- TOP
- ガーデン&ショップ
ガーデン&ショップ
-
三重県
花の庭巡りならここ! 200品種以上のシャクナゲが咲き誇る「赤塚シャクナゲガーデン」
品種改良の歩みが見て取れるシャクナゲの見本庭園 「赤塚シャクナゲガーデン」は、1972年に赤塚植物園社長(現会長)の赤塚充良氏がアメリカの公園や庭園に咲く見事なシャクナゲに衝撃を受けたことから始まります。子どもの頭ほどのシャクナゲの花が色とりどりに咲いている姿は、まさに「花木の女王」と呼ばれるにふさわしいものでした。 この花を日本中に普及させて、多くの方に楽しんでもらいたいと考え、約40万本の苗を輸入。しかしアメリカからの輸入苗は、夏の暑さが厳しい日本の気候に合わず、苦労の連続だったといいます。日本の気候に合うシャクナゲは、日本でつくるしかないと、1981年から自社でオリジナル交配を開始。耐暑性に優れ、育てやすく、数多くの優良個体の作出に成功しました。 シャクナゲが咲き誇る園内。手前から‘ワダズイエロー’、‘紅衣’、‘さきがけ’、‘ハイドンハンター’、‘筑紫シャクナゲ’、‘太陽’。 多くの方にシャクナゲの魅力を伝えるには、シャクナゲは弱くてすぐ枯れるというイメージを完全に覆す必要があります。そこで高山性のシャクナゲの栽培には適さない低地、しかも多くの車が通る県道沿いの自社農場に、あえてシャクナゲを植え付けることに。育種した品種の栽培試験を行いながら、将来の見本庭園を想い描き、20年の歳月をかけて育んできたそうです。 そしてついに、2013年に「赤塚シャクナゲガーデン」として一般公開を開始しました。海外から導入してきた品種や、オリジナル品種などを含め、200品種以上、約3,000本ものシャクナゲが咲き誇る姿は日本有数の規模です。 サクラとシャクナゲの豪華な共演。 園内の広さは、約10,000㎡で、大人の足でゆっくり散策して40分ほどかかります。3m以上の大きな株が多数植えられており、平地にあるガーデンながら、高さを感じる植栽となっています。また、シャクナゲの開花時期に合わせた花木も植えられており、シャクナゲとの共演も見どころです。 開園期間はシャクナゲが見頃となる4月上旬〜5月上旬の約1カ月という短い期間ですが、例年約1万人が来園して花見を楽しんでいます。「色とりどりの花に圧倒され、心も洗われます」「どの木も嬉しそうに輝いていて、お手入れの愛情が感じられます」「西洋の宮殿を思わせるような美しさ」といった、感動の声が寄せられています。日本におけるシャクナゲの品種改良の歴史が垣間見られる、感動のシャクナゲ庭園に、ぜひ足を運んではいかがでしょうか。 日本の気候にあうように品種改良されたダイナミックに咲くシャクナゲが大集合! 多くの車が行き交う県道10号線に面する「赤塚シャクナゲガーデン」。500mにわたって続くシャクナゲによる垣根の途中に入口があります。写真からも、ガーデンの規模の大きさが伺い知れますね。このシャクナゲが咲く道、地元では「シャクナゲロード」と呼ばれ、親しまれています。 シャクナゲの最盛期は4月中旬頃。ただし園内には開花期の異なるさまざまな品種がバランスよく植えられているため、4月上旬から5月上旬にかけて、順次花が見頃となっていきます。大きく分けると早生(4月上旬)、中生(4月中旬)、晩生(4月下旬)で、開園期間中はお色直しのように園内の様子が変わっていくので、数回の見物もおすすめです。写真のエリアは、ケヤキやカツラ、ヤマボウシの新緑も楽しめる、西洋庭園の雰囲気を演出。やわらかな木漏れ日の中でゆっくりと散策できます。 写真の‘ウェディングブーケ’は一番人気の品種です。光沢感のある淡いピンクで、満開になるとほぼ白になる上品な花。ふんわりと盛り上がり、美しい花束のような花房をつくることから命名されました。見頃は4月中旬頃。光沢のある小判型の葉を持ち、樹形もコンパクトにまとまります。花つきが非常によいうえ、花もちが大変よく観賞期間が長いのも特長です。 シャクナゲと開花期が揃う花木も植栽され、爛漫に咲く シャクナゲと開花が揃う花木も、さまざまに見られます。後ろに大きなボール状の白い花を咲かせているのは、オオデマリ。開花が進むにつれてグリーンから白へと花色が移ろいます。手前の赤いシャクナゲは‘太陽’、後ろの白系の花は‘ウェディングブーケ’です。 写真は、八重咲きの桜‘福禄寿’とシャクナゲ‘太陽’が見せるダイナミックな景色。高さ約6mの大木に育ったシャクナゲ‘太陽’と桜の共演は素晴らしく、園内の見どころの一つです。 シャクナゲと同じ頃に咲く花木の一つ、桃も園内のそこかしこに植栽されています。写真は1本の木に赤と白の花が咲く源平桃。優美ですね。ほかにも菊のような花が咲く、キクモモも一見の価値があります。 園内には、ところどころにベンチが置かれ、シャクナゲを眺めながら休憩できます(ただし飲食の持ち込みは不可)。写真は桜とシャクナゲ、サツキ、チューリップが、豪華に咲き競う様子です。 毎週末のガイドツアーにぜひ参加を100品種以上が揃う苗売り場も見て回ろう! 「赤塚シャクナゲガーデン」では、毎週土曜・日曜にガーデン担当者によるガイドツアーを行っています。時間は10:30~と11:30~の1日2回 で、所要時間は約40分です。予約不要で、入園料以外の別途費用はかかりません。