。ハボタンはフォルムが丸く、バラのように渦巻く葉姿が美しい植物です。その特徴が際立つように、組み合わせる植物にはまったく異なる個性をもつリーフ類を選びました。 バスケットの持ち手を境に、ハボタンを片側に寄せて植え込み、もう片方にはアイビーやハゴロモジャスミンなど長くつるが伸びるものや、糸のように細くラインで見せるカレックスを植栽。高さを出すために中心部分に使っているのは、斑入りのヤブコウジです。左右でくっきり植え分ける方法は寄せ植えでは珍しいかもしれませんが、このアイデアはフラワーアーティストのニコライ・バーグマンさんの作品からインスピレーションを得たものです。新しいチャレンジでしたが、コントラストを強調することで、植物の持ち味が引き出せるという新鮮な発見がありました。 ハボタンを植えるときは、外側の大きすぎる葉や、色が褪せた葉はあらかじめ取り除きます。 そして、ハボタンが最もきれいに見える角度で植えましょう。ハボタンのチャームポイントは、バラのように渦巻く中心部です。単にまっすぐ植えてしまうとチャームポイントが真上を向き、寄せ植えを上から見下ろさない限りは葉の側面ばかりを見せられることになってしまいます。 ですから、チャームポイントがしっかり見えるように、苗を傾けて植え込みます。さまざまな色やサイズを組み合わせて、隙間がないように植えることで華やかさが演出できます。バスケットの真ん中が最も高く、縁にいくに従い低くなるのを意識して苗を配置しましょう。冬は気温が低く、詰め込んで植えても蒸れなどで傷むことがないので、きれいに育ちます。 材料3種! ハボタン・ビオラ・ワイヤープランツのリース植え リース型のバスケットにハボタン・ビオラ・ワイヤープランツの3種を寄せ植えにしました。リースの器は植物が隙間なく植え込まれていないときれいに見えないので、やはり蒸れの心配がない冬の寄せ植えに向いています。またリース植えは草丈が低く揃っていたほうがきれいに見えます。冬季は植物の生育がゆっくりで、草丈が高くならないのも冬に向く理由の一つです。 リース植えは難しそうに見えて、じつはとても簡単。同じ花材を3つ用意して、三角形になるよう植え込みます。そしてまた違う花材も三角形に植え込みます。そうして三角形を少しずつ、ずらしながら植えていくことできれいなリースが完成します。 リースは専用の台に飾っても、扉などにかけても楽しめます。垂直に飾った場合、最初はビオラの花が下を向いているかもしれませんが、育つにつれちゃんとお日様に向かって顔を上げてくるので心配いりません。水やりをするときは、水を張ったバケツなどにゆっくり土の部分を沈めるようにします。勢いよく沈めると土が浮いてしまうことがあるので、ゆっくりやさしく。 ハボタンはたくさんの種類があり、寒さに強い植物です。ぜひ、このホリデーシーズンに寄せ植えを楽しんでくださいね。
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寄せ植え・花壇
【実例5選】玄関に飾りたいお正月に似合うハレの日の寄せ植え
ハレの日にふさわしい「赤」の寄せ植え 赤はクリスマスカラーでもあり、お正月やお祝いごとなどに欠かせない色です。なかでもこの寄せ植えで使ったクリスマスホーリーのような赤い実のつく植物を用いると、途端にクリスマスやお正月の雰囲気が出ます。クリスマスホーリーは寄せ植えに高さを出し、玄関にふさわしい風格を与える役目も担います。冬の花材はパンジー&ビオラなど草丈の低いものが多いのですが、このように低木を用いてある程度高さを出すことで、1鉢でも存在感のある寄せ植えになります。 【使った花材】 クリスマスホーリー、スイートアリッサム、ネメシア、ハゴロモジャスミン‘ミルキーウェイ’、ハボタン、キンギョソウ‘ブランルージュ’、プリムラ・ジュリアン、ビオラ、ハツユキカズラ ハボタンはさまざまな種類があるとともに、ツリー仕立てや踊り仕立てといった特殊な仕立て方によって作られた個性的な株姿の苗があります。ここでは茎を長く伸ばした「枝、踊り仕立て」と呼ばれるものを使い、後方のクリスマスホーリーと前方の草丈の低い植物をつなぐ役目としました。 クリスマスホーリーと色を合わせたプリムラは、草丈が低いので寄せ植えの前方へ。 寄せ植えは日光や雨風など自然の影響を受けて、次第に姿を変えていくところが魅力です。ただし、冬は植物の生育速度が遅く、自然な動きが加わるまでに時間がかかります。