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【プロが選ぶ】暑さに負けずに秋まで長期間開花! おすすめ春植え花壇苗12選

【プロが選ぶ】暑さに負けずに秋まで長期間開花! おすすめ春植え花壇苗12選

温暖化などにより夏の暑さも一層厳しくなっている近年。長期間開花するといわれる花壇苗も猛暑に弱って花が咲かず、秋まで持たないことが多くなってきたようです。そこで、暑さに負けず、秋まで咲き続ける丈夫な花壇苗を、園芸のプロが12種セレクト! 花壇苗として定番の種類でも、特に耐暑性と丈夫さ、連続開花性に優れる品種を中心に、特徴と育て方のコツをご紹介します。手間をかけずに長期間花を楽しみたい人、必見です。

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【セレクト1】アンゲロニア

アンゲロニア
orientalprincess/Shutterstock.com

本来は草丈1mほどになる多年草ですが、矮性でよく分枝する品種が登場してから花壇苗として人気が出ました。

暑さに強く、春から秋まで長期間咲き続けます。ピンチしなくてもよく分枝して適度なボリューム感が出るので、花壇からプランター、寄せ植えなど、ガーデニングで幅広く活躍します。花色は青、紫、白、ピンク、ローズなどのほか、2色咲きの品種もあります。草丈30cmほどの品種から、高性とされる品種でも60cmくらいです。

<育て方のポイント>

日当たりと風通しのよい場所が適し、水はけの悪い場所は避けてください。明るい日陰でも育ちますが、株姿が間のびして花付きも悪くなります。乾燥する夏は、水切れしないよう注意してください。

【セレクト2】ランタナ

ランタナ
Nuk2013/Shutterstock.com

四季咲き性の熱帯花木ですが、寒さに比較的強く育てやすいです。環境適応性が高く非常に丈夫で、熱帯では雑草化して問題になるほどです。関東南部地域ではよく越冬し、大株に育てば都心部などでも戸外で越冬することは珍しくありません。地上部の大部分は冬の寒さで枯れますが、株元付近が越冬し、春になると勢いよく新芽が成長します。

低木のランタナ・カマラと、枝が細く匍匐(ほふく)性のコバノランタナの2種類が流通しますが、その交配種もあります。ランタナ・カマラは花色が変化することから七変化の和名があり、種子をよく付けます。種子は毒性があるので、誤って口にしないよう注意してください。「ブルーミファイ」シリーズは種を付けない品種で、種子による株の消耗がないことから、花付きや連続開花性に優れます。

交配種は種子がつきにくく、分枝性や連続開花性に優れるスーパーランタナなどの品種があります。

ランタナの仲間 コバノランタナ 

コバノランタナ
コバノランタナ。wuanxiang/Shutterstock.com

種子は付かず、花色は紫と白で、寒さにはカマラより強いです。枝がよく伸びるので花壇ではやや扱いにくく、吊り鉢やスタンド鉢、グラウンドカバーなどに向きます。

<育て方のポイント>

日向~半日陰が適し、水はけの悪い場所は避けてください。環境適応性が高く、明るい日陰でも育ちますが、株姿が間のびして花付きも悪くなります。3要素が等量の化成肥料などを規定量、またはやや少なめに与えるほか、伸びすぎたら半分程度切り戻し、追肥してください。

【セレクト3】ベゴニア

ベゴニア
Kristine Rad/Shutterstock.com

ベゴニアの花壇苗はセンパフローレンスが定番ですが、夏の終わり頃までに株が非常に弱ってしまったり、枯れてしまうことがあります。

従来のセンパフローレンスと比べて3倍くらい大きくなる‘ビッグ’や‘トップハット’などは、見応えがあって暑さに負けず、丈夫でおすすめです。また、さらに大型の‘ビッグデラックス’や‘ワッパー’などもあり、花壇に植えれば50~70cmにも成長し、巨大な存在感が人目を引きます。

ベゴニア‘ドラゴンウィング’

ベゴニア‘ドラゴンウィング’
ベゴニア‘ドラゴンウィング’。Hecos/Shutterstock.com

木立性のベゴニアで、丈夫で花壇に植えることもできます。吊り鉢仕立てもおすすめです。

<育て方のポイント>

日向~半日陰が適し、水はけの悪い場所は避けてください。リン酸がやや多めの化成肥料を規定量与え、伸びすぎたら半分程度切り戻し、追肥してください。

【セレクト4】ペチュニア

ペチュニア‘タイダルウェーブ’
ペチュニア‘タイダルウェーブ’。Kryvosheia Yurii/Shutterstock.com

ペチュニアは花色が豊富で、また1株で大きく広がるなど品種のバリエーションも多く、人気の植物です。ただし、長雨や泥はね、夏の高温多湿に弱いのが欠点です。近年は品種改良により、花壇に植えて秋まで長期間咲き続ける品種が登場しています。切り戻しなしで夏も元気に咲き、1株で大きく広がって見応えがあります。

<おすすめ品種>

タイダルウェーブ、スーパーチュニア、さくらさくら、YES!