ガイドさんからは、見どころのほか、品種の紹介、育て方のアドバイスなどの解説もありますよ! 園内では、例年シャクナゲを中心に100品種以上の苗が販売されています。主な価格帯としては1,200~1,800円。人気の品種ベスト3は、1番が光沢感のある淡いピンクが美しい‘ウェディングブーケ’。2番が咲き始めは淡いピンクで、後に真珠光沢のあるやわらかい白色になる‘真珠姫’。大変香りがよいのも特徴です。3番がややワイン色を含んだ濃赤紅色の大輪で、フリルのある花が20輪ほど集まって大きなドーム状の花房をつくる‘プロミネンス’。いずれもアカツカオリジナル品種のシャクナゲです。 Information 赤塚シャクナゲガーデン 所在地:三重県津市高野町字西久野1902番地の1 問い合わせ先:アカツカFFCパビリオン059-230-2121(受付時間/10:00〜18:00、火曜定休) 赤塚シャクナゲガーデン 公式 (jp-akatsuka.co.jp) アクセス:公共交通機関/JR・近鉄津駅東口4番乗り場より三重交通バス 系統52椋本行き「新出」バス停より徒歩約1分車/伊勢自動車道芸濃I.Cから車で約3分 オープン期間:令和2年4月3日(金)〜5月6日(水)※開花状況や気象条件により変動あり 休園日:なし 営業時間:9:00〜16:30(最終入園 16:00) 料金:大人 700円(シャクナゲガーデンで使える植物100円引券付)、中高学生350円、小学生以下 無料 駐車場/120台、無料
-
三重県
素敵な発見がたくさん! 園芸ショップ探訪17 三重「こるれおーね」
西欧の片田舎にワープ感覚の 予約制のショップ 葉擦れの音が心地よい雑木の間に見え隠れする建物。西欧の童話に出てくるような風景です。ここは、庭づくりと資材販売業を営む竹内弘法さんのアトリエ兼店舗「こるれおーね」。普段は工事に出てしまっていることも多いため、予約制のショップとなっています。 まず出合うのは、フランス瓦を載せた建物に囲まれた小さな緑の空間。右側は、竹内さんが建てたアンティーク雑貨を販売するコーナーで、正面と左側は、かつての母屋の外装に手を加えたもの。ふんだんに使われた石の構造物や無造作に置かれた古道具と相まって、映画のセットのような風景となっています。 まるで西欧の古い農家を移築したかのような建物ですが、一般的な古い家屋(母屋)の外壁に石を張り付け、ニッチを設けたり、鎧戸風なあしらいを施したりと、竹内さんが渡欧時に目にした魅力的なシーンが、さまざまな形で再現されています。空間づくりの基本的なイメージは、イギリスやフランスの片田舎の風景です。 たくさんの雑木が植わる小さな空間では、素焼き鉢に植えたリーフ類を古びたテーブルやスタンドに添えるようにディスプレイ。絶妙なバランスで、さりげなくコーディネートがなされています。 ほんのり暗い建物内には、イギリスやフランスで買いつけた古道具を陳列。ビターなシーンづくりに活躍しそうなラインナップ。 地元のものを生かした 庭づくりを提案 店頭で資材販売を行っていますが、竹内さんの仕事のメインとなるのは、「庭づくり」。西欧の風景を意識しながらも、「地元の環境に合わせた庭づくり」を提案しています。 この周辺は、クヌギ、コナラ、ウバメガシなどが自生する自然豊かな場所。これらの環境を破壊して新たな住空間をつくるのではなく、共存していく方法を絶えず考えながら、お客様の希望を形にしています。 庭づくりの参考として、自宅・アトリエの前にサンプルガーデンを設けています。ここでは元から植わる雑木をうまく活用し、自然体なガーデンを提案しています。 雑木を活用する上で重要なのは、樹形や葉の形が醸す雰囲気で植栽場所を決めるだけではなく、木の性質・特性を踏まえた「機能性」も考えてレイアウトすること。例えば、西日が強かったり風が強く吹いたりする方角には、クヌギ、コナラなどしっかりガードしてくれる丈夫な雑木を植栽して日差しや風当たりを緩和。逆に、庭の中心や住居の前などには、ヤマモミジやアオダモなどのスラリとした繊細な木で、日当たりを確保しながら心和ませる効果を持たせるなど、雑木の利点をうまく活用しながら、レイアウトしています。 抜群のセンスを持ちながら、何でもこなしてしまう器用な竹内さん。「こるれおーね」を開業する前には、一般の会社で事務作業をしたり、造園会社で公園施工に携わったりする、サラリーマンの時代がありました。しかし、「もっと自身の感性に近い世界」に近づくために退職し、以前から興味があったイギリスの庭づくりを学びに渡英。日本でイングリッシュガーデンがもてはやされる少し前の頃でしたが、洋書などで見た「石を使った庭づくり」に、強く興味をそそられたのです。 イギリスの造園会社に飛び込んで石積みなどの修業を重ねた後、フランスにも数回渡り、見聞を広めた竹内さん。フランスで見た「無造作で愛らしさを感じる素朴な庭」に心動かされ、戦利品を持ち帰るような気分で帰国しました。 早速、イギリスやフランスから石材や古道具などを仕入れ、自宅の敷地で庭づくりをスタート。まずは、古い母屋を改装して小屋をつくり、徹底してフランスらしさを演出しました。「その当時、フランスのナチュラルな雰囲気が時代にフィットしたんですよね。今考えると、あの頃は海外にばかり目を向けていたな」と、竹内さんは振り返ります。 