八ヶ岳にある種苗メーカー「エム・アンド・ビー・フローラ」に勤務。膨大な植物の知識を生かし、花の個性を生かしたブーケのように華やかな寄せ植えが好評。同社のショップ(現在はクローズ)での店長を担当しつつ、寄せ植え教室を開催。現在は、同社インスタグラムを通じて、季節毎の華やかな寄せ植えの紹介や、水やりなどガーデニングの基本知識や様々なお役立ち情報の発信を行っている。気になる方はぜひアカウントを覗いてみてください。
難波良憲の記事
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寄せ植え・花壇
【実例5選】玄関に飾りたいお正月に似合うハレの日の寄せ植え
ハレの日にふさわしい「赤」の寄せ植え 赤はクリスマスカラーでもあり、お正月やお祝いごとなどに欠かせない色です。なかでもこの寄せ植えで使ったクリスマスホーリーのような赤い実のつく植物を用いると、途端にクリスマスやお正月の雰囲気が出ます。クリスマスホーリーは寄せ植えに高さを出し、玄関にふさわしい風格を与える役目も担います。冬の花材はパンジー&ビオラなど草丈の低いものが多いのですが、このように低木を用いてある程度高さを出すことで、1鉢でも存在感のある寄せ植えになります。 【使った花材】 クリスマスホーリー、スイートアリッサム、ネメシア、ハゴロモジャスミン‘ミルキーウェイ’、ハボタン、キンギョソウ‘ブランルージュ’、プリムラ・ジュリアン、ビオラ、ハツユキカズラ ハボタンはさまざまな種類があるとともに、ツリー仕立てや踊り仕立てといった特殊な仕立て方によって作られた個性的な株姿の苗があります。ここでは茎を長く伸ばした「枝、踊り仕立て」と呼ばれるものを使い、後方のクリスマスホーリーと前方の草丈の低い植物をつなぐ役目としました。 クリスマスホーリーと色を合わせたプリムラは、草丈が低いので寄せ植えの前方へ。 寄せ植えは日光や雨風など自然の影響を受けて、次第に姿を変えていくところが魅力です。ただし、冬は植物の生育速度が遅く、自然な動きが加わるまでに時間がかかります。ですから、ハゴロモジャスミンやハツユキカズラなどのつる性の植物を入れて、あらかじめ動きを演出します。つる性植物は枝先がクルッと曲がっていたり、タランと垂れたりして、寄せ植えに自然な動きを演出するのに重宝する素材です。 キクを使ったお正月の寄せ植え 南天や松と並んでお正月を代表するキクを使った寄せ植えです。古くから「キクを飾ると福が来る」と言い伝えられ、縁起のよい花として、また、天皇家の紋章にも使われる高貴な花としても知られるキクですが、この寄せ植えで使ったのは、ポットマムと呼ばれる、庭植えでも鉢植えでも楽しめるタイプです。淡いピンクの花びらがライムグリーンで縁取られるおしゃれな花色に合わせて、他の植物もピンクとライムグリーンを選びました。 【使った花材】 ポットマム‘ロサーノシャルロッテ’、ネメシア、カルーナ・ブルガリス、ヤブコウジ(白斑入り)、リシマキア・リッシー、ワイヤープランツ‘スポットライト’、ラナンキュラス 英国のシャーロット王女の誕生を祝して名付けられた‘ロサーノシャルロッテ’。 キクに色を合わせたラナンキュラスとネメシア。 モダンな住宅に似合うブラック&ホワイトのシックな寄せ植え ブラックのカラーを主役に、白と黒でまとめた寄せ植えです。コンクリートやガルバリウムの外壁など、モダンな雰囲気の住宅にぴったり。白いガーデンシクラメンは花心部がほんのりピンクがかるので、ピンクの斑入り葉のキンギョソウを合わせました。鉢縁には葉が深く切れ込みレースのように見えるミカニア・デンタータを入れて、繊細さをプラス。ミカニア・デンタータはブラックリーフですが、葉裏や軸が赤紫がかり、花との相性がよく重宝するリーフプランツです。スペースに余裕があれば門扉の前に対で置くと、格調高い雰囲気が生まれ、門松にも見劣りしません。 【使った花材】 カラー、ミニシクラメン‘フワモコ’、スイートアリッサム、ミカニアデンタータ、キンギョソウ‘ブランルージュ’ ブラックリーフに囲まれ、ガーデンシクラメンの白花が際立ちます。 深い切れ込みのある葉が美しいミカニア・デンタータ。 温かさを感じる日だまり色の寄せ植え 同じカラーを使った寄せ植えですが、こちらは黄色い花弁にサッと鮮やかなオレンジ色が入る品種です。合わせる花もオレンジと黄色でまとめました。冬はこうした暖色系の寄せ植えもおすすめ。丸い花形のラナンキュラスと、直線的なラインのカラーが引き立て合います。 【使った花材】 カラー、ラナンキュラス、ヒューケラ、カルーナ・ブルガリス、ビオラ、ハゴロモジャスミン‘ミルキーウェイ’ 花びらを幾重にも重ねたラナンキュラスとシンプルな花形のカラーが対照的。 鉢縁に植栽したヒューケラは、色が豊富で寄せ植えでも活躍するカラーリーフです。 スタンダード仕立てとシンメトリー植栽 真ん中はギョリュウバイ、ネメシア、ハボタンというようにピンクのグラデーションにし、両サイドにはシンメトリーにシクラメンとシロタエギクを配置しました。シンメトリーの植栽はきちっと整った印象になり、玄関など家の顔になる場所に飾る寄せ植えにはおすすめです。後方に配置したギョリュウバイは上部を丸く刈り込んだスタンダード仕立てで、さらにフォーマルな印象を強めています。鉢はピンク色でコーディネートし、フォーマルながら優しい雰囲気に仕上げました。 【使った花材】 ギョリュウバイ、ミニシクラメン‘フワモコ’、ネメシア、シロタエギク‘シルバラード’、ハボタン‘プラチナケール’、アイビー ウメの花に似たピンクの小さな花を咲かせるギョリュウバイ。常緑低木です。 シルバーリーフが美しいガーデンシクラメンとシロタエギクを合わせて。 冬の寄せ植えはギュッとたくさんの花材を植え込めるだけに、クリスマスツリーや門松にも見劣りせず、ハレの日にふさわしい華やかさを演出できます。ぜひご紹介した5例を参考に、寄せ植えを楽しんでくださいね。
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寄せ植え・花壇
【寄せ植え実例3選】秋を満喫するマム(キク)の寄せ植え
マム(キク)の魅力 花心がワインレッド に染まるポットマム‘ダンテ ダーク’を使った寄せ植え。 マム(キク)はもともと日本の気候によく合っているため、病害虫に強く丈夫です。マムと並んで秋にガーデンを彩ってくれるダリアも華やかで人気ですが、うどんこ病にかかるため対策が必要です。一方、マムはその心配がなく、初心者でも難なく育てられます。そして、花色が豊富なのもマムの大きな魅力。かつて日本から海外へ渡ったキクは、品種改良によって多種多様に変化し、ライムグリーンやアプリコット、グラデーションにバイカラー(2色咲き)、覆輪など繊細なカラーバリエーションが多数ラインナップします。 2年目以降は大きくなります ポットマムの多くは、もともと切り花として楽しまれている品種で、本来の草丈は50〜60cm。ポットマムはそれをガーデン用に草丈を小さく生産したもので、1年目の草丈は30〜40cmと寄せ植えに使いやすいサイズです。しかし、越冬して2年目以降になると本来の草丈になるので、寄せ植えにする場合には大鉢を使うか、花壇や庭植えにして楽しむとよいでしょう。 マムを寄せ植えで使う際のコツ1「葉を摘む」 マムの葉は、平べったく濃い緑色をしています。そして密に茂っているため、寄せ植えにしたときにやや葉っぱが重たい印象になることがあります。