<育て方のポイント>

日当たりと風通し、排水のよい場所が適します。鉢植えやプランターの水やりは表土が乾いてから与えますが、夏は1日2回の水やりが必要な場合があります。また大株になると肥料を多めに必要とします。3要素が等量の化成肥料などを規定量与えるほか、よく開花している場合は液体肥料も併用して与えてください。

【セレクト5】ニチニチソウ

ニチニチソウ
ニチニチソウ‘ニルヴァーナ カスケード’。Lucy Flo/Shutterstock.com

従来のニチニチソウを花壇に植えると、次第に溶けるように枯れてしまいます。これはニチニチソウに多発する疫病によるもので、薬剤防除が難しく厄介です。ニチニチソウを地植えする場合は、疫病耐性のある品種を選びましょう。

<おすすめ品種>

バリアント、ニルバーナ、ストロングコーラ、トコナツ

<育て方のポイント>

日当たりと排水のよい場所が適します。過湿を嫌うので、水の与えすぎに注意してください。花壇植えでは、根付けば水やりはほぼ不要です。花が少なくなったら追肥してください。また、伸びすぎたら半分程度切り戻し、追肥するとよいでしょう。

【セレクト6】マリーゴールド 

マリーゴールド ‘ゼニス’
マリーゴールド‘ゼニス’。Lushchikov Valeriy/Shutterstock.com

小苗からすぐに花が咲き始め、花付きがよいフレンチマリーゴールドが花壇苗としてよく植えられます。ただし猛暑で夏の終わり頃に株が弱り、枯れてしまったりすることも多くあります。

夏も元気で、秋まで咲かせたい場合におすすめなのが、アフリカン種とフレンチ種の交配により作られたアフロフレンチ系の3倍体品種です。アフリカン種の大輪で暑さに強い丈夫な特性と、フレンチ種の優れた連続開花性を併せ持っています。

<おすすめ品種>

ゼニス、エンデュランス

<育て方のポイント>

日当たりと水はけのよい場所が適します。油かすなど窒素成分が多い肥料では、枝葉ばかり茂って花付きが悪くなり、暑さにも弱くなります。リン酸が多めの化成肥料などを規定量与えてください。

【セレクト7】ペンタス

ペンタス
yod 67/Shutterstock.com

小型の熱帯花木ですが、矮性で分枝性に優れる品種が登場し、ガーデニングに欠かせない植物として多く流通しています。暑さに強く、夏でも元気に開花し、春から秋まで長期間咲き続けます。丈夫で四季咲き性の性質が強く、冬に室内の日当たりのよい場所で管理すれば、開花することも珍しくありません。

花色は、赤やピンク、白、紫のほか、青に近いものもあるなど豊富で、八重咲きや2色咲きの品種もあります。

<育て方のポイント>

日向~半日陰で、風通しと水はけのよい場所が適します。過湿に弱いので、水やりは表土が乾いてから与えるようにしてください。肥料は3要素が等量、またはリン酸が多めの化成肥料などを規定量、春から秋まで切らさないように与えてください。

【セレクト8】センニチコウ(ゴンフレナ)

センニチコウ
Monthira/Shutterstock.com

暑さや乾燥に強く長期間開花し、ドライフラワーにも最適です。カラーはピンクや紫、赤、白など。高さ30cmほどの矮性の品種は、以前から流通していた定番ですが、近年は高さ70~80cmになる高性品種も人気があります。‘ファイヤーワークス’は冬は地上部はほとんど枯れますが、関東の南部や都心部では戸外でも越冬します。

センニチコウ
Photo/3and garden

<おすすめ品種>

高性品種 ストロベリーフィールズ、ラブラブラブ(上写真)、ファイヤーワークス

<育て方のポイント>

日当たりと水はけのよい場所が適します。過湿を嫌うので、水のやりすぎに注意してください。地植えなら、根付けば水やりはほぼ不要です。油かすなど窒素分の多い肥料は花付きが悪くなり、高性種は倒れやすくなるので注意してください。リン酸が多めの化成肥料を規定量与えますが、地植えではほぼ必要ないでしょう。