庭づくりが軌道に乗ってくると、地元の良さを再認識する余裕が生まれ、地産の石や樹木の活用を考え始めました。このあたりの黄色みを帯びた石は、イギリスやフランスの石と馴染みがよいので、竹内さんは部分的に混在させて使用。さらに、植物もこのあたりに自生するウバメガシなどの雑木を使用することで、鳥や虫がたくさん棲息するようになるそう。「土づくりも地元の土をよく研究して行っています。植物も、ここの風土に合った地元のものを選ぶことで、無理のない庭づくりが行えます。健やかな庭づくりが、健やかな暮らしにつながっていくよね」と竹内さん。 古くからある知恵も取り込み、 住空間もデザイン 海外で得たノウハウを自宅の敷地全体に盛り込み、ヨーロッパテイストに仕上げて約23年経った2017年、煉瓦や石など、ヨーロッパのアンティーク資材を用いながら、木造りや土壁などによる日本的工法を取り入れ、新しい住居を敷地内に建て始めた竹内さん。仕事の合間を縫って、手間をかけながらじっくりと家づくりをしています。 着手して3年目のぬくもり感あふれるこの家には、こだわりの手法がいっぱい。「便利でなくてもいいんです。かつて大工だった親父が言っていた『家を建てることとは』のセオリーが、今自分が考える『自然に寄り添った健やかな住環境づくり』と共通していることを、ここ数年で感じ始めたんです。それをじっくり考え、実践、検証しているんです。もっと親父にいろいろなことを聞いておけばよかったな」。 杉皮を載せた軒(左)と薄い石を重ねて載せた屋根(右)。どちらも手間をかけて丁寧な作業を重ねただけあって、深い味わいを放っています。 「こるれおーね」の 雑貨あしらいのあれこれ イギリスやフランスで買い付けてきたアイテムが、ガーデンのあちこちに点在する「こるれおーね」。竹内さんの片田舎の風景づくりの素敵の秘密をご紹介。ぜひシーンづくりの参考にしてください。 【建物の入り口脇には、どっしりとあしらう】 入り口に細々しいものが転がっていると、来た人に不安定さを感じさせてしまうので、ボリュームを持たせてあしらいます。 【きれいに並べすぎない】 アイテムを重ねて飾る時は、向き=振りを少し変えておくことで、軽やかさと動きが生まれます。 【時間を感じさせる】 放置して植物を絡ませたり、「作業の途中」という雰囲気を出したり…。‘時間’を感じさせることで、シーンに深みがぐっと増します。 【ちょっと寂しい場所には、ハンギングを】 なんだか物足りないけど、日陰だし…。そんな場所では、やはり雑貨が活躍。あまりあれこれ使わず、2~3点を組み合わせて飾るといいでしょう。 【さっぱりさせたい場所は、白でまとめる】 ボリュームを持たせたいけれど、さっぱりと飾りたい場所には、色がケンカしない白いアイテムがおすすめ。ここはホウロウでまとめたので、異素材の縄をかけて温かみをプラス。 「こるれおーね」竹内さんのイチオシアイテム 「車輪がついた雑貨」 いろいろなアイテムがありますが、ここぞという場所には、車輪の付いたアイテムがおすすめ。ボリュームのあるボディに車輪の細いラインが対比して、変化のあるシーンを生み出してくれます。また、車輪が動きも感じさせるので、シーンに軽やかさも加わります。 ヨーロッパのデザインや輸入したこだわりのアンティーク資材を取り入れながら、日本の知恵や技術を生かした庭や建物づくりを目指す「こるれおーね」。西洋と日本の異なる魅力を融合させながら、オリジナル性の高い世界を生み出しています。「本物を知り、今目の前にある自然と向き合ってこそ、よい仕事ができると考えています」と竹内さん。よいものを創るには労力を惜しまないその姿勢が評判を呼び、たくさんの人が志摩まで訪れています。不在のことも多いので、訪れる際は一度ご連絡を。アクセスは、志摩神明駅から徒歩約45分。伊勢自動車道 伊勢西ICから車で45分。 【GARDEN DATA】 こるれおーね 三重県志摩市阿児町立神3414-25 0599-45-4352 営業時間:10:00~18:00 定休日:月・火曜日(夏・冬休みあり) http://www.corleone.ecnet.jp/ https://www.corleone1995.com/ Credit 写真&文/井上園子 ガーデニングを専門としたライター、エディター。一級造園施工管理技士。恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒。造園会社、園芸店を経て園芸雑誌・書籍の編集者に。おもな担当書に『リーフハンドブック(監修:荻原範雄)』『刺激的ガーデンプランツブック(著:太田敦雄)』『GARDEN SOILの庭づくり&植物図鑑(著:田口勇・片岡邦子)』など。自身もガーデニングを楽しみながら、美術鑑賞や旅行を趣味にする。植物を知っていると、美術も旅も楽しみの幅が広がりますね。
-
三重県
しだれ梅の新名所! 三重県「鈴鹿の森庭園」