そこで、大きな葉や重なり合って茂っている葉は、あらかじめ摘んでから寄せ植えに用います。葉は全て摘んでしまわない限りは、その後の生育に全く影響がありません。 むしろ、葉を摘むことで風通しもよくなり、印象も軽やかになります。 左は大きな葉を摘んで減らした苗。株元の風通しがよくなります。 マムを寄せ植えで使う際のコツ2「株を分ける」 マムのポット苗は複数の芽を挿して生産されることが多く、1ポットに2苗以上入っていることがあります。そうした場合には、これらを分けて配置することで、より複雑で繊細な寄せ植えを作ることができます。 マムが主役の寄せ植え実例 ポットマム ‘ダンテ ダーク’のワインレッドの花心に合わせて、カラーリーフや小花を選びました。草丈30〜40cmのポットマムの株元には少し隙間があくので、ピンクの斑入りのアルテルナンテラ・ルビノイデスや、赤い実が愛らしいジュズサンゴなどでふんわりと覆います。草丈の高いコルジリネをマムの後方へ植栽し、鉢の高さとバランスをとりました。シャープな葉の間をアルテルナンテラ・ポリゲンスのプチプチとした花でつなぎ、扇状のフォルムに仕上げました。 ●使った鉢はウィリアム・モリスのデザイン。こちらで好評販売中! 【使った植物】 ポットマム‘ダンテ ダーク’、コルジリネ‘エレクトリックフラッシュ’、ジュズサンゴ、アルテルナンテラ・ポリゲンス、アルテルナンテラ・ルビノイデス イエローのポットマムに、ライムイエローや白の斑入りのカラーリーフを合わせて爽やかに仕上げました。横長の鉢にマムを前後左右ずらしながら3カ所に配置し、間に葉の細やかなリーフ類を植栽。リーフ類は常緑のものも多いので、花後はマムだけを抜き取って別の花に替え、引き続き楽しむことができます。 白の斑入りのカラーリーフと合わせて軽やかに。 【使った植物】 ポットマム‘ダンテ イエロー’、ジュズサンゴ‘絣’、ゴールデンタイム、オレガノ‘マルゲリータ’、セイヨウイワナンテン‘レインボー’、ルー、斑入りアメリカヅタ ポットマム‘ダンテ イエロー’を主役にした明るいイエローの寄せ植えです。花心のブロンズ色に合わせて、鉢縁にリシマキア‘リッシー’、カルーナを植栽。マムの花の間からジャスミンやコウシュンカズラのつるをふんわりのぞかせて、寄せ植えに動きを出しました。トウガラシ‘ホットポップスパープル’の艶やかな実がアクセントに。 【使った植物】 ポットマム‘ダンテ イエロー’、ジャスミン‘フィオナサンライズ’、コウシュンカズラ、リシマキア‘リッシー’、カルーナ、トウガラシ‘ホットポップスパープル’、セロシア マムを長く楽しむためのコツ マムは、長期間次々に花を咲かせるロングランタイプの花です。植物が花を咲かせ続けるにはとても体力を使うため、定期的に液肥や置き肥などを与えましょう。花もちがよくなり、花色もきれいに保てます。環境によっては、マムにサビ病などが発生することがあります。サビ病はカビの一種で蒸れなどが原因で発生するため、日当たりと風通しを確保しましょう。鉢植えなら花台を使ったり、地植えの場合はやや盛土をして高さを上げるなどするとよいでしょう。地面が10cm上がっただけでも風通しは変わります。 花後の手入れ ポットマムは多年草なので、屋外で冬越しすることができます。11月下旬から12月にかけて、花が終わったら株元を10〜15cm残してバッサリと茎を切ります。これを「切り戻し」といいます。翌春、また葉っぱが芽吹いて、きれいな株姿で育ちます。
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寄せ植え・花壇
【寄せ植え実例3選】ハロウィンの寄せ植えはオレンジ×ブラック!
ハロウィンカラーはオレンジ×ブラック ハロウィンカラーといえば、オレンジとブラック。オレンジはハロウィンを代表するジャック・オー・ランタンのカボチャの色です。秋の陽光を感じさせ、お祭りムードを盛り上げる色でもあります。一方、黒は夜の闇を象徴する色。ハロウィンの装飾としてよく用いられるコウモリやゴースト、魔女の黒い帽子をイメージさせる色です。寄せ植えでも植物や鉢にこれらの色を用いると、ハロウィンらしい演出ができます。 ハロウィンにおすすめの2大プランツ 色変わりするマリーゴールド ‘ファイヤーボール’や‘ストロベリーブロンド’などの品種があります。‘ファイヤーボール’はシックなディープレッドで咲き始め、次第にブロンズ、レッド、オレンジと花色が変化。‘ストロベリーブロンド’は、より色が穏やかでマリーゴールドには珍しい「ピンクベージュ」が現れます。どちらも連続開花性に優れ、寒くなっても長い期間咲き続け、冬の庭にも温かな雰囲気をもたらしてくれます。 観賞用トウガラシ 赤、オレンジ、黄色、紫、黒など、カラフルでツヤツヤとした実が美しく、たくさんの品種があります。 ‘ブラックパール’や‘オニキスレッド’、‘パープルフラッシュ’など黒葉や斑入り葉が魅力的なものも。コンパクトで寄せ植えの花材に重宝します。 ハロウィンに似合うオレンジ×ブラックの寄せ植え ジャック・オー・ランタンとゴーストをモチーフにしたユニークな連結鉢に寄せ植えしました。メインの花には左右ともに、アンティークカラーのマリーゴールドとキクを用いました。 【使った花材】 (右)ソラナム・エチオピクム、トウガラシ‘パープルフラッシュ’、トウガラシ‘ウィックド’、トウガラシ‘ホットポップスパープル’、マリーゴールド‘ストロベリーブロンド’、アルテルナンテラ‘マーブルクイーン’ 葉色が紫と黒の斑入りになる ‘パープルフラッシュ’と、赤い大きな実が特徴の‘ウィックド’、クリームからオレンジ、赤へと実が色変わりする‘ホットポップスパープル’の3種のトウガラシを用いました。後ろのほうに植栽した小さなカボチャのような実は、ソラナム・エチオピクム。「パンプキンソラナム」とも呼ばれるハロウィンにぴったりのハナナスです。鉢縁にはブラックレッドのアルテルナンテラを入れました。 (左)ポットマム‘エンベラ’、アルテルナンテラ・ルビノイデス 黄色にピンク色が交じるキクと、ピンクの斑入り葉のアルテルナンテラを組み合わせました。 品種を変え、ほぼ同じ植物を使って作ったオレンジ×ブラックの寄せ植え。白い鉢にふんわり咲くのは、夏から咲くペチュニア‘ゆうやけこやけ’。 マリーゴールドと観賞用トウガラシに、セロシアを組み合わせました。ブラックの鉢は花色が際立ち、シックな印象に仕上がります。 【使った植物】 トウガラシ‘パープルフラッシュ’、トウガラシ‘ホットポップスパープル’、マリーゴールド‘ストロベリーブロンド’、セロシア‘ヴィンテージ’ セロシア‘ヴィンテージ’。ピンクがかったシルバーの花がおしゃれ。 ユニークなフォルムと鮮やかな色が魅力のソラナムと、トウガラシ‘ウィックド’をメインにしました。目を引く風変わりな植物たちですが、ハロウィンの不思議でちょっと不気味な雰囲気を演出するのにぴったり! 小さな寄せ植えでもインパクトがあります。 【使った植物】 ソラナム・エチオピクム、トウガラシ‘ブラックパール’、トウガラシ‘ウィックド’、アルテルナンテラ‘マーブルクイーン’、アルテルナンテラ‘パープルプリンス’ こうしたオレンジ×ブラックの寄せ植えに加え、カボチャの飾りやランタンなどをプラスすればハロウィン気分もグッと盛り上がります。庭でも季節のイベントを楽しんでくださいね!