ですから、ハゴロモジャスミンやハツユキカズラなどのつる性の植物を入れて、あらかじめ動きを演出します。つる性植物は枝先がクルッと曲がっていたり、タランと垂れたりして、寄せ植えに自然な動きを演出するのに重宝する素材です。 キクを使ったお正月の寄せ植え 南天や松と並んでお正月を代表するキクを使った寄せ植えです。古くから「キクを飾ると福が来る」と言い伝えられ、縁起のよい花として、また、天皇家の紋章にも使われる高貴な花としても知られるキクですが、この寄せ植えで使ったのは、ポットマムと呼ばれる、庭植えでも鉢植えでも楽しめるタイプです。淡いピンクの花びらがライムグリーンで縁取られるおしゃれな花色に合わせて、他の植物もピンクとライムグリーンを選びました。 【使った花材】 ポットマム‘ロサーノシャルロッテ’、ネメシア、カルーナ・ブルガリス、ヤブコウジ(白斑入り)、リシマキア・リッシー、ワイヤープランツ‘スポットライト’、ラナンキュラス 英国のシャーロット王女の誕生を祝して名付けられた‘ロサーノシャルロッテ’。 キクに色を合わせたラナンキュラスとネメシア。 モダンな住宅に似合うブラック&ホワイトのシックな寄せ植え ブラックのカラーを主役に、白と黒でまとめた寄せ植えです。コンクリートやガルバリウムの外壁など、モダンな雰囲気の住宅にぴったり。白いガーデンシクラメンは花心部がほんのりピンクがかるので、ピンクの斑入り葉のキンギョソウを合わせました。鉢縁には葉が深く切れ込みレースのように見えるミカニア・デンタータを入れて、繊細さをプラス。ミカニア・デンタータはブラックリーフですが、葉裏や軸が赤紫がかり、花との相性がよく重宝するリーフプランツです。スペースに余裕があれば門扉の前に対で置くと、格調高い雰囲気が生まれ、門松にも見劣りしません。 【使った花材】 カラー、ミニシクラメン‘フワモコ’、スイートアリッサム、ミカニアデンタータ、キンギョソウ‘ブランルージュ’ ブラックリーフに囲まれ、ガーデンシクラメンの白花が際立ちます。 深い切れ込みのある葉が美しいミカニア・デンタータ。 温かさを感じる日だまり色の寄せ植え 同じカラーを使った寄せ植えですが、こちらは黄色い花弁にサッと鮮やかなオレンジ色が入る品種です。合わせる花もオレンジと黄色でまとめました。冬はこうした暖色系の寄せ植えもおすすめ。丸い花形のラナンキュラスと、直線的なラインのカラーが引き立て合います。 【使った花材】 カラー、ラナンキュラス、ヒューケラ、カルーナ・ブルガリス、ビオラ、ハゴロモジャスミン‘ミルキーウェイ’ 花びらを幾重にも重ねたラナンキュラスとシンプルな花形のカラーが対照的。 鉢縁に植栽したヒューケラは、色が豊富で寄せ植えでも活躍するカラーリーフです。 スタンダード仕立てとシンメトリー植栽 真ん中はギョリュウバイ、ネメシア、ハボタンというようにピンクのグラデーションにし、両サイドにはシンメトリーにシクラメンとシロタエギクを配置しました。シンメトリーの植栽はきちっと整った印象になり、玄関など家の顔になる場所に飾る寄せ植えにはおすすめです。後方に配置したギョリュウバイは上部を丸く刈り込んだスタンダード仕立てで、さらにフォーマルな印象を強めています。鉢はピンク色でコーディネートし、フォーマルながら優しい雰囲気に仕上げました。 【使った花材】 ギョリュウバイ、ミニシクラメン‘フワモコ’、ネメシア、シロタエギク‘シルバラード’、ハボタン‘プラチナケール’、アイビー ウメの花に似たピンクの小さな花を咲かせるギョリュウバイ。常緑低木です。 シルバーリーフが美しいガーデンシクラメンとシロタエギクを合わせて。 冬の寄せ植えはギュッとたくさんの花材を植え込めるだけに、クリスマスツリーや門松にも見劣りせず、ハレの日にふさわしい華やかさを演出できます。ぜひご紹介した5例を参考に、寄せ植えを楽しんでくださいね。
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寄せ植え・花壇
【寄せ植え実例3選】秋を満喫するマム(キク)の寄せ植え