200本のしだれ梅の名木が春を告げる 三重県津市にある、赤塚植物園グループが運営するこの「鈴鹿の森庭園」は、山々に囲まれた敷地面積2万㎡の敷地に、約200本の「しだれ梅」の名木が集められ、2020年は、2月22日~3月下旬に「しだれ梅まつり」を開催。開花時期に合わせて期間限定で一般公開されます。 園内を桃色に染めるのは、八重咲き品種の「呉服枝垂(くれはしだれ)」が中心です。これらの木々は、日本全国から集められた名木ばかりで、その数は約200本。中には、高さ6mもの大木もあり、ここでしか見られない景色が楽しめます。 一般的な実梅や立ち性の花梅は、中国や日本の古い文献に登場し、「令和」の出典となった万葉集にも多くの梅の歌が残されています。 その一方で「しだれ梅」の歴史は比較的新しく、江戸時代後半になって文献に登場するようになり、種類は約42ほどが確認できます。 鈴鹿の森庭園のしだれ梅「呉服」の中でも、ひときわ存在感を放つのは“天の龍”や“地の龍”です。これらは樹齢100年以上と推定され、現在品種が確認されている中で、日本最古のものではないかといわれています。 じつは、これら「鈴鹿の森庭園」に植わるしだれ梅の名木の中には、かつて全国の個人邸などで育てられていたものもあります。しだれ梅は、たくさんの大輪の花が美しく艶やかに枝垂れる姿から、時代を問わず多くの人々に愛されている一方で、美しい形に整えるのが難しく、病気などで被害を受けてしまうこともあります。開園にあたっては、こうした日本が誇る貴重な財産であるしだれ梅を守り、その伝統的な匠の技を後世に伝えたいという想いで、関係者が所有者のもとを何度も訪れ、数年かかってようやく譲っていただいたものもあるといいます。こうした努力が実って日本中から名木が集まり、鈴鹿の森庭園が誕生しました。 日本の匠の技と歴史が受け継がれた多くの名木が、早春にいち早く桃色の大輪の花を枝いっぱいに咲かせる「枝垂れる姿」は圧巻です。 純白から桃色まで多彩な品種を愛でる また、鈴鹿の森庭園には「呉服枝垂」以外にも、多くの見どころがあります。 濃紅色の代表的な立ち性の花梅「鹿児島紅」や、梅干し・梅酒で人気の「白加賀」、1本の木に紅白の花が咲く「思いのまま」。その他にも「八重緑萼(やえりょくがく)しだれ」や「藤牡丹しだれ」、「酔心梅」など、さまざまな梅を楽しむことができます。 しだれ梅を引き立たせるように植えられている植物たちも魅力的で、白とピンクの玄海ツツジと美しい梅の花の共演は、来園者の目を楽しませてくれます。 足元に目を向けると、うつむきかげんに可憐な花を咲かせるクリスマスローズの姿も。ここでは、赤塚植物園オリジナルの品種も植えられ、早春ならではの花々のコラボレーションも見どころです。 夜空に浮かび上がるしだれ梅のライトアップ 開花期間中は、日暮れから21時まで夜間ライトアップも行われ、立ち並ぶしだれ梅が夜の闇に浮かび上がり、日中とは全く違う幻想的な風景に変わります。光に輝く梅は、ここでしか見られない美しさ。きっと息をのむ、忘れられないひとときになることでしょう。 梅の花を十分に楽しんだら、帰りの出口には売店がありますので、梅散策のお土産はいかがですか? 店内では植物園に植えられていたクリスマスローズなどの苗や、地元の名産品、梅を使ったお菓子、草もちなどが販売されています。ぜひ、梅の季節を堪能してください。 Information 【イベント情報】 鈴鹿の森庭園「しだれ梅まつり」 2月22日~3月下旬 見頃:3月上旬 営業時間:9:00~16:00(ライトアップ期間中は21:00まで時間延長) 期間中無休 入園料金:一般:700円~1,700円(開花状況により変動します) 開花状況等はWebページにて:https://www.akatsuka.gr.jp/group/suzuka/ 【施設名】 鈴鹿の森庭園(すずかのもりていえん) 所在地:〒519-0315 三重県鈴鹿市山本町151-2 TEL:059-371-1777 アクセス:東名阪自動車道 鈴鹿ICより約3km(車で約5分) 新名神 鈴鹿PAスマートICより約3km(車で約5分) Credit 取材協力&写真/赤塚植物園グループ 文/3and garden ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。
-
三重県
花の庭巡りならここ! 花のカーペットが壮大に広がる「メナード青山リゾート ハーブガーデン」
「美と健康」がテーマのリゾート地 そよ風が薫るハーブガーデン 1977年にオープンした「メナード青山リゾート」。リゾートホテルやゴルフコース、テニスコート、陶芸館や木工館、各種レストランなどを含む総合リゾート施設です。ここでご紹介したいのは、2007年にオープンした敷地面積8万㎡を誇るハーブガーデン。大人の足で一通り見て回るのに約90分、ゆったりと癒しのひとときを過ごせます。 「メナード青山リゾート」は、化粧品メーカー「メナード」直営のリゾート施設で、「美的生活提案」がコンセプト。「美と健康」をテーマに、健康によいとされるハーブガーデンを運営しています。スタッフがリサイクルによって堆肥をつくるなど、できる限り化成肥料や農薬を控えた有機栽培に努めているのもこだわりです。 園内は、花々が虹を描くように色彩豊かに彩る「レインボー畑」、暮らしを豊かにするハーブを集めた「ライフガーデン」や「リビングガーデン」、ウエディングも行える「ローズガーデン」など、テーマごとにエリア分けされています。年に約3回の大規模な植え替えを行い、一年を通して約300種の植物を植栽。標高約600mの高原では、乾燥した涼やかな風が心地よく、昼夜の温度差によって花色がより冴えた発色を見せるのも見どころです。 