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寄せ植え・花壇
【実例5選】宿根草&低木のコスパ・ローメンテナンス・かわいさ3拍子揃った寄せ植え
宿根草とは? 一年草との違いは? マム(キク)は毎年秋に花が楽しめる宿根草。 宿根草(しゅっこんそう)とは、一度植えると何年も育ちながら毎年必ず花を咲かせてくれる多年草の一種です。冬には地上部がなくなるものも多いですが(常緑もあります)、季節になると再び育ち始めます。植えっぱなしの放任でよいものも多く、肥料や水やりも、ほどほどでOK。ローメンテナンスで手入れがラクなのも魅力です。 セロシアは秋に花が楽しめる一年草。 宿根草に対して、一年草はワンシーズンで枯れてしまう植物を指します。多くの種類があり、花の最盛期も春、夏、秋と、それぞれ異なります。多花性のものが多く、華やかなのが魅力です。 寄せ植えでは、宿根草と一年草を組み合わせることもできます。宿根草をベースに、季節ごとに旬の一年草に植え替えれば、イメージチェンジを図りつつ、いつも華やかな寄せ植えを維持することができます。 寄せ植えに使う宿根草の選び方 種類によって耐寒性や耐暑性が異なりますので、地域の気候に合わせて選ぶのが基本です。また、寄せ植えで使う際は、以下のポイントに留意しましょう。 葉っぱの美しいものを選ぼう カラーリーフの代表ヒューケラ。 宿根草の花の期間は、一年草に比べて短く、数週間と限られています。花がない時期も寄せ植えの中で活躍してもらえるように、葉に特徴のあるものも入れておくとよいでしょう。 開花時期を把握しておこう 前述のように開花期間が限られているので、あらかじめ花の咲く時期を把握しておくと、組み合わせる一年草とのベストコーディネートが叶います。 大株にならないものを選ぼう 寄せ植えの鉢は、植物が根を張るスペースが限られています。ワンシーズンで株の横幅が数十センチ以上に育つような宿根草を選ぶと他の植物の生育を阻害してしまうので、あまり旺盛に生育するものは避けましょう。大株に育った宿根草は、植え替えの際に「株分け」して小さくリサイズして使うこともできます。 宿根草&低木を取り入れた寄せ植え実例 ピンクのポットマム‘ダンテダーク’の鮮やかな花色と鉢をコーディネートしました。「ピンク」をキーカラーに、他の植物も選んでいます。玄関などはもちろん、庭の中に置いても鮮やかな色がフォーカルポイントになります。 【使った植物】 ●ポットマム‘ダンテダーク’/花心がワインレッドでピンクのグラデーションが美しい半八重咲きのキクです。11月まで次々に花が上がり、長く楽しめる耐寒性宿根草。1年目は草丈が30〜40cmですが、翌年は50〜60cmにもなるので、2年目以降は花壇や庭植えにするとよいでしょう。 ●レウコフィルム/マムの鮮やかなピンク色が映えるように、シルバーリーフのレウコフィルムを背景に配置。比較的耐寒性のある常緑低木で、9〜10月に小さなピンクの花を咲かせます。 ●セロシア‘ヴィンテージ’/中央にはグレイッシュピンクでふわふわとした質感が温かみを感じさせるセロシア‘ヴィンテージ’を。非耐寒性一年草なので、花後は抜き取ります。 ●ヨウシュコバンノキ‘朱里(あかり)’/マムの手前に入れた斑入りの明るい葉です。新芽と茎がピンクがかるので、ピンクコーデの脇役として重宝する常緑低木。暑さには強いですが、寒さは苦手なので寒冷地では室内で管理を。 ●アルテルナンテラ`マーブルクイーン’/鉢縁に植栽した鮮やかなワインレッドの葉。宿根草ですが耐寒性はなく、霜に当たると枯れるので一年草扱いのことも。 ●アルテルナンテラ‘コタキナバル’/ヨウシュコバンノキ‘朱里’とアルテルナンテラ‘マーブルクイーン’の繋ぎとして、立性のアルテルナンテラを配置。葉色の美しさはもちろん、軸が赤色の点も特徴的な植物。 マムの花心のワインレッドに合わせてカラーリーフをセレクト。 色や形など個性のあるカラーリーフをたくさん用いた寄せ植えです。花も入っていますが、どちらかというと花よりリーフが主役。華やかで見応えもたっぷりです。 【使った植物】 ●コリウス‘バレッティ オーロラ’/ヌーディーベージュを基調として、グリーンの斑とワインレッドの葉脈がおしゃれなカラーリーフを中央に。淡い紫色の花穂も爽やかな雰囲気。 ●ポットマム ‘ダンテサーモン’ /コリウスと色を合わせたサーモンピンクのポットマム。丸いつぼみと花心がワインレッドに染まり、秋らしくおしゃれなカラーリング。 ●カリオプテリス‘ゴールドクレスト’/背景と両サイドから青紫色のふわふわした花を咲かせているのがこの植物。明るいライムグリーンの葉も爽やか。耐寒性・耐暑性ともに強く、寄せ植えでも庭植えでも重宝する宿根草。 ●ペニセタム‘チェリースパークラー’/中央に入れたチェリーカラーの細長い葉。斑入りの葉と赤い穂が風に揺れ、秋らしい風情を演出してくれる宿根草。 ●ジュズサンゴ‘絣(かすり)’/鉢縁に入れた斑入りの葉です。白いふわふわとした花が咲いた後に、オレンジ色のつややかな実が12月まで楽しめます。半耐寒性常緑~落葉低木です。 ●アルテルナンテラ‘コタキナバル’/ジュズサンゴの両脇に入れたワインレッドの葉です。宿根草ですが耐寒性はなく、霜に当たると枯れるので一年草扱いのことも。 ●カルーナ・ブルガリス/両サイドの鉢縁に入れ、アクセントにしています。寒さにとても強い耐寒性常緑低木で、モールのような特徴的な葉が秋から冬の寄せ植えに重宝するカラーリーフです。冬はより赤色が強く出ます。 幅約50cmの大鉢に、ユーカリの樹木を中心としてサークル状にだんだんと草丈が低くなるようグラス類やマムを植栽しました。高さがあり堂々としているので、アプローチなどに置くと家構えに品格がプラスされます。 【使った植物】 ●ユーカリ・ポポラス/丸い葉っぱが可愛らしい常緑樹の苗木を寄せ植えに使いました。鉢内の土が少ないので鉢植えのままならそれほど大きく育ちませんが、地植えにすると10m以上になります。剪定しながら小さくも育てられ、カットした枝はドライフラワーでも楽しめます。 ●クロロフィツム ‘スターライト’/ユーカリの周りに植栽した細長いグリーンの葉。オリヅルランの仲間で、葉はクリーム色の斑入り模様。夏から秋にかけて星形の白い花を咲かせます。耐暑性・耐寒性に優れ、乾燥にも強くローメンテナンスな常緑の宿根草。 ●ポットマム ‘ダンテサーモン’ /全体的にライムグリーンでまとめた中にアクセントカラーとして効かせているのが、このマムの花。ダークな葉も株元を引き締めるのに効果的です。花後は別の花に植え替えて、マイナーチェンジをするとよいでしょう。性質は前述のマムと同様。 ●ハゴロモジャスミン‘フィオナサンライズ’/マムの苗と苗の間にライムイエローで切れ込みの深いこの葉を入れることで、マムの花が際立ち軽やかさも生まれます。半耐寒性のつる性低木で、暖地では年間を通して美しい葉が楽しめます。 ●オレガノ‘ノートンズゴールド’/鉢縁をぐるりと覆いました。輝くような葉色が通年楽しめる半常緑性の宿根草です。小さな葉を密に茂らせ這うように広がるため、寄せ植えでは鉢縁に、庭植えではグラウンドカバーとして活躍します。 秋は実を観賞する植物が多くなる季節です。日本に古来からあるムラサキシキブは、その代表。この実を含めてパープル系の植物をセレクトし、全体をシックにまとめました。 【使った植物】 ●ムラサキシキブ/秋に美しい紫色の実をつける落葉性低木。