プロが解説! 暑さに強くて手間いらずのアンゲロニアで彩る、夏の寄せ植えアイデア集
うだるような真夏でもご機嫌に咲き続け、花がら摘み不要&暑さに強い。そんな優秀な草花「アンゲロニア」は、夏の寄せ植えにぴったりの1鉢です。
花色のバリエーションも豊富で、単植でも寄せ植えでも華やかさ抜群! エム・アンド・ビー・フローラの寄せ植え名人“ナンバッチ”こと難波良憲さんが、アンゲロニアを主役にした夏から秋まで長く楽しめる寄せ植え実例と、初心者でもできる育て方のコツを分かりやすく解説します。
目次
なぜ今、アンゲロニア? 夏のガーデニングに選ばれる3つの理由

学名:Angelonia angustifolia(代表種)
科名:オオバコ科(旧:ゴマノハグサ科)
属名:アンゲロニア属(Angelonia)
分類:非耐寒性多年草(日本では一年草扱い)
開花期:5〜10月
草丈:20〜50cm(品種による)
理由その① アンゲロニアは高温多湿に強い!
アンゲロニアは中央アメリカから南米北部を原産とする非耐寒性多年草(日本では一年草扱い)で、熱帯から亜熱帯地域に自生するため、高温乾燥に強く、真夏の強い日差しをものともせず、繰り返し花を咲かせてくれます。
理由その② アンゲロニアは開花期が長〜い!

アンゲロニアは総状花序(そうじょうかじょ)という花穂の軸に沿って次々に花が咲くタイプで、花茎の下から上に向かって咲き進むため、1本の花茎全体としては2〜3週間にわたって咲き続けることもあります。さらに、株全体の開花期間は5〜10月と半年にもわたり、超コスパ良好。
理由その③ アンゲロニアは花がら摘みいらず!
アンゲロニアは基本的に花がら摘み(咲き終わった花の除去)は不要な草花です。咲き終わった花は自然に落ちるか目立たず枯れ、次々と新しい花が咲いてきます。株が蒸れにくく、花付きが持続するため、夏に助かるローメンテナンスプランツです。
そんな使い勝手のよさから、アンゲロニアは2021年の夏に開催されたオリンピックの大会花壇にも採用されました。“サマーラベンダー”とも呼ばれる見た目の涼やかさと、育てやすさが両立し、プロも頼る“夏の定番花”です。
花色で楽しむ! アンゲロニアの多彩な表情

アンゲロニアは白・ピンク・紫・ラベンダー・濃黒紫などカラーバリエーションが豊富で、草丈も20cm前後のコンパクトなものから50cmのものまであります。また、這性で鉢に植えると枝垂れるものなど、草姿も個性豊か。多彩な魅力があるからこそ、アンゲロニアだけを植え分けるだけでも印象が変わり、庭や玄関先のアクセントになります。

秋までたっぷり楽しむアンゲロニアの寄せ植え
巧みなリーフ使いで、エレガントかつ見頃の長い寄せ植えに定評がある寄せ植え名人、ナンバッチこと難波良憲さんが、アンゲロニアの寄せ植えをご提案。アンゲロニアを軸にした美しい配色と構成力に注目です。
コーラルピンクを引き立てる、ピンクリーフの上品シックな彩り

鮮やかなコーラルピンクのアンゲロニアを主役に、花色と響き合うようにピンクがかった葉色のアルテルナンテラを2種あしらいました。さらに、株元にはツンツンとした細葉のコクリュウをアクセントとして配置。背景には赤紫のポンポン花が可愛いアルテルナンテラ・ポリゲンスを添えて、寄せ植え全体に奥行きを出しています。