広大な敷地を生かした、一面を花で埋め尽くす演出は迫力満点で、山々を望む借景の美しさも相まって、ビジュアルの美しい写真を撮影できます。四季折々に生花を摘んだブーケづくりや寄せ植え教室などのイベントも行っており、体験メニューも充実。年に約2万5,000人が訪れ、リピーターも多いのが特徴です。 春から秋まで旬のハーブの香りを楽しめる 一番人気は、一面が紫に染まるラベンダーの季節 「メナード青山リゾート ハーブガーデン」のエントランス。ここで入場料を支払って、入園チケットを購入します。その日一日に限り、チケットの半券を見せれば出入りフリーです。園内へのお弁当などの持ち込みや、ペット同伴はNG(但し盲導犬は可)。ブランチカフェがあるので、休憩はどうぞそちらへ。 写真はカモミール畑で、見頃は5月下旬〜6月上旬。約2,000㎡に、およそ2,000株が植栽されています。満開の時期には白い絨毯となって一面を覆い尽くし、甘い香りに包まれて幸せな気分に。2019年は6月15・16日に収穫祭を行い、摘み取り体験(540円)を実施。なんと抱きかかえられないくらい収穫してOKな、太っ腹企画なんです! 「ドライにすればハーブティー1年分は困らない!」と、毎年楽しみにしているリピーターの姿も見られます。 写真はラベンダー畑。園内にはいくつかのラベンダーエリアがあり、敷地内に計1万㎡、約1万株を植栽。見頃は6月中旬〜7月中旬です。まず‘濃紫’が6月中旬〜7月中旬に開花、次に‘オカムラサキ’が6月下旬〜7月中旬、最後にラバンジン系のイングリッシュラベンダーが7月上旬〜中旬と、見頃が大きく3つに分かれ、長く楽しめます。 2019年のラベンダーフェスタ期間は6月15日〜7月15日で、毎日摘み取り体験(510円)を開催。こちらは開花中なので、束にして人差し指と親指で作る輪に入る程度までという制限があります。7月6・7日には‘オカムラサキ’の収穫祭、7月13〜15日にはラバンジン系の収穫祭を開催。同時に、エッセンシャルオイルの抽出実演も披露されます。 10月中旬〜11月下旬には、セージが見頃になります。約1万㎡に約4万株を植栽。メキシカンセージ、ラベンダーセージ、ボックセージ、サルビア類など、約10〜15種類が色とりどりに花を咲かせます。開けた青空の下、花のカーペットを前にインスタ映えする写真が撮れそうです。2019年は9月28日〜11月24日の期間にミニ花束づくりの教室を、11月22〜24日は収穫祭を開催します。 ハーブ苗やオリジナルブランド「あおやま」など 充実の品揃えが嬉しいショップも併設 「メナード青山リゾート」では、苗の販売も行っています。ハーブを中心に年間100種以上を揃え、季節の旬の苗が豊富に並ぶので、ぜひパトロールを。園内で一目惚れした植物を購入できるかもしれませんよ! 特に人気が高いのは、ラバンデュラ(イングリッシュラベンダー系)や、早咲き品種の‘オカムラサキ’などです。 「メナード青山リゾート」のオリジナルブランド「あおやま」が揃うショップ。ラベンダー、カモミール、月下美人、ローズ、カサブランカなど癒し効果のある香りを配合したコスメアイテムがずらり。ボディエマルジョン、ハンドモイストスムーザー、バスシャワージェル、オーデトワレなど充実のラインナップです。ここでしか手に入らないアイテムですが、気に入った方に向けて通信販売にも対応しています。 園内のブランチカフェ「ルッコラ」で 自家製ハーブのランチやドリンクを堪能 園内のブランチカフェ「ルッコラ」の内装は、丸太の椅子が愛らしいナチュラルスタイル。営業時間は10〜16時、定休日なし、60席あります。主な価格帯は、フードが1,200円前後、ドリンクが500円前後。自家製ハーブを使ったハーブランチやパスタ、カレーのほか、オリジナルブレンドのハーブティーがオススメです。 写真は、一番人気のラベンダーソフトクリーム(410円)。ここでしか味わえない、オリジナルのフレーバーです。バニラクリームにほんのりとラベンダーの香りが混じる、意外にさっぱりとした風味。リンゴのような甘い香りを楽しめる、カモミールソフトクリーム(410円)もあります。 Information メナード青山リゾート ハーブガーデン 所在地:三重県伊賀市霧生2356 TEL:059-269-3181(予約センター 059-54-1236) https://www.menard.co.jp/resort/ アクセス: 公共交通機関/近鉄大阪線伊賀神戸駅から予約制無料送迎バスで約30分 近鉄大阪線榊原温泉口駅から予約制無料送迎バスで約30分 車/名阪国道上野東ICから約40分 伊勢自動車道道久居ICから約50分 オープン期間:4月26日~11月24日(2019年) 休園日:なし 営業時間:9:00~17:00(最終入園16:00) 料金:大人540円、小学生270円(4月26日〜5月24日、8月1日〜9月27日) 大人1,080円、小学生540円(上記以外) ※いずれも2019年・税込料金 駐車場:100台(無料) 併せて読みたい ・連休の花庭お出かけ情報! 日本全国、花の旅にオススメの観光ガーデン保存版【北海道・東北・関東】 ・宿根草ショップの店長が提案! 実用的でお得な宿根ハーブ5選 ・バラを育てたい! 初心者さん必見 野生種、オールドローズとモダンローズなどバラの種類を分かりやすく解説 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