マム(キク)の魅力 花心がワインレッド に染まるポットマム‘ダンテ ダーク’を使った寄せ植え。 マム(キク)はもともと日本の気候によく合っているため、病害虫に強く丈夫です。マムと並んで秋にガーデンを彩ってくれるダリアも華やかで人気ですが、うどんこ病にかかるため対策が必要です。一方、マムはその心配がなく、初心者でも難なく育てられます。そして、花色が豊富なのもマムの大きな魅力。かつて日本から海外へ渡ったキクは、品種改良によって多種多様に変化し、ライムグリーンやアプリコット、グラデーションにバイカラー(2色咲き)、覆輪など繊細なカラーバリエーションが多数ラインナップします。 2年目以降は大きくなります ポットマムの多くは、もともと切り花として楽しまれている品種で、本来の草丈は50〜60cm。ポットマムはそれをガーデン用に草丈を小さく生産したもので、1年目の草丈は30〜40cmと寄せ植えに使いやすいサイズです。しかし、越冬して2年目以降になると本来の草丈になるので、寄せ植えにする場合には大鉢を使うか、花壇や庭植えにして楽しむとよいでしょう。 マムを寄せ植えで使う際のコツ1「葉を摘む」 マムの葉は、平べったく濃い緑色をしています。そして密に茂っているため、寄せ植えにしたときにやや葉っぱが重たい印象になることがあります。そこで、大きな葉や重なり合って茂っている葉は、あらかじめ摘んでから寄せ植えに用います。葉は全て摘んでしまわない限りは、その後の生育に全く影響がありません。 むしろ、葉を摘むことで風通しもよくなり、印象も軽やかになります。 左は大きな葉を摘んで減らした苗。株元の風通しがよくなります。 マムを寄せ植えで使う際のコツ2「株を分ける」 マムのポット苗は複数の芽を挿して生産されることが多く、1ポットに2苗以上入っていることがあります。そうした場合には、これらを分けて配置することで、より複雑で繊細な寄せ植えを作ることができます。 マムが主役の寄せ植え実例 ポットマム ‘ダンテ ダーク’のワインレッドの花心に合わせて、カラーリーフや小花を選びました。草丈30〜40cmのポットマムの株元には少し隙間があくので、ピンクの斑入りのアルテルナンテラ・ルビノイデスや、赤い実が愛らしいジュズサンゴなどでふんわりと覆います。草丈の高いコルジリネをマムの後方へ植栽し、鉢の高さとバランスをとりました。シャープな葉の間をアルテルナンテラ・ポリゲンスのプチプチとした花でつなぎ、扇状のフォルムに仕上げました。 ●使った鉢はウィリアム・モリスのデザイン。こちらで好評販売中! 【使った植物】 ポットマム‘ダンテ ダーク’、コルジリネ‘エレクトリックフラッシュ’、ジュズサンゴ、アルテルナンテラ・ポリゲンス、アルテルナンテラ・ルビノイデス イエローのポットマムに、ライムイエローや白の斑入りのカラーリーフを合わせて爽やかに仕上げました。横長の鉢にマムを前後左右ずらしながら3カ所に配置し、間に葉の細やかなリーフ類を植栽。リーフ類は常緑のものも多いので、花後はマムだけを抜き取って別の花に替え、引き続き楽しむことができます。 白の斑入りのカラーリーフと合わせて軽やかに。 【使った植物】 ポットマム‘ダンテ イエロー’、ジュズサンゴ‘絣’、ゴールデンタイム、オレガノ‘マルゲリータ’、セイヨウイワナンテン‘レインボー’、ルー、斑入りアメリカヅタ ポットマム‘ダンテ イエロー’を主役にした明るいイエローの寄せ植えです。花心のブロンズ色に合わせて、鉢縁にリシマキア‘リッシー’、カルーナを植栽。マムの花の間からジャスミンやコウシュンカズラのつるをふんわりのぞかせて、寄せ植えに動きを出しました。トウガラシ‘ホットポップスパープル’の艶やかな実がアクセントに。 【使った植物】 ポットマム‘ダンテ イエロー’、ジャスミン‘フィオナサンライズ’、コウシュンカズラ、リシマキア‘リッシー’、カルーナ、トウガラシ‘ホットポップスパープル’、セロシア マムを長く楽しむためのコツ マムは、長期間次々に花を咲かせるロングランタイプの花です。植物が花を咲かせ続けるにはとても体力を使うため、定期的に液肥や置き肥などを与えましょう。花もちがよくなり、花色もきれいに保てます。環境によっては、マムにサビ病などが発生することがあります。サビ病はカビの一種で蒸れなどが原因で発生するため、日当たりと風通しを確保しましょう。鉢植えなら花台を使ったり、地植えの場合はやや盛土をして高さを上げるなどするとよいでしょう。地面が10cm上がっただけでも風通しは変わります。 花後の手入れ ポットマムは多年草なので、屋外で冬越しすることができます。11月下旬から12月にかけて、花が終わったら株元を10〜15cm残してバッサリと茎を切ります。これを「切り戻し」といいます。翌春、また葉っぱが芽吹いて、きれいな株姿で育ちます。