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【庭木やシンボルツリーに】カツラの木とは? 香り・紅葉・育て方まで徹底解説!

【庭木やシンボルツリーに】カツラの木とは? 香り・紅葉・育て方まで徹底解説!

Brzostowska/Shutterstock.com

春の新緑、夏の涼しげな葉音、秋のキャラメルのような香りと紅葉。四季折々の表情を楽しめるカツラの木は、ハート形の葉も愛らしく、庭木やシンボルツリーとして大人気です。本記事では、そんなカツラの魅力や育て方、増やし方、注意点まで初心者にも分かりやすく解説します。

カツラの基本情報

カツラ
Konrad Weiss/Shutterstock.com

植物名:カツラ
学名:Cercidiphyllum japonicum
英名:Katsura tree
和名:カツラ(桂)
その他の名前:コウノキ、オオツカ、オカヅラなど
科名:カツラ科
属名:カツラ属
原産地:日本(北海道~九州)
形態:落葉性高木

カツラは漢字で「桂」と書き、学名はCercidiphyllum japonicum (セルシディフィルム・ジャポニカム)、カツラ科カツラ属の落葉樹です。原産地は日本で、北海道から九州に分布しています。放任してもよく育ち、自然樹形が美しいので街路樹や公園樹としてよく利用されています。自然樹高は20〜30mにも達する高木ですが、広めのスペースを確保するとともに毎年剪定をして樹高をコントロールすれば、庭木として楽しむことも可能。日本の暑さや寒さに耐え、生育スピードも遅めなので、栽培ビギナーにもおすすめです。

新緑も黄葉も美しく、風に揺れる姿も爽やかなハート形のカツラの葉。Hirohito Takada/Shutterstock.com

カツラの花や葉の特徴

カツラ
knelson20/Shutterstock.com

園芸分類:庭木
開花時期:5月頃
樹高:20〜30m
耐寒性:強い
耐暑性:強い
花色:赤(葯の色)

カツラは雌雄異株で雄木と雌木があり、実は雌木のみにつきます。ハート形の葉は5cm前後で、秋に落葉が近づくとキャラメルのような独特の甘い香りを放つのが特徴。これは「マルトール」という成分によるものと考えられており、一説によると、この香りが名前の由来ともなったとされています。葉は晩秋になると紅葉し、やがて落葉します。開花期は5月頃ですが、雌花、雄花ともに花弁や萼(がく)はなく、ほとんど目立ちません。雌木には開花後に小さなバナナのような果実がつき、秋に熟して種子が現れます。

カツラの実
小さなバナナのような細長いカツラの実。Picmin/Shutterstock.com

カツラの名前の由来や花言葉

カツラの黄葉
knelson20/Shutterstock.com

カツラという名前の由来ははっきりとは分かっていませんが、前述のとおり葉が香ることからという説が有力です。香りが出るという意味の「香出る(かづる)」が語源になっているといわれています。

カツラの花言葉は「不変」「不忠」など。またカツラは落ち葉にも「憂鬱」「夢想家」などの花言葉があります。

カツラに似たハート形の葉を持つ樹木

カツラはハート形の可愛らしい葉が魅力。ここでは、カツラと同じようにハート形の葉を持つ樹木の中から代表的な種類をいくつかご紹介します。

マルバノキ

マルバノキ
Alex Manders/Shutterstock.com

マルバノキは、丸みを帯びたハート形の葉を持つ落葉低木で、特に新葉ははっきりとしたハート形になります。開花期は晩秋で、暗い赤紫色のマンサクに似た花が咲くことからベニマンサクとも呼ばれます。秋には見事な紅葉も楽しめ、人気のある樹種です。

ハナズオウ

ハナズオウ
アメリカハナズオウの葉。billysfam/Shutterstock.com

ハナズオウは春に咲く花が美しい落葉低木。赤紫色の小花が葉が出る前に密集して咲き、花後にはマメ科らしく莢ができます。非常に丈夫で、枝が上へ伸びながら箒を逆さにしたような樹形になります。白花品種もあり、また近縁のアメリカハナズオウには‘フォレストパンシー’や‘シルバークラウド’といったカラーリーフを持つ園芸品種も多く、人気の高い庭木です。