寄せ植えの後方へ植栽して高さを出すと、アクセントとしても効果的。 ●ポットマム‘ダンテレッド’/艶やかな花色が目を引く品種。性質は前述のマムと同様。 ●カレックス‘ジェネキー’/葉が非常に細く、寄せ植えに繊細な雰囲気が出るグラス。グリーンと白の斑入りで、しなやかな葉が美しい常緑の宿根草。 ●ヒューケラ/鉢縁に植えたパープルの葉。常緑の宿根草で、美しい葉はカラーバリエーションが豊か。寄せ植えでは、アクセントカラーとして大活躍します。 ●バコパ‘トピア ピンク’/柔らかな茎を這うように伸ばし、ピンクの小さな花をたくさん咲かせるので鉢縁に植栽。晩秋まで楽しめる耐寒性多年草ですが、夏越しが難しいので一年草扱いにすることも。 ●ジュズサンゴ‘ジュズバニラ’/白いつややかな実が愛らしい半耐寒性常緑~落葉低木です。小さな実がこぼれるように、鉢縁に植栽しました。 秋の花にはクリアピンクが少ないなか、貴重な花材となるカーネーションを主役にしました。明るくパッと華やかな印象に仕上げました。 【使った植物】 ●カーネーション‘I ♡ YOU’/1輪の開花期間が長く、連続開花性にも優れたスーパーハイパフォーマンスな宿根草。コンパクトにまとまり寄せ植えに使いやすいですが、越冬して株が太ると1株で100輪近い花を咲かせることも! ●アメリカイワナンテン‘レインボー’/クリーム色の斑入りの葉と赤っぽい茎がおしゃれな常緑低木。寄せ植えの後方に入れました。 ●ルー(ヘンルーダ)/中央に植えた深い切れ込みのある葉。青みがかった葉が通年美しい常緑宿根草。 ●アルテルナンテラ‘ピンクスプラッシュ’/右の鉢縁に入れた赤い斑入りの葉。先にご紹介しているようにアルテルナンテラは葉色が美しく、個性的な品種がたくさんあります。 ●バコパ‘トピア ピンク’/鉢縁に植栽したピンクの小花。晩秋まで楽しめる耐寒性多年草ですが、夏越しが難しいので一年草扱いにすることも。 秋は植物の生育がゆっくりで、花が長もちします。気温が低く蒸れる心配も少ないので、ギュッとたくさんの種類を植え込んでも安心です。ぜひ、寄せ植えを楽しんでくださいね!
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寄せ植え・花壇
【プロのおすすめ16選】おしゃれな寄せ植えのコツは「葉っぱ(リーフプランツ)」にあり!
寄せ植えの中の「葉っぱ」の役割 さまざまな草花を1鉢に植え込んで、素敵な風景を作る寄せ植え。フラワーアレンジメントや生け花とよく似ており、共通点もたくさんあります。それが葉っぱの使い方。花屋さんでブーケをお願いすると、必ず葉っぱを組み合わせて素敵に仕上げてくれますよね? この葉っぱはあまり注目されませんが、ブーケ全体の中ではとても大事な役割を担っています。花を引き立たせたり、ボリュームや高さを出したり、動きを加えたり、複雑な表情を演出したり…。葉っぱの働きっぷりは偉大です。寄せ植えでも葉っぱは同様の役割を果たします。 花を引き立てる役割 オステオスペルマム‘3D バナナシェイク’を主役に、プリンセス クローバー‘エステル’を合わせた寄せ植え。 植物の中には、花ではなく、主に葉っぱを観賞する種類があります。それをカラーリーフ、またはリーフプランツと呼びます。葉っぱといえば緑色を思い浮かべますが、カラーリーフ類は、その名のとおり色が特徴です。例えば、写真のようなチョコレート色のクローバーもカラーリーフの一つ。オステオスペルマムの花色とぴったり合い、花をより可愛らしく見せてくれます。 【Point!】 「同系色」の花でまとめた寄せ植えは、まとまりがよく美しく仕上がりますが、そこに花色と同じリーフプランツを少し添えることで、寄せ植えに複雑性が生まれ、花だけの寄せ植えよりも全体のおしゃれ感が増します。リーフにもシルバーやピンク、黄、紫、キャラメル、チョコレート、斑入りなどさまざまな色があるので、ぴったり合うものが見つけられるはずです。 ピンクの花々に合わせて、ピンクの斑入り葉のヘーベ‘ジュエル・オブ・ナイル’を組み合わせた寄せ植え。 寄せ植えに動きを出す役割 個性的なブルーのパンジーとスイートアリッサム、リシマキア‘リッシー’、ハゴロモシャスミンの寄せ植え。 寄せ植えは植え込んだばかりのとき、植物同士がまだあまりなじまず、全体のまとまりに欠けることがあります。特に秋から冬にかけては植物の生育がゆっくりなので、寄せ植えがまとまるのに時間がかかってしまいます。そんなときに便利なのが、つる性のリーフプランツです。例えば上の寄せ植えでは、ハゴロモジャスミンを鉢の中央あたりに植栽し、つるを前後左右に垂らすことで動きを加えています。この「動き」が、寄せ植えに自然な雰囲気を演出してくれます。また、つるがふんわりあちこちにかかることで、他の植物同士をつなぐ役割も果たし、全体のまとまりをよくしてくれます。 【Point!】 寄せ植えに動きを加えるリーフプランツは、つる性のものだけではありません。細長いライン状の葉も適役で、全部の苗を植え込んだ後、他の植物と絡めるように細長い葉をアレンジして仕上げると完成度が高まります。 左/糸のように細い葉はカレックス・ブルンネア‘ジェネキー’。細葉が躍動感を演出。右/斑入りヤブランの細葉で動きと高さを加えた秋の寄せ植え。 葉先を絡めると自然な雰囲気に仕上がる。 花と花の緩衝材の役割 中央にパンジー、後方両サイドにネメシアを配し、花の間をリーフ類でつないだ寄せ植え。 素敵な花をたくさん選んだはずなのに、寄せ植えにしてみたら、なんだかイマイチ。という経験はありませんか。その原因は、それぞれ花の主張が強く、個性を打ち消し合っているのかもしれません。そんなときもリーフプランツが活躍します。花と花の間にリーフを挟み込むように配置すると、それぞれの個性が際立って、花選びをしたときの「素敵」が失われません。寄せ植えの中で主役となる花は1〜2種類程度に絞り、ほかはリーフプランツで構成すると成功しやすいでしょう。 鉢との一体感を演出する役割 寄せ植えは植物だけでなく、鉢も含めた美観が大事。気をつけたいのは、選ぶ花によって植物と鉢が分離して見えることです。例えば、上の写真の寄せ植えではポットマムが主役ですが、ポットマムは草丈が30〜40cmほどあり、花と鉢との間に距離が生まれます。そこで、間をつなぐように活躍しているのがアルテルナンテラ‘キャッツラマーズ’です。鉢の縁を少し覆っているだけですが、上部を彩る植物と鉢をつなぎ、一体感を生む大事な役割を果たしています。鉢は人工物なので、直線的なラインが目立つことがありますが、このように葉っぱで鉢縁を覆ってやると、よりナチュラルな雰囲気が演出できます。 個性的な花との組み合わせ 近年、パンジー&ビオラには1輪の中に複雑な色合いが混じる個性派の品種が増えています。個性の強い花は、ほかの花と組み合わせるのが難しいものですが、脇役に徹してくれるリーフプランツならその個性を邪魔することがありません。上の寄せ植えでは、花はパンジーとネメシアの2種類のみ。あとはすべてリーフプランツで、じつに10種類もの葉っぱを使っています。花色に合わせて黄味がかった葉とシルバーリーフを選び、華やかな雰囲気を演出しています。 リーフプランツのメリット アイビーやアルテルナンテラ、ハツユキカズラ、コリウス、タイムなどリーフプランツだけを組み合わせたリースの寄せ植え。 葉を観賞するリーフプランツは花がら摘みの必要がなく、メンテナンスが楽。また、基本的にどれも丈夫で初心者でも難なく育てられます。