-
三重県
花の庭巡りならここ! 地域住民の誇り、英国式庭園「松阪農業公園ベルファーム」
地域の人々が関わるイングリッシュガーデン 2004年にオープンした三重県の「松阪農業公園ベルファーム」は、伊勢自動車道の松阪ICから降りてすぐの立地にあり、松阪の豊かな自然環境や地域農業を生かし、「食育」・「緑育」の場を提供することを目的に設置されました。総敷地面積23万㎡の広大な園内には、地域の人々に愛される、緑に囲まれた癒しの場として整備された、敷地面積1万4,000㎡のイングリッシュガーデンがあり、ゆっくり歩いて30~40分ほどで見て回れます。 イングリッシュガーデンは、日本に英国式庭園の魅力を広めたケイ山田さんの設計。リニューアルを重ねつつ、現在は9つのエリア、チェルシーガーデン、ローズガーデン、ウォールガーデン、オーチャードガーデン、ハーブガーデン、ローディー(シャクナゲ)ガーデン、コニファーガーデン、インドアガーデン(グラスハウス内)、ストリームガーデン(改装中)を見学できます。 毎週火曜日には、地域のボランティアスタッフが訪れて、雑草抜きや植え替えなどの植物のケアに励み、植物を愛する人たちのコミュニケーションの場になっています。イングリッシュガーデンに不可欠な植物でも、松阪の温暖な気候では育たないケースもあり、代わりになる植物は何か試行錯誤しながら、年月をかけて松阪の気候風土に合うスタイルのイングリッシュガーデンに育ててきました。地域の気候に合った植物とは? 最新のトレンド品種とは? その答えが見つかるスポットとして、ガーデナーが情報を求めて訪ねる交流の場にもなっています。 灌木と草花が織りなすハーモニーは必見! 手入れの行き届いたガーデン 写真はウォールガーデンに対で植栽されたアメリカハナナシで、自然に樹形が三角形に整う花木です。3月下旬〜4月上旬が見頃で、花色は淡いピンクから白へと移ろいます。桜と同様に開花期は短く、1週間程度。樹高が7〜8mあるため、満開の時期は大変見応えがあり、アメリカハナナシの花見を目的に訪れるファンの姿も多く見られます。 チェルシーガーデンエリアの4月下旬〜5月上旬の景色です。直径4×高さ4mの六角形のコンサバトリーには、樹齢約15年の藤が覆うように仕立てられ、満開時は壮観。ガラス張りのコンサバトリーの中から見る藤の姿も素敵です。地植えのネモフィラやワスレナグサなど、ブルーの草花とも好相性ですね。 ローズガーデンのエリアでは、花つきがよく優美な花姿が魅力のイングリッシュローズを中心に植栽。オベリスクが5基あり、つるバラ‘ソンブレイユ’などを這わせてメリハリをつけています。本場のイングリッシュガーデンではピンクのバラと紫のラベンダーの組み合わせがよく見られますが、この地域ではラベンダーの育ちが悪いのが悩みでした。試行錯誤の結果、得られた解決策は、暑さに強いジャイアントキャットミントを代わりに植栽すること。ピンクとブルーの色の対比がとてもエレガントです。 バラの見頃は5月中旬〜下旬で、イングリッシュガーデンのトップシーズンでもあります。園内には約60品種500株のバラを植栽。写真はイングリッシュローズの‘ボスコベル’とジャイアントキャットミントの競演です。 イングリッシュガーデンに入ってすぐのボーダーガーデン。手前にはピンク、紫、白のペインテッドセージを植栽しています。同時期に咲くジギタリスやペンステモンと相性がよいうえに、草丈60〜80cmで花壇の中段を埋めるのにちょうどいい花材。花つきがよく枝葉がやわらかいので、風にそよいで混ざり咲く姿もたおやかです。 自然豊かな里山の借景が素晴らしい 毎月の体験教室やイベントも充実の松阪農業公園ベルファーム 松阪の里山の借景に恵まれているイングリッシュガーデン。広葉樹が里山の景色をつくっているので、四季の移ろいを感じることができます。特に、4月頃のヤマザクラがふもとから頂上へだんだんと上がっていく景色、萌えいづる季節の新緑のグラデーション、寒さが増すほどに深い緑から冬枯れへと移り変わる景色……園内のイングリッシュガーデンももちろん素敵ですが、美しい里山の景色も見どころの一つ。小鳥のさえずりがすぐ近くで聞こえて、時にはカワセミの姿も見られますよ! グラスハウス内のインドアガーデンは、雨の日でも楽しめるエリア。このプールには、睡蓮、パピルス、コロカシアなどの水生植物を植栽。初夏からは睡蓮の端正な花姿が見頃になります。15時を過ぎると花が閉じてしまうので、午前中に訪れるのがオススメです。 また、毎月多彩な体験講座が開催されており、フラワーアレンジやプリザーブドフラワー、草木染め、ハーブせっけん作り、料理教室など魅力的なコンテンツが目白押しなので、ぜひ参加してみましょう(予約が必要な講座が多いので、公式ホームページをチェックしてください)。 写真は秋の景色で、パンパスグラスが季節感を演出、センニチコウ、リコリス、黄色コスモス‘キャンパスイエロー’などの花々が彩りを添えます。10月末~11月上旬は、ハンギングバスケットやコンテナのコンテストも開催されるので、ぜひ作品群を見に出かけましょう。 温暖な気候のため冬もオープンしており、年に1度くらいしか積雪はありません。