庭の彩りが次第に寂しくなっていく秋から冬。華やかさを保つには、寄せ植えがおすすめです。エム・アンド・ビー・フローラの寄せ植え名人、難波良憲さんが、たった2種だけを組み合わせて秋冬のかわいい寄せ植えの作り方を伝授します。組み合わせに悩む人はぜひご参考に! 動画でかわいく見える植え方のコツも解説しています。
目次
フレンチマリーゴールド×ケイトウの寄せ植え

フレンチマリーゴールド‘ファイヤーボール’とケイトウ‘イエローテイル’の2種を組み合わせました。ファイヤーボールの丸い花に、ツンツンとした花形のケイトウを組み合わせることで、互いの個性が引き立ちます。花の形は異なるものの、花色はどちらもヴィヴィッドで暖かみを感じさせ、また草丈は20〜30cmという共通点も寄せ植えにまとまりを出す大事なポイント。どちらか一方の花色が淡すぎるとボヤけた印象になってしまいますし、どちらか一方の草丈が高すぎても間が抜けてバランスが悪くなります。
フレンチマリーゴールド‘ファイヤーボール’は、気温が下がるにつれ花色が赤く濃くなり、シックなワインレッドに変化していく様子が魅力です。ケイトウには草丈が50cm以上と高くなる品種もあるので、組み合わせる植物とのバランスに注意して選びましょう。
【植え方のポイント】

7号ポット(直径約21cm)にそれぞれ3株ずつ、計6株を植栽しています。配置は、それぞれの花で三角形を作るようにします。
植栽前には株をよくチェックし、枯れた葉や花は取り除き、根が回っていたらほぐしてから植栽します。秋冬は寒さで生育がゆっくりなので、ギュッと詰め込むように植えても問題ありません。植え込んだら葉や花をなじませるように微調整します。
元肥入りの草花用培養土を用いると、花の見頃が長もちします。最終的な土の量は、鉢の縁から2〜3cmほど下になるようにします。この空間は、水やりをしたときに土が流れ出ないための「ウォータースペース」と呼びます。
【植栽後のお手入れ】
■置き場所/どちらも日光を好む植物なので、日の当たる場所で管理しましょう。
■水やり/表土が乾いたら鉢底から流れ出るまで水やりをします。花に水がかからないように株元に水をやりましょう。
■施肥/液肥を定期的に(2週間に1回程度)やると花色や花もちがよくなります。
■花がら摘み/枯れてきた花は、美観の維持と病害虫を防ぐために摘み取りましょう。
■花後/どちらも一年草なので、見頃は1シーズンです。花が終わったら抜き取りますが、抜き取った後の土にそのまま次の花を植えるのは避けましょう。元の土の団粒構造や栄養バランスが崩れていたりするため、うまく育ちません。再生材などを利用して使用するか、廃棄します(地域によっては土のリサイクル施設があるので確認してみてください)。
フレンチマリーゴールド×アルテルナンテラの寄せ植え

フレンチマリーゴールド‘ファイヤーボール’とアルテルナンテラ‘マーブルクイーン’の2種の組み合わせです。こちらは‘ファイヤーボール’を中央に、草丈の低い‘マーブルクイーン’を鉢縁にぐるりと植栽。どちらも一年草なので、植栽後の手入れなどは上記を参考に。植え方のコツは動画で解説しています。

ポットマム×アルテルナンテラ・ポリゲンスの寄せ植え

ガーデン用のキク、ポットマム‘ダンテ サーモン’とアルテルナンテラ・ポリゲンスの2種を組み合わせた寄せ植えです。ポットマムの花心の色とアルテルナンテラの花色を合わせました。アルテルナンテラ・ポリゲンスは一年草のセンニチコウによく似ていますが、耐寒性多年草で寒くなってからも花が楽しめます。ポットマムも多年草で、どちらも翌年以降も繰り返し花を咲かせるコスパのよい素材です。30〜40cmの草丈は、どちらも買った最初の年限りで、翌年以降はより大きくなります。
【植え方のポイント】
7号ポットにそれぞれを3株ずつ植栽しています。そのまま植えるのではなく、1株を株分けして小さくするのがポイント。ポットマムもアルテルナンテラ・ポリゲンスも、1ポットに2株ずつ入っていることが多いので、根元を見て分かれやすいところで分割します。小さくすることで細かく入り交じらせて植えることができ、仕上がりにまとまりが出ます。

ポットマムの大きな下葉は寄せ植えしたときに邪魔になるので、あらかじめ取り除いておきます。

【植栽後のお手入れ】
■置き場所/どちらも日光を好む植物なので、日の当たる場所で管理しましょう。
■水やり/表土が乾いたら鉢底から流れ出るまで水やりをします。花に水がかからないように株元に水をやりましょう。
■施肥/液肥を定期的に(2週間に1回程度)やると花色や花もちがよくなります。
■花がら摘み/枯れてきた花は、美観の維持と病害虫を防ぐために摘み取りましょう。
■花後/どちらも多年草で、この大きさは買った最初の年限りです。翌年以降は草丈が50cm以上になるので、地植えにするか、より大きい鉢で栽培するとよいでしょう。
Credit
まとめ・写真 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
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