見頃が長く、一年を通じて楽しめるものや、常緑で何年も楽しめるものも少なくありません。一度寄せ植えで使ったものを別の花と組み合わせて、繰り返し使うこともできます。リーフプランツは、コスパがよくてローメンテナンスな素材なのです。 寄せ植えに重宝するリーフプランツ16選 寄せ植えに大活躍するリーフプランツを選びました。寄せ植えに限らず地植えでも使え、持っていると何かと重宝する植物たちです。 ① アイビー(ヘデラ)/常緑のつる性植物で、観葉植物としても楽しめる。斑入り葉やカールした葉など、品種のバリエーションが豊富。② サントリナ/シルバーリーフが美しい常緑性の低木。葉に爽やかな香りがあり、ハーブとしても楽しめる。夏に黄色の花が咲く。③ ハゴロモジャスミン/半常緑性のつる性植物。繊細な葉と春に咲く香りの強い花が楽しめる。④ キンギョソウ‘ブランルージュ’/ワインカラーに染まる葉が美しい常緑多年草。寒さによって赤色が濃く出る。 ⑤ シルバータイム/斑入りの小さな葉は香りがあり、ハーブとしても利用される常緑低木。茎が赤っぽく、秋から冬にかけて紅葉する。⑥ アルテルナンテラ‘キャッツラマーズ’/ワインカラーをベースにした複雑な斑入りの葉っぱが美しい多年草。⑦ クローバー/特に秋から春まで美しい葉が楽しめる多年草。赤葉やチョコレートカラーなどカラフルな園芸品種がある。⑧ セイヨウイワナンテン‘フロマージュ’/斑入りの柔らかい色合いが美しい常緑低木。秋から冬にかけては、ほんのりピンクがかる。⑨ ワイヤープランツ‘スポットライト’/ワイヤーのような丈夫なつるを盛んに伸ばし、マーブル模様の丸い小さな葉を茂らせる。 ⑩ キンギョソウ‘ムーンライトオブトリニティ’/密に茂るクリーム色の斑入り葉はフワフワと起毛している。一年草扱い。⑪ リシマキア ‘リッシー’/黄金色の葉が美しい多年草。這うように広がるので鉢縁に最適。庭ではグラウンドカバーとしても利用される。⑫ オレガノ‘ノートンズゴールド’/黄金色の葉が美しい宿根草。⑬ ヘーベ‘ジュエル・オブ・ナイル’/細葉の斑入り葉に赤い茎が特徴の常緑低木。秋から冬は葉がピンク色に染まる。⑭ オレガノ‘ミルフィーユリーフ’/ライムグリーンの丸葉の多年草。茎の先端が花のようになり、日当たりによってピンク色に変化する。 ⑮ ヒューケラ/赤、黄、オレンジ、紫、茶、黒、シルバーなど葉色のバリエーションが豊富にあり、カラーリーフを代表する常緑多年草。⑯ コリウス/春から秋まで葉が楽しめる。日本では一年草扱い。色のバリエーションに加え、葉の大きさや形も多くカラーリーフとして重宝される。
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寄せ植え・花壇
南国ムードを満喫! 夏色の花と秋まで楽しめるコリウスの寄せ植え
夏の寄せ植えで活躍するビビッドカラーの夏花 年々暑さを増す夏。こうなったらもうビビッドな花色の植物をたっぷり使って、南国ムードを楽しんでしまいましょう。ここでご紹介する花たちは可愛いだけでなく、暑さや蒸れに強く、真夏の寄せ植えできれいな姿を保ってくれるものばかりです。 1. ペンタス‘グラフィティ20/20’ 分枝性に優れ、花が密にこんもりと咲く。草丈25〜30cmで寄せ植えや花壇の前方を彩るのに最適。白やルビー色、ピンク、バイカラーなど色幅豊富。 同シリーズの新色「アップルブロッサム」。 2. ランタナ‘ブルーミファイ’ 高温期での花もちが抜群に優れた品種。花色が2色のグラデーションになり秋まで美しく咲き続ける。 同シリーズの新色「ピンク」。 3. ジニア‘ダブルザハラ・ラズベリーリップル’ 耐暑性、耐病性に優れる。高温で色が淡く、低温で濃く出る。 4. ガイラルディア‘アリゾナ・サン’ 花径10cmほどの大きな花が秋までよく開花する。全米審査会受賞品種。ガーデンでもハイパフォーマンス。 5. ビンカ‘タトゥー’ 花心が黒っぽく染まり、インクを垂らしたような印象的な花色。寄せ植えの中で存在感抜群。 日向に強い! 夏から秋までずっと美しくローメンテナンスなコリウス 夏の寄せ植えの名脇役として活躍するのがコリウス。コリウスは本来、半日陰で美しさを発揮するカラーリーフとして重宝されてきました。赤や黒、斑入りなどカラーバリエーションが豊富で、見頃も春から晩秋までと長く、ローメンテナンス。そんな魅力たっぷりのコリウスを日向でも楽しめるようにと品種改良されたのが、プレミアムサンシリーズ(写真左)とバレッティ(写真右)。どちらも葉焼けしにくく日向でも美しさを発揮してくれ、季節によって葉色が変化するのも魅力。株が充実してくると淡い紫の花穂を上げますが、花が咲くと葉が衰えてくるので、晩秋までは花を咲かせず楽しむことをおすすめします。 ‘バレッティ’とは舞台で踊るバレリーナのこと。葉が小さめでフリル状になり、寄せ植えでも使いやすい。 夏色の花とコリウスの寄せ植え ビンカ‘タトゥー’とコリウス‘プレミアムサン・ウォーターメロン’を組み合わせた寄せ植え。どちらも黒みがかった赤色で、エキゾチックな雰囲気が相性抜群です。この2種類だけでもインパクトが強く見応えがありますが、ピンクのブラキカムと赤いジニアを背後に添えて、どこから眺めてもきれいに見えるよう、ふんわりまとめました。 ガイラルディア‘アリゾナ・サン’を主役にした寄せ植え。‘アリゾナ・サン’のように特徴的な花色のものを主役に選ぶときは、ほかの花も主役の色に合わせると、きれいにまとまります。ですから、この寄せ植えでは黄色と赤の2色がテーマ。ライムイエローの葉が美しいリシマキアとジニアをサイドへ、赤色のダブル咲きカリブラコアを中央前方へ配置。コリウスは赤っぽい葉にライム色の縁取りが入る‘バレッティ’を選びました。コリウスを間に入れることで、花が際立ちます。 コリウス‘バレッティ’は葉の造形が細やかで、脇役ながら寄せ植えに優雅な雰囲気を与えてくれる。 赤いペンタス、カリブラコアに銅葉のリーフ類を合わせたバスケットの寄せ植えです。白い小花のユーフォルビア‘ダイアモンドフロスト’で軽やかさをプラス。コリウスには赤系の葉色も多いので、赤い花との寄せ植えに重宝します。 コリウス‘スローワー・チポトレ’を赤い花と合わせて。黒っぽい小さな葉はリシマキア‘ミッドナイトサン’。 鮮やかなピンクのペチュニア‘ホットローズ’を主役にした寄せ植えです。両サイドの株元に赤葉のコリウス‘バレッティ’を、背後はコレオプシスとカラーリーフのハロラギスで高さを出しました。 ランタナとペチュニア、アンゲロニアなどを組み合わせた寄せ植えです。咲き進むと中央からランタナがこんもり茂り、より華やかに。スッと花穂が高く伸びたアンゲロニアは‘エンジェルダンス’という新品種。株の勢いが強く、花穂が折れにくく丈夫です。花色がグラデーションになるランタナに合わせて、コリウスもグラデーションが美しく、茎の色が赤く染まる‘バレッティ・オーロラ’をチョイス。 真夏の寄せ植えの管理 【水やり】 早朝か夕方涼しくなってから水をやりましょう。ホースで与えるときは、出し始めの水の温度が高いことがあるので、必ず手で温度を確かめてから。夏は植物が茂っていることが多いので、しっかり株元に水がかかるように植物を手で押さえながら与えます。 【肥料】 ここでご紹介した植物は、花が秋まで連続して開花するものなので、夏場も定期的な施肥で栄養補給が必要です。液肥や粒状の緩効性化成肥料などを与えましょう。 【切り戻し】 草姿が乱れてきたら切り戻しをして整えると、見頃が長くなります。株元のほうの新しい芽が出ている上でカットします。ここでご紹介したコリウスは分枝力に優れているのでどこで切っても大丈夫。切り戻したら液肥を与えると、分枝が促されて早くこんもり茂り、きれいな姿になります。 ここでご紹介したように、暑い夏にも元気に咲き、秋まで魅力的な姿を見せてくれる花がたくさんあります。涼しい時間帯を選んで、寄せ植えを楽しんでくださいね。