でも実のところ、雪化粧をしたコニファーガーデンはとてもロマンティックな雰囲気を堪能できるので、貴重なタイミングを逃さずに。またバラの植栽が多いため、この時期は剪定のコツをつかみに訪れる熱心なガーデナーの姿もちらほらと見られます。 カフェのパティシエ作ジェラートはリピートして全制覇したい! 2018年オープン、無添加生地のこだわりパン屋さんも大盛況 「松阪農業公園ベルファーム」内、イングリッシュガーデンのエントランスには、「ガーデンカフェ ルーベル」があります。営業時間は10:00〜16:00(平日)、10:00〜17:00(土日祝、11〜3月は16:00)、ランチタイムは11:00〜14:00。園内の直売所から届く朝採れ野菜など、地元の旬の食材を使った食事を楽しめます。写真は野菜ソムリエの手作りランチ。パティシエのミニデザートつきで平日1,050円。 「ガーデンカフェ ルーベル」のオススメは、パティシエが作る季節のジェラート 。ミディアムサイズ2種盛り340円、3種盛り440円。フレーバーは季節によって変わり、こく旨ミルク、最高級抹茶(プラス30円)、松阪牛肉みそ、チョコレート、ブルーベリー、カボチャ、イチジク、塩レモン、アンズヨーグルト、ブラムリー、巨峰シャーベット、はちみつばんかんなど、常時10種類以上の味が楽しめます。個性的なフレーバーがずらり、これはぜひリピートしたいデザートですね! 2018年春には、「松阪農業公園ベルファーム」の直売所(農家市場内)に「国産小麦のパンとスイーツのお店『やさい畑』」がオープンしました。営業時間は10:00〜16:00。 国産小麦を100%使用し、イーストフード、保存料などの合成添加物は使わない無添加生地にこだわっており、すべて店内で手づくりしています。イートインスペースもありますよ(イングリッシュガーデン内での飲食は不可)! 「国産小麦のパンとスイーツのお店『やさい畑』」のオススメは、写真の最高級伊勢抹茶さくさくメロンパン162円。ほかにパンドミ345円、阿波黒牛揚げカレーパン270円、季節のフルーツタルト400円も人気です。 掲載している商品および価格は、2018年11月現在(消費税込み)の内容です。今後変更になる場合もありますのでご了承ください。 Information 松阪農業公園ベルファーム 所在地:三重県松阪市伊勢寺町551-3 TEL:0598-63-0050 http://www.bellfarm.jp/ アクセス:公共交通機関/JR・近鉄松阪駅よりタクシーで約20分、バスで約30分 車/伊勢自動車道松阪インターより東に約500m オープン期間:周年 休園日:2019年4月より、5・8月を除く毎週水曜日(祝日の場合は翌日)、12月31日、1月1日 ※臨時休園あり 営業時間:イングリッシュガーデン10:00〜17:00 (施設により異なる) 料金:無料 駐車場:普通車700台、大型バス10台(無料) 併せて読みたい ・花の庭巡りならここ!「かおり風景100選」に認定された「山形県村山市 東沢バラ公園」 ・花の庭巡りならここ! 麗しき英国式庭園「みつけイングリッシュガーデン」 ・花の庭巡りならここ! 色彩美を表現する印象派庭園を一度は見ておきたい「浜名湖ガーデンパーク」 Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが醍醐味ですね。 https://twitter.com/passion_oranges/
-
三重県
花の庭巡りならここ! 四季を通して楽しめる観光ガーデン「花と緑と食のテーマパーク なばなの里」
一日たっぷり遊べる観光ガーデン「花と緑と食のテーマパーク なばなの里」 「花と緑と食のテーマパーク なばなの里」は、リゾートホテルや温泉施設、遊園地などを持つ「ナガシマリゾート」が運営する観光ガーデン。四季折々に花々が咲き誇る景色が広がり、1998年のオープン以来、多くのリピーターが訪れる癒やしのスポットです。里内には、地ビール園をはじめとする8つのレストランや売店、国内最大級の温室、温泉施設も併設。一日たっぷり時間をかけて過ごすのがオススメです。入場の際には、里内で使える1,000円分の金券がついているので、ぜひレジャーを楽しみましょう! 一年を通して花であふれるテーマパークへ出かけよう! 「なばなの里」は約30万㎡という広大な敷地で、里内を一周するには大人の足でゆっくり歩いて約1時間ほど。春の「花まつり」は2月から始まり、しだれ梅約330本、梅(紅梅、白梅)約150本が開花、まだ冬の名残りのあるなか、一足早く春の到来を実感できます。写真は桜の中でも早咲きの河津桜で、3月上旬〜下旬が見頃。約300本が植栽された花街道をそぞろ歩きしながら、少し早い花見を楽しみましょう。3月下旬〜4月下旬には、チューリップが満開となり、約4万3,000㎡の花ひろばが、カラフルな絨毯のような景色をつくり出します。 5月上旬〜6月下旬は、バラが主役となって里内を彩る季節。約800品種4,000本のバラが出迎えてくれます。通路側には香りの強いバラが植栽されているので、品種ごとに異なる馥郁とした香り比べを楽しみましょう。イングリッシュローズやオールドローズなど、人気のバラがアーチやオベリスクなどに絡み、全方位から見て楽しめる仕立て方が目を引きます。 