【セレクト9】サンパチェンス

サンパチェンス
John R Martin/Shutterstock.com

長年人気を保ち続ける、ニューギニアインパチェンスの改良品種です。従来の品種は夏の強い直射日光や地植えの立ち枯れ病などに弱かったのですが、こちらは夏の日向の花壇でも元気よく咲き続けます。春に小型のポット苗を入手して育てると、夏までに旺盛に成長して、大きくなった株全体に秋まで長期間花が咲き続けるので、見応えがあり、育てる楽しさも味わえます。

<同様に育てられるおすすめ品種>

太陽のサンバ、ファンファーレ

<育て方のポイント>

日向~半日陰の場所が適し、水はけの悪い場所は避けてください。暑さの厳しい地域では、午前中だけ日光が当たる場所に置くと安心です。

鉢植えの水やりは、6月までは表土が乾いてから与えます。梅雨明け後の7月くらいからは、晴れの日は毎日、さらに夕方もチェックして乾いていたら与えてください。地植えでは、夏に雨が降らず土壌の乾燥が続いたら、水やりしてください。

肥料は3要素が等量の化成肥料などを規定量与えるほか、よく開花している場合は液体肥料も併用して与えるとよいでしょう。また大株でよく咲いている場合は、肥料を十分に与えましょう。ポット苗を購入したら5~6号鉢に植え替え、最終的に10~12号くらいの鉢に植え替えてください。

【セレクト10】サルビア

サルビア‘インディゴスパイアーズ’
サルビア‘インディゴスパイアーズ’。Ksu Shachmeister/Shutterstock.com

サルビア・ファリナセアなどが四季咲きのサルビアとして定番ですが、交配種には連続開花性と丈夫さに優れる品種があります。関東地方では枯れずに宿根し、地上部が枯れても春に新芽が出てくることも多いです。

<おすすめ品種>

スーパーサルビア サルビア インディゴスパイアーズ、イパネマ

<育て方のポイント>

日向~半日陰の場所が適し、排水の悪い場所は避けてください。地植えでは、根付けば水やりはほぼ不要です。日照不足や油かすなど窒素分の多い肥料を与えると、倒れやすくなるので注意してください。リン酸が多めの化成肥料を規定量与えますが、地植えの場合はやや少なめに与えてください。

【セレクト11】メランポディウム

メランポジウム
Mang Kelin/Shutterstock.com

メキシコ原産の一年草で、小さなヒマワリのような花が株いっぱいに開花します。終わった花を覆うように新芽が伸びて、新たに花を咲かせるので、花がらが目立ちません。

暑さに強く、肥料分の少ない土壌でよく育ち、秋まで手間いらずなうえ長期間開花します。矮性の品種ジャックポットは高さ30cmほどで、株はボール状にきれいにまとまります。

<育て方のポイント>

日向~半日陰が適し、水はけの悪い場所は避けてください。地植えでも夏に7~10日以上雨が降らず土壌がカラカラに乾燥した場合は水やりしてください。油かすなど窒素肥料の与えすぎは避け、やや控え気味に肥料を与えます。地植えでは、追肥はほぼ必要ないでしょう。

【セレクト12】宿根バーベナ

宿根バーベナ
Opachevsky Irina/Shutterstock.com

品種名などがなく単に宿根バーベナという場合は、バーベナ・テネラかリギダを指します。多く流通するバーベナ・テネラは、葉は細かく羽状に切れ込み、茎は匍匐性で地面に接すると発根してさらに広がっていきます。

暑さに強く、春から秋まで長期間咲き続けます。

<おすすめ品種>メテオールシャワー

高さ1mほどになり一部野生化しているバーベナの原種ボナリエンシスの交配種です。高さ50~70cmとコンパクトで扱いやすくなり、花の大きさや分枝性、連続開花性も改良され、長期間多くの花を楽しめます。高性の新しいイメージのバーベナとして注目されています。

<育て方のポイント>

日当たりと排水性のよい場所が適します。地植えでは、根付けば水やりはほぼ不要です。油かすなど窒素分の多い肥料は花付きが悪くなり、高性種は倒れやすくなるので注意してください。 リン酸が多めの化成肥料を規定量与えますが、地植えの場合は、やや少なめに与えてください

長期間花を咲かせるコツ

夏の花
Elena Larina/Shutterstock.com

水やりは朝か夕方に行いますが、ひどく水切れさせた場合は、日中でも水やりしてください。

肥料は、種類によって与え方が違うので、注意してください。また暑さが厳しいときに花付きが悪くなったり、元気がない場合は肥料を控えるようにしてください。与えるとかえって悪化することが多いです。

ご紹介した植物は、育て方のコツをつかめば手間のかからないものばかりです。冬はビオラなどを植えれば、年2回の植え替えで花が咲き続けるロングライフな花壇を作ることができます。手間いらずで花いっぱいのガーデニングを、ぜひ楽しんでください。

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