【真似したい寄せ植え!】ローメンテナンス&春まで長もちする冬のおしゃれな寄せ植え

冬の植物の代表、ハボタンを主役にしたおしゃれな寄せ植えを花のスペシャリスト、エム・アンド・ビー・フローラの難波良憲さんに教わります。リーフ類が主役なので、花がら摘みなどのお手入れに追われることなくローメンテナンスでOK。そして見頃が春までと長く楽しめるのも魅力です。たっぷり時間があるホリデーシーズンを利用して、冬の寄せ植えを作って春まで楽しみましょう。
目次
多彩な個性! 冬の花材の代表「ハボタン」とは

ハボタンはキャベツやブロッコリーなどと同じアブラナ科の植物で、別名「ハナキャベツ」とも呼ばれます。ですが、姿はどちらかというとキャベツというより、やはりボタンやバラの花のよう。渦巻く中心と美しい色が特徴です。寒さに強く、気温の低下に伴って株の中心部が白やピンク、赤、紫などに鮮やかに染まっていきます。

品種のバリエーションもさることながら、2.5寸のごく小さいサイズや、「枝・踊り仕立て」と呼ばれる茎が長いものなど、さまざまな株姿があり冬の寄せ植えで重宝します。リーフ類は脇役に回りがちですが、ハボタンはその美しさで主役としての存在感を発揮してくれる冬の素材。3月になり暖かくなってくると、中心から菜の花とそっくりの花が咲きます。そんな変化も面白く、春まで楽しめる見頃の長い花材です。
さまざまなハボタンを集めたバスケットの寄せ植え

カラーやサイズが異なるハボタンをたっぷり使ってバスケットに寄せ植えしました。ハボタンはフォルムが丸く、バラのように渦巻く葉姿が美しい植物です。その特徴が際立つように、組み合わせる植物にはまったく異なる個性をもつリーフ類を選びました。

バスケットの持ち手を境に、ハボタンを片側に寄せて植え込み、もう片方にはアイビーやハゴロモジャスミンなど長くつるが伸びるものや、糸のように細くラインで見せるカレックスを植栽。高さを出すために中心部分に使っているのは、斑入りのヤブコウジです。左右でくっきり植え分ける方法は寄せ植えでは珍しいかもしれませんが、このアイデアはフラワーアーティストのニコライ・バーグマンさんの作品からインスピレーションを得たものです。新しいチャレンジでしたが、コントラストを強調することで、植物の持ち味が引き出せるという新鮮な発見がありました。

ハボタンを植えるときは、外側の大きすぎる葉や、色が褪せた葉はあらかじめ取り除きます。

そして、ハボタンが最もきれいに見える角度で植えましょう。ハボタンのチャームポイントは、バラのように渦巻く中心部です。単にまっすぐ植えてしまうとチャームポイントが真上を向き、寄せ植えを上から見下ろさない限りは葉の側面ばかりを見せられることになってしまいます。

ですから、チャームポイントがしっかり見えるように、苗を傾けて植え込みます。さまざまな色やサイズを組み合わせて、隙間がないように植えることで華やかさが演出できます。バスケットの真ん中が最も高く、縁にいくに従い低くなるのを意識して苗を配置しましょう。冬は気温が低く、詰め込んで植えても蒸れなどで傷むことがないので、きれいに育ちます。
材料3種! ハボタン・ビオラ・ワイヤープランツのリース植え

リース型のバスケットにハボタン・ビオラ・ワイヤープランツの3種を寄せ植えにしました。リースの器は植物が隙間なく植え込まれていないときれいに見えないので、やはり蒸れの心配がない冬の寄せ植えに向いています。またリース植えは草丈が低く揃っていたほうがきれいに見えます。冬季は植物の生育がゆっくりで、草丈が高くならないのも冬に向く理由の一つです。

リース植えは難しそうに見えて、じつはとても簡単。同じ花材を3つ用意して、三角形になるよう植え込みます。そしてまた違う花材も三角形に植え込みます。そうして三角形を少しずつ、ずらしながら植えていくことできれいなリースが完成します。

リースは専用の台に飾っても、扉などにかけても楽しめます。垂直に飾った場合、最初はビオラの花が下を向いているかもしれませんが、育つにつれちゃんとお日様に向かって顔を上げてくるので心配いりません。水やりをするときは、水を張ったバケツなどにゆっくり土の部分を沈めるようにします。勢いよく沈めると土が浮いてしまうことがあるので、ゆっくりやさしく。
ハボタンはたくさんの種類があり、寒さに強い植物です。ぜひ、このホリデーシーズンに寄せ植えを楽しんでくださいね。
Credit
寄せ植え制作&アドバイス / 難波良憲

八ヶ岳にある種苗メーカー「エム・アンド・ビー・フローラ」に勤務。膨大な植物の知識を生かし、花の個性を生かしたブーケのように華やかな寄せ植えが好評。同社のショップ(現在はクローズ)での店長を担当しつつ、寄せ植え教室を開催。現在は、同社インスタグラムを通じて、季節毎の華やかな寄せ植えの紹介や、水やりなどガーデニングの基本知識や様々なお役立ち情報の発信を行っている。気になる方はぜひアカウントを覗いてみてください。
- リンク
まとめ・写真 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
- リンク
記事をシェアする
新着記事
-
暮らし
ブユもアブもアリも寄せつけない! 出会わない! 家も外も “虫ゼロ空間”を叶えるこの夏の新…PR
今年の夏は、“虫が来てから対処”するのではなく、虫に出会わない空間を先回りで作るのが新常識! 庭しごとやキャンプなど、夏のレジャーで悩まされがちなアブやブユ、アリ、ユスリカなどの虫たちを、そもそも寄せ…
-
育て方
今がチャンス! 梅雨に楽しむ紫陽花やアナベルの挿し木|初心者も成功しやすい手順と注意点…PR
梅雨のしっとりとした空気は、植物の「挿し木」にとって理想的な環境。特に紫陽花(アジサイ)はこの時期に挿し木すると成功率が高く、初心者にもおすすめです。この記事では、紫陽花の挿し木に必要な道具から適し…
-
花と緑
【注目の新刊】北欧の『庭を彩る野バラ』に学ぶ! 日本でも参考になる“自然と共生する庭づくり”
風景や植物から癒やしを得ることを求める中で人気が高まっている「ナチュラルガーデン」。注目のガーデンスタイルのエッセンスを伝える書籍『庭を彩る野バラ 野生種とその近縁のバラ38種』がこの春発売されました…