6月上旬〜7月初旬は、アジサイ約7万株とハナショウブ8,000株が咲き競う季節。奥の展望台に上がれば、約2万6,000㎡の敷地一面が紫〜ブルーに染まる全景を見渡せ、その壮大な景色を楽しめます。 9月中旬〜11月上旬はコスモスの季節。タネ播きの時期をずらして開花調整し、長い期間満開の様子を楽しめるよう工夫しているそうです。ピンクの濃淡&白のコスモスでつくる花の絨毯の色が見どころの一つ。爛漫と咲き乱れる花畑で、フォトジェニックなシーンを写真に収めることができそうです。さらに季節が進んで10月上旬〜11月下旬には、約200種3万2,000本のダリアが見頃を迎えます。 紅葉の見頃は毎年11月下旬から。フォトスポットは「鏡池」と名づけられた池周辺です。周囲にぐるりとモミジなどを植栽して囲い込んでつくられた、逆さ紅葉が水鏡に映し出される景色は圧巻。夜はライトアップされるので、昼間とはまた違った表情を見せてくれます。この水鏡を維持するために、スタッフが池の落ち葉拾いなどに励むそうで、行き届いたメンテナンスあっての絶景です。 イルミネーションや温室のベゴニアガーデンも見どころ 10月中旬〜5月初旬は、国内最大級のイルミネーションが楽しめます。写真はシンボルツリーの約20mのヒマラヤスギが、毎年色を変えてイルミネーションで照らし出される様子。里内にはさまざまなイルミネーションが施され、約5,200人の夜景鑑賞士が厳選する「イルミネーションランキング」では、3年連続第1位を獲得するクオリティーの高さを誇ります。毎年テーマを設けており、2017-2018年は「くまもとだモン!」〜くまモンのふるさと紀行〜と題した、熊本の復興応援企画。高さ約30m、幅約150mのスケールで躍動感あふれるイルミネーションが彩る大パノラマを楽しめます。 写真は、アンデスの花園「ベゴニアガーデン」。約9,000㎡の温室に、世界各地から集められた球根ベゴニア、木立ベゴニアなど約600種1万2,000株を展示しています。天井からは豪華なハンギングが下がり、花のパラダイスさながら。年中15〜25℃に保って調光することにより、冬でもたくさんのベゴニアが咲くように管理されています。ベゴニアガーデンの奥はカフェスペースがあるので、花景色を楽しみながらの休憩もいいですね。 レストランやカフェは8店舗! 土産物を扱うショップも充実の品揃え 里内には8店舗のレストランが点在しています。写真の「カフェ・ラ・テラス」のオープンは9:00〜21:00(季節によって22:00、ラストオーダーは30分前まで)で、コーヒー、紅茶(各480円)、ソフトドリンク(450円〜)のほか、ミックスサンドイッチ(780円)、アイスクリーム、シャーベット(各450円〜)などもオーダーできます。オススメは里内にある「テン・ツー・ファイブ」で毎日焼き上げる手作りのケーキ(各種430円)。また、季節限定メニューもあります。 また、里内にはパン屋さん「テン・ツー・ファイブ」があり、ここで購入したパンを里内で飲食してもOK。アウトドアの季節には、景色を見ながら外で腹ごしらえするのもよさそうです。人気はメガメロンパン(600円)で、直径約25㎝もあり、大きい分中はふんわり、表面はサクッとした食感がおいしいと評判。1日数量限定で焼かれるレアアイテムです。 土産物売り場の「村の市」では、雑貨や食品など地元の名産品がバラエティー豊かに陳列されています。ほかにもビールサーバーから注がれる長島地ビールや、揚げたてのコロッケ、さつまあげの「うま天」などが販売され、休憩スペースで味比べを楽しむのもオツなものです! Information なばなの里 所在地:三重県桑名市長島町駒江漆畑270 Tel. 0594-41-0787 http://www.nagashima-onsen.co.jp アクセス:名古屋・名鉄バスセンター「長島温泉」行きバスにて約40分「なばなの里」下車すぐ。 JR・近鉄桑名駅下車 三重交通「なばなの里」行き直通バスにて20分(イルミネーション期間中は運休) JR・近鉄長島駅下車 三重交通「なばなの里」行き直通バスにて20分(イルミネーション期間中のみ運行) 東名阪自動車道「長島IC」より、県道7号線を南下、約10分 伊勢湾岸自動車道「湾岸長島IC」より、県道7号線を北上、約15分 オープン期間:通年(各季節、イベントにより異なる). 定休日:メンテナンスのため毎年7月上旬頃、5日間の休業日あり 営業時間:9:00〜21:00、9:00〜22:00(イルミネーション期間中の特定日など) 入園料:小学生以上2,300円(イルミネーション期間中、里内で使える1,000円分の金券つき) ※時期によって異なります Credit 取材&文/長田節子 ガーデニング、インテリア、ハウジングを中心に、ライフスタイル分野を得意とするライター、エディター。1994年より約10年の編集プロダクション勤務を経て、独立しフリーランスで活動。特にガーデニング分野が好きで、自身でも小さなベランダでバラ6姉妹と季節の草花を育てています。草花や木の名前を覚えると、道端で咲いている姿を見て、お友達にばったり会って親しく挨拶するような気分になれるのが、醍醐味ですね。https://twitter.com/passion_oranges/