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「夏の庭が寂しい」を解決! ラベンダーのような花が3カ月咲き続ける、強健な西洋ニンジンボクが今おすすめの理由

「夏の庭が寂しい」を解決! ラベンダーのような花が3カ月咲き続ける、強健な西洋ニンジンボクが今おすすめの理由

simona pavan/Shutterstock.com

気温が上がり庭が寂しくなりがちな真夏に、ラベンダーのような涼しげな花を長期間咲かせる「セイヨウニンジンボク」。チェストベリーの名で、女性に愛されるハーブとしても有名です。暑さや寒さに非常に強く、病害虫の心配もほとんどないため、「放置気味」の管理でも美しく育つ手軽で優秀な花木です。今回は、ガーデニング初心者でも手軽に涼やかな夏の庭をつくれる、その魅力と育て方のコツを栽培のプロが分かりやすく解説します。

セイヨウニンジンボクの基本情報

セイヨウニンジンボク
APugach/Shutterstock.com

植物名:セイヨウニンジンボク
学名:Vitex agnus-castus
英名:Chaste Tree
和名:セイヨウニンジンボク(西洋人参木)
別名:チェストベリー
科名:シソ科
属名:ハマゴウ属
原産地:地中海沿岸~中央アジア、インド
形態:落葉低木

ラベンダーのような涼しげな花を、夏に長期間咲かせる落葉低木です。花や葉、花後にできる果実に香りがあることから、チェストベリーの名でハーブとしても知られています。薬用植物やスパイスなどとして利用されます。

病害虫の被害が少なく、暑さや寒さに強いので、初心者でも育てやすいです。放置気味の管理でも樹姿は自然に整ってよく花が咲き、手間がかかりません。樹形は広がって多くの花を咲かせます。木が小さいうちから花を咲かせるので、鉢植えにも適しています。

満開のセイヨウニンジンボク。Karla Earley/Shutterstock.com

セイヨウニンジンボクの特徴・性質

セイヨウニンジンボク
Wirestock Creators/Shutterstock.com

樹高:2〜3m  
開花期:7~9月
耐寒性:強い
耐暑性:強い

手のひらのような形で光沢のある葉が、チョウセンニンジンに似ていることが、和名の由来です。

幹は複数あることが多く、温暖な地域では5m以上の大きさに生育します。落葉期の強剪定により低く樹高を抑えることができます。成長が早く、地上部が寒さなどでほとんど枯れても、1年で人の背丈ほどの高さになります。

太い直根が地中深くまで伸びるため、乾燥には強いです。直根が発達した成木は、移植を嫌います。

花は夏頃を中心に3カ月ほどの長期間、たくさんの花を咲かせます。花色は一般的な青紫色のほか、ピンクや白があります。近年は、人の背丈ほどの矮性種も流通しています。

セイヨウニンジンボクの利用方法

セイヨウニンジンボク
m-desiign/Shutterstock.com

スパイシーな風味のある果実は、かつてコショウの代用とされました。香りのよい葉は、モロッコなどでスパイスとしても使われています。

ハーブとしてはチェストツリーの名で知られています。婦人病や更年期障害などの緩和などに効能が期待でき、薬用植物として古くから利用されてきた歴史あるハーブです。国内でもその効能などがテレビなどで紹介され、ハーブティーやサプリメントなどがよく流通しています。ただし決定的な科学的根拠はまだ得られていません。

妊婦や子供の利用は避けてください。重大な副作用はないとされますが、頭痛や胃腸障害などが発生することがあります。

セイヨウニンジンボクの仲間

ミツバハマゴウ ‘プルプレア’ Vitex trifolia ‘Purpurea’

ミツバハマゴウ ‘プルプレア’
alybaba/Shutterstock.com
ミツバハマゴウ ‘プルプレア’
spline_x/Shutterstock.com

日本にも自生するミツバハマゴウの園芸品種です。温度が低くなってくると、葉裏がより鮮明な紫色になります。

ハマゴウ Vitex rotundifolia

ハマゴウ
Skyprayer2005/Shutterstock.com

日本の海岸沿いの砂浜などに自生し、地面を這うように伸びる落葉低木です。

ブルー ディドレ’ Vitex agnus-castus ´Blue Diddley´

コンパクトに改良された品種で、樹高は180cmほどです。ラベンダーブルーの爽やかな色の花が長期間よく咲きます。

‘シカゴランド ブルース’ Vitex ‘Chicagoland Blues’

セイヨウニンジンボクとハマゴウとの交配によって作出された園芸品種です。ハマゴウの性質が強く、背丈は低いですが横方向に大きく広がります。

セイヨウニンジンボクの栽培12カ月カレンダー

植え付け適期:3~4月、10月
植え替え適期:3~10月
肥料:2~3月
剪定:2~3月

セイヨウニンジンボクの栽培環境

セイヨウニンジンボク
tamu1500/Shutterstock.com

日当たりと水はけのよい場所を好みます。半日陰の場所でも育ちますが、日なたのほうが花付きがよいです。適した環境なら、石などが多いようなやせ地でも育ちます。排水がよければ土壌を選ばず、適応性が高いです。