シナノキ

シナノキ
tamu1500/Shutterstock.com

シナノキはアオイ科の落葉高木で、幹がかなり太く大きくなるため、庭木として植栽されることはあまりありませんが、木材やミツバチの蜜源植物として親しまれているほか、公園などの植栽に利用されることも。5~7月に咲く花にはよい香りがあります。ハート形の葉が愛らしく、ヨーロッパではシナノキ科のリンデンが街路樹としてよく植栽されます。

カツラはシンボルツリーにもおすすめ

カツラ
Sandra Alkado/Shutterstock.com

カツラはまっすぐに幹を伸ばして細い枝を広げるために自然樹形が美しく、放任してもよく育つことや、ハート形の葉が愛らしいことなどから、公共空間の彩りとして、またシンボルツリーとしても人気があります。新緑の春、緑滴る夏、香りや紅葉を楽しめる秋など、季節の移ろいを強く感じることのできる樹木で、新芽が赤紫色の‘レッドフォックス’や、枝垂れる品種のシダレカツラなどもあります。

カツラの栽培12カ月カレンダー

開花時期:5月頃
植え付け・植え替え:12月~翌年3月(厳寒期を除く)
肥料:1月頃(地植え)、3月頃(鉢植え)
剪定:12月~翌年3月(厳寒期を除く)
種まき:3月中旬頃

カツラの栽培環境

カツラ
Backpacking/Shutterstock.com

日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】日当たり・風通しのよい場所を好みます。半日陰でも生育しますが、日照が不足すると成長が遅くなり、紅葉も美しく発色しなくなるので注意しましょう。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】大きく育つので、ある程度広めのスペースを確保しておきましょう。乾燥がやや苦手で、適度に水はけ・水もちのよい土壌づくりをすることが大切です。乾燥対策として、株元をバークチップなどで覆ってマルチングをしておくとよいでしょう。

耐寒性・耐暑性

カツラの耐寒温度はマイナス25℃程度。日本の暑さ寒さに適応するので、一年を通して戸外で管理できます。

カツラの育て方のポイント

用土

土
bluedog studio/Shutterstock.com

【地植え】

植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘ります。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきましょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

樹木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。

水やり

水やり
wavebreakmedia/Shutterstock.com

木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。真夏は気温がの高い昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。

【地植え】

植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。また、枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。

肥料

肥料
sasimoto/Shutterstock.com

カツラは年に1回を目安に肥料を与えると、生育がよくなります。

【地植え】

1月頃に、寒肥として有機質肥料を木の周囲にまき、土になじませます。

【鉢植え】

3月頃に緩効性化成肥料をまき、土になじませます。生育期に木に勢いがなく成長が止まっているようなら、速効性のある液体肥料を水やり代わりに与えるとよいでしょう。

病害虫対策

アブラムシ
muroPhotographer/Shutterstock.com

【病気】

カツラに発生しやすい病気は、うどんこ病、黒星病などです。

うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢などの表面が白く粉を吹いたような状態になり、放置するとどんどん広がるので注意。進行すると光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪いと発病しやすいので注意。発見したら病害部を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を散布して、蔓延するのを防ぎましょう。

黒星病は、カビによる伝染性の病気です。雨が多い18〜20℃の環境をカビが好むため5〜7月に発症しやすく、葉、枝、果実に被害が現れます。黒っぽくて丸い斑点が全体に広がっていくのが特徴です。日当たり・風通しよく管理し、込み合っている枝などはすかすように剪定して予防しましょう。病気にかかった後に剪定した枝や落ち葉は、地中に残らないように処分することも大切です。また、適用のある殺菌剤を散布して防除します。

【害虫】

カツラに発生しやすい害虫は、アブラムシ、カイガラムシなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、枝葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

カツラの詳しい育て方

植え付け・植え替え

植え付け
wavebreakmedia/Shutterstock.com

カツラの植え付け適期は、休眠中の12月〜翌年3月です。ただし、寒さが特に厳しくなる1〜2月は避けたほうが無難です。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗木の根鉢よりも1回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。

地植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。

【鉢植え】

入手した苗木の根鉢よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから樹木用の培養土を半分くらいまで入れます。苗木をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めたら、土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。水やりの際にあふれ出ないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。しっかりと根づくまでは、倒伏を防ぐために支柱を立てて誘引しておきます。

成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出し、軽く根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。