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寄せ植え・花壇
【夏の寄せ植え】耐暑性・耐雨性ペチュニアと寄せ植え実例5選
ペチュニアとは ビビッドなピンク色が目を引くペチュニア‘ホットローズ’。 ペチュニアはナス科の植物で、本来は多年草ですが、寒さに弱いため日本では基本的に一年草として扱われます。夏の暑い時期もよく咲き、花期が長く品種のバリエーションも豊富なので、夏のガーデンには欠かせない存在。草丈は15〜30cm程度で、多くのものは這うように広がってこんもりとした丸い花の茂みを作ります。鉢植えにすると縁からあふれるように咲き、とても華やかです。 耐暑性・耐雨性に優れたペチュニアの登場 しかし、近年の日本の夏は、夏の定番花ペチュニアにとっても過酷。40℃を超える異常な暑さや打ち付けるような強い雨によって、きれいに咲いていた花がダメになってしまった、という残念な思いをしている人も多いのでは? でも、もうがっかりしなくて大丈夫。耐暑性はもちろん、耐雨性にも優れた品種が次々に登場しています。黄色のペチュニア‘ビーズニーズ’はその一つ。近年の厳しい夏の課題をクリアし、ジャパンフラワーセレクションでベスト・フラワー賞、グッドパフォーマンス賞を受賞するのみならず、アメリカのオール・アメリカ・セレクションでも最高品種賞のゴールドメダルを獲得。なんと、ペチュニアがこの賞に輝くのはコンテスト90年の歴史において、‘ビーズニーズ’でまだ2度目。約70年ぶりに、あまたの優れた草花のなかでNO.1に輝いた、いわば奇跡のペチュニアなのです。 オレンジ&ブラウンのグラデーションがおしゃれな‘ゆうやけこやけ’も同様に、耐暑性・耐雨性に優れた品種。春から秋まで絶え間なく花が咲き、長く楽しませてくれます。写真は9月末の様子。まだまだつぼみが上がり最盛期が続きます。 繊細な色彩のペチュニアも続々 暑さにも雨にも負けない「強さ」を追求する一方で、ビジュアルの進化も目を見張るペチュニア。単に色幅だけでなく、一輪のなかで複雑かつ繊細な色合いを展開するものが増えています。 白い花弁にラズベリーピンクがにじむような‘ピンクサファイア’。ツンと尖った小ぶりの花弁が幾重にも重なり合う愛らしい花です。色鉛筆でふわっと色をつけたような素朴な味わいのある‘花ことば’。ピンクから次第に淡い紫へと花色が変化し、株全体がグラデーションになります花弁の重なりが多く目を惹く‘花衣(はなごろも)’シリーズの新色「瑠璃静(るりしずか)」。淡い藤色に白い覆輪が入る小ぶりの八重咲きです。ライムグリーンにプラムカラーの花心、花弁の縁がわずかに藤色がかり、ひらひらとひるがえる優雅な花姿は、これまでにない個性。来春、デビューするか否か、お楽しみの品種です。 ペチュニアとカラーリーフの寄せ植え実例5選 同系色での色合わせ 単体でも見どころ満載のペチュニアですが、色の複雑性ゆえに寄せ植えの花材としてもこれほど楽しいものはありません。例えば、発売以来不動の人気を誇るペチュニア‘カプチーノ’。アイボリーの花弁にブラックの花心がおしゃれな花ですが、このような複色の場合、ペチュニアを構成するアイボリーとブラックの2色で他の草花を色合わせすれば、美しくまとまること間違いなし。ここではブラックリーフのミカニア・デンタータと白い粒々の花が愛らしい斑入りコデマリ‘ピンクアイス’を合わせました。 このペチュニアは日本の育種家、花芳さんの八重咲きペチュニア‘ジュリエット’「モダンホワイト」。なんとも複雑でユニークでおしゃれな花を主役に、同系色のアジュガとミカニア・デンタータを合わせ、鉢もアンティークカラーのものを選びました。 こちらはシックなベルベットレッドのペチュニア‘スイートサンシャイン’「バーガンディ」を主役にした寄せ植えです。このペチュニアの花色は、一口に「赤」と言えない深みのある色です。花色をよく観察してみると、赤紫や黒みがかった赤色などで構成されています。それをヒントに、他の植物を選びます。カラーリーフにはミカニア・デンタータとシルバータイムを。シルバータイムは葉の色に目が行きがちですが、じつは茎の色が赤紫で今回の寄せ植えの主役のペチュニアの花色と重なります。さらに赤紫の花のアゲラタムを組み合わせました。植物の色は1色に見えて、よく観察するとこのように複数の微妙な色で構成されていることがよくあります。寄せ植え植物のセレクトは、まずは主役となる花を決め、それをよく観察するのがポイント。組み合わせのヒントは花が教えてくれます。 赤紫という共通点で選んだ植物セレクト。 補色の植物セレクト ‘花衣(はなごろも)’シリーズの「瑠璃静(るりしずか)」を主役にした寄せ植えです。淡い藤色の花と組み合わせたのは、オレガノやルーなど、ライムイエローの葉を持つ植物。紫と黄色は補色ですが、補色もお互いの色を引き立て合うため相性のよい組み合わせです。花を縁取る白い覆輪に合わせて、斑入りのバコパやアジュガ、シルバータイムを入れて繊細な雰囲気もプラスしました。 白と紫のコントラストが鮮やかな‘花衣’シリーズの「藍染」を使った寄せ植え。基本的には先ほどと同様の補色の組み合わせですが、それに加えスッと茎を伸ばすガウラやサルビア‘ブルーチル’、ユーフォルビアなど白っぽい花をプラス。風に揺れる風情が涼しげな一鉢に仕上げました。 ペチュニアの寄せ植えを長く美しく保つコツ 八重咲きの品種は雨に当たると花が傷みやすいため、軒下など直接雨がかからない場所に置くとよいでしょう。春から植えていたものは、品種によって梅雨頃には茎が伸びて中心部が空洞化してくることがあります。そうなったら一度、株元10〜15cmを残してカットします。これを「切り戻し」といいますが、しばらくすると再び花が上がってきて、こんもりきれいな形に茂ります。また、花を咲かせ続けると株は体力を使うため、定期的に液肥などを与えて栄養を補給してやりましょう。切り戻し後も液肥を与えると、分枝が促進されます。 魅力的な品種があふれるペチュニア。いろいろ試して、夏のガーデンも楽しく美しく彩ってくださいね。
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寄せ植え・花壇
【半日陰の寄せ植え】ヤマアジサイとインパチェンスの寄せ植え