樹高と同じくらい樹幅が広がることがあるので、広めのスペースに植えるのがおすすめです。成木は移植を嫌うので、注意してください。

生育温度

暑さには強く、夏に弱ることはほぼありません。

冬越し

落葉した状態で越冬します。最低温度の目安はマイナス17℃で、寒さには強いです。北海道南部などでも栽培できますが、厳しい寒さに当たると地上部の枝も枯れます。根が生存していれば春に芽を出して花を咲かせ、多年草のように栽培できます。ただし新葉が展開をはじめるのは比較的遅いので、捨てないように注意してください。

セイヨウニンジンボクの植え付け・植え替え

セイヨウニンジンボク
xlibes/Shutterstock.com

植え付け

春の3~4月、秋の10月が植え付けの適期です。根鉢の2~3倍の大きさの植え穴を掘ります。掘り上げた土に2割くらいの量の腐葉土と3要素が等量の緩効性化成肥料を混ぜ、用土とします。根鉢の表面付近を軽くくずし、周囲よりやや高めになるように植え付けます。作業後、たっぷり水やりしてください。

鉢植えの植え替え

鉢植えで育てることもできます。購入した株はそのまま2回りほど大きな鉢に植え替えてください。根鉢をあまりくずさなければ、3~10月に植え替えできます。最終的に10号くらいの鉢に植えて育てます。

その後は2~3年おきに植え替えます。早春の3月頃に回りこんだ根や長い根を切って根鉢を1/3程度落とし、新しい用土で植えます。

用土

排水のよい用土が適します。幅広い植物に使える一般的な培養土か、赤玉土小粒7と腐葉土3を混ぜた用土などを使います。

ピートモスなどが多い水もちのよい用土を使うと、根腐れするので気をつけてください。培養土の水もちがよい場合は、パーライトや軽石を1~2割混ぜるとよいでしょう。

セイヨウニンジンボクの育て方・日常の手入れ

セイヨウニンジンボク
Elena Odareeva/Shutterstock.com

水やり

地植えした場合は、根付けばほぼ水やり不要で育ちます。

鉢植えは用土の表面が乾いたら水やりします。枝葉がよく茂った株は乾燥しやすいので、夏場、晴れる日が続く場合は毎日水やりしてください。

肥料

肥料はあまり必要ありません。落葉期の2月から3月に、3要素が等量の緩効性化成肥料などを与えてください。肥料が多いと、枝葉ばかり茂って花付きが悪くなります。

病害虫

目立った病害虫の被害はありません。

セイヨウニンジンボクの剪定

セイヨウニンジンボク
Konstantinos Livadas/Shutterstock.com

落葉期の2~3月が剪定の適期です。剪定しなくても自然に形が整うので、枯れた枝や伸びすぎた徒長枝などを切ればよいでしょう。

ただし生育が早く、放任した場合は比較的広いスペースを必要とします。

適期ならかなり強い剪定に耐えるので、好みの位置で切り戻すことができます。地面に近い位置で切れば大きくなるのを防ぎ、多年草のように育てることができます。ただし開花時期は遅れます。

生育期間中に剪定すると、花が咲かなくなったり、花数が少なくなります。生育期間中にサイズを小さくしたい場合は、伸びすぎた部分などを間引くように剪定しますが、全体の1/3以下になるようにとどめてください。

冬に地上部が枯れる寒冷地では、葉が落葉して枝が枯れ始めたら、すぐに地際付近で切っても問題ありません。

セイヨウニンジンボクの手入れ作業

セイヨウニンジンボク
NDanko/Shutterstock.com

花がら摘み

花後にそのままにすると、結実して種子がよくできます。咲き終わった花をこまめに摘み取ると実に栄養がとられないので、開花期間が長くなります。

温暖な地域では、こぼれ種で増えるので注意してください。

増やし方

挿し木で増やすことができます。前年度に伸びた枝を3~4月に10cmほど切り、赤玉土小粒を入れた容器などに挿します。明るい日陰に置き、用土の表面が少し乾いたら水やりしてください。2~3カ月後に発根したら、3号ポットなどに鉢上げします。

セイヨウニンジンボクの栽培ポイント

セイヨウニンジンボク
Tupungato/Shutterstock.com
  • 日当たりと水はけのよい場所を好む
  • 庭木としては、広めのスペースで育てるとよい
  • 冬に強く切り戻しても花が咲く
  • 寒冷地では多年草のように生育する

日当たりのよい場所に地植えすれば、放置気味の管理でよく育ちます。夏に長期間美しい花を楽しめるおすすめの庭木ですが、国内ではまだあまり知られていません。世界では広く栽培される魅力的な花木を、ぜひ庭やベランダに迎えてはいかがでしょうか。

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