剪定

はさみ
Aleksei Golovanov/Shutterstock.com

【地植え・鉢植えともに】

カツラの剪定適期は12月〜翌年3月です。ただし、寒さが特に厳しくなる1〜2月は避けたほうが無難です。

カツラは比較的樹形が自然に整うので、それほど剪定には手がかかりません。地際から出てくるひこばえは付け根から切り取り、枯れ枝や木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく長く伸びている「徒長枝」などは分岐部まで遡って切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、日当たり・風通しがよくなるように、透かし剪定をします。太い枝を切った場合は、癒合剤を切り口に塗って雑菌が入らないようにしておきましょう。

暑さ・寒さ対策

マルチング
Anton Starikov/Shutterstock.com

カツラは日本の暑さや寒さに耐えるので、それほど気をつかう必要はありません。しかし極端に高温・または低温になる時期には、株元にバークチップなどを敷き詰めてマルチングをしておくとよいでしょう。また、乾燥にやや弱いため、乾燥対策としてもマルチングは効果的です。

増やし方

種まきポット
Kunlanan Yarist/Shutterstock.com

カツラは種まきで増やします。

雌木は開花後に果実をつけ、9〜10月に熟すので、そのタイミングで果実を採取し、種子を取り出して流水でよく洗い流しておきましょう。さらに湿らせた砂と種子を混ぜて密閉袋に入れ、春まで冷暗所で保管しておきます。

種まきの適期は3月中旬です。黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。晩秋に採取しておいたカツラの種を密閉袋から取り出してきれいに洗い流し、黒ポットに数粒ずつ播きます。軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えます。鉢増ししながら育成し、苗木として十分な大きさになったら、植えたい場所に定植しましょう。

カツラを育てる際の注意点

カツラ
Daina Varpina/Shutterstock.com

この章では、カツラを育てる前に、特性として知っておきたいポイントや栽培の注意点などについてご紹介します。

カツラを庭に植えてはいけないって本当?

「庭にカツラを植えてはいけない」という古い言い伝えを気にして、躊躇している方もいるかもしれません。しかし、それは根拠のない迷信です。カツラは大きくなりやすく根を張る力が強いので、家や塀などを持ち上げて壊してしまうケースがあったともいわれますが、枝葉を伸ばすのに余裕のある適した場所を選んで植え込み、定期的に剪定をして樹高をコントロールするなど、適切な管理をすれば問題ありません。

カツラをなるべく小さく育てたい場合は?

樹高が高くなりすぎて、大きく切り戻したい場合の強剪定の方法をご紹介します。剪定適期は12月〜翌年3月です。ただし、寒さが特に厳しくなる1〜2月は避けたほうが無難です。

地際から1.5mほどの高さを目安に、幹をノコギリで切り落とします。その下の幹から出ている枝は10〜15cmほどを残し、同様にノコギリで切り取ります。切り口には癒合剤を塗布して菌が内部に入るのを防いでおくとよいでしょう。翌春の生育期に入ると、残した幹や枝から強い枝が出てきます。1年間はそのまま残し、落葉期に入って剪定適期を迎えたら、幹から数本出ている枝のうち太くて勢いのある1本を残して幹に切り替えましょう。枝が込み合っている箇所があれば、透かし剪定をして風通しをよくします。

カツラの木が枯れる理由は?

カツラは日本の気候に馴染みやすく、あまり枯れることはありませんが、樹勢に勢いがなく 枯れ葉が目立つようになった場合は、次の原因が考えられます。それは乾燥しやすい土壌で、水が十分に行き渡っていないケース。植え付けの際には腐葉土や堆肥をすき込んで肥沃な土壌づくりをしておきましょう。また晴天が続いて乾燥するようであれば、地植えの場合でも水やりをして補います。鉢栽培の場合も水切れしないように管理してください。乾燥しやすい場所ではバークチップやワラなどを敷き詰めるマルチングをして対策しておきましょう。

カツラを育ててみよう

カツラ
Konrad Weiss/Shutterstock.com

カツラは日本の厳しい暑さや寒さに耐え、環境に馴染みやすいので育てやすい樹種の1つです。可愛いハート形の葉が茂って、夏は涼しい木陰を提供してくれるうえ、秋には葉の甘い香りが楽しめ、紅葉も見応えがあります。家の顔となるシンボルツリーとして、庭に植栽してはいかがでしょうか。

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