涼やかな斑入りリーフで、木陰に映える癒やしの寄せ植え

清涼感あるラベンダー色のアンゲロニアに、ジュズサンゴ‘絣(かすり)’やトウガラシ‘パープルレイン’など、涼しげな斑入りリーフを重ねた寄せ植え。ピンクの小花はクフェア‘ピンクシマー’。暑さに強くカスミソウのように使える夏の寄せ植えの名脇役です。色よりフォルムの変化に多彩さを持たせ、ナチュラルながら立体感のある仕上がりに。やわらかな明るさが木陰の涼景にも映えて涼しげです。
銅葉とケイトウで引き締める、大人のコントラスト配色

濃紫のアンゲロニアを前面に配置し、中央にケイトウ、後方に銅葉のハイビスカスやユーフォルビアを配置したコントラスト強めの夏の寄せ植え。暑さを跳ね返すような生命力を感じさせます。
実ものと斑入りで遊ぶ、夏のピンクガーデンスタイル

ピンクのアンゲロニアを中央に、トウガラシ‘ウィックド’の黒葉と鮮やかな実、ピンクのケイトウ、赤紫の軸が美しい斑入りムラサキシキブなどを組み合わせたユニークな寄せ植え。暑さに強いカラーリーフ同士の相性もよく、ピンク〜赤〜緑のグラデーションが楽しげ。鉢縁にぐるっと回したツルコケモモが動きをプラスして、涼やかな風を感じるデザインに。ツルコケモモは夏に花が咲き、秋に赤い実が実ります。
アンゲロニアを“最小限の手入れ”で美しく長く咲かせるコツ

① 花がら摘みは不要。ただし、間のびしたら切り戻しを
- 花は自然に落ちるので、基本放置でOK。
- ただし、株が間のびして倒れそうになったら、花茎ごと1/3ほどカット。
→ 脇芽が出てボリュームアップ+花数も増加します。
② 月1回の緩効性肥料 or 週1回の液肥でOK
- 肥料が切れると花付きが悪くなるので、定期的な追肥を。
- 鉢植えなら、緩効性肥料を月1回 or 液肥を週1回が目安。
③ 真夏は蒸れ防止に下葉の整理と風通しの確保
- 黄ばんだ下葉があれば、こまめに取り除く。
- 株元の風通しをよくすることで、病気の予防にも◎。
④ 水やりは「乾いたらたっぷり」原則でOK
- 暑さには強いが過湿はNGなので、表土が乾いたらしっかりと。
- 鉢植えは、夏場は朝の涼しい時間帯に水やりがおすすめ。
⑤ 株姿が乱れてきたら軽く切り戻して整える

株姿が乱れたり、間のびしてきたら切り戻しを。わき芽が伸びて、再びきれいに咲きます。
- タイミング:花穂の先まで咲き終わった頃、高さが伸びすぎて花茎が倒れそうなとき、下葉が少なくなってきた頃がサイン。
- 切る位置:草丈の1/2〜1/3をカット。
- 切る本数:全体を一度に切らずに、数本ずつ時差をつけて切る。見栄えが落ちず、おすすめ。
【まとめ】 育てやすく見頃も長いアンゲロニアで夏を満喫!
アンゲロニアは、夏の暑さに強く、花期が長く、手間がかからない理想的な草花です。1株での見ごたえもあり、寄せ植えでは花色や葉色の組み合わせで多彩な表情を楽しめます。今年の夏は、アンゲロニアで作る寄せ植えにチャレンジしてみませんか?
協力/エム・アンド・ビー・フローラ(https://www.instagram.com/m_b_flora_official/)
Credit
寄せ植え制作&アドバイス / 難波良憲(なんば よしのり)

八ヶ岳にある種苗メーカー「エム・アンド・ビー・フローラ」に勤務。膨大な植物の知識を生かし、花の個性を生かしたブーケのように華やかな寄せ植えが好評。ブーケ作りも得意。同社のショップ(現在はクローズ)での店長を担当しつつ、寄せ植え教室を開催。現在は、同社インスタグラムを通じて、季節毎の華やかな寄せ植えの紹介や、水やりなどガーデニングの基本知識や様々なお役立ち情報の発信を行っている。
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まとめ / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
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