小ぶりな花が寄せ植えにぴったりのヤマアジサイ 住宅街の庭では、建物に日が遮られて、一日中日が当たっている庭はなかなかありません。一日のうち数時間だけ日が当たる場所を半日陰と呼びますが、そうした場所で美しく映える花の代表がアジサイ。なかでもヤマアジサイは、古くから日本の山野に自生してきた花木で、気候に馴染み育てやすく、ガーデニングビギナーにもおすすめです。豪華な西洋アジサイとは異なり、野趣あふれる花姿は趣があり、株が小型のものは小さな庭や寄せ植えにも向きます。今回の寄せ植えの主役には、そんな小型のヤマアジサイ‘伊予獅子てまり’を用いました。 ヤマアジサイは根の生育が旺盛で、生育期には水を盛んに吸い上げるので、鉢はある程度大きさと深さがあるもののほうが乾きにくく向いています。 華奢な枝に小ぶりの花を咲かせるヤマアジサイ‘倉木てまり’や‘伊予獅子てまり’。花色は土壌の酸性度によって変わり、酸性だと青色に、アルカリ性だとピンク色になります。 濃いブルーが印象的なヤマアジサイ‘藍姫’も小ぶりで寄せ植えに好適。 半日陰できれいに咲くインパチェンス 寄せ植えでは、同じ環境を好む草花を選ぶ必要がありますので、同様に半日陰を好む草花をヤマアジサイの株元に入れました。インパチェンスはアジサイと開花期が同じで、半日陰を好むので、組み合わせるにはぴったり。ここではバラのように花心が渦巻いて咲くインパチェンス‘カリフォルニアローズ フィエスタ’のアップルブロッサムをセレクト。やさしい水色のヤマアジサイによく似合うふんわりしたパウダーピンクの花です。ほかに斑入りコデマリ‘ピンクアイス’、黒い葉が美しいヒューケラ、銀葉のラミウムを合わせました。すべて半日陰を好む植物です。 半日陰でよく育つラミウム。銀葉が美しく、ピンクや黄色などの花色がある。 花と花の間に入れる葉ものがポイント 植栽のレイアウトは、中央にヤマアジサイ、次にヒューケラ、鉢縁にいくに従い草丈の低い植物を配置しています。ヤマアジサイは小ぶりの品種を選んでいますが、植えた直後のインパチェンスは草丈が15〜20cm程度なので、間にやや空間が生まれます。その空間をちょうどよくつなぐのが、黒っぽい葉色のヒューケラ。ヤマアジサイとインパチェンスの花と花の間には、ヒューケラのようなリーフプランツを入れるのがポイントです。花を引き立ててより美しく見せる役目を果たします。インパチェンスは生育するに従い、こんもりと茂って草丈も高くなってきます。 インパチェンスで半日陰を華やかに! インパチェンスは初夏から秋までよく咲き、半日陰の庭を彩る夏の一年草の代表です。草丈は10〜40cmで、こんもりと茂るので、花壇の前方や寄せ植えの素材として重宝します。花径3〜4cmの愛らしい花は株を覆うようにバランスよく咲き、主役にも脇役にもなるので、使い勝手も抜群。ヤマアジサイとの寄せ植えでは準主役として共演しましたが、上の写真のように主役としても活躍してくれます。ここでは、バラ咲きの人気品種インパチェンス‘カリフォルニアローズ フィエスタ’を主役に、周りに半日陰を好むラミウムやアジュガを植栽しました。 日陰の庭に人気の「バラ咲き」 ‘カリフォルニアローズ フィエスタ’ とりわけバラのように優雅な花姿で人気のインパチェンス‘カリフォルニアローズ フィエスタ’は、寄せ植えの主役としても存在感を発揮します。この品種は「暑さに強いバラ咲きインパチェンス」として、20年を超えて愛されている人気品種で、カラーバリエーションも豊富。春から晩秋まで長く咲き続け、日陰を鮮やかに彩ってくれます。 半日陰の寄せ植えのお手入れと注意点 植え付け時に緩効性肥料を用い、追肥として緩効性肥料を与えるか、定期的に液肥を施しながら育てます。水は表面の土が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりとあげましょう。暗い場所はナメクジやダンゴムシも好み、花や葉を食べられることがあるので、専用の忌避剤などを用いて対策をしておくとよいでしょう。もし薬剤を用いたくないなら、ナメクジは夜行性なので夜のパトロールで捕獲しましょう。 インパチェンスのお手入れ 長く咲かせるために、植え付け時に緩効性肥料を用い、追肥として緩効性肥料を月に1度与えるか、定期的に液肥を施しながら育てます。株が大きくなって間のびしてきたら、7月頃に地上部を15cm程度残して、刈り込みます。刈り込んだ後、追肥を与えることで、もう一度きれいな姿で花を楽しめます。一年草なので晩秋に花が咲かなくなってきたら寿命です。 ヤマアジサイのお手入れ ヤマアジサイは5〜7月に開花し、晩秋には落葉しますが、枯れたのではなく休眠しているだけです。翌春には再び新芽を出して生育し始めるという、一度植え付ければ長い期間にわたって毎年の開花を楽しめる、コストパフォーマンスの高い植物です。10月頃には翌年のための花芽がつくので、花が終わったら9月までには剪定し、液肥を与えましょう。枝にある節を3〜5個残し、節の上2〜3cmのところでカットして切り戻し、樹高を低くします。古くなっている枝があれば、根元から切り取って新しい枝に更新します。 日当たりに恵まれない庭でも、花を選べば華やかに空間を彩ることができます。今回ご紹介した半日陰を好む植物の寄せ植えは、玄関ポーチなど庇があり陰ができる場所に最適です。暗くなりがちな場所に華やかな寄せ植えがあれば、パッと明るく美しく見えますよ。
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寄せ植え・花壇
【寄せ植え】ピンクの花には秘密の効果!? カーネーションの寄せ植え
母の日に贈りたいカーネーション ‘I♡YOU’ 母の日の贈り物として大定番のカーネーション。色や花形もさまざまで多くの品種がありますが、カーネーションは色によって花言葉が異なるのをご存じですか。母の日に最もふさわしい「感謝」という花言葉を持つのは、ピンクのカーネーション。なかでもおすすめなのは、ローズピンクから桜色へと色変わりし、1株の中にさまざまなピンクが現れる品種‘I♡YOU(アイ・ラブ・ユー)’です。 秋までたっぷり咲き続けるカーネーション ‘I♡YOU’ カーネーション ‘I♡YOU’は1輪の花のもちがよく、色の変化を長く楽しめます。連続開花性に非常に優れ、次々につぼみが上がり、母の日を過ぎても秋までずっと花が咲き続けます。花首が短くコンパクトにまとまるため、寄せ植えで扱いやすいのも魅力。もちろん、地植えにしてもよく咲き、酷暑を乗り越え、秋には一回り株が大きくなってたわわに花を咲かせます。さらに、冬越しして充実した株は、1株で100輪近い花が咲くことも! 病害虫や暑さにも強く、春から秋まで長期間花が楽しめるスーパーハイパフォーマンスな宿根草としても注目を集めています。 ピンク色には若々しさを保ち優しさを促す効果が! 母の日にピンクのカーネーションをおすすめするワケは、花言葉だけではありません。近年の研究では色彩が脳に生理的影響を与えることが分かっており、ピンク色は「アンチエイジングカラー」として注目されています。というのも、ピンク色を見るとエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが分泌され、これらの働きで皮膚や筋肉の若返り、リラックスや優しい気持ちの増幅が推進されるのです。実際、こうした効果を利用し、海外ではピンク色を用いた療法もあるほど。ピンクのカーネーション‘I♡YOU’の寄せ植えを贈れば、いつまでも若々しく優しいお母さんでいてくれるはずです。 カーネーション‘I♡YOU’とペチュニアの寄せ植え カーネーション‘I♡YOU’とワインレッドの八重咲きペチュニア、斑入りのコデマリ‘ピンクアイス’の寄せ植えです。こんもりと咲く ‘I♡YOU’は鉢の後方へ、咲き進むにつれ枝垂れ咲いてくるペチュニアを前方へ配置しました。両サイドに斑入りのコデマリ‘ピンクアイス’を入れ、ふんわり優しい雰囲気にまとめました。コデマリは春から初夏にかけて白い花を咲かせ、夏以降はカラーリーフとして、秋は紅葉も楽しめる品種です。 新葉が薄いピンク色の斑入りコデマリ‘ピンクアイス’。 ギフトボックスのようなピンクの鉢はブリキ製で軽量なので、プレゼントに好適。近年、さまざまな色やデザインのものが増えているので、植える花に合わせて選ぶと素敵に仕上がります。ただし、ブリキ製の鉢はテラコッタ鉢より高温になりやすいので、夏は半日陰に移動してあげましょう。鉢内が高温になりすぎると根が傷む原因になります。 カーネーション‘I♡YOU’とバーベナの寄せ植え カーネーション‘I♡YOU’とピンクのバーベナ‘ファイヤーハウス ライトピンク’、オレガノ‘ミルフィーユ’、斑入り葉のキンギョソウ‘ムーンライトオブトリニティ’の寄せ植えです。花はもちろん、葉にもピンク色が入るものを選んで統一感を出しました。 バーベナは品種によって生育タイプが異なり、上へ伸びるものと、あまり草丈が高くならずこんもり横へ広がって生育するものがあります。ここで用いたバーベナ‘ファイヤーハウス ライトピンク’は後者のタイプで、今回のようなやや横長の鉢での寄せ植えには最適です。よく分枝して茂り、バーベナにありがちなうどんこ病にも強く、丈夫な品種です。 プレゼントと一緒に贈ろう!「長く楽しむための4つのコツ」 寄せ植えを長く楽しむための4つのコツをご紹介します。ガーデンストーリー公式インスタグラムにも掲載しているので、お母さんに寄せ植えをプレゼントする際は、ぜひ一緒に贈ってあげてくださいね。 ① 風通しがよい場所へ置くと、草花が健やかに育ち、病害虫も発生しにくくなります。地面より10cm程度高いところに置くだけでも、風通しはよくなります。 ② 土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり水をあげてください。植物は根から水を吸い上げるので、水は花の上からかけるのではなく、植物をやさしく手でおさえて株元にやるようにしましょう。水が花や葉にかかると傷むものもあります。 ② 乾いて茶色くなってきた花(花がら)は、こまめに摘み取りましょう。美観が保たれるだけでなく、株に体力を温存して長く咲かせるポイントです。枯れた花を摘み取ることを「花がら摘み」といいます。花がら摘みをすると、風通しもよくなります。 ③ 次々に花を咲かせる多花性の植物は、いわばずっとフルマラソン状態で生育しています。水だけではスタミナ切れになってしまい、花数が少なくなったり、開花期間が本来より短くなることも。肥料は定期的に施し、1週間〜10日に1度、鉢全体に染み渡るように液肥入りの水を与えるとよいでしょう。
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寄せ植え・花壇
【プロが解説】春を満喫!色変わりが楽しいオステオスペルマムの寄せ植えの作り方
主役は色変わりが美しいオステオスペルマム‘マスカレード’ 今回の主役は、オステオスペルマム‘マスカレード’。ライムイエローのつぼみから黄色、オレンジピンクへと、咲き進むにつれ色が変わっていく新しい品種です。1株のなかで、さまざまな色合いが織りなす美しいグラデーションが魅力。次々に花が上がり、初夏までたっぷり楽しめます。 同系色の植物で組み合わせ オステオスペルマムに合わせて、同系色の植物と赤い鉢を選びました。左はプリンセスクローバー‘イザベラ’。ワインレッドの小ぶりな葉が愛らしい品種です。中央は、主役のオステオスペルマムと同じ2色のグラデーションで咲くプリムラ・ジュリアン‘キャンディマジック’。右は赤の斑が入るワイヤープランツ‘スポットライト’。動きをつけるため、ほかに細葉のカレックス・ブルンネア‘ジェネキー’と、つる植物のハゴロモジャスミン‘ミルキーウェイ’をセレクト。 オステオスペルマムの寄せ植えの作り方 【素材】 オステオスペルマム‘マスカレード’ 2苗プリムラ・ジュリアン‘キャンディマジック’ 1苗プリンセスクローバー‘イザベラ’ 2苗ワイヤープランツ‘スポットライト’ 2苗カレックス・ブルンネア‘ジェネキー’ 1苗ハゴロモジャスミン‘ミルキーウェイ’ 1苗 【その他の材料と道具】 鉢/直径20cm前後 鉢底石 培養土水を張ったバケツ(手洗い用)何も入っていないバケツ(土捨て用)回転台(あると便利) 【作り方】 ① 鉢の底に鉢底石を入れ、培養土を8〜9分目くらいまで入れます。鉢は回転台の上に乗せて作業します。 ② オステオスペルマム‘マスカレード’をポットから取り出し、株元をよく見て黄変している葉があれば取り除き、根をほぐします。ここではまだ鉢に植えずに、いったんそのまま置いておきます。 ③ ハゴロモジャスミン‘ミルキーウェイ’をポットから取り出し、2つに分けます。生産者によって1ポットに複数株植えていることがあるので、株元を見て無理なく分けられそうな場合は株分けします。1株が小さいほうが、寄せ植えに繊細な雰囲気を出しやすいです。 ④ オステオスペルマムと株分けしたハゴロモジャスミンを手の中で組み合わせ、つるを花の間に絡ませます。そうして小さな花束のようにした状態で植え付けます。後からもう1つ同じものを作って隣に植えるので、鉢内の左右どちらか片側に寄せて植え付けます。基本的に後から土を足さないので、株元までしっかり植わるように、グッと苗を土に押し込みます。 【きれいのPoint!】 苗をほぐす際に土を触ったら、1回1回、手を洗ってきれいにしましょう。土のついた手で植物を触ると、葉っぱや花が汚れて仕上がりが汚くなってしまいます。寄せ植えの花たちは、鉢の中で共演するいわば舞台役者です。汚さないように丁寧に扱いましょう。 ⑤ もう1つ、④と同じ組み合わせを作って植え付けます。このとき、鉢の中央部が最も高くなり、全体のフォルムが緩やかな弧を描くように、花の高さと向きを意識して植え付けましょう。 ⑥ カレックス・ブルンネア‘ジェネキー’を鉢の後方中央に植え、葉っぱを先に植えた草花と絡めてなじませます。 【きれいのポイント!】 葉先を絡めていく際は、カリスマ美容師の仕上げのヘアセットのごとく繊細に! これをやらないと、苗がただ横並びに植わっているだけのような野暮ったい仕上がりになります。いずれ成長の過程で葉同士が自然に絡んでいきますが、最初からそのように手を加えておくと、完成時の見栄えが断然よくなります。 ⑦ カレックスの左右に、プリンセスクローバー‘イザベラ’を植え付けます。苗をポットから出した際は、根がほぼポットの形状になっています。ここでは鉢縁に沿って2苗が帯状につながるようにしたいので、根をグッと開いて平らにし、鉢縁に沿わせて植え付けます。 ⑧ プリムラ・ジュリアン‘キャンディマジック’をポットから取り出し植え付けますが、プリムラ・ジュリアンは葉が大きく、寄せ植えでは邪魔になるので、植える前に大きな外葉は取ってしまいます。外葉を取っても、右の写真くらいのボリュームで葉が残っていれば、生育や開花に影響はありません。 ⑨ プリムラを鉢の中央前方、オステオスペルマムの株元に植え付けます。このとき、苗をやや前傾させて植えるとプリムラの花がよく見え、カラーコーディネートの効果がアップします。植え付ける際は、それぞれの魅力が際立つように、花の向きや見え方に気を配りましょう。 ⑩ 最後に前方鉢縁にワイヤープランツ‘スポットライト’を⑦と同様に植え付けます。バランスを見て、枝先を絡めたり垂らしたりして調整し、完成です。 鉢色も揃えた鮮やかなオステオスペルマムの寄せ植えは、よく目立って春らしい雰囲気満点。同じ寄せ植えを2鉢作って左右に並べれば、フォーマルでより華やかな演出ができ、お店の入り口や玄関先にもぴったり。今が旬のオステオスペルマムの寄せ植えで、春